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1995-10-25 第134回国会 衆議院 外務委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年十月二十五日(水曜日)    午前十時四十四分開議 出席委員   委員長 三原 朝彦君    理事 小杉  隆君 理事 田中 直紀君    理事 玉沢徳一郎君 理事 松沢 成文君    理事 松田 岩夫君 理事 秋葉 忠利君    理事 前原 誠司君       安倍 晋三君    柿澤 弘治君       久野統一郎君    斎藤 文昭君       坂本三十次君    櫻内 義雄君       鈴木 宗男君    二階堂 進君       原田昇左右君    赤羽 一嘉君       石井 啓一君    鹿野 道彦君       小坂 憲次君   柴野たいぞう君       高市 早苗君    武山百合子君       伊藤  茂君    松前  仰君       山元  勉君    古堅 実吉君  出席国務大臣         外 務 大 臣 河野 洋平君  出席政府委員         外務大臣官房審         議官      谷内正太郎君         外務省総合外交         政策局長    川島  裕君         外務省総合外交         政策局軍備管  河村 武和君         理・科学審議官         外務省アジア局         長       加藤 良三君         外務省北米局長 折田 正樹君         外務省経済局長 原口 幸市君         外務省経済協力 畠中  篤君         外務省条約局長 林   暘君  委員外出席者         国際平和協力本 國方 俊男君         部事務局参事官         外務大臣官房審         議官      河東 哲夫君         郵政省電気通信         局電波部計画課         長       竹田 義行君         郵政省電気通信         局電波部航空海         上課長     渡辺 和司君         外務委員会調査         室長      野村 忠清君     ————————————— 委員の異動 十月二十五日  辞任         補欠選任   柿澤 弘治君     久野統一郎君   岡田 克也君     武山百合子君   羽田  孜君     小坂 憲次君   若松 謙維君     石井 啓一君 同日  辞任         補欠選任   久野統一郎君     柿澤 弘治君   石井 啓一君     若松 謙維君   小坂 憲次君     羽田  孜君   武山百合子君     岡田 克也君     ————————————— 十月二十五日  千九百九十五年の国際穀物協定締結について  承認を求めるの件(条約第二号)(参議院送付  )  千九百九十五年の国際天然ゴム協定締結につ  いて承認を求めるの件(条約第三号)(参議院  送付) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国際海事衛星機構インマルサット)に関する  条約改正受諾について承認を求めるの件(  条約第一号)  千九百九十五年の国際穀物協定締結について  承認を求めるの件(条約第二号)(参議院送付  )  千九百九十五年の国際天然ゴム協定締結につ  いて承認を求めるの件(条約第三号)(参議院  送付)      ————◇—————
  2. 三原朝彦

    三原委員長 これより会議を開きます。  開会に先立ち、事務局をして新進党民主会議所属委員出席を要請いたしましたが、出席が得られません。  再度理事をして出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。  再度新進党民主会議所属委員出席を要請いたしましたが、その出席が得られません。  この際、暫時休憩いたします。     午前十時四十七分休憩      ————◇—————     午後四時三十分開議
  3. 三原朝彦

    三原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国際海事衛星機構インマルサット)に関する条約改正受諾ついで承認を求めるの件を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中直紀君。
  4. 田中直紀

    田中(直)委員 自由民主党の田中でございます。  十五分の質問時間をいただきましたので、イジマルサットの条約改正ついでお尋ねをいたしたいと思いますが、その前に、外務大臣がお出ましてございますので、昨日モンデール日大使と約一時間ほど会談をされたというふうに伺っております。それで、ただいま問題になっております日米地位協定、なかんずく刑事裁判手続につきましてそろそろ結論が見えてきておる、こういうこともニュースで伝えられでおるところでございます。我が党におきましても、まずこの問題につきましで具体的な成果を見守っておる、こういうことでありますし、御努力をいただいておることにつきましては大変評価をいたしておりますが、いつごろその結論が出るのか、そしてまた今までの経過を若干御説明いただければ大変ありがたいと思います。よろしくお願いをいたします。
  5. 河野洋平

    河野国務大臣 お尋ねの件につきましては、昨日に続きましで本日も午後三時過ぎに再びモンデール大使とお目にかかりましで大詰めの調整をしたところでございます。  それで、本日の会合におきまして、身柄の引き渡しに関する刑事裁判手続の改善につきまして、申し上げたとおり大筋で了解が得られましたが、引き続き特別専門家委員会におきまして内容の確認など技術的な詰めを現在行っておりまして、専門家委員会開会中、恐らくこの時間開会中だと存じますが、という事情もございましで、現時点におきましてはこれ以上内容に立ち入ってお答えをすることは差し控えたいと存じますが、結論はそう遠からず出るもの、こう考えております。
  6. 田中直紀

    田中(直)委員 沖縄問題につきましては、沖縄県民のみならず国民の感情というものがございます。また、大変具体的な問題も提起されておるわけでありますから、そういう意味で、明確な成果を上げられんことを、心から御努力お願い申し上げたいと思います。  あともう一つ関連で、沖縄米軍基地整理統合あるいは縮小へ向けての協議機関が正式に設置されるということで合意をされた、こういうことでございますけれども、いつの時期に設置されるかということもあわせちょっとお尋ねをいたしたいと思います。
  7. 河野洋平

    河野国務大臣 モンデール大使とも、話し合いの席上、この種の問題について話し合う場をつくる必要があるということを提起をいたしまして、そうした考え方については前向きの、といいますか、理解のあるやりとりを二人でさせでいただきましたが、まだ具体的に、どういう枠組みでどういう位置づけでというようなところまで話が詰まっておりません。引き続きこの話もこれからしなければならないというふうに思っているところでございます。
  8. 田中直紀

    田中(直)委員 外務大臣の御努力を切にお願いをいたします。  では、インマルサット条約の件につきまして御質問をいたします。  この条約につきましては、六年前に既に海と空の移動通信、こういうことで批准をしてきでおるところでございますけれども、今回は陸上移動につきましても改正で入ってきた、こういうことでありますが、この我が国批准がほかの諸外国に比べておくれておるといいますか、早期批准をしなかった。これは外務省皆さん方考え方もあろうかと思いますが、主に通信関係においての条件整備ということもあったと思いますけれども、この批准がおくれた理由をまず伺いたいと思います。
  9. 河村武和

    河村政府委員 お答え申し上げます。  基本論でございますけれども我が国といたしましては、未締結条約については条約の目的、意義内容締結必要性国内法制との整合性等を十分勘案いたしましてその取り扱いについて検討を行って、締結が適当でありかつ問題がないと考えられるものについては速やかにその締結について国会の御承認お願いしてきている次第でございます。  この改正につきましては、我が国インマルサットにおいで主要な役割を果たしているということを踏まえましで、衛星通信事業が世界的に多様化する中で、インマルサット早期陸上移動通信サービスを開始するために、我が国として本件改正受諾する必要性等について政府部内で検討を行ってまいりました。このような状況の中で、本年一月の阪神淡路大震災の際、通常の電話通信網による通信が極めて困難となった中におきまして、インマルサットによる陸上移動通信を試験的に使用しましたところ、その有効性の極めて大きいことが改めて認識されるに至った次第でございます。このような状況にかんがみまして、我が国としては、本件改正受諾することによりこの改正早期発効に資することが適当である、このように考えまして、今回の臨時国会におきましてその受諾について御承認を求めることとした次第でございます。
  10. 田中直紀

    田中(直)委員 今の内容につきましては、御存じのとおり、災害時に陸上での活用、こういうことも大変緊急時には有効である、こういうことで、我々が、各党もいろいろ災害に対して意見、危機管理というような中で、この条約改正批准されておらない、こういうことで、大変そういう面で手おくれな状況にあるな、こういう御指摘を申し上げたわけでありますが、重立った諸外国改正批准をしておったということであります。  今の時点では当然この必要性というものは大変皆さん方も御認識をされておるわけでありますけれども、実際に手続上、もう既に六年前にその改正がされておっで、そしてまた諸外国も、重立った国々も加盟してきて批准をしておる。我が国がこういう時点ということで、指摘をされるまで批准をしなかったというこの内容について、その経過をちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
  11. 河村武和

    河村政府委員 お答え申し上げます。  実は、先ほども申しましたとおり、我が国条約締結について国会の御承認お願いするという場合におきましては、いろいろと周囲の状況を勘案いたしまして、政府部内で検討を行い、その意味締結お願いすることが適当であるということを判断いたしました場合に承認お願いしてきているということでございます。  先ほど先生からもお話がございましたとおり、その有効性というものが本年一月の阪神淡路大震災のときにあったではないかという御指摘もございましたので、まだ発効はいたしておりませんけれども日本がこの条約受諾するということによってこの条約早期発効に資するということが適当であると考えて、先ほど申しましたとおり、今臨時国会においてお願いをした、こういうことでございます。
  12. 田中直紀

    田中(直)委員 この批准をいたしまして、災害時に国内外においての通信網というもので、郵政省含めて整備に取り組んでいただきたい、こういうふうに思います。  この批准も含めて、最近は大変インマルサットを初めとして複数の通信衛星利用した国際規模活用が図られできておるわけでありますし、聞きますと、イリジウム計画ということで国際規模衛星携帯電話計画、こういうものがあるようでございます。この条約の八条に規定されております内容から、将来的には国際的な自由化の中で、大変そういう意味では国際的な調整が必要になってくる、こういうような話になるわけでありますけれども、その辺の対応につきましては、郵政省はどういうふうに考えておられますか。お伺いいたします。
  13. 渡辺和司

    渡辺説明員 今先生から御指摘いただきましたイリジウムあるいはインマルサットPサービス、最近計画に上がっておるものでございますが、これは静止軌道ではございませんで、周回衛星により同様のサービスをするシステムでございます。これにつきましては、条約に基づきましていずれにしても調整をするという場面が出てこようかと思いますけれどもインマルサット政府間機関として、海上遭難通信等を他の通信に優先して提供するという、そういう重要な公的義務を負っているという点で、これらイリジウム等システムとは異なった特色を有しでいるものでございます。そういう意味合いから、それそれがその特色を生かしながらシステムが運営されていくということから、調整については十分円滑に進めでいくことができるものというふうに我々は考えでおるところでございます。
  14. 田中直紀

    田中(直)委員 あと郵政省の方に御要望申し上げますけれども、一方、インマルサットPという計画があるようでございます。これはインマルサット衛星利用した、これも衛星携帯電話システム、こういうことでありますし、我が国独自に国際的な携帯電話システムをつくっていく時代になってきておる、こういうことであろうかと思います。我が国のその分野における政策はどういうふうになっておるか、伺いたいと思います。
  15. 渡辺和司

    渡辺説明員 インマルPと申しますのは、やはりイリジウムと同様の周回衛星を用いたシステムでございまして、インマルP事業会社に対してはインマルが一定の出資をする、そういう関係でございます。  これにつきましては、これらを含め幾つかのこういう周回衛星を用いた世界的なシステムが今計画されておりますが、我が国におきましても、これらシステム利用する形で、できるだけ幅広く多くのユーザーの方に利用していただくようなそういう施策を、円滑に利用できるという方向でさまざまな法制上の対応をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  16. 田中直紀

    田中(直)委員 時間になりましたので、もう一問だけお聞きしたいと思います。  南極観測船の「しらせ」、先般小名浜港に寄港していただいて、懇談をする機会がありました。我が国のそういう意味では技術の先端を行く南極観測船、こういうことで、大変そういう面で調査に熱心に当たっておられる方々でありますが、このもともとの条約において、海上でのインマルサット活用南極の方から電話等をする、こういうふうな機会も大変多いということでありますけれども、残念なことに大変電話料金が高い。これはKDD皆さんにも、その活用利用度というものもあろうかと思いますけれども、公的な中においても相当活用が深まっておるわけでありますし、直接話を聞いたからというわけではありませんが、そういう南極観測船等電話においても料金を相当下げていただく、こういうことも御努力をいただきたいと思いますので、郵政省の方にお尋ねをして、要望としてお願いをいたしたいと思います。
  17. 渡辺和司

    渡辺説明員 このインマルサット利用したシステム料金については、確かに高いんではないかということも各方面から聞いておるところでございます。ただ、運営をしておりますKDDにおきましても、この間、経営努力によりまして順次引き下げという方向努力もしておるところでございまして、今後そういう努力がされるように、郵政省としてもできるだけのことはやってまいりたいというふうに考えております。
  18. 田中直紀

    田中(直)委員 以上、終わります。
  19. 三原朝彦

  20. 山元勉

    山元委員 社会党の山元でございます。外務委員会、初めての質問です。短時間ですけれども、よろしくお願いしたいと思います。  議題となっております条約改正については、その意義について理解をいたしますし、賛成でございます。一、二そのことについて、お尋ねだけはしておきたいというふうに思います。  阪神淡路大震災のときに、電話交換に殺到しで、十七日当日はピーク時で五十倍にもなった、明くる日も二十倍ほどになって、いわゆる交換機に殺到して、ふくそうという事態に陥ったということを聞いております。  災害時に通信を確保するということは、被災者の生活的にもあるいは精神的にも大きな支えになりますし、そして行政の効率的な、迅速な執行ということからも大変大事な問題だというふうに思います。そういう見地からといいますか、災害時に有益だということも提案理由にもなっております。  そこで、改正をして政府はこのインマルサットをどのようにこれから活用していくのか、具体的に、例えば各県にとか各ブロックにとか、どういうような配置の計画、導入の計画をお持ちなのか、お尋ねをしたい。
  21. 渡辺和司

    渡辺説明員 今先生から御紹介いただきましたように、さきの阪神淡路大震災におきましては、このインマルサットシステムが非常に活躍をしたということでございまして、今後ともインマルサットシステム、特に災害時においていかに活用していくかというのが行政上の課題であろうかと思っております。  郵政省といたしましては、このような災害時の経験を踏まえまして、今後広域的な災害対策を支援するために、八年度予算要求中の防災無線システム高度化のための施策を推進するとともに、災害時におけるインマルサット地球局を含めた衛星通信利用を一層促進することによりまして、災害時の通信確保体制の強化を図っていくという考えてあります。と同時に、各防災機関におきましても、できるだけこのインマルサットシステム活用されるよう、いろいろと郵政省としてもできる限りの努力をしてまいりたいというふうに考えているところであります。
  22. 山元勉

    山元委員 確かに、災害のときに八台を特例措置として使わせてもらって、大変有効であった、こう聞いているわけですが、例えば三十六カ国批准しなければ発効しないわけで、あと十カ国、まあ日本がすればあと九カ国の批准を待って、発効してそれをということにならないで、そういう緊急時のときには、一分一秒争うときには例外と言わずに使える、そういう手続を今からできないのかどうか。確かに予算をつけでいって用意をしていく、そしてふだんの日常の使用じゃなしに、そういう一分一秒を争うときには即座に使えるというような体制をとるべきではないかと思うのですが、いかがですか。
  23. 渡辺和司

    渡辺説明員 全く先生指摘のとおりでございまして、これまでこのインマルサットシステムは、いわば実験という位置づけで、臨機の措置というような形で使っていただいておるわけですけれども、今国会で御審議をいただいた暁には、我々としても、インマルサットシステムをいざというときに速やかに使えるように法的な整備もしてまいりたいというふうに考えております。  ただ、条約発効がすぐにという情勢ではないために、我々としても、形としてはインマルサットシステムについては試験的なサービスという位置づけでやってまいりますが、実態としては実用化サービスと同様のものを提供できるように措置しでまいりたいというふうに考えているところでございます。
  24. 山元勉

    山元委員 今や国を挙げて安全な国づくりということに努力をしているわけですから、大変有効な武器だといいますか、ですから、ぜひそういうことで積極的に努力をしておいていただきたいというふうに思います。  沖縄基地の問題について若干お尋ねをしたいのですが、先日、ペリー国防長官が積極的な発言をしていただいた。いただいたというのはおかしいですが、二十三日の新聞にでかでかと出ていたわけですね。我々は沖縄県民皆さんの懸念を和らげるためにあらゆる努力をする、あらゆることをするのだ、こういう記事が出たわけです。これは確かに日本政府努力をしてきたけれども、何よりもやはりこういう言葉を引き出したのは沖縄の方、八万五千人のあの集会叫びですし、日本国民叫びだろう、心だろうというふうに思います。  そういうものが出てきて私は、ああ前進するなという気持ちがしたのですけれども、率直に言つで、外務省皆さんコメントが次々と出てくるのは極めて消極的で、これを積極的に受けとめて推していこうという姿勢が見られなかったというふうに思うのです。  私はやはり、こういう県民皆さん国民皆さんのお気持ちをしっかりと踏まえて、あるいは前面に出して物を解決しようとするのが国益のためであるし、外務省の責任だというふうに思うのですね。けれども、そういうふうにコメントはなっていなかったというふうに思うのですが、その点大臣、どうですか。
  25. 河野洋平

    河野国務大臣 事件が起きまして、その後事件の概要がわかりました時点で、私も米側に対して、今回の事件の極めて許しがたいものであるという点を初めとして、沖縄県民が受けた体験というものはこれまでにいろいろなものが積み重なっていただけに、これはもう非常に強い、きつい、厳しいものになっているということを米側には私としてはできる限り伝えたつもりでおります。  いずれにしても、米側は今回の問題について非常に厳しく受けとめでいることは事実でございまして、ペリー長官発言を今引用されましたけれどもペリー長官はこの発言の以前にも在日米軍に対して非常に厳しく、教育訓練その他について、つまり再発防止についてできる限りのことをやらなければいかぬということを指示しておられて、現実にそれは今行われているわけでございますが、そうした受けとめ方をペリー長官はしておられます。  私どもは、今議員お話しのように、沖縄県民の心を心として、米側にはきちんと主張すべき点は主張するということを心がけなければならない、こう考えております。もちろんルールもございますし、それから双方が負担しなければならないいろいろな問題もございます。しかし、それはそれとして、私は沖縄県民の心をきちんと受けとめて対応するべきだというふうに考えているところでございます。
  26. 山元勉

    山元委員 私も確かにそうだろうというふうに思いますが、事実の経過がどうもそうなっていないという、私は世論もそうなっているというふうに思うのですが、確かに二十三日の新聞、大きな見出しで、「沖縄米軍縮小 検討用意」、あらゆることをする、幾つもの記事で大体、調整に柔軟とかそういう記事で出ているのですが、このことを受けとめた総理あるいは政府姿勢外務省とがどうもずれがあっで、私はこれから、今田中先生から話がありましたけれども協議機関を置くとか、あるいは話し合いに入っていくというときの姿勢として、よほど外務省にしっかりしてもらわなければならないという気持ちがするわけです。  それは例えば、明くる日の新聞では、やはり、外務省は、縮小ペリーさんは考えでいないのだとか、必死になって何か、だめだだめだ、こう言っているのを、後ろからというのですか、先ほども言いましたように、国民の声、沖縄の声は、縮小してほしいのだ、日米安保意味はわかるけれどもしかしということがこの間の集会の中でも随分と叫ばれているわけです。そのことがやはり前面に出ていない。  今大臣がおっしゃるように、心を心として、最大限前へ出していかなければ、努力しなければいかぬということについて、私は例えば、新聞記事ですからなんですが、一方外務省長官言葉に疑問を持っているとか、いろいろのことを言っている。僕は、一々は申しませんが、それがやはり一つ政府内でも足並み乱れがあるのではないか、こう言われたことだというふうに思うのですね。そういう意味で、ぜひ政府与党国民一体になって事を解決するということについて、外務省皆さんも、お役所の皆さん一体になって汗を流していただくということが必要なのですが、重ねで今大臣気持ちを。
  27. 河野洋平

    河野国務大臣 こうした問題に対処するためには、政府一体となって取り組む。総理言葉をかりれば、政府与党一体となって取り組まなければいかぬ、こういうことも言っておられるわけでございますが、とりわけ政府部内に足並み乱れがあるということであってはならぬというふうに思います。  私は、今申し上げましたように、私どもとして、沖縄県民の心を心として事に当たらなければならぬという気持ちでございます。ペリー長官の御発言が、日本からの提案に誠実に耳を傾ける、こういった意味のことを言われていることを私は歓迎したいと思います。  ただ、これはもうきょうここでこれ以上議論はいたしませんけれどもペリー長官発言の趣旨、真意というものがどこにあるかということについでは、これまで議論をしてまいりました私どもとしては、あのテレビのインタビューで述べられたペリー長官の御発言というものの真意というものについては若干、メディアを通して我々に伝えられていることと違うのではないかという、これは別にマイナスの気持ちを持って言っているのではなくて、これから議論をしていくときに、この発言をベースにして議論ができるかどうかということについてはやはり一つずつ確認をしていく必要はある、そういう気持ちから真意をただしたことはございますが、いずれにしても私どもは、日本側の主張をペリー長官が誠意を持って聞く、こうおっしゃっておられることは歓迎をしているところでございます。
  28. 山元勉

    山元委員 きのう、きょう、一万ずつといいますか、協議機関ができた。きょうの新聞で、先ほども聞きましたけれども米側に七施設の返還について提案をしていくということが出でいるわけですね。これはけさの朝刊ですが、三党首と外務大臣と防衛庁長官らが集まって、縮小をアメリカに提案をしていくということになっているわけですね。これは、記事ついで、例えば見出しそのものと受け取ってよろしいですか。沖縄基地縮小、アメリカに提案をするという。
  29. 河野洋平

    河野国務大臣 昨日、与党三党の党首がお集まりになりまして、それに私ども、この問題に関係をしてまいりました四閣僚が同席をして議論をいたしましたときには、今の見出しのようなやりとりはございませんでした。
  30. 山元勉

    山元委員 そうすると、また心配になるわけですね。協議機関が設置をされる。先ほど大臣がおっしゃいましたように、これから一生懸命やつで協議をしていく。枠組みだとか、その具体的なことはまだ決まっていない。そういうところに、私は、きょうの新聞を見で、ああこれはまた前進だなというふうに評価をしたわけです。  ですから、こういう流れは、最初にペリー発言があった後で、外務省の方が縮小ではないんだ、前の委員会大臣がお答えになっていたように整理統合で、結果から縮小だ、こうおっしゃっていたスタンスで外務省の方が、首脳がおっしゃっているんだというふうに私たちは批判的に見ていたわけですが、きのう、きょうのこのことで言うと、縮小に向けて腹を決めで前進をするんだな、取り組むんだなというふうに受け取ったのですが、そうではないわけですか。     〔委員長退席、玉沢委員長代理着席〕
  31. 河野洋平

    河野国務大臣 基地問題について、日米双方で協議をするまず場を設けるという提案をいたしまして、双方でこれについて検討をして、それを、何といいますか、確認するといいますか、そういう作業に次の段階で持っていかなければならないというふうに思っでいるわけでございましで、私どもは、今新聞その他で、どこの飛行場がどうしたとか、何施設をどうしたとかいろいろ出ております。かなりこれは推測、憶測のたぐいが多うございますけれども、もっときちっとした場をまず、枠組みをつくって、きちっとした枠組みの中で議論をするということが必要ではないかということで、枠組みをつくるべく目下提案をしているという状況でございます。
  32. 山元勉

    山元委員 時間が短過ぎで、十分に大臣の決意が聞かせでもらえたという気持ちになれないわけです。  それで、ごらんになったかもしれませんけれども、この沖縄新聞を見ると、本当にすごい気持ちがわかるわけですね。そして、さわやかに高校三年の女子学生が訴えをした。本当にもう基地は要らないんだと。この高校三年生の子が、未来の自分の子供たちにもそんな生活はさせたくない、こういうことを言っているわけですね。  ですから、やはりこの際にしっかりと、沖縄の人の心を心とするのであれば、何とかして縮小していくんだ、七五%も集中しているような状況は解決するんだということをしっかりと腹に入れで私はこれから取り組んでいただきたい。河野大臣を信頼をして質問を終わりたいと思うのですが、よろしゅうございますか。  終わります。
  33. 玉沢徳一郎

    ○玉沢委員長代理 前原誠司君。
  34. 前原誠司

    ○前原委員 国際海事衛星機構インマルサットについて御質問をさせていただきたいと思います。  重複を避けて御質問をいたしますが、先ほど山元委員からも御質問がございましたように、今回の阪神淡路大震災の際には防災無線というものが機能しなかった部分があって、電話回線に頼らざるを得なかった、その結果、私も京都でしたので実体験としてよく理解したわけでありますけれども、ほとんど電話がかからないという状況になりました。したがいましで、このインマルサットというものが陸上で使われるようになれば、特にこういう万が一の際には大変効果があろうかと思っております。  国内での取り組みについてはお聞きになりましたので重複を避けますけれども、例えばことし六月にロシアのサハリンで地震が起きました。そのときに、国際電信電話KDDインマルサット通信設備を無償供与したということでございました。このインマルサット条約については、取り決めによりまして、国と民間企業一社のみが共同で加盟をするということになっているそうであります。そして、例えばこのような万が一のときの援助の際には、今回、六月のサハリン地震の際にはKDDが無償供与をしたということでありました。  しかし、本来の趣旨からいいまして、民間会社に無償供与というものをすべでお願いするというよりも、やはり政府が、今後、日本がこういう条約に加盟をした際に、いわゆる災害援助の一環としてみずからがインマルサット通信設備というものを無償供与するという必要性があるのではないかと思いますが、この点について、今後の対応というものをお伺いをしたいと思います。
  35. 渡辺和司

    渡辺説明員 先般のサハリン地震の際は、今先生指摘のとおり、電気通信事業者たるKDDが無償供与という形で支援をしたわけでございます。私ども、電気通信事業者が人道的な見地から非常災害時におきましてできる範囲の支援を行うということについては、非常に評価できるものだというふうに考えておるところでございます。また、KDDにつきましては、先般の阪神淡路大震災の際においても、被災地に対しましてインマルサット可搬型地球局の無償貸与を行っております。今後とも、こういう活動については私どもも評価されるべきものというふうに考えております。  郵政省としましても、このようなインマルサットシステム利用を含めて、非常災害時における無線通信施設の有効性ということを十分認識して、防災機関等においてこういうシステム活用されていくように我々としても努力いたしますし、また国際的にも、国際協力の見地からそういう活動についての推進がされていくべきものというふうに考えておるところでございます。
  36. 前原誠司

    ○前原委員 外務省には次の質問とあわせて今の御質問にお答えいただきたいと思いますが、災害だけではなくて、発展途上国においては通信施設を持っていない、例えば離島で構成されているところでありますとか、そういうところにわざわざ電線を引く、あるいは海底ケーブルを引くとか、そういうことになりますと莫大なお金が必要になるわけでございまして、援助の一環としてもこのインマルサットというものは私は活用のしがいがあるのではないかと思いますが、先ほど災害援助という点でどういう取り組みをするつもりかということとあわせて外務省からお答えをいただきたいと思います。
  37. 河村武和

    河村政府委員 今先生が申されましたとおり、インマルサットというものは、通信が今まで非常に不便なところにおきましてはその有効性を非常に発揮するものだ、このように思っております。そういう意味におきまして、今後我が国関係諸国と援助の問題を考えるに当たりましては、当然のことではございますけれども、援助国側の要請をも十分踏まえつつ、かかる援助が有効であればぜひ活用するというようなことも検討するということを考えていきたいと思っております。(前原委員災害」と呼ぶ)  災害援助につきましても、今申しましたと同様の基本的な考え方に従って検討するということにしたいと考えます。
  38. 前原誠司

    ○前原委員 ぜひ援助のあり方、日本も財政危機でございますし、ODAの額がこのままふえ続けるかどうかということも大変疑問視をされるわけでございまして、効果的な援助というところでぜひこのインマルサット活用ということもお考えをいただければというふうに思います。  次の質問に移らせていただきますが、日本も今までカンボジアあるいはモザンビーク等PKO派遣というものを行ってきたわけでございますけれども、話に聞くところによりますと、カンボジアでありますとかあるいはモザンビークのPKO派遣というものの際にこのインマルサットを試験的に活用しているという話も聞いておりますし、これからも、来年二月からゴラン高原にPKO派遣をするわけでございますが、PKOにおけるこのインマルサット活用のしがいといいますか、まずカンボジア、モザンビークで使ってみてどうだったのかといったところをお答えをいただき、そして今後のPKOにもどのように活用をされようとしているのかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。
  39. 國方俊男

    國方説明員 お答えを申し上げます。  ただいま先生から御指摘がございましたように、インマルサット通信衛星利用につきましては、カンボジア及びモザンビークでのPKOの参加に際しまして、また昨年のルワンダ難民救援の際に活用した経験があり、大変在意義でございました。明年二月のゴラン高原PKOへの自衛隊部隊などの派遣につきましても、インマルサット通信衛星などの使用の可能性も十分に念頭に置きつつ、派遣先国などとの調整を進めてまいりまして、現地に派遣される部隊などとの円滑な通信の確保に努めてまいりたい、このように考えております。
  40. 前原誠司

    ○前原委員 最後の質問に移らしていただきますが、最後の質問は、このインマルサットが使われるようになった場合の通信の秘密の確保、セキュリティーの確保、これが安全保障の見地から大変必要になると思いますけれども、この点についてちょっと御質問したいと思います。  ちょっと通告はしておりませんが、ある程度時間を置いて後で結構でございますので、お答えをいただきたいのは、CIAの盗聴事件についての話であります。日米自動車交渉のときにCIAが日本側の議論について盗聴していて、そして情報を入手をしていたというふうな議論がございました。  まずお答えをいただきたいのは、このCIAが盗聴したということにも象徴されるように、これから、政治的な問題あるいは軍事的な問題のみならず、経済的な問題についても盗聴が行われて情報収集が行われる可能性が非常に高いということでございます。このインマルサットについて、では具体的にセキュリティーの問題、秘密の確保についてはどのようになされるかということをまずお伺いしたいと思います。
  41. 渡辺和司

    渡辺説明員 インマルサットシステムにおける通信の秘密の確保でございます。  システム的な点から御説明いたしたいと思いますけれども、まず、この衛星システムというものは、地上の地球局というものと、それから衛星、それから端末という形でシステムが構成されておりまして、インマルサットの場合、地上の地球局から衛星を経由して端末に至るという電波の流れ、これにつきましては、一部古いタイプのものは除きまして、ほとんどの場合スクランブルをかけているということがございます。  それから使用周波数については、あらかじめ設定されているというものではなくて、その都度自動的に無作為に周波数が選定される、そういうシステムをとっておりまして、この点から先ほど来の通信のセキュリティーに対する対応をしておるというところでございます。
  42. 前原誠司

    ○前原委員 今の質問、ちょっとだけ簡単にお答えいただきたいのですけれども、これは盗聴はされないというシステムなんですか、ちょっと教えていただきたいんですが。
  43. 渡辺和司

    渡辺説明員 かなり例外的なケース、例えば一メートルないし二メートルのパラボラアンテナを置きまして衛星から降ってくる波をとらえる、そういう形でありましたら全く盗聴が不可能というわけではございませんけれども、いわば悪用するというケースでの盗聴を考えますと、このインマルシステムについてはほぼ不可能、盗聴は不可能というようなことになっております。
  44. 前原誠司

    ○前原委員 先ほどちょっとお願いしていたような質問をさしていただきたいと思うんですが、CIAがやった盗聴について日本側が具体的にどういう抗議をされたのかということを御質問したいと思います。  私が一国民としてマスコミ報道なんかで聞いている場合には、大変抗議の度合いが弱いんじゃないか、そしてそれを防止するための手だてというものを日本が現在真剣に考えておられて、また今後もこういう状況について、単にアメリカ側に抗議するだけではなくて、ほかの国々も同じようなことを行うかもしれない中でどういう対策を外務省として講じようとしているのか、その点について、通告をしておりませんのでまことに恐縮ですけれども、お答えをいただきたいと思います。
  45. 河野洋平

    河野国務大臣 今回のCIAの盗聴の事件と申しますか、はアメリカの新聞に報道されたことでございまして、私どもとしては新聞に報道されたことをもってどうするかという状況にあるわけでございます。  これは事実関係が明らかになっているということとは少し違うものですから、そこのところは考えなければならぬと思いますが、しかし、今議員がおっしゃったように、この盗聴事件というのは日米両国の友好関係その他にかんがみて私は極めて重大な問題だというふうにも考えますので、米側に対しては強い態度で事の事実を調査して明らかにしてもらいたいということ等について申し入れをいたしております。まだ先方からはっきりとした返事が参っておりません。  しかし、我が方といたしましては、事実についてそちらも調査をしてもらいたいということも含めて、友好関係のある二国間でこうしたことがあるのは極めて我々としては残念なことだ、もし事実とすれば残念なことであるということは申しているところでございます。     〔玉沢委員長代理退席、小杉委員長代理     着席〕
  46. 前原誠司

    ○前原委員 私は、そういう諜報活動とか情報収集なんというのは専門家じゃありませんので詳しいことはわかりませんが、例えば日本側がアメリカ政府に対して内部の調査を申し入れして、果たしでそういう活動の事実がありましたと言うものなのかどうか、その点についても私なんかは率直に疑問を持つわけであります。内部で調査して、いやありませんでしたと言ったらそれまでということではなくて、今大臣がお答えになったように、あるという、まあ性悪説ではありませんけれども、前提に立って、我々の情報の機密性の保持というものを精いっぱいやらなくではいけないと思うわけでありますが、その取り組みについて、もしお答えができるようであればお答えをいただいて、私の質問にかえさせていただきたいと思います。
  47. 折田正樹

    ○折田政府委員 私、機密の保持についての担当ではないのでございますが、外務省、あらゆることがあり得るという事態のもとで日々たくさんの電信というのを世界の我が在外公館との間で交わしているわけでございますが、それにつきましては暗号を組みましで、それで送付するとか、それから向こう側から送ってきてもらうとかということで、保秘には最大限の重点を置いてふだんから対応しているということでございます。
  48. 前原誠司

    ○前原委員 また改めてこの点については御質問させていただきます。  終わります。
  49. 小杉隆

    ○小杉委員長代理 松沢成文君。
  50. 松沢成文

    ○松沢委員 新進党の松沢成文でございます。先週に引き続き質問をさせていただきます。  まず、提案されておりますインマルサットに関する条約改正の問題でありますけれどもインマルサットは、主に、大きな一千トン以上の船舶、特に外航船舶を中心として利用されているということでありますけれども国民の利便を図るという見地から、日本近海の小型船舶についても同様なサービスはできないのか、この点について、まず伺いたいと思います。
  51. 渡辺和司

    渡辺説明員 インマルサットサービスでございますが、これの船舶における利用につきましては、実は、船舶の大小、航行区域、船種等にかかわらず可能でございましで、したがいまして、先生指摘の沿岸を行く小型船舶についてもインマルサットサービスを受けることは可能でございます。そういう制度として実際も運営されております。
  52. 松沢成文

    ○松沢委員 ただ、余り普及はされてないようですね。かなり高価でなかなか普及がされていないということなんですが、その辺は把握されていますか。     〔小杉委員長代理退席、田中(直)委員長     代理着席〕
  53. 渡辺和司

    渡辺説明員 統計によりますと、最も多い利用をしている船舶の範囲でございますが、百トンから四百九十九トン、それほど大きくはないという船舶が日本の場合での利用の度合いでございます。ただ、利用料につきましては、皆様方が利用しやすい料金がどうかという点についてはいろいろ要望もあるということは聞いておりまして、私どもは、小型船舶を含めて、これが安価に利用できるような方向でいろいろと検討してまいりたい、現在そういう考えでおるところでございます。
  54. 松沢成文

    ○松沢委員 このインマルサットというのは、インテルサットのシステムがありますが、インテルサットと同様に、財政的には独立採算制をとっているということでありますけれども、その収支というのはどんなになっているのでしょうか。陸上及び航空分野において他の移動体衛星通信システムが実現された場合、それらとの競合によって赤字に転落する可能性もあるというふうに考えますけれども、その辺はいかがお考えでしょうか。
  55. 渡辺和司

    渡辺説明員 インマルサットの財源につきましては、署名当事者からの資本分担金及び宇宙部分使用料により賄われているところでございまして、現在、インマルサットの財政状況につきましては、健全に黒字ということで運営されているところでございます。  先生指摘の他のシステムとの関係でございますが、先ほども申し上げましたが、イリジウム等の新たな世界的な移動衛星通信サービスをするというところも計画されておりまして、今後そういうシステムとの健全な関係での競合、先ほども申し上げましたが、インマルサット自身につきましては、海上遭難通信等を他の通信に優先して確実に提供するという重要な公的な責務を持っている機関でございます。そういう特色をも生かしながら、他のシステムとの競合の中で今後経営がされていくものというふうに期待をしております。  ただ、なるほど、陸上移動サービス等につきましては確実に競合する面もございますので、インマルサットにおきましてもなお一層の経営の努力が今後とも必要だというふうな形では、我々認識しておるところでございます。
  56. 松沢成文

    ○松沢委員 もう一点、ちょっと電波障害についてお聞きしたいのですけれども、このインマルサットを初めとする人工衛星が無秩序に打ち上げられますと、同じ周波数を利用すれば互いに電波障害を起こしてしまって、通信や放送に支障を来すおそれが生じると思うのです。電波障害を避けるために何らかの形の国際取り決めみたいなものが必要だと思いますけれども、この点については、現在どのような取り決めがなされておるのか、その辺について伺いたいと思います。
  57. 竹田義行

    ○竹田説明員 衛星の軌道、周波数の管理というものにつきましては、国際電気通信条約の附属無線通信規則に基づきまして、国際電気通信連合、ITUというところが行っております。各国は、衛星通信網をつくる場合に、運用開始の六年前から、ITUを通じまして事前公表と呼ばれます衛星の概略の諸元の公表を行いまして、影響を受けるおそれのある国は、意見を申し立てることができることになっております。  さらに、衛星通信網を構築する国は、事前公表の六カ月以降に衛星の詳細な諸元の公表を行うということになっておりまして、これに関係する国との二国間で、静止衛星軌道、周波数の使用について調整を行います。調整が終了した場合には、ITUが管理をいたします国際周波数登録原簿というものに登録されまして国際的承認が得られますとともに、他の衛星からの混信を受けないよう保護を求めることが可能になる、このような取り決めになっております。
  58. 松沢成文

    ○松沢委員 ありがとうございました。  ここで、ちょっと新たに情報が入ってきたので、日米地位協定の問題について確認をさせでいただきたいと思うのです。  昨日、河野外務大臣とアメリカのモンデール大使がお会いになられで、日米地位協定の見直しの話し合い沖縄県民にも配慮する形で今後合同委員会でしっかり詰めていくという方向性の確認と、それともう一つ、米軍基地整理統合あるいは縮小に向けて、また新たなテーブルをつくって今後やっていく、この合意がなされたと新聞報道等で把握をしているのです。きょう日米合同委員会が開かれて、これは専門家委員会なんだと思いますけれども、この地位協定十七条の見直しというか、その運用の見直しについて何か合意がなされたという情報が入っているのですが、どのような合意がなされたかというのは、担当の方いらっしゃいますか。
  59. 折田正樹

    ○折田政府委員 先ほど午後の段階で、大臣モンデール大使がきのうに引き続き……(松沢委員「きょうもやったのですか」と呼ぶ)はい。きのうに引き続き議論をなされました。そこで大筋の了解ができたものですから、今まさしく、現在専門家委員会を開きましで、細目の確認、詰めをやっているところでございます。それで、その答えが出ましたら皆様方に御報告できるような状況になろうかと思いますが、今一生懸命詰めている真っ最中だというふうに御了解ください。
  60. 松沢成文

    ○松沢委員 私のいただいた情報によりますと、日米間で、殺人とか強姦という凶悪な犯罪があった場合に被疑者の起訴前の拘禁の移転についてはいかなる要請に対しても好意的に行う、そしてアメリカは、日本が考慮されるべきと信ずるその他の特定の場合について同国が合同委員会においで提示することがある特定の見解を十分に考慮する、そしてまた二つ目として、日本は、同国が当該特定の場合に重大な関心を有するときには、拘禁の移転についての要請を合同委員会において提起する、こういうことが決まったという情報を得ているのですけれども、こういう方向性の理解でよろしいのでしょうか。
  61. 折田正樹

    ○折田政府委員 この委員会でも、またこの国会の他の場でもいろいろ議論がございました地位協定の十七5(c)の身柄の拘束の点でございます。  今の協定十七5(c)の書き方は、身柄が米側にある場合には、公訴を提起するまでの間引き続き米側が有するものとするというふうに書いてあるわけでございますが、そこの部分につきまして突っ込んだ意見交換をやっております。そして、身柄の拘束のまさしくそこの点について今議論をしておりまして、まだ最終的に合意されておりませんものですから、申しわけございませんけれども、今の段階ではそれぐらいの答弁でお許しをいただきたいと思います。
  62. 松沢成文

    ○松沢委員 今、最終的な詰めを行っているということですけれども、そうすると、ちょっと大臣に伺いたいのですが、この地位協定の運用見直しについては、モンデール大使大臣は、日米合同委員会専門家委員会にゆだねて、そこで十分話し合ってほしい、そこで話し合って、今最終的な詰めをしていますが、こういう運用上の見直し、十分な考慮を日本側に払うということが決まって上がってきた。そうしますと、政府は、この方向性を受け入れで、地位協定の条文の見直しということではなくで、あくまでもこの日米合同委員会が出した結論、つまり、運用上の配慮をもっての見直しの方向沖縄県民初め日本国民に御理解をいただく、こういうふうに大臣はお考えになっていると判断してよろしいのでしょうか。
  63. 河野洋平

    河野国務大臣 北米局長から御答弁を申し上げましたように、今大詰め、最後の作業を日米両国でやっているところでございまして、この作業が終わるのを待って正式には御報告を申し上げたいというふうに思っているわけでございますが、事件が起こりましてその概要が明らかになりました時点で、私はモンデール大使に、専門家委員会をつくって、ここで議論をして結論を出そう、改善をしよう、こういう提案をして、それについて米側も非常に誠意ある取り組みをされました。  それは、この結論が早く出たというべきか、時間がかかったというべきかはそれぞれお立場、気持ちによってはいろいろだと思いますけれども、私としては、米側は本当に懸命に努力をされた、提案する我々が努力するのはこれはもう当然のことでございますが、米側が非常に真摯な努力をされたということを私は評価をしておるわけでございましで、この結論をまず待っていただきたいということを申し上げたいわけでございます。
  64. 松沢成文

    ○松沢委員 わかりました。これは結論が出て、その後の政府方向としてまた委員会でも議論を詰めていきたいと思います。  次に、先週にも私質問をさせていただいて、ちょっとその続きをやりたいのですが、APECの台湾代表の参加問題。  先週私がお聞きしました中で、瀬木特別代表というのでしたか、瀬木代表が台湾に行かれて今回の台湾の出席者についての相談をしてきた。その中で、日本は前例を踏襲するということですから、李総統あるいは徐立徳さんの入国はできたら遠慮をいただきたいと。そこで、そう言ったにもかかわらず、台湾側はぜひとも李総統の出席を望むという返事で、平行線で話が終わって帰ってきた、そういうふうに新聞報道等でも、またこの前の答弁からも考えますと理解をしているのですが、まず、よろしいでしょうか。
  65. 原口幸市

    ○原口政府委員 お答え申し上げます。  新聞等ではそういうような書き方になっていたかと思いますが、私が前回お答えしたのは、瀬木APEC担当大使はSOM、高級事務レベル会合の議長でもありますので、当然メンバーである台湾の人たちともいろいろな形で接触というのはあり得るわけで、今回の代表の、出席者の問題も含めまして台湾に行って話をしたことは事実だということは申し上げました。ただ、話の中身につきましては、相手側の反応も含めまして、こういう場でお話しするのは今の段階で適当でなかろうということで御勘弁いただいたというふうに記憶しております。したがって、今、新聞に書かれていることをここでコンブアームするというか、確認するということは御容赦いただきたいと思います。
  66. 松沢成文

    ○松沢委員 そこで、今度は、松永特別大使とお呼びしたらいいのでしょうか、その方がもう中国に行かれたかこれから出発するか私宅かじゃないのですが、その中で、今外務省当局が得ている情報では、李総統、徐立徳行政院副院長の出席見合わせという台湾側の回答を現状では得ていない、ここは確かでしょうか。
  67. 原口幸市

    ○原口政府委員 本件につきましては、これまでもそうでございますけれども、今後も必要に応じて静かにチャイニーズタイペイ側と調整を行っていくというのが我々の立場でございまして、新聞あるいはテレビのニュース等で具体的な名前が出ているようでございますけれども、いろいろと関係者のセンシティビティーもございますので、現時点においてその調整というものの詳細をつまびらかにするということは適当でないと思いますので、御容赦いただきたいと思います。
  68. 松沢成文

    ○松沢委員 確かに外交的な、難しい交渉事ですから、その情報を明かすというのはまた事をさらに難しくしてしまう可能性もあると思うのですけれども、私自身、この台湾の参加問題というのがAPECを成功させる一つの大きなかぎになっていることは事実だと思うのですね。そういう中で、私自身、議員として大変にこれは心配しているわけで、逆に言えば、今までの政府の交渉のおくれ、このままにしておいでいいのかなという大きな危惧を持っているわけで、そういう趣旨で質問させでいただいているので、できる限りの御答弁をいただければと思うのです。  そこで、私の得ている情報では、台湾側は李登輝総統の代理として呉伯雄総統府秘書長さん、そして徐立徳行政院副院長の代理として、これまで経済閣僚として出席していた江丙坤さんというのでしょうか、この二人を出席させたい、こういう提案をなされていると私の得た情報では聞いていますが、ここはいかがでしょうか。
  69. 原口幸市

    ○原口政府委員 今、事実の問題として申し上げれば、そのような通報が台湾側からあったということはございません。
  70. 松沢成文

    ○松沢委員 過日の福田元総理大臣の葬儀のときに、台湾側は李総統の代理としてこの呉伯雄総統府秘書長を出席させました。その件について中国政府から外務省の方にかなり強い抗議があったというふうにも聞いているのですが、この辺についてはいかがでしょうか。
  71. 加藤良三

    ○加藤(良)政府委員 その御指摘の呉伯雄さんは、福田元総理の葬儀の際に福田家の特別縁故者の資格、そういう私的な資格で来日をされたものであるというふうに承知いたしておりまして、この件について中国側から明示の抗議とかその種のことがあったとは私は承知いたしておりません。
  72. 松沢成文

    ○松沢委員 日本は台湾の出席者についてはこれまでのAPECの会議、ボゴール、シアトルを踏襲するという言い方をこれまで外務大臣初めこの委員会で何度もなされておりますけれども、中国側の主張は、あくまでも中国は一つであって中国の代表というのは江沢民さんであるということで、それ以外の台湾から代表を送られるということは、幾ら徐立徳さん、李登輝総統でなくても中国側は認めていないわけですよね、原則姿勢として。そこはどう判断されていますでしょうか。     〔田中(直)委員長代理退席、委員長着席〕
  73. 加藤良三

    ○加藤(良)政府委員 一般論として申し上げれば、一九七二年の日中共同声明第二項におきまして「日本政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。」それで、三項で「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。」こういう規定があるわけでございます。すなわち、台湾との間に存在いたしますものは、非政府間の関係ということで、いわゆる実務関係というものである、こういうことが言えるのだろうと思います。  そして現在、台湾の側から李登輝さんのいかなる資格での来日云々という提案が出されているわけでもありませんし、仮定の事項についてお答えするわけにはまいらないわけでございますが、今私が申し上げました日中共同声明の二項と三項ということの規定に従っていろいろな問題は判断される。  なお、APECにつきましては、APECの流れとしての先例がシアトル、ボゴールと積み上がっておりますので、APECの枠内のそうした先例に従っての処理ということが今想定されている、かようなことになるのではないかと思います。
  74. 松沢成文

    ○松沢委員 ちょっと視点を変えますけれども、今回のAPECの会議を大阪で開いて、APECの会議として行う、それの後に東京で日米首脳会談あるいは日中首脳会談も、今外務省は予定をされているのでしょうか。
  75. 加藤良三

    ○加藤(良)政府委員 APECが終わった後の日中首脳会談というものが現実に計画されているというふうには承知いたしておりません。
  76. 松沢成文

    ○松沢委員 非公式の首脳会談として日中首脳会談もやっていく方向というふうに聞いているのですけれども、その件と、もしそれをやるとしたら、大阪でやるのか東京でやるのか、その辺については方向を詰めているのでしょうか。
  77. 加藤良三

    ○加藤(良)政府委員 済みません。御質問の趣旨を明確に承知しないまま答弁を申し上げました。  日中首脳会談が行われるとすれば、APECの際、大阪においてであろうというふうに思われます。すなわち、逆に言うと、東京においてこれを開催するという予定は承知いたしておりません。  ただ、現実に、その日中首脳の非公式会談でございますか、そのようなものが大阪で行われるか否かという点についてはまだ完全に詰まっていないというふうに了解いたしております。
  78. 松沢成文

    ○松沢委員 まだ詰まっていないということですけれども、私が危惧するのは、今回、今までのシアトル、ボゴールという会議ではなくて、中台両国に非常に関係の深い日本、大阪でAPECの会議をやるわけなんですね。そこで中国が、もし台湾の代表が、これは経済部長としての、経済閣僚としての江西坤さんがたとえ来たとしても、台湾から代表が来ているということに関して抗議の意味で大阪から引き揚げる、これは極論ですけれども、大阪のAPECの会議は出たとしても、その後の首脳会談を、セットされたとしてそれをキャンセルする、こういうような事態も私は最悪のケースとして想定できないわけはないと思うのですが、その辺は外務省はどうお考えでしょうか。
  79. 原口幸市

    ○原口政府委員 そういうことがないことを切に希望してございますけれども先ほども申しましたように、一般論として申し上げれば、APECの大阪会合をうまく運営するという目的で総理が大阪で会合の前に幾つかの国からの首脳の方とお話をするということは十分あり得るとは思っております。他方、終わった後にまた例えば日中の首脳会談が考えられているかといえば、先ほどアジア局長がお話ししたように、そういうことは現時点では考えられていない、こういうふうに御理解いただきたいと思いますけれども
  80. 松田岩夫

    ○松田委員 多少しつこいようですけれども、今回の台湾との出席者の問題をめぐっての交渉の中で、台湾が李総統あるいは徐立徳氏の入国を見合わせる、ただ、その条件として、例えば来年以降の李総統の、寄港地上陸方式というのでしょうか、例えば日本経由でどこか国交のある国に行く、こういうことを日本政府として認めてほしい、こういう条件を出してくる可能性は十分にあると思いますが、もしそういう条件を出してきた場合、日本としてはどう対応されますでしょうか。
  81. 加藤良三

    ○加藤(良)政府委員 委員がただいまおっしゃられたような具体的な提案というものが現実になされているという状態がそもそもないわけでございます。仮にそういう提案と申しますか条件と申しますか、それがなされたり提示されたりしたということになりました場合には、先ほど申し述べたところを繰り返すようで恐縮でございますが、我々としては共同声明の第二項、第三項に従って適切に対処するということになろうと思います。
  82. 松沢成文

    ○松沢委員 わかりました。  まだ時間があるようですので、ちょっとテーマを変えたいと思います。  二〇〇二年のワールドカップの開催、日本招致の問題について、幾つか伺っていきたいと思います。  皆さん御承知のとおり、今日本と韓国が二〇〇二年サッカーワールドカップの立候補国となっておりまして、激しい招致合戦が続いているわけですけれども、そんな中で、韓国側が今春、日韓共同開催を正式に日本に打診をしてきた。そしてまた、七月には韓国の首相が韓国の国会の本会議で正式に提案したという経緯があると思うのですね。ところが、この構想は、実は昨年十月ごろに河野外務大臣が韓国の外務大臣提案をしたというか話した。それを受けての行動であったという報道がなされていますけれども河野外務大臣、これは事実なのでしょうか。
  83. 河野洋平

    河野国務大臣 新聞に報道されておりますように、昨年の十月ごろだったと思いますが、ちょっと正確でございませんがお許しいただきたいと思いますが、当時韓国の外務部長官であった韓昇洲氏が東京に来られまして、私は日韓外相会談をいたしました。その日韓外相会談は、当面する二国間関係、さらには国際情勢一般について相当長時間会談をし、さらに夕食をともにして、いわゆるワーキングディナーという形式でございますが、相当長時間二人で話をしたわけでございますが、そのときに、これは昨年の話でございますから、来年は日韓条約三十周年ということにもなる、我々は両国関係についていろいろ議論をして、このさらなる発展のために努力をしていかなければならないが、と同時に、我々は両国関係だけを考えるのではなくて、むしろもう両国が手を携えて国際社会のために何かするべき仕事も考えなければいけないのじゃないかなどなど、いろいろな話をいたしました。  それで、話は政治経済のみならず、文化、スポーツに至るまで広範に及んだわけでございますが、その中で、私は思い出しましたように、そういえば二〇〇二年のサッカーのワールドカップ誘致について、とにかくもうFIFAは二〇〇二年は韓国で行うか日本で行うか、この二つのうちどちらかだというように考えているらしい。そこで、両国は大変な勢いでしのぎを削って誘致合戦をしているらしいが、それはそれとして、こういう考えはないか。これはひとつ日韓で共同開催などということができれば、これは日韓関係にとっていいのではないか。しかも、それが三十周年という記念すべきときに両方がそういうことで提案ができる、両者から提案ができるということになれば、これはいいのではないか。  かって、あれは名古屋のオリンピック、これは幻のオリンピックになってしまったわけですが、名古屋かソウルかでオリンピックを争って、結果、ソウルがオリンピック誘致に成功をする。一方、名古屋は御承知のとおり大変大きなショックを受けて、しばらくの間はもう相当関係者は落ち込むという状況になったことなどを考えれば、こうしたことも一つ検討の余地があるのではないかというような話をしたことは事実でございます。それは事実でございます。  しかし、その後、我が国内は誘致についてのいろいろな体制が整って、たしか本年二月だったと思いますが、閣議におきましても、サッカーのワールドカップ誘致をしようという誘致委員会皆さんのお考えを子として、閣議においで、これを内閣としてもサポートしていこうじゃないかという意味の閣議了解がことしの春にでき上がったわけでございます。したがいましで、私もその閣議に当時は副総理として参画をしていたわけでございますから、当然これはその閣議了解の上に立って外務省としても誘致のためにできるだけのサポートをする、私自身もそのようにすることが当然のことであるというのが現在の状況でございます。
  84. 松沢成文

    ○松沢委員 今大臣に詳しくその経過を説明いただきまして、ありがとうございました。  この河野大臣提案を受けでというか、一つの小さなきっかけになって、韓国側もそうであればということで検討したと思うのですね。この件は韓国の外務大臣から金泳三大統領に報告されて、今一応韓国政府はこの共同開催を受け入れる方針を決定して、それに向けて努力をしている、大臣、そういうふうに判断してよろしいのでしょうか。それとも、まだ単独開催か共同開催か韓国の中でも議論があって、もめている状況と判断してよろしいのか。
  85. 河東哲夫

    ○河東説明員 今の点について御説明申し上げたいと思います。  共同開催の点につきましては、昨年十月の末大臣がそういう発言をされた後、韓国の方からそういう正式の提案が参っているというようなことは問いでおりません。  それで、御質問にあったと思いますが、先方の韓国の総理国会における発言ですが、これは昨年の七月十二日、韓国の国会において韓国の総理が共同開催の方向発言しております。ただ、その直後の七月十三日、これは韓国の朱文化体育部長官が単独開催に変わりはないということを同じく国会質問に応じで発言しております。(松沢委員「済みません。聞こえませんでした」と呼ぶ)向こうの総理、李首相なのですけれども、この方が昨年の七月の十二日、これは共同開催に前向きの姿勢である——失礼を申し上げました。訂正します。本年の七月十二日、韓国の国会において共同開催に前向きの姿勢発言をしておられます。ところが、その直後、本年の七月十三日、韓国の国会において朱文化体育部長官が単独開催に変わりはないということを発言されました。したがいましで、共同開催について韓国側から正式の提案が参ったということはございません。
  86. 松沢成文

    ○松沢委員 今の御説明ですと、韓国も正式決定して運動しているというよりは、両論あるという状況だと判断をしたいと思うのです。  そこで、大臣のお考えで結構なのですが、この日韓共同開催のメリットとデメリットを大臣なりに考えて、どんなふうに考えておられますか、お聞かせいただければ幸いなのですが。
  87. 河野洋平

    河野国務大臣 議員は相当サッカーにお詳しいようでございましで、とても私はその知識が追いつかないのでございますが、したがって、メリット、デメリットをここで申し上げることはできませんが、私は外務大臣として、日韓両国民の友好関係に傷が、ひびが入るとか、そういうことはないことを願うというのが私の率直な気持ちでございます。  数週間前にも閣議におきまして、改めて閣僚の一人から、日本誘致には閣議了解をされているのだから閣僚は協力をしなければいけませんよという、若干私の顔を見ながらそういう御発言がございました。私はそのときにも、先ほど御答弁申し上げましたように、それは当然のことで、閣議了解をしたことでございますからそれはもう当然のことで、私はもう十分わかっております、ただし、両国関係あるいは両国民の感情というものにひびの入らないように、そこだけは注意をする必要があると思いますねということだけはそのときも申し上げたわけでございます。  もう正直、率直に言って、そのことについては外務大臣として心しなければならないことだというふうに思っておりますが、スポーツのことでございますから、これはルールにのっとって、それこそさわやかにおやりをいただく。そして、双方がお互いに祝福し合うということになれば何よりだというふうに考えております。
  88. 松沢成文

    ○松沢委員 それでは、もう少し端的に聞きますと、外務大臣は現在でも共同開催に賛成というふうにとらえでよろしいのでしょうか。
  89. 河野洋平

    河野国務大臣 私も閣僚の一人でございますから、閣議了解をされた事項については、これはもう誠心誠意、閣議了解の線に沿って、外務省として、あるいは外務大臣として日本誘致のためにサポートをするということでございます。
  90. 松沢成文

    ○松沢委員 今外務大臣のお話を伺ったのですけれども、私もこの点で非常に大きな危惧を持っているのは、河野外務大臣発言をきっかけに日韓の間で共同開催のいろいろ意見が出てきた。ただ、この共同開催か単独開催かという方向について、やはり言い出しっぺと言っては失礼ですが、その提案者の一人である外務大臣がしっかり方向を示しておかないと、やはり今日本の招致委員会の方は、あるいはサッカー協会挙げて、民間では日本単独開催について必死になって運動しているわけですね。そこで、まだ閣内の議論でも、共同開催いいじゃないかという意見、それも複数いらっしゃる。また、それに対して絶対単独開催だという意見の対立もある。これでは当事者であります民間のサッカー協会、招致委員会皆さん、自分たちを支えて全面的にバックアップをしてもらえると思われているこの内閣ですね、閣議了承というのをしていますから、そこが非常にあいまいなスタンスにいるということは、彼らにとっても非常にやりにくい。  これは私も事実いろいろなところから声を聞いておりまして、やはり私は、河野大臣がもし共同開催の方がメリットが大きいと判断されるのであれば、やはり言い出しっぺの一人として、これは民間を説得して、閣僚の仲間も説得して、またFIFAのいろいろ難しい手続もできるんだということを国民にも説得して、そこでそういう方向に持っていく、内閣を構成する一員としてまた日本外務大臣としての責務があると思うのです。  そして、もし逆に、先ほど河野大臣言いましたけれども、閣議了承というのは日本単独開催のための閣議了承として内閣はバックアップするんだ、内閣の一員としてそれに従うのは当然だという意見であるのであれば、今河野提案一つのきっかけに共同開催という意見が日韓両国で起こっている、この混乱した状況を整理するために、やはり共同開催というのは現状では無理である、日本国としては単独開催、日本開催に向けて私ども内閣は全面的にバックアップをするし、私も今までの言は撤回をして、単独開催のために汗を流す、どちらかしっかり言明をしないと、今の状況のままは非常に中途半端であって、民間の当事者の人たちを言い方によっては苦しめているというふうに私は考えるのですけれども大臣はいかがでしょうか。
  91. 河野洋平

    河野国務大臣 サッカーのワールドカップの誘致は、民間が行うことでございまして、政治が政治的な立場で行うということではないというふうに承知をしております。石原誘致のための委員長が先頭に立って誘致のために努力をしておられます。そうした民間の誘致活動というものを支持しようという閣議了解が行われているわけで、私はその閣議了解に賛成をしているわけでございますから、その立場はもうはっきりしておりまして、これ以上どうこうということはございません。ただただ、これを言うとまた混乱させるかもしれませんが、外務大臣の立場というものもございますので、そのことだけを心配はいたしておりますけれども、しかし、誘致委員会の誘致のための御努力を支持して、これを支援してまいりたいというふうに思っております。
  92. 松沢成文

    ○松沢委員 日本開催に向けての閣議了承を支持するということは、すなわち河野大臣としても日本開催に向けて今後とも努力をしていくというふうに理解させていただきます。  それで、これも私の推測の域で、非常にうがった見方で、誤りがあったら訂正をしていただきたいのですが、このワールドカップ招致の問題というのは、やはりスポーツの大イベントでありまして、スポーツと政治というのはできる限り切り離されて議論をするべきだと思います。ただ、日韓関係、これまでさまざまな歴史をたどってまいりました。そして、つい最近でも総理の日韓併合条約に対する発言が韓国側から非常に不満を浴びた。また戦後決議の問題についても、韓国の政治としては非常に不満足である、こういう声も多いわけですね。こういう日韓関係の現状があります。そして、韓国としては、やはり国の発展のためにというか、極東アジアの中での韓国の国威というか、それをかけて今回ワールドカップの招致合戦に国を挙げて取り組んでいるわけですね。そこで、この共同開催提案というのは一面、大変韓国には失礼ですが、うがった見方をすれば、日本の招致運動を混乱させる一つの戦術にまんまと日本側が乗ってしまったという見方も私はできると思うのです。それで、今回の村山発言に対する韓国の攻撃も、やはり日韓関係は今非常にまずい状況だというプレッシャーを与えて、そしてサッカーの件でもまた大げんかをするとますます日韓関係は悪くなる。これ以上日韓関係を悪くしたくないという日本の世論、それに押された政治家を、大変失礼な言い方ですが、利用して日本分断作戦を図ろうというふうに、うがった見方をすれば見れないことはない。また、今回のこの共同開催提案の動きというのはそこに乗せられてしまっでいるのではないかなという危惧を私は一議員として持っております。  これは大臣に対して大変失礼な言い方だったらお許しをいただきたいのですが、大臣、もし私の考え方が誤っていたら御訂正をいただきたいと思いますし、大臣のこうした政治絡みの見解についてお聞かせいただきたいと思います。
  93. 河野洋平

    河野国務大臣 私の発言先ほどから申し上げておりますように極めて素朴、率直な、日韓関係よかれかしと願う気持ちから出ているものでございまして、それ以外の何物でもございません。ぜひとも両国関係をさらによりよく発展させたい、これは私個人といたしましても、また外務大臣としても当然のことだと考えております。
  94. 松沢成文

    ○松沢委員 外務大臣の日韓関係を思う気持ちというのは私も非常にわかります。ただ、この件については、外務大臣日本サッカー協会初め招致委員会皆さん日本開催という方向で一生懸命頑張っておられて、今ある意味でいい方向に進んできておりますので、それをサポートするという意味で閣議了承、政府承認をしているわけでありまして、その一員また重要なポストの外務大臣として、ぜひともその方向でのサポートということをお忘れのないように今後とも行動をしていただければ大変幸いに存じます。  さて、せっかく総合政策局長も来でいただいていますので、少し御答弁をいただく質問に移りたいと思うんです。  私、前回のこの委員会質問で、今回の国連の五十周年記念の特別総会、この総会で村山総理が行う演説、その内容について御質問をさしていただきました。あれは演説のたしか二日か三日前だと思うんですが、先週の金曜日でしたでしょうか。これまで河野大臣が二年連続して国連総会の一般演説で、日本は常任理事国になってその責任を果たす用意があると明確に述べられていて、これは政府の大きな方針であるということについては御賛同をいただきました。今回の村山演説というのは、国連ができて五十年、その節目に当たる大変重要な特別の総会、確かに短い五分間という時間ではありますが、この演説の中に日本政府の今後の外交の方向性を明確に示してほしい、特に常任理事国入り問題については、私は、日本外交の今後の大きな方向、まず第一に挙げてもいいぐらい重要なポイントであると思うので、ぜひともその内容を盛り込んでほしい、明確な言葉で、こういうお願いをさせていただきました。残念ながら、月曜日の新聞でしょうか、あるいは外務省からも資料をいただいてその村山演説の内容を見さしていただいたんですが、明確にその文言が入っていなかった。大変残念で仕方がありません。そのときにも多少理由を聞かしていただいたんですが、その後のぎりぎりの議論の中で検討するとおっしゃっていましたから、なぜこの重要な演説にそのテーマを入れていただけなかったのか。もう一度その後の議論も含めて御答弁いただきたいと思います。
  95. 川島裕

    ○川島政府委員 お答え申し上げます。  常任理事国の問題につきましては、この前も御答弁申し上げたかと思いますけれども大臣の一般演説、それから昨年も全く同様の立場を表明したわけでございます。それは、我が国は、憲法が禁ずる武力の行使は行わないという点を含む国際貢献に関する基本的な考え方のもとで、多くの国々の賛同を得で、安保理常任理事国としての責任を果たす用意があるというものでございます。御承知のとおりでございます。  そして、今度の総理の演説につきましては、何分にも五分間という制約の中でどういうふうに盛るか、いろいろ考えたんでございますけれども一つ総理演説では国連の改革、ここに改革といいますのは、当然のことながら安保理改革を含めた改革でございます。それについての我が国考え方大臣の国連演説で既に述べたとおりでありますということで言及した上で、安保理改革、財政改革及び経済社会問題の改革についで簡単に触れたわけでございます。  それからもう一つ考え方の背景としては、これは指摘する向きがおられますけれども、とにかく安保理の常任理事国になりたいなりたいということよりも、一体なって何をするんだという御指摘があるわけでございます。私どもも全く同じ考えでございまして、総理演説におきましては、五十年たったところで、まさに国連が一つの岐路に差しかかっているわけですけれども、これからの国連の課題というものを日本がどう認識しておって、その中で日本として何をしていきたいかということをなるべく簡潔に、しかしきちんと述べていただくということを主眼に置いたわけでございます。それは、だから平和への取り組みあるいは開発の問題双方ございますし、人間の安全保障という整理もしたわけでございますけれども、そういう流れの中で、日本としての国連の改革について従来より述べたとおりであるということで、私どもとしては、全文従来言ってきた安保理常任理事国についての言い方を繰り返さなくても十分に足りているという考え方でございまして、これによって安保理常任理事国について前に出たとも後ろに下がったともいうことではなくて、従来どおりのポジションをとっていることは明らかであるというふうに考えた次第でございます。
  96. 松沢成文

    ○松沢委員 その方向は前から出ていることで、これは余り必要ない、この文言自体についてはですね。そういうことですけれども、今回の国連演説の中でさまざまな国が国連改革、当然ですけれども、一番それがメーンテーマです、取り上げております。その中で、安保理の拡大あるいは機能強化、民主的な運営、こういうテーマが国連改革の中でも一番メーンのテーマでありますよね。そのところについてほとんどの国が触れていると思うんです、どういう改革がいいのか。その中で、逆に具体的にこういう国が安保理になるにふさわしいとまで触れている国もかなりあるんですね。自分たちのことじゃないですよ。その中で、日本やドイツだと言うところもある。あるいは途上国の代表も含めて安保理を拡大すべきだ、民主化すべきだ、こういうことを他の国もかなり具体的に触れでいるんですね。それなのに、当の日本が明確な言葉でその意思表示をしていない。本当に何というか、俗な言葉で言うと、白けちゃうんですね。やはり大事な総理の演説、その中で日本が国連改革を目指すその主体者になるんだ、それには安保理に明確に入って貢献する準備があると。河野演説を二回やったからもういいじゃないかというんじゃなくで、この演説でこそやって、また外務大臣とは違うんです、総理大臣ですから、国家元首がこれを明確に打ち出してこそ初めて日本の決意も伝わるし、ほかの国々に対して信頼というのも生まれるんじゃないでしょうか。わずか一行ですよ、五分間の短い演説といつでも、これを入れるとしたら。十秒か二十秒でしゃべれるわけですよ。私はそういう大局から見て、今回の演説というのは極めて不自然であったし、準備が整っていなかったとしか思えないんですけれども、私の意見に対していかがでしょうか。
  97. 川島裕

    ○川島政府委員 お答え申し上げます。  いろいろな御見解がおありだろうと思います。ただ、私どもといたしまして、もう一つ、むしろこれから一年ぐらいが安保理拡大あるいは拡大を含めた改革について実は非常に重要な時期であろうと思っております。一つの可能性としては、だんだん蒸気が抜けちゃうというか、その動きが緩慢になってとまっちゃったりすると、そもそも全然動かなくなっちゃったりすると改革そのものが動かないものですから、今の段階では、一番重要なのはこの作業をだんだん収れんさせで具体的な作業、さらに申せば、交渉に珍らしていくというのが非常に重要だろうと思っております。そういう観点から総理の演説をつくった次第でございますけれども、私どもは、安保理常任理事国に関する基本的な姿勢というものは何度も言っておりますので、それは今回は同じ形で同じ表現で入れなかったということの判断でございます。確かに御批判の御議論は承らせでいただきますけれども、そういう考えでございました。
  98. 松沢成文

    ○松沢委員 同じ形で同じ表現で入れなかったというよりも、その表現が入ってなかったんですよね。これ以上はもう時間ですのでやめますけれども外務大臣、この安全保障常任理事国入りという問題は、いろいろ国の中でも意見もあるし議論もある、また与党の中でもいろいろな御意見があると思います。ただ、外務大臣が二年連続して訴えてきた安保理に入って責任を果たす用意がある、この考えを今後とも力強く貫いていただけると思いますけれども、決意を聞かせてください。
  99. 河野洋平

    河野国務大臣 テーマは全く違いますけれども、サッカーで閣議了解ということで、私はそれを守ってまいります、こう申しましたが、国連の問題は、それはもう比較にならないほど重大な問題で、しかも繰り返しで何度もここで申し上げましたけれども、私の国連演説は、昨年もことしも、閣議でもその骨子について申し上げて、とりわけこの部分については閣議でも何度も御議論のあったところでございます。そうした議論を踏まえての国連におきます演説でございますから、これはそう簡単にこの考え方が変わるということではないということをぜひ御理解をいただきたいと思います。
  100. 松沢成文

    ○松沢委員 長時間ありがとうございました。質問を終わります。
  101. 三原朝彦

    三原委員長 古堅実吉君。
  102. 古堅実吉

    ○古堅委員 最初は、条約について簡単に一点だけお尋ねします。  インマルサットは、事実上、国際的な公共団体であります。利益を残さないことを原則にすべきだとも考えます。  ところで、インマルサットでは利子を二〇%ないし二五%と高く設定していますが、先進国では利子はかなり低いのが現状です。したがって、経済力の大きな国あるいは大企業は、自己が自国内で調達した資金に対して利子を払ってもおつりが来るというようなことになっています。これは国際的公共団体という性格からして是正すべきではないか、このように思います。そういう意見が関係国の間にあるのかどうか、日本政府としては是正の提起をするようなお考えはないかどうか、その一点、お伺いします。
  103. 渡辺和司

    渡辺説明員 御説明申し上げます。  今御指摘の補償額の件でございますが、そもそも署名当事者への補償率の決定に当たりましては、世界市場の金利動向あるいは署名当事者が衛星事業の無限責任を負っているという、そういう事情等も勘案して設定されているところでございます。  この補償額につきましては、御指摘のとおり、一部の国におきまして、見直すべきではないか、現在の補償率が高いのではないかという見方をしている国々もあると承知しているところでございます。
  104. 古堅実吉

    ○古堅委員 次は、せんだって、十月二十日の質問に続いて、沖縄における米兵の少女暴行事件に関し質問をいたします。  十月二十一日、「米軍人による少女暴行事件を糾弾し日米地位協定の見直しを要求する沖縄県民総決起大会」が宜野湾市において開かれました。これは沖縄における三百二十団体を超える結集で、その実行委員会が予定しておった五万大規模、それをはるかに上回るものとなりました。沖縄本島におけるこの決起大会、それと呼応して、沖縄県の南にあります宮古の平良市そして八重山の石垣市、そこでもおのおの三千人規模の抗議大会が開かれたのであります。戦後五十年にわたるいろいろな思いを込めた、県民の本当に積もり積もった怒りがこの大会に結集し爆発したというふうな性格のものでありました。  この大会における抗議決議の中で、このように述べています。「沖縄百二十余万県民は、ここにすべての政治的立場、主義、主張の違いをこえて、今回の事件に対し強く抗議する。またかかる凶悪犯罪にも拘らず、日米地位協定を盾にとって、沖縄県警への被疑者の身柄引き渡しさえ拒否したアメリカ当局者と、なかんずく明確に主権の侵害が発生している事態においても、主権国家、独立国家として断固とした外交的処置がとれず軟弱外交ぶりを露呈したわが国政府に対して満腔の怒りを表明する。」このように言っています。  言ってみれば、外交が糾弾されている、こういうことであります。そのことについて、内閣における外交の最高責任者であられる大臣、どのようにこの抗議を受けとめておられるか、まずお聞かせください。
  105. 河野洋平

    河野国務大臣 去る二十一日沖縄で開かれました、大集会とでも申しましょうか、八万人を超える多くの方々が、まさに、前回の御質問でも議員お話しになりましたように、党派を超えて、あるいはそれぞれの立場を超えて、世代を超えて集まられたというあの集会は、私もテレビで拝見をいたしました。その集会に集まられる方々のお気持ちというものは察するに余りありますし、また、その集会でまとめられました四項目から成ります決議につきましても、私は大変重いものとして受けとめさせていただきたいと考えております。  今議員がお話しになりました外交に対します御批判、私どもは、私どものこれまでの外交の積み上げ、経緯の上に立ちまして、しかもなおかつ、今回の事件にかんがみて、でき得る限りの努力をいたしてはおりますが、まだまだ十分でない、とりわけ被害者を取り巻く御関係皆さん、あるいは非常に身近にこの事件を感じておられる方々からすれば、どんなに努力をしようとも十分でないというおしかりがあるということもまた十分理解をしなければならないというふうに考えております。大変厳しい御鞭撻をいただいたと受けとめて、今後ともさらに一層の努力をいたしたい、かように考えております。
  106. 古堅実吉

    ○古堅委員 我が国外交の結果として、沖縄県民にとってはこの五十年耐えられない仕打ちとなっておっかぶさっでまいりました。それが怒りを爆発させた大きな要素です。  その決議は、今ありましたように、四点ございます。その中に「日米地位協定を早急に見直すこと。」「基地の整理・縮小を促進すること。」この二つも入っております。  そこで、時間もあと五分ちょっとしかありませんので、基地縮小の問題について簡単にお尋ねしますが、大臣モンデール日大使との間で、基地の問題について扱っていく新たな協議機関を設置する、そういう方向での基本的な合意がなされたというふうに報道されております。この新たに設置されることになりました協議機関で、基地の整理縮小、それを受け入れで検討するという、こういう内容のものになっていきますか。
  107. 河野洋平

    河野国務大臣 議員今新たに設置されることとなった云々とお話しになりましたが、実はまだこの問題ははっきりと正式に決まったわけではございません。私とモンデール大使との会談の中で、私といたしましては中長期的に基地の問題についで議論をする、例えばする場をつくるということにしてはどうか、こういう提案をしたことに対しまして、先方は前向きの感じは見せましたけれども、この話はワシントンと十分協議をしなければもちろん自分の一存で返事のできることではありません、むしろそれは極めでまじめな態度でそういう対応をされました。  私は、引き続きこの問題については協議をしていかなければならない、どういう枠組みといいますか場をつくるかについて引き続き協議をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
  108. 古堅実吉

    ○古堅委員 それではお聞きしましょう。  提案されたのは河野外務大臣だと新聞に報道されております。どういうおつもりで提案されたのですか。沖縄県民が言っている基地の整理縮小の促進、そういうことを受けて後の日米間の首脳のお話し合いです。あなたはどういうおつもりで提案されたのですか。日米の安保の枠組みで基地の整理縮小などというものは受け入れられないのだ、従来どおりの整理統合、そういう方向でいこう、そういう考えなのか。それとも、県民基地あるがゆえのこういう犯罪なんだ、犠牲なんだという思いを込めて基地の整理縮小の促進と言っておる、そういうものも受け入れる、そういう機関にしよう、こういう提案をされたのか。そこについての提案された大臣のお考えをお聞かせください。
  109. 河野洋平

    河野国務大臣 二十一日の集会の後、恐らくあの集会で議長を務められたのだと思いますが、嘉数県会議長が東京へ大勢の方と一緒に上京されました。私もお目にかかって何人かの方の御意見もその場で伺いました。私は、沖縄県民のお気持ちというものは、私どもはしっかりと受けとめなければならない、こう考えております。  一方、我が国の安全ということを考え日米安保条約というものができて、この日米安保体制というものが長年にわたって我が国の安全を確保してきた、安全を維持してきたということもこれはまた否定のできない事実であろうと私どもは思っているわけでございます。  そこで、現在の内閣は従来の内閣と同様に引き続き安保体制は堅持する、こう国内外に鮮明にしているところでございますから、こうした考え方県民の皆様のお気持ちとをどこで調和させることができるかという点にしっかりと焦点を置きまして努力をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
  110. 古堅実吉

    ○古堅委員 今の御説明によりますというと、やはり今まで言われてきた整理統合ということを念頭に置いておられるように思います。違うのであれば御説明ください。沖縄県民はそういうことではもうこれ以上我慢ができないんだというのがあの大会に結集した怒りなんです。  この大会において、仲村清子さんという普天間高校の三年生が訴えました。もうこれ以上米兵に脅え、基地に脅えるような生活はごめんだ、平和の沖縄を返してください、こういう心配をしなくても済むような沖縄を返してください、このように訴えています。  御存じのとおり、普天間高校は米海兵隊の大きな基地であります普天間飛行場のすぐ近くです。そういうところに住んでおって、この少女の思いを込めた訴えというのは、大会場はもちろん、テレビなどを通じて報道されて、沖縄県民、あるいは全国民といってもいいでしょう、大きな感動、共感を呼びました。沖縄県民の心を、そして言いたいことをその子が素直な気持ちで代弁してくれたからなんです。それを受け入れるような形で、基地の整理縮小などに思い切った、安保も根本的に見直して進むということでなければ県民の願いにこたえられない、そういうことにならざるを得ないのであります。それにこたえるおつもりがあるのですか、沖縄県民のそういう要求には日米安保体制堅持の立場からこたえられないということなんですか、はっきりお聞きしたい。
  111. 河野洋平

    河野国務大臣 ただいまお答えを申し上げましたように、私としては、沖縄県民のお気持ちというものは重く受けとめなければならない、大切にしなければならない、こう考えております。他方、我が国全体の安全保障ということもまたないがしろにするというわけにはまいりません。したがって、その双方を調和する、その点を探すために全力を尽くすということが私の立場でございます。重ねて、私は沖縄県民気持ちを大切にしたい、こういう気持ちを申し上げたわけでございます。
  112. 古堅実吉

    ○古堅委員 時間が参りましたので終わりますが、全国紙など、基地縮小ついで提案をする新たな日米間の協議機関がつくられるかのような、そういう報道がございます。しかし、今の説明によりますというと、そういう方向を向いたものになりそうにない。なれば、そういう提案した協議機関の設置などというものを考え直して、県民の願いにこたえられるような、日米間の思い切った協議ができるような機関の設置こそ今求められている大事な点だと思います。そのことを強く要求しで終わります。
  113. 三原朝彦

    三原委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  114. 三原朝彦

    三原委員長 これより本件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  115. 三原朝彦

    三原委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 三原朝彦

    三原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  117. 三原朝彦

    三原委員長 次に、本日付託になりました千九百九十五年の国際穀物協定締結ついで承認を求めるの件及び千九百九十五年の国際天然ゴム協定締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。  これより政府から順次提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣河野洋平君。     —————————————  千九百九十五年の国際穀物協定締結について   承認を求めるの件  千九百九十五年の国際天然ゴム協定締結につ   いて承認を求めるの件     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  118. 河野洋平

    河野国務大臣 ただいま議題となりました千九百九十五年の国際穀物協定締結ついで承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この協定は、本年六月三十日に失効いたしました千九百八十六年の国際小麦協定にかわるものといたしまして、平成六年十二月にロンドンで開催された国際小麦理事会議及び食糧援助委員会第六十九会議においで作成されたものであります。  この協定は、穀物の貿易等に関して情報交換等を行うこと及び開発途上国に対する一定量以上の食糧援助を確保することを目的とするものであります。  我が国は、国際小麦協定を従来から締結してきており、我が国がこの協定を締結することは、穀物の貿易に関する国際協力及び開発途上国における食糧不足を緩和するための国際協力に貢献するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に、千九百九十五年の国際天然ゴム協定締結ついで承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この協定は、千九百八十七年の国際天然ゴム協定にかわるものとして、平成七年二月十七日にジュネーブで開催された国際連合天然ゴム会議において採択されたものであります。  この協定は、緩衝在庫の運用等を通じで、天然ゴムの価格の安定及び供給の確保を図ることを主たる目的といたしております。  我が国は、国際天然ゴム協定を従来より締結してきており、我が国がこの協定を締結することは、我が国の天然ゴムの輸入の安定化を図るとともに、天然ゴムの輸出国である開発途上国の経済発展に協力する上で有意義であると認められます。  よって、ここに、この協定の締結ついで承認を求める次第でございます。  以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願い申し上げます。
  119. 三原朝彦

    三原委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時四十一分散会