○水野誠一君 新党さきがけの水野でございます。
自治大臣に、
参議院選挙に絡んで
選挙制度についてお尋ねをしたいと思います。
今回の
参議院選挙は、御承知のように、四四・五%という史上最低の投票率であったと言われております。国政
選挙で投票率が五割を割ったのは初めてのことだということもございますし、また、過去十六回の
参議院選の平均投票率が六三・八%であったということを考えますと、二〇%近く投票率が下がっているということで、
議会制民主主義の危機と言える状況であったというふうに考えます。もちろん、投票率が低かった原因の中には、魅力ある選択肢を用意できなかった我々政治家、候補者も含めてでございますが、政治家と政党の責任であり、有権者の政治不信がそこにあるということが言えると思います。
しかし、その政治不信に陥った有権者に、単に棄権という形でそれをあらわすのではなく、本来であれば白票という形であっても投票だけはしっかりしていただきたいということは言えるわけですが、一方では、無党派層というような表現を使ってそれをあおったマスコミの中にも私は責任があるのではないかというふうに思っております。
百人中五十五人が棄権するということで国政の方向が決まったということでありますから、本当の意味で民意を十分反映したとは言えない
選挙であったというふうに反省しなければいけない。絶対投票率で見てみますと、例えば
東京地方区の最下位当選者というのはわずか四・六%の支持しか得ていない。つまり二十一人に一人の支持で議席を得たというような状況がそれを物語っているというふうに思います。
参議院選挙後、投票率をどうしたら上げられるかという議論がいろいろあるわけであります。例えば、投票を義務づけるべきではないか、つまりいわゆる強制投票制度な
ども議論されていますが、参政権というものを権利と見るか義務と見るかというような憲法の解釈の問題でもありまして、これは軽々に結論を出すべきではないというふうに思います。
また、投票日の日曜日、世界でも日曜日を投票日にしている国というのは非常に限られているというふうに聞いておりますが、これを平日に変える案というのもあるようでございます。これは過去に実際に実験をされたようでありますが、その結果を見ても、簡単にその是非を判断できないということが言えると思います。
そこで、投票日を二日間にする、あるいは投票時間を夜遅くまで、八時から九時ぐらいまで延長するという案が出てきているわけであります。確かに今
国民のライフスタイルが夜型になっていること、あるいは週休二日制の定着て週末に外出あるいは旅行に出る人がふえているということを見ても、とりわけ都市部においてはすぐにでもこれは実施すべき案ではないかというふうに考えております。
いずれにせよ、将来的には有権者名簿をコンピューター化するあるいはオンライン化するというようなことによって投票しやすい環境を整備していくということは可能なわけでありますが、これについても、すぐにはできないまでも、ぜひともその研究開発に着手をお願いしたいというふうに思っております。
投票率が低いというのは特に二十代、三十代の若い世代の人
たちに多いというふうに言われています。この世代の人
たちの
関心を増大させるような
選挙啓発活動というものが果たして行われているかということを見ますと、
自治省主導の現在行われていますいろいろなキャンペーン、これは御案内のように新聞広告、ポスター、パンフレットというようなメディアが活用されているわけでありますが、どうも手法が古いのではないか。つまり、今の若者
たちに訴えかける手法ではないのではないだろうかという感じがするわけであります。
先ほ
ども御
質問の中にもありましたが、マルチメディアというようなものも使った、あるいはマーケティング手法も入れながら、
専門家の助言を求めて若い世代を対象にした啓蒙活動、キャンペーンというものをぜひお考えをいただきたいというふうに思っています。その辺につきまして
質問のまず第一とさせていただきたいわけでございます。
それに加えまして、現在公職
選挙法で行われる
選挙活動というもの、これも御案内のとおり政見放送、あるいはポスターの公営掲示板への掲示、あるいは
選挙カー、宣伝カーによる連呼、街頭演説、ビラの配布、はがき、個人演説会ということに限られているわけであります。
しかし、今回の
参議院選挙のNHKの政見放送の視聴率を見ても、現在のやり方のままでございますとわずか二%ほどであるということにもなります。また、
東京で話題になりました掲示板、これは九億円かけて掲示板を一万三千カ所つくったということを聞いておりますが、それに張られたポスターはごく限られた候補者のものだけであった。また、ビラも三十万枚まで使えるということになっていますが、一枚一枚に証紙を張らなければ配れないというように、実は本来金のかからない
選挙を実現するという趣旨で考えられているその
選挙運動が相当の組織あるいは金がなければできない
選挙運動になっているということが言えると思います。
私は、ここでもやはり今の時代に即したマスメディアをもっと中心とした
選挙運動あるいはマルチメディアを利用した
選挙運動、そういうものが可能になるような
選挙のやり方、つまり公職
選挙法の見直しも含めた
考え方というのが必要になってくるのではないかなというふうに思っております。
そういうことで、一つはこの投票率を上げるための
自治省のお考え、そしてもう一つは有権者が
選挙しやすい環境を整えていくというための、これは法改正も含めた
選挙運動のあり方について、
自治大臣のお考えを伺いたいというふうに思います。