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説明員(木村強君) 先生御
指摘のように、本当に私どももかって経験したことのない今は低金利
時代でございます。
郵便貯金は入り口の部門で、主として私ども
郵便局を通じて
国民の
皆さんとの接点を持っておるわけでありますけれども、国営・非営利、個人のための貯蓄
金融機関、あまねく公平にということは今先生御
指摘のとおりであります。
私どもも、国営機関ではございますけれども、日本の中の
金融機関の一部でございますから、全体の
経済を阻害するようなことは十分気をつけて、しかもこれからは自由化の
時代だということでございますから、そういう面では非常にバランス感覚を持って対応していかなきゃいかぬということで、大変心苦しい中ではありますけれども、
郵便貯金も金利を下げてまいりました。
したがいまして、現在、今も
お話がございましたように、
経済の回復というものを第一義的にした
措置でございますけれども、長期的に見れば、長い目で見れば、それが
経済の回復、日本の国力の増進、
国民の繁栄ということにつながるという
信念ではございますけれども、今の
状況を見ればやはり個人一人一人は大変困っておられる。特に、年金受給者の方々あるいは要介護世帯を抱えた方々、こういった方々は本当にお困りだということが私どものところにもどんどんと声が響いております。
こういったところに、まさに国営・非営利でございますから、今金利を下げますと
郵便貯金もコストが非常に下がります、民間
金融機関もそうでありますけれども。これで蓄えたお金というのは預金者に還元をするというのが郵貯の使命でありまして、私ども不良債権も抱えておりません、しっかりと大蔵省の方で、運用部の方で回していただいておりますので、
郵便貯金事業そのものとしては十分お金があるわけです。そのお金を還元していこうと。
今
お話にありましたような弱い方々、一般の方々としては全体の
経済原則に従わなきゃならぬわけですけれども、取り残されていく大変な方々というものはやはり国営・非営利の郵貯が身近な存在として助けていくべきであろう、これが
行政の
役割でもあろうということで、こういった低金利下では、特に福祉定期
貯金というものを大蔵省と交渉いたしまして、問題提起をいたしまして、異常な低金利下あるいは金利が下がっていく段階ではこれ以上下げないんだよと、一定の年金受給者の方々に限ってこれ以上下げないんだと、こういう
措置をとりながら全体のバランスを図ってきたところであります。
今回も非常に異常な低金利下でございまして、心苦しくも全体の中で私どもも金利調整をしなきゃいかぬわけでありますけれども、やはり郵貯の使命の
一つは、
郵便貯金法にもございますように預金者の利益ということでございますので、この観点も忘れてはならないと
郵政大臣からもきつく私ども御
指導を賜っておるところであります。
今の
状況の中では、この福祉定期
貯金の充実改善、あるいは、この年末に向けまして
概算要求を既に大蔵省に出させていただきましたけれども、要介護世帯を抱えた人
たち、これは今、私どもの統計調査によりますと、厚生省等との
協力で得た数字でありますけれども、一世帯平均五十万円ぐらいが要介護老人を抱えた世帯は一般の家庭よりも
経済的負担が大きいということでございます。
したがいまして、こういった方々に
郵便貯金を利用していただきますと、少しその利率を上増しするとか、あるいは振替口座をお使いになればこれを無料にしていくとか、あるいは
郵便局でこういった介護の方々の相談に応じるとか、あるいはローンを借りられますときにはそのローンの額を多くするとか、利率は低くして借りられる額は多くするとか、こういった弱い方々に対する総合的なサービスを実現したいということで、まさに手法は民間をならいながらその本質は国営・非営利、個人あるいは弱い人という立場で全体の
経済調整を補完しながらやっていく
役割もあるのではないかということで、これからのような自由化の
時代、低金利の
時代にはますますそういった面での配慮が必要だろう、こういう思いを強くいたしておりまして、現在
予算要求等を出させていただいております。きのうもきょうもそういった観点で私自身も出向きまして大蔵省銀行
局長等と交渉中ということでございます。