○
足立良平君 確かに
労働省という役所からしますと、今
大臣から答弁ありましたように、
産業構造がどう変わってそしてその後どういうふうな労働
雇用の
状態になるのか、一種の後追いといったら言葉は悪いかもしれませんが、という限界があることは私は十分理解をするわけです。ですから、それは通産省なら通産省という
政府の大きな
一つの役所が例えばどういうふうに
産業構造というものを誘導していこうとするのかという
産業政策上の視点から物を見るのと、
労働省の視点というのは明らかに異なってくるであろうということは十分私は想定するんです。
けれども、ただこの前もちょっと申し上げて二度になるから余り詳しく申しませんけれども、通産省側の産構審の答申等をずっと読んだり、
労働省との
関係を踏まえて見ておりますと、むしろ
規制緩和というものをやっていかないとどうにもこれから日本のいわゆる
円高の問題を含めて
対応し切れない、
産業構造では
対応し切れない、そしてそのためには今後数百万人の例えは
労働移動というものは現出してくるだろうというふうな前提を置きながらいろんなことを考えようとしているわけです。
今、
大臣がおっしゃったように、言外といいますか、具体的にストレートの表現は別として、そのことを十分踏まえて考えるというふうに御答弁いただきましたから、そういう観点でひとつ
労働省としても、私は
規制緩和という問題、すべて
規制緩和がいいか悪いかといういろんな議論もあると思うんですけれども、しかし何といっても
雇用不安が生じてくると、これはまさに単に一
労働者の問題にとどまらずに社会全体、日本全体の不安定化につながってくるわけでありますから、私はそういう点では
労働省としても積極的にひとつ取り組みをしていただきたいものだというふうに要望を申し上げておきたいと思います。
それで、ちょっと
大臣、もう
一つえらいおっかぶせたような質問してまことに恐縮でございますが、今
大臣もおっしゃいましたように、昨年の十二月十六日でございましょうか、総理
大臣を
本部長とする
産業構造転換・
雇用対策本部が設置をされました。私もそのことは
承知をいたしております。そういう面では
政府一体として積極的に取り組んでいこうという姿勢のあらわれであるということで、私はこれを積極的に評価をいたしたいと思うんです。
ただ、これちょっと私の
調査が間違っているのかもしれませんけれども、昨年の十二月にその本部が設置をされてから今日までただの一度も
対策本部というものは開催をされていないというふうに私は今思っているんです。もし間違っていたら御
指摘を願いたいと思います。
これほど
円高、これもう大体地球が一回りする間に八円ぐらいの
円高が乱高下するような今の
状況でありまして、そういう点ではこれは
業種によりましたら一円の
円高で、例えば自動車業界は一円で年間三百十億円強前後の大変な
状態が、マイナス
要因があらわれてきている。あるいは電気メーカーからいたしますと五百数十億円の、これは一円の
円高によってそういう
企業の収益というものは変わってくる、一円でですね。というふうに言われている
我が国の今日の
産業の
状況からいたしますと、せっかくつくったこのような
産業構造転換・
雇用対策本部というものが全く機能していないとは一体どういうことだという
感じをちょっと持つんですよ。
しかも、それは通産省側だったらそれを受けて
産業構造転換対策本部というものを設置しているようでありますけれども、
労働省の方は、総理の
対策本部がつくられて、そして
労働省側でそれを受けて一体具体的にどういうふうに詰めていくのかというふうな本部がこれまたつくられていないのではないかと。だから、先ほど
大臣の方は積極的にひとつ言外にそういうものを含んでやりますとおっしゃっていただいているんだけれども、その仕組みなり体制というものなり、ちょっと失礼かもしれませんけれども、意欲的にいかがなものかなという
感じがするんですが、どうでしょうか。