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国務大臣(
村山富市君) 今お話もございましたように、ことしに入りましてから早々に
阪神・
淡路の想像もできないような大きな被害をもたらした大
地震がある。同時にまた、地下鉄
サリン事件といったようなこれまた想像もっかないような反社会的なテロ行為が行われた。あるいは警察
庁長官が狙撃されるといったような事案も起こった。かてて加えて急激な
円高というものが
日本経済に大変な衝撃を与えておる。言うならば社会的にも
経済的にもいまだかつてない
経験というものを今やってきているわけです。
同時に、これは先般の
統一地方選挙でもあらわれましたように、
政党に対する不信といいますか、
政党不支持層、支持をしないという層が大変ふえておるという
意味から申し上げますと、まだまだ
政治不信というものが解消されておらないというふうに私は思うんです。
そんな
意味では、もう社会的にも
経済的にも
政治的にも何か閉塞されたような感じが非常に強いものがあるというので、これを打開していくためには一体何が必要なのか。これは何をおいてもやっぱり一番大事なことは、生活する上において社会不安を解消して社会の秩序を回復するということが一番大事ですから、これはもう警察が総力を挙げて、先ほど来お話もございますように、不眠不休の努力で、連休で皆さんがお休みになっているときも警察官だけは総動員をして、そして治安の維持に当たられた。
同時に、犯人の検挙と全容の解明、そして再発の
防止、
国民が安心できるような
社会秩序の回復をどうしていくかというので真剣に取り組んでおる。オウム真理教の麻原彰晃を逮捕したということによって
一つの山場は越したんではないかと。しかし、これから全容を解明するという大きな仕事が残っておりますから、やっていただかなけりゃならぬ。これはようやく愁眉を開いたという感じがいたします。
同時に、
地震等の災害につきましては、これはもう先ほど来お話もございますように、六年度の
補正並びに七年度当初
予算、そして今度の
補正、今御
審議をいただいています
補正等を通じてようやく復旧から復興に取りかかろうという段階にございますから、そうしたものについても精力的に取り上げて、そして
皆様方の
期待にこたえなきゃならぬという努力をやっておるという過程にございます。
同時に、行き詰まった
経済、ややもするとデフレ的な感じさえする今の
経済にもう少し力を与えて、そして少なくとも緩やかな
経済成長が持続的に安定できるような、そういう基盤というものをしっかりつくっていこうという
意味で、特殊法人の整理やら
規制緩和やら、あるいは
政治全体を変えていくためにも地方分権の推進やら、具体的に私は
一つ一つ解決をしていっているんではないかというふうに思います。
同時に、これから二十一世紀に向けて
日本の産業、
経済というものは世界全体の中でどういう
役割と位置を占めるかということからすれば、先ほどもお話がございましたように、先端技術の開発といったようなものもありまするし、同時に
日本の知性を十分生かした限りない人的資源を活用できるような
科学技術の進展というものもこれから
日本が背負っていかなきゃならない
役割だというようなことも考えて、そうした展望も切り開くというようなことも指し示して私は努力をしておるというふうに思いますから、今申し上げましたような、不安を解消し
政治の信頼を回復するために
内閣が一体となって全力を挙げて取り組んで、二十一世紀に向けて明るい展望が開けるような方向で頑張っていきたいというふうに考えているところでございます。