○穐山篤君
集中審議の前に一言
総理に要請をしておきますが、実は先日、一日に新潟県で地震がありました。直下型地震であります。今、阪神・
淡路大震災の復旧・復興に全体の目が向いているわけですけれ
ども、この今回の地震も震度五とも言われておりまして被害も相当出ているわけであります。したがいまして、
国会議員はもちろん現地に、我が党では坂上代議士を初めとして
調査や対策や激励に入っているわけです。規模は小さいとはいえ、やっぱり県民の皆さんの不安、心配というのは同様だと思うんです。ぜひひとつ細心の対策をとっていただきたいということを冒頭に要請しておきたいと思います。
次に、一連の
サリン事件についてお伺いをしますが、松本の
事件以来多くの
方々が亡くなっております。それからいまだに病院に入院
治療中の人がおります。これらの
方々に対して、弔意を表すると同時にお見舞いを申し上げなきゃならぬと思います。
そこで、
国民の皆さんが素朴に不安を感じているもの、疑問を持っている点を私が一つ一つ申し上げて整理をしておきたいと思うんです。
松本
事件にしろあるいは
地下鉄事件にしろ、まず第一にだれがと、当然複数になると思いますが、だれがというのが問題。二つ目は、何の目的でということが当然考えられます。第三番目は、
サリンの
疑いがあるわけですが、製造方法はどういうものか。製造と使用では当然違います。使用の方法をどうしているのか。それから五番目は、原料や製品が国内で使われているのか、あるいは一部外国から輸入をされたものであるかという疑問も私自身も持っております。それから六つ目は、一連の
事件というのは
警察庁長官の問題も含めて
関係があるや否やということについてみんな心配をしております。当然のことながら、
捜査を進める、あるいは証拠を立証していきながら最終的に逮捕をする、それによって根絶を図るという足がかりをつける。
その次は、こういった化学物質についての危機
管理、
再発防止をどうするかどうしてくれるんだろうかという気持ちをみんな持っております。
それから今も
お話がありますように、
オウム真理教が本件に深い
関係を持っているや否や。殺人予備罪で
捜査に入りましたけれ
ども、
オウム真理教がこれに直接間接かかわっているかどうかという疑問を持っているわけであります。
それから当然のことでありますが、先ほ
ども指摘されておりますように、
宗教法人に対する法制上の問題とかあるいは実態についてメスが入る仕組みに今なっていませんね。これをどうするかというふうな十項目を超える疑問を
国民の皆さんみんな持っているわけです。それに国が、あるいは議会も挙げて真正面から取り組んでいくというのがきょうの
集中審議ではないかと思うんです。
そこで、まず第一に松本の
事件について伺っておきたいと思います。
去年六月二十七日午後十一時、ここでは「
サリンと推定される毒性のガスが発生し」と、こうなっている。あのときは翌日の新聞では農薬の合成物というふうに全部の新聞に出ました。
サリンの
疑いがあるといって
警察が発表しましたのは七月三日なんですね。
松本の
事件の場合は、亡くなった方もあるわけですが、遺留品がなかったんですね。目撃者もいなかった。
地下鉄の場合には
サリンを発生させた弁当箱の遺留品が多かったですね。五つのところで発見されているわけです。目撃者もいたという違いがあるわけです。
そこで私は、松本
サリン事件についての初動、構えのところに問題意識を持たざるを得ないんです、今でも。といいますのは、被疑者不詳のまま殺人容疑で河野さんのお宅を家宅捜索するところから手がついたわけなんですね。ですから、あの河野さん一つを焦点に
捜査活動が続いていたというところに私はボタンのかけ違いがあったんじゃないかと。
そこでその後、去年の七月二十九日、県警の
サリンの生成法というのが発表になったわけです。私も素人ですからこの難しいマークは全部読み切れなかったんですが、しかし気になっている残留物なり発生品というのに実は気がついたんです。
この絵の中で、メチルホスホン酸ジフルオリドというのは
日本の国内では絶対に市販もされていなければ製造もされていない品物なんです。それ以外の品物については、三塩化燐であるとかいろんなものについては許可で市販をされているとかあるいは特定の指定物質になっているとかということがあるわけですが、この代物は国内ではないはずです。持っているとすればこれは軍隊なんです。この品物は、アメリカにしろロシアにしろ、化学物質として、猛毒の品物として軍が扱っているわけです。そこで、私が先ほど、国内で原料が調達されたものであるのか生成されたものであるのか、あるいは国外の原料であるのか製品になったものかということを実は冒頭に
質問したわけであります。
しかし、松本
事件で
警察庁も非常に重要な勉強をされたと思うんです。それはガスクロマトグラフという
分析をこの松本の
事件でやったわけです。かなり長い時間かけてやったわけです。その
分析結果を
警察庁がお持ちであったものですから、
地下鉄の
サリン事件の場合には二時間でこれは
サリンの容疑があると判定をしたわけであります。その意味では松本の
事件が生かされていますけれ
ども、最初のところのボタンのかけ違いというのは非常に私は大きい問題だというふうに認識をするわけでありまして、もう一度松本
事件について、私はとかく批判をするつもりはありませんけれ
ども、原則に戻ってもう一度検証をしてもらいたいということを強く要望しておきたいと思うわけであります。
それから
地下鉄の
事件については、先ほど
質問もありましたが、ぜひお聞かせをいただきたいんですが、目下入院をされている方の中にそれらしき人がいるのではないかといまだに報道されているわけです。
捜査の邪魔にならない程度に、その点はどういう状況になっているかお伺いをしておきたいと思います。