○斎藤文夫君 私の方でお教えしましょう。シンジケート団で三百億弱、ノンバンクで二百億、このおぜん立ては
長銀、頭取、あなたのところで全部おやりになっている。これはお調べになれば、この当時は副頭取でいらっしゃったかと思いますけれ
ども、
稟議その他、お忘れになっておられるかもしれません。
しかし、これが今、どう今後売却をしていくか。住宅二千三百戸、これから追い貸しをして建てて少しでも付加価値がついて回収ができればいいなと、持っている者はそういうおぼれる者わらでもつかむ心境に、例えば
高橋さん、なりますわね。ところが、ある日突然、
長銀はこれに管財人を指定したんですよ。現地のレシーバーが決まった以上、どんなに売却したいとかこういう
方法があるよといっても手も足も出ない。
ましてや、この処分をよくよく考えてみますと、レシーバーが幾らで売ろうが、三百億円、要するに
銀行のもう融資した額は全額担保で押さえられて保証つきだ。ノンバンクの二百億円、これは実は残念ながら
銀行の質権設定があるためにノンバンクには一円も払われない。もちろん
イ・アイ・イ・インターナショナルにはとてものこと、保配当は回ってこない、手も出させない。金額は幾らで売られるか、もうこれはレシーバーの胸三寸ですからね。三百億なのかあるいは七百億なのか、これは私もよくわかりませんが、これじゃ再建じゃなくて、とにもかくにも何でも売っちゃえ、しかもその売った中で
自己保全だけはきちっとついている、こういう一つの例ではないかと思いましたので、詳しくないとおっしゃるからあえて私の方でお聞かせしました。
ついでにもう一つ、香港のボンドセンター、これは株式市況価格で、十五億株です、これは一株当たり実は一香港ドル、当時で十四、五円だったと評価をされました。
イ・アイ・イ・インターグループが持っていたのは私の調べですと八億株所存している、十五億株の中。これを香港の華僑でありますリ・カシンさんにお売りになった、一株一香港ドルで。この売買に当たっては、
田中副
社長と釜池常務、
長銀の御
関係者がお当たりになられた。
ところが、リ・カシンさんは買うと同時に片方へ同時に売りつないでいるのです。この売りつないだのがインドネシアの華僑でして、手続がありましたから確かに二カ月間という経過がありました。株で言うなら、いや、きょう買ったのがあした暴騰しました、そう御説明をされたいでしょうけれ
ども、しかしこっちで一ドルで買ったものをリ・カシンさんはすぐにプレミアムをつけて、あすと言ったんじゃ極端かもしれませんけれ
ども、同時にニドル三十セントから四十セントで売却している。これは仮に持ち主から見れば、もう少しうまい売り方をしてくれ、こういう思いに駆られるのも無理ない。だから、
高橋さんが自主再建したいと言ったのは、私は、あれはもうあんな乱脈
経営とんでもない、けしからぬと、同業でかつてあっただけに怒りを持っていますけれ
ども、
長銀の清算団というのもこれはやっぱり随分アセット・ストリッピングじゃないのかな、こんな思いをいたしますが、頭取の御感想を。