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国務大臣(
村山富市君) 振り返ってみますと、これは私は先般も申し上げましたけれども、私
自身にとりまして全く予想もしなかったことでありますが、昨年六月に
村山内閣が誕生いたしました。
この
内閣を構成する
連立与党三党は、やはりこれまでの
経験を踏まえた上で、新しい
時代に対応できるような
政党の
役割と任務と党の
あり方というものを
お互いに反省しながら、みずからの
政党をどう
改革していくかという
努力を続ける過程の中で
お互いに切磋琢磨していくと。そして、三党が
政策的な
合意を求めてそして
国民の
期待にこたえ得る
政治ができるように
努力していこう、こういうことで私は三党の
連立政権は成り立っていると思うんです。
三党で
合意ができなければ何もできないのかと。何もできなければこれは
政治にならないわけですから、したがって三党の
合意ができない場合には
最高責任者である私が
決断をする以外にはないんですと、そういう
運営をやってまいりました。しかし、可能な限りやっぱり三党で
合意ができるように
努力していくと。
これはいつも申しますけれども、それぞれ
政党は歴史も違いますし、
政策も
理念も違うところがあるわけですよ。しかし、それはある
意味からしますと、
国民のある部分を代表している
意見だと私は思うんですね。ですから、
国民の中には多様な
価値観もあるし、多様な
期待もあるわけですよ。そういう多様な
価値観や
期待を持っている、それを、三党がそれぞれの立場から
意見を出し合って、そして議論をしていく、そして
結論を見出していくと。その
結論は、ある
意味ではそうした多様な
意見を持ち多様な
理念を考えている
国民のコンセンサスになり得るものではないかというふうに思いますから、私は
透明度の高い民主的な
運営を
心がけて、そして可能な限り
合意点が見出せるような
努力をしていくということは大事なことではないかというように思いますし、その
合意点がどうしても見出せない、しかし
決断せざるを得ないという場合には、これはやっぱり
最高責任者である私が
決断をして決めていく以外にはない、こういう
心がけで
運営をしているつもりでございます。
したがいまして、振り返ってみますと、昨年中には、これまで長い
間懸案となっておりました
政治改革やあるいは
税制改革、
年金改革や
被爆者援護法、それから
世界貿易機関への参加、
日米包括協議など困難な問題がたくさんございましたけれども、しかしそういう
努力によって一応の決着をつけてきたのではないかと私は思っておるわけです。そして、本年は五十年の節目の年でもありますから、これを機会にこれまでの五十年を振り返り、来るべき五十年を展望して
改革から
創造へというのが当面この
内閣に課せられた
課題ではないかというふうに思っております。
したがって、
経済社会システムのゆがみやこれまでの制度全体を見直す中から、思い切った
規制緩和や
特殊法人の
整理合理化や、あるいはまた
地方分権の推進といったような国の
行政の
あり方全体を見直して
改革していくということが大事なことではないかというので、今、
内閣を挙げて取り組んでおるところでございますし、自由で
創造性にあふれた新しい
時代に対応できる
社会をどうつくっていくか。同時に、
国際貢献による
世界平和の
創造に向かって
日本の果たす
役割を全面的に果たしていくというようなことが我々に課せられた
課題ではないかと考えているわけです。
また、このたび
阪神・
淡路の
大震災がございましたが、そうした問題についても、可能な限り災害に強い、安心して
生活ができる、しかも生命と身体と財産を守るという国の
責任が十分果たせるような、そういう新しい
国土づくりというものをこの
阪神・
淡路の
大震災の
経験も踏まえて十分
検討して見直しをする必要もあると思いまするし、またとりわけ、急激にやってまいりました
円高の進行に直面して、適切かつ機動的な
経済運営に万全が期されるようなそういう
構えというものもしっかりと持っておく必要があるというふうに考えておるところでございます。
総理に就任いたしましてから八カ月余りの間を振り返ってまいりまして、次々に
課題が出てくる、多くの山積を抱えておりまするけれども、しかし前段に申し上げましたようなそういう
心がけで私はこうした問題の解決に全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございますが、議会の
皆さん方の一層の御理解と御指導と御協力を心からお願い申し上げたい気持ちでいっぱいでございます。
以上です。