○渡辺四郎君 これは自治大臣、御検討をぜひお願いしたいということで申し上げておきたいと思うんですけれども、今度の被災の中で、
皆さん御記憶があると思うんですが、当初、死者が五百人、行方不明者が千六百名、例えばそういう報道があった。その後の報道を見ていますと、行方不明者の数は余り減らない、死者ばっかりがどんどんふえていったという経過がありました。あの段階で、当初の行方不明者の数から見て五千四百名の方が亡くなるとはだれも想定していなかったと思うんです。
ということは、やはりその町に住んでおる住民の方たちの掌握が自治体でできていない部分があるんじゃないのかと。これは確かに単身赴任者の方たちがアパート
生活をする、学生さんもおります、外国人もおります。住民登録をしていないわけです。自治体はわかりませんよ。そうしますと、やっぱり隣近所に聞きながらどこにだれが住んでおるかという問題だってあるわけですから、こういう問題はひとつ今後の検討事項としてぜひ申し上げておきたいというふうに思っております。それは答弁は結構でございます。
私は、これから
大蔵大臣を中心に財源問題でいろいろ御意見をお聞きしたいと思うんです。
先ほど橋本通産大臣と廊下でお会いをいたしました。背のことを
思い出しましたと言いましたが、実は一九八六年、昭和六十一年にこの
委員会室でちょうど国鉄の分割・民営化の特別
委員会の審議をやっているんです。通産大臣がちょうど運輸大臣。
いわゆる十一月十五日の日に伊豆の大島が噴火をいたしまして、マグニチュード六・一の
地震もありました。あの溶岩がどんどん流れて住宅街に迫ってくるという
状況の中で、二十一日の晩から、特に東京都と
政府が
一体となって、約一万三行の島民と約二千名の観光客がおられたわけですが、一人残らず避難をさせて、運輸大臣が大変な実は力を発揮していただいたときがあったわけです。
そういうことを実は
思い出したわけですが、そのときも問題になりました。私もここで申し上げました。というのは、
被災者の
皆さんが着のみ着のままで来ておる、赤ちゃんのミルク代がない、おむつを買う金がない、あるいは歯ブラシを買う金がない、何とか現金を貸していただきたいという、テレビでそういう生の声がありました。中曽根
総理と橋本運輸大臣に私は申し上げた。何とかお金を貸す方法はありませんかということを申し上げたことを実はあの議事録も読みまして
思い出しました。
そして、島原の雲仙・普賢岳問題で、ちょうど
災害特別
委員会に所属をしておったものですから、やりとりをしました。このときもやはり、先ほどからお話がありますように、今の規定の中では個人的な補償はできない。そのときも言ったんですが、危険を避けるために一家全員で親族の家に避難をした場合は、もちろん移転の費用もないし、あるいは食費も一切ない。集団
避難所から仮設住宅に移ればいわゆる食費は打ち切られる、その当時は。だから、あるお
年寄り二人が一回仮設住宅に移って、集団
避難所に帰ってきたという例もあったわけです。何とかこういうことはできないかというお話を申し上げました。しかし、なかなかやっぱり今の規定ではできない。
そういうことで、自治体の首長はそういう状態ではいけないわけです。何とかしてあげなきゃいけないということがあるものですから、わずかな財調基金しか持たないそういう中で、はたいてしまって、そういう部分について手当てをしていった。しかし、これでもどうしても不足をするということで
災害基金問題が実は沸いてきたわけです。
当時、長崎県で。九百億の基金をつくりたいと。いろいろありましたけれども、
政府からやっぱりどうしても金は出せない。
国民の
皆さんからいただいた二百二十億を
基本にしながら、いわゆる九一年の九月に長崎県は基金を設立いたしました。現在六百一二十億程度の基金になっておりまして、六十八項目の事業を実施しておるわけです。
これは岡の規定にない内容なんです。今度の場合だってたくさんの先生方も言いました、何とか個人の補償をしてやってくれないかと。しかし、
大蔵大臣が一番頭を痛めておるのはやっぱり財源の問題です。
そこで、この段階では
国民の
皆さんに
国会も
政府も一緒になって訴えて、そして国の財政の実態、きのうも一日の日もお話がありましたが、国には合わせて三百十六兆程度の借金がある。自治体だって百十兆からの借金がある。私は、後世代に借金を残すべきじゃない、我々大人が今考えてやるべきじゃないかということを去年の十月の
予算委員会でも申し上げました。
そういう立場から、基金構想問題については昨年の二月に日弁連も、やはり日本は火山列島であるから、これは金額は十兆という金額まで出しておりますけれども、国として基金を準備すべきじゃないかとか、ことしの二月、今度の
災害が起きた後、九州の弁護士会も、去年の雲仙問題を
思い出して緊急提言として基金を国でつくってもらいたいという提言をしたわけです。
財源問題は後ほど申し上げますが、この基金構想について、
大蔵大臣、どういう御感想を持っておられますか。