○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、九五年度
地方財政計画、
地方交付税法改正案並びに
地方税法改正案に関連して、
総理並びに関係
大臣に
質問いたします。
阪神・
淡路大震災から既に二カ月がたとうとしています。私は、精神的にも肉体的にも極限状態の中で、
生活の再建と
復興に必死で頑張っておられる
被災地の
皆様方に、心からのお見舞いを申し上げます。
震災
対策は、被災した関係
自治体だけでなく、全国の
自治体に関係した重大問題になっています。
そこでお伺いいたします。
先日、京都の清水寺で八十歳の
被災者が飛びおり自殺されました。痛ましいことです。
総理、せっかくあの地震で助かった人が救済のおくれから命を落とす、これはまさに人災ではありませんか。
被災地では、
住宅を初め、医療、衛生、教育、
雇用、
中小企業の経営再建など、
課題は山積しています。救援の
規模とスピードを、
被災者の
皆さんが生きる勇気と展望が持てるように一層引き上げること、このことが今もって
政治の最大の責務だと
思いますが、いかがお考えでしょうか。
兵庫県と
神戸市などで進められている区画整理事業、市街地再開発事業に対して、市民から、
一体私の家や土地はどうなるのと、不安の声が広がっています。いわゆる
復興基本法の
基本理念には、地域
住民の意向の尊重が明記されています。
町づくりの主役は市民です。
昨日の都市
計画審議会の決定に対し、
住民の
批判が高まっています。一方的に強行することはやめ、
住民の
意見を十分に聞くべきです。都市
計画案を撤回し
審議会は延期すべきだという広範な
被災者、市民の声にどのようにこたえるのか、
総理の見解を伺います。
今、全国で、あのような地震が我が町で起こったら大変なことになると、地震に強い安全な
町づくりと万全の救助
対策への
住民の関心が高まり、取り組みが始まっています。私は、ほとんどが震度五に
対応する程度にとどまっている
自治体の防災
計画を、震度その直下型地震は全国どこでも起こり得るという立場で抜本的に
改善する必要があると考えます。
総理、自治
大臣の見解を伺います。
次に、
地方自治と
地方財政について
質問いたします。
憲法と
地方自治法に基づく
地方自治の
原則は、
住民が主人公という立場をあらゆる分野に貫くことであり、
自治体のやるべき仕事の第一は、
住民の安全、健康及び福祉を保持することです。
ところが、近年、
地方財政の状態は極めて深刻になっています。
自治体の借金残高は急増し、九五年度には百十六兆六千億円が見込まれ、九〇年度の六十七兆円の七四%増となっています。
このような
地方財政の悪化をもたらしたのは、この問わずか一年六カ月で四回も行われた
政府のいわゆる
景気対策です。
景気対策の名の
もとに、
地方自治体に対して四兆九千億円の単独事業の追加
要請を行い、特に国の負担のない
地方単独事業費の
拡大を押しつけたのです。これは、国の公共事業を
地方自治体に肩がわりさせたことであり、
地方財政を悪化させた大きな原因となったことは明らかです。そうではありませんか。自治
大臣の見解を求めます。
さらに、国が
自治体と一緒になって大
企業本位の巨大開発を進めたことも、
地方財政破綻のもう
一つの大きな原因となっています。この間、
事業費十兆円という
東京都の臨海副都心開発
計画を初め、一兆円
規模と言われる大阪府のりんくうタウン、京都の学術文化研究都市構想など、全国至るところで同じような巨大開発が進められてきました。
東京の臨海開発
計画は、地価の下落と
企業の撤退で、当初七兆円と試算していた賃貸収入が二兆円を割り、都の
財政と
都民に大きな借金を残すごとが明らかになり、見直しが迫られています。
こうしたゼネコン型大
規模プロジェクトが野放しにされたことによって、ゼネコン汚職や談合、やみ献金がはびこりました。そして、その一方で
自治体は借金
財政に追い込まれ、
住民はそのツケを回されることになったのです。民活路線でこのような巨大な開発を
推進してきた
政府の
責任もまた免れません。
こうした大
規模プロジェクト中心のあり方を、この際、
住民こそ主人公の
地方自治の正しい
原則に立ち返ってきっぱりと見直すべきではありませんか。
総理の見解を明らかにしてください。
八年前、リゾート法に反対したのは我が党だけでした。しかし、今や
政府が
推進したリゾート
計画のうち六割が一部中止や
規模の縮小に追い込まれています。自然と環境を破壊し、莫大な借金を
自治体に押しつけただけのリゾート法は誤りだったことが判明いたしましたが、その
認識をお持ちでしょうか。この点について国土庁長官の見解を伺います。
臨調行革の名の
もとに、
政府は
憲法と
地方自治の
原則に背き、
地方行革、
自治体リストラを強行し、福祉や医療、教育など
自治体が
住民のために行う仕事をどんどん切り捨ててきました。
生活保護は年々打ち切られ、受給者はこの十年間で十八万世帯も減らされました。また、
消費税の引き上げに加えて
公共料金の相次ぐ引き上げもひどいものです。清掃労働者はこの十年間に全国でおよそ五千二百人も減らされ、消防職員ですら国の
基準に対する充足率で七〇・六%にとどまっています。
このような
住民の福祉と健康、安全の保持に逆行するリストラは撤回すべきではありませんか。
総理及び自治
大臣の見解をお伺いいたします。
次に、由民健康保険についてです。
国民健康保険は、高過ぎる保険料を引き下げようと直接請求が取り組まれるなど、この五年間で一千の
自治体で国保料の引き下げが行われています。この上、国庫負担を四百五十三億円も削減する改悪はすべきでありません。国庫負担率を医療費の四五%に戻すべきです。
総理、いかがお考えでしょうか。
文部省のいじめ
対策緊急
会議がまとめた最終
報告によれば、昨年十二月以降全国の公立学校で新たに一万七千八百件のいじめがあり、小学校では昨年度に比較して二千件以上ふえ、八千五百件にもなっています。まさに異常な事態です。養護教諭の重視やカウンセラーの配置も重要ですが、根本的には、詰め込み教育を改め教師が十分目配りできる教育条件の
整備なくしていじめの防止はできません。
来年度に五千六百人もの教職員を削減する
計画は撤回し、教職員の大幅増員と学級
規模の縮小など行き届いた条件
整備を進めるべきと考えますが、文部
大臣の答弁を求めます。
ことしは女性参政権獲得五十周年に当たります。
地方自治拡充の上で
住民への情報公開、
住民の多様な参加の保障がかぎとなっていますが、とりわけ地域とかかわり深く
生活する女性の社会参加を支援し促進するために、保育や介護の
対策に力を入れた取り組みが必要ではありませんか。
総理の答弁を求めます。
今、
政治に求められていることは、
憲法と
地方自治法に基づく
住民官治、
地方自治を拡充することである。このことを強調して、私の
質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣村山富市君
登壇、
拍手〕