○
国務大臣(村山富市君) 猪熊議員の
質問にお答えする前に、想像を絶する未曾有の大被害をもたらしました
阪神・淡路地区の
大震災が起こりましてから一カ月を
経過いたしました。いまだに集団的な避難
生活をされておる
被災者の数もたくさんおられることについてお触れになりましたが、重く胸の痛む思いで拝聴いたしました。
政府は
内閣挙げてそうした救援と
復旧にこれからも取り組む決意でありますが、当面必要な緊急
措置を内容とした第二次
補正予算について
全会一致で御理解ある御成立を賜りましたことを、まず心からお礼を申し上げたいと思います。
次に、御
質問にお答え申し上げたいと思いますが、
復旧復興事業とその
負担についての御提案がありましたが、この事業につきましては、御提言にもございましたように、単に地元自治体の問題としてだけではなくて、まさに
国民の皆様の御理解と御協力を得て国全体として取り組んでいくべきものと考えております。
ただ、
復興、
復旧に要する費用の
財源の
あり方につきましては、安易に後世代の
負担に先送りすることはできませんが、同時に、
国民の皆様の御理解が不可欠であることは申し上げるまでもございません。
いずれにいたしましても、
国民の皆様に現状の御理解をいただきながら、幅広い見地から検討してまいりたいと考えているところでございます。
次に、七
年度予算の
補正の問題につきましていろいろお尋ねがございました。
七
年度当初
予算をこれから参議院の皆様に御審議をいただく段階でございますが、景気回復の本格化や
国民生活の安定に資する諸施策を盛り込んだこの
予算につきまして、まずもって一日も早い成立をお願いする次第でございます。その上で、
復旧、
復興に要する
財政上の手当てにつきましては、きちんと必要な
財源は確保されなければなりません。先ほども申し上げましたように、幅広い見地から検討を加え、適切に
対応してまいりたいと考えておるところでございます。
次に、
自由主義経済下における
金融市場の
あり方についてお尋ねがありましたが、金融の
自由化をさらに進めることは、より一層の競争原理の活用により経済の発展と効率化に資するものと考えております。他方、我が国が長い間にわたって培ってまいりました金融システムの安定性、預金制度や金融制度に対する
国民の信頼は、貴重な財産としてぜひとも維持してまいらなければならないものだと認識をいたしております。
次に、問題となっておりまする
信用組合の監督に関連し、
機関委任事務の
あり方についてお尋ねがございましたが、個別の
信用組合に関する監督は
機関委任事務として地方自治体が行うものでありまするけれども、信用秩序全体の問題として考えますと、国としてもしかるべき役割を果たすべきものであり、一体となってできる限りの努力をすべきものだと考えておるところでございます。
機関委任事務一般の
あり方につきましては、地方分権推進の
観点を踏まえて今後鋭意検討してまいらなければならない
課題であると考えております。
次に、
特別会計の
あり方につきお尋ねがありましたが、今般、
国債整理基金の
資金繰りに関連をいたしまして、極めて厳しい
財政事情のもと、やむを得ざる
措置として幾つかの御提案をお願いしておりますので、何とぞ御理解をお願い申し上げたいと存じます。
なお、
特別会計は一般の
歳入歳出と区分をして経理する必要がございますので、現行の
特別会計ではそれぞれ固有の意義を有するものと認識をしているところでございます。
次に、
予算編成の
手法の
妥当性についてのお尋ね朴ございましたが、ただいまも申し上げましたように、今回の
法律案による
会計間の
繰り入れの
特例等の
措置は、まことに厳しい
財政事情のもとで、
平成七
年度の
財政運営を適切に行うため
各種制度の
運営に
支障が生じない
範囲の
特例的な
措置として行ったものでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
次に、今回の
特例法による
措置は
財政民主主義に反するのではないかとのお尋ねでございますが、こうした
特例的な
措置等に関しましては、これまでもいわゆる
繰り入れ特例法等に基づき
措置されておるものでありまして、
国会における審議等を通じましてそれぞれの
措置について御
説明を行ってきております。さらに、従来より、これと関連をいたしまして、「今後
処理を要する
措置」という資料の形でも整理してお示ししているところでございます。したがいまして、御指摘のように
財政民主主義に反することはないものと考えております。
次に、
特例法による
措置は将来の
政府に
負担を押しつけるのではないかとの御指摘でございますが、これらの
特例的な
歳出削減措置等につきましては、それぞれの制度、施策をめぐる
状況や考え方を踏まえましてこれまでも返済や見合い
財源の確保等その
処理に努めてきたところでございます。今後においても国の
財政事情等を踏まえつつ適切に
対応してまいりますので、御理解をいただきたいと存じます。
次に、
自動車損害賠償責任再
保険特別会計から
一般会計への
繰り入れについてのお尋ねでありますが、当面、
特別会計の
運営に
支障のない
範囲で極めて厳しい
財政事情にある
一般会計へ
繰り入れを行うこととしたものでございます。今回の
措置は、前
年度と同様、この
措置を講じなかったとした場合において生じていたと見込まれる
運用収入相当額を含め、後日、
一般会計から繰り戻すこととしており、保険契約者の利益に反するものではないと認識をしていることについて御理解を賜りたいと存じます。
次に、
行政改革の
必要性を踏まえての
財政改革に対する
基本的見解に関するお尋ねでありますが、
政府といたしましては、規制緩和、地方分権、特殊法人など各般の改革
課題について積極的に取り組んでいるところでございます。また、税の公平の確保や
歳出構造の見直しに鋭意努めているところでございます。
他方、我が国
財政は、巨額の
公債残高を抱えるなど構造的な厳しさに加え、
平成五
年度決算において
税収が三年連続して減少するなど極めて異例な事態となり、一段と深刻さを増していることは申し上げるまでもございません。このような
状況のもとで、本格的な高齢化社会の到来に備え、福祉の充実、着実な社会資本の整備、国際社会への貢献等さまざまな
財政需要に適切にこたえていくため、
公債残高が累増しないような体質をつくり上げていくことは、基本的考え方としてこれからも堅持していくことが重要であると認識をいたしております。
このため、今後とも
歳出面において制度の根本にまでさかのぼった見直しや施策の優先順位の厳しい選択を行うなど、
財政改革を一層強力に推進していかなければならないと考えておるところでございますので、何分の御理解をお願い申し上げたいと存じます。
残余の
質問につきましては、
関係大臣から答弁をさせます。(
拍手)
〔
国務大臣武村正義君
登壇、
拍手〕