○深田肇君 私のいただいている時間が大変短いんですが、大変恐縮ですけれ
ども、
一言、御報告とお礼をこの機会に申し上げたいと存じます。
実は、埼玉県の石川一雄さん、仮釈放を私の方では毎度この本
委員会などでもお願いをしてまいりましたが、昨年の十二月二十一日に仮釈放の決定をいただきまして、現在は自宅に帰りまして元気に
仕事をいたしております。大変いろんな
意味でお世話になりました本
委員会の諸先輩を初め
法務大臣、同時にまた
関係者の
皆様方、特に千葉刑の所長さんを初めとする
皆様方に心からお礼を申し上げておきたいと存じます。
本人は大変健康の方もすぐれておりまして、お見さんがやっている
仕事を手伝いながら、大工
仕事でありますが、一生懸命頑張っていることを御報告申し上げておきたいと存じます。
千葉刑時代にちょっと勉強したようでありまして、すぐ歌といいますか、そんなものをつくるのが出てまいりまして、今度彼が発表いたしましたのは「故郷に立てどわれは浦島」といって、やっぱり三十一年ぶりに帰りますと、もう
地域も変わっちゃって、自分のうちも変わっているし、お父さん、お母さん亡くなっているものですから、「故郷に立てどわれは浦島」というようなことを言いながら、
地域の皆さん方と仲よく
仕事をしていますことを御報告申し上げておきたいと思います。
それにつけましても、一日も早い再審が開始されまして、物事が明確になってまいりますことを実はお願いをしていることを
最後に申し上げて、お礼としておきたいというふうに思います。
そこで、いわゆる本題に入りまして、
一つ二つと御
質問申し上げたいのでありますが、先ほどやはり先輩の下稲葉先生の方からお話があったことに類似をするわけでありますが、先般、
大臣のお話を伺っておりまして、やはり
附帯決議に基づいて今回の新法、私は新法と思っていたんですが、これを提起されたんだなと思いました。
しかしながら、私の側が率直に
感じましたのは、
附帯決議の流れは、ここに書いてありますように、今お示しがありましたとおり、三つの項目に書いてあるのでありますが、私が大変意識いたしましたのは、
更生保護事業は「国の
責任において行われるべきものである」と、この「
事業の健全な育成、発展のためこと、こういうふうにずっとあるわけでありまして、そして「
法整備を含めて
制度の
改善」をというふうに参議院の
附帯決議もありますし、衆議院の方も「国の
責任」ということが入っているのであります。
これ、そういうことを私が気にするのはおかしいのかもわかりませんが、
大臣の提案の中には国の
責任なんという
言葉は
一言もないんですね、ここには。それは、国が
法律を出すことが
責任だから、わざわざここに日本語としての国の
責任に基づいてということを入れなくていいとおっしゃればそれまでのことだが、どうも国の
責任に対する評価が違うんじゃないかということを直観的に
感じましたことを率直に申し上げて、
法案に賛成反対ということを言いますと糸久理事からしかられますから、そこは申し上げないことにいたしますが、大変違和感を持ったということを
感じながら、
一つ二つと御
質問させていただいておきたいと思います。
そこで、「
更生保護事業は、民間篤志家のたゆまぬ
努力によって」と、こういうふうにお書きになっているのでありますが、今話がありましたように、民間の篤志家なり諸
団体がまずは出資金を集めることから大変苦労していることはお互いに確認ができることでございますが、それにしても、
保護局が出している印刷物にありますように、迷惑
施設だというのはもう言われているんですよね。いわゆるいろんな
意味で刑の償いをして出てきた方ですから、もうそこで免除なんでありますけれ
ども、
地域から見ると、そういう方々が集まるところだというので、迷惑
施設だというふうに
法務省の文書にもあるほど
地域からそういう目で見るということでありますから。
そうしますと、今一番大事なことは、
地域住民とこのことに対する、人権問題を含めて、しかも
法律の精神をしっかり含めて、
更生保護法という
言葉の問題もありましょうけれ
ども、そういうことも含めてしっかりと
地域住民の理解を求めて、お互いに
協力して新しい社会復帰のための環境づくりやお手伝いをする、こういうふうな
地域住民側の思想の転換や
協力を求めるというのもやはり
法務省側が一生懸命やらにゃいかぬだろうし、と思っているんです。
この前、たまたま先般の
委員会でも同じようなことを申し上げたのでありますが、御苦労されていると思いますよ、
現場の方々は。したがって、国の
責任というのは、そういう苦労に対してやはりしっかりと認めて、苦労があるだろうと、したがってその苦労に対しては感謝するし、敬意を表するし、したがって
云々と、こういう形の、どう言いますか、導入、誘導が
大臣の
言葉から出るのが
現場のメンバーからすればうれしいことなんではないかということを率直に
感じていることを申し上げておきたいというふうに思います。
そこでまた、
大臣の提案された中身に関連してちょっと具体的に伺いたいのでありますが、まず
最初の第一の
質問でありますが、いわゆる
平成六年度の
予算において先般決めました
更生保護施設整備費
補助金というのが認められたと、こういうことで
施設整備の面については相応の
改善処置が講じられたところでございますというのだけれ
ども、これ、どのくらい本当に
改善されたというふうに自信を持って言われるのかどうか。このことといわゆる今度の新法との
関係、勉強不足でよくわからないんだけれ
ども、この前、そういう
予算をつけることになって、それで果たしていいのか、その程度の額でいいのかという論議もさせてもらった立場からすると、新法ができるに当たってまずはきちんと確認しておきたいことは、この
平成六年の経過の中でどれだけの効果があったのか。目に見えるものとしてどれだけのものがあって、
現場の方々はどんなに喜んでおられるのかという報告があれば聞きたいものだなというふうに実は思います。
同時に、この前申し上げたことだから二度言うことはいかがかと思いますが、どうも箱物をつくるという、
施設をどうするということだけがどうも中心的にあって、もっともっと
ボランティアの人の心だとか気持ちだとか、それから
地域住民との
関係、あれですよ、お祭りに行くんだって大変らしいですから。それで、中にいる人とか世話している
人たちが
地域の皆さんと一緒になって、お盆のお祭りを一緒にやるときなんかの
努力でも大変なわけで、その会もみずからが自費で集めなきゃならぬという苦労もされるわけでありますから、そういう
意味ではいわゆるこの
補助金
行政というものはどれだけの成果が上がったかということについて、ひとつ御報告を簡単でいいですから、聞かせていただければいいなというふうに思います。抽象的な御報告でもいいと思います。
それに関連しまして、二つ目の
質問でありますが、やはり御
説明の中に、これ二ページですね、
更生保護会の現状を見ますときに、この経営基盤はなおも脆弱なものであるということを書いているんですね。そして、
更生保護事業は多くの困難に直面していると、早急にその
改善を図る必要があると、こう書かれておるんであります。
そうすると、現状を見たときに経営基盤が大変弱いものだというのは、何を基準にして弱くて、どこまでいけば弱いという
表現でなくなるというふうに、基準をお持ちなのかどうなのか。もう弱いことは
余りにも、今大先輩おっしゃったとおり、半分の金を集めるのも大変なわけですから、浦和なんか立派なものができて、埼玉県は立派なものができたけれ
ども、この苦労話を聞けば大変ですね。というふうに
感じますから、
全国的なことを考えれば、それは相当本気で
更生保護の
行政というものをやらないと、本当に
地域から認められて、新しい人生をつくっていく
人たちのための道を保障するということにはなかなかならぬだろうと思うことがございます。
そういうことも含めて、多くの困難に直面しているというのは、アルコールであるとか薬物の乱用者が多いということを必ずしもおっしゃっているんじゃないと思うから、多くの困難というのはどういうことをおっしゃっているのか、これもできれば聞かせてもらっておいて、私
どもが知っている多くの困難と一緒かどうかについて対比してみたいと思いますので、それもひとつ御
説明いただければありがたいと思います。
時間があれば第三問をやりたいと思いますので、とりあえずそこまで御
説明いただきたいと思います。以上。