○
井上哲夫君 今の共済
制度について、私も勉強不足ですが、こうしたらどうかああしたらどうか、あるいは今の現況はこういうふうな形でよくないと、そういう意見があるわけですね。例えば、あらゆる種類の農作物にすべて共済を付保できる
ようになっているかというとそうではない、入れたくても入れられない露地野菜があるとか、あるいはお茶だって入れないじゃないかとか、こういう問題があるし、あるいは天然の
災害で損害を受けた場合に、収穫量がこれだけ減ったから損害と。しかし現実、生身の
農家の人たちは収穫量が減ることが損害ではなくて、手取りというか所得が減ることが損害であると。なのに、量でしか損害をはかれないシステムがいまだに残っているとか、あるいはさらには個人の
農家が、
農業外収入はこれは別ですけれ
ども、
農業収入で米もあるしあるいは温室もあるしいろんなところへ手を出してそして生計の安定を図るという場合に、
農業共済に入れるものと入れないものとある。これでは本来の保険システムになってないじゃないかという
ような批判というか、改良点がたくさん残っていると言われております。
行政監察の報告なんかを読みますと、こういう点でなお、例えば国の
予算の適正な使用がいま
一つ不十分だからというふうな批判はあっても、
制度そのものを根本的に考えたらどうかというのはなかなかないと。
そこで、私はきょう、非常に幼稚な質問をしてあれなんですが、
大臣に所見を伺いたいと思うのは、
ウルグアイ・ラウンドの合意に基づいて、今日本の
農業は大変緊張していると。それは、特に
大臣の所信表明にもあります
ように、中
山間地の
農業は一体どうなるんだ、
後継者は本当にあらわれるだろうかとか、そういう場合に、きょう午前に
佐藤委員も御質問になられましたけれ
ども、デカップリングといいますか、中
山間地の所得補償
制度はどうなんだというふうなことをちらっと音われました。私は、所得補償
制度というのは、日本での導入というのが大変難しいという
説明を何度も何度も聞いて、その都度そうかなとすぐに納得してしまうのでいかぬのですけれ
ども、そう思っているわけです。
仮にこういう中
山間地の
農業外収入が五割を超えないというか、一定のパーセントを超えないところの
農家については一種の総合保険の
ような
農業共済、現在の
農業共済のいろいろな
制度上の不備あるいはシステム上の限界を思い切って超えてみて、所得補償
制度ではないけれ
ども、健全経営を担保する、それがひいては
後継者を育てることにもなる、こういうふうな試みというのは考えられるのか、とても考えるに値しないのか。
私は余分なことを申し上げますが、阪神の
大震災があってからボランティアの人たちに対する保険ですらいろいろ
検討されている、あるいは今、我々日本人はほとんどあらゆる保険に実は入っている、保険王国と言われているわけであります。そういうふうに考えると、昔は天災地変じゃないけれ
ども、天候によって大きく変わる農作物に保険という
ようなものは本来なじまないというのが常識だったと思うんですが、この時代になってきたらいろんな工夫とシステムの改良、あるいはしばらくは非常に大きな限定をかけて経営安定のためのそういう総合保険的な、
農家保険的な
農業共済というのは、雲をつかむ
ような話ではなくてそろそろプロジェクトチームでもつくって
検討に入っても、この
ウルグアイ・ラウンド対策、六年間でいろいろ血のにじむ
努力をするということを考えれば決して捨てたものではない
ような、そういう私見を持っているわけでございます。
いろいろぐちゃぐちゃ申し上げましたが、
大臣の所見を一度お伺いしたいと思います。