○国務
大臣(
大河原太一郎君) お答え申し上げます。
七
年産生産者米価につきましては、ただいま
米価審議会で
諮問いたしまして御
審議を願っておるところでございます。答申を得て速やかに
決定したいというふうに思っておるところでございます。
本
年産の
生産者米価につきましては、もちろん原則としては
生産費及び
所得補償方式、それから
委員御
案内のとおりの
地域方式という
方式で
算定をいたしたわけでございますが、
水準としての
考え方としてはウルグアイ・ラウンドによる農業合意の受け入れに伴う
部分開放と申しますか、ミニマムアクセスの受け入れ、さらには今もお話ございましたような
食管法から新
食糧法への移行というようなことで、
稲作農家の皆さんが大変不安感を持っておられるというようなこともぜひ考えておかなければならない。また、我々は国内
対策としては昨年確立して第一年目をただいまやっておりますけれども、やっぱり
稲作農家の皆さんがしっかり
対策を受けとめていただいて、一層厳しい国際環境の
もとでやっていけるように立ち上がってもらわなきゃならない、そのためにその意欲をそぐような
生産水準であってはならないというようなことが実は
米価の
算定についての前提としてあったわけでございます。
それに加えまして、ただいまお話がございましたような一昨年は大凶作、昨年は大
豊作、これらが三カ年の
平均の
生産費を
もとにして
算定いたします場合に、非常に
算定の
安定性からいって難しい問題に当面したわけでございます。これについては先ほども
統計情報部長からお話があったとおりで、繰り返しません。
災害農家について、二割以上の
災害農家を
対象から除く一方、二割以上の増収
農家を
対象農家から除くというような措置でまず
原生産費段階で
調整をいたしました。さらに、これも先ほど
説明があったかと思いますけれども、単収を
平準化するような
平準化
係数を用いましてその辺の影響を緩和するとか、また
金利等も超低利の
金利の時代になりまして、これもまた
生産費の
低下に影響をもたらす、これについても何がしかの配慮をいたしたいというようなことで、一番
価格に影響を及ぼす単収と、それからそのコストの中に占めて影響の大きい
部分についてそれぞれ配慮をいたしまして
算定をいたしたつもりでございます。それが本年の
価格でございます。
それから第二点は、
基本法の
見直しなり長期見通しの問題でございます。
三十六年の農業
基本法、これについて内外の
情勢は大きく変わった、今後の農政の方向を明らかにするためにこれにかわる
基本法を制定いたせということが天下の世論でございましたし、
委員を初めとする当
委員会等でも繰り返し御指摘をちょうだいしたと。昨年の国内農業
対策、ウルグアイ・ラウンドの農業
対策においてやはり農業
基本法にかわる
基本法の制定の検討に着手するということを明らかにして、現在その準備を進めておるところでございます。
一々そのねらいは申しません。これからの問題でございますが、
農業生産なり農業経営という面だけでなくて食料問題、これも取り上げる、消費者の視点を取り上げる、あるいは農業の国土保全なりあるいは環境の維持とか
地域社会の維持とかというような大きな役割をここで明らかにしていくというようなこと等を主眼としていますが、いずれにしても広い国民的な合意を得なければならないというような
基本法でございますので、周到な準備の
もとにこれを進めたいと思いまして、現在、各種の
資料の収集なりあるいは外国への
調査、あるいは予備的な関係方面への
意見の聴取等、進め方等について逐次行っているところでございまして、いましばらくして本格的な検討に入りたいというふうに思っております。
なお、長期見通しにつきましても、既にたびたび申し上げておりますように、昨年八月、農政
審議会も速やかにこれにかかるべきだということで、
平成十七年を目標とする農産物の需要と
生産の長期見通し、この作業に入っておりまして、これは本年秋を目途にそれをまとめたいというふうに思っておるところでございます。
それから、条件不利
地域の問題について改めての御質問でございます。
中山間地帯の重要性と申しますか、ちょうちょう申し上げません。耕地面積とか農地コスト等で四割を占めておるとか、自然条件その他農地の賦存状態とか、いろいろハンディキャップを持っておる、
規模拡大は簡単ではないという点でございます。
これについては、経営としては集約的な経営あるいは複合経営というようなことを主体にした
農業生産展開を図っていかなければならないし、そのための新規作物の導入、あるいは中山間地帯が持っておる独特な自然条件でございます日中の温度差とか、あるいは夏の冷涼とか高度の差とか、いろいろな点を加味した新しい収益的な付加価値の高いような農産物を導入するとかいろいろの施策を進めておるところでございまして、そういう意味では、
委員の御指摘のような社会保障的
政策に入る前に、まず主業である農林業、この活性化、これをまず当面全力で進めるべきであるというふうに思っておりまして、例えば基盤整備事業等も国内
対策で大
規模な事業費を確保いたしましたが、その四割を中山間地帯に投入するというような考えの
もとに生活基盤と
生産基盤の一体化を進めるというようなことでございます。
そういうことでございまして、EU型と申しますか直接
所得補償方式、これは今も、その難点ということを担当の局長がかつて申したということもお述べになりましたが、そういう国民的なコンセンサスの問題とかその他いろいろな要件がございますので、まず
地域の主産業の活性化、それを行った上で次の段階に入るのがしかるべきではあるまいかと、さように思っております。