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国務大臣(
山口鶴男君) 今回の
阪神・
淡路大震災発生の際の初動の態勢が大変おくれたのではないかというような御批判はしばしば
国会等でございました。
政府といたしましては、反省すべき点は反省し
改善すべきところは
改善するということで今日までまいったわけでございます。
率直に申しまして、今、
委員御
指摘のとおり、あの震災が発生しました際、自衛隊に要請すべき
兵庫県庁、知事にいたしましても、幹部職員、その他一般職員にいたしましても、また神戸市の市長及び幹部職員にいたしましても、消防その他の
人たちにいたしましても、また警察官及び警察職員の
方々にいたしましても、それぞれの
方々が皆
被災者であったわけでございまして、なかなか知事や市長さん、あるいは幹部職員等の
方々が県庁、市役所等に参集するのに大変な苦労があったということを私ども聞いておるわけでございます。そういうわけでございますから、貝原
兵庫県知事が自衛隊に対して出動を要請したのは午前十時であったと、これはそういった
意味でのやむを得ざる点だったのではないだろうかと一面思っております。
県庁と
災害発生地が離れておったところ、例えば北海道で昨年、一昨年大きな地震がございました。この場合、北海道庁及びその知事、幹部職員の
皆さん方は
被災者ではございませんでしたから、十八分後に自衛隊に対しては北海道知事の場合は出動要請もいたしたそうでございます。
ですから、そういう
意味で村山総理が社会党であるから出動要請がおくれたとかというようなことは全くないわけでございますし、要は出動要請をすべき
方々が集まって、しかも御
指摘のような指揮命令系統をきちっとして、そして要請すべきことは要請するという
対応ができたかどうかというところに私は問題があったというふうに思っておる次第でございます。
したがいまして、これからはそういった県庁所在地等が直下型地震で襲撃された場合の危機管理体制、これを一体どうするか。その場合の通信、例えば電話通信等も大変混乱をしたそうでございますし、それからまた気象庁、観測所から地震の
状況等につきましての報告等も通信施設が途絶えたりいたしましたために大変おくれた等々の問題もございますが、いずれにいたしましても、防災対策、特に通信網の整備につきましては今後きちっと
努力をいたすと同時に、決して何と申しますか、これからは自衛隊法を改正して、要請がなくても出動できるようにしたらどうかというようなことは、これは私はすべきではないと思っております。やはり地方自治体が消防にしろ警察にしろ
対応しているわけでございますから、そこと
関係なしに自衛隊の方が出動しましても、これはなかなか
仕事がはかどるはずもない。したがいまして、日ごろから地域防災計画をきちっと立てて、そうして県と、あるいは市と自衛隊その他の機構とが、絶えず地震等が発生した場合にどのように連係プレーを行うかというような日ごろの訓練をきちっとやっておくということが何よりも必要ではないだろうか。
そういう
意味では、これからの防災計画をきちっと樹立いたしますと同時に、また官邸におきましても、官邸の機能を強化いたしまして官邸が危機に対してきちっと
対応できるそういった仕組み、体制というものを確立すべく今、官房長官を中心にして懸命な
努力もいたしている次第でございます。本日の閣議におきましても、一応そのような形で今、各省間の話し合い、体制づくりに努めておるという
趣旨の報告も官房長官からございました。そういうことをきちっと着実に進めていくことが必要であるというふうに認識をいたしております。