○及川一夫君 ぜひお願いしたいと思います。
それで、
通信に関する現状報告、白書が
郵政省で出されておりまして、これは非常に貴重な文献というか
資料というか、そういうものになると私は思うんですね。ただ、分厚いためかどうか余り正確に読まれない嫌いが僕は率直に言ってあると思うんです。
例えば今の現状、
NTTとNCCとの
関係なんかについては依然として象とアリ論というのがあって、だから分割しなきゃいかぬのだというような議論に発展しているわけですよ。ところが、一体象かアリかというのは、当初出発したときにはNCCはゼロに近いですから、ですから
NTTの総
収入というものに対比したら全く問題にならないということは事実だったと思うんです。しかし、十年たった今はどうかということになってくると、確かに総
収入対総
収入で比較をすると一対九の割合ですよ。だから、僕はアリではないと思うが、アリとみんな言っているわけですよ。
じゃ、対比は総
収入対総
収入でいいのかということになると、一体競争分野というのはどこだという発想で物を見ていくと、長距離でしょう。長距離部門の競争ということに実はなるわけでして、この
通信白書でもって数字を見ていくと、
NTTの長距離とそれからNCCの長距離回線というものから受ける
収入というのはどのぐらいかということになると、四千七百四十六億対一兆一千三百十七億なんですよ。そうすると、とてもじゃないが一対九の割合じゃなくて、三・五対六・正あるいは四対六というような数字に実はなっていくわけなんですよ。大体四〇%の
収入でシェアを持っているというところをアリというふうに呼ぶのはおかしな話じゃないかというふうに私は思うんです。
だから、そういうふうに対比の仕方なんかについてもよりよく正確に、せっかくの
通信白書を読まないということは非常に問題で、宣伝のための宣伝というか、あるいは問題点をオーバーに突くために
利用するというようなことであっては私はならないというふうに思っている。そういう
意味を含めて、
料金の
値下げ問題だってもう一兆円ぐらいになるわけでしょう。一人当たり幾らになるかとか、一加入当たり幾らになるかと、みんなこれは数字出ているわけでして、そういうものを少し小まめに整理をされて、論議をされて、本当に競争
関係というものを、
サービスの強化、効率をよくしていくためにどうあるべきかという議論にしていかないと、努力している者の気持ちを全く受けとってくれないということに私はなると思っています。
したがって、
局長がお答えになりました、
審議会でもさまざまな角度で御意見を伺うことになっているというわけですから、ひとつ当事者の意見というものを十分に聞いていただくようにしていただきたい。そして、批判は大いにやってもらいたいし、問題の
指摘も端的にしてもらって、そのための改革をどうするかという気持ちを一緒にした論議になるようにお願いをしたいというふうに申し上げておきたいと思います。
次の問題に移りますが、法案そのものの問題でございます。
規制を緩和するというふうにおっしゃられるわけですから非常に結構な話であります。ただ、
規制緩和するといって約半数ということを言われているんですけれ
ども、今あります各種
料金、それの半数は
認可制を
届け出制に変えるというんですが、
意味はわかっても、一体それはどれだけの価値があるのかというのはこれだけでは正直言ってわからないし、とりわけ野党の皆さんが
規制緩和不十分と、こういう御批判がある中で、それにこたえ得るだけの
改正案にこれはなっているんだろうかということが私
どもにはよくわからない。その点をどう説明されますか。
〔
委員長退席、理事大森昭君着席〕