○大森昭君
協会の皆さんの御努力によって
受信料は当分現行のままでいくような状況で、したがって当
委員会も値上げのときは
受信料の問題についていろんな議論があるわけですが、きょうは及川先生からちはっと御指摘がありましたけれ
ども、予算の
審議というのはもう私が言うまでもなく、入るをはかって出るを制するという原則で大体予算
審議は行われるわけですが、しかしいずれにしても、入るをはかるというのはもう
受信料なんです。
それで、この
受信料が何といっても
協会を
経営する基本ですから、これについてもうちょっと、この
委員会をやるたびにいろんな
意見が出ているんです、前納の場合の割引がどうだ、振りかえがどうだと。実際に
協会から出している文書は全部それらしいことが書いてあるんです。この
計画にも、
受信料はもう定着しているとか、それから最大限努力するとかという
言葉が出ているんですが、余り科学的じゃないんです、実は。別にシマゲジさんが書いた本が正しいとか正しくないとかという問題じゃなくて、実際に今本当に
受信料の
収納についてはうまくいっているのかどうかというと、ちょっと私は疑問なんです。
時間がないから個別的に言いませんが、今
受信料は、本務者の方も何名がおるようですけれ
ども、総体的にこれは委託しているわけでしょう。そうすると、どっちかというと
NHKというのはドラマの制作をしているとかさっきも出ました「
放送記者物語」じゃないけれ
ども、第一線で働いている人が非常に立派で、営業をやっている人というのは、請負がほとんどですが、何か附帯
業務みたいな格好なんです。したがって、私はもう一回、この
受信料制度を本当に維持していくと書いてあるわけですから恐らくそういうことでいくんだろうと思うんですが、ということなら、もうちょっと抜本的に検討し直す必要があるんじゃないか。
例えば、郵便局の場合なんかは、もう全部一戸一戸赤ちゃんが生まれれば赤ちゃんの名前が登録される、郵便局でも外務員の
方々がやっていますわね。したがって、それぞれの町会なら町会、地域なら地域でもってもっと厳密に、なぜ払わないのかといえば大体見ていないとか幾つかの要素があるわけでしょう、何回も行っているわけですから。だから、そういう
意味からいくと、
視聴者のニーズに合わせた
番組編成をすれば必ずしも
受信料が入るということじゃないんだよね、これ。
だから、やっぱり
受信料制度をとにかく基本としてやっていくんだということになれば、その制度についてもう一度、一〇〇%というのはいろんな人がいるわけですからなかなか無理にしても、払わない方は一体どういうぐあいにしたら払っていただけるかという検討をしていきませんと、
協会は九十何%と言うけれ
ども冗談じゃない、あれは七〇%だと言ったときに、何が七〇%だと、実際に九〇%じゃないかと言う。きょう及川先生が質問しないから答弁しなくて済んだんだけれ
ども、私も質問しませんよ、そういうのは。しないけれ
ども、もう少し基本の問題をやってもらいたい。
実は、今
阪神・
淡路大震災で
災害免除でもって現地に入っているんですよ、みんな。
視聴者の方が何を
考えているかといういろんな会議だとか何かあるけれ
ども、これは不幸中なことでありますが、それぞれ
災害の免除をするのに入っているわけです、若い
NHKの方が。それでさまざまな
意見を伺っていると思うんです。そうすると、やっぱりそういう
災害のときにじかに被害者の方と会われて、
NHKのあり方というのは一体こうあるべきじゃないかとか、こうあってうれしかったと、さまざまなことを私聞いています。
そういうものを、やっぱり実際に身で感じて得たことは一体どういうことかということを皆さんから聞いて、申しわけないけれ
ども、学者とか学識経験豊かな人の会議なんというのは役所でもどこでもいっぱいやっているけれ
ども、全部だめだとは言いませんが、それよりかも若い
NHKの人がじかに入って聞いているんだから、それはもういろんな悪口、
NHKの
放送はあの
災害には余りよくなかったとかというのもないわけじゃないけれ
ども、しかし私の聞いている範囲では、
NHKが
視聴者の立場で
放送してくれたという多くの
意見を私聞いていますよ。
だから、そういうものを集約して、とにかく
NHKの発展のために、そして
受信料がやっぱり基本なんですから、何か値上げするときはよくやっていましたよ、
受信料によって
NHKは支えられていますと。値段が上がっちゃうと全然やってないんだよね、後は。そうかといってしょっちゅうやれとは言いませんが、
受信料の制度を現状のままでやっていくという立場に立てはもう少し工夫をしなければ、率直に申し上げますが、いろんなことを言っていますが、これから多チャンネル・多メディア時代に入ったときに果たして
受信料制度が今のままでいけるかどうかというのは多くの疑問がありますよ。
どうかひとつそういう
意味合いで、別に私何がというわけじゃないんですが、皆さん方は従来から
委員会でいろんな
意見が出ていることは御案内なんですから、もう一度ひとつ過去のそういう御
意見を検討し直して、そしてあくまでも現状の
受信料制度を堅持していくために何をなすべきかという検討をしていただきたいと思うんです。
それから次に、これもちょっと調べましたら、いろいろ
計画が出ていますわね、
経営計画。それで、前のやつを見ますと、これみんな
経営計画というのがずっと続いているんですよ。それから、長期
経営構想なんというのは
昭和四十三年から四十七年に出ていますが、中井さんが御苦労したのか、スタッフの人が御苦労したんだと思うんですが、これ出ていますわね。
この
計画を見ますと、従来にないんですね。より具体化されているんですよ。
NHKにしちゃ珍しいんですよね、これ。いや別にごますっているわけじゃないんだけれ
ども。ただ、それだけに非常に難しいことも、やっぱり長期
計画ですから、一部、二部、三部になっていますが、これやらざるを得ないでしょう、出した限りは。
計画はよかったけれ
ども、やらなかったというんじゃだめだからね。
そうかといって、
計画を出したからスムーズにいくかといったら、なかなかそうはいかないと思うんですよ。例えば、
一つ二つありますが、
映像の
国際化なんてあるでしょう。こういうことだとかいろんなことをやるのに相当な予算もかかる。これ予算は何も書いてないんだよね、中井さん。結局、こういう
計画に伴う財政的な裏づけというのはここには出ていないけれ
ども、恐らく検討しているんだろうと思うんだよ。検討しないでもって
計画出すわけないんだから。
そうなってきますと、実際果たしてここに書いてあることが本当に全部できるのかどうか。いや、もちろん今質問すればそれはできますと言うに決まっているんだ。だけれ
ども少し無理な点があるんじゃなかろうか、それから財政的にはどうなんだろうというようなことを、時間がありませんから簡単でいいですから、
会長、何かこれ御所見あったら。