○沓掛哲男君
参考人の
皆様方には、大変お忙しい、また早朝にもかかわらずお出ましいただきまして大変貴重なお話をいただきましたこと、本当にありがとうございました。
いろいろお尋ねしたいことがたくさんあるんですが、私も四十分と限られたものですから、最初、お話しいただいた四人の
方々について特に私が感銘を受けたというか印象に残ったことを申し上げ、それから四点に絞って、それぞれかかわり合いのことを言われた方にそれについてお答えいただきたいというふうに思います。
最初、
西川さんからは五百余の
商工会議所を代表したいろいろな貴重な御
意見、本当にありがとうございました。
そこで、これは質問というよりも私の感じたところですが、
中小企業については
準備期間をとったり、あるいは
小規模事業者についてはもう初めから
適用除外にしているというようなことでしたけれ
ども、後からも皆さんのところに出てくるように、やっぱりみんな総ぐるみでやらなきゃいけない、
中小企業あるいは
小規模事業者だから一歩抜けたよというのは私はいかがかなというような気がするんです。ですから、
法律としては
小規模事業者も全部入れておいて、しかし
小規模事業者については当面の間ここから
適用除外しますよという、そういう
システムができなかったのかなというふうにも思います。
それから、この
法律自体はぜひやってもらわなきゃならないんですけれ
ども、この
法律の
運用そのものは、いわゆる
分別収集計画を立てようと思う市町村はそれを立てればいいんであって、そしてあとの
システムをやればいいんで、そう思わないところはやらなくてもいいという、そういう体系になっているんですが、やっぱりそうじゃなくて、そういうものは全部やるんだと、しかし、千人とか二千人しかいない山村はこういうことをしなくてもいいわけですから、そういうところは除いていくんだという、そういうのが欲しかったなというふうな思いです。
昨日、そういう質問に対して
政府の方としては、ごみ集めたりなんかするのは固有の事務なんだから、もともと全部やるようになっているんだから、こういうことだけはこっちでやればという、そういう
意味もあって網をかけなくてもみんなやるんだと、そういうふうな感じの答弁もございましたが、そういうことを今
西川さんの発言から思いました。
それから、いわゆる
分別排出やあるいは
収集のコンセンサスを得ていくいろんなことをおっしゃられましたけれ
ども、文言だけで一億二千万人の人たちがみんなそういう方向にふわっと動いていけるのかどうか。これは後に私ごみの有料化について質問したいと思いますので、そのときに
西川さんからもこのことについての深まった御
意見をいただきたいというふうに思います。
それから、いわゆる
事業者負担、いわゆる再
商品化義務履行に要する費用の
負担、これは当然
事業者が
負担していただくわけですけれ
ども、これについても過度にならないようにということを
西川さんおっしゃられました。当然でございますし、そのための効率化も必要です。しかし、無理な
リサイクル化をやれば非常に大きな
負担もかかってくるわけですから、その辺についていわゆる限度と申しますか、
リサイクルするに当たっても、そういう効率化の中でこういうものまで無理してやるのはどうかなと。私はプラスチックについて強くそういうことを思いますので、今ほどいろいろな方からもプラスチックについてお話がございましたので、プラスチックについてはまとめてそういう御
意見のあった方からお話を承りたいというふうに思います。
そして
稲岡さんからは、イトーヨーカ堂の方でいろいろな御体験を積んでおられて、大変貴重な御
意見をいただきました。
社会全体の
システムがこれにかかわっていくという、そういうものでないとだめだと。確かに、これは途中でとまったらせっかく集めたものもだめになったり動かなくなってしまうし、あるいはせっかく再
商品化したものが市場で売れなけりゃそこでまたストップするということですから、そういう
意味において
社会全体のコンセンサス、そういうものが必要なんだという御
意見でした。そういうものを踏まえて国や市町村や
事業者、
消費者、そういうものが
責任分担をしていくことが必要だということですが、これについても私はやっぱり有料化というようなことが非常に大事、ごみの有料化。
それからもう
一つ、イトーヨーカ堂さんには、後ほどお配りいたしますが、ジュース缶を例にして、いわゆる流通業界の
方々は今回のこの
事業者の中に入っていないんですね。その分は非常に金額的にウエートが多いのに入っていないことについてどういうふうな御感触を持つのか。
確かに、
制度的にこれを入れ込むということは私大変難しいことだというふうに思います。流通の
方々に持たすのは大変難しいが、いわゆるメーカーさんなら容易にわかるし、また缶をつくる人もわかりやすい。そういうことで、今の
制度は私は現時点においては適切だけれ
ども、やがてこれを実施していくと、
販売まで一貫的にやっておる流通業者さんが
負担をしないということに対する矛盾も出てくるんじゃないかな、そういう
観点から後ほど例を示して御質問したいと思います。
碓井さんは、長いことコープこうべで御活躍になった貴重な体験、本当にありがとうございました。
発泡スチロール等のいろいろなプラスチック
関係についてのお話がございましたので、それについては後ほどまとめて質問したいというふうに思います。
空き瓶なんかについても、これを有料にすることによる
回収によって再消費するという、こういう
システムは大変私はいい方法だと、そういうことでごみの有料化について質問したいと思います。
我が国では、ビール瓶はもう九十何%
回収しているんですね。私もずっと調べてみたんですが、ビール瓶というのは
回収率は物すごくいいんです。それから次が一升瓶です。それで、そういうものはやっぱり持っていくと幾分なりお金をくれるということでございます。三円でも五円でもビール瓶を持っていくとお金をくれる。あるいは逆にそういうビール瓶業者の人が、うちなんかでも出しておくと、ビール瓶だと、これ奥さんもらっていっていいですかとか、みんな集めに来るというんですね。だから、そういうふうなインセンティブも大切だな、文章で立派なことを言っていることも大切だけれ
ども、やっぱりそういう経済的な面のインセンティブも必要じゃないかなということでございますので、またこれもまとめていろいろ質問したいというふうに思います。
それから、いわゆる
指定法人の
運用について
消費者の御
意見を十分聞くというのはもう当然なことだというふうに思います。
また、吉岡さんからは、船橋市がこのごみ問題に長年取り組んでこられたそういう体験を踏まえて、
環境指導員
制度という新しい
制度をつくって大変頑張っておられる。しかし、船橋というのは
最終処分場を持っていない、みんな他力本願だというのを聞いて、なかなかごみ問題について船橋市全体としてもこれは今後とも重要な課題なんだなというふうに思いました。
特に、最終
処理については交通渋滞等から非常にいろんな面で非効率になっているということですが、実は私も昭和四十年から四十七年まで船橋市に住んでいて、京成電鉄その他に悩まされて、本当にもう交通渋滞というか、我が国で一番交通の状態が悪いのが船橋市だというふうに私は思っています。私もそういう専門家でしたから
全国を見て歩いたんだけれ
ども、今おっしゃったように鉄道が何路線も平面で入っていること、そういう中でやっぱりごみ
処理というのは大変なことだ、集めるにもまた
リサイクルにも大変だなと。今吉岡さんのおっしゃったことをこの中で一番私が
理解していたんじゃないかなというふうにも思います。
そういう、特に今感じたことを申し上げ、これから四点について皆さん方に御
意見を承りたいというふうに思います。
まず、再
商品化義務履行に要する費用の
負担ですけれ
ども、この費用の
負担というのは容器の利用者とそれから容器の製造者ですね、容器だけについて言えばこの二人が
負担し合うことになるわけです。
そこで、そういう人たちの得る収入というかそういうものがどうなるか。お
手元にお配りした
資料、これは自動
販売機のジュース缶です、これは農水省が調べておられるんですけれ
ども。我々が百十円入れて自動
販売機からジュース缶を買って飲むわけです。そうすると、この中にあるように工場出荷額、したがっていわゆる容器の利用者が得る収入というのは百十円のうちの五十八円です。その中身は、缶代が二十五円、ですから今度は容器の製造者は二十五円を収入としているわけです。原料代が十二円。我々は十二円のものを飲むために百十円払っているんですが、五十八円よりほかのものはどこへ行ったのかなというと、それは上にあるように五十二円が卸、小売の流通マージン。
ですから、イトーヨーカ堂さん、西友、赤札堂、ダイエー、そういうようなところは流通からチェーンストア、そういうものもやっておられて、流通革命をなさって安いものを私らに提供していただける大変ありがたいところなんですが、しかしこうやって見ると、工場は五十八円、流通の方では五十二円取っている。そして、この五十二円の人は、容器があるからこそそういう流通もできるんだけれ
ども、今回の
法律においては再
商品化義務履行に要する費用の
負担からは抜けていて、五十八円の人、その中で缶代が二十五円ですから、実際引けば三十三円ですか、三十三円を手にするメーカーさんと二十五円の缶をつくるメーカーが
負担して、残りの五十二円という大きいところがないという、この辺がちょっと。
私は、先ほど申しましたように、それをすぐ取り入れることは、流通
関係、
販売関係は多種多様ですから非常に困難だと思いますけれ
ども、こういうものについて将来は何か考えるとか、少しそういう面を
運用で何か考慮してほしいなという
気持ちを含めて、これについては
稲岡さんとそれから
西川さんがいろいろ触れておられるので、
稲岡さんと
西川さんにお尋ねしたい。
それから、
指定法人についてですけれ
ども、これも皆さんいろいろおっしゃいました。特定容器利用
事業者等は、本法二十一条の規定で主務大臣が指定した民法第三十四条による法人に再
商品化の全部または一部を委託できることとなっております。この
指定法人は恐らく
一つしかできないんだと思います。それぞれの主務大臣が認可するわけですから、それと同じものをまた認可できませんから、
一つ中央でつくるんだと思います。そうすると地方でブランチがありませんから、いろいろ聞いてみると
商工会議所等でそういうブランチの
役割を果たしてほしいという、そういういろいろな
意見も出ております。今の碓井さん、その一環を生協でもというお話もいろいろございました。
この
指定法人がやること、それはいわゆる
リサイクルをやるために
事業者が
リサイクル業者に
リサイクルをさせる、それに対して
事業者が
指定法人に委託すれば一応ちゃんと
リサイクル業にさせたとみなされる、そういう法体系になっているわけですが、そういう機能をこれから
商工会議所等でうまく持っていけるものなのかどうか。そういう中で、今碓井さんも生協のお話がございました。
これは
指定法人のブランチは当然必要になると思うので、そういうブランチ
関係についての御
意見を
西川さんと、それから碓井さんにはいろいろお聞きするから吉岡さん、吉岡さんは船橋市ですから、そういうもののブランチを
商工会議所に置くことでうまくいくというふうにお考えになられるのか、また別のものが必要なのか、御
意見をちょっといただきたいというふうに思います。
それから、プラスチックの
廃棄物について皆様からいろんな御
意見がございました。このプラスチックの
廃棄物は、もともとナフサをプラスチックというものにするわけですから、化学的に言えば非可逆的な現象を起こしているわけですから、それをまたもとへ戻すには確かに相当のエネルギーが必要になるわけです。今、いろいろ調べてみると、プラスチック百キロを油化するためには、二十キロの石油を使って五十キロの油ができるということですね。百キロのプラスチックから今の
技術でやると五十キロの油がとれる、しかしとるためには二十キロの油を使うというそういう
技術で、それだけでは十分でないということでまさに一生懸命今やっておられると思うんです。
私は、プラスチックはこれは生だきにして、その
地域、東京なら東京湾のしかるべきどこかにいわゆるプラスチックをたく専用の火力発電所というようなものをつくって、そこで一括して発電をやっていく、そうすることがいいような気がいたします。何が何でも再利用させていく、再
商品化していくということにはいろいろ問題があるんじゃないか。先ほど
西川さんの言われた、非常に
コストが高くなる、あるいはまた市場化しにくい、そういうようなことも起こりやすいという気がするので、そういう生だきをやっていくということについて、これは碓井さん、それから吉岡さん、
西川さん、三人にさっとお尋ねしたいと思います。
それから、一番私が聞きたいと思っていたのはごみの有料化ということでございます。いわゆる
一般廃棄物の
減量化、それから
分別排出の
促進には、私はごみの有料化というのは非常に
効果的だというふうに思います。
当然、
一般廃棄物は
一定限度以上は有料化、ある
一定限度は無料にしなければいけませんが、
一定限度以上有料化にすれば、奥さん方が買う場合でも、いろんなスーパーやその他で過大な
包装しても、そんなものはまた後からお金が要るわけですから要りませんよというような形、その他いろんな
意味で
一般廃棄物の
減量化は非常に私は進むと思いますし、また有料化にすることによってこの
法律でも出てくる
分別排出の
促進になると思います。
分別排出するものは有料化の外に置くわけですから、そうすればごみがそれだけ減って安くなるわけですから、これはまたそういう
促進もできていくんじゃないかというふうに思います。従量制、重さ、量によるごみの有料化というのはそういう面で
効果がある。
さらに私は、リターナブル容器というのは一番ごみが出てこない、その他の面で非常にいいと思っております。先ほど申しましたように、ビール瓶とか一升瓶などがそうなんですが、最近ビール瓶とかそういうのが減って缶のビールがどんどんふえている。いわゆるワンウエー容器の方がふえてこのリターナブル容器が減っている。なぜかといえば、リターナブル容器の方は自己完結ですから自分のお金で全部やっているんですね。ところが、ワンウエー容器は使うだけ使ってぽんと捨てれば、後はこれは吉岡さんのところで、市町村が税金を使ってみんなやっているんですから、イコールフッティングではないわけです。したがって、これを有料化にして、リターナブル容器は別にして、そしてワンウエー容器の方は今度は有料化が入ってきますから、そこで初めて私はイコールフッティングになっていくんじゃないかと思います。
しかし、ただそれぞれの市町村でごみの有料化をすれば
市民、町民は反対するのは当然ですから、そこでいわゆる市町村が浮く分については税制上のいろいろ
配慮をする。例えば市町村住民税をその分だけ減ずる。ゴミの有料化をした船橋市は市町村民税、住民税はうんと安くしてくれるとか、そういうふうなものを政策として一緒にしていくこと、そういうことが大切でないかなと。
ごみの有料化は、今すぐできなくても、これからやっぱりごみ
処理をきちっとしていく、
減量化その他をしていく上において非常に大切だなと思うので、これは一言ずつ四人の
方々から御
意見をいただきたいと思います。大変時間がないので簡潔にいただきますことを
お願い申し上げます。