○長谷川清君 一応そういう
責任体制、窓口と。私がこの問題にこだわりますのは、チェルノブイリの事故がありましたあの後、ずっと
ヨーロッパ、北欧から九カ国回ったんです。そのときちょうど、私も知りませんでしたが、IAEAの総会が開かれて、三つのことについて条約の批准があった。
日本だけは批准しないで帰ったということが当時あったんです。もう既に十年近く前の話ですが、これは行くところ行くところで、なぜ
日本は批准しないのか、署名をしないのかと。
三つの
内容を聞きますと、チェルノブイリのようなああいう事故があると世界じゅうで問題だから、一つには技術のあるところが技術の援助をしよう、二つにはオープンスペースのあるところはオープンスペースの提供をしよう、三つには医療の、という三つの
内容です。
ドイツに行ったときに、ドイツのすべての大使館をずっと回りました。ドイツに行ったときに、ちょうど大使をされていたのは当時の宮澤総理の弟さんでしたよ。宮澤大使から聞いた話によると、
日本も条約を批准できるように三カ月も前に公使を派遣して、IAEAで
努力をして、いつでもサインして帰れる準備はして行った。ではなぜ
日本は署名できなかったんだと。聞いてみると、何か国内でいろいろと、藤尾文部
大臣がやめるのやめないのというようなことのやりとりで結局担当
大臣が行けなかったと。いわゆる国内問題で、国際的に重要なそういうものに結局
日本だけが、サインしないで帰った。ほかに一カ国あったそうです。その国は国内法との
関係で一定期間待ってほしいというちゃんと意見を付して帰っているが、何の
条件もつけないでそのまま帰っている。だれが行ってもいいですけれども、
日本を代表して署名をする役割を持って行くなら、これはやはり外務省、事さように
日本というのはどうも内向きなんですね。
私は、こういう
意味において、原子力においては平和利用、核兵器は憲法から非核三原則からあらゆる
意味において完全に閉じ込めて、ここで新しく今度は化学物質についてこれから国内法の問題に入りますけれども、この条約は、冒頭言いましたように、世界じゅうの
化学兵器を根絶させようと、だから厳しく何でもやれるものはやろうと。ところが、
日本に当てはめてみますると、原子力がそうでありますように、化学物質も一〇〇%平和利用に使っているんですね。そういう
日本にこれを当てはめていったときに、こっちの方の
条件を厳しくやればやるほど、平和利用の中に悪
影響とリスクが食い込まないかどうかという部分が出てくると思うんです。
私は、そういう
意味において、世の中全部がいいというものじゃない、だから両立させていかなきゃいけない、そういう部分における国内においての幾つかの大事な点が出てくるだろう、こう見ておるわけであります。
そこら辺の基本的な、この条約と国内法というものに
関係する境目の部分、それと、
余り大きな太い柱というのはないと思います、幾つかしかないと思いますが、そこから出ている多くの枝葉には重要な現実の問題がかかわってくると。そういう中に、先ほどから言われておりますような
企業の負担軽減の問題とかあるいは機密の保持の問題とかあるいは風評から起こる被害をどうするかという問題とか、いろいろな問題がそこから具体
対応として必要になってくるというふうに位置づけるのであります。その基本的なところ、条約機関というものと、この兵器を保有している国も一〇〇%平和利用している国も、それぞれが同じ条約のもとにそこに結集するわけでありますから、国内のきめ細かいそういう部分とのつながりが出てまいります。さっき例に挙げましたような、そういう大事な国際
会議で批准もできないで帰ってくるというようなことが二度とあってはいけないと思うんです。
ですから、
責任の体制をはっきりしておいていただきたい。外務省だ、いや
通産省だ、いろんなことがそうならないようにしていただきたいなと思いますが、そういう点についてひとつ
大臣の方からの見解をお聞きしたいと思うんです。