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一井淳治君 今
フィランソロピー活動につきまして、お金を集める、その反面
税制上の問題の御
指摘があり、ほかにも
ボランティア団体の登録とか、あるいは
情報の集中とかそういったいろいろの課題があるわけなんですけれ
ども、私は、
理事という立場で、きょう出された案について別な案を言うことはちょっとどうかという気もするんですが、私学振興財団みたいなもの、そういったものができまして、何らかの
民間の法人をつくって、そこで
情報とか登録とかあるいは寄附集めとかいうふうなことをして、その団体に対して寄附をしたら
税制上の優遇措置なんかがあって、またその法人を非常に公正な法人にしておけば寄附金の分配なんかもうまくできるんじゃないかと考えたりしております。この間震災の問題もありまして、この
調査会としても
フィランソロピー活動についてどうするかということは非常に重要な問題でございまして、きょうの
議論をお伺いした次第でございました。
それから、もう少し大きな課題といいますか、皆様方の御協力をお願いしたいことなんですけれ
ども、三年間の
調査のまとめの段階になってまいりまして、突然急激な
円高の問題が起こってきて、我々の課題が二十一
世紀に向けての
産業政策の課題という極めて大きな課題でございますので、戸惑いもあるんですけれ
ども、しかし目の前に起こっている非常に大変な
円高という、急激に
円高が進むという難関についてこの
報告書で触れないわけにはいかないだろうと。ただ、この問題については、十分な論議もなかなかできていないということがございます。
そこで、お許しをいただけるならば、個々の論議が十分こなせていない、あるいは十分にはこの
調査会で触れられていないけれ
ども、少し先走りになるかもしれませんが、
報告書のまとめの中で多少前進したところまで書かせておいていただいて、事後的に
先生方に十分お読みいただいて、そして文章化の段階ではいろいろ御
意見を賜って加除訂正させていただきたいと、そういう思いが
一つあるわけでございます。
それからもう
一つ、今お話が出ましたけれ
ども、
省庁間の縄張り争いの中で、この
調査会はそういった点を乗り越えられるという非常に積極的な面もあるんですけれ
ども、今後
立法化というものが進めていけるかどうかわかりませんけれ
ども、一応の
努力をしてみよう、最大限の
努力をやってみようとは思っているんですが、そういった中でどのような問題が新しく起こってくるか、これは
一つの課題ではなかろうかという
感じも持っております。そのことにつきましては、いろいろとお知恵をかりなくちゃいけませんので、
立法化に向けて
余り無理をしてもいけませんし、ここにいらっしゃる
先生方のいろいろ御協力を賜らないと前進をしないと。これは国会と官公庁との
関係だと思いますけれ
ども、そういった問題も出てくると思いますので、御協力を賜りたいというふうな思いを申し上げさせていただきたいと思います。
それから、きょう
省庁間の問題も出てきたんですが、結局、大きな時代の課題を乗り切っていくためには内閣法の改正といいますか、内閣
総理大臣の権限が非常に弱いんじゃないかという問題、あるいは予算の編成で、
一つの省の中での重みの変更はできるんですけれ
ども、ある省の予算をこっちの方の省へ持ってくるとか、そういったことはとても今の
総理大臣の権限のもとではできないような
感じがいたします。この問題を取り扱うのはこの
調査会としては荷が重い、この
調査会は内閣の権限とかそういった問題には権限外でありますから、その問題に
余り深入りはできないと思いますけれ
ども、二十一
世紀に向けてという大きなテーマを考える場合には、重点
施策とか予算の重点配分とか、そういった問題についても多少触れさせていただきたいという考えを持っております。
それからもう
一つ、前の期から続いてモーダルシフトについて論議が進んでおりまして、今回の
骨子にも触れられておるところでございます。この問題は、モーダルシフトがよろしいということは共通の認識になっているんですけれ
ども、ではどういうふうに進めるかということになりますと非常に困難な課題に直面しております。
私は個人的には、今のトラックオンリーでは
環境問題とかあるいは
労働力問題等で行き詰まってしまうわけですから、当面は東京−大阪間の鉄道を強化しなくちゃいけないんじゃないかという感想を
一つ持っております。今の鉄道事業は大変余裕がない状況ですから、レールを敷くといってもだれもそんな力はありません。道路の場合でしたら国あるいは自治体、あるいは事業団の方が道路を提供して、利用者は自由に走れるということがあるんですけれ
ども、レールについても一部の区間については国とか事業団とかそういったものが所有して、上を通る人は使用料を払って通過するとかそういったことを考えていかないと
日本の将来の物流が十分に
確保できない、
日本の将来の
産業の
発展に支障を来すんじゃなかろうか、そんなふうな感想も持っておりますことを申し上げたいと思います。
どうもありがとうございました。