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西山登紀子君 入退院を繰り返している
精神障害者の
医療費の
負担は非常に高いというようなアンケート結果もありますので、ぜひ御
検討をしていただきたいと重ねて要望しておきたいと思います。
次に、全国
精神障害者家族会連合会、いわゆる全家連が行われた調査がございます。九一年から九二年にかけて行われた調査です。これはこういう冊子にもなっておりまして、大変立派なものです。しかも、この調査というのは八五年に行った調査に次ぐものでありまして、継続的にそして定期的に時間的経過も踏まえ、しかも全国的なデータを積み重ねたという点で
精神障害者と
家族の置かれた実態を正確に把握することを
目的としたものですけれ
ども、大変貴重な調査だと思います。
厚生省ももちろん御存じのことだと思います。
そこで、その置かれている実態はどうかということで少し御紹介をしたいと思いますが、
一つは本人の高齢化の問題があります。発病の時期が大体二十歳代前後というのが圧倒的に多く、入院の継続も二十年以上経過しておられる方が五七%、こういうふうな率からも御本人
自身の高齢化、そしてまた世話をする
方々の高齢化、これが問題になっているわけです。
中高年齢の
精神障害者をお世話する親御さんは老父母世帯、それは入院していらっしゃる方の三五%、在宅していらっしゃる方の五七%に上ります。
生活の収入は何によっているかといえば、御本人の場合は年金の依存率が非常に高くて六一%です。そして、本人を支える家計の中心者は父親が多いわけですけれ
ども、その収入源は無職、年金ですね、これが四一%というように年金で支えられている
家庭が非常に多くございます。
〔
委員長退席、理事菅野壽君着席〕
家族の
生活の困難度の中で、先ほ
ども言いましたが、出費の中でも繰り返しの入院費が三四%で、困難度の中では最も高く出ております。最近一年間の
生活上の苦労は、最も多いのは将来の見通しが立てられない不安や焦りが七一%も占めております。病気が回復しても働く場や訓練の場所がない、これが五一%を占めているわけです。あとは、
家族員の結婚の問題の気苦労、いろいろあります。そして、近い将来の
生活の場としてどこで住みたいかという問いの一番多い答えは、やはり
家族とともに暮らしたいが四〇%、
病院が二五%、
福祉施設は二二%、こういうふうになっているわけです。
そして重要なことは、
精神保健法の後に
医療や
福祉がよい方向に
改善されたと評価する者は四八%ありますけれ
ども、
変化がない、むしろ悪くなった、どちらとも言えないというのを合計いたしますと二五%ある、こういうような実態であります。
私は京都ですけれ
ども、
精神障害者を抱えていらっしゃる御
家庭を訪ねてまいりました。十八歳で発病されて今四十二歳の息子さんを抱えながら、御両親は相当高齢です。お店をしながら見ていらっしゃる。やはり兄弟の結婚の問題、本人の就労の問題、救急の問題、そして最後には親が病気あるいは親亡き後の対策が本当に
心配だ、こういう声を聞いてまいりました。
こういうような実態についてはもちろん
厚生省は御存じだと思いますけれ
ども、こういう全家運のアンケート調査結果な
ども踏まえまして、
精神障害者の置かれている実態についてのまず認識をお聞きしたい。
そしてあわせて、今回の
改正では
法律の名前に
福祉というのが入ったわけですけれ
ども、今回の
改正は、収入が低い、
家族が高齢化している、将来に対する不安が大きい、こういう
精神障害者の
生活の実態に政治の光といいますか、
福祉の光を当てる、そういう決意を示したものだと理解をしてよろしいかどうか、確認をしておきたいと思います。