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政府委員(
小林秀資君) まず、
食品衛生法に基づく
残留農薬基準は、公衆
衛生の
観点から
食品に残留しても安全な量を設定し、
違反するものは国産品、
輸入品にかかわらず
食品の流通を禁止するものであります。
この
残留農薬基準の設定に当たっては、
日本人の
食生活の
実態に基づき、一生涯食べ続けても健康に
支障のないレベルである一日摂取許容量、いわゆるADIを下回る範囲で、
国際基準を参考にしながら国内及び海外の農業
使用の
実態を考慮して
基準値を設定しているところであります。
御
指摘のクロルプロファムについても平成三年に
残留農薬基準を定めましたが、それ以前は
食品衛生法上クロルプロファムが残留する
食品の適切な流通
規制ができなかったものであります。具体的な
基準設定に当たっては、海外における収穫後の発芽防止剤としての
使用も考慮して、クロルプロファムはジャガイモで五〇ppmとしたものでございます。
ジャガイモの
国民栄養
調査に基づく一日
摂取重は二十九・五六グラムであり、ジャガイモの
基準値五〇ppmを乗ずることにより、掛け算することにより、ジャガイモについての残留
基準値上限まで残留した際のジャガイモからの当該農業の摂取量を求めることができます。同様に、大豆、ミカン等、
残留農薬基準が設定された農産物についてすべて農業摂取量を求めることにより、
基準値上限まで残留した一日当たりの農業摂取量の合計一・五〇五ミリグラムが求められるわけであります。
一方、クロルプロファムの一日摂取許容量、いわゆるADIでございますが、それは一日当たり体重一キログラム当たり○・一ミリグラムでありますので、体重五十キログラムの人では一日当たり五ミリグラムが一日摂取許容量に当たります。したがって、クロルプロファムの摂取最はADIの約三割ということでございまして、ADIを大きく下回っており人の健康に
支障を来さないものでございます。
それで、先生は今、クロルプロファムのジャガイモに対して登録保留
基準に比べて一千倍以上にした
理由はというおただしでございますが、まず登録保留
基準について御
説明したいと思います。
農業取締法の登録保留
基準は、国内で
使用する農業について、農業
業者から申請のあった国内における
適用作物、
使用方法を前提として環境庁長官が
策定する農業登録の判断となる
基準でございます。具体的には、申請された農産物群ごとに
基準彼上限まで農業が残留したと仮定し、これに
国民栄養
調査に基づく農産物粋ごとの摂収量を乗じて求められた農業の摂取量が、体重五十キログラムの人で見た一日摂取許容量、ADIを上回らないように設定されると聞いております。
もう少し申し上げますと、登録保留
基準と申すのは、農業メーカーが
日本の農作物、例えばお氷ならお米、ジャガイモならジャガイモに対しての使い方、例えば何月にどの程度まけ、何ミリグラムまけ、何グラムまけということを
基準としてつくったとき、農作物に
残留農薬が出ます。その値がADI以下になるならばそのメーカーの言ってきた値を保留
基準として認めます、こういうことになるわけです。若干ぴったりではないんですけれども、要は、ADIという数字と登録保留
基準との間の乖離は物によっては少ないものもあれば相当大きなものもあるというふうに御理解をいただきたいと思います。
じゃ、どういうのが相当乖離があるかというのは、その農業がすごく安全でまたは農作物に対する貯蓄性というんですか、たまることがすごく少ないようなものであれば、
日本での使い方であれば低い
基準で済むということでございまして、登録保留
基準であることは安全でありますけれども、それごといわゆる
残留農薬基準とは違うものである、何もそれを何倍したかというような比較の問題ではないと私どもは考えておるところでございます。
今申しましたように、
食品衛生法に基づく
残留農薬基準というのは、国産品、
輸入品にかかわらず残留する
食品の流通を
規制するものでございます。したがって、
残留農薬基準設定に当たっては、海外における収穫後の発芽防止剤としての
使用も考慮してクロルプロファムはジャガイモで五〇ppmといたしましたが、本
基準に基づく
食品を通じての摂取最の合計はADIを大きく下回っているので、人の健康に
支障を来さないものと考えておるところでございます。