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国務大臣(
野坂浩賢君) 磯村
先生にお答えしますが、おっしゃったとおりに、今度の区画整理
事業をやる場合には私権の
制限があるんじゃないかと。私はないとは言えないと思いますね、あるだろうと。ただ、最小限にしていかなきゃならぬ。したがって、今
被災地の皆さん方は
土地を売る方もございますので、そういう場合は積極的に我々は買い上げを進めよう。神戸市とか
兵庫県とかがお買い上げになるときには我々は新たに安い利子でお貸しじよう。
公共用地というものの先行取得は進めよう。幸いに神戸市は、御案内のように、六カ月間ぐらい延長しなければこの
復興計画が立たぬということでしたけれども、三月十七日はやり切るというようなお話でございまして、非常に進んできたなと。
我々は、よくお話をしておりますけれども、今度の
復興法案の第四条に、
国民の、いわゆる
被災者の皆さん方の理解と納得を得て、協力を得てやろうという条文がございますので、その条文を
中心にして、
被災者の皆さんの本当の意見を聞いて、そしてあくまでも我々が指導をするというよりも協力をして、神戸市なり
兵庫県が
都市計画をやるわけですから、それを積極的に援助しようということで、建設省としては、私は十七日に行きましたが、もう十八日からその作業にかからなきゃならぬだろうということで、技術
審議官を二人
兵庫県と各市に派遣をしまして、将来の
復興計画に備えてきたという経緯もございます。
住民の知恵もありますから、その知恵と合わせて十分にやっていこう。その中でぶつかってくる問題がありますが、こちらから原案を出すよりも、相手が原案を出してくる、こっちも出すということになると比較的話し合いがむしろスムーズにいって、この区画整理
事業というものが予定以上にスピードを上げることができるんではなかろうか。こういうことで十分に
住民の皆さん方の意向というものを尊重しながらやっていこう。
そして、今度の
法案で特徴的なのは、先ほども広中
先生が言われましたけれども、きょうのテレビに出たのは、二階
建てをやってくれと、それは自分の
土地だからしようがありません。ただし、区画整理をしたときにはそれを引っ張りますよ、そうしてきちんとしたものになると、少しも傷むということはありませんから、そういう場合はそうします。しかし今ぜひ
建てたいということであれば、その自分の
土地に
建てられてもやむを得ぬと思っております、ただ引っ張っていく場合もありますと、区画整理した場合は。こういうことを言っておるわけでございまして、そして我々は堅牢なものをつくる、耐震、耐火というものを考えて
道路を広く、公園も広くという、
公共用地の先行取得は積極的にやっていこうというふうに考えておりまして、私も私権
制限ということになると問題がたくさん出てこようと思っておりますが、一般の区画整理
事業以上に
住民の皆さん方は比較的理解がある。
この間テレビでも対談しましたけれども、国は口を出さぬで金を出せ、こう言われました。我々はあなた方の意見も必要ですけれども、我々もたたき台を出して両者でやった方がむしろ、官民一体という言葉は用語では余りよくないかもしれませんが、役所も
住民も一体となってやろう、こういう区画整理というものをやっていこう。ここでいっぱいになってだめになったら、ここのところも
推進地域にしてここにも出てもらう。今まではそういうことは普通の枠内であったんですが、はみ出てもいいんじゃないかということの法律にしておりますので、私権の
制限がないかと言われるとないとは言い切れませんが、できるだけそういうことについては配慮して、私権
制限というものを抑制して、皆さん方と協力し合いながら今度の
復興事業を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。