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武田邦太郎君 最初にちょっと予定外のことになりますが、今日の
外務省のお仕事というのはいわゆる外交という言葉では盛り切れない、いわば
世界政策とでも言うべきお仕事がいよいよふえていくと思うんですね。ある
意味では破局的とも言うべき地球
世界を、本当に平和な
各国各民族共存共栄するという
状況に持っていくのが
世界政策とすれば、
外務省の
予算というものはまことに少なくて、一兆円にはるか及ばないというのは、お仕事に比べてまず言うべき言葉がありませんですね。
大臣は今後長く
日本の
世界政策に責任を持たれると思いますけれ
ども、少なくとも三倍以上の
予算を持つ構想をお考えいただけるとありがたいと思うんです。
きょうは私の予定としては防衛庁、
自衛隊に関する問題提起でありますが、このたびの大震災で
自衛隊が武器によらないで
我が国土及び国民の生命を守るということに比べ物のない効率的な組織、大組織的な行動ができるということを実証したわけであります。翻って
我が国土の
状況を見ますと、農村地帯で非常に
災害が多くて、ことし山林とか川とか大きな
災害があって、それを復旧できないうちに新しい
災害がやってくるということでありますし、またたくさんできておるダムも、土砂が堆積して崩壊する方向に近づいているのが少なからずあるというようなことも聞いておりますが、こういうことに対して農水省、通産省、建設省が民間の業者を働かせてやることのできない、歯の立たない
分野が非常に多くて、こういう問題に対して
自衛隊が武力によらずに国土を守り、国民の生命を守る
活動を拡大することはできないのか。
今までややもすると防衛庁はちょっと肩身の狭いところもあったようでありますが、そういうことをもうすっぱり捨ててしまって、思い切ってそういうことに対応する。戦争直後はたしか社会党が平和国土建設隊設置とかなんとかというのをお考えになっているんですね。そのときの案としては国土開発省ですか、そういう名前の案もありましたですね。時代が過ぎましたから名称とか
規模はうんと変わっていいわけでありますけれ
ども、そういうものを今考えるとすれば
自衛隊しかないわけです。
それは
国内だけじゃなくて、例えば中国やバングラデシュなどの大洪水、それからフィリピンの噴火ですか、地震も随分ある。さらに、毎年数百万ヘクタールの森林が荒廃して
地球環境が根本からだめになる、あるいはもう来世紀に至ると食糧が絶対的に不足するにもかかわらず農地の荒廃がひどいと。こういうことに対して、今、
国連はほとんどなすところなく無力ですよね。そういうことに対して私は、平和をもって任ずる
日本が、まず
自衛隊的な大組織をもって、
国内がまず第一でありますけれ
ども、全
世界的に人類の運命にかかわるような大問題と取り組むという姿勢がまず必要ではないか。
そのためには、やはり
外務省でお願いしたような今
程度の
予算じゃ歯が立たないですよね。これはもうたちまち財源という話が出るわけであります。これは過去の慣習的に省別に固定化した
予算の体系を、今あなたに申し上げるのはちょっと問題がありますけれ
ども、ぜひ長官とか、それから今の問題では社会党が種をまいたようなものでありますから、政策的に。
総理大臣に長官を通じて申し上げて、財源、
予算体系を思い切って変えて、現在の
世界に
日本が対応するに必要な的確な
予算を、
予算の体系をつくり直すぐらいのことを、ちょっとお荷物が重いかもしれませんが長官に言って、私もチャンスがあったら
総理に申し上げますけれ
ども、それをぜひ
総理大臣に申し上げてほしいと、こういうふうに思うんです。
これから先の地球の環境をどうするかということは、もう人類全体の共通の問題ですから、だから当然
国連がやるべき仕事です。しかし、現在の
国連というのは、根本的に民主的改革をしなきゃならぬ
国連ですよね。常任理事国が非常に横暴でありまして、
国連の仕事をほとんどこの
国々が決めてしまって、
日本なんかは大変な貢献をしているにもかかわらず情報がちっともわからない、こういう
国連でありますから、当然これは根本的に改革しなきゃならない。しかし、口で言ったってだめなんです。それにはまず
自衛隊が全
世界的に現実に
活動して見せて、かくのごときやるのが
国連の仕事であると。だから、そういうことを根拠にして
国連改革案を出さなきゃならないと思うんですね。
今もちろん即答は強要しませんけれ
ども、私がきょう申し上げたようなことを長官に要点だけは確実に申し上げていただきたい。長官には、
総理に必ず申し上げてくれと、機会があれば武田議員も
総理に申し上げると言っているということをお伝え願えますか。