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稲村稔夫君 私がこんなことを
事務方に申し上げましたのは、
大臣は今、十一時ごろまで御存じないというお話だった。しかし、
テレビでは随分早くから流れていたんですよ。もう
テレビを見ている人は知っているんですよ。そして、
聖路加病院に
かなりの人数の
人たちが送り込まれたということはみんな知っていたわけですから、それを
大臣が随分遅くまでわからなかったというそのことは、やっぱりあなた
方自身の問題として
心構えということで私は申し上げたんです。大事な問題ですから、今後こういうことが起きないように十分心がけていただきたい、強く要望しておきたいと思います。
それで、これだけやっておりますとまた時間が随分過ぎてしまいますので、これでもって準備したやつの三分の一ぐらいすっ飛んじゃったような
感じがいたします。
実は、
科学技術庁予算の
委嘱審査を受けるに当たって、毎回私はそのことを主張するんですけれ
ども、
科学技術庁予算というのは、
原子力と
宇宙と、そして少し段ががたんと落ちるけれ
ども海洋というようなところが目立ちまして、そして
大臣が日ごろから言っておられる
生活者に密着したそういう
科学技術の
研究というものと、
予算の編成上の配分の行き方だけを見ていくとまだずれがあるような
感じがいたします。
そういう
観点から、
幾つかの点についてこれから伺っていきたいと思うんです。
まず第一は、この間の
委員会でいろいろと私が
地震と
活断層について伺いました。この
活断層については、
工業技術院の方が来て専門的な
観点からいろいろと意見も聞きましたが、特にB、
C級、
B級は露頭が出ているから見やすいという点もないわけではないということを言われましたけれ
ども、
C級、あるいは厚い
堆積地域であります
都市部等での
活断層の
発見というのは非常に難しいということも言っておられました。未知のものというのは
かなりあると。今度の神戸の場合も、
工業技術院は多分
伏在断層というのはないだろうと
判断をしていますという話だったけれ
ども、しかし、
伏在断層という
指摘をしている学者もいる。
しかも、これは朝日新聞の二月十五日、
大阪版です。これを見ますと、海の方で海上保安庁が詳細な
調査をしたと。これは
新聞記事のとおり読みます。「
日本の
海底断層に関する
本格的調査は今回が初めて。」と、そして新たに六本の
海底の
活断層が
発見されたということが
指摘をされております。
海底の
活断層というのは、もうこれはほとんど知られていないんです。我が国は海でずっと囲まれている。例えば、これは「
日本の
活断層」のそこの
部分のコピーです。これで言ったら、
大阪湾の真ん中に一本すっとS1というのがある。これは
大阪湾活断層と推定される、こういうのがある。これが今回の
調査で、この図の中で言ったらこんなわずかなものですけれ
ども、今度の
調査ではこんなに長い層であるんです。ですから、それが確認をされたということも出ております。
それから、こういうことでいきますと、
活断層の
発見とかあるいは観測と
調査、
探査ということについてはこれは
かなりの
経費をかけなきゃいけない。
陸上の
活断層でもボーリングをしたりトレンチを掘ったりといろいろな
経費がかかるわけでしょう。海の方になりますと、
音波探査機は一定のスピード以上で走ったらほとんど
発見できないんですから、ゆっくりとやらなきゃならない。それだけでも大変な労力が必要ですし、
経費もかかる。ということになりますと、まさに阪神・
淡路大震災の示した、残した
教訓というのは、とりあえずは、
活断層は
かなり重点的に
調査、
研究をしていかなきゃならない課題だというようなことが示されたと思うんです。
そこへもってきてもう一点は、
プレートテクトニクス論にかかわって
境界地震が起こるんではないかということで、東海あるいは関東の方には
かなり機器を配置したりなんかしていろいろな
対策を立てておられる、予知という形で。ところが、
内陸部は全然それができていないんです。
一番極端な例でいきますと、
地震予知連が
指摘をした
特定な地域があります、
地震の警戒をすべき地域ということで。これの中に原発が置かれている地域だってあるんです。予知連の一番新しい資料でもそうです。その辺のところも考えていくと、今後、これは
かなり詳細な
調査というのを必要とするんではないか。予知連の方も、大体これはまだ予測の話ですから、アバウトなところが
かなりないわけじゃないでしょう。これは確実に確認していかなきゃならないという課題にもなるということになりますので、その辺のところを、
かなり重点的に
地震対策にも
経費が割かれなければならない。
特に、プレートテクトニクスにかかわる
境界地震の方も手を緩めたらだめなんです。しかし、内陸の方はほとんどないんですから、内陸の方を今度飛躍的に強化しなければならない、こういう課題になるわけでしょう。
工業技術院の方が
質問をとりに来られたときに議論をしたときも、全部きちっとしようとしたらエンドレスに金がかかるようになりますが、というくらい大変なんです、これ。
地震というのは、
生活者にとっては重大な問題です。我が国からどこか
地震のない国に引っ越していくということはできないんですから。そうすると、こういう
活断層の
地震の
研究というようなものに
かなり重点的な力を入れていただかなきゃならないんじゃないかというふうに思うんですけれ
ども、その辺、ことしの
予算はこうなっていませんが、まだそこまで行っていないと思います、そうでしょう。
一般会計があって、それの三分の一くらいの大きさでまた特別会計があってという形になっています。この一般会計の中で、今計算しかかっていて間に合わなかったんですけれ
ども、実際は
原子力、
宇宙というものに
かなりの
経費が偏った形になっています。確かに、
科学技術庁、努力して
予算を全体にふやしている、少しずつふえているんだけれ
ども、しかし、偏りがまだ是正されたという姿になっていない。
この辺のところはどういうふうにお考えになりますか、今後の問題として。