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村田誠醇君 どうしても土木建築物というのは設計図どおりになかなかそれはできないものですよ。完璧にやろうとしたってそれはかなり難しい。だから、安全係数を考えてこのくらいならいいよという誤差も許容量も含めての話なんだけれ
ども、しかしそれでもやはりおかしい部分というのは結構出てきている。抜き取り調査をやってみたらこうだったとかというのはいっぱい出ておるわけですね。特にコンクリートのかぶり、最低二十ミリ以上確保されていれば鉄筋に影響ないよといっているんですけれ
ども、実はいろんなところをはつって調べてみたら二十ミリよりももっと薄いかぶりしかないものもあれば、もうべらぼうに厚くかぶっているものもあるとか、そういうふうにはつってまでもはっきり調べているところもあるわけです。
それから鉄筋の溶接についても、これもよくわからないんですけれ
ども、かなりの箇所で圧接箇所の切断あるいは接合不十分、不合格というものが出ている。これはちょっと私もまだ資料をよく熟読できないんでわからないんですけれ
ども、SD三十とかSD三十五というものが非常に多く不合格率が高い。曲げの
強度をやってみたら全部だめだというこういう
報告も出ているわけなんです。
そういうのをこうやって見て、今回の事件を見てみると、そうすると何で木片が入っていたんだとかれんがが入っていたとか、何で鉄筋が溶接部分から切断しているんだとかいうのがよくわかってくるわけですね。そうすると、あくまでもこれは施工管理が悪かったのと
地震が来たのと両方ではんといったんじゃないかと思われるわけでございます。
これをわかっているのは、先ほど冒頭で言いましたように一番最初に行った人、その現場がどうだったか写真を撮ったり資料を持っていればこれはすぐわかるわけでございますから、そういう
意味でぜひデータというものを、集めた資料というものを全部公表していただきたいということであります。こうなるとすべての部分についてもう一回再
検討しなきゃいけない、こういうことがあると思うんで大変だと思いますけれ
ども、ひとつよろしく調べていただきたい。
それから、もう一つある
程度の自然的条件の要素というのもこれはあると思うんですね。たまたま私が見に行きました高槻のところ、
東海道
新幹線ですね、本を見ておりましたら、実は自然的条件であそこは軟弱地盤でございますので、昭和三十八年に
大阪府が広域の下水道
工事をしようと思って
東海道
新幹線の下に四十六・五メーターの範囲で雨水と汚水の幹線を通そうということの
計画をして
新幹線当局と話し合った結果、現場をつぶさに調べてみましたら、地盤沈下による高架橋の傾斜とか、あるいは片一方の橋脚は沈下していて片一方の方は浮き上がっている、そういう
意味ででこぼこが出ていた、傾いていた、こういうことが実は
工事をする前にわかりましたという
報告もあるんですね。
新幹線ですから何ミリ単位で狂っても非常に困るということで、そういうデータも出ている。
しかもこの場所が、今回クラックやいろんな問題の起こったところとわずか一キロぐらいしか差がない。私が見に行ったところは三島の高架橋を中心とするところであります。今私が言ったのは摂津市のもうちょっと
大阪よりの方の部分なんですけれ
ども、距離でいけばわずか一キロ三百三十タートル、そのくらいの距離。
そうすると、既存の部分であっても
地震がなくても、やっぱり軟弱地盤の上に建っているものについてはかなり注意をしておかないと自然的条件だけでもこういう問題というのは起こっているんです。その
報告書の中には、さらにこういう
新幹線の下に道路が入るとか暗渠が入る
工事が十カ所ぐらい予定されている、その時点でです。今はもっと違うんだろうと思うんですけれ
ども、そういうことで調べ直したら当然いろんな問題が出るだろうと思うんです。この辺についてもぜひ対策、調査をきちんとしていただきたいということをまず
お願いします。