○北橋
委員 新進党のトゥモロー・キャビネット、明日の内閣の労働・
雇用政策副担当をしております北橋でございます。
大臣並びに
労働省の皆様方には連日の
災害対策で御奮闘していただいておりまして、心から敬意を表したいと思っております。実は、私も
兵庫県西宮市生まれでございまして、高校卒業までは西宮、芦屋、
神戸の方で若かりし日を過ごした一人でございます。
先週の木曜日と金曜日に現地に参りまして、大変な
災害を受けた現地の視察をしてまいったわけでございますが、テレビ、
新聞で
報道されているものとは全然違いまして、
大臣も現地に行かれてその点はよくお気づきだと思いますけれ
ども、本当に悲惨な
状況でございます。しかも、私が中学、高校時代からお世話になった
方々、友人が随分亡くなっておりますだけに、本当に無念の思いであります。
この問題につきましては、
労働省において既に既存の法令の中で可能な限りの
対策を拡充したり前倒しをしたり、いろいろな御努力をされていることを承知しておりますが、今回の
災害の
被害の大きさにかんがみまして、やはり政治家としての決断によって、トップダウンで
事務局に対して思い切ったことを促していく努力が求められているのではないか、このように思っております。
冒頭、私は、政治責任ということについて触れさせていただくわけでありますけれ
ども、
大臣も連日連夜御奮闘されている中にありましてこのような質問を最初にするということは大変気が引けるわけであります。しかしながら、ちょうど一年前に起こりましたロサンゼルスの
地震のときのアメリカの
対応、あるいは国内でもいろいろと批判があったわけでありますけれ
ども、最も痛烈に批判をしているのは海外の知識人であります。欧米諸国の
マスコミを初め、インテリの多くは、信じられない、これは
地震という名の大虐殺だと報じた
新聞もあります。
そういった
意味におきまして、今後
災害対策を思い切ってやっていく場合に当たりまして、やはり原点に返って、単に危機管理
体制が乏しかったといったシステムの問題では片づけられない、やはり
村山内閣としての責任というものが非常に大きいのではないか、このように私は感じております。二日間車が使えませんでしたので、徒歩で三万歩歩きました。亡くなった
方々とかいろんな方の御家族にもお会いをいたしましたけれ
ども、あの皆様方は浮かばれない気持ちだと思うのです。
そういった
意味におきまして、これは主として総理を中心とする初動態勢についてお伺いするわけでありまして、閣僚の一員とはいえ、
労働省を所管されている
大臣にお伺いすることは所管担当外という
答弁になるのかもしれませんけれ
ども、そういった
意味で、以下お伺いさせていただきたいと思っております。
ロサンゼルスの場合は、やはり
神戸と同じように夜中に
地震が発生しました。日本が五時四十六分ですから、それよりも一時間ちょっと早い四時三十一分に
地震が発生しました。このときに、すぐにアメリカの連邦緊急事態管理庁、俗にFEMAと呼ばれている、日本では国土庁に当たるんだと思いますけれ
ども、そこの長官がすぐに大統領に報告をしております。そして、クリントン大統領が、
地震発生から一時間二十分たちまして、ウィルソン州知事に対して支援を直接要請をしているわけです。夜中であります。一時間二十分後には大統領はそこまで動いているわけであります。そして現地と連邦
政府とが一心同体となって思い切った
対策に入ったわけであります。
それから比べますと、驚くべきほど
村山内閣の
対応はおくれたわけであります。まず、当時の
村山首相のその日の動きでありますけれ
ども、これについては閣僚の一員としてどのようにお感じになっているかを、まず最初に御所見を率直にお伺いしたいと思っておりますが、今さらあえて申し上げるまでもなく、既に各要員会において、当時の首相の行動についてはいろいろと疑問視をする、信じられない、これが
行政の長としてのあるべき一日の日程なのか、そういう御
指摘が多々ございました。
重複をするわけでありますけれ
ども、官邸に入られたのは八時二十六分ごろであります。そして、最初に官邸に入られてやったことというのは月例経済報告の
会議であります。もちろん、毎月やっていると思いますけれ
ども、この経済報告
関係の閣僚
会議は重要であります。しかしながら、まずはやはりこの大
地震に際しての緊急
会議をやるのが私は当然だと思っております。そして、この場において
村山首相というのは、むしろ全般的な不況
対策を論じておられた。そういった
関係閣僚
会議というのは、
マスコミが冒頭入って、そのとき小耳に挟む内容というのはあるでしょうか
ら、正確な内容はわかりませんけれ
ども、いずれにしても月例経済報告の
関係閣僚
会議に出られた。その後に閣議が開かれるわけでありますけれ
ども、その中で、もちろん
地震のことも話し合われたと思いますけれ
ども、二十日から始まる首相の所信表明の演説内容に触れられまして、行革に命運をかけるという言葉を入れるかどうかという問題について論じ合ったと、このように
報道する週刊誌もございます。
そしてその後に、十一時五分から総理は二十一世紀地球環境懇話会なるものに出席をされました。地球環境というのは確かに重要な懸案であります。しかしながら、この
時点においてこのような
会議に総理が出られるというのは、果たしていかがだったんでしょうか。
そして、二時四分からは自由連合の国
会議員の皆さん方とお会いになられました。夕方には渡部さんや堺屋さんという文化人に会われました。
いずれも総理のぎっしりと詰まった過密スケジュールの中で、毎日大変きついだろうと思います。その中で一生懸命日程をこなされていたとは思うけれ
ども、一時間二十分後にアメリカの大統領は現地の州知事に対して要請をした。恐らく、その内容ははっきりとわからないけれ
ども、ありとあらゆる手を打てということを指示をされたと思う。それに対して総理がこのような一日の行動をされていた。これでは
行政の長として、果たして危機管理システムができていたとかいないとかという問題以前に、やはり総理としての政治姿勢が問われるのではないでしょうか。
村山内閣に任命をされた閣僚の一員として、この日の首相の行動についてどのようにお感じになっておられるでしょうか。まずお伺いいたします。