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赤羽分科員 新進党の
赤羽一嘉でございます。
本日は、限られた三十分という時間、
阪神大震災にかかわることについて、
神戸市の選出議員として率直な
意見を申し上げたいと思います。また、今の閣僚の皆様は私は個人的にほとんどよく知らないのですけれ
ども、
井出大臣には一度
海外視察も御一緒させていただいておりますので、
厚生省管轄にとどまらず、若干
質問がぶれるところもあるかと思いますが、本当に忌悼のない御
意見をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、先日、たしか二月九日だと思いますが、村山総理の緊急記者会見というのが夕方されたわけであります。私も、ずっと
予算委員会、
災害特別委員会等を通して
質問に立たせていただきました。
被災者の立場に立った
意見を申し上げさせていただいて、即刻、大胆な決断、施策の実行というのを訴えてきたわけでありまして、ようやく一月近くたって総理も重い腰を上げていただいたかと思ってテレビに見入ったわけでございますけれ
ども、率直に言って失望したのですね。
というのは、いろいろな御
意見もあるかと思いますが、
被災者の皆さんも多分同じだったと思うのですけれ
ども、総理はあの中で、希望を持っていけばどんな困難も乗り越えていけるという御発言がありましたが、
被災者の方々が希望を感じ、勇気を出して立ち上がっていけるような、元気が出るような具体的な施策を決断し、実行していくのが我々政治家の役目であると思いますので、あのときにいろいろな対策本部を
設置することを決めだというような話は、もう率直に言って、何を今さらというような気で聞いていた方が多いと思うのですね。
総理はその後の本会議でも、あの日あの記者会見を通して率直な
意見を語らせていただいたというふうな
お話もありましたけれ
ども、テレビを通して、はっきり言って
現場の
感覚と少しずれのあるようなことを率直におっしゃられたと幾ら言われても、もう何にも要らない、政治の力というのは当てにしないというような思いに立たれている
被災者の方が数多くいらっしゃると思うのです。私な
ども今毎週
現場に、
地元に帰っているわけでありますけれ
ども、現地を回るのが正直に言ってつらい。何もしてくれないみたいを言われ方をして、本当につらい思いをしながら現地を回らせてもらいまして、きのうまた戻ってきたわけでございます。
その中で、実は先週の金曜日、
災害特別委員会の席上で小里
地震対策担当
大臣が、
避難所二十三カ所の調査をした結果、正確なのが、議事録ができておりませんので私のメモ書きなのですが、大体どの
避難所もその
生活レベルにおいては問題がないといった
認識に立たれているという御発言が実はありました。私は、本当にこれは大問題だなと思うのです。
避難所の
生活、最初の何日間、一週間というのは大
震災でありましたからやむを得ないと私は思いますが、もう一月以上もたっていながら、こういった最低限の人権も保障されないような
生活がGDP世界一の日本で放置されているということに対して、そこの閣僚の皆さんが、まあまあの
生活レベルを保障されているのではないかというような発言をされているのはどういう
認識なのかなというのを八本当に非常に心配しているのですね。そういうような
認識で今後のいろいろな措置を講じていただくのであれば、余り期待できないなというふうな思いがございます。毎日新聞で、猪口邦子さんの「
生活の水準が人間の尊厳を保てる水準になっていない
状態が続いている。文明国家として異常さを感じる。自国民を救援できない
政府がどうやって遠い国の内戦
被災民を救えるのか。」というような発言もありまして、全くそのとおりだなと私自身思うわけであります。
井出大臣は
避難所に対する違った御
認識もあるかとも思うのですが、とりあえずこの二月二十日、きのうのある新聞の
現場の避難者の声について幾つか御紹介いたしますので、聞いていただきたいと思います。
まず、これは
神戸市立の会下山小学校、兵庫区の火事でほとんど丸焼けになったところの小学校の五十四歳の主婦の方です。「
避難所生活がいつまで続くか分からないと不安になる。仮設住宅、恒久住宅の建設
計画の見通しを一日も早く明確にしてほしいというのが家を焼け出され、学校の床に寝かされた者の気持ちです。」飛んで、「村山首相に言いたい。一度、冷たい
避難所の床で寝てからものを言ってほしい。」という厳しい御
意見がございます。
もう
一つは、「二歳の娘と五十五歳の母と、ここにいますが、いま困っているのは食事のことです。子
どもや年寄りには支給されるごはんが固すぎます。夜はフライ物が多いので、栄養が心配です。」という食事の問題を言って、これは厚生とはちょっとずれますけれ
ども、「今はとにかく仮設住宅が当たるのを待っています。
震災前に行っていたパートも十八日付けで解雇になりました。家も仕事も探さなければならず、大変です」。これは、芦屋市の大原集会所というところの方の話です。
また西宮の、小学校の男の手なのですが、「
避難所には遊び道具が少ない。テレビも一台しか置いて」いません。「中学校の体育館に住んでいますが、暖房器具がなくて夜はすごーく寒いです。おふろに入ったのは、この一カ月で一週間に一回ぐらいかな。お母さんと電車を乗り継いで大阪市生野区の親せきの家に入りに行ったこともありました。遠かったなあ。今でもお母さんや、友たちのお母さんたちは、
避難所の」比較的近いふろ屋に行きますが、「寒い中、長い時間を掛けて並ばなあかんので、途中であきらめて帰ってくることがよく」ありますという子供の
意見があります。
もう
一つ、やはり兵庫区の小学校で、六十七歳の高齢の御婦人の方ですね。「仮設住宅に早く入居したいのですが、入居できても家賃が無料というだけで、
電気、ガス、
水道の光熱費は入居者が
負担しなければなりません。働ける人はいいのですが収入のない人は不安になります。また、罹災証明書を受け取るために区役所で列をつくり四時間も待ちました。寒い中で立っていたために、倒れてしまったおばあさんもいました。」またおふろの問題ですが、「自衛隊のおフロに入るにも二、三時間も待ちます。高齢者が寒空の下で何時間も立つことのないよう、行政はこまやかな配慮をしてもらいたい。」
これは代表的な、一番新しい発言だと思うのです。やはり
現場を回りますと、とにかく今の
避難所の
生活は厳しい。とにかく仮設住宅を早くつくってくれという、いろいろなところで、委員会でも
質問が出ていると思います。
いろいろな中で出てくるのですが、まず仮設住宅の必要数というのはどのくらいというふうに
認識しておられるのか。
計画数は、三万とか、一万増加して四万にしたとかという話をしておりますが、では四万戸で足りるのかどうか、今
計画しているのが必要数に充足されているのかどうかということが全く話に出てこないというのが不思議な感じがするのですが、その必要数についてお願いします。