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加藤(六)
委員 私は、新進党を代表して、
平成七年度
一般会計補正予算(第1号)、
平成七年度
特別会計補正予算(特第1号)及び
平成七年度
政府関係機関補正予算(機第1号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及びその概要を御説明いたします。
説明に先立ち、去る一月十七日の阪神・淡路大震災及び三月二十日の地下鉄サリン事件により犠牲となられました方々に対し、謹んで哀悼の誠をささげるとともに、その遺族の方々に衷心よりお悔やみを申し上げるものであります。また、被害に遭われました方々に対して、心からお見舞いを申し上げます。
一時回復の兆しが見えていた景気は、超
円高の進行によって再び悪化の方向に転じ、円相場がこれ以上の高騰または現在の水準で推移した場合、企業活動への打撃はもちろん、国民生活に対しても多大な影響を与えるものと
考えざるを得ません。この解決のためにはあらゆる手段によって思い切った施策を講ずる必要があり、とりわけ重要なことは、当面の景気
対策として、
我が国の経済改革につながるような財政の出動を行うことであります。
また、いまだに四万人近い方々が避難所生活を送る阪神・淡路大震災の復旧、復興は、緊急を要する課題であります。
しかし、
平成七年度補正予算における
政府の
対策は、その柱とされる緊急
円高・経済
対策、阪神・淡路大震災の復旧、復興、全国の防災
対策など、いずれも極めて不十分な内容と規模であり、ましてや今
我が国に最も必要な経済の構造改革を志向する措置になっていません。
また、今回の補正予算は、我が党が去る二月二十五日に提出した、阪神・淡路大震災の復旧、復興を中心とした
平成七年度当初予算組み替え動議、さらには三月二十八日、四月十八日に行った二度の
円高・経済
対策の緊急提言等の内容についても十分に措置されていないものであります。
よって、
政府は、提出した
平成七年度補正予算について、以下のように全体の内容を改め、次の重点項目によって施策の充実を図るよう、強く要求いたします。
その第一は、阪神・淡路大震災
対策関連についてであります。
特に、
災害対策救助等
関係費として、災害等が発生してから約半年が経過したころがピークとされる被災住民の方々に対する心のケア
対策を初めとして、避難所生活から自立するための措置等々を含め、十分な
対策を講ずるための経費や、災害廃棄物処理のための事業費を追加することであります。
また、震災復旧・復興のための公共事業費について、神戸市復興計画及び兵庫フェニックス計画の支援、神戸港の港湾整備・埠頭公社の復旧等の事業費を追加するとともに、鉄道、福祉施設等の整備のための施設等災害復旧費についての事業費を追加することであります。
その第二は、防災関連
対策費についてであります。
全国的な防災都市づくりを目指し、救急医療体制の整備や自衛隊への
災害対策装置及び器材の追加設置、あるいは抜本的防災都市づくりのための耐震基準の見直しに係る調査費等の事業費を追加することであります。
その第三は、中小事業等
関係費として、景気の低迷や超
円高が中小企業に与える影響にかんがみ、
政府系金融機関の既存の貸し付けに係る金利を軽減するための経費を追加することであります。
その第四は、公共事業等
関係費についてであります。
特に、一般公共事業・施設等整備費については、一般道路の整備、治山治水・砂防事業、関西
国際空港の全体構想及び中部新
国際空港等の構想の促進、新幹線の整備五線全線フル規格化の推進、
国際港湾コンテナバースの大幅増設、下水道の普及促進等の事業費を追加することであります。
その第五は、
円高差益の還元や内外価格差の是正に資するため、石油、金及びレアメタル等の緊急輸入措置のための経費を追加することであります。
その第六は、景気低迷や
政府の無策による急激な超
円高が地方経済・財政に及ぼす影響への緊急財政支援措置として、地方財政
対策費を追加することであります。
最後に、これらの財源に資するため、地価及び工事価格の下落に伴う予算単価の縮減並びに金利引き下げに伴う国債利払い費の圧縮等により既定経費の節減を行い、あわせて予備費の減額を行うことであります。
以上、総計十三兆二千八百九億円の規模によって本補正予算全体の内容を改め、施策の充実を図るように要求するものであります。
これらの財源としては、さきに述べた不用経費等の節減等とともに、公債の発行によって措置するよう要求いたします。
以上が動議の概要であります。
委員各位におかれましては、今回の阪神・淡路大震災によって被災に遭われた方々、また抜本的防災都市づくりの端緒を開くべく、さらに景気低迷を克服し、
円高の影響を軽減し、経済の構造改革を前進させるために、党派を超えて御理解、御賛同を賜りますよう、よろしくお願いし、提案理由といたします。(拍手)