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加藤(六)
委員 今回のこの
東京共同銀行方式といいますか、これについては、私も、昨年の十二月の九日、十日前後は、なるほど、我が国の金融システムの安定には、破綻する
金融機関が次々出てくる場合に、これはこれとして考えていい案であるかなとも思いました、率直に申し上げまして。
また、その
時点において、名前は申し上げませんが、我々の耳に入ってきたのは、いや、これは我が
日銀が英知を絞って結集した案であると言って、自慢げにいろいろな人に申したり、いや、我が
大蔵省が汗を流したからできたんだという話が昨年の十二月九日、十日前後には随分私らの耳に入ってきて、なるほどな、随分誇らしげに自慢しておるんだな、こう思ったのでありますが、それが途中から、これは臨時異例の措置でございます、ほかの
金融機関には扱いません、破綻した
金融機関にはやらせませんと言い出したので、あれれあれれと思ったのでありますが、そこら辺はひとつこちらへ置きます。
前の
委員も
質問されましたが、四月九日に
東京都民の審判は下りました。そして、
青島さんが
知事に当選せられたのです。
青島さんは、選挙の公約でも、そして当選後でも、三百億問題についてはノーと言われております。ところが、あなたの先ほどの答弁は、
東京都の
事務当局が
努力していることを期待しておる、こういうお話がございましたが、今まで私がずっと申し上げまして、
東京都の
意向というのがいろいろ、きょう午後、
東京都から
証人に呼んでおりますからまた新しい展開はあると思うのでございますが、三本柱ですね、
日銀、
大蔵省、
東京都。その
東京都が三百億をノーとしたらどういうことになるか。
ちょうど、これも私はいつも申し上げておるのでありますが、
昭和二年の金融恐慌のときに、もうよく勉強されておると思うのですが、鈴木商店の問題から渡辺
銀行の取りつけからいっぱい次々あるのですが、
昭和二年の四月十七日に、枢密院
会議で台湾
銀行救済緊急案が否決されたのです。それを受けて若槻内閣は総辞職しておるのです。そして、台湾
銀行に対する取りつけが起こるのでありますが、三日後の四月二十日に
田中義一政友会内閣が成立するということになる。
私は、今回の
東京都知事選挙の結果が起きる前から、この
東京都議会の一連の動きを見て、今回の
スキームの
一つの大きな柱である
東京都、三百億が、ノーと言ったらどうなるんだろうかという懸念は持っておったのでありますが、当時の、
昭和二年の内閣は、実に鮮やかに
責任をとって総辞職をした、否決されたということで。
ところが、あなた方は、あるいはきのうのいろいろな人のテレビに出ての
発言というのは、
青島さんに考えを直してもらいたい、
努力してもらいたい等々、いろいろなことを言われておりますけれ
ども、私たち政治家は、今回の地方選挙、いろいろ見方、考え方あります、それは言いませんが、公約というものは、これは何としても守らなくちゃならぬ。しかも、当選されてからの直ちにの強い決意と抱負というものがあります。これを直さすような、修正さすような動きというのは、私は、政治的には、政治家の自殺行為につながる、こうも思うわけでありまして、選挙そのもの、民主主義そのものを私は否認するような動きにつながることを大変実は心配しておるのです。
心配しておりますから、ひとつ最後に、これは
加藤六月の案ですよ。
東京共同銀行なるものを、既に発足しておる、これを
大蔵省と
日銀が必死になってどこかの都市
銀行に
吸収合併さす。この案をお考えいただくことを
お願いして、私は同僚の川島
委員に
質問を譲らしていただきます。ありがとうございました。