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1995-03-09 第132回国会 衆議院 予算委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年三月九日(木曜日)     午前九時五十一分開議 出席委員   委員長 佐藤 観樹君    理事 衛藤征士郎君 理事 桜井  新君    理事 野呂田芳成君 理事 深谷 隆司君    理事 伊藤 英成君 理事 加藤 六月君    理事 草川 昭三君 理事 三野 優美君  理事 五十嵐ふみひこ君       伊藤 公介君    江藤 隆美君       小野 晋也君    越智 伊平君       越智 通雄君    菊池福治郎君       後藤田正晴君    七条  明君       関谷 勝嗣君    高鳥  修君       中谷  元君    中山 太郎君       原田  憲君    古屋 圭司君       松下 忠洋君    村山 達雄君       山本 有二君    安倍 基雄君       伊藤 達也君    石井 啓一君       石田 勝之君    川島  實君       北側 一雄君    左藤  恵君       笹木 竜三君    高橋 一郎君       月原 茂皓君    野田  毅君       冬柴 鐵三君    松田 岩夫君       山口那津男君    山田  宏君       池端 清一君    今村  修君       佐々木秀典君    坂上 富男君       細川 律夫君    錦織  淳君       正森 成二君    松本 善明君       矢島 恒夫君    海江田万里君  委員外出席者         証     人         (東京協和信用         組合理事長) 高橋 治則君         証     人         (安全信用組合         前理事長)   鈴木 紳介君         高橋証人補佐人 河合 弘之君         鈴木証人補佐人 権藤 世寧君         予算委員会調査         室長      堀口 一郎君     ――――――――――――― 委員の異動 三月九日  辞任         補欠選任   浦野 烋興君     中谷  元君   近藤 鉄雄君     七条  明君   志賀  節君     大島 理森君   山崎  拓君     小野 晋也君   若林 正俊君     松下 忠洋君   工藤堅太郎君     北側 一雄君   野田  毅君     高橋 一郎君   前原 誠司君     錦織  淳君   矢島 恒夫君     正森 成二君 同日  辞任         補欠選任   小野 晋也君     山崎  拓君   大島 理森君     山本 有二君   七条  明君     近藤 鉄雄君   中谷  元君     浦野 烋興君   松下 忠洋君     古屋 圭司君   北側 一雄君     工藤堅太郎君   高橋 一郎君     野田  毅君   錦織  淳君     前原 誠司君   正森 成二君     矢島 恒夫君 同日  辞任         補欠選任   古屋 圭司君     若林 正俊君   山本 有二君     志賀  節君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  職務上の秘密に関する書類証人としての提出 につき承認を求めるの件  予算実施状況に関する件(東京共同銀行問題  )      ――――◇―――――
  2. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  この際、御報告いたします。  去る二月二十八日の本委員会において、予算実施状況に関する件の調査に関し、東京共同銀行問題について、証人として大蔵大臣武村正義君、東京都知事鈴木俊一君、日本銀行総裁松下康雄君、東京協和信用組合及び安全信用組合理事長野口壽康君に対し、書類提出を求めることに決し、直ちに議長を経由して要求いたしました。  その結果、去る三月七日、それぞれから回答がありましたが、武村証人及び鈴木証人から、職務上の秘密に関するものであるとの申し立てがありました。  その取り扱いについて理事会において協議いたしました結果、議院証言法第五条に基づいて書類提出に関し承認を求めることで各党間の協議が調いましたことをまず御報告いたします。
  3. 佐藤観樹

    佐藤委員長 この際、職務上の秘密に関する書類証人としての提出につき承認を求めるの件についてお諮りいたします。  議院における証人宣誓及び証言等に関する法律第五条により、証人鈴木俊一君から職務上の秘密に関するものであるとの申し立てがあった書類について、監督庁である大蔵大臣に対し、その提出に関し承認を求めることとし、その承認を求める項目は、  東京協和信用組合及び安全信用組合の  一、平成五年八月末、平成六年三月末及び平成   六年十一月末現在における一億円以上の実名   入り預金者リストとその預金額並び平成五   年八月一日以降の金利四%以上の預金者リス   トとその預金額  一、平成五年八月末、平成六年三月末及び平成   六年十一月末現在における一億円以上の実名   入り融資先リスト融資額  一、直近二回分の示達書検査報告書を含む)   そのものの写しといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 佐藤観樹

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、委員長において所要の手続をとることといたします。  速記をとめてください。     〔速記中止
  5. 佐藤観樹

    佐藤委員長 速記を起こしてください。      ――――◇―――――
  6. 佐藤観樹

    佐藤委員長 予算実施状況に関する件の調査に関し、東京共同銀行問題について、高橋治則君より証言を求めることといたします。  この際、証言を求める前に証人に一言申し上げておきます。  昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び重言等に関する法律によって、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。  宣誓または重言を拒むことができるのは、まず、証人証人配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または証人とこれらの親族関係があった者及び証人後見後見監督人または保佐人並びに証人後見後見監督人または保佐人とする者が、刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときであります。また、医師歯科医師、助産婦、看護婦、弁護士、弁理士公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについても、本人が承諾した場合を除き、宣誓または証言を拒むことができることになっております。  証人宣誓または証言を拒むときは、その事由を示さなければならないことになっております。  証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられ、また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  以上のことを御承知おきください。  次に、証人補佐人助言を求めることが許される場合について申し上げます。  すなわち、証人は、宣誓及び証言の拒絶に関する事項に関し、補佐人助言を求めることができることとなっております。  助言は、その都度証人委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。  なお、補佐人は、みずから発言すること及びみずから証人助言することはできないことになっております。  次に、今回の証人喚問に関する理事会申し合わせについて申し上げます。  その第一は、資料についてであります。  証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会提出していただくことになっております。  その第二は、証人メモをとることについてでありますが、尋問項目程度は結構でございます。  なお、補佐人メモをとることは構いません。  以上の点を御承知おきください。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めることにいたします。全員起立を願います。     〔総員起立
  7. 佐藤観樹

    佐藤委員長 議院証言法第五条の三の規定によりまして尋問中の撮影許可しないことになっておりますので、これより高橋治則君の証言が終了するまで、撮影は中止してください。  それでは、高橋治則君、宣誓書を朗読してください。
  8. 高橋治則

    高橋証人       宣 誓 書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います   平成七年三月九日                高橋 治則
  9. 佐藤観樹

    佐藤委員長 宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  10. 佐藤観樹

    佐藤委員長 御着席を願います。  これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長許可を得てなされるようお願いいたします。  なお、こちらから質問をしているときは着席のままで結構でございますが、御発言の際には起立してください。  委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で重要な問題について証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないように特に御協力をお願いいたします。     ―――――――――――――
  11. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これより証人に対して証言を求めます。  まず、委員長より委員会を代表して総括的にお尋ねをして、その後、委員各位発言を願うことといたしております。  それでは、私からお尋ねいたします。  あなたは高橋治則君ですか。
  12. 高橋治則

    高橋証人 はい。
  13. 佐藤観樹

    佐藤委員長 生年月日、住所、職業をお述べください。
  14. 高橋治則

    高橋証人 昭和二十年十月九日。東京都目黒区八雲その一。会社役員です。
  15. 佐藤観樹

    佐藤委員長 それでは、お尋ねいたします。  去る二月十五日に東京都が当委員会提出した資料によると、当時理事長であったあなたが、事前に理事会に諮ることなく、みずからの関係する企業グループ法定限度額超過貸し出しを行い、さらに、経営実態の不明な企業債務超過企業貸し出しを行ったことから多額不良債権が生じ、回収困難と見込まれる債権額多額になったことが明らかになっております。  一、以上の明らかになった点を含め、あなたの関連する企業グループ等への大口貸し出し高金利による預金獲得など、東京協和信用組合経営実態について。  二、その経営に関し、日本長期信用銀行とはどのような関係にあったのか。  三、その経営に関し、東京都からどのような指導を受け、また、どう対応したのか。  四、安全信用組合鈴木理事長とあなたとはどのような関係にあったのか。  以上、経営破綻に至るまでの経緯とその事実関係についてお述べください。
  16. 高橋治則

    高橋証人 私が組合を引き受けましたときは、組合は無配でございました、また、同時に、毎月赤字決算でございました。  私は、これを解決する、改善していくには、やはり私の人間関係信用を使って大口預金を集めて、かつ、効率のいい大口貸し出しをしなければならないと思いまして、大口預金を集めることと大口貸し付け開拓に全力を尽くした次第でございます。その結果、組合改善をされてまいりました。もちろん、私の関係しております企業グループにも、わざわざ高い金利で、本来であれば安い金利で借りられるのでありますけれども、高い金利で借りていただきまして、組合健全化改善に努力をしていた次第でございます。  その結果、数年後に劇的に経営改善をされまして、監督官庁であります都庁からも大変評価をされました。ただ、理事長関連貸し付けに余り偏らないようにという御指導、御指摘がありましたものの、今そういう形でなければ再建改善はできないということで、決算、配当の承認をいただいていた次第でございます。もちろん、私の関連企業融資するときは十分に担保を徴求しておりますし、同時に二十数年以前に規定されておりました理事会規約に基づいて、もちろん理事会にも諮って、承認をいただいて決裁をしていた次第でございます。  また、高金利という問題がございます。これは、私ども組合は、一人頭預金量でいきますと、職員一人当たりに占める預金の比率でございますが、都内信用組合でトップでございました。これは大口預金が多いということもあるわけでございますけれども、そのために、当然経費率が他の組合と比べてはるかに安かったわけでございます。  ちなみに申し上げますと、都内平均信用組合経費率は大体二%から二・五%、私ども組合は〇・七から〇・八%、したがいまして、大変に金利についての競争力があったわけでございます。私は、来るべき金利自由化に備えて、競争力のある体質にしなきゃいけないということに注力をしておりました。その結果、皆さんから御批判のありますような高金利で預かったんじゃないかということだというふうに解釈をしております。  ちょっと先ほど申し述べるのを忘れましたけれども、今不良債権委員長が申されましたが、不良債権と言われているものの大半が、その当時私が東京協和信用組合金利稼ぎのためにあえて融資を受けたものが大半でございます。  マスコミ等報道によりますと、平成五年七月に日本長期信用銀行支援を打ち切って、その後資金繰りが苦しくなって、自己貸し、迂回融資を重ねて不良債権をふやした、こういうような報道がされておりますが、私が調査をいたしましたところ、日本長期信用銀行が引き揚げました七月末残のイ・アイ・イ・インターナショナル・グループ及び理事長関連、これは都庁のこういうくくり方でございますが、残高が約三百七十億円、そして平成六年の九月三十日のこのイ・アイ・イ・インターナショナル及び理事長関連残高が四百二十五億でございます。したがいまして、約五十五億の増加をしております。この五十五億というのは、健全な会社運転資金及び開発資金でございます。イ・アイ・イ・インターナショナル迂回をしたお金というのは一銭もないというふうに、私は報告を受けております。  次に、長銀との関係でございますが、日本長期信用銀行は、もともとイ・アイ・イ・インターナショナルメーンバンクでございまして、私は、金融機関理事長事業会社責任者を兼ねるということは必ずしもいいことではないというふうに考えておりましたので、日本長期信用に伺いまして、大体再建が完了し、また見通しがつきましたので、日本長期信用銀行経営肩がわりをしていただけないでしょうか、こういうお願いを、たしか八九年、一九八九年の終わのころだと思いますが、申し出をいたしました。たまたま日本長期信用銀行は、そのときに、パーソナルバンキング、いわゆる個人の顧客の開拓に力を入れておりまして、私ども申し出に快諾をしていただきました。  その結果、翌年の五月に私ども組合に五〇%の出資をいたしまして、そして十月に常勤顧問を派遣し、翌年に長銀関連会社のビルに本店を移転いたしました。そして、その年の五月に長銀から理事長が派遣される予定になっておりました。  たまたまその最中に、たしか十一月、九〇年の十一月だと思いますが、私ども会社が、バブル崩壊により長銀管理下になりました。長銀理事長派遣という問題は延期され、まあ取り消されたのかもしれませんが、なくなったわけでございます。  そのかわり、イ・アイ・イ・インターナショナルに、その東京協和信用組合顧問が籍を移しまして、東京協和信用組合と、イ・アイ・イ・インターナショナルと密接に関係のありました安全信用組合の二つを管理するようになったわけでございます。  その管理の方法は、毎日の本支店間の預金引き出し、そして定期の解約、貸し付けチェック、これを全部しておりまして、たまたまその当時は、組合自体資金繰りが決して楽ではありませんでしたから、貸し出しを行うときなどは、一応連絡、御承認をいただいた上でほとんど行っていたように記憶をしております。  以上が、日本長期信用銀行とのかかわり合いでございます。  次に、都庁についてお話しを申し上げますと、日本長期信用銀行イ・アイ・イ・インターナショナル支援打ち切りを発表する前日に都庁から連絡がありまして、長銀が撤退するので臨戦態勢をしいてください、資金はいつもの四、五倍を用意してください、取りつけが起こるかもしれませんので、一日に大体四、五回報告をしてください、こういうごさたがありまして、私どもそれに従ってやったわけでございますが、運よく事なきを得たわけでございます。  その後、東京都は、長銀から引き継いだと同じ形で、毎日預金の出入れ、流動性預金の出入れ、そして貸付金チェック、このような仕事をしておりました。私ども専務理事は、ほとんど毎日のように都庁信用組合課に行っていたように私は記憶をしております。これが都庁との関係でございます。  次に、安全信用組合鈴木理事長との関係につきましては、もともとは私、父同士が友人だったものですから、三十年に及ぶ取引が続いております。私に言わせれば、精神的なメーンバンクという立場でございました。現在の鈴木理事長とも大変じっこんにしておりますし、お互いに、私自身、何かあればぜひ御協力をしたいということを常々考えているというような、こういう間柄でございます。  以上でございます。
  17. 佐藤観樹

    佐藤委員長 次に、東京協和及び安全の両信用組合経営が破綻したことに伴う処理として東京共同銀行が設立されることになっておりますが、あなたは、東京協和信用組合融資救済に関し、特定の政治家や官僚などに働きかけた事実があるのかどうか。あるとすれば、いつ、どのような働きかけを行ったのか。また、東京共同銀行設立経緯に関し、あなたが知っていることがあればお述べください。
  18. 高橋治則

    高橋証人 昨年の十一月十八日に東京都の北爪商工計画部長に呼ばれまして、私が参りましたのですが、たまたま商工部長大蔵省銀行局長のところに急用で呼ばれました、ちょっと急にお会いできなくなりましたので、信用組合課相川参事佐藤信用組合課長がお目にかかります、こういうお話でお目にかかったわけですが、そのときに突然、悪いようにはしないから、身柄を東京都に預けてくれないか、こういうお話がありました。  私は、どういうことかよくわからなかったのですが、九月中旬に日本経済新聞に、東京協和安全信用組合経営不安の記事が載りました。協同組合、特に信用組合みたいな預金者からのお金しか集まらない、そういう機関新聞報道されるというのは、まことに異例のことであります。過去に九州の信用金庫で、女の子がバスの中であそこがお金がないと言った一言だけで取りつけが起きたという事態があったわけですけれども新聞報道されますと、これは大変なことになるわけでございます。  私はそのときに、ああ、これはもしかしたら長銀が引き受けるのかな、こういうような認識でおりました。それで、信用組合課長には、ちょっと考えさせてくださいと言って帰ったわけでございますが、十二月二日に再度呼ばれまして、大体日程が決まりました、十二月の九日から十五日になると思いますと。どういう形なんでしょうかということをお尋ねしましたら、まだわかりません、どういう形なのかよくわかりません、ただ、三重野日銀総裁が九日の日に海外へ出張されるので、その前に処理をしておきたいというふうに考えておりますと。私はもともと、信用組合経営について、しっかりしたところがしていただければという気持ちもどこかにあったものですから、預金者は大丈夫ですかと聞きましたところ、預金者は大丈夫です、職員の雇用は大丈夫ですかと聞きましたら、職員もきちっと引き継ぎをいたします、こういうお話でございました。  それから、十二月の六日の日に示達書を渡されました。大体日程が決まりました、十二月の九日にしたいと思います、ついては八日、理事皆さんに根回しを開始してくれ、こういうお話がございました。そして十二月の八日に、改善命令、それから組合として自主再建が困難である、そういう趣旨の文書を都庁の方で用意しておりまして、そこに署名をしてください、こういうお話でございました。  私は、正直申し上げて、組合の内容が悪いと思っていなかったものですから、その自主再建が不可能だという、そういう文面に対して非常に抵抗感はあったのですが、もうすべて準備が整っている以上、しかも預金者がきちっと保護されるということであれば、これはもういたし方ないなということで了承をしたわけでございます。そのときに初めて東京共同銀行の話を伺ったんです。  ただ、そのときですら私は、東京共同銀行がどういうシステムでどういうやり方でやるのかというのが、説明されてもちょっとまだよく理解できなかったというのが真実のところでございます。  以上でございます。
  19. 佐藤観樹

    佐藤委員長 以上をもって私からお尋ねすることは終わりました。  次に、発言申し出がありますので、順次これを許します。野呂田芳成君
  20. 野呂田芳成

    野呂田委員 それでは、高橋証人尋問を行いますが、あなたもかつて環太平洋のホテル王とかリゾート王とかと言われ、米国のビジネス・ウイーク誌には一兆円の資産を持つ男と紹介されたと伺っております。それならば、この際、自分の疑惑を晴らし名誉を回復するためにも、事実を隠すことなく堂々とこの場で発表していただきたいと思います。  証人にお伺いしたい点は大きく分けて三点あります。  第一は、あなたの東京協和信用組合乱脈経営の問題であります。あなたは今いろいろ申されましたが、あなたの東京協和には、大口信用集中貸出額のような法令に明らかに違反しているもの五項目を初め、大蔵省等行政通達等に違反する不当なものが大別して約十二項目もあります。これはまことに乱脈な経営と言わざるを得ません。  第二は、大蔵省東京都の監督責任の問題と、あなたの率いるイ・アイ・イ・グループのメーンバンクであった長期信用銀行の責任問題であります。長銀東京協和経営にまで関与しておりますが、そういった責任問題はなおざりにすることはできません。  第三は、あなたと政界官界の深い癒着の問題であります。どの問題も重要でありますが、時間が一時間に限られておりますので、私は、第三の政、官界癒着の問題に焦点を絞ってきょうはお伺いしたいと思います。時間がありませんので、答えは、原則としてイエスかノーでお答えいただきたいと思います。  国民の多くは、なぜ預金量二千数百億ほどの小規模な二億組の経営破綻大蔵省東京都が、あるいは日銀多額公的資金を導入し、わざわざ新しい金融機関設立に踏み切ったのか、これには裏で政界官界が働きかけてこんなことになっているのではないかという疑問を持っている人が多いのであります。あなたが政、官界の人脈に幅広く食い込んでいたということがいろいろな面で報道されています。そして、ひいては国民の税金である公的資金をつぎ込む救済劇にそのことがつながったのではないかとの疑惑を生むことになっているのであります。この点についてはどうお考えであるか、まずお聞かせいただきたいと思います。
  21. 高橋治則

    高橋証人 先ほども東京都のやりとりの前後を御説明申し上げましたが、私は、この東京共同銀行構想を全く知らされておりませんし、ましてや私自身経営を継続していくという自信がありましたので、あえて救済をお願いするという立場にはございませんでした。
  22. 野呂田芳成

    野呂田委員 ところで、あなたは西山荘カントリー倶楽部とその役員をしている田中義人氏、また前大蔵大臣で神奈川県三区選出の新進党代議士藤井裕久さんを御存じでありますか。
  23. 高橋治則

    高橋証人 一度もお会いをしたことはありません。
  24. 野呂田芳成

    野呂田委員 あなたは、田中義人さん、本名は義正さんとおっしゃるそうでございますが、その方に藤井大蔵大臣を紹介されたことはございませんか。
  25. 高橋治則

    高橋証人 ありません。
  26. 野呂田芳成

    野呂田委員 詳細は約しますけれども、この方は、かつて日本道路公団の汚職問題でも関連した方であります。  現在は、この田中義人氏はかつて、現在はどうかわかりませんが、かつて西山荘カントリー倶楽部役員でありました。そのゴルフ場の理事に前大蔵大臣藤井裕久さんが理事となっていたのでありますが、理事長は先般ロッキード判決で有罪になりました元田中角栄氏の秘書であった榎本敏夫氏であります。  この西山荘カントリー倶楽部にあなたの東京協和融資しておりませんか。融資したことがあったとすれば、その融資額をお知らせください。
  27. 高橋治則

    高橋証人 融資をしております。約三十億円ぐらいだと思います。
  28. 野呂田芳成

    野呂田委員 あなたは田中さんにも藤井さんにも会ったこともないし全く知らないのに、あなたのこの信用組合から見れば大変な額であります三十億円相当のものを貸したということでありますが、そんなことが社会通念で通用するとはとても思われません。  この西山荘カントリー倶楽部への融資をあなたは藤井大蔵大臣から依頼されたことはありませんか。
  29. 高橋治則

    高橋証人 ありません。
  30. 野呂田芳成

    野呂田委員 この大蔵大臣関係の深い西山荘カントリー倶楽部とその関連会社へ、私が調べたところでは、あなたの東京協和は二十八億七千万円融資をしているわけであります。  先ほど三十億とおっしゃいましたが、この額は正しい額でしょうか。
  31. 高橋治則

    高橋証人 詳しく記憶をしておりませんが、三十億前後というふうに記憶をしておりますから、多分そうだと思います。
  32. 野呂田芳成

    野呂田委員 東京都や大蔵省から法令違反であるから改善するようにという強い改善命令が出たりしております。この時期に藤井大蔵大臣は、平成五年の八月九日から平成六年の六月三十日まで大蔵大臣として在任したのであります。  この間、平成五年の八月から平成五年の九月まで大蔵省や都の合同検査が盛んに行われまして、この東京協和を初め両信組の業務報告が出され、いろいろな改善が必要となっていたのでありますが、とにかくこのカントリー倶楽部の理事であった人が、時の改善をすべき最高の責任者である大蔵大臣であったわけでありますから、したがって、大蔵省が都を督励して改善策を構ずべきであるのに、この一番問題の集中した時期に、大蔵省は何一つ都を督励して善後策を講ずることはなかった。こういうことは、私は、当時の総理大臣、細川さんや羽田さんはもちろんでありますが、当面の責任者であります藤井大蔵大臣の責任は、これは全く重大なものと思いますが、そういう背景にはこのような事実があったと考えますが、その点についてはどうですか。
  33. 高橋治則

    高橋証人 全く存じ上げないことでございます。
  34. 野呂田芳成

    野呂田委員 これは、あなたは、だから乱脈経営だと言われるわけであります。三十億前後のお金を貸して、全く覚えがないということで、まことに、そこで恥ずかしくもなく座っているということに問題があるのじゃないですか。そういうことがこの社会問題を起こした大きな原因であるということを、あなたはもう少し責任を持った態度で答弁すべきであります。  次に、今度はあなたの手記によると、新進党の中西啓介議員が議員秘書の当時から友人であったということでありますけれども、間違いありませんか。
  35. 高橋治則

    高橋証人 間違いありません。
  36. 野呂田芳成

    野呂田委員 それならば、改めてお聞きしたいのでありますが、あなたの率いるイ・アイ・イ・グループが八四年の七月から八九年の七月までの申告所得について国税庁から調査され、この六年間に十四億七千七百十五万円申告漏れがあったということを指摘されたことがあったと思いますが、その点はどうですか。
  37. 高橋治則

    高橋証人 はい、事実でございます。
  38. 野呂田芳成

    野呂田委員 その際、中西啓介氏との問題についても一緒に御指摘があったのじゃないですか。
  39. 高橋治則

    高橋証人 ちょっとその辺はよく覚えておりません。どういう御指摘があったのかはよく覚えておりません、
  40. 野呂田芳成

    野呂田委員 それでは、乱脈経営を把握できなかったあなたにあえて御教示を申し上げますけれども、一つは、受取家賃の計上漏れの問題であり、一つは、中西啓介君を励ます会に、集いに対する仮払金支出の問題でありますが、そこまで言っても覚えがありませんか。
  41. 高橋治則

    高橋証人 パーティー券については承知しておりますが、家賃の未払いについては余り詳しく記憶に残っておりません。
  42. 野呂田芳成

    野呂田委員 それではもう少し、経営者であるあなたに教えなきゃいけません。  イ・アイ・イ・インターナショナルの前身でありますイ・アイ・イ開発所有の東京都千代田区のマンション、麹町パレス七〇三号、これは二百七十二平米、約九十坪という、都心のマンションでこれは破格の豪華なもので、庶民から見ればため息の出るような豪華マンションでありますが、昭和六十二年七月から六十三年の七月まで無償で、しかも契約なしに中西氏に貸していたことが税務署の指摘を受けて判明し、入居時にさかのぼって契約を結び、家賃を徴収したことになったのではないですか。
  43. 高橋治則

    高橋証人 当初は、私どもそこを倉庫に使っておりまして、中西――大変に誤解を受けるといけないのですが、決してきれいなマンションでない、汚いマンションなんです。スペースは広いのですが、私ども七、八割方倉庫に使っておりまして、中西先生から、どこか機動力のあるところに移りたいという、こういうお話があったものですから、私が、麹町なら、寝るだけのスペースならどうぞお使いください、こう申し上げて使っていただいた次第でございます。  ただ、その後、中西先生から、もうちょっとスペースを使いたいということで、倉庫を整理いたしまして、そのとき賃貸契約を結んだというふうに記憶をしております。
  44. 野呂田芳成

    野呂田委員 あなたのような、一兆円も資産があったと言われた人でありますから、この豪華マンションはあなたに言わせれば物置でありましょうけれども、それならば、何で税務署に指摘されてから中西さんが改めて契約を結び、家賃を万八十三万円も払ったのですか。物置に八十三万も払うということは社会通念で通用するのでしょうか。
  45. 高橋治則

    高橋証人 それは私どもの不手際だと思います。
  46. 野呂田芳成

    野呂田委員 私が声を大きくして指摘したいのは、会社にとって八十三万円というと大変大きな問題でありますが、そういうことを、社長であるあなたが物置であると言ったり、不手際であったりということだけではこれは済まない問題じゃないですか。そういうことが遠因になって会社がつぶれていくのじゃないですか。  そこで、中西啓介事務所では、マンション提供に関する、ある新聞社に文書で回答しております。  昭和六十二年七月から昭和六十三年七月までの家賃に関しては、的確に処理して現在未払い金はありません。これは正しいからやったのじゃなくて、税務署から指摘されたからやっただけの話であります。指摘されなければそういうふうにはならなかったと思います。また、昭和六十三年八月から平成七年一月までは、今度は月額五十万で賃貸契約を結びまして、個人住居として賃貸しましたと言っております。平成七年の一月ですから、ことしの一月までであります。  そこで、だれでも気づくことは、税務署に指摘されて慌てて払ったのが八十三万で、今度は、それが落ちついたら家賃が五十万になった、その差三十三万というものは、これはもう庶民から見たらため息の出るような額であります。  八十三万がなぜ瞬時にして五十万になったのか、その点をひとつよく説明していただきたいと思います。
  47. 高橋治則

    高橋証人 定かに記憶しているわけではありませんが、私が聞いている話では、一部屋をまた当社で使うという話がありまして、それでスペースを削ってもらったというふうに聞いております。そのために家賃を下げたというふうに聞いております。
  48. 野呂田芳成

    野呂田委員 とにかく、なぜ中西氏をそのように優遇する必要があったのか、あなたの答弁では全く納得できません。  しかも、この中西氏は、問題の東京共同銀行設立の日の前の日、ことしの一月十二日に突然ここを引き払って青山議員宿舎に引っ越ししたのであります。ただの大家とたな子の関係と見るには、引っ越しの時期が余りにも微妙なタイミングであるとは思いませんか。なぜこの時期に慌てて中西氏が天国のような豪華なマンションから、彼に言わせれば古くて狭い議員宿舎に引っ越ししたのか、その理由について知ることがあれば答えてみてください。
  49. 高橋治則

    高橋証人 天国というほどのところではないと思うのですけれども、たまたま契約の更新が来たということと、それから、今回私のこういう問題、社会的な問題があったものですから、誤解を受けるといけないからもう引っ越したらどうでしょうかと、こういうような話をして引っ越した次第でございます。
  50. 野呂田芳成

    野呂田委員 とにかく、あなたの中西氏に対する執着ぶりは異常であるということをここで指摘をしておきます。  次に、あなたは中西啓介君を励ます集いに際し、六十三年の十二月二十九日に、イ・アイ・イ・グループはパーティー券を買いましたか。買ったとすれば、幾ら買いましたか。
  51. 高橋治則

    高橋証人 はい、買いました。六千万円だと思います。
  52. 野呂田芳成

    野呂田委員 イ・アイ・イ・グループはパーティー券を六千万も買った。そして、国税庁から指摘されて、代表者が期間中に仮払いの勘定に振替処理をして、六十三年の七月に決算で雑損失金勘定に計上し、税務処理上、自己加算申告、すなわち使途不明金として処理したのじゃないですか、違いますか。
  53. 高橋治則

    高橋証人 はい、そのとおりでございます。
  54. 野呂田芳成

    野呂田委員 そういうような経理が全く乱脈であるということをあなたは認めたわけであります。  第一、通常、国会議員のパーティー券というのは一枚二万円程度で、それを数枚後援会の皆さんに買っていただくというのが常識であります。あなたの会社は六千万円も買ったのであります。こういうことは前代未聞であります。あの日本じゅうを大きく揺るがした佐川急便ですら、中西啓介君に三千万しか買いませんでした。その二倍分をあなたは買ったのであります。これは、単に仲のいい友人というには限度を超えた額ではないですか。これではだれでも何かがあると勘ぐりたくなるような額じゃないですか。常識を超えた点があると思いますが、この点についてあなたは今どういう心境でしょうか。
  55. 高橋治則

    高橋証人 当時はまとめてパーティー券を買って配るという習慣がございました。私どももまとめて買って数多くの人に配る予定でおりました。
  56. 野呂田芳成

    野呂田委員 あなたの説明では全く納得いたしません。これは会社に対する一種の背任行為であると思います。それとも、中西氏はあなたの会社に対し六千万を帳消しにできるような甚大な貢献をしているのじゃないですか。その点についてはどうでしょうか。
  57. 高橋治則

    高橋証人 全くございません。
  58. 野呂田芳成

    野呂田委員 それならば、あなたは無意味のお金を六千万もどぶに捨てて会社を苦境に陥れたという元凶になるわけですね。そのことだけはきょうはっきりと言っておきます。  そして、この六千万、買ってもらった方にもいろいろ問題があります。私はいろいろ法令を調べましたが、これをわかってもらうように説明するには大変時間がかかりますが、要するに、任意団体に入れたから報告の義務もなかったと中西啓介事務所では言っておりますけれども、これはやみ献金のような格好で、全くどこにも届けられていない。後で時間があれば改めて申し上げますけれども、これは大変に大きなやみ行為であると私は思います。  それから、あなたは知人に対して、新進党の大物代議士Oさんに三十億円も出しているということを話しているそうですが、それに近い額の金を出したことがありますか。あるならば、だれにいつ幾ら渡しましたか。
  59. 高橋治則

    高橋証人 ありません。
  60. 野呂田芳成

    野呂田委員 そうすると、あなたはうそをいつも豪語しておったということになりますか。
  61. 高橋治則

    高橋証人 そんなことを申し上げたことも一度もありません。
  62. 野呂田芳成

    野呂田委員 それならば、料亭「佐藤」のおかみさんを呼んで確認しなければいけませんけれども、どうでしょうか。
  63. 高橋治則

    高橋証人 はい、どうぞ確認をしてください。
  64. 野呂田芳成

    野呂田委員 それじゃ、この問題は、また同僚議員が後ほどするでありましょうから、これで打ち切っておきますが、とにかくあなたは中西議員から預金の紹介や融資のあっせんを頼まれたことはありませんか。
  65. 高橋治則

    高橋証人 ありません。
  66. 野呂田芳成

    野呂田委員 あなたは東京協和の立て直しや救済等について関係当局へ何かの働きをかけませんでしたか。したとすれば、いつごろ、だれに依頼をしましたか。
  67. 高橋治則

    高橋証人 先ほども御説明申し上げましたように、突然知らされたことでもありますし、私の方からお願いをしたという事実はありません。
  68. 野呂田芳成

    野呂田委員 このたび私が証人尋問をすることになりましたら、いろいろなところから私のところに、電話が来たり、尋ねてきたり、投書を下さったりする人があります。その中で大変衝撃的な投書があります。  まず最初に伺いますが、平成元年八月十日、海部内閣が発足した際、平成元年八月十日でありますけれども、そのころあなたは中西啓介氏に献金をしていませんか。したとすれば、幾ら献金をされましたか。
  69. 高橋治則

    高橋証人 覚えておりません。
  70. 野呂田芳成

    野呂田委員 この投書によれば、海部内閣の組閣に当たり、中西氏が大臣に就任するための運動費としてあなたが中西氏に一億円を献金し、それが運動費として時の自民党幹事長、現在新進党の幹事長である小沢一郎氏に渡されたと書いてあります。結果的に中西氏はそのとき大臣になりませんでしたが、この投書に注目すべきことは、自分は中西氏とはごく最近まで極めて近い関係にあったと書かれており、また、高橋証人をも熟知していると書かれておりますが、もう一度お伺いしますが、そのような事実を思い出すことはありませんか。
  71. 高橋治則

    高橋証人 全く覚えておりません。
  72. 野呂田芳成

    野呂田委員 この問題については、後ほどまた参議院証人喚問で同僚議員からやっていただきたいと思います。  そこで、次にもう一つの問題に進みますが、あなたの手記によると、あなたと新進党代議士の山口敏夫氏とは、同氏が議員秘書をやっているころからの知り合いの間柄で、東京千代田区の三番町にあった山口氏の事務所とあなたの部屋が同じマンションの同じフロアにあって、毎日のように顔合わせをしていた仲だと聞いております。  それを裏書きするように、九四年の六月末現在で、山口敏夫氏の肉親が経営している会社、いわゆる山口敏夫関連企業に対し、あなたが理事長をなさっておった東京協和からの貸出残高は二十四億一千五百万円、安全信用からの貸出残高は十一億五千六百万円となっております。合計三十五億七千百万円。この法定貸出限度額を大幅に超えて違反の大口融資を行っていますが、このような違法な大口融資をあえて行った経緯を説明してください。
  73. 高橋治則

    高橋証人 山口先生への融資というふうに誤解を受けているようでございますが、大半が山口先生のお姉さんが関係しておりますゴルフ場融資でございますので、このゴルフ場の六〇%の株主はある大手のゴルフ場が所有をしておりまして、私の認識では、山口ファミリーに貸しているという認識ではなくて、別会社に貸しているという認識でありますし、現実にそのゴルフ場は年間五億ぐらいの利益を出しておりまして、大変優良会社でございます。
  74. 野呂田芳成

    野呂田委員 私は、お断りしておきますが、山口敏夫氏に貸したとは言いませんでした。山口敏夫氏の肉親が経営している会社、いわゆる山口敏夫関連企業に対しと言ったのであって、あなたの誤解でありますから、訂正しておきます。  しかも、安全信用から山口敏夫関連企業への貸し出しのうち、九億九千万円についてはあなたはわざわざ個人保証をやっているのであります。安全信用から借りるに当たりまして、東京協和理事長のあなたがなぜ山口敏夫関連企業に個人保証までやっているのか。信用組合理事長として余りにも特定企業に偏ったやり方でありまして、極めて異常性を感じますが、この点についてはいかがですか。
  75. 高橋治則

    高橋証人 一つは、担保がしっかりしていたことでございます。また、一つは、借入金利が相当高くて、安全信用組合の収益に役立つというふうに考えたからでございます。  また、私が安全信用組合へ御紹介する融資に関しては、全部私の個人保証をとられております。
  76. 野呂田芳成

    野呂田委員 あなたが特定企業に対して、信用組合理事長として、個人保証をそんなにすべてやるということについて問題があるということを私は指摘したわけであります。  第一、この大口融資は、協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項、それで準用する銀行法第十三条第一項、さらに施行令第三条一項及び二項、こういうものに違反しておりまして、その超過貸出額はまことに異常であります。  改めて伺いますけれども、山口議員の紹介によるものとして、融資に特別な配慮を加えたことはありませんか。また、山口議員関連融資を行う際に、信用組合融資について審査会の決定を行ったのでありましょうか、それともあなたの独自の判断でやられたのか。融資の審査の際、部内で異論は出なかったのか、あったとすればどういう内容が出たかということをちょっとお知らせください。
  77. 高橋治則

    高橋証人 特別な情実もありませんし、理事会承認もどって融資を決定しております。
  78. 野呂田芳成

    野呂田委員 あなたはそうおっしゃいますけれども、いろいろな東京都や大蔵省報告書を見ますと、あなたはほとんど独断で融資をして、あなたが審査会等に、あるいは理事会等に諮ったというのはすべて事後承認であるという指摘があります。そういうようなことでは、全くここへ来て偽証することに当たるおそれもありますから、注意を促しておきます。  あなたは、こういう法令に違反し、大幅な法定貸出限度額を超えた融資、しかも大半が未回収とされる乱脈な融資に対し、どう今責任を感じているのですか、それとも全く責任を感じていないのですか、そのことを述べてみてください。
  79. 高橋治則

    高橋証人 最初の理事会お話でございますが、この理事会というのは二十数年前に決められておりまして、一応常勤理事会で決めたことを月一回定例理事会で事後報告をする、こういう習慣になっております。  それから、審査会でございますが、これは、特別といいますか、決められた正式な機関ではなくて、私自身が幹部職員皆さん融資の実態をよく理解してもらうという気持ちから、融資関係のない人まで集めてやった会でございまして、私の説明不足ということもあって、そういう否決というような事態もあったのですが、これは理事長がそれなりの担保、融資条件等を決めて判断することでございますので、特に私はそれをもって独断だと言われる筋合いではないというふうに思っております。
  80. 野呂田芳成

    野呂田委員 それでは全く責任を感じていないというふうに理解されますけれども、それはそれであなたの経営姿勢だということがきょうテレビを聞いておる人みんなに感じられたと思います。  そこで、次の問題へ移りますが、山口敏夫代議士の代理人・弁護士は、山口代議士は法人、企業に対して役員または株主として関与したことはない、高橋氏に対して友人・知人企業への融資の紹介はしたことがない、こういうきちっとした談話を発表していますが、これはあなたも知っていますでしょうか。
  81. 高橋治則

    高橋証人 はい、存じ上げております。
  82. 野呂田芳成

    野呂田委員 それならば、ことしの二月十四日の朝日新聞も同じでありますし、それから、きょう発売の週刊宝石も同じことを書いてありますが、改めて伺いますけれども、あなたは西山興業の社長である西山正行さんという方を御存じですか。
  83. 高橋治則

    高橋証人 はい、よく存じ上げております。
  84. 野呂田芳成

    野呂田委員 そこにあなたは山口代議士と一緒に、山口代議士の肉親の会社のために借金に行った事実はありますか。
  85. 高橋治則

    高橋証人 ございます。
  86. 野呂田芳成

    野呂田委員 それならば、山口事務所があなたに対して友人、知人一切に対してそういうことをお願いした事実がないと言っておるのに、それは食い違うのじゃないですか。
  87. 高橋治則

    高橋証人 この件は、当初西山さんが山口さんの弟さんのやっているゴルフ場を買いたいというところから始まりまして、調査をして、よければ自分のところで買いたい、それでその間のつなぎ融資だったら自分がしてもいい、こういう話だったというふうに記憶をしております。
  88. 野呂田芳成

    野呂田委員 あなたが、あなたと山口氏が保証人になってプリムローズカントリー倶楽部への融資を西山氏に頼みに行ったんではないですか。そのとき幾ら貸せと言ったんですか。
  89. 高橋治則

    高橋証人 たしか当初三十億だったと思います。
  90. 野呂田芳成

    野呂田委員 買いたいから行ったのじゃなくて、借りたいから行っただけの話じゃないですか。  きょう発売の週刊宝石によりますと、まことに迫力のある記事が載っております。西山興業の西山正行氏が、生々しく次のような談話を発表しております。西山興業の西山正行氏は、「山口代議士と高橋治則氏が連れ立って、私に三十億円の借金を申し込みに来ましたよ」「あれは平成二年の十二月半ばですが、高橋治則氏が山口敏夫氏を私のところへ連れてきたんです。そして「山口氏の実弟(根本勝人氏)がやっているプリムローズカントリー倶楽部というゴルフ場の工事代金が行き詰まっているので三十億円をなんとかしてくれませんか」と言った。」のであります。「私は即座に「山口氏には、おカネは貸しません」と断わった」のでありますが、山口氏というのはお金にだらしないからだ、もう二十五年-二十六年ほど前に日本毛織という会社の株を山口氏に勧められて大変損をした、こういうことで、これに対して山口氏は何の後始末もしなかったし、もう山口氏のことは信用していなかった、苦々しい顔でそう話ったと言っております。  そうすると、二、三日後にまたあなたと山口氏が二人で来て、何とかお金を貸してくれとまた頼んだ。そこで私は担保物件は何ですかと聞くと、山口氏がゴルフ場の全株だと言うんだそうであります。「私は山口氏ひとりの連帯保証では心配なので、もうひとつ条件をつけて「高橋氏が連帯保証人にならないと、おカネは貸さない」と言ったら、高橋氏も最終的に了承したんです。」こう言っております。  これはどう考えても、山口氏の弁護士があなたに対していかなることも頼まなかったと言うことに全く離反していると思うのですが、これはどうでしょうか。
  91. 高橋治則

    高橋証人 当初は、先ほど申し上げましたように、弟さんがゴルフ場建設を始めて苦しくなったものですから、私は西山さんにお願いをして、このゴルフ場を買ってくださいというお願いをいたしました。これから始まったわけでありますが、西山さんは、買う前に、じゃ幾らか貸そうか、こういう話でございました。で、調べた結果、結局西山さんは買わなかったんですが、そのために三十億がそのまま残って、現在ではかなり減っているんではないかと思います。
  92. 野呂田芳成

    野呂田委員 結局は三十億借りたのですが、西山さんは、三十億手元に金はありませんから、銀行から借りた。銀行から三十億円を借りた私が銀行に払う利息は年五・五%だから。三十億円を私はプリム・ローズカントリー倶楽部に対して年一二%の利子で貸すことにした、だからこの利子は決して高いとは思わない。  そこで、九〇年の十二月二十六日にプリムローズカントリー倶楽部の口座にお金を振り込んでもらったけれども、貸した金額は、三十一億円プラス手形の割引のお金が二億五千万で、合計三十三億五千万になった。その中から一カ月分の利子を引いた金額を振り込みました。その後、プリムローズカントリー倶楽部から幾らかずつ返済の振り込みがあったけれども、現在まだ十一億残っている。これはいろいろな書類を見てもそうなっております。ただし、利息の返済は一回もないので、利子の分だけでも十六億円たまっているそうであります。  こういうことでありますから、どうも私は、山口氏側がわざわざ弁護士を立てて、代理人の弁護士を通じて、法人、企業に対して山口議員は役員または株主として関与したことは一度もない、高橋氏に対して友人・知人企業への融資の紹介をお願いしたこともない、こうコメントを発表したということは、全くでたらめのうそ八百である。この一事を見てもわかるのですが、あなたはどう思いますか。
  93. 高橋治則

    高橋証人 私に融資を依頼したということではなくて、山口さんと弟さんが西山さんに融資を依頼したというふうに私は理解をしております。
  94. 野呂田芳成

    野呂田委員 それは詭弁であります。あなたを一緒に連れていかなきゃ貸せないということがはっきりしているわけです。現に、わざとそのことを抜いて私はあなたに話をしたのでありますが、この西山氏はこう言っております。形の上ではプリムローズカントリー倶楽部に金を貸したことになるが、私の意識としてはむしろ、当時東京協和理事長高橋氏が責任を持ってくれるという安心感があったから融資した、信用した相手はあくまでも高橋氏であって、山口氏ではないと彼は断言しております。  これでもっても、あなたはあっせんしただけであって何ら責任がないということにはならないじゃないですか。貸す方は、あなたに貸したのであって山口氏には貸してないと言っておるわけです。その点はどうですか。
  95. 高橋治則

    高橋証人 いや、それはそのとおりだと思いますが、当初のいきさつがゴルフ場の買い取りというところから入っておりますので、単純な、お金を貸してくださいというところから入ってきたわけではないと思います。  そして、おっしゃるとおりに、西山さんは私が保証しなければ多分貸さなかったんではないかと思います。
  96. 野呂田芳成

    野呂田委員 あなたもひっくるめて、こういうふうに登記謄本もありますけれども、これだけやっていっても、あなたはああ言えばこう言うというだけでありまして、あなたの責任と山口氏のでたらめぶりは明白になったと思いますから、この点はやめます。  さらに、あなたは総理府所管の財団法人二〇〇一年日本委員会という委員会を御存じですか。
  97. 高橋治則

    高橋証人 はい、存じ上げております。
  98. 野呂田芳成

    野呂田委員 そこの理事をあなたは山口氏と一緒に務めておりますね。
  99. 高橋治則

    高橋証人 はい、務めておりました。昨年辞任をいたしました。
  100. 野呂田芳成

    野呂田委員 それは山口さんに誘われたのですか。
  101. 高橋治則

    高橋証人 はい、そうです。
  102. 野呂田芳成

    野呂田委員 でありますから、あなたはことごとくいろいろな面において山口氏と一体であります。肉親の借金も一緒で保証人にもなる、あるいはこういうことにも山口さんに誘われて理事になる。  しかも、あなたが率いるイ・アイ・イ・グループに対すると同様、協和信組の融資について、山口代議士関連についてはあなたが審査会の前に各理事に根回しをするなど専権的に決定し、また、融資決定に力を持つ東京協和理事会にイ・アイ・イ・グループの役員二人をわざわざ非常勤理事として送り込むなど、深い、強い影響力を駆使してこの理事会や何かをコントロールしたと言われておりますが、事実でありますか、あるいは事実でありませんか。
  103. 高橋治則

    高橋証人 そういうつもりでイ・アイ・イ・インターナショナルから理事を選任したわけではありません。
  104. 野呂田芳成

    野呂田委員 結果はそうなっているのでありますから、あなたが思わなくても結果はそうなって、そういうことが全部、改善命令や都や大蔵省検査報告書で指摘されているのでありますから、その点はこの際明白にしておきます。  それから、さらにお伺いしますが、山口議員に対して預金の紹介を依頼したことはありませんか。あるいはまた、紹介が成立した場合、山口議員に何らかの報酬を渡したことはありませんか。
  105. 高橋治則

    高橋証人 預金のお願いは数多くの方にお願いをしておりますので、山口先生にもお願いしたことはあると思いますが、それに対しての報酬を上げたということはありません。
  106. 野呂田芳成

    野呂田委員 それはいろいろなものに書かれてありますけれども、時間がありませんから、きょうはその問題は割愛します。  長期信用銀行支援を打ち切ったのは平成五年の七月でしたが、その時点で、東京都と大蔵省東京協和、安全信組の経営状態に懸念を抱き、平成五年と平成六年と続けて合同検査を行っています。この検査結果によれば、平成六年に回収不可能とされた不良債権は、前年に比べて、東京協和が約二千三百倍の百九十五億円、安全信組は一万五千倍の約七百三十億円に膨れ上がっていることがわかっております。  東京都の労働経済局の幹部は、平成五年の合同検査の時点で両信組の経営は手がつけられないほど深刻な事態になっていたと語っておりますが、実態はどうでしょうか。
  107. 高橋治則

    高橋証人 東京協和信用組合は、ちょっと正確な記憶ではないかもしれませんが、平成四年に、四年度の回収不能額が総貸出額の一・六%だったと思います。平成五年、東京都と大蔵省との合同検査のときに一六・数%だったと思います。  そして、平成六年、昨年の合同検査で二八%ぐらいじゃなかったかとも記憶しておりますが、バブル崩壊後の金融機関の比率としては、私は、そんなに高い比率ではないというふうに理解をしております。
  108. 野呂田芳成

    野呂田委員 そんなことを言っても倒れてしまったんでありますから、あなたの言っている声はまことにうつろであります。  そこで、現にこの検査結果に基づきまして、平成六年の二月二十八日、東京協和に、同三月九日に安全信組に、両組の違法、不当な数々の乱脈経営について指摘した示達書東京都知事から両組合に出されております。この東京都と大蔵省の合同検査は平成五年の八月から九月にかけて実施され、十月末ごろに検査結果の深刻さは大蔵省東京都も十分に把握していたわけであります。  この時点で、都や大蔵省が両信組に対し厳しく改善命令を行うか、あるいは業務停止命令や役員の解任を含めた強力な行政指導、監督を行えば、今日のような状態になることを防止できたのじゃないかと考えられます。金融当局の中からも、東京都や大蔵省がもう少し早く高橋理事長らの責任を追及していればここまでの理事長組合の私物化は回避できた、こう言っておりますが、いかがですか。
  109. 高橋治則

    高橋証人 私はそういうふうには解釈しておりません。
  110. 野呂田芳成

    野呂田委員 つまり、それは責任を感じていない、無責任な経営を是認しているということであると私どもは思います。  この平成五年の八月から九月にかけての大蔵省と都の合同検査が実施されて検査結果が判明したときは、細川総理も藤井大蔵大臣も、何にも行政指導も対策も講じませんでした。二人は平成五年の八月九日から総理と大臣であります。しかも、平成六年の四月二十八日までの在任期間中は、何らこういう深刻な事態であるのに手を打たなかったのであります。平成六年四月二十八日には羽田総理大臣が誕生じ、藤井さんは引き続き大蔵大臣を務めたけれども平成六年六月三十日に退陣するまで何一つ手を打ってないのであります。  これはまことに無責任のきわみと言わなければいけません。残念ながら、この無責任な理事長と無責任な監督官庁の組み合わせが今日のような不幸を招いて、国民の税金を使わなければいかぬということになってきたわけであります。  平成六年の六月三十日、村山内閣が誕生して、平成六年六月七日から七月二十一日までと平成六年十月二十五日から十一月二日までにわたり両信組の業務及び財産状況を検査し、平成六年十二月六日、東京鈴木知事から両信組の理事長に対し業務運営の適正化について指示事項を示達し、次いで二日後の平成六年十二月の八日には、鈴木知事から両信組の理事長に対し、協同組合による金融事業に関する法律第六条で準用される銀行法第二十六条の規定に基づき業務改善命令書を出して事態の収拾を図っております。  これを見ても、最も切開手術の必要なときに、細川内閣、羽田内閣はその深刻な事態を全く放置し、ますます事態の悪化をさせた責任は重大と言わなければなりません。村山内閣はいわばこの二つの内閣のしりぬぐいをしているわけでありまして、このことはこの際国民の前にはっきりさせておく必要があると思います。この点についてはいかがでしょうか。
  111. 高橋治則

    高橋証人 いや、私にはよくわかりません。
  112. 野呂田芳成

    野呂田委員 そこで、私はここにひとつ、ぜひ……(発言する者あり)
  113. 佐藤観樹

    佐藤委員長 静粛にお願いいたします。
  114. 野呂田芳成

    野呂田委員 みんなに聞いていただきたいと思いますが、数々の金融危機を乗り切ったイングランド銀行のE・A・J・ショージ総裁が九三年の十一月にロンドンで行った講演で、「将来に立派な銀行が育たないようにする最も確実な方法は、現在問題に陥っている銀行に対し支援を差し伸べることだ」こう言っております。将来に立派な銀行を育たないようにする最も確実な方法は、現在問題に陥っている銀行に対して支援を差し伸べることだと言明し、信用評価が甘く、貸し出し管理がずさんで、不正行為のために業績が悪化している金融機関で、金融システムの影響がほとんどないところへの安易な中央銀行による直接介入を戒めております。  また、昨年の十月三十一日に前日銀総裁の三重野さんは「金融システムの安定と日本銀行の役割」と題して講演し、その中で、すべての金融機関を救うのが中央銀行の仕事ではない、個々の金融機関が破綻すべくして破綻することは健全な金融システム育成のためにはむしろ必要なことである、こう述べております。この破綻すべくして破綻すべき二つの信用組合がなぜ救済されてしまったのか、こういうことが実はあなたの政官界人脈につながる問題でありまして、そのことは時間がないからここでやめておきます。  そこで、最後に、あなたがいかにこれまで乱脈経営をしてきたかということを法令に照らしてちょっと総括して申し上げ、注意を促しておきたいと思います。  まず第一は、大口信用集中貸し出しの問題でありまして、貸出総額は一千五十三億円の八一二二七%に当たる八百五十七億円、純債額七九・七八%の八百四十億円、これらの多くが不良債権化しておりますが、これは協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項で準用する銀行法十三条第一項、協同組合による金融事業に関する法律施行令第三条第一項及び第二項違反であります。  第二は、員外預金比率の問題でありますが、員外預金比率は八三・六五%で法定限度額二〇%を大幅に超過しております。これは中小企業協同組合法第九条の八第三項違反であります。  第三点は、資金の流動性の問題であります。  資金の流動性を考慮せず融資を拡大したため、預貸率が九四年度決算額で九四・二五%と非常に高い。支払い準備率も同時点で九五・二二%と資金運用基準を下回っております。大口預金が多く、不意に高額預金の解約があった場合、支払い不能に陥るおそれがあります。信用組合基本通達、これは大蔵省銀行局長から都道府県知事にあてたものでありますが、この通達違反であります。  それから、乱脈経営として指摘されるのは、理事長関連企業融資であります。  信用リスクや自己体力などを考慮しないまま理事長関係する企業などに大口信用貸し出しを行い、これらの貸出金額が総貸出金額の八一・三七%を占めており、これらの大多数の先が不良債権化しております。これは中小企業協同組合法三十八条、協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項で準用する銀行法第十四条第一項及び第二項違反であります。  次に、組合の私物化の問題であります。  理事長の独断専行や公私混交による貸し出しが行われ、組合を私物化した業務運営が恒常的に行われてきたことの証左であります。監事は単なる飾り物でその職員を全く果たせない立場に置かれておりました。  次は、理事会の軽視であります。  理事長関連貸し出しは、中小企業協同組合法第三十八条の規定を無視し、理事会に付議することなく実行されておるものが多い。これは中小企業協同組合法第三十八条、同法三十八条の二第一項から第三項違反であります。これはまた、中小協同組合法第三十八条の規定を形骸化するものであり、情実的かつ極めて厳正さを欠いた貸し出しとなっております。  決算経理基準の逸脱の問題もあります。  損益状況は、利息貸し出しを繰り返すなど、表面的には利益を計上しておりますが、これは決算経理基準を逸脱しております。昨年三月期決算期は実質赤字であり、組合維持も懸念される状態でありますが、これは信用組合基本通達に違反しております。  次には、貸出審査会の無視でありますが、貸出審査は、貸出審査会の委員が否決した案件が理事長の一存で強行されるなど全く機能しておりません。理事長の独断専行によるものだが、それを許した役員陣も責任を免れるものではありません。このため、経営実態の不明な企業債務超過企業などの問題のある企業貸し出しが多く、資金回収が憂慮すべき事態となっております。  以下、迂回融資、これも通達違反であり、無担保・無保証貸し付け高金利預金、裏金利預金、枚挙にいとまないほどありますが、時間が来ましたので、私の質問はこれで終わります。
  115. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて野呂田君の発言は終わりました。  次に、加藤六月君。
  116. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 新進党の加藤六月でございます。証人、まことに御苦労さまでございます。  私は、前の人の半分も時間がございませんから、いろいろ聞きたいこともあるのでございますが、主として協和信用組合の乱脈経理の問題、そして協和信用組合長期信用銀行の問題、そして今回一連の問題の中心になっております共同銀行設立に絡むいろいろな不透明、不明朗な問題、ここら辺について証人にお聞きいたしたい、こう思います。  そして、私が質問する中核は、この予算委員会で三回決議して資料要求したんです。前の二回は、国会法百四条に基づく資料保要求をやった。そして三回目は、罰則つきの証言法に基づく実は資料要求をお願いしたんです。三回の決議に基づく資料要求、どれもこれも不十分きわまりない。そこで、いろいろ理事会等でも議論し、あなたがきょうこの席へ入ってこられる前に、新しい決議をいたしたわけでございます。  それは、まず第一は、これはもう予算委員会全員一致しておるし、特に我が新進党としましては、今度の共同銀行スキームというものを、いつ、どこで、だれとだれがどういう基準で決定したか、これをはっきりさせよう、これを、もう理事会ではいつも全会一致で、したがって、そういう線に従っての資料要求をしてきたのでありますが、政府対国会といういろいろな問題になって困っております。したがって、私が質問する場合には、もう不十分きわまりない書類でありますが、東京都や日本銀行からいただいた資料、これを一応の基準にいたしたい。それから、それ以外の問題については、あなたが手記その他で漏らされておる問題についても、若干聞いていかなくちゃならぬ、こう思っております。  それは、改めてもう申し上げるまでもないんですけれども、先般来、東京都庁の一連の問題がありましたですね。それは、なぜこの共同銀行に都民の税金を、都民の金を入れなくちゃならないのかという大騒動があって一連のことになったのは、あなたも御存じのとおりです。国会にもあるんです。  というのは、日本銀行が二百億出資した。日本銀行が出資したのは、それは何でもないのかというと、そうではない。日本銀行も、もう端的に申し上げますと、我々は、平成六年度予算で五千五百十億円、平成七年度国家予算で六千六百九十億円国に納付金として、税金と同じようにいただいて使っておるんです。したがって、日本銀行が共同銀行に二百億出すというのは、国民の税金を出したのと全く同じことであります。東京都民の皆さんが、三百億で低利にするというので大騒ぎされておる。国会は、二百億の国民の税金に匹敵するものが、日本銀行が乱脈経理のこういうところの救済に、共同銀行へ出資したという問題、これはあるんです。時間が、あといろいろありますが……。  それに対する日本銀行や大蔵省の説明不足が大変な問題で、資料要求も出さない、十分なその間の経緯の説明もしない。そういうことがどういうことになるかといいますと、金融機関全体への不信につながる、あるいは日本銀行に対する不満に通じていくということが出てきて、将来あるいは今すぐ来るかもわからぬいろいろな金融の危機に対して、金融危機管理システムが、今まで以上のより重大な挑戦に立たされたときに、一体機能するのかしないのかという問題を含めて、対応能力、あるいはこれらが低下したり無能力になってはいけないぞと、これからの日本のために。これからは金融は、規制緩和をし、そして自由化して大いにやっていかなくちゃならぬときに、こういう問題があったのは残念であるという立場もあるわけです。  そこで、新進党としては、いろいろ今までの経緯と経過を研究しまして、一番にこの委員会証人要求したのは、長銀の頭取、第二地銀の会長、それから東京都の担当局長さん、これを要求した。それからまた、さらに勉強しまして、日銀の前の総裁の三重野さんということになった。そこから先のあなたと鈴木さんを呼んだ経過は、当事者ですから御存じと思いますから余り言いません。  そこで、まず、先ほどの質問者が藤井大蔵大臣云々と言いましたが、これはあなたに質問したり、あなたにお聞きする問題ではありませんが、六日の参議院予算委員会の総括質疑におきまして、責任者である西村銀行局長が、当時の銀行局長から、前蔵相というのは藤井さんに指示を仰いたことはないと聞いておりますということをはっきり参議院予算委員会総括のなにで答えておりまして、これは冒頭申し上げておかなくてはいけないと思います。  そこで、質問をあなたに申し上げるのは、まず経営の問題についてであります。最後に前の質問者がたったたった大急ぎで読みましたが、それを私は一つずつはっきり聞いてまいりますからよろしく。  それは、先ほどちょっとごらんに入れましたが、東京都知事からいただいた、これです。これは衆議院予算委員会提出資料その3、その中に「1.平成六年東京協和信用組合経営実態指導事項」、示達書を出せとたびたび決議しても出してきていない、そしてこの経営実態指導事項が来ております。したがって、私はこれからあなたに御質問をいたします。  そのまず第一は、何やかんやこう次々出てきておるのでありますが、あなたの「業務運営の状況」というのが詳しく書いてあります。  その前に、私は興味を持ったのはこれですよ、出資者。「出資者の状況」。というのは、出資者個人はあなたの組合で二千四百十三人、組合員総数三千百五人のうち、個人出資者は二千四百十三人、法人出資者は六百九十二とありますが、これ、間違いありませんか。
  117. 高橋治則

    高橋証人 正確にはわかりませんが、多分間違いないと思います。
  118. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 その次は、あなたの信用組合の「業務運営の状況」、東京都がいろいろ書いてきております。これはまあ後にして、今度は「貸出金の状況」。あなたの信用組合がいろいろ貸しておるというその中の一番最初に出てくるのが、「ゴルフ場関連資金の貸出も多くみられており、依然として業種に偏りが」ある、こう書いております。これは、先ほどの質問者もあなたにゴルフ場の件でいろいろ質問をいたしておりましたが、あなたの関係鈴木さんで二十二ないしは二十三のゴルフ場に貸し出しあるいは関係を持っておられると私は資料を持っておるのですが、あなたはどのぐらいだと思っておられますか。
  119. 高橋治則

    高橋証人 そんなにはないと思います。
  120. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 それでは、先ほど質問された人のそのままの全く違う立場から私はあなたにひとつ質問しておきたいと思います。  先ほどは西山荘カントリー倶楽部の件について質問がありましたね。あなたは、西山荘カントリーか――私が数えると二十二あるのです。そして、全部金額が書いてあるのです。もちろんこれは鈴木さんのもありますから、いろいろあるし、もう済んで貸し付けのないのもありますからね。そういう中で、この西山荘カントリー倶楽部に対して、あなたと鈴木さんとで金を貸しておりますね。そして、これはあなたが直接やったんですか、それとも長銀のある支店長の命令で、長銀が全部書類をつくって、これに貸してやれと来たんですか、どうですか。
  121. 高橋治則

    高橋証人 鈴木さんのところは、西山荘については関係ないと思います。西山荘は長銀の御紹介で融資をした件でございます。
  122. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 長銀のある人が書類まで全部つくって、これであなたに判をつきなさいと来たんじゃないんですか。
  123. 高橋治則

    高橋証人 はい、当初は長銀と私どもとの協調融資でございまして、担保管理長銀がやるということで、その管理を全部長銀がやっておりました。今でも長銀管理していると思います。
  124. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 この問題については、先ほどの質問者と私の質問したのと全然立場が違うのはよくおわかりで、私は、これは本来は長期信用銀行とあなたとの関係のときに次々出していくうちの、たくさんあるうちの一つにしようかと思っておったんですが、前の人がああいう立場で質問しましたから、私はそこら辺をはっきりしておこう。  ついでに、ゴルフ場の問題で東京都が認定しておりますが、あなたの今たくさんあるうちの、例えば大分フラワーカントリークラブそれから宇佐観光開発等々は、あなたと鈴木さん、きょう委員長がお尋ねしましたが、鈴木さんが一緒にやっておられますね。二人三脚だという。しかし、これらの中身をいろいろ調べてみると、これは後にも問題になるのですが、迂回融資じゃないかと、疑念が大変ある。例えば、こんなのにどうして百十四億も出ておるのと。現場の理事や支配人や重役は、協和から、安全から借りた覚えはないと、取締役会も開いてございません、こう言っておりますね。それなのに、百十四億両方合わせて出す。これは一体、迂回融資じゃないか、どう思いますか。
  125. 高橋治則

    高橋証人 宇佐観光、大分観光に関しましては、メーンが安全信用組合になっておりますので、できれば安全信用組合理事長に聞かれたら詳しくおわかりかと思うんですが、迂回融資、私ども迂回融資という理解をしているわけではなくて、つけかえ融資というふうに理解をしております。  迂回融資、先ほど申し上げましたが、ある新聞社が、長銀引き揚げ後にイ・アイ・イ・インターナショナルヘ百五十九億の迂回融資、こういう記事を掲載しておりました。これは全く事実に反することでございまして、既に長銀から御支援をいただく前にお借りした資金、あるいは長銀中に発生した資金、これが不稼働債権、不良債権という認定を受けまして、どうしても活性化をしなきゃいけない、それにはどこかの健全な企業につけかえなきゃいけない、こういう考えでつけかえ融資みたいな形をとっております。ですから、私ども迂回融資というふうには意識を持ってやっているわけではございません。
  126. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 あなたがゴルフ場関係でやったのは、独自にあなたが計画して、長期信用銀行が手を引いた後自力再建を試みる。そのためのあなたの考え方や論理あるいは経営というものはいろいろ聞いて調べておりますが、ゴルフ場だけ例にとっても、あなたの意思で全然ないところから命令があり、指示があって貸した分と、きょう午後に証人をお願いしておる鈴木さんと二人三脚でやって、そこにいろいろ疑わしい問題が発生しておるもの、プロパーで、独自でゴルフ場をやって自力再建への道を切り開こうとしたもの、三つ、この二十二、三あなたの関係しておるゴルフ場、あるいは融資したり融資が済んだ分のにあるなという印象を私は持っておるわけでございますし、先ほど申し上げました西山荘カントリー倶楽部の件については、相当詳しい調査をいたしております。これは、またいずれ村長銀の問題が起こってきたときには申し上げていかなくてはならぬかな、こう思うわけでございます。  そこで次に、貸し出しについての審査体制、あなたの信用組合の貸し出す際の審査体制が「貸出審査は、審査部長、本店次長が中心となって行っているが、大口貸出については下記貸出審査会で実施している。」それを「平成五年十一月、各部長で構成する「貸出審査会」を発足させたもののこここから先が問題で、「発足させたものの、単なる意見具申のみで、実質的な審査機能を発揮するまでには至ってない。また、理事関連貸し出しについてみると、理事会で一括事後承諾を得るなど、厳正さを欠く取扱がみられている。」ということで、そして、それに対して、特にあなたがやっておるイ・アイ・イ関係についてはそういうケースがたびたびあった。具体的に、こういう貸し出し、こういう貸し出しというのがあるんですが、これはどう思いますか。
  127. 高橋治則

    高橋証人 先ほども御説明を申し上げたと思うのですが、理事会、これは定例理事会と申しますが、月に一回ございます。これはもう二十数年前からの規定で、定例理事会を設けて常勤理事会に委託をするという、こういう形になっております。  ですから、私どもの案件で理事会を通さないで処理をしたというケースは、私はないという報告を聞いております。一度新聞理事会承認なしに行われたという報道が載ったのですが、私がチェックいたしましたら、単なる事務的なミスで数件記載漏れがあった、これは東京都の指導があって次の理事会で決議された、こういうふうに聞いております。  それから、審査会につきましては、これも正式機関ではなくて、ある意味では理事長の諮問機関みたいなもので、理事長関連融資というものの実態を私はできるだけ理解をしていただこうと思いましてつくったものでございますけれども、私も組合以外の仕事もたくさんあったものですから、数多くの幹部の人に説明する時間もなくて、説明不足もあったと思うのです。それでなかなか判断がつかないために、否決というような局面も何回かあったというふうに聞いておりますが、これは正式なものではなくて、最終的には常勤理事が判断をして決めるということでございますので、決して独断でやったということではないと私は理解をしております。
  128. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 そう言われても、やはり理事長というものが責任をとらなくちゃならないわけなんですよ。  そして、そこでいろいろ出てきておるのは、その審査で、本来で言うと九〇%は否決されるべきものであった、あるいはその中には担保不足のものもあった。二月二十七日にあなたは新しい執行体制から告訴を受けました。そして、検察庁と警察庁に受けられた。背任容疑ということですね。背任容疑の中身は、告訴の中身は、私はまだ読んでおりませんからわからぬが、私たちが東京都からいただいた資料で今御質問しておるのですが、そういう問題がある。  それからその次に、債権管理・回収体制、こういうことがいろいろ書いてありまして、「管理部長は、依然として審査関係担当が兼務しており、債権管理・回収体制としては、整備されていない。」こう書いてあり、そして協和信用組合がイ・アイ・イ・グループに融資したものの中に、いわゆる百億円近くのもので登記留保してある、抵当権の設定をしてない。これはおかしいのじゃないかというのも、この債権管理あるいは回収体制の一部として言われておるのですが、これはどうですか。そういう点を認めますか、認めませんか。
  129. 高橋治則

    高橋証人 登記留保にしてあるのは、大抵ゴルフ場案件ではないかと思います。  通常ゴルフ場案件は、会員権販売なんかも伴いまして、管理できる状態であれば抵当権留保でも私は構わないというふうに解釈をしております。
  130. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 次から次へあるのでございますが、証人に申し上げますが、私は池に落ちた犬をたたこうと思っておるのではないですよ。先ほども申し上げました。金融管理システムというものをしっかりしていかなくちゃならぬ。  そこで、今回こういう問題で、たびたび言いますが、いつ、どこで、だれが、どういう基準で共同銀行設置を決め、推進しようとしたのかということをはっきりしておきたい。  そこで、先ほども委員長の質問並びに前任者が共同銀行問題についてはあなたにお聞きしておりましたから、私はどちらから入ろうかな、時間が余りないと思うのですが、もう一度まず確認しておきます。  あなたは、この共同銀行構想といいますか、これをいつ、だれから、どこで教えてもらいましたか。
  131. 高橋治則

    高橋証人 正確には十二月の六日、東京都で伺いました。
  132. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 その構想を聞いてあなたはどう思いましたか。
  133. 高橋治則

    高橋証人 そのときはよくシステムの内容がまだわからなかったのですが、今回のようなケースは、日本長期信用銀行が深くかかわり合っておりますし、日本長期信用銀行と私とで相談をして解決していくのが一番いい道だというふうには私は考えておりました。都民の税金を使って救済するということについては、私自身は本意ではございません。
  134. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 あなたがこの共同銀行方式をしからば考えたのでも、推進したのでも、政治家や役人に働きかけたのでもないのですか、はっきり証言できますか。
  135. 高橋治則

    高橋証人 はい。全くございません。
  136. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 しかし長銀が、あなたは救ってくれるという、しからば甘い判断というか、判断は誤ったわけですね。それをどう思いますか。
  137. 高橋治則

    高橋証人 資本の関係、人的関係、物的関係、いろいろな関係がありますので、もし何かがあれば当然そういう形になるのではないかというふうには思っておりました。
  138. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 そこら辺のわきの甘さというか、甘さがいろいろある面では今回あるのじゃないかと思いますが、少しあなたも――まずもう一つ共同銀行問題で質問しておきますと、国や都の金が動けば高橋治則という男は大悪人になる、こういう感じを持ちましたか、持ちませんか。
  139. 高橋治則

    高橋証人 持ちました。
  140. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 そこに今回の、国民やある面では都民の怒りがあったわけでございますけれども、そこで長銀関係いろいろあるんですが、まず伺っておきたいのは、あなたは今まで長銀の堀江頭取、亀田副頭取、あるいは相談役でいらっしゃる杉浦さんと何回ぐらい、何十回ぐらいお会いになりましたか。
  141. 高橋治則

    高橋証人 杉浦さんとは二、三回しかお目にかかったことがないと思います。堀江頭取は、副頭取のころからですから、やはり七、八回会っているのではないかと思います。亀田副頭取も十回ぐらいは会っているのではないかというふうに思います。
  142. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 その、そういう二人三脚でレジャーや油やいろいろのことをやってきておられるわけでありますが、長銀並びに長銀グループに対して、イ・アイ・イ・グループは最大借りておったのは幾らになりますか。
  143. 高橋治則

    高橋証人 正確ではないかと思いますが、日本長期信用銀行及び長銀グループのノンバンクと合わせて五千億から六千億ぐらいではないかと思います。
  144. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 そこで、いろいろな質問をしなくてはならぬわけでございますが、まずこういう文章が出てくるわけですが、平成三年六月、あなたが塩原俊彦さんという人に会っておるんですね。そのときに「いまでは籠の鳥ですよ。長銀許可がなければマスコミの人にも会えない」こういうことをおっしゃったり、「去年の九月」というと平成二年の「九月以来、海外にもなかなか行けなくなった」、これはまだ、長銀があなたのところの打ち上げを決定したのは平成五年七月九日、宮澤内閣、林義郎大蔵大臣だった。その裏をこれから次さ言っていきますが、その二年前、こういうことを言ったという覚えはありますか。
  145. 高橋治則

    高橋証人 多分それに近いことを言ったという記憶はあります。
  146. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 それは平成三年六月十八日、アエラヘ載っておるのですよ、詳しく全部。だから記憶があるかないか、自分の記事がこんなに大きくはっきり出ておったのですから、その程度のものならいいわけですが。  その次に、ちょっと二、三聞いておきます。  あなたは平成元年五月に香港のボンドセンター所有権を獲得している。これは相当もうかる。現実にそうなることがどんどんあったのですが、いつだれの命令でこれを売りましたか。
  147. 高橋治則

    高橋証人 売った日時は正確には覚えてないのですが、長銀の命令で売却をいたしました。
  148. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 それでは、これはレジャーとは申さぬが、日本国家のためにというかどうか知りませんが、随分あなたは油の採掘を東南アジアあちこちに頑張っておられたようですが、平成元年、オーストラリアのダーウィンの西のEP32の鉱区を獲得した、相当有望であるということを当時いろいろ騒いだのでありますが、これも手に入れたのが約七、八百億円、七億豪ドルでやっておるのですが、これを平成三年九月に売っておりますね。だれの指示で売ったんですか。
  149. 高橋治則

    高橋証人 これも長銀だというふうに記憶をしております。
  150. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 何もかんも長銀ですか。  その次に、今脚光を浴びつつあるのがあるんですが、これはベトナム南部沖の石油・ガス開発問題でございます。  平成四年一月に基本条件合意書をベトナム政府とあなたのところで交換しておる。そしていよいよ、どんどん進んで、あなた自身が知人に、これで我がイ・アイ・イの再建のめどは立った、これで再建ができると言ったというのがあるんですが、ところが、平成四年六月四日の生産分与契約というものが発表されてみると、イ・アイ・イ・グループはおろされておる。あなたがイ・アイ・イ再建のこれを柱にすると言っておったうまいものがおろされた。これはだれがどういう方法でおろしたんですか。
  151. 高橋治則

    高橋証人 もともとがイ・アイ・イとアラビア石油との五〇%ずつの合弁でございましたが、イ・アイ・イが長銀管理下になってからは、ほとんどその件に関しましては長銀がコントロールをしておりました。
  152. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 それで、長銀から三十数名乗り込んできた。いろいろな人々の関係や何かをやろうと思うたらもう時間が来ましたから、もう一つ、もう一つお尋ねしておきます。  これはフランスにおける訴訟事件に絡む問題として、エリゼ宮の向かいにありますフランス電力公社ビル、この問題のごたごたがあって、イ・アイ・イと長期信用銀行が訴えられそうになった。これが平成五年の春ごろあった。あなたは記憶にありますか。
  153. 高橋治則

    高橋証人 はい、記憶にございます。
  154. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 そこで、長銀が急速イ・アイ・イと手を切る、そしてあなたのところの貸し付けの問題について、もうこれは我々もいろいろ奨励した時期もあるわけですけれどもバブル崩壊に伴う金融機関のいろいろの処置、いっぱいあります。いっぱいあるんですが、それをどうやって処置させていくかというので、長銀も、私が先ほど言いました平成五年の春から日本銀行、大蔵省に根回しをし、特に国税当局にも根回しをして、あなたのところを切り捨てた分を不良債権として償却するという動きを起こして、実はまあその経過と経緯だけで私は全部質問したかったのでありますが、ほかのことを前の質問者が若干言われたので触れざるを得なくなったんですが、そのときの経緯で、あなたに、平成五年七月九日に長銀は打ち切るんです、宮澤内閣ですね。  その前に長銀大蔵省日銀に、こうこう、こうこうであなたのところを引き揚げます、よってそのうちのこれだけの八百億を不良債権としてこうこう処置しますという根回し、了承をして、それのオーケーをもらって、あなたのところを打ち切るわけですが、あなたのところへはいつ、だれが言ってきましたか。
  155. 高橋治則

    高橋証人 これも突然でございまして、長銀が引き揚げる大体十日ぐらい前に私が呼ばれまして、突然、支援打ち切りを決定した、こういう通知を受けました。
  156. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 この証人には、私、別の機会に、長銀から三十名のうちの役職のある部長以上、重役等がイ・アイ・イ並びに協和信組に関与した中身を別の機会に詳しく申し上げたいと思いますが、きょうはあと同僚の月原議員に譲りたいと思います。  御協力ありがとうございました。
  157. 佐藤観樹

    佐藤委員長 この際、月原茂皓君から関連発言申し出があります。加藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。月原茂皓君。
  158. 月原茂皓

    ○月原委員 証人にお尋ねしますけれども証人は、信用組合というのは公的な色彩の強い機関であるという認識を持っておられたのかどうか。そしてその場合に、今少し説明がありましたが、平成五年十一月より貸出審査会というものをつくった、あるいは理事会が当たった、そういうことについて、どういうふうに重要なことについて諮ったのか。  東京都の検査によれば、それが十分行われてない。今の答弁、お話の中には、たまたまそういうことがあったんだと、非常に軽い位置づけに、その審査会でしたことを、後で承認を受けたこと等を軽く考えておりますが、これは普通の私的団体ではなくて公的な団体であるだけに、この位置づけをどう考えていたのか、お尋ねしたいと思います。
  159. 高橋治則

    高橋証人 もちろん私は信用組合は公的機関ということの認識を十分持っております。職員の幹部の人たちにも、非常に融資選別については、できるだけ具申をしていただきたいというつもりであえてこの審査会というのも設置をし、理事会の充実を図ったりと、いろいろな作業をしてまいりました。こういう立場で言うのは大変潜越かと思うのですが、できる限り組合のためになるようにしてきたつもりでおります。
  160. 月原茂皓

    ○月原委員 それでは証人にお尋ねしますけれども大口貸し付けの限度というものをどう認識しておるのか。それから、員外貸し付けについても同様であります。さらには、員外預金ということについて、その限度というものをどういうふうに理解されていたのでしょうか。
  161. 高橋治則

    高橋証人 これは東京都からも御指摘を受けておりまして、大口貸し出しの解消というのは毎回御指導をしていただいております。  私どももできるだけ早い時期に解消したかったのですが、当初赤字を抱えておりまして、どうしても収益の回復を図らなきゃいけない、赤字が回復したら、組合に含み益が全然ないものですから、資産が全然ないものですから、多少の資産を持たなきゃいけないということで、東京都の御了解もいただいてやってきたつもりでおります。  それから、員外貸し付けについては、員外貸し付けというケースはほとんどないと思います。  員外預金につきましては、都市型信用組合では大半が員外預金を扱っていると思います。
  162. 月原茂皓

    ○月原委員 今東京都がその承認をしておったというふうに言われましたが、どういうことを通じてそれを証人は理解したのですか、そういうふうに認識したのですか。
  163. 高橋治則

    高橋証人 ほとんどの案件につきまして事前に東京都に承認を求めてきておりました。
  164. 月原茂皓

    ○月原委員 それでは、法に反すること、それは東京都が事前も含めて認めていたというふうにとれるのですが、それでよろしいのですか。
  165. 高橋治則

    高橋証人 もちろん好ましいということではありません。できるだけ早く解消するようにという御指摘はいただきましたが、御承認をいただき、決算承認もいただき、配当の承認も今までいただいてきておりました。
  166. 月原茂皓

    ○月原委員 今東京都の責任の問題がここに登場したと思いますが、しかし、そこで証人に認識しておいてもらいたいのは、いかに都が、仮にですよ、その決算とか配当とかを承認したからといって、信用組合そのものは法のルールに基づいてちゃんと設置されておるし、その範囲内で努力しなければならないのであって、仮に救済するためなら法に反してでもいいんだというならば、法改正の問題もあるし、そういうふうなことからいって、ルールの中でやらなければならなかった。  仮に都が大目に見てくれたからといっても、これは法に反したことを認めた、そして法に反した行動をしていいということではないという認識がなければ、公的機関の長としての、私は資格が問われる問題だと思うのですがね、どうでしょう。
  167. 高橋治則

    高橋証人 おっしゃるとおりかと思うんですが、ほとんど新規大口というのは、さっき申し上げましたつけかえ融資というような形が多かったものですから、新規融資の大口というのは私の記憶では余りなかったように思います。
  168. 月原茂皓

    ○月原委員 次に、ちょっと観点を変えて御質問しますが、主力銀行が支援を打ち切った先に、俗に言えば息の根がとまったようなところへなぜ信用組合融資するのかという、この素朴な疑問ですが、それについてはどうでしょう。
  169. 高橋治則

    高橋証人 これも先ほど申し上げましたが、長銀支援を打ち切ったときの七月末借入残高が三百七十億円、翌年の九月三十日末残の残高が四百二十五億と申し上げました。五十五億円増加しております。これは健全な企業への開発資金運転資金であります。これは全部合わせますと三十数社の分の合計だと思います。
  170. 月原茂皓

    ○月原委員 今お話しのときに、長期信用銀行が打ち切った後、自信があるならば他の金融機関融資をしてもらいたいということをまず模索するのが――あなたはその信用組合理事長であるけれども、あなたの方に流すということは、これは理事会承認を得なければならない。そういう、法律からいっても、やはり法の全体の趣旨からいったら余り好ましい方向ではないわけですよね。だから、むしろ他の金融機関にその努力をまず求めるべきでなかったかと思いますが、その点はいかがでしょう。
  171. 高橋治則

    高橋証人 おっしゃるとおりでございまして、長銀が引き揚げて半年ぐらいやっぱりかかったと思うんですが、新たな金融機関にお願いをしまして六十数億の新規借り入れをしております。
  172. 月原茂皓

    ○月原委員 新たな融資をする際に、担保は十分なものであったのでしょうか。東京協和信用組合理事長関連する企業融資をする場合、担保はどのようなものであったのか。そして、その優先順位が、いかに物がよかったとしても、ほかのいろいろな優先、先の権利を持っておる担保が設定されておったのでは力がないわけですから、その点もどういうふうな状態だったのか。
  173. 高橋治則

    高橋証人 私は担保は十分だというふうに理解をしております。
  174. 月原茂皓

    ○月原委員 その点は事実が後に証明することだと思います。  それで、先ほどの委員長の質問に関して、証人は、信用組合を救うために、自分の企業がもっと安い金利で借りられたのを、あえてよくするために金利の高いので借りたんだというふうな話がありましたけれども、これはいってみたら、商法二百六十五条ですか、利益相反取引の趣旨に大いに反することなんですね。  ですから、いってみたら、おたくの方の企業の方はやはり取締役会がどこかで、そういう高い金利のものを受けるんだ、こういうふうにしたのかどうか。ただあなたの独断でやったとすれば、私はこの商法の問題が出てくるんじゃないかと思いますが、どうですか。
  175. 高橋治則

    高橋証人 ほとんど個人会社でやったと思いますので、株主からの問題というのはないというふうに解釈をしております。
  176. 月原茂皓

    ○月原委員 全く個人会社ならいいですよ。家庭で借りるのを、まああいつ救うてやらぬといかぬで少し高い金で借りたるかという、それはいいですよ。しかしいやしくも、従業員を抱え、そして社会的に認められた存在ならばですね、それをそういうふうな、救うためにあえて高い金利で金を借りるということについては、やはりその中の決定を得なければ私は、あなた、両方の立場ですけれどもね、その点は私は抜かっておったと思いますよ。  そこで次に、長期信用銀行との関係、既にお話がありましたけれども長銀が九〇年七月に関連ノンバンク、不動産会社七社を通じて東京協和信用組合の資本金の四九・二%の増資に応じたという報道がありますが、それは事実でしょうか。そして、それをどう考えておられますか。
  177. 高橋治則

    高橋証人 はい、事実でございます。  ただ、協同組合の場合には株式会社と違いまして、一口、一出資といいますか、必ずしも、一億でも一万円でも出資権というのは同じでございますから、そういう意味でいきますと、株式会社とはちょっと性格が違うというふうに思っております。
  178. 月原茂皓

    ○月原委員 まあとにかく、長銀信用組合の資本金の四九・二%の増資に応じたということでありますが、言ってみたら、これはしかし、中小企業協同組合法十条三項に組合員の出資口数は出資口数の百分の十を超えてはならないとされているが、私は、それは実質的な脱法行為じゃないかなという、こう感じがしておるからあえて聞いたわけです。  時間がないので続いてお尋ねしますけれども長銀との関係についてですね、先ほど加藤議員からもお話がありましたが、西山荘及び日本企画の貸し出し、これについては長銀新宿支店長の依頼で実行した、そして借り入れ手続等のすべては同行員を通じて行われた、長銀が責任を持つとの約束であったということが我々の調査でわかっておるんですが、そのとおりですか。
  179. 高橋治則

    高橋証人 大方そのとおりだと思います。
  180. 月原茂皓

    ○月原委員 それでは、もう一つ事実関係をお尋ねしますが、やはり出向されておる田中さんという方が、この方は平成三年、イ・アイ・イ・インターナショナルの副社長、そして三年三月はイ・アイ・イの取締役ということでありますが、長銀の意を受けて、協和の経営を掌握して、そして組合役員と数度都庁を訪問し、都からの改善指導事項について意見を述べる等して協和信用組合経営に参画したと。この身分は、長銀から出向しておって、しかもイ・アイ・イの役員として出ておるわけですね。具体的に言えば、それは信用組合役員じゃないわけですね。それで都庁に出かけておる。こういうことで、非常に問題をはらんでおるんですが、こういう事実がありましたか。
  181. 高橋治則

    高橋証人 はい、ありました。
  182. 月原茂皓

    ○月原委員 時間が終わりましたので、これで終わります。ありがとうございました。
  183. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて加藤君、月原君の発言は終わりました。  次に、正森成二君。
  184. 正森成二

    ○正森委員 短い時間ですが、伺います。  先ほどの同僚委員との証言の内容の中で、政界との関係については実名をお出しになって相当お述べになりました。そのときに、官界について聞くと言われながらお聞きになりませんでしたので伺いますが、政界で名前が出てきている中西啓介さん、あなたが六千万円もパーティー券を買ったと言われる方ですが、その中西さんの囲む会というのが赤坂の料亭で行われたと思いますが、そこには大蔵官僚等も出席しませんでしたか。で、その席にあなたは出席していませんでしたか。もし大蔵官僚が出席していたら、御記憶にある高級官僚の名前をおっしゃってください。
  185. 高橋治則

    高橋証人 私は、私はほとんど出席しておりません。何回か出席したことはあると思います。
  186. 正森成二

    ○正森委員 後の方の質問にはお答えになっておりませんが、例えばきょう、広く読まれております週刊誌によりますと、そのうちの一人とあなたは、平成四年にあなたの自家用飛行機で、専用の飛行機で香港まで遊びに行ったということも報道されておりますが、その人物についても記憶ありませんか。田谷という名前です。
  187. 高橋治則

    高橋証人 はい、御一緒したこと、ございます。
  188. 正森成二

    ○正森委員 大蔵官僚とそういう自家用飛行機で香港まで遊びに行くのは異常なことですが、その人は、もちろん赤坂の料亭の「佐藤」その他に来ておりましたね。
  189. 高橋治則

    高橋証人 余り料理屋なんかでお会いしたことはありません。
  190. 正森成二

    ○正森委員 あなたは去年の秋ごろ、来年の春になれば非常にでかい救済策が発動されるということで、主として住宅専門会社などを念頭に置かれたようですが、そういう重要な情報を側近に漏らされたことはありませんか。それはどこから入手されたのですか。
  191. 高橋治則

    高橋証人 全くありません。
  192. 正森成二

    ○正森委員 それでは別のことを伺いますが、あなたは、日本長期信用銀行ですね、長銀と言います、相当深い関係がおありで、海外の事業の積極展開は、その協力、特にその当時副頭取であった堀江さんの協力がなければ行われなかったように聞いております。  あなたは、八九年ごろ東京協和経営を任せたいという気を持っておられて、長銀の重役、岡本さんとか鈴木さんとかと相談されて、その結果、日暮康男という方が非常勤顧問に来て、イ・アイ・イにも役員として参加されたというように聞いております。その後、取締役・福岡支店長の田中重彦さんもおいでになって、イ・アイ・イの副社長に就任された。それらの方々に日計表等をことごとく出しておったので、経営については逐一管理下に置かれておった、九〇年バブル崩壊後ですね、ということですが、それは本当ですか。
  193. 高橋治則

    高橋証人 はい、私はそういう理解をしておりました。
  194. 正森成二

    ○正森委員 あなたは先ほどの証言の中で、最盛時に長銀から五千億ないし六千億融資を受けておったと言われますが、恐らく長銀がそういうようにあなたの方に役員を派遣し、かつ人員を派遣したのは、それを回収するためが非常に大きな目的だったと思いますが、結局九三年七月時点でどのぐらいまで回収されましたか。
  195. 高橋治則

    高橋証人 正確には覚えておりませんが、三千億近くは回収したんじゃないかと思います。
  196. 正森成二

    ○正森委員 半分以上が回収されたということになります。  ところで、あなたは九三年七月に長銀が急速撤退するについては、先ほども同僚委員からの質問でごく簡単に触れられましたが、フランスのある会社ですね、ジュベリエ社というのだそうですが、そこに百五十億円債務保証といいますか、しておられて、それについて、実質的な支配者は長銀だというので、長銀に責任が及ぶおそれがあるので急遽撤退したのではないかということをあるマスコミに述べられております。これは非常に重要なことですが、それについてもう少し詳しく述べてください。
  197. 高橋治則

    高橋証人 私が長銀の担当役員から聞いた話によりますと、イ・アイ・イ支援打ち切りの最大の原因は、フランスの銀行から訴えられる可能性があるからだ、それともう一つは、どうしても無税償却をしたい、無税償却をするには、人を派遣していると大蔵省の方で認めてもらえない、ついては引き揚げる、こういうように言っておりました。
  198. 正森成二

    ○正森委員 長銀の非常な自己都合であったということを言われたわけですが、最後に、私は時間がございませんので、長銀が撤退されてから後、あなたはゴルフ場などの経営をさらに強化して、不良債権の率を減らして会社再建させようとしたという意味のことを言っておられます。しかし、それにはまず大口で預金を集めて、そしてあなたが優良と思われるところへ融資して、不良の率を下げなきゃなりません。  そこで、あなたは大口の融資をたくさん集められたのですが、約五百億円以上と言われる大口融資は、ほとんど全部営業サイドを通さないであなたの人脈によって集められたというように言われておりますが、いかがですか。
  199. 高橋治則

    高橋証人 全部が全部そういうわけではありません。十店舗。東京協和三店舗、安全七店舗ございますし、提示金利が割合高かったことですから、一般の預金がほとんどだと思います。
  200. 正森成二

    ○正森委員 その際に、小松原研修事業団というものの川又秀信社長というのとお知り合いになりましたか。
  201. 高橋治則

    高橋証人 はい、存じ上げております。
  202. 正森成二

    ○正森委員 その方に、大口預金を集めていただきたい、そうすれば優遇の金利、場合によったら裏金利も出すというお話をされたことがあるのではないですか。
  203. 高橋治則

    高橋証人 はい、そういう話を何回も持ってこられましたが、あるいは人を連れて組合に参りましたが、私は全部お断りをいたしました。
  204. 正森成二

    ○正森委員 そういう話を持ってこられたことは事実ですね。  その川又さんを通じて、有力な労働組合からも預金を集められたのではありませんか。
  205. 高橋治則

    高橋証人 川又氏の関係で集めたというふうには私は思っておりません。
  206. 正森成二

    ○正森委員 それでは、どの御紹介で、あなたに余り縁がないと思われるそういうところから大口預金を集められたのですか。
  207. 高橋治則

    高橋証人 もともと安全信用組合の営業努力で既に預金実績がございました。私の理解は、そういう関係で、単なる預金金利が高いということでしてくれたというふうに思っております。
  208. 正森成二

    ○正森委員 時間が参りましたので、終わります。
  209. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて正森君の発言は終わりました。  次に、海江田万里君。
  210. 海江田万里

    ○海江田委員 きょう当委員会に四枚つづりの資金繰り表を出していただきました。これは恐らく、これ日暮さんのサインがありますから、毎日こうやって報告をしていましたよという書類だろうと思うんですが、一つ気になる点がありまして、たかおビル開発でございます。二億円のお金が、これは期日が来て出ておるのですけれども、実はこのたかおビル開発、平成六年の二月の時点で四十億の定期預金がありますね。しかも、利率が五・七%でありますね。当委員会に出しましたこの三月末の一億円以上の書類を見ますと、四十億のこの預金がすっぽり抜け落ちておるのですね、これは。  三月末というのは、金融機関にとりましては期末ですから預金をふやさなきゃいけないわけですよ、一生懸命。ところがこれが、四十億ものお金が二月にあって、ここで消えた、しかも五・七%つけておる。非常にこの預金は、そういう意味では、なぜこの時点でおりて、そしてそれに対してそのまま継続のお願いをしなかったかということが不明なんですけれども、一つお尋ねしたいのは、たかおグループ、これはいろいろなグループ各社がございますけれども、ここに協和からあるいは安全からどのくらいの融資をしておりますか。
  211. 高橋治則

    高橋証人 融資に関しましてはほとんどないというふうに思います。
  212. 海江田万里

    ○海江田委員 これは非常に重要な証言ですので、そこのところをよくお考えいただきたいわけですけれども、全くないということで、全くなのかほとんどなのか。
  213. 高橋治則

    高橋証人 私はないと記憶をしておりますが、ちょっと、正確にはちょっと調べてみないとわからないと思います。
  214. 海江田万里

    ○海江田委員 これは関連会社でも融資がありますと導入預金の可能性がありますので、その点を申し上げているので、それは恐らくおわかりになって非常に慎重な物の言い方をしておると思いますが、このたかおグループというのはこれまで余り資料には出ておりませんけれども、私は、やはり四十億からのお金があるということ、しかも実は協和だけじゃありませんで安全にも同じぐらいのお金がありますね、これは。おわかりになっておったら教えてください。
  215. 高橋治則

    高橋証人 正確な金額はわかりませんが、数十億ぐらいの預金はあったと思います。  ただ、先ほど先生が申し上げました、三月でおりているというのは、先方も恐らく決算期ではなかったのではないかと思います。
  216. 海江田万里

    ○海江田委員 わかりました。  それでは、本当に私は時間がありませんので早口でございますけれども、先ほど政治家との絡みで何人か名前が出まして、新生党のOさんという名前、これは小沢さんのことだろうと思うのですが、その三十億円は出しましたかという野呂田委員の質問に対して、出したことはないということですけれども、三十億円出したことがないのか、それともお金を一切出したことがないのか、教えてください。
  217. 高橋治則

    高橋証人 お金を出したことがないということです。
  218. 海江田万里

    ○海江田委員 じゃ、新生党にはお金を出したことがありますか、ありませんか。
  219. 高橋治則

    高橋証人 ありません。
  220. 海江田万里

    ○海江田委員 ないわけですね。はい。  それでは、あとお役人との絡みでございますけれども、一緒に行ったということはお認めになった。その飛行機代は受け取ったのですか、どうですか。
  221. 高橋治則

    高橋証人 飛行機は自家用でございますから、五人乗ろうが十人乗ろうが、余り運賃をいただくというようなことでもないですから、これは特にいただかなかったと思います。
  222. 海江田万里

    ○海江田委員 それから、料亭なんかに行きまして、ツケ回しというのですけれども、要するに自分らが飲み食いをしてそのお金高橋さんの関連会社にそういう伝票が回ってきたということはありませんか、ありますか。
  223. 高橋治則

    高橋証人 ありません。
  224. 海江田万里

    ○海江田委員 これは全くないということですか。知らないということなのか、そういう事実は全くないということなのか。
  225. 高橋治則

    高橋証人 私の記憶では、私の認識では、ないと思います。
  226. 海江田万里

    ○海江田委員 認識では、ないということですね。じゃ、事実としてはあるかもしれないけれども、私の知ったところではないということだろうと思います。  それからあと、高金利ですけれども、先ほどは、非常に一人当たりの預金の量が多いから、あるいは収益性がいいからそういう高金利をつけておったということですけれども、私が聞いております範囲では、実はこれは預金としての認識がないのだ、理事長が。預金じゃなくて、それこそ信用組合という組織を持っているから、そこにみんなが無担保で融資をしてくれるんだ。無担保でしてくれる融資に対しては、五%ぐらいの金利をつけても、これ、当たり前だから、そこで五%とか四%以上とかいうそういう金利が出てきたんだということを私は聞いたことがあるのですが、そういうような発言をした、あるいはそういう考え方に対してどういうふうな感想をお持ちですか。
  227. 高橋治則

    高橋証人 いや、融資というような考え方は全くありません。やはり先ほど申し上げましたように、預金コストが競争力があるという、これは私は金利自由化に備えて何年も前から組合のためにやってきたことでございます。
  228. 海江田万里

    ○海江田委員 じゃ、時間が過ぎましたので。
  229. 佐藤観樹

    佐藤委員長 以上をもちまして高橋証人に対する尋問は終了いたしました。  御苦労さまでございました。御退席くださって結構でございます。  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十九分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議
  230. 佐藤観樹

    佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  予算実施状況に関する件の調査に関し、東京共同銀行問題について、鈴木紳介君より証言を求めることといたします。  この際、証言を求める前に証人に一言申し上げておきます。  昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によって、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。  宣誓または証言を拒むことができるのは、まず、証人証人配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または証人とこれらの親族関係があった者及び証人後見後見監督人または保佐人並びに証人後見後見監督人または保佐人とする者が、刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときであります。また、医師歯科医師、助産婦、看護婦、弁護士、弁理士公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについても、本人が承諾した場合を除き、宣誓または証言を拒むことができることになっております。  証人宣誓または証言を拒むときは、その事由を示さなければならないことになっております。  証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられ、また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  以上のことを御承知おきください。  次に、証人補佐人助言を求めることが許される場合について申し上げます。  すなわち、証人は、宣誓及び証言の拒絶に関する事項に関し、補佐人助言を求めることができることとなっております。  助言は、その都度証人委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。  なお、補佐人は、みずから発言すること及びみずから証人助言することはできないことになっております。  次に、今回の証人喚問に関する理事会申し合わせについて申し上げます。  その第一は、資料についてであります。  証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会提出していただくことになっております。  その第二は、証人メモをとることについてでありますが、尋問項目程度は結構でございます。  なお、補佐人メモをとることは構いません。  以上の点を御承知おきください。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めることにいたします。全員起立を願います。     〔総員起立
  231. 佐藤観樹

    佐藤委員長 議院証言法第五条の三の規定によりまして尋問中の撮影許可しないことになっておりますので、これより鈴木紳介君の証言が終了するまで、撮影は中止してください。  それでは、鈴木紳介君、宣誓書を朗読してください。
  232. 鈴木紳介

    鈴木証人       宣 誓 書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います   平成七年三月九日                鈴木 紳介
  233. 佐藤観樹

    佐藤委員長 宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  234. 佐藤観樹

    佐藤委員長 御着席を願います。  これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長許可を得てなされるようお願いいたします。  なお、こちらから質問をしているときは着席のままで結構でございますが、御発言の際には起立してください。  委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で重要な問題について証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないように特に御協力をお願いいたします。     ―――――――――――――
  235. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これより証人に対して証言を求めます。  まず、委員長より委員会を代表して総括的にお尋ねをして、その後、委員各位発言を願うことといたしております。  それでは、私からお尋ねいたします。  あなたは鈴木紳介君ですか。
  236. 鈴木紳介

    鈴木証人 はい。そのとおりでございます。
  237. 佐藤観樹

    佐藤委員長 生年月日、住所、職業をお述べください。
  238. 鈴木紳介

    鈴木証人 昭和二十三年五月二十三日生まれでございます。住所は、世田谷区用賀一の十の二十八でございます。
  239. 佐藤観樹

    佐藤委員長 職業。
  240. 鈴木紳介

    鈴木証人 職業は、会社役員でございます。
  241. 佐藤観樹

    佐藤委員長 それでは、お尋ねいたします。  去る二月十五日に東京都が当委員会提出した資料によると、当時理事長であったあなたが、事前に理事会に諮ることなく、みずからの関係する企業東京協和信用組合高橋理事長関係する企業グループ法定限度額超過貸し出しを行い、さらに、経営実態の不明な企業債務超過企業貸し出しを行ったことから多額不良債権が生じ、回収困難と見込まれる債権額多額になったことが明らかになっております。  一つ、以上の明らかになった点を含め、あなたの関連する企業等への大口貸し出し高金利による預金獲得など、安全信用組合経営実態について。  二つ目、その経営に関し、東京都からどのような指導を受け、また、どう対応したのか。  三つ目、東京協和信用組合高橋理事長とあなたの関係及び高橋理事長関係する企業グループ多額貸し出しをするに至った経緯とその理由について。  以上、経営破綻に至るまでの経緯とその事実関係についてお述べください。
  242. 鈴木紳介

    鈴木証人 お答え申し上げます。  私は、昭和五十八年の六月に、先代の理事長が亡くなりました後を継ぎまして理事長に就任いたしました。その折の安全信用組合経営実態は極めて憩うございまして、実に不良債権多額に散見されました。また、先代の理事長がお決めになった本店の移転、また支店の設置、職員の給料の改善、福利厚生等さまざまな難問題を抱えての就任だったわけでございます。  しかし、それらを再建するためには、どうしても、従来の信用組合の手法というのは、やはり小口で集め、小口で貸す、経営基盤の安定という大項目を我々は、しょっていたわけでございますが、しかし、それだけではやはり安全信用組合再建にはとてもおぼつかないほどの不良債権額でございました。したがいまして、私の友人、また安全信用の後援者の皆様方に御相談をさせていただきまして、その打開策を図ったわけでございます。その一つとして、大口信用集中という緊急やむを得ない避難措置をとったわけでございます。  私ども都市型信用組合というのは、やはり都市銀行さん、大手の銀行さんと競争していく中で、どうしても夜間人口が少ない、昼間の中で勝負をしなきゃならない、またネームバリューがない、資産がない、いろいろ、ないない尽くしでの商売をしていくわけでございます。そういう中で、その都市型信用組合の悲哀とでも申しましょうか、やはり各支店、幾らハッパをかけてもなかなかこの不良債権は従来の方法では回収できないと判断いたしました。そして、高橋さんに御相談をさせていただいて、大口、すなわち大口信用集中の貸し出し、また預金を獲得して不良債権の回収に当たってきたわけでございます。  またもう一つ、私どもはどうしても含み資産がございません。したがいまして、やはり何としても関連会社機構というのをつくっていかなきゃならないと私は考えたのです。やはり関連会社をつくるというのは、すなわち不良債権が発生したときにそれを買い取る、今都市銀行さんで言われている買取機構でやるわけです。また、関係会社にはめ込んでいって、不良債権健全化していく、そして安全信用の利益を守っていくというのが基本理念だったと思います。  またそれと、安全信用は当時定着率、職員の定着率がすごく悪くて、やはり将来性がないという理由で若い職員がやめていかれたわけでございます。私もそれに心を痛めまして、やはり将来再就職ができる、安全信用で一生懸命勤めれば再就職ができるということで関連会社構想に踏み切ったわけでございます。しかし、それがバブルの崩壊と総量規制、また景気の低迷等によりまして思うようにいかなくなり、蹉跌を来してまいりました。また、時を同じくして、私どもの大口取引先でありますイ・アイ・イ・グループも同じようになってまいりました。そして私どもは、高橋さんのグループと同じように日本長期信用銀行さんの管理下に入ったわけでございます。  その三年間の間の管理というのは、私ども預金の入り、払い、また貸し出し、それから返済、それらすべて日計表で処理しているんですが、その日計表を夕方五時半に、私ども専務理事長銀から出向された方にファクスで送らさせていただきました。また、それらを集計したその預金の元帳といいますか、また貸し出しの元帳は、その月末に日本長期信用銀行さんに提出をさせていただいていたわけでございます。  そういうふうな三年間が、ちょうど平成五年の七月の九日に終わりました。私ども長銀さんと全くお取引があるわけじゃなくて、ただ、イ・アイ・イ・グループと取引があるということで管理を受けていたわけでございますが、その長銀さんが突然去られるということは私どもにとってどういう事態がということは、私自身、また私ども役員職員は大変な心配でございました。  しかしながら、そうはいっても、その月を越し、また新しい年次を迎えるためには、我々としては最善の努力をしなきゃならない、そのためにどうしても不良化した債権を活性化させなきゃならない、その活性化させるためにどうしたらいいだろうということで高橋さんと随分悩み苦しんだんです。それはやはり、生産性のある企業にその不良債権を、債務の引き受けをやっていただくしかない、そのためには、今考えられる最善の手法としてはゴルフ場の開発しかないだろうということに着眼したんです。  それで、大分フラワーカントリークラブというのは、ちょうど長銀さんがまだイ・アイ・イ・インターナショナルにいらっしゃるときに私ども相談に行きまして、実はこういう手法で、将来に備えて安全信用組合不良債権をここにこういう形でしょわせていきますという説明をさせていただきました。それ以外に大分県であと二、三ゴルフ場の計画も手がけておりますというような御報告もさせていただいて、私と高橋さんで、その長銀から出向されている副社長の許可を得て、大分に飛んだこともございました。そのような中で十二月の九日を迎えたわけでございます。  先ほど先生から、理事会の方に諮ることなくというふうに言われたのでございますが、私は長銀さんの管理の三年間、またその後全く同じ方法を、平成五年の七月九日の夕方からは東京都に向けて同じやり方をしておりました。毎日の日計表、それから月繰り、週繰り、それから翌月の預金の予定表、すべてを提出させていただきました。その中にはもちろん客先名、一先ずつ全部書かれてございます。それから金利のレートも書かれてございます。そういうものをちょうど十二月の九日、私が辞任するまで提出したわけでございます。  私が今思うと、理事会というのはもう毎日のように行っていたと思うのです。その三年、長銀さんの三年間の間に、私ども毎日ファクスを送るという様式が、これは長銀さんの指定のフォームなんですが、その中にあったわけで、それを私含めて各役員、私どもは常勤三名、非常勤二名おるのでございますが、常にそれを検印をしていました。また、東京都へ出す資料も私どもは目を通しておりましたので、理事会に語らずとか、ほかの理事が知らずということは私はないと思います。  また、東京都の御指導によりという御質問でございますが、年に一度の検査を受けてまいりまして、そして私どもは折に触れ御相談もさせていただきました。  ただ、長銀さんが管理しているときの検査の内容でございますが、同じお客様、同じ案件のものが、長銀さんが去られた平成五年の七月九日以降、翌月に大蔵省さんと東京都さんが初めて合同で検査に入ってこられたわけですが、そのときは大蔵主導型の検査を行いました。  ただ、私ども大蔵省の検査というのは歴史始まって以来受けたことないので、どういう検査をされるんだろうと言いましたら、極めて事務的に、ただ決算上収益の見込みない会社はだめだとか、これは二期連続黒字が出てないからだめだとか、大蔵省さんの物差しで物を見られた。それが、その検査を終わった段階で数字として形にあらわれるんです。  私はそのときに、大蔵省の上級検査官に、大蔵省の検査を我々は受けたことがないしわからない、東京都の手法でしかわからないんだ、何で物差しが変わったんですかと言ったら、これは私ども大蔵省の検査でしかできないから、あとは東京都さんにその辺もよく加味してやるようにということを私は言われたんです。それで私は東京都に、その辺はどうでしょうとお聞きしたんですが、お答えはなかったんです。  実は、多額不良債権というのは、そのときに初めて発生しているんです。平成五年の長銀さんが管理しているときは、私の記憶では数十億しかなかった不良債権が、大蔵省さんと合同で入ったときに数百億、すなわち十倍以上の不良債権に認定されたんです。しかし、それはお客様が別に倒産しているわけじゃない、別に業務の内容が変わったわけじゃない、それが、やはり物差しが変わったためにそういう形にされたんじゃないかと思うんです。  東京都の場合は、やはりお客様をつぶさないように、そしてお客様とともにという検査内容でございましたので、大蔵省さんは大手の銀行さんに入られますから、やはりどうしても含みのある銀行に、それを前提として検査に入るわけですから、例えば不良債権が大幅に発生しても償却する能力を持つんです。しかし、我々は別に含みがあるわけじゃない、それから株を持っているわけじゃない。ですから、そのために私どもとしては随分その辺で悩んだんです。それが今日言われているその不良債権の発生。  それから、高橋さんとの関係でございますが、これは私のつき合いというよりも、先代の理事長高橋さんのお父さんのつき合い、すなわちイ・アイ・イが、昭和三十五年にイ・アイ・イを高橋さんのお父さんが再建されるときに安全信用組合に借り入れを起こし、そして安全信用組合がしばらくこの間メーンバンクとしてやってきた、そういうおつき合いを私は先代から引き継いだわけでございます。  以上でございます。
  243. 佐藤観樹

    佐藤委員長 次に、東京協和及び安全の両信用組合経営が破綻したことに伴う処理として東京共同銀行が設立されることになりましたが、あなたは、安全信用組合融資救済に関し、特定の政治家や官僚などに働きかけた事実があるのかどうか。あるとすれば、いつ、どのような働きかけを行ったのか。また、東京共同銀行設立経緯に関し、あなたが知っていることがあればお述べください。
  244. 鈴木紳介

    鈴木証人 お答えいたします。  先ほどの第一番目の質問でございますが、特定の方への働きかけというのは全くございません。  また、二番目の東京共同銀行設立の経緯でございますが、十一月二十四日に東京都に呼ばれまして、部長、課長、それから参与、三名の前で、身柄を預けてほしいと言われたのです。何で身柄を預けるのか。私はやはり大蔵省東京都の合同検査による不良債権の大幅な発生の一つの区切りだなと。  ただ、そのときに東京都の部長から言われたのは、理事長は続投してください、そして来年の決算決算配当についてはそのとき相談いたしましょうということですから、すなわちことしですね、ことしの三月の決算を終えて私どもは利益の中から配当するのでございますが、それをその時点で相談しましょうと言うから、十二月のそんな時点で私が辞任するとは全く思っていませんでしたし、また、昨年提出いたしました再建計画、ゴルフ場を使っての不良債権を活性化させる再建計画については絶対の自信を持っていましたので、私としては辞任をするということは全く考えていないし、今でも無念な辞任であったというふうに思っています。
  245. 佐藤観樹

    佐藤委員長 以上をもって私からお尋ねすることは終わりました。  次に、発言申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
  246. 坂上富男

    ○坂上委員 御苦労さんでございます。坂上富男でございます。  御質問させていただきますが、答えは簡単にイエスかノーかでお答えください。  あなたは、昨年の十二月九日、東京都から言われて辞任のやむなきに至った、大変不本意だ、こうおっしゃっておりますが、もうちょっとその心境を言ってください。
  247. 鈴木紳介

    鈴木証人 お答えいたします。  できれば、私どもが昨年提出させていただきました再建計画を国の指導のもとにもう一度継続をさせていただいていれば、私はこれだけの不良債権を発生させなかったと思うし、どうしてあれをやめなきゃいけなかったのか、ちょっと私自身、全く迷っているところでございます。
  248. 坂上富男

    ○坂上委員 そうすると、あなたは、理事長辞職というのはまことに不本意である、東京都からはめられたと思っているのですか。
  249. 鈴木紳介

    鈴木証人 ただ、私どもも大口信用集中という御指導はずっと受けておりましたし、法令違反をやっていたことももちろん知っているわけです。したがって、やめると言われればやめなきゃならない。  もう一つは、九月にやはり新聞に出たのです。安全信用組合……(坂上委員「わかっていますから」と呼ぶ)はい。そして、そのために安全信用から百五十億の預金が出たのです。ですから、もう一度出たら私はもたないと思いまして受けたのでございます。
  250. 坂上富男

    ○坂上委員 委員長のところに提出してあります取り寄せ記録、証一から証四まで銘を打っておきました。これを鈴木さん、ごらんになってください。  これは金利四%以上の、預金残高が一億円以上の預金者リストとその預金額東京都が出したものでございまして、平成六年の十一月末と平成六年三月末のものがあるのでございますが、十一月は引き出しのあったこともあろうと思いますから、平成六年三月の方が的確な事実を反映するんじゃなかろうか、こう思っておりますからお聞きをするわけでございますが、この上位十傑、知っておる名前をずっと言ってください。一、学校法人百八億、以下ずっと簡単に名前を。
  251. 鈴木紳介

    鈴木証人 この一番の学校法人は、新宿にある専門学校……(坂上委員「名前を言ってください。名前だけでいいです」と呼ぶ)私はこれ全部………(坂上委員「覚えているだけでいいですから言ってください」と呼ぶ)これは全部現場がやっておるものですから……(坂上委員「十番まで知っている範囲で、知っている範囲で」と呼ぶ)実際にそう言われても、預金は各支店の支店長に任せておりますので、私としては、これらのことを全部、内容はわかっているのですが、名前まではわかっておりません。
  252. 坂上富男

    ○坂上委員 知っているだけ言いなさい、知っているだけ。
  253. 鈴木紳介

    鈴木証人 同じことでございます。ちょっと、そういうふうに言われましても、今、私の中にすぐに思い出せないところが……。
  254. 坂上富男

    ○坂上委員 学校法人はどこですか。
  255. 鈴木紳介

    鈴木証人 新宿にある専門学校ということは覚えておりますが……。
  256. 坂上富男

    ○坂上委員 不動産業、これはどこですか。
  257. 鈴木紳介

    鈴木証人 これもちょっと、私、今すぐには、資料がないものですからちょっとわからないと思います。
  258. 坂上富男

    ○坂上委員 この十傑の中、どれ一人思い出せませんか。
  259. 鈴木紳介

    鈴木証人 はい。
  260. 坂上富男

    ○坂上委員 これは上位十傑で、あなたは大口の預金を獲得することが銀行再建の道に通ずると言っているのだから、こういうことがわからぬのはおかしいですよ。これは、証言拒否権もないのですから、わからぬとは言い切れませんが、きちっと言ってください。
  261. 鈴木紳介

    鈴木証人 これは、私自身預金活動で歩くということは直接はないのです。これはやはり現場の支店長に任せておりますので、それらについてはやはりそういうデータを見なければ、ちょっと私はお答えできないと思います。
  262. 坂上富男

    ○坂上委員 冗談じゃありませんよ。あなた、百億だ、それから四十億だ、二十一億、二十億だ。こういう大口のものを、あなたの従業員が回って集めていって、リュックサックで持ってきて、はいと出すわけじゃないんだよ、これは。全部あなたがきちっとこういう人たちとお会いをして、お願いをして持ってくるのですよ。知らぬなんというのはおかしいですよ。これは本当に、宣誓しているのですから、気をつけてください。もう一度。
  263. 鈴木紳介

    鈴木証人 お言葉を返すようでございますが、やはりこれは支店サイドで集めたものを私どもの本部長である専務理事のところで取りまとめておりまして、私は数字的にはトータル毎日の日計を見ておりますが、個々の預金者については見ておりません。
  264. 坂上富男

    ○坂上委員 委員長、これは私から申し出ますが、証言拒否だと思いますので、偽証に当たると思いますから、告発の申し立てをいたします。  次、証二、これをごらんください。  安全信用組合融資先リストと融資額です。一億円以上、平成六年三月末現在のものでございます。この十番まで、きちっと言ってください。これはあなた、貸出先だ。これだったら今度はわかるでしょう。重立ったことを言ってごらんなさい。どこです。
  265. 鈴木紳介

    鈴木証人 こういうまとめ方というのは、私どもでまとめたわけじゃございませんので、ただ括弧でサービス業とか不動産業と書かれても、私ども、サービス業、不動産業、たくさんお取引が過去ございましたので、この一つ一つについて今お答えをするというその記憶がないわけでございます。ただ、資料があればもちろんお答えさせていただきますけれども
  266. 坂上富男

    ○坂上委員 百億の融資額だ。八十五億の融資額です。あなたが十二月の九日現在の理事長なんです。一番の融資先は幾らか、あの金は不良債権がどうかというのはしょっちゅう頭になければならぬ金額だ、こういうのは。それがわからぬというのはおかしいんだよ。これも私は、故意に隠したとしか言いようのないようなあなたの証言だと思いますが、ひとつきちっと答えないと、私はやはり刑事上の責任を受けると思いますよ。どうですか。
  267. 鈴木紳介

    鈴木証人 これは平成六年三月末の資料ということでいただいております。(坂上委員「だからその当時の」と呼ぶ)はい。ただ、この時点、数字が動いておりまして、その一つ一つの数字を私は記憶しているわけではございません。
  268. 佐藤観樹

    佐藤委員長 速記をとめてください。     〔速記中止
  269. 佐藤観樹

    佐藤委員長 速記を起こしてください。  証人に申し上げます。  記憶を呼び起こして、事実を御発言ください。  鈴木紳介君。
  270. 鈴木紳介

    鈴木証人 先生方そういうふうに言われているんですが、実際に事務の責任者ならばわかると思いますが、私はこれを、一軒毎を見ているわけじゃありませんので、この十項目の中、どれがどうだということを具体的に申し上げるという、今記憶が引き戻せませんので、申しわけないと思います。
  271. 坂上富男

    ○坂上委員 この人と問答しても時間がもったいのうございますから、私は、両方ともに偽証罪であるということで、委員長に告発の要請をいたしたいと思います。
  272. 佐藤観樹

    佐藤委員長 後ほど理事会で今後の処置を討議させていただきます。
  273. 坂上富男

    ○坂上委員 次、証二を見てください、証二。いや、証三。  平成五年安全信用組合経営実態指導事項でございます。これは、東京都が出したものでございます。  それから証四、これは平成六年の分でございます。これによりますと、あなたは、さっきの証言からいうと、私がやっておった当時は、検査が入る前は不良債権でなかった、だけれども平成五年と六年に大蔵省東京都が入ってきてから急に不良債権がふえてきた、こういう証言があるわけでございますが、大変問題なんです、これは。一体あなたはあなたの責任を人に、しかも理屈にならない人におっかぶせようとしているわけでございます。  これを私が表につくってみましたら、平成五年の不良債権は七百九十一億、平成六年の不良債権が九百四十一億、増加額百五十億です、一年間で。回収不能額三百四十四億、平成六年は八百十四億、回収不能額の増額は四百七十億だ。これはどうですか、あなた、認めますか。
  274. 鈴木紳介

    鈴木証人 私がさっき申し上げたのは……(坂上委員「認めるかどうか、イエスかノーかだけ」と呼ぶ)はい。平成四年の検査についてと平成五年度の検査についての対比を申し上げたわけです。しかし、平成五年度以降については、先ほど申し上げたように、大蔵省の主導でおやりになっている数字でございますので、そのとおりだと思います。
  275. 坂上富男

    ○坂上委員 何でこんなに不良債権、回収不能がふえたんですか。
  276. 鈴木紳介

    鈴木証人 それは、従来の大蔵省のやり方と東京都のやり方のアプローチの仕方の違いだと私は思っております。
  277. 坂上富男

    ○坂上委員 東京都や大蔵省のやり方によって不良債権になったり優良債権になったりするの。きちっと答えてください。
  278. 鈴木紳介

    鈴木証人 それは、私は東京都の検査をずっと受けてきたわけでございますが、東京都の検査の手法によればこういう数字にはならないと思います。
  279. 坂上富男

    ○坂上委員 じゃ、東京都の手法は間違いなんじゃないの。  じゃ、回収不能四百七十億の増額、これも手法が間違ったから回収不能になったの、どうなの。
  280. 鈴木紳介

    鈴木証人 従来、私ども信用組合の場合はですね……(坂上委員「間違ったかどうかだけ」と呼ぶ)はい。どうしても追い貸しというのが出てくるんです。各事業体、すなわち債務者ですね、安全信用から見れば債務者が独自の経営でやっていける場合と、また運転資金を私ども融資をしてその会社を維持させていくと、二つがあるんです。ただ、その運転資金全部とめて、それから決算内容を全部把握して、二期連続赤字の会社はこれは不良債権であるというふうに認定されて安全信用から一円の金も出なくなったら、その会社というのはやはり経営が行き詰まっていくわけです。したがって、そこで不良債権化されていくということだと思います。
  281. 坂上富男

    ○坂上委員 回収不能が四百七十億増加しておるというんです。平成六年は八百十四億という回収不能額に達しているというんだ。これも事実でしょう。答えてください。
  282. 鈴木紳介

    鈴木証人 事実でございます。
  283. 坂上富男

    ○坂上委員 じゃ、何でそんなに回収不能がふえたんですか。
  284. 鈴木紳介

    鈴木証人 先ほど申し上げましたとおり、私ども支援資金をとめたためでございます。
  285. 坂上富男

    ○坂上委員 その次、あなたのいわゆる自己貸しや高橋関連グループ貸出分について聞きますが、鈴木理事長、あなたの関連会社への貸出分は、平成五年五百十一億、平成六年五百九十八億円、この一年間で八十七億円も自己貸しがふえております。それから今度、高橋理事長関連は、平成五年二百十億、平成六年二百八十八億、増加分は七十八億円でございます。何でまたこんなに一年間に、しかも自己貸しやあなたの高橋関連グループの貸し出しがこんなにふえているんですか。なぜです。
  286. 鈴木紳介

    鈴木証人 この貸し出しの手法というのは、普通ですと、債権が焦げついた場合、不良化した場合は、もう追い貸しもしないし、そのまますぐ担保の処分に入っていくのが通例なんです。その担保の処分をして残ったものを組合の利益の中から償却をしていく、また積立金の中から償却していくやり方なんですが、それをやったのでは、私どもも千二百億円の預金と一千億の貸し出しで年間数億円しか償却ができないんです。そのために、他の活性化できるような生産性のある会社に回しまして、そして、この不良化した債権を生かそうとしたためにこういうふうにふえたわけでございます。
  287. 坂上富男

    ○坂上委員 泥沼にはまったと、こういうわけですか。  それでは、東京都から示達書が二度にわたって、平成五年と六年分行ったでしょう。特にあの平成五年度分はお読みになったことがありますか。お読みになって、問題がどういうふうに指摘してあるか理解できましたか。そして、これについてどういう改善対策をとりました。きちっと答えてください。
  288. 鈴木紳介

    鈴木証人 平成五年度の大蔵省東京都の合同検査の後の示達書でございますが、不良債権の大幅な悪化ということで御指摘を受けてまいりました。その前年度まではそれだけの不良債権がないものですから、私どもとしては、慌ててその不良債権の回収、また、その改善策ということでゴルフ場等の開発によりましてその不良債権を活性化させようとしたわけでございまして、これは東京都にも説明をさせていただいております。
  289. 坂上富男

    ○坂上委員 こう聞いていいですか。平成五年の示達書は、あなたの方はいただいてから、これを東京都に説明をして、東京都はこれを理解をした、こういうふうに聞いていいですか。きちんと言葉で答えてください。
  290. 鈴木紳介

    鈴木証人 そのとおりでございます。
  291. 坂上富男

    ○坂上委員 そんなばかなことあるかな。  いいですか。まず、不良債権化が甚だしいと書いてある、法令違反があって。それから、員外貸し付け、法定限度超過貸し付け、こういうことがきちっと、法令違反である、こう書いてあるわけです。さらにまた、あなたが関係をする大口信用集中貸し出し、そしてあなたの貸し出しについては、理事会に付議することなく実行されている。それからまた損益状況は、利息貸し増しを繰り返すなど表面的には利益を計上しているが、実質的には赤字である、こういうようなことがいろいろ指摘をされています。それから、理事会が否決した案件が理事長の一存で強行される。それから、稟議なしの貸し出しをされている。こういうようなことから、資金回収は憂慮すべき状態である。名義貸し、名義借り、迂回融資、真の借り受け人が不明確な貸し出しがあるほか、資金使途が不明確な貸し出し、無担保・無保証・登記留保など保全策が不備な貸し出しが多い。  こんなことを東京都は承認しましたか。
  292. 鈴木紳介

    鈴木証人 今の先生の御指摘は、数年来にわたって私ども同じ指摘をずっと受けてまいりました。大口信用集中に依存し過ぎる。それから、員外貸し付けが多過ぎる。法定限度額超過のものがある。それから、追い貸しによる収益がある。ただ、先ほど言われた審査委員会の否決というのは、多分私どもじゃなくて東京協和さんの方じゃないかと思うのですが、それらについては、もう緊急避難的な要素としてどうしても不良債権の回収に当たらなければならないということで東京都さんにもよく説明をさせていただいて、しばらく時間の御猶予を下さい、時間の御猶予を下さいということで、ただ検査として、また東京都としては立場上、それを書いて御注意を申し上げるということも言われておりますし、私どもは、その返済計画についてもまた東京都にも説明をしております。
  293. 坂上富男

    ○坂上委員 そうすると、こう聞いていいんですね。このような示達書はこの二回だけでなくして、これに似たようないろいろの指導を受けておったと、東京都から。しかし、同じような指導であって、形だけであって、実質は東京都はこれを承認していたんだ、こう聞いていいんですか。
  294. 鈴木紳介

    鈴木証人 東京都はそれを喜んで承認したということはもちろんございません。私は、毎回東京都に同じ説明をさせていただいて、昭和五十八年の不良債権を回収するためにやっているんですということで、もうしばらくお時間の御猶予を下さいという説明をさせていただいておりますし、東京都も、それをできるだけ早く改善するようにという強い指示はございました。
  295. 坂上富男

    ○坂上委員 そういうのは何年間続きました。
  296. 鈴木紳介

    鈴木証人 八年ぐらい続いたと思います。
  297. 坂上富男

    ○坂上委員 こういうことが累積をしてこうなったんですか。こういうようなことを、直すべきことを直さないために、積み重なって八年間がとうとうこういう事態に到達をした、こういうことですか。
  298. 鈴木紳介

    鈴木証人 昭和五十八年、五十九年に発生した不良債権は約五十億を超しました。その当時の私どもの収益は年間税引き後で数千万しか残らないのです。そうすると、どうしてもその四十億、五十億を償却していくためには年間二億から三億の利益が必要になるのです。そのためには、やはり大きな預金と大きな貸し出しをしていかなければこの不良債権の回収はできなかったんです。
  299. 坂上富男

    ○坂上委員 あなたは今までの中で最も、一番大口でどうにもならない不良債権、どこですか。二、三挙げてください。
  300. 鈴木紳介

    鈴木証人 けさ方朝日新聞に出ておりました尾崎さん関係貸し出してございます。
  301. 坂上富男

    ○坂上委員 もう少し説明を証言してください、証言
  302. 鈴木紳介

    鈴木証人 金額的には約十五億でございます。
  303. 坂上富男

    ○坂上委員 あなたのおっしゃりたいことはこういうことですね。日本国和清光会の総裁関連会社に十五億円を東京都の紹介でお貸しをするようになった、しかしあなたは抵抗したんだ、しかしながら東京都から強い要請があって、仕方がなく貸し付けたんだ、こういうふうに記事に書いてあります。かつ、これについて回収手続に入ったけれども、抵抗を受けて回収できなかった、こういうふうに書いてあるんですが、もう少しお話しください。じゃ、これを。
  304. 鈴木紳介

    鈴木証人 ちょうど昭和五十八年の秋口でございました。支店長会議をやっている中で、朝九時十分に東京都から連絡がございまして、(坂上委員「だれです」と呼ぶ)信用組合課長でございますから連絡があって、私ども専務理事東京都へ参りました。その折、信用組合課長と部長がいらっしゃいまして、そこで尾崎清光さんに融資をひとつ考えてやってくれ。そういうことをきっかけに何回かやってまいりました。ただし、尾崎さんの会社は、まだできて間もない会社が幾つかございまして、私どもとしては、保全の問題とかそれから事業の計画性が全然わからない。ただ、東京都さんが言われるには、一年後には東京都の保証協会から何とか骨折りができるだろうということで、その間のつなぎ資金としても出してやってほしいということで、私どもはやむなく出した次第でございます。
  305. 坂上富男

    ○坂上委員 だからその後も、この新聞によると、保証協会をあっせんしてやる、保証協会をつけてやるからつなぎとしてやってくれ、こうなったんだが、どうなったんです、じゃ。事実ですか。
  306. 鈴木紳介

    鈴木証人 ちょうど秋口から御紹介をいただきまして、一月に尾崎さんが亡くなったものですから、そのまま全額不良化されました。
  307. 坂上富男

    ○坂上委員 亡くなったからといって不良化するのはおかしいんじゃないですか。あなたはまた、貸したくないと抵抗したそうですが、どういう抵抗をしたの。
  308. 鈴木紳介

    鈴木証人 単純に、やはりそういう事業内容等が不備であるということで、私どもとしてはやはり長いつき合いをさせていただかないとすぐにはお貸しできないということでお断りさせていただいたわけです。(坂上委員「そうしたら」と呼ぶ)そうしたら、やはり何とかこれは面倒見てやってくれないかというような強い要請があったものですから、私どもとしては、監督官庁からの強い要請ですから、させていただきました。
  309. 坂上富男

    ○坂上委員 じゃ、これ不良債権化したとき、東京都はどういう指導をしたの。
  310. 鈴木紳介

    鈴木証人 特にコメントございませんでした。
  311. 坂上富男

    ○坂上委員 あなた、責任を問えばいいじゃない。あなた、私が嫌だ嫌だと言うのを私は十五億も貸した、それで信用保証協会をつけてくれると言ったけれどもつけてくれない、あげくの果てが回収できなくなった、東京都、責任とれと何で言わないのですか。殊に多額預金を預かっておるあなた、責任者立場としてはやるべきことをやらないんじゃないですか。どうです。
  312. 鈴木紳介

    鈴木証人 本当に私、実際に現場を預かる長としては、今のことを声を大にして申し上げたかったのですか、やはり今後のおつき合い等を考えていきますと、その時点で強く責任を追及するというわけにもいかなかったわけでございます。
  313. 坂上富男

    ○坂上委員 東京都に責任追及できないというの、それとも融資先に責任追及できないというの、どっちなの。まあ、後で答えてください。  それから今度、これに関連をいたしまして、大分の長湯リゾートゴルフクラブ八十七億円、これも実際使われたのは六億七千万円程度だと言われている。八十億は行方不明だ、こう言われておりますが、これは一体どうですか、この内容は。
  314. 鈴木紳介

    鈴木証人 八十七億円の貸し出しは実際にございます。そして、実際に使われているのが先生今言われたとおりの数字でございますが、ただ、私どもが先ほど申し上げたように、不良化、大口の不良化が発生をしたのが平成五年の八月の検査でそれがわかったものですから、どうしてもその不良化を健全化しなきゃならないということで、大分の事業計画等を私どもは加味して、これは今後ゴルフ場ができる、ゴルフ場ができれば売り上げも上がってくる、したがって、そこに重畳的債務引き受けをお願いして、そして、今まで安全信用の中にあった不良債権をそこに債務引き受けをしていただいたわけてございます、
  315. 坂上富男

    ○坂上委員 だから、今八十億の金はどうなっているんですか、こういう質問です。
  316. 鈴木紳介

    鈴木証人 八十億の金は、以前安全信用の中にあった不良債権がその長湯リゾートに移ったわけでございます。
  317. 坂上富男

    ○坂上委員 相殺したというんですか。
  318. 鈴木紳介

    鈴木証人 おっしゃるとおりです。片方は、不良債権化しているものはそれで返済をして、今後生産性のある長湯リゾートの方に移させていただきました。
  319. 坂上富男

    ○坂上委員 これはもう少し調査の必要があると思いますから、これはまた別途聞きましょう。  その次。今度は、宇佐観光開発に百二億、エー・ジー・シーに八十三億、これが融資されておるということでございますが、これは何かあなたの関連企業から迂回されて行っているんですか、直接安全が貸したんですか、どうですか。
  320. 鈴木紳介

    鈴木証人 私ども関連する企業からの迂回でございます。
  321. 坂上富男

    ○坂上委員 そうですね。  これは、メイプルヴァレイゴルフクラブ百五十億、それから、ここからあなたの関連不動産会社、何とおっしゃるかわかりませんが、百五十億が転貸をされて、そこで字佐観光に九十億、それからエー・ジー・シーに八十三億迂回融資をされた、こう言われておりますが、これは事実ですか。
  322. 鈴木紳介

    鈴木証人 まず、その仕組みなんでございますが……(坂上委員「いや、これは事実かどうかだけでいいです」と呼ぶ)いや、金額的にはもう少し少ないと思います。
  323. 坂上富男

    ○坂上委員 ああ、そうですか。  そこで、数字はあるいは少しは異同があるかしれませんが、宇佐観光からは九十億返済をされた。そうすると、その差額は約十二億なんです。エー・ジー・シーからは六十億返済をされた。その差額は十三億なんですね。一体この十二億、十三億は何に使われているんです。融資は出た、一部返済になった、差し引き計算をいたしますと十二億と十三億、これは一体何に使われたんですか。
  324. 鈴木紳介

    鈴木証人 私が辞任する前までの数字を申し上げますと、宇佐観光が十三億七千万、エー・ジー・シーが約二十五億七千万というのが安全信用組合貸し出しとして残ってございます。
  325. 坂上富男

    ○坂上委員 そうしますと、今、この関係の債務はどこが債務を負っていることになりますか。
  326. 鈴木紳介

    鈴木証人 このゴルフ場の経営母体でございます。(坂上委員「どこですか」と呼ぶ)宇佐観光及びエー・ジー・シー、その会社でございます。
  327. 坂上富男

    ○坂上委員 残、幾らずつあるんですか。
  328. 鈴木紳介

    鈴木証人 今申し上げました十三億七千万と、それが宇佐ですね。エー・ジー・シーが二十五億六千七百万でございます。
  329. 坂上富男

    ○坂上委員 この金は回収見込み立っていますか。
  330. 鈴木紳介

    鈴木証人 私が在任しているまでは立っております。
  331. 坂上富男

    ○坂上委員 今はどうですか、わかりませんか。――それでは今度、別の角度から聞きますが、さっき高橋さんに質問があったんです。長銀支援打ち切りの真相についてお話があったんです。高橋さんは、長銀が訴えられることを恐れて、フランスのホテルに負っておった保証債務を一部訴えられることを恐れて長銀高橋さんの方と手を切った、いわゆる長銀は引き揚げをした、こう言われているんですが、あなた、知っていますか。
  332. 鈴木紳介

    鈴木証人 結論的には知りません。高橋とは長いつき合いやっていますけれども、私はその高橋さんと長銀とのつき合いというのは全くわかっていません。
  333. 坂上富男

    ○坂上委員 そうですか。  あなた、一々長銀連絡をしてやっておったというふうに証言しております。そうだとするとわかるんじゃないですか。何で長銀高橋関係を引き揚げをしたのか。そのことのためにあなたたちは大変深刻に物を考えたとさっき証言しているんです。そうだとしたら、やはりその真相をわからなければおかしいじゃないの。
  334. 鈴木紳介

    鈴木証人 長銀さんが管理していたのは私どもの中の預金と貸し金でございますので、私ども信用組合以外のものについてはわかりません。
  335. 坂上富男

    ○坂上委員 そうですか。  その次、今度山口敏夫代議士との関連融資のことについてでございます。  これは、山口さんの御親戚、親族に相当の金額の貸し出しがあるようでございますが、山口関連会社に対する貸付総額は約どれぐらいあったんですか。
  336. 鈴木紳介

    鈴木証人 十一億強と考えております。
  337. 坂上富男

    ○坂上委員 そうですか。  これは、その員外比率規則に違反するんじゃありませんか。
  338. 鈴木紳介

    鈴木証人 員外というのは組合員外という意味でしょうか……(坂上委員「いや、大口融資」と呼ぶ)大口融資でございますか。大口は山口さんの会社四社で、山口さんファミリーの会社四社でそれぞれの借り入れがございますので、一軒毎については法令違反には当たらないと思っております。
  339. 坂上富男

    ○坂上委員 それでは、山口敏夫さんは御存じでしょう。あなた、料亭で大蔵省のお役人や政治家皆さんやあるいは高橋さんや、あなたを含めて懇親というか、一緒に会食をなさったりすることはあったんじゃないですか。それから、高橋さんの自家用飛行機に乗って、香港などの回遊をされておられたこともあるんじゃないですか、皆さんと一緒に。どうですか。
  340. 鈴木紳介

    鈴木証人 実は高橋とは長いつき合いをやっているものですから、そういう意味で二人は兄弟みたいに思われるんですが、決してその高橋の、高橋さんの友人も私は共有するわけじゃございませんし、高橋さんの人脈が即私の人脈でもございません。  したがって、山口先生とお会いしたのは、私の父の葬儀のときに高橋さんが一緒に来られて、その後何回か高橋さんと一緒にいるところを、私が逆に高橋さんに会いに行ったときに会っているというだけでございまして、山口先生とのおつき合いはございませんし、また高橋さんが飛行機を持っているというのも相当後で聞いたわけでございまして、私はそういうことは全く、今先生の御指摘の内容については存じないものでございます。
  341. 坂上富男

    ○坂上委員 そうですか。  じゃ、一緒に旅行したこともないんですね。
  342. 鈴木紳介

    鈴木証人 はい。
  343. 坂上富男

    ○坂上委員 それでは、いま一つ聞きましょうか。安全信用組合融資をした、しかし、担保不足のために高橋さんが山口関連企業のために個人保証をしたということはありますか。
  344. 鈴木紳介

    鈴木証人 今先生の御指摘は山口ファミリーの貸し出しに当たってということだと思いますが、高橋さんは、友人、また高橋さんの関連会社融資をするときは、必ず高橋さんの個人保証をとっております。私は、高橋さんについては、また、大体そうでございますが、御紹介者の方の個人保証をとるというのが当組合の原則でやっております。
  345. 坂上富男

    ○坂上委員 ちょっと御家族のことをお聞きをいたしますが、あなたは、四元義隆さん、政界の指南番とおっしゃる方とは御親戚でございますか。それから、安全信用組合とは何かこの四元さんは御関係はあったんでございますか。
  346. 鈴木紳介

    鈴木証人 親戚というのは私の家内の側だと思います。私は、大分後になって四元氏が私の親戚であるということを聞きました。また、私は四元さんと直接のおつき合いというよりも、先代の理事長とのつき合いでございまして、私自身は余りじっこんにさせていただいておりませんし、また私どもの話題と四元さんの話題とは必ずしも一致しないものですから、たまに表敬訪問を非常勤理事に対してしているところでございます。
  347. 坂上富男

    ○坂上委員 大変失礼ですが、あなたの奥様は西郷元法務大臣のお嬢様でいらっしゃいますね。それから、西郷さんのごきょうだいの方が四元さんの奥さんという関係になるんでございませんか。それから、この四元さんは、あなたの信用組合の相談役あるいは理事になっておられたことはあるんでございませんか。
  348. 鈴木紳介

    鈴木証人 実は、家内の親戚関係についてはちょっと私、詳しくわからないのですが、ただ、家内の親戚の会に四元さん御家族でお出になっていらっしゃいますので、多分、先生のおっしゃることが正しいのかどうか、ちょっと帰ってから確かめますが。  それから、四元さんは現在も理事をしているはずでございます。
  349. 坂上富男

    ○坂上委員 そうすると、四元さんとしては、大変責任を感ずる方ですから、この問題については再建のために必死な御努力をなさったのと違いますか。あなたはまた御相談なさったのと違いますか。いろいろ週刊誌で言われておりますけれども、これは週刊誌のあれで根拠がどの程度かわかりませんが、あなたの口から直接、あなたはこの信用組合再建のために、今の、言うようなやり方とは別に何らかの努力をなさったんじゃないですか。いわゆる政治家を使うとかあるいは官僚と御相談をなさるとか、何かあったのと違いますか。
  350. 鈴木紳介

    鈴木証人 四元さんは昨年の夏前から体調を崩しまして、十一月まで何か鹿児島にお帰りになったということを、鹿児島から帰ってこられたときに四元さんの秘書から電話があって私は初めて聞いたのです。  私自身は昨年の返済計画が自信があったものですから、私は逆に、辞任よりも、もし四元さんに頼むとすれば継続という形で頼んだのじゃないかというふうに思っていますし、また、今の先生の御指摘の、四元さんに何かそういうことで頼んだとか相談したことは全くありません。
  351. 坂上富男

    ○坂上委員 あれじゃないでしょうか。共同銀行方式でなくして日銀特融というのですかな、そういうようなことを皆さん、お二人は中心的にお考えになって奔走されたことはございませんか、今回について。
  352. 鈴木紳介

    鈴木証人 全くございません。
  353. 坂上富男

    ○坂上委員 あなたはこの間記者会見をなさっております。告発、告訴を受けることは心外である、私は組合員のためにのみやったんだ、決して不正や間違いは犯していない、こういうようなことを、私から言えば広言だと思いますが、言っておられますが、今でもまだそういう心境ですか。それとも、これだけ国民の皆様方から、大変な御迷惑をかけたことは間違いないのです。それから、これからどうなるか、これはわからないのです。だから、こうやって皆さん方にお出かけをいただいてこの真相の究明に当たっているわけでございますが、今あなたはどのようなお考えになっておられるのでございますか。また、みずからの行為の中に責任ありという部分はないのですか。いかがです。
  354. 鈴木紳介

    鈴木証人 このたびの告訴に関しては厳粛に受けとめておりますし、また、関係の皆様、またこうやって国会の皆様に御迷惑をかけていることをまことに申しわけなく思っていますが、私がやってきたことは組合の維持発展のために努力してきたことでございますので、その理事長の任に背いたことはただの一度もございません。
  355. 坂上富男

    ○坂上委員 一言言うておきますが、任務に背いたというのは、例えば理事会に諮るべきことを諮らない、それはもう任務に背いたことになるのです。その結果、損害が出れば、あなたにその損害が出ることの認識があれば、普通我々は背任罪、こう言っているのですよ。そういうことをわかった上で今そういう証言をなさっていますか。
  356. 鈴木紳介

    鈴木証人 ただいまの理事会に諮らずという、先ほど私が御説明したように、毎日のように理事三名顔を合わせて打ち合わせをしておりますので、理事会に諮らなかったということはただの一度もないと思っております。
  357. 坂上富男

    ○坂上委員 ありがとうございました。終わります。
  358. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて坂上君の発言は終わりました。  次に、錦織淳君。
  359. 錦織淳

    錦織委員 先ほどの坂上委員の最後の方の質問に関連して、一つだけまずお尋ねしておきますが、あなたと高橋さんとは相当深い、長いおつき合いであった、こういうことですが、高橋さんは山口敏夫代議士の後援会の会長をしておりましたか。
  360. 鈴木紳介

    鈴木証人 全く存じません。
  361. 錦織淳

    錦織委員 それでは、時間があれば、その点は後でお伺いいたします。  ところで、先ほどから問題になっております平成六年の検査によると、八百十三億の欠損が生じておる。そして、それはその前年、前々年から比べて急増をしているようですね。そして、同じように東京協和の方も急増をしております。けさの高橋さんの証言によりますと、平成六年で指摘を受けた欠損率、これが二八%であった。その前年が約一六%であった。しかし、この程度は、バブル崩壊後の欠損率としてはまあやむを得ないものと思うという趣旨のことをおっしゃっておりました。  ところが、あなたの安全信用は、実に七八・四%という欠損率ではありませんでしたか。
  362. 鈴木紳介

    鈴木証人 そのとおりだと思います。
  363. 錦織淳

    錦織委員 同じように、いろいろな状況を抱えて、再建のために出発したということのようですが、なぜあなたの安全信用高橋氏の信用組合との間にそんなに大きな欠損率の差が生じたのですか。その原因について、あなたはどのように考えておりますか。
  364. 鈴木紳介

    鈴木証人 これは高橋さんのおやりになっている東京協和と私ども、中身を高橋さんと打ち合わせして、また向こうの資料を入手しているわけじゃないのですが、やはり私どもの事業というのは以前から古いものがございまして、やはり追い貸しというか、その運転資金及び金利その他、やはり元本を守るためにどうしてもそういう手法をとらなければならなかったこと、そのために、やはり欠損補てん率ということから考えれば相当悪化したというふうに考えています。  ただ、東京協和さんの方は最近のおつき合いのお客様が多いのじゃないかというふうに思っています。
  365. 錦織淳

    錦織委員 あなたの方がいろいろ貸し付けておられる貸付先の大口ですね、その中にはもちろんイ・アイ・イ・グループも入っておりますね。イ・アイ・イ・グループとの取引をスタートしたのはいつからですか。
  366. 鈴木紳介

    鈴木証人 先代の理事長高橋さんのおつき合いでございますから、昭和三十五年からだと思います。
  367. 錦織淳

    錦織委員 当初は、多額の回収不能債権というのが存在しましたか。
  368. 鈴木紳介

    鈴木証人 私がわかっているのは昭和五十五年に常務理事で参りましてからでございますが、それ以前のことはちょっとわからないのですが、五十五年にはもう不良債権は私どもにはあったのですが、高橋さんへの貸し出しはそれほど多くはなかったと思います、高橋氏すなわちイ・アイ・イに対しての貸し出しは。
  369. 錦織淳

    錦織委員 そうすると、イ・アイ・イ・グループに関してはそれほど問題はない取引であったと、こういうことになりますね。  ところが、イ・アイ・イ・グループが長銀はかの銀行団から利払いの停止を受けるということで、実質的に再建が極めて困難になる、これはいつですか。
  370. 鈴木紳介

    鈴木証人 平成二年の九月過ぎだと思います。
  371. 錦織淳

    錦織委員 その後に、イ・アイ・イ・グループヘの安全信用からの融資額というのは相当の勢いでふえているのではありませんか。
  372. 鈴木紳介

    鈴木証人 これは、高橋さんが長銀さんから許可をもらって、つなぎ資金として安全信用から使うということの許可のために行ったものでございます。
  373. 錦織淳

    錦織委員 やっと本当のことを言っていただいたわけですが、なぜそういう、もう利払いを停止するような倒産寸前の会社になぜそれだけの協力をあなたがしなければならなかったのですか。あなたは高橋さんに対して何か弱みでも握られていたわけですか。
  374. 鈴木紳介

    鈴木証人 高橋さんの会社の内容については、私どもは、イ・アイ・イ・インターナショナルの海外の事業の展開というものに関してはよくわからないのです。ただ、国内のものについてはわかっていたのです。ただ、高橋さんの事業は海外が主力でございますので、私どもの把握の限度を超えておりました。ですから、私どもは、長銀さんが入ってこられるまで、イ・アイ・イ・インターナショナル・グループは優良企業というふうに思っておりました。
  375. 錦織淳

    錦織委員 全く答えになっていないですね。  平成四年、一九九二年の七月十七日には、イ・アイ・イ・グループに対する長銀ほかの主力五行が利払いを停止しているわけですね。もう完全に立ち行かなくなっていることが明らかになっている、その後にその安全信用からの大口の融資がどんどんとふえている、このことについて、なぜそうしたのかということを聞いているんですよ。
  376. 鈴木紳介

    鈴木証人 実は、高橋グループでもイ・アイ・イ・インターナショナル長銀さんは仕分けしていましてですね、イ・アイ・イ・インターナショナルについてのメーンバンクであると、それから高橋グループについては漸次処理をしてまいりますということなものですから、まず長銀さんがお入りになって私どもにされたことは、イ・アイ・イ・インターナショナルの、その直接の直貸しのもの、また、そのイ・アイ・イ・インターナショナルが保証したものについて漸次返済を賜っております。したがって、長銀さんが去るまでの間には、イ・アイ・イ・インターナショナル貸し出しというのは全部なくなっております。
  377. 錦織淳

    錦織委員 先ほどの質問の中にも出ましたけれども、この予算委員会に寄せられました資料の中で、平成六年の大口貸付先、この中に、高橋治則さん個人への貸し付け五十数億が含まれておりますね。
  378. 鈴木紳介

    鈴木証人 そのとおりでございます。
  379. 錦織淳

    錦織委員 これについては担保をとりましたか。
  380. 鈴木紳介

    鈴木証人 とっていると思います。
  381. 錦織淳

    錦織委員 どのような担保ですか。
  382. 鈴木紳介

    鈴木証人 不動産と有価証券だと思います。
  383. 錦織淳

    錦織委員 それらはその融資額に見合って、きちんと回収可能な担保である、このように判断されましたか。
  384. 鈴木紳介

    鈴木証人 はい、今でもそう思っております。
  385. 錦織淳

    錦織委員 ところで、この五十数億は、平成三年度二十五億六千八百万、平成四年度四十億四千四百万、そして平成五年度五百三十二億五千万、平成六年度五百四十四億五千万と、このように平成三年、四年、五年にかけて急増をしておりますね。これはどういうわけですか。
  386. 鈴木紳介

    鈴木証人 平成五年度は五十億ぐらいでございますね。
  387. 錦織淳

    錦織委員 五十三億です。失礼しました。五十三億ですね。
  388. 鈴木紳介

    鈴木証人 平成三年の一月から長銀さんが私ども管理されるようになりまして、高橋さんに個人の借り入れの申し込みがあったときに私は、安全信用からなぜ借りるんですか、これは長銀さんは知っているんですかと言いましたら、東京協和信用組合理事長をやっておりますので、高橋関連について、個人的な要素の強いものについては安全信用から借りるようにということを長銀に言われたと言って、私どものところに申し込んでまいりました。だから、長銀さんがそういう御指示をなさっているならば私どもも安心だなというふうに思っておりました。
  389. 錦織淳

    錦織委員 長銀がそういうふうに言えば、なぜ安心なのですか。
  390. 鈴木紳介

    鈴木証人 日本長期信用銀行という、やはりネームバリューだと思います。
  391. 錦織淳

    錦織委員 長銀が保証でもしてくれたわけですか。
  392. 鈴木紳介

    鈴木証人 いや、してはございません。
  393. 錦織淳

    錦織委員 それでは、長銀が言われたからといって、なぜ唯々諾々と応じなくてはいけないのですか。
  394. 鈴木紳介

    鈴木証人 ただ、高橋さんとのつき合い、また融資のつき合いはそのころ始まったわけじゃなくて、もう以前からあったものですから、その継続またその流れの一環だというふうに理解しております。
  395. 錦織淳

    錦織委員 いえ、ですから、個人に対してなぜそれだけの金額の急増が起きてきたのか。個人的な長いつき合いだったからやむを得ない、友人だからやむを得ない、そういう判断ですか。これは、だってあなたにとっては大切なビジネスですよ。そういう与信管理という大切な問題ですよ。今までつき合いがあったからということでそれだけの、個人への五十億を超える貸し出しをそんなに簡単にできるものなんですか。
  396. 鈴木紳介

    鈴木証人 お答え申し上げます。  イ・アイ・イ・インターナショナル長銀さんが直接管理していまして、高橋さんのやつは長銀さんが側面的な管理をされているわけです。ただし、安全信用組合の中にあるイ・アイ・イ・インターナショナル以外の貸し出しについては、高橋さんが私ども会社の、組合に対して利払い等をやっておりましたので、私どもは追い貸しという格好で運転資金及び金利のために貸し出したというふうに理解しております。
  397. 錦織淳

    錦織委員 そうすると、結局、高橋さん個人の負債があって、それに対する追い貸しということになるのですか。
  398. 鈴木紳介

    鈴木証人 高橋さん個人というよりも、イ・アイ・イ・インターナショナル・グループ以外のものについては高橋さんが利払いを行っていましたから、そういうことだと思います。
  399. 錦織淳

    錦織委員 イ・アイ・イ・インターナショナル本体と、それからそれ以外のグループと分けて説明されましたが、それ以外のグループだって会社であり、法人なわけでしょう。高橋個人じゃないですね。今のは説明になりませんよ。
  400. 鈴木紳介

    鈴木証人 ただ、私どもは、長銀さんから金利の追い貸しをするときにきつく申されておりまして、それらの会社におのおの貸し付けを行わないで、高橋さん一カ所で集中してやっていただくようにということを高橋さんから言われたものですから、そういうふうにさせていただきました。
  401. 錦織淳

    錦織委員 もう一度お尋ねしますが、そうすると、この五十億を超える貸し付けというのは高橋さん個人に対するものですよね。そして、その使途は結局どういうことになるのですか。
  402. 鈴木紳介

    鈴木証人 高橋さん個人といっても、個人に回っているお金はほとんどございません。高橋グループを維持するために必要なお金を、高橋さんがその中心となってそこから、そこで集めてそこから分けていたというふうに考えています。
  403. 錦織淳

    錦織委員 高橋グループが分けるといったって、一体何に分けて使うのですか。あなたは五十数億の金を貸し出しするのに、その具体的な使途も明らかにならないまま、どっかで適当に分けるんだろうと思って、そうやって貸したというわけですか。これは大変なお答えになりますよ。
  404. 鈴木紳介

    鈴木証人 高橋さんのグループに例えば二百億の、イ・アイ・イ・インターナショナルを除いて二百億の貸し出しがあれば、私ども、当時の金利は九%でございますから、約年間四億五千万かかるんです。そうすると、一年間だけで金利だけでも約四億五千から五億は出ていってしまうのです。それプラス運転資金でございますから、相当の額が出ることは確かでございます。
  405. 錦織淳

    錦織委員 聞いていることに答えていただきたいのです。私が尋ねているのは、いいですか、高橋さん個人が利払いをする義務はないわけでしょう、高橋個人がどこから借り入れをしているということではないわけですから。あくまでイ・アイ・イ本体であったり、あるいはグループ企業であったり、その他、彼が仲介したものであったにせよ、しょせん、それはそれぞれきちんとした主債務者がいるわけですから、なぜ高橋個人がそれだけの金額の、巨額の金を安全信用から借りなければいけないのですか、自分の名義で。
  406. 鈴木紳介

    鈴木証人 高橋さんの関連はすべてリストラに入っておりまして、金利の支払い等も全部ストップしているのです。そうすると、私どもとしては、それだけの金額がとまってしまったら、その日の経営が成り立たないのです。そのための便法として、長銀さんと高橋さんがお考えになった方法だというふうに私は聞いています。
  407. 錦織淳

    錦織委員 だれが考えたかを聞いているのじゃないのです。いいですか。  その金は一体どこへ支払われるのですか、それでは。それぞれのグループ企業なりあるいは関連会社に直接あなたのところから貸し付ければいいわけであって、既にそういう貸し付けもたくさん行っているわけだから。なぜ、高橋個人にそれだけの金を貸し付けたのですか。
  408. 鈴木紳介

    鈴木証人 ですから、先ほども申し上げておるとおり、それぞれの会社への融資が禁じられておりましたので、そうすると、私どもが追い貸しをできない。また、それらの会社がやはり利益をプールしていなきゃならないために、ほかの銀行さんの金利もとめている以上は、やはり安全信用組合金利もとめなきゃならないんです。だから、安全だけは払いますというわけにいかないんです。ですから、私は、高橋さんが長銀さんと相談して、安全の収益減にならないような方法をとったんだというふうに思っています。
  409. 錦織淳

    錦織委員 ということは、そうすると、あなたの方では、この五十数億を超える貸し出し、これについては何に使われるんだということのチェックをしたわけですか。(鈴木証人「はい」と呼ぶ)この貸し出しの申し込みを受けて、そして理事会に諮ったり、いろいろ報告をされたということですね。その稟議に当たっては、きちっとそういう判断をされたわけですか。どこに、何に使うかということはわかっていたわけですか。
  410. 鈴木紳介

    鈴木証人 わかっておりました。
  411. 錦織淳

    錦織委員 それでは、大まかな内訳で結構ですから、五十数億が何に、どういうふうに使われたかというのを言ってください。
  412. 鈴木紳介

    鈴木証人 五十億はやはりほとんど運転資金だと思います。運転資金金利だと思います。  ただ、いきなり五十億出たわけじゃなくて、漸次出ていったわけですから。一遍に五十がぼんと出ていって、それがどこかへ振り分けられたわけじゃなくて、積み重ねでございますから。
  413. 錦織淳

    錦織委員 いや、ですから、その内訳を聞いているのです。
  414. 鈴木紳介

    鈴木証人 それはちょっと手元に資料がないのでわかりませんが、今私が説明したことがすべてだというふうに思っていますが、細かい数字がどこに幾らというのは、ちょっと今のところお答えできないと思います。
  415. 錦織淳

    錦織委員 それでは、稟議を受けたときは、きちっと、どこそこに幾ら、この利払いで使うんだということは、書類に残っているのですか。
  416. 鈴木紳介

    鈴木証人 安全信用組合の稟議書の中に残ってございます。
  417. 錦織淳

    錦織委員 そうすると、五十数億の全額について、どこそこの利払いに充てるんだ、あるいはどこそこの運転資金に充てるんだということは詳細に記帳されているわけですね。
  418. 鈴木紳介

    鈴木証人 そのとおりでございます。
  419. 錦織淳

    錦織委員 そうしますと、それについて、その後、確実にそのとおり支払われたかどうかというようなフォローはしておられるのですか。
  420. 鈴木紳介

    鈴木証人 私ども安全信用組合の中での処理についてはわかっておりますが、そこから送金されたものについては、そこから先、私ども、銀行を追うわけにいきませんので、高橋さんの言葉、稟議書を信じるしかないかと思います。
  421. 錦織淳

    錦織委員 そうすると、実際にその五十数億の金が、現実にどういう形で使われたかということについてはあなたは承知していない、このように聞いていいですか。
  422. 鈴木紳介

    鈴木証人 稟議書上は承知しておりますが、金の流れを全部追っていったわけじゃございませんので。安全信用組合の中で動いたものはわかっています。それから、送金先までわかっています。
  423. 錦織淳

    錦織委員 そうすると、その点については高橋さんにいずれお聞きしなきゃならぬと思うのですが、その後、何らかの形で、この金をどう使ったかということの報告を受けたことはありませんか。
  424. 鈴木紳介

    鈴木証人 報告を受けたことはございません。
  425. 錦織淳

    錦織委員 それでは、時間がなくなりましたので最後にお尋ねしますが、あなた自身が特定のおつき合いをしておられる政治家というのは、平成六年当時おられましたか。
  426. 鈴木紳介

    鈴木証人 お一人もおりません。
  427. 錦織淳

    錦織委員 では、時間ですので、終わります。
  428. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて錦織君の発言は終わりました。  次に、草川昭三君。
  429. 草川昭三

    ○草川委員 草川でございます。  まず第一に、証人にお伺いをいたしますが、安全信用組合長銀管理下に入ったという認識を証人が持たれたのはいつなんでしょうね。どういう事態があって初めて直接取引のない長銀管理下に入ったという認識を持たれたのですか。
  430. 鈴木紳介

    鈴木証人 十一月の三十日に長銀の幹部が安全信用へ参りまして……(草川委員「何年ですか」と呼ぶ)昨年の、ごめんなさい、平成二年でございます。平成二年の十一月の三十日に参りました。安全信用組合に今あるイ・アイ・イ・インターナショナルまたは保証項目それから高橋さん関連について把握をしたいので資料提出を求めたということで、私どももそれに協力させていただきました。  それから、その翌年、一月の正月明けから、長銀から出向されている顧問の方が私どもの数字を把握された。それから数カ月後に、私どもの電算化されているオンラインではどうしても長銀さんのデータの読み方と違うので、長銀データシステムを入れたい、で、ソフトについては長銀がつくる、ハードは長銀データシステムでやってくれということで、現在も長銀データシステムが安全信用では動いていると思います。
  431. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、日常の業務も、システムというのですか、長銀のシステムにもうその平成三年には組み込まれていた、こう認識していいわけですね。
  432. 鈴木紳介

    鈴木証人 そのとおりでございます。
  433. 草川昭三

    ○草川委員 安全信組から長銀の、多分これはイ・アイ・イに出向されてみえたのではないかと思うのですが、どういう形で業務報告が行われ、これは今のシステムでわかっておるという答弁でございましたが、長銀出向者からはどのような指示が日常的に行われているのか、お聞かせ願いたいと思います。
  434. 鈴木紳介

    鈴木証人 まず預金でございます。各本支店全店の預金の入り払いでございます。それから、貸し出しの返済、また貸出実行、それからそれを集計してまいりまして、月末にそれの貸し出しの元帳、それから預金の元帳等でございます。
  435. 草川昭三

    ○草川委員 例えば、長銀管理下において安全信組が、不良債権がその当時でも発生していたと思うのですが、長銀出向者から回収のための具体的な指示はあったのでしょうか。
  436. 鈴木紳介

    鈴木証人 イ・アイ・イ・インターナショナルの貸し金及び保証に関してはございました。
  437. 草川昭三

    ○草川委員 では、安全信組の例えは資金、日常的な資金にいろいろと不足する場合があると思うのですが、イ・アイ・イに出向していた長銀の幹部が長銀本店の資金課長に連絡をすると、即日長銀から安全信用組合資金が送られていたという事実はありますか、具体的にお答え願いたいと思います。
  438. 鈴木紳介

    鈴木証人 事実はございます。  長銀資金課長より夕方三時四十分ごろ送られてまいります。ただ、それは数は多くあるわけじゃなくて、どうしてもその日の日繰りが合わない、どうしても資金ショートする可能性がある場合は、長銀さんがそのスタンバイをしておりますので、三時以降、私どものオンラインシステムは四時半まで動いていますから、その間に間に合うように決済されておりました。
  439. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、例えば一回の入金で、多いときでどれくらいあったのでしょうか。証人が承知をしている範囲内で結構ですから、お答え願いたいと思います。
  440. 鈴木紳介

    鈴木証人 大体ショートするといっても大きな金額じゃありませんので、十億以内だと思います。
  441. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、続いてお伺いをいたしますが、先ほどもちょっと出ておりますが、平成六年六月六日の時点で、安全信組は高橋東京協和の前理事長個人に五十四億円の巨大な、巨額な貸し出しをした、これはもう明らかになりましたね。  そこで、高橋個人に対する貸し付けはどういう経過で行われたのか、その間における長銀の関与というものはどのような関与をしていたのか、いま一度ここでお答えを願いたいと思います。
  442. 鈴木紳介

    鈴木証人 先ほど申し上げましたとおり、高橋さんのグループ、イ・アイ・イ・インターナショナル以外のグループも何十社とございます。その何十社を、とりあえず金利をとめるわけにいかないということで、高橋さん個人に融資を行って、そこから高橋さんが振り分けをして、運転資金及び金利の支払いを行う。その場合、長銀さんが、東京協和から借りないでくれ、個人的なものについては、高橋さんが理事長なので、安全信用から借りるようにという指示があったということで、私どもは、長銀が了解しておるものですから、先ほど言われたように、じゃ長銀をどこまで信頼するんだと言われてもしょうがないのですが、ただ、リストラに入っているものですから、やはり高橋さんに協力をせざるを得ないということで、やらさせていただきました。
  443. 草川昭三

    ○草川委員 その今リストラとおっしゃったのは、イ・アイ・イのリストラの話を言ってみえるのですか、それとも東京協和の方のリストラのことを言ってみえるのですか。
  444. 鈴木紳介

    鈴木証人 イ・アイ・イ・グループでございます。
  445. 草川昭三

    ○草川委員 それで、じゃ、先ほども触れられたのですが、年々ふえてきましたね。そのことについてあなた自身は戸惑いなり不安を感じなかったのですか、どうですか。
  446. 鈴木紳介

    鈴木証人 不安というよりも、やはり私ども組合経営が第一でございますから、長銀さんが入ってこられた以上は、高橋関連については、イ・アイ・イ・インターナショナルも、高橋さんも、また保証項目もすべてきれいになっていくだろうという前提のもとでの作業でございました。
  447. 草川昭三

    ○草川委員 そのときに、東京都からは、この大口の貸し出しの中でも、個人と言っていいと思うのですが、目立つ金額ですね、五十四億。都からの注意はございませんでしたか。
  448. 鈴木紳介

    鈴木証人 ございましたが、長銀さんが管理している間の御指導よりも、やはり長銀さんが撤退後の御指導は、それはすごいものがございました。
  449. 草川昭三

    ○草川委員 ちなみに、イ・アイ・イ・インターナショナル長銀の方から出向してみえる方がおみえになりましたね、副社長クラスで。この方は、東京協和の方もそうですが、おたくの安全信組の方も経営状況を把握してみえたと思うんですが、あなたたちと都庁に数度訪問をして、都から改善指導を受けていたのではないか、あるいは、受けられたときに都に対してもいろいろと意見を述べていたのではないかと思うんですが、そのことを御承知かどうかお伺いします。
  450. 鈴木紳介

    鈴木証人 それは安全信用に限ってはございません。
  451. 草川昭三

    ○草川委員 では、次に移りましょう。  経営破綻に陥ったイ・アイ・イ・グループに対し、長銀は利息払いのため利子相当分の追い貸しをしていたと思うんです。先ほども少し触れられておりますけれども、具体的に承知をしている範囲内でお答えを願いたいと思います。
  452. 鈴木紳介

    鈴木証人 関連グループ、私どもで約二十数社ございます。二十数社に対して、まちまちでございますが、年利八%、九%の利払いをやっていたと思います。
  453. 草川昭三

    ○草川委員 では、今度は少し視点を変えまして、証人関係する会社が、他の金融機関から借り入れたお金の返済に困って、安全信組からの借り入れで肩がわりをしたという事実はございませんか。
  454. 鈴木紳介

    鈴木証人 一切ございません。
  455. 草川昭三

    ○草川委員 では、平成五年の七月にイ・アイ・イ・グループから長銀が撤退する際に、長銀側からは安全信組に対してどういう説明がなされましたか。また、その後の経営について長銀から具体的なアドバイスはあったかどうか、お伺いをしたいと思います。
  456. 鈴木紳介

    鈴木証人 実は、長銀さんの撤退というのは、その前日に東京都の課長から私のところに電話がございまして、長銀が撤退するのを知っているかということで、私も驚きまして、そのとき初めて知ったわけで、その後、長銀さんはほとんどごあいさつも交わすことなく去っていったわけでございますので、その後面識は全くございません。
  457. 草川昭三

    ○草川委員 長銀は、多分これは七月のことだと思うんですけれども、和議を高橋氏あるいはそれに関連をする安全信組のおたくの方に提案をしたのではないかと思われる節があるのでございますが、長銀は和議の提案をしたかどうか、あるいはその際の高橋氏の反応、これを承知をしている範囲内でお答え願いたいと思います。
  458. 鈴木紳介

    鈴木証人 高橋さんは私の前でもやはりそういうことは余り言わないものですから、安全信用に対しての和議というのは全くありませんし、そういう話も、高橋さんは撤退するまでの過程というのは今でも私には語りません。
  459. 草川昭三

    ○草川委員 そういう、長銀が和議を進言した、提言をしたという情報は、あなたの方に入ったことはございませんか。
  460. 鈴木紳介

    鈴木証人 長銀さんが撤退する十日前に入りました。
  461. 草川昭三

    ○草川委員 撤退される十日前にそのニュースは知った、こういうわけでございますね。  じゃ、その和議という一つ具体的な提言ということは、これはかなり膨大な債権を持っておるわけですから、これはそれなりの真剣な対応があって私はいいのではないかと思うのですが、そのようなお考えはなかったのでしょうか、お伺いします。
  462. 鈴木紳介

    鈴木証人 私が十日前にその和議の話を耳に入ったときに、高橋さんに尋ねまして、長銀さんとそういう話になっているのかと言ったら、いや、そこまでは行ってない、そういう話も一つは出ているけれども、私は最後ぎりぎりまで回避するように私は説得するということを聞いて、そうですかというふうに私は答えたわけでございます。
  463. 草川昭三

    ○草川委員 そのぎりぎりまで説得するというのは、高橋自身再建について自信がある、だからその和議の段階ではないじゃないですかということを言おうとしておみえになるんですか。
  464. 鈴木紳介

    鈴木証人 そのとおりでございます。
  465. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、この件はまたもう一回後で戻るかもわかりませんが、一応おいておきまして、昨年の秋に、安全信用組合のある非常勤理事、先ほども名前が出た方でございますが、この方にあてて大蔵大臣から何らかの連絡があったという話を聞いておみえになりませんか。
  466. 鈴木紳介

    鈴木証人 四元さんが鹿児島から戻ってこられたのが十一月の末なんで、私はその後実は四元さんに初めて連絡をさせていただいたのが、十二月の九日の辞任する朝なんです。朝五時半に、本日をもって辞任いたしますということで、どうしても非常勤の理事に、やはり理事会でございますので連絡をさせていただかなければならないので、十二月九日の朝の私は六時前に連絡をしたと思っています。
  467. 草川昭三

    ○草川委員 私がお伺いしているのは、四元さんから直接あなたが私が質問をしたことを聞いたのではなくて、四元さんの秘書の方ではないだろうかと思うのですが、実はこういう問い合わせがありましたよというお話を聞かれたことはございませんか、こういう質問なんです。
  468. 鈴木紳介

    鈴木証人 全くありません。
  469. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、次へ行きましょう。  では、これも先ほど少し出たんですが、もう少し私の立場からお話をお伺いしたいと思うのですが、昨年の九月の六日に、安全信組がゴルフ場会社のメイプルヴァレイゴルフクラブへ総額百五十億以上の融資を行いましたね。これはもう議論になりましたね。そして、同じ九月の六日に、この金がメイプルヴァレイゴルフクラブから鈴木証人が実質的なオーナーであるところのジー・アール・シー、これは不動産会社ですね、将来は安全信組のOBを入れたいという趣旨でつくられたと思うのですが、このジー・アール・シーに振り込まれ、さらに昨年の十二月の六日ごろ、このジー・アール・シーから大分県でゴルフ場を開発している宇佐観光開発株式会社に九十億、同じく大分県でゴルフ場の開発や会員権の販売などをする株式会社エー・ジー・シーに約六十億円が転貸されていますね。  それで、証人はこのことを先ほど認められたと思うのですが、これは、さらに次へ移りますが、宇佐観光開発株式会社と株式会社エー・ジー・シーには、合わせて約百八十四億円の借入金が既にあったんですね。もともとあったんですね。それで、この両社にこのジー・アール・シーから転貸された金額を安全信用組合へ返済しているのですね。  これは一体、どう考えてもわからぬのです、私どもは。なぜ安全信組から百五十億の金がおたくの不動産会社ジー・アール・シーに振り込み、そしてそれが九十億と六十億に分けて、そしてこのゴルフ場開発会社二つ、しかもこの二つのゴルフ場開発株式会社というのは、まだ正式に認可を得ていない。いいですか、正式に認可を得ていない。しかも、その工事費よりも高いものが融資をされる。このことが一先ほど来からおたくが言ってみえる不良債権を活性化させるということじゃないですか。
  470. 鈴木紳介

    鈴木証人 はい。
  471. 草川昭三

    ○草川委員 これは、実は我々一般人としては非常に理解に苦しむ、驚くべき錬金術というんですかね、私どもは納得できないと思うんですが、その点について、私が質問したことがまず正しいかどうか、そして、どういう形でお金が出ながら返済をするんだ、お答え願いたいと思うんです。
  472. 鈴木紳介

    鈴木証人 今先生のおっしゃるとおりでございます。  それで、金の流れは今先生のおっしゃったとおりの流れなんですが、本来ならば、宇佐観光もエー・ジー・シーも全部やるつもりだったんです。ところが、やはり全部をやるためには投下資本が相当要るんです。しかし、東京都さんもこれ以上の投下資本をもう認めないよというものですから、どれかに絞らなきゃならないというこ止で、じゃ大分については、宇佐とエー・ジー・シーは今環境アセスメントがもうほぼ終了していますので、あと残りの地代を払えばそれで認可がとれますので、その時点で売却をしましょうと。  そうすると、売却態勢に入ったものですから、宇佐とエー・ジー・シーにそのままその活性化させるための債権があってはならないために、それがメイプルヴァレイに移して、メイプルヴァレイは高橋さんが事業をおやりになるということなものですから、それから、売り上げや事業計画、返済計画も全部私が昨年の六月に東京都に資料を持って参りまして、安全信用で今後こういうことをやっていきますというふうに説明をさせていただいております。
  473. 草川昭三

    ○草川委員 それで、そのときに都は了解したんですか。
  474. 鈴木紳介

    鈴木証人 今安全信用の中がこういうふうになっているので了解というわけにはいかないけれども理事長さんの方の御判断でおやりになったらどうですかということでございました。
  475. 草川昭三

    ○草川委員 私、それは正確な答弁ではないんじゃないかと思うのですが、そもそも、私が先ほど言いましたように、今おたくがやっておみえになるのは、不良債権を表へ出して償却をするというやり方ではなくて、償却できっこないんですよ、母体が弱いから。ですから、それを肩がわりをするんですね。転貸をするという言葉はいいけれども肩がわりをするんですよ。トランプでいえばジョーカーの、ばば抜きですよ、それは。相手に押しつけるわけで、しかも押しつけ先のゴルフ場というのは許可を得ていませんよと。環境アセスとおっしゃいましたけれども、当初はことしの三月にオープンする予定だったんじゃないのですか。あるいは、ことしか去年の暮れには県の許可をもう得るという見通しでやられたはずです。それがずっと延びているわけです。  これは、既に最初にあった債権も、これは一体何に使っておったか怪しいものですね。だって、造成費以上のお金が行っているわけですから。一体何に使ったのでしょうね、その金は、もともとあったお金は。お伺いします。
  476. 鈴木紳介

    鈴木証人 昨年の、実際には認可がとれる十一月、この時点では、ゴルフ場に関しては残金を地主さんに払わなきゃならないのです。ところが、資金繰りが大変苦しゅうございまして、残金を払うときは我々は売却の時期と考えていたのです。ですから、その時点で残金を払って寝かすほど余裕がなかったものですから、それは、ずっと延ばしてきたというのは、残金の支払う時期はやはり買い手を見つけてから一気にやろうという考えだったのです。  それともう一つは、その金はどこにあったんだということなんですけれども安全信用組合の中にあった積もり積もった不良債権の塊なんです。
  477. 草川昭三

    ○草川委員 なるほど、ようやくわかりました。そもそも安全信組にあった不良債権の塊が、数字上その二つのところに置いてあったというんですか、それにかぶせた、こういうことなんですね。  それを今度は追い金を打って、いわゆる追加のお金を払って、それで債権を活性化させるということは、行き詰まることがもう目の前に見えておるじゃないですか、それは子供でも。そういう危険なマネーゲームに私は手を出されたということは納得できませんね。  さらにもう一回お伺いしますけれども、メイプルヴァレイゴルフクラブに百五十億の金を新しく出したわけです。それは担保はどうなっているんですか、担保は、百五十の担保は。
  478. 鈴木紳介

    鈴木証人 実は、宇佐観光とエー・ジー・シーにもともと入っていた担保を、宇佐とエー・ジー・シーからメイプルヴァレイに移した段階で担保はそのままにしてございますので、両方、メイプルヴァレイの担保と宇佐とエー・ジー・シーの担保を合算して入ってございます。
  479. 草川昭三

    ○草川委員 要するに、将来はゴルフ場として使用可能になる、それを見込んだ担保になるわけですよ、おっしゃることは。それはますます我々としては納得できませんし、それは下手をすると、下手をするのかどうかは別としまして、これは当然司直の手に、一番関心の置かれるところじゃないでしょうかね。すなわち、自己の利益のために、そして会社そのものに損害を与える行為、背任の疑いになる行為をあなたたちはやっておみえになるのか、その自覚があるのかどうか、お伺いしたいと思います。
  480. 鈴木紳介

    鈴木証人 もともとその不良債権の塊を移したということは、本来組合に力があってそのまま銀行さんのようにそれが償却ができ、また引き取り会社があるならばいいんですが、組合のままに置いておいたらその収益を圧迫することと、それからその月の決算ができないということですから、我々はあえて司直の手を煩わすようなことをしてまで、本来ならばそんなことをする必要なかったんです、ただ、組合を守っていくために、組合の維持発展のためにどうしてもしょうがないということでやったわけでございます。
  481. 草川昭三

    ○草川委員 いずれにしても、この問題は今ここで証人とやりとりをしても結論の出ることではございませんので、別の場で何らかの処置がされることだと思います。  東京都への報告問題についてお伺いをしたいと思うんですが、東京協和高橋氏がいろいろとインタビューにも答えておりますし、午前の証言でも言われておりますが、いわゆる日計表というのがあるわけです。先ほどもこちらに出ておりますけれども、この日計表というのは、たしかそれはまだ長銀管理をしてみえる時代に両信組から長銀に出された日計表が今この皆さんのお手元に配られていると思うんです。私の聞きたいのは、平成五年の八月から毎日安全信組から東京都に提出をされている日計表は別のものだと思うんですが、その点の確認をしたいと思います。
  482. 鈴木紳介

    鈴木証人 長銀データシステムの機械を使って出しますから、同じフォームのものが東京都に行ってます。ただ、日計表というのは、その日の入り払いについては専務理事が手書きになるものですから、手書きで夕方五時半から六時の間に信用組合課にファクスを入れております。
  483. 草川昭三

    ○草川委員 これは私が今手元に、平成七年、ことしのこれは三月の、現在行われている日計表を持っています。確かに言われるように、かつての長銀のデータシステムで打ち込んだ預金貸出金現況というのはありますが、私が実は言いたいのは、先ほどの宇佐観光なんかに、この二つのところに百五十億来る、こういう融資許可というんですか、事前相談というのは少なくともこの日計表からはうかがうことができないんです。だから、今おたくは、いや都も知ってましたよと、長銀が手を引いてから都も知ってますよとおっしゃいますが、私の見る限り書き込むところがないんですね、新規の融資が。その点はどうでしょう。
  484. 鈴木紳介

    鈴木証人 日計表は、主に手書きの部分については一日の入り払いで、出たものを、また入ってきたものを書き込みますので、この場合は安全信用組合の中での機械で動かしてますから、為替なりオンラインシステムを使ってございませんから、これは中では相落ちになっていますから動きません。
  485. 草川昭三

    ○草川委員 もう一回念を押しますが、その融資先などの詳しい説明を事前に都に説明をしていないということではないでしょうか。その点についてのお答えを願いたいと思います。
  486. 鈴木紳介

    鈴木証人 私が記憶しているメイプルヴアレイについては、私がじかじか持参してスキームを相談しておりますのでわかっておりますが、それ以外のやつは私はちょっと記憶にございません、今のところ。
  487. 草川昭三

    ○草川委員 要するに、東京都には事後申告ではなかったかということを言いたいんです、私は。その点、どうでしょう。
  488. 鈴木紳介

    鈴木証人 その今の宇佐、エー・ジー・シーとメイプルヴアレイの動かしは内部でやったものですから、もしかすると事後申告かもしれません。
  489. 草川昭三

    ○草川委員 要するにおたくは、長銀が撤退をした、国の方も大変だ、都も大変だと言うので共同で監査を受けた立場なんですね。ですから、都は大変心配したと思うのですよ。それで、一体預金がどの程度引き出されているのか、預金が減少したら取りつけ騒ぎになるかもわからない、だから二日分なり三日分なりのお金はしっかり金庫の中に入れておきなさいよということのためにこの日計表というのは行っていると思うのです。という状況の中で百五十億の新規の貸し出しが、後がもわかりません、事後承諾かもわかりませんという程度の認識では、私はこれは経営者として失格ではないかと思うのですが、反省はございませんか。
  490. 鈴木紳介

    鈴木証人 百五十億の新たな融資という格好で私ども預金から、預金を崩して融資が出たというわけじゃなくて、安全信用組合の中にあるその塊が中で動いたというだけでございますので、実際には一円も新規な資金は捻出しておりません。
  491. 草川昭三

    ○草川委員 要するに、流動化したんですよ、自分の中の懐の中で帳面をつけかえをしたんだということをおっしゃりたいんですが、それはまた逆に、信用組合経営の透明化という立場から考えれば、それはごまかしになるわけですよ。それは、もう全く素人というんですか、部外者にはわからない経営状況になるので、私は今の答弁は、利用者として、あるいは都民として、あるいは一般の国民としてでは納得できないことだと思うんです。  しかし、そのことだけ申し上げておきまして、先ほど来いろいろな方もおっしゃっていますが、検査結果というのが平成五年あるいは六年いろいろと出て、いわゆる業務改善命令というんですか、示達という形で東京都は両信組にいろいろと注意を喚起していますね。  その中で私は非常に気になる点がございますので、二、三点聞きたいわけでございますが、その中に「貸出の抑制」という項があるんです。もうこれは御存じのとおりだと思います。「貸出の抑制」の項に、「経営実態のない企業、債務超過等の経営不振企業など、分類対象になっている」、経営実態のないという分類になっている、そういうところに「追加貸出をしない」とあるわけですけれども、この指摘からすると、そもそも経営実態のない企業貸し出しをしていたことになるんじゃないでしょうか。私が先ほど言いましたこの二つのいわゆるゴルフ場に対する社内のつけかえというのはまさしくそういうことだと思うんですが、それはもう既に、もう五年のときから注意をされておるわけですが、どう考えられますか。
  492. 鈴木紳介

    鈴木証人 平成五年までの不良債権というものをそのまま放置できなかったことは先ほど申し上げたとおりなんですが、やはりつけかえをしてそれを活性化させるためには新しい会社に移さなきゃならない。新しい会社は事業体としてゴルフ場経営をやろうという会社でございますので、その過去の、その会社自体が過去のやはりデータを持っていないと。したがって、その経営実態というふうに都は認定したと思うんです。しかし、我々は、そういう会社だからこそ、会社の、要するに会社ごとの売買をやるわけですから、経営実態が悪ければ私ども買わないわけですから、逆に経営実態がないということは、過去にもその会社は例えばほかに債務保証しているとか借金があるわけじゃないわけですから、その会社ごとの売買をして、その会社が持っている権利を、または権利をとろうとするものについて買うわけですから、私どもはそういう認識で説明をさせていただいたと思います。
  493. 草川昭三

    ○草川委員 一言で言うならば、海のものとも山のものともわからない、だから今後発展するという考えは、これは我々としては納得いきませんね。海のものとも山のものともわからないけれども、資産がありますよ、担保力はありますよ、ゴルフ場として開発許可がおりそうですよ、会員権もたくさん売れますよ、ならばそこに新規の融資をされることは当然だと思うのですけれども経営者として。それがないのにそういうことをやられるから、結局、経営実態のない企業お金を貸すんだという指摘になると私は思うのですね。  あるいは、この示達の中で、業務、事務の不備、不適正な事例として、貸出先業況把握に必要な決算書や確定申告をとりなさいというんだが、とらない。当たり前ですね。お金を貸す場合に、決算報告なり、納税していますか、確定申告していますか、ならばお金を貸しましょうという当然の日常業務の第一歩がやられていない。これはやられていないという指摘があるんですね。  それから、もう時間がどんどん過ぎますので二、三言いますが、利息の代払い、利息の追い貸し、転貸融資がありますよ、これも先ほどありましたね。ここで聞きたいのは、株価維持の貸し出しがあるというんですよ。株価維持の貸し出しというのは一体どういうものか、具体的にお答え願いたいと思うのです。
  494. 鈴木紳介

    鈴木証人 株価維持の貸し出しというのは、多分、お客様の中で株をお持ちになっている――その株価維持というのが、ちょっと意味が、先生の言われる意味がちょっとわからないのですが。
  495. 草川昭三

    ○草川委員 東京都のこの示達の中に、「株価維持の貸出」が行われている、やめなさいよ、けしからぬよという指摘なんですよ。ですからこれは、株を担保に入れているからそういうものが明らかなんでしょうね、それは高橋さんのことを指しているんじゃないでしょうか、都は。お聞かせ願いたいと思います。
  496. 鈴木紳介

    鈴木証人 イ・アイ・イの株を私ども会社に担保で入れているお客様がいらっしゃいます。そうすると、検査官からイ・アイ・イの株は店頭上場のためにこれは好ましくないということで改善したと思います。
  497. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、時間がもうどんどん来まして、山田氏にバトンタッチをしなければなりませんので、個人資産の提供について若干お伺いしたいと思うのですが、高橋氏は回収不能債権を補てんするためにすべての個人資産を提供するとインタビューで答えておるわけですが、鈴木証人は個人資産を提供する意思があるのかどうか、もしあるとするならばおおよその内容を、金額なり物件の内容をこの際御提示願いたいと思います。
  498. 鈴木紳介

    鈴木証人 私の場合は、安全信用組合にもう以前から入ってございます。私の実家、母親のところも全部入って、関連会社をつくるときに担保を全部入れでございます。
  499. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、担保は、新たに私財を提供する物件はない、こういうことでございますね。  じゃ、理事長辞任されるときの経緯についてお伺いしたいと思うのですが、昨年十一月の二十四日、証人都庁に呼ばれて申し渡された、身柄を預けろと。不満だったけれども云々という、こういう話がありました。東京協和高橋理事長は、あなたが呼ばれる前の十一月十八日に都庁に呼ばれているんですが、このとき高橋氏は理事長をやめるということについて抵抗したやのお話がございました。  あなたはもうやむを得ないというようなことを発言されておみえになりますが、あなたは高橋理事長に、もうこの際お任せしようじゃないかというような説得をしたのですか。何もそういう、二人の間には何も関係なく、高橋氏は高橋氏、あなたはあなたで、独自の判断で辞任を認められたのか、お伺いしたいと思います。
  500. 鈴木紳介

    鈴木証人 この件に関しては全く独自の判断でございます。
  501. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、かわりますので、最後に一言。  今回、大変これは日本の国内に金融不安を大きく拡散をさせたというのですか、広げた責任は重大だと思うのです。あなたはそういう事の重要性をどのように認識され、反省しておみえになるのか、あるいはまた、今後どのように罪償いをされるのか、お伺いしたいと思います。
  502. 鈴木紳介

    鈴木証人 私、辞任の後も申し上げましたように、私どものためにこのようなお騒がせをしてまことに申しわけない、これは私としては素直にそのお騒がせしたことに対しては謝らなければいけないのですが、ただ、組合を引き継いで、そして辞任するまでの間は本当に死に物狂いの戦いだったものですから、私自身としては、そういう意味で組合に背いて、任に背いたというつもりはありませんし、私はそういうことはなかったというふうに思っております。
  503. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、交代します。
  504. 佐藤観樹

    佐藤委員長 この際、山田宏君から関連発言申し出があります。草川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山田宏君。
  505. 山田宏

    ○山田(宏)委員 ただいま我が党の草川理事の方から御質問ございましたけれども、ちょっと関連して二、三またお伺いをさせていただきます。  先ほどもお話ございましたけれども安全信用組合理事を、非常勤理事をお務めの四元義隆氏は、週刊誌等のインタビューに答えて、大変証人のことをかわいがっておられた、こういうふうに書いておりますけれども、どういう御関係だったのか、もう一回簡単にお話を。
  506. 鈴木紳介

    鈴木証人 四元氏は私の家内の方の親戚筋に当たりまして、先代の理事長と大変じっこんにしておりました。そのとき私はまだ小そうございましたので、四元先生に大変かわいがられていたということは覚えております。  ただ、安全信用に入りましてからは、四元氏も大変忙しくて、それから私も一々説明をし、また御意見をちょうだいする暇なくごぶさたをして今日まで来ております。ですから、十二月の九日の朝、辞任をするということを伝えだというのが昨年では一本だけでございます。
  507. 山田宏

    ○山田(宏)委員 ちょっと質問を予想されながらお話をされているようにお聞きいたしますけれども、昨年何本というようなお話ではなくて、じゃ具体的にお聞きをいたしますけれども、この四元氏のインタビューの中で、去年の十月九日、十日と武村大蔵大臣が鹿児島の方へおいでになりまして四元氏とお会いになったということですが、その後というか、四元氏の方から、こういう、武村さんが来ていろいろお話があった、大蔵省の状況はこんな感じであるというようなお話が電話でもなかったのかどうか、断言をしていただきたい。
  508. 鈴木紳介

    鈴木証人 全くありません。
  509. 山田宏

    ○山田(宏)委員 それでは次に、私はこの長銀がイ・アイ・イ支援を打ち切った平成五年前後を見てみますと、この両信用組合預金総額は、打ち切り前の六月では千七百七十一億円、それで打ち切り後のときには、十二月には二千十一億円、二百四十億円預金総額が増加をしております。  多分、こういった長銀支援打ち切りというのを契機に、何とかこの危機を乗り切らなきゃいかぬということで預金集め等に奔走されたのではないか、こう思いますけれども、相当金融も逼迫しておりますし、バブル後の金融の詰まりに詰まった状況ですから、どの経営者も金融の経営者は頑張っておられた。その中で、相当無理をされて預金集めをどの金融機関もやられているというのが一般的な常識のように思うのです。  四元さんもインタビューの中で、非常にまじめな人柄だ、こういうふうに証人のことを評されておりましたけれどもバブル崩壊でこうやって金融が詰まっている中で、大口預金を獲得するために、例えばいわゆる裏金利をつけたり、または仲介者に仲介手数料を金利という形で払ったり、またバックマージンなどを渡したりということが、まあ一般的には、口では言わないけれども、今のこういう状況の中で金融機関はいろいろ苦労しながらそういったことをやっているということが結構裏の常識になっているようなことを聞いたことがありますけれども、まさか証人立場から、こういうようなことは全く行っていないということが断言できますか。
  510. 鈴木紳介

    鈴木証人 全く行っておりません。
  511. 山田宏

    ○山田(宏)委員 それでは、今回一番我々が問題にしておる一つは、今回、公的な支援を行うに当たって、救済をされる大口預金者とは一体どういうものなのかということを明らかにしておきたいのですが、これは新聞記事になっていますから名前を出しても問題はないと思いますけれども、いわゆる村山首相の出身母体であります自治労の預金についてお伺いをしておきたいと思いますが、今回のこの自治労の新聞記事が何度か出ております。  一時期は自治労自体のみならず、自治労の共済、コープですね、生協からも最高時、これは自治労の財政局長さんのお話として報道されておりますが、最高時で五十億円に達したということが報道されておりますが、この記事は御存じですか。また、それはどういう事実がということをお聞きしたい。
  512. 鈴木紳介

    鈴木証人 自治労さんには多分一昨年の暮れに、私ども預金をとるに当たっていろいろ営業展開していくのですが、労働組合さん、お金あるということを聞いていたものですから、本店長を初め飛び込みで行くのです、みんな。それで、何回か足しげく通っているうちに、じゃ少し預けようということで、たしか自治労さんは数億円、最初は預けてくれたと思うのです。そのうち、自治労共済の方が自治労本部より金があるよということを言われたものですから、それで自治労共済の方に今度、道を挟んで向こう側でございますから、一生懸命通った。それがだんだん私ども金利を見て、いいんじゃないかということでやってくださったというふうに思っております。
  513. 山田宏

    ○山田(宏)委員 経緯についてお話がありましたけれども、飛び込みでやって、徐々にふえていった。だれか仲介に立ったという人はいないということですか。
  514. 鈴木紳介

    鈴木証人 おりません。
  515. 山田宏

    ○山田(宏)委員 また、一部報道によりますと、これは正しいかどうか、イエスかノーかお聞きをしておきたいのですが、平成六年、去年ですね、去年の八月時点では、自治労事業本部からは十三億円の預金、自治労本部からは四億円、そして自治労共済からは五十億円。そして、その翌月の九月末、去年の九月には、自治労事業本部から二十三億円、自治労本部から四億円、自治労共済から五十億円、合計自治労関係で七十七億円の預金がある、こういう報道もありますけれども、これは事実ですか。
  516. 鈴木紳介

    鈴木証人 そのとおりでございます。
  517. 山田宏

    ○山田(宏)委員 最初数億円だった自治労関係預金が、いつごろにこう急激に大幅に預金額が伸びていったのか。もし記憶にございましたら、大体このくらいの時期だということをお聞かせいただきたい。
  518. 鈴木紳介

    鈴木証人 最初におととしのときにいただいたのが多分この四億円だと思います。それからだんだんふえていきまして、この五十億円というのはたしか去年の四月だったと思います。
  519. 山田宏

    ○山田(宏)委員 去年の四月に五十億円の預金が入ったということですよね。これくらいの大きな、巨額なお金が動くということは、大体金融界の常識からいうと、いろいろな預金者に対してのメリットをやはり普通何らかの形で出していくということだと思うのですけれども、何かそういうものがありましたか、
  520. 鈴木紳介

    鈴木証人 全く通常金利、私どもは通常金利をちょっと高目に設定してございますので、それで自治労さん御判断されたと思います。
  521. 山田宏

    ○山田(宏)委員 この新聞では、自治労の財政局長さんは、安全信用組合に一九九二年五月に五・五%の利率で預金したのが最初、こういうことですが、この五十億円についてもどれぐらいの利率だったのか、お聞きをしておきたい。
  522. 鈴木紳介

    鈴木証人 実は、この五・五%では高過ぎるということで、うちの専務が交渉しておりまして、五・五より下げたというふうに聞いております。
  523. 山田宏

    ○山田(宏)委員 何%というのはわかりませんか。
  524. 鈴木紳介

    鈴木証人 記憶では、五%前後じゃないかというふうに思っています。
  525. 山田宏

    ○山田(宏)委員 事実かどうかちょっとお聞きをしておきたいんですが、この自治労または自治労共済が預金した、大幅に伸びたのが大体四月ぐらい、そのときにこの利率五%分の一年分を前払いをしたというような事実はありますか。
  526. 鈴木紳介

    鈴木証人 全くございません。
  527. 山田宏

    ○山田(宏)委員 これはこれでおいておきたいと思いますが、自治労関係者を職員に採用したということはございますか。自治労の関係者、OBとかいろんな関係者の方を安全信用組合に採用されたということはありますか。
  528. 鈴木紳介

    鈴木証人 全く初耳でございます。ございません。
  529. 山田宏

    ○山田(宏)委員 今、自治労の関係についてお話をお聞かせいただきましたけれども預金の額を見ておりますと、今お話しになった四月ぐらいから恐らく九月に引き出されるまで、自治労共済の預金額が五十億とずば抜けている、こういうふうに思いますけれども、それは事実ですか。
  530. 鈴木紳介

    鈴木証人 やはり十億以上の預金は相当の大口だというふうに思っております。ただ、期間が長くて、私どもとして安定してそれを運用できるならば、やはり、相手様がしっかりしていて、そういう場合の受け入れは行います。
  531. 山田宏

    ○山田(宏)委員 昨年九月十七日に、「都が経営改善指導」、新聞記事ですね、「都が経営改善指導」「特定企業に過剰融資」という日経新聞が出てから、先ほどの証言だと、百五十億円ぐらいが引き出された、こう証人はおっしゃいましたけれども、この中には今お話にあった五十億円というのが含まれている、こういう認識でいいんですか。
  532. 鈴木紳介

    鈴木証人 この日経の新聞が出まして、すぐ自治労共済の専務理事さんに呼ばれまして、もうこういう新聞が出るんだったら置いておけないということで、十月五日に出されました。
  533. 山田宏

    ○山田(宏)委員 もう一回確認をしておきたいんですが、十月五日にこの五十億円が引き出された、こういうことですね。
  534. 鈴木紳介

    鈴木証人 そのとおりでございます。
  535. 山田宏

    ○山田(宏)委員 私の予定した質問は以上なんですが、ちょっと時間が余ってしまいましたのですが、以上で終わりたいと思いますので、どうもありがとうございました。
  536. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて草川君、山田君の発言は終わりました。  次に、松本善明君
  537. 松本善明

    ○松本(善)委員 乱脈経営は今までの各質問者も聞きましたけれども高金利預金を集めて、そして自分の関連会社融資をするというのは、だれが考えてももう許せないことですね。あなた自身も法令違反であるということはあるということは、だから、いつやめろと言われればやめざるを得ないということを言いましたですね。  私は、この問題で、いつから法令違反を承知をしていたのかということを聞きたいんです。といいますのは、新聞で大きく一昨日報道されていますが、二十七年前から違反融資があったということが東京都の記録にある。「バブル期の八九年度以降は毎年、両信組の貸出総額の五割から九割近くが違反融資で占められていたことも判明した。」  言うならば、今あなたの証言をずっと聞いておりますと、いわゆる信用組合というのは非営利の金融機関だということでやっていたのではやることはできないんだと、いわば大口預金、大口融資、当たり前なんだということで言っておられる。だから、ずっと前から法令違反承知の上で結局やってきたということになるのか、はっきり確かめておきたいと思います。
  538. 鈴木紳介

    鈴木証人 今先生言われたように当たり前のようにやったわけじゃなく、やはり緊急避難的な要素としてやらさせていただきました。
  539. 松本善明

    ○松本(善)委員 緊急避難と言うけれども、法令違反は承知をしていた。これは先ほど来、あなた前から言っておられるが、東京都にも逐一報告した。ずっと前からこの法令違反があったわけですが、これはその二十七年も前、ずっと昔からやはり東京都も知っていたと、こういうことですか。そういうふうに考えられますか、あなた自身
  540. 鈴木紳介

    鈴木証人 二十七年前のことはちょっと私わからないのですが、最近のことに関しては東京都さんから強い御指導、御指摘がございましたことは事実でございます。
  541. 松本善明

    ○松本(善)委員 裏金利高金利のことが聞かれましたが、あなたの信用組合は「半年五%の「裏金利」」「通常金利に上乗せ」と大きく報道されています。あなたは全くないと言いましたけれども、本当でなければ偽証罪に問われますけれども、間違いありませんか。
  542. 鈴木紳介

    鈴木証人 全くございません。
  543. 松本善明

    ○松本(善)委員 一番高い金利はどのぐらいでしたか、あなたの。
  544. 鈴木紳介

    鈴木証人 私のでは五・七ぐらいか五・九ぐらいだと思います。
  545. 松本善明

    ○松本(善)委員 先ほど日本国和清光会の元総裁の関連会社向けの融資東京都から紹介されてしたということの質問がありました。このことをあなたに言ったのはだれですか。名前をはっきり言ってください。
  546. 鈴木紳介

    鈴木証人 東京都の信用組合課長よりの御連絡で、うちの専務が東京都に出向いていったわけです。
  547. 松本善明

    ○松本(善)委員 だから具体的な名前です。
  548. 鈴木紳介

    鈴木証人 ちょっとそのときのことを……(松本(善)委員「答える義務があります」と呼ぶ)課長の名前、忘れております。
  549. 松本善明

    ○松本(善)委員 名前を忘れたのですか、これだけのことをやって。(鈴木証人「はい」と呼ぶ)  それで、ここでは、報道では「労働経済局の幹部」だというふうに言っています。それは違いますか。
  550. 鈴木紳介

    鈴木証人 信用組合課長より連絡があって、当時の専務が東京都へ出向いていって、信用組合課長が部長のところへ連れていったというふうに聞いております。
  551. 松本善明

    ○松本(善)委員 違法、法令違反は承知をしていたということですが、東京都も知っていたということ。  大蔵省はどうでしょうか。共同で検査に来たり、これは監督官庁ですから、普通ならば大蔵省も知っていたというふうに言わざるを得ないと思いますが、あなたはどういうふうに思いますか。
  552. 鈴木紳介

    鈴木証人 平成五年の七月九日、長銀さんが撤退して、翌月の八月の検査で合同で入ってこられて、私の確認できるのは、そこで大蔵省さんが知った以外には考えられません。
  553. 松本善明

    ○松本(善)委員 いずれにしても大蔵省も知っていたと。  あなたは、報道によりますと、高橋さんと一緒に銀座あたりを盛んに飲み歩いていたということが言われておりますが、まあ仲のいい人だからそういうこともありましたかな。
  554. 鈴木紳介

    鈴木証人 私は、実は柔道部だったのですけれども、柔道部の中でも酒を飲まない一人で、本当にお酒は飲みませんので、銀座を高橋と一緒に出歩くということは全くございません。
  555. 松本善明

    ○松本(善)委員 そういうことがクラブの名前まで挙げて報道されていますが、全くないと言うと偽証になる場合もありますが、いいですか。
  556. 鈴木紳介

    鈴木証人 安全信用に来たときに、高橋さんが歓迎会ということで、一緒に行って歩いたことは何回かあるかなというふうには思っていますけれども、最近についてはもう全くございません。
  557. 松本善明

    ○松本(善)委員 正直に答えてくれないと後でえらいことになりますから、はっきり答えてくださいよ。  高橋さんは、大蔵省の中島官房審議官、それから田谷東京税関長、岩下現職の総理秘書官、こういう人たちと一緒に料亭で食事も何度かした。先ほども自家用の飛行機で香港まで行ったことも話が出ました。  あなたは、この高橋さんと一緒に大蔵省の幹部と食事をともにしたことはありませんか。
  558. 鈴木紳介

    鈴木証人 ございません。
  559. 松本善明

    ○松本(善)委員 全くありませんか。
  560. 鈴木紳介

    鈴木証人 全くございません。
  561. 松本善明

    ○松本(善)委員 ああそうですか。  自治労の話が先ほど来出ました。これは飛び込みだというお話でしたけれども、全く高金利だけにつられてといいますか、高金利を目的に自治労はあなたのところに預金を広げていった、こういうことですか。
  562. 鈴木紳介

    鈴木証人 私どもの営業努力が若干はもちろんあったと思いますし、そうじゃないと職員がかわいそうだと思っていますので。  ただ、金利も高いことは事実でございますから、両面あったと思います。
  563. 松本善明

    ○松本(善)委員 自治労は、あなたのところの経営危機が明らかになったら、五十億、さっと引き揚げだということですが、これはあなたの方で連絡したんですか、あるいは自然にそういうことになったんですか。
  564. 鈴木紳介

    鈴木証人 九月の十七日に新聞に発表されて、ああいう報道があった、その後すぐ専務理事さんから連絡があって、代表者来てくれということで、私、初めて専務理事さんとお会いしまして、要するに、内容はともかく、スキャンダルは困るということをはっきり言われまして、十月五日でちょうど期日が来ますので、その期日で出させていただきますということをはっきり言われました。
  565. 松本善明

    ○松本(善)委員 あなたは、ちょっと先ほど聞き忘れたんですが、赤坂の料亭「佐藤」を知っていますか。
  566. 鈴木紳介

    鈴木証人 知っております。
  567. 松本善明

    ○松本(善)委員 行ったことがありますか。
  568. 鈴木紳介

    鈴木証人 行ったこと、ございます。
  569. 松本善明

    ○松本(善)委員 高橋さんと一緒ですか、それとも大蔵官僚だとかあるいは政治家、一緒のことがありましたか。記憶があれば、それをすべて話してください。
  570. 鈴木紳介

    鈴木証人 高橋さん、高橋さんの友人等と集まりがございましたが、高橋さんの友人というのは、千昌夫さんであるとか、僕は余り料亭、通わないものですから、そういうときにカラオケをしに行ったということだけしかございません。それ以外の、今先生御指摘の後者の方のお話で同席したことは全くございません。
  571. 松本善明

    ○松本(善)委員 終わります。
  572. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて松本君の発言は終わりました。  次に、海江田万里君。
  573. 海江田万里

    ○海江田委員 安全信用組合預金者リスト、当委員会に出していただきました。平成六年十一月末現在、リストが順番に並んでおりまして、四番目、「金融機関」とございますけれども、これは東京協和信用組合二十五億円でございます。間違いありませんね。――おたくが出した資料ですから、これ。「金融機関」、これ、東京協和信用組合、間違いないですね。
  574. 鈴木紳介

    鈴木証人 今先生から御指摘受けて、そうだと思います。
  575. 海江田万里

    ○海江田委員 指摘を受けて、ものの数分、数分もたっていませんね、数秒でそうだと言うことは、東京協和安全信用組合預金をしておった、二十五億円を預金をしておったということは知っておったわけですね、これは。
  576. 鈴木紳介

    鈴木証人 金融機関となれば、私ども、ほかの金融機関からは預金ございませんので、東京協和だけしかございません。
  577. 海江田万里

    ○海江田委員 東京協和金融機関金融機関預金をするということは、どうしてこれ、預金があったんですか、この時期に。
  578. 鈴木紳介

    鈴木証人 それはインターバンクで、私どもたまに預金の預け合い――というのは、私どものお客様の場合はいいんですが、お客様によっては口座を二本に分けたくないと。東京協和さんと安全と共有するお客さんの場合は、どっちか一本にしてくれということで、コンピューター操作上、経理が繁雑になるということで、一本にまとめてお客様がされることがございます。その場合は、私どもは受け入れます。
  579. 海江田万里

    ○海江田委員 これの利息は何%でした。
  580. 鈴木紳介

    鈴木証人 五%ぐらいだったんじゃないかと思いますけれども
  581. 海江田万里

    ○海江田委員 これは五%以上ですね。五・二か三ぐらいだろうと思います。こちらに出しました四%以上の中に入っておりますから。  それから、今のインターバンクの話なんですけれども、二本にしたくないで一本にするということ、これも常識では、金融の常識ではあり得るんですけれども。さっき、お昼にもちょっと東京協和の方にお尋ねをしたんですけれども、たかおビル開発という会社、おたくにも平成六年の二月の段階では四十五億ありますね、これは。あれは東京協和と、それから安全、両方に分けていますね。これはどうしてですか。
  582. 鈴木紳介

    鈴木証人 たかおビルさんに関しては、私どもの本店のすぐそばに事務所がございまして、もともと高橋さんとたかおビルとのつき合いでございまして、それから近いということで、たかおの経理の方が、安全信用組合は近いから口座をつくろうということで営業的に発展していったわけでございます。
  583. 海江田万里

    ○海江田委員 そのインターバンクで一本にまとめるということでいえば、これは東京協和の名前で受け入れてもいいんですよね、これは形の上からいえばね。じゃ、どうして別々にしたんですか。
  584. 鈴木紳介

    鈴木証人 それはお客様の希望でございます。
  585. 海江田万里

    ○海江田委員 じゃ、融資はそのたかお関係にありますか。
  586. 鈴木紳介

    鈴木証人 ございません。
  587. 海江田万里

    ○海江田委員 今、融資はありませんかと言ったら、たちどころにありませんという答えが返ってきましたね。坂上委員が質問をしたときは、一体どこが融資先があるかということを全然知らないということを言った。昔は知っておったけれども今は忘れたという話じゃなくて、全く知らないということを最初から言った。それから、その後のずっと答弁を聞いておりまして、非常に微に入り細にわたって、利率の話から幾らの融資から、全部知っておるわけじゃないですか。それを最初から知らないと言うのはどういうことですか。これはやっぱり私は偽証に当たると思いますね。
  588. 鈴木紳介

    鈴木証人 私も、全部知っているものと知らないものがあるんです。私が実際に動いたもの、それから先方さんに営業活動をしたもの、ごあいさつしたものについては、今言われたように覚えているんです。しかし、支店で動いたものの中には、一番、さっき、電子学校でございます、これは新宿の。それで、この方と安全信用組合昭和二十七年、ごめんなさい、三十七年に新宿支店ができてからの長いつき合いのところでございます。
  589. 海江田万里

    ○海江田委員 いずれにしましても、その日計表でありますとか、これは委員会に出していただきましたけれども、「貸出」のところでどこと書いてあるんですよ、ちゃんと。手書きですけれどもね。日交ですとかなんとか、書いてあるんですよ、貸し出しも。  それから、さっきおっしゃった、月末に貸出元帳を見ておると。貸出元帳というのは、そこには融資先がちゃんと出ているわけですよ。全く、貸出元帳は出した、自分も見て出した、だけれども、それは見ておらないとか、あるいは見たけれどもたちどころに忘れたとか、そういうことをおっしゃるわけですか。
  590. 鈴木紳介

    鈴木証人 いや、やはり理事長の業務というのは内部と外とございまして、全般にわたってもちろん見なきゃならない責任があるんですが、それぞれの数字は、トータルをやはり我々は把握しますので、一軒毎のお客様についての把握は専務理事の仕事でございます。
  591. 海江田万里

    ○海江田委員 まあ、これは見ておるんですよ。ですからわかっておるんですよ、どこが大体この上の五番目とか十番目だとか。私どもだって一生懸命やって、いろいろ調べて、大体わかっているんですから。御本人であれば、しかも大口でありますから、これは。そういう意味では、専務理事だけということはあり得ませんで、もしそれを専務理事が勝手に独断専行をやったのなら、これは専務理事の背任になりますよ、当然のこと。  ですから、もう少しやっぱり、委員会というのは、これはやっぱり、証人喚問というのは事実を明らかにしたい。  私は、冒頭鈴木証人がおっしゃいました、都市型の信用組合がいかに苦労しておるかということは私もよく知っておりまして、それは全くそのとおりだと思うんですね。だけれども、だからといって、やっぱり必要な、きちっと話をすべきところを全く話をしないという態度では、一番初めにおっしゃったこと自体が疑われるというか、本当のことかどうなのかと。  恐らくお父様、進さんは全国の信用組合の協会の会長をやっておられました。信用組合全体に対して、安全信組だけじゃなしに、全体に対して心配りをしておった方だと思いますけれども、恐らく今、この放送をもし聞いておったら大変残念だと思いますけれども、何か感想がございましたら。それを最後にします。
  592. 鈴木紳介

    鈴木証人 これは、帰りましてすぐ、上のリストから全部頭にたたき込みます。済みません。
  593. 海江田万里

    ○海江田委員 じゃ、たたき込んだら、また機会があったら、ぜひそれはすらすらすらと言っていただきたいと思います。  以上です。
  594. 佐藤観樹

    佐藤委員長 委員長から一言、鈴木紳介君に申し上げます。  今海江田委員からも御質問がございましたけれども、当初、坂上委員のときの質問で、これは冒頭でございましたのでちょっと会場の雰囲気もあったかと思いますけれども、一つたりとも、十位の、せめてやっぱり融資先は、これは大変御苦労、経営なさっているわけですから、私は、この十位の中の全部、これは確かに日にちによって変わりますから、それはもう必ずしも正確じゃないといいましょうか、のもあるとは思いますけれども、他のことにつきましては日にちのことまでぴたり、こう言われておることから申しますならば、私たちの今後の委員会の運営のこともございますので、ひとつぜひ、この融資額融資先リストの、何も五番と七番が違っていたから何とかということではなくて、この中にあるもの、一番から十番までのあるもので、記憶のあるものについて、順位が例えば違っていたらどうのという問題ではなくて、ひとつ証言をしてくださることが非常に重要なのではないかというふうに考え、再度、委員長として要請をいたしますが、この融資先リストの一番から十番の中にあるであろうと思われるものについて、御発言をぜひいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
  595. 鈴木紳介

    鈴木証人 はい、わかりました。  最初、いきなりこの資料を見せられまして、本当に困った。事実、こちらの先生から、うそだうそだと言われるものですから、余計上がってしまいまして……。  多分この百億は宇佐観光だと思います。それからあとエー・ジー・シー、それから長湯、それから株式会社ジー・アール・シー、それからジー・アール・シー・インターナショナル、それからタツミ総業、あとは、ちょっとそこぐらいが、今ずっと考えたのですけれども、済みません。
  596. 佐藤観樹

    佐藤委員長 今答弁がございましたのは、上からの順位ということではなくて、この十位の中にあるもののうち、今覚えていらっしゃるのがそういうことだということですね。
  597. 鈴木紳介

    鈴木証人 そのとおりでございます。
  598. 佐藤観樹

    佐藤委員長 これにて海江田君の発言は終わりました。  以上をもちまして鈴木証人に対する尋問は終了いたしました。  御苦労さまでございました。御退席くださって結構でございます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十二分散会