○正森
委員 オウム真理教の麻原代表も加担し、主導、指示して、
地下鉄サリン殺人事件、仮谷氏拉致
事件、松本
サリン事件、坂本弁護士拉致
事件、それから
教団内部で行方不明になった多数の
事件、そのほかに、
オウム関連と疑われている國松
警察庁長官狙撃
事件、あるいは村井秀夫氏刺殺
事件等々、非常にたくさんの
事件が報道され、あるいは疑惑を招いております。
その中でまず
地下鉄サリン事件が、特殊なマインドコントロールされた集団であるという点で非常に困難視されておりましたが、実行犯を
特定、
起訴することができた。あるいは
共謀共同正犯理論で、麻原氏が主導してこれを企画し、実行したということも、
公判を維持するに足る
証拠は何とかそろえることができたということで、
起訴されたことに対して、私も非常に喜んでおります。
ただ、この
捜査の過程で、先ほど
警察庁の
課長が、やはり
捜査の過程の若干の不備については時期を見て
国民の前に公表すべき点があるという反省の弁にとれることも言われましたが、私は、少なくとも二つの点について非常に問題があったのではないかと思います。
まず第一に、新聞によれば、
オウム真理教の
事件の原点の一つと思われると言われている坂本弁護士の拉致
事件、
警察は今でもこれを失踪
事件と言っているようですが、明白な拉致
事件ではないかと私は思います。
最近、ある週刊誌の六月七日号に、坂本
事件についての上申書を出したという内容が出ました。それを見ますと、ここには本名が出ておりますが、佐伯一明という、
教団の麻原氏の側近で当時は非常な最高幹部であった。一九九〇年に真理党という名前で二十五名が立候補しましたが、そのうちの一人でもあります。それが上申書の中で、坂本さん一家の拉致を実行したのは十一月三日から四日にかけての深夜に、早川、新実それから村井、中川という名前を挙げているのですね。これはいずれも今では、泣く子も黙るといいますか、恐ろしげな人物ばかりであります。
これについては、まだ真偽が確かめられておりませんが、深夜にかぎをあけたのは、青山弁護士も関与したからであるということも言われております。これについては、別にアリバイがあるというような反対意見もあるようですが、しかし、こういう名前が具体的に挙げられているということは非常に重大であります。
それからまた、単にこういう上申書と称されるものだけでなしに、当時坂本氏が属しておりました横浜
法律事務所等が詳細に
警察当局にも協力しているんですが、それらを見ますと、当時坂本弁護士は、
オウム真理教にさまざまな名目で金を巻き上げられた
被害者と思われる人から依頼を受けておりました。
その中でも非常に重要なのは、麻原尊師の血液には修行上特別な効果があり、その秘密は麻原代表のDNAにあることが京都大学医学部の研究で証明されているというようなことを言いまして、血液を飲む血のイニシエーションというようなもので百万円取るという被害を受けた人の依頼を受けまして、八九年八月九日に京大医学部に問い合わせをいたしました。
そうしますと、九月二十日になって医学部長から回答があり、「本学部
関係教官に照会し、
調査いたしましたところ、照会事項について、いずれにも該当なしとの回答を得ました。一方、本学部附属病院における外来患者一入院患者についても検索いたしましたが、本名、俗称とも該当者がありませんので申し添えます」という回答を得ております。
このことを申しましたところ、青山弁護士が十月十三日に釈明の電話で、あれは京大の大学院生遠藤が
施設内でDNA検査をしたものであると、遠藤というのもまた今回の
事件で重大な
被疑者というようになっている人物であります。
そういうことがあった上、十月三十一日の夜、横浜
法律事務所に青山弁護士等の代表が来て交渉しましたが、それに参加したのが早川紀代秀と上祐氏であります。これもまた先ほど言いました、今ではオウムそのものと言ってもいいような人物であります。それと非常に緊迫したやりとりになって、それで、誘拐されているあるいは監禁されている子供に逆に裁判を起こさせるというようなことが当時ありました。
あるいは、
被害者の会が三十日に麻原代表に対して文書を送りまして、水中瞑想、空中浮揚などの超能力を十一月十日までに公開の場で証明するよう求めて、「もし証明できなければ、われわれは今回の子どもたちの家出、出家の勧めは営利誘拐と判断せざるをえません」という文書を送りました。十一月一日には、血のイニシエーションのために金を払った百万円を取り戻したいという元信者から民事訴訟と刑事訴訟の委任状を受けております。坂本弁護士はこれを非常に喜んだそうであります。
そのまさに微妙なときの十一月三日の深夜にこの
事件が起こっているんですね。しかも、同僚弁護士からさきに指摘がありましたが、プルシャという
オウム真理教の印が残っておるというような
状況なので、
警察当局は今でも失踪
事件と言っているようですが、失踪というようなものじゃなしに拉致
事件である、しかも、
オウム真理教が非常に色濃く関与の疑惑があるということで
捜査すべきなのが当然だったと私は思います。ところが、そうしていないんですね。
特に私は、
警察当局が来ているので言いたいのですが、非常な偏見を持って
捜査しておる。磯子署の永山洋右という次長は、坂本さんが最後に横浜
法律事務所を出たのはいつですかと記者団が聞いたら、
法律事務所はそういうことは弁護活動の一環だからということで一切
警察に話そうとしない、こう言っている。ところが、それは真っ赤なうそで、横浜
法律事務所は、坂本さんの手帳も事務所に置いてある予定表も
警察にすべて現物を見せて、コピーを渡しておった。
法律事務所には二人の刑事が張りついており、弁護士、事務局員全員が事情聴取、指紋の採取にも応じているぐらい協力しておった。それを、言わないというようなことを言う。
あるいは、坂本弁護士はサラ金に借金がかさんで首が回らなかったそうだと
警察は言っていますが本当ですか、こう言って横浜
法律事務所等へ聞きに来ている記者があらわれておる。あるいはまた、弁護士になって三年目だという割に預金が多過ぎるという
情報がある、秘密で何か後ろ暗い仕事を請け負っていたのではないか、こういう
情報をリークして、それで新聞記者が聞きに来る。あるいはまた、坂本氏が学生時代に過激派の活動に加わっており、その
関係で内ゲバに巻き込まれたのだという説が流布された。出所は県警の幹部クラスだ。それが確かめもしないで新聞に載って、
関係者が、友人も含めて抗議して、新聞はとうとうおわびと訂正を大きく載せたという事実があります。
それだけではない。県警の幹部は、記者団に、君たち、横浜
法律事務所の弁護士の言うことをまともに受けて、拉致だ拉致だと書いていると、後で恥をかくことになるよということまで言っている。言語道断じゃないですか。
あなた方
警察は、先ほどまでの質問に非常に簡潔に答弁しました。簡潔というのは少し修飾してあなた方に有利に言うたのだが、非常にぶっきらぼうな短い答弁をしましたが、実際上は、そういう
捜査をして、あるいは
捜査をサボって的外れなことをやっていたんじゃないですか。