○枝野
委員 ありがとうございます。
さて、今の四条の点も含めまして今回の区分所有法の
特例措置というのは、私
ども与党という立場からもいろいろとこの
マンションの
建てかえ問題については勉強させてもらいましたし、また、
法務省においてもいろいろと御検討いただいたということを承知しております。そうした中で、現時点で考え得る
マンション建てかえを何とか容易にするためのベストの案であろうというふうに理解をいたしております。
ただ、しかしながら、現在考え得るベストの
法案をつくった、
法律をつくった上であっても、なおかつ
被災した
マンションの
建てかえ、特に五分の四
建てかえのためにそろえるというのは現実問題として相当厳しいものがあろう。それから、五分の四で
建てかえができたときであっても、残り五分の一
反対者があれば買い取り等をしなければならない、その
資金調達等の具体的な問題もあろうかと思います。
現実に動き出しますと、現地の方はとても
再建というよりもまだ地震の傷跡をいやす段階だと思いますが、もう間もなくして実際に
建てかえ等の問題が具体化してきたときには、現実問題として、なかなか難しい点が多々出てくるというのが現実ではなかろうかというふうに思っております。
そして、これは銀行の救済問題なんかと同じで、余り大きな声で言うこと自体が実は問題なので難しいのですが、ここで
マンションの
建てかえがスムーズにいくのかいかないのかということは、全国の
マンション価格、
マンションの供給と需要の
関係、こういったものとの兼ね合いで、もしこれで神戸で壊れてしまった
マンションの
建てかえはなかなかうまくいかないのだというような空気が広く伝わってしまいますと、恐らく
マンションの
価格等に対して悪い影響が出てきて、ひいては現在日本の経済、ある意味では
マンションの販売というのが引っ張っているところがございますので、悪い影響を与えかねないというふうに大変憂慮をいたしております。
恐らくこれから出てくる現実の問題、特に五分の四を集めていく過程での組合員の、共有者の皆さんの
会議等の中でさまざまな問題が出てきて、何とか行政あるいは
法律の方で
対応ができないかという問題がたくさん出てきて、それにいかに政治が行政が
対応していくかということがこれから問われていくのだろうというふうに思っております。
現時点で、具体的にどんなことが
対応として必要になるのか、それがわかれば、逆に言えば今
対応できるわけですから、そこが問題だと思いますが、例えば弁護士会等が、恐らく弁護士さんなどが入って五分の四集まるか集まらないかというようなことをなされるのでしょう。あるいは、場合によっては
裁判所等が絡んでくるということもあるのでしょう。さらには、独自に
法務省としてそうした
マンションの
建てかえについての
状況について積極的に情報を集めていって、どこが問題点なのかということを
調査していただく必要もあろうかと思います。さらには、そこで出てきた話によっては
法律の
改正が必要な場合もあるかもしれませんし、逆に例えば住宅金融公庫等、これは建設省になりますか、他省庁に積極的な動きを
法務省として求めていくというような動きも必要になるかもしれません。
いずれにしろ、この
マンション建てかえ問題についてきちんと窓口として
対応し得る役所というのは、これは
法務省ということになろうかと思いますので、
法務省の性格としてなかなか、中長期的な経済問題とも絡んでくる話、なかなかふだんはおありじゃないかもしれませんが、そうした意味ではふだんの
法務省のスタンスとは別に、今回は相当積極的な形で今後の成り行きを
調査していっていただかなければならないというふうに考えております。そのあたりの点について、法務大臣の御見解を伺わせていただければと思います。