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1995-02-03 第132回国会 衆議院 文教委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本
国会召集日
(
平成
七年一月二十日)(金曜日) (午前零時現在)における本
委員
は、次のとおり である。
委員長
伊吹
文明
君
理事
小川
元君
理事
片岡
武司
君
理事
河村
建夫
君
理事
穂積
良行
君
理事
倉田
栄喜
君
理事
藤村
修君
理事
松田
岩夫
君
理事
輿石
東君
稲葉
大和
君
小野
晋也君
加藤 紘一君
岸田
文雄
君
栗原
博久
君
古賀
誠君
斉藤斗志
二君
田野瀬良太郎
君
井上
喜一
君
石田
勝之
君
石田
美栄
君 西
博義
君
福留
泰蔵
君
松沢
成文
君
沢藤礼次郎
君
嶋崎
譲君
濱田
健一
君
横光
克彦
君
中島
章夫
君
山原健二郎
君
大谷
忠雄
君
—————————————
平成
七年二月三日(金曜日) 午後零時十四分
開議
出席委員
委員長
伊吹
文明
君
理事
小川
元君
理事
片岡
武司
君
理事
河村
建夫
君
理事
穂積
良行
君
理事
石田
勝之
君
理事
藤村
修君
理事
船田
元君
理事
輿石
東君
理事
中島
章夫
君
稲葉
大和
君
小野
晋也君
木村
義雄
君
岸田
文雄
君
栗原
博久
君
斉藤斗志
二君
石田
美栄
君
古賀
正浩
君 西
博義
君
西岡
武夫
君
鳩山
邦夫
君
福留
泰蔵
君
嶋崎
譲君
濱田
健一
君
山原健二郎
君
牧野
聖修
君
出席国務大臣
文 部 大 臣
与謝野
馨君
出席政府委員
文部政務次官
岡崎トミ子
君
文部大臣官房長
佐藤 禎一君
文部大臣官房総
務審議官
雨宮 忠君
文部大臣官房文
教施設部長
木村
直君
文部省
生涯
学習
局長
泊 龍雄君
文部省初等中等
教育局長
井上
孝美君
文部省教育助成
局長
遠山 耕平君
文部省高等教育
局長
吉田 茂君
文部省学術国際
局長
岡村 豊君
文部省体育局長
小林
敬治
君
文化庁次長
林田 英樹君
委員外
の
出席者
文教委員会調査
室長
長谷川善一
君 ————————
—————————————
委員
の
異動
一月二十四日
辞任
補欠選任
松田
岩夫
君
西岡
武夫
君 同月二十五日
辞任
補欠選任
倉田
栄喜
君 北川 正恭君 同月二十六日
辞任
補欠選任
田野瀬良太郎
君
木村
義雄
君
井上
喜一
君
鳩山
邦夫
君
松沢
成文
君
古賀
正浩
君 同日
辞任
古賀
誠君
横光
克彦
君
大谷
忠雄
君 同日
補欠選任
福島 豊君
船田
元君
牧野
聖修
君 同月二十七日
辞任
補欠選任
小野
晋也君
中山
太郎
君
木村
義雄
君
高鳥
修君
岸田
文雄
君
後藤田正晴
君
石田
勝之
君
安倍
基雄
君
古賀
正浩
君
川島
實君
福留
泰蔵
君
石井
啓一
君
牧野
聖修
君
海江田万里
君 同日
辞任
補欠選任
後藤田正晴
君
岸田
文雄
君
高鳥
修君
木村
義雄
君
中山
太郎
君
小野
晋也君
安倍
基雄
君
石田
勝之
君
石井
啓一
君
福留
泰蔵
君
川島
實君
古賀
正浩
君
海江田万里
君
牧野
聖修
君 二月三日
穂積良行
君が
理事
を
辞任
した。 同日
中島章夫
君が
理事
に当選した。 同日
理事松田岩夫
君一月二十四日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
石田勝之
君が
理事
に当選した。 同日
理事倉田栄喜
君一月二十五日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
船田元
君が
理事
に当選した。
—————————————
二月三日
国立学校設置法
の一部を改正する
法律案
(内閣
提出
第一〇号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
理事
の
辞任
及び
補欠選任
国政調査承認要求
に関する件
文教行政
の
基本施策
に関する件 ————◇—————
伊吹文明
1
○
伊吹委員長
これより
会議
を開きます。 この際、お諮りいたします。 去る一月二十日の
議院運営委員会
における
理事
の各
会派割当基準
の
変更等
に伴い、
理事
の
辞任
及び
補欠選任
を行います。 まず、
理事
の
辞任
の件についてお諮りいたします。
理事穂積良行
君から、
理事辞任
の申し出があります。これを許可するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
2
○
伊吹委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、
理事
の
補欠選任
の件についてお諮りいたします。 ただいまの
理事辞任
並びに
委員
の
異動
に伴い、現在
理事
が三名欠員になっております。その
補欠選任
につきましては、先例により、
委員長
において指名することに御
異議
はございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
3
○
伊吹委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、
理事
に
石田
勝之
君
船田
元君 及び
中島
章夫
君を指名いたします。 ————◇—————
伊吹文明
4
○
伊吹委員長
次に、
国政調査承認要求
に関する件についてお諮りいたします。
文教行政
の
基本施策
に関する
事項
学校教育
に関する
事項
社会教育
に関する
事項
体育
に関する
事項
学術研究
及び宗教に関する
事項
国際文化交流
に関する
事項
文化財保護
に関する
事項
以上の各
事項
につきまして、
本会期
中、
国政
に関する
調査
を行うため、議長に対し、
国政調査承認要求
を行うこととし、その手続につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
はございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
5
○
伊吹委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
伊吹文明
6
○
伊吹委員長
この際、このたびの
兵庫
県
南部地震災害
で
被害
をお受けになった
方々
に対し、当
委員会
として心からお
見舞い
を申し上げたいと存じます。特に、とうとい生命を失われた
方々
に対し、
哀悼
の意を表し、その御冥福をお祈りするため、
委員各位
、
関係者
及び
傍聴者
の皆さんは御
起立
を願い、
黙祷
をささげたいと存じます。
皆様
、御
起立
をお願いいたします。
——黙祷
。 〔
総員起立
、
黙祷
〕
伊吹文明
7
○
伊吹委員長
黙祷
を終わります。御着席ください。 ————◇—————
伊吹文明
8
○
伊吹委員長
文教行政
の
基本施策
に関する件について
調査
を進めます。
文教行政
の
基本施策
に関する
所信
及び
兵庫
県
南部地震
に対する
文部省
の
対策
について
説明
を聴取いたします。
与謝野文部大臣
。
与謝野馨
9
○
与謝野国務大臣
所信
を申し述べるに先立ち、まず、去る一月十七日に発生した
兵庫
県
南部地震
により亡くなられた
方々
とその御遺族に対し深く
哀悼
の意を表するとともに、
被害
を受けられた
被災地
の
皆様方
に心からお
見舞い
を申し上げます。 この際、今回の
兵庫
県
南部地震
に関し、
被害状況
と
文部省
の
対策
について御報告いたします。 今回の
兵庫
県
南部地震
による
文部省関係
の
被害状況
は、二日現在、
施設
については、
小中高等学校
、
大学
、
文化財
等合わせて四千三百八十九
施設
が
被害
を受けております。また、
児童
・
生徒
・
学生
四百五十名、
教職員
三十一名の死亡が報告されております。
被災地
におきましては、現在、
学校等
の
教育関係施設
に約十七万人の被災した
住民
の方が避難しており、
教職員
が
中心
となって、
救援活動
に従事しております。また、
文部省
においては、これまで、
大学病院等
による
救急医療
への
取り組み
を初め、
全国
の
大学
や
青少年教育施設等
からの食糧、毛布などの
物資
の供給、
学校給食用
の
物資
の
提供
や、
学校給食用施設
を
活用
した炊き出しの
実施
など、当面の
緊急対策
について、
関係機関
に積極的な
取り組み
を要請し、可能な限りの
対策
を講じてきたところであります。 私としては、今後さらに、これから本格化する
大学入試
や
高校入試
の円滑な
実施
と、
学校
における正常な
教育活動
のできる限り速やかな
再開
のために必要な
対策
に万全を期してまいる
所存
であります。
大学入試
については、二日現在、約五百七十の
大学等
が
願書締め切り期日
の
延期等
を決定したほか、
被災地域
の二十二の
大学
では
入試日
の
変更
や試験場の追加を決定しており、さらに、
国立大学協会
、
公立大学協会
及び
日本私立大学団体連合会等
が再試験の
実施
などの配慮を各
大学
に要請しております。また、
被災地
の
受験生
が、
大学受験
に際して不安のないよう、
全国
の
大学
の
入試日程
の
変更等
についての
情報
を
大学入試
センターにおいて
提供
するとともに、
報道機関等
の
協力
も得て、迅速な
周知徹底
に努めております。なお、
被災地
の
受験生
に対し無料で
提供
できる
宿泊施設
を
確保
するとともに、
学習場所
の
確保
を図るよう
関係機関
に要請しております。
高校入試
については、
兵庫
県
教育委員会
や県内の各
私立高校
において、
入試日程
の
延期等
の
措置
が講じられております。また、
被災地
を離れて急遽他の
地域
の
高等学校
を
受験
する
生徒
がふえることも予想されますので、
全国
の
都道府県教育委員会等
に対し、
出願期間
や
提出書類
の
取り扱い等
についての弾力的な
対応
を求めるとともに、特別の
受験
の
機会
の
確保
、
収容定員
を超えた
受け入れ
など、可能な限りの
対応策
を検討するよう要請いたしました。
被災地域
の
学校
においては、二日現在、まだ
小中高等学校
で百六十八校が休校になっております。さきに申しましたように、これらの
学校
では多くの
被災住民
を
受け入れ
ておりますので、
文部省
としても、
被災住民
の
生活
の
安定確保
を
基本
としつつ、正常な
学校教育活動
の
早期再開
のため、
関係機関
に対して
施設設備
の
安全点検
と
応急復旧
の
実施
を指示したところであります。 また、二日現在、二万人を超える
児童生徒
が他府県に転入学しておりますが、この
受け入れ
についても万全を期するよう、
都道府県教育委員会
に指導しております。 さらに、
被災地
の
児童生徒
への
教科書
の
無償給与
を開始するとともに、
学用品等
の
確保
についても、
関係団体
に
協力
を要請するとともに、
全国
の
児童生徒
による自発的な
支援活動
の
促進
を各
都道府県教育委員会
を通じて要請したところであります。
学生生徒
の卒業及び
単位認定等
の
弾力的取り扱い
についても適切な
措置
がとられるよう、各
大学
、
教育委員会等
に対し指導しているところであります。また、
学生生徒
の
就職
について、内定の取り消しの防止など、さらに
対策
を講じてまいりたいと考えております。 さらに、被災した
児童
・
生徒
・
学生
及び
留学生
が
就学
の
機会
を奪われることのないよう、
就学援助
、
授業料等
の減免、
奨学金
の貸与、
留学生
に対する
緊急援助金
の
支給等
、
各種
の
支援
を行うこととしております。 先般、私も、
神戸中内
の
国公私立
の
学校
及び
大学附属病院等
の
状況
を現地
調査
いたしました。その際、
兵庫
県、
神戸
市の両
教育委員会
及び各
大学等
からは、
学校施設等
の深刻な
被害状況
に照らし、
国公私立大学
及び
専修学校
、
各種学校
を含む
学校
の
施設設備等
の早急な
復旧
と、そのための
財政措置
を含む国の
支援
に対する強い要請を受けてきたところであります。
文教施設
や
文化財
の
復旧
につきましては、
被害状況
の
調査等
を早急に
実施
しているところでありますが、今後、必要な
財政措置
を含めて、万全の
措置
をとってまいりたいと考えております。 さて、第百三十二回
国会
におきまして、
文教各般
の問題を御審議いただくに当たり、
所信
の
一端
を申し述べさせていただきます。 来るべき二十一
世紀
に向けて、
国民
一人一人が
ゆとり
と
潤い
のある
生活
を実感し、多様な
個性
を発揮しながら、
自己実現
を図ることができるような
社会
をつくっていくために、
文教行政
の果たすべき
役割
はますます重要になると考えます。 私は、
文教行政
を担当する者として、このような使命に思いをいたし、
文教行政各般
の
推進
に全力を挙げて取り組んでまいる
所存
であります。また、このために、
教育
や
学術
を
未来
への
先行投資
と位置づけつつ、
文教予算
の
充実確保
に一層努めてまいります。なお、
児童生徒
の
いじめ
の問題については、
学校
、
家庭
、
社会
が一体となって、緊急かつ総合的に
取り組み
を進めるべき
課題
でありますが、私としても、十分な
取り組み
がなされるよう
最大限
の
努力
をしてまいります。 以下、主要な
課題
について、私の
基本
的な考えを申し述べます。 第一の
課題
は、
個性
の尊重を目指す
教育改革
と生涯
学習社会
の
構築
であります。 生涯
学習
の
振興
のため、多様な
学習活動
の
展開
を図るとともに、
社会人
を対象とした
リカレント教育
や、
ボランティア活動
の
支援
などの
施策
を積極的に
推進
します。また、
放送大学
については、
放送衛星
を利用した
全国化
の
実施
に向けて
準備
を進めてまいります。
初等中等教育
においては、みずから学ぶ意欲や
思考力
、
判断力
、
表現力
などの育成を重視する
教育
の
実現
に
取り組み
ます。特に、
いじめ
については、
社会
で許されない行為は
子供
でも許されないという強い認識に立って対処することが必要であります。その上で、各
家庭
や
学校
においては、
子供
と親や教師との
信頼関係
を深めつつ、
子供
の
生活態度
や
学校
内の実態を十分把握し、適切な
対応
をとることが必要であります。私としても、
関係機関等
とも連携
協力
しながら、今後さらに、
いじめ
の問題の解決に向けての
施策
の
充実
に努めてまいります。 また、
総合学科
、
単位制高校
の
設置
や
職業教育
の
充実
など魅力ある
高校づくり
、
高等学校入学者選抜
の
改善
と
中学校
における
進路指導
の
改善充実
などに積極的に取り組むとともに、
環境教育
、
理科教育
、
情報教育
、
健康教育
の一層の
充実
を図ってまいります。さらに、
道徳教育
や
生徒指導
の
充実
、国旗・国歌の適切な
指導等
についても引き続き
推進
するとともに、本年四月からの月二回の
学校週
五日制の円滑な
実施
に努めてまいります。 また、
初任者研修
を初め
研修
の
充実等
により、
教職員
の
資質
の一層の
向上
に努めるとともに、
公立学校
の
教職員配置
の
改善
、
公立学校施設
の
整備
を着実に進めてまいります。なお、
義務教育教科書無償給与制度
は、今後とも堅持してまいります。
高等教育
においては、現在、戦後最大とも言われる
大学改革
を進めているところであります。
大学
におけるカリキュラムの
改革
、
大学
院を
中心
とした
教育研究
の水準の
向上
、
大学入試
の
改善
、
教育研究環境
の
改善充実
などに積極的に取り組むとともに、
理工系教育
の
魅力向上
のための
施策
の
充実
を図ってまいります。また、
育英奨学
の
充実
を図るとともに、昨今の
学生
の厳しい
就職状況等
にかんがみ、
就職指導
の
充実
などに一層努めてまいります。
私立学校
については、その
役割
の
重要性
にかんがみ、
私立学校振興助成法
の
趣旨
に沿って、その
教育研究条件
の
維持向上
と修学上の
経済的負担
の
軽減等
を図るため、
私学助成
の
確保
に努めてまいります。 第二の
課題
は、人類の
知的創造活動
としての
学術研究
の
推進
であります。
大学
については、
研究施設
・
設備
の老朽・
狭隘化
、
陳腐化
、
研究費
の不足など
研究環境
の劣化が指摘されており、その
改善充実
を図ることが緊急かつ重要な
課題
となっております。
我が国
が、今後、
科学立国
として発展していくために、
科学研究費補助金
の大幅な
拡充
、
大学
の
教育研究施設
・
設備
の
改善
、
若手研究者
の
養成確保
、
学術情報基盤
の
整備
など、
学術
の
振興
のための総合的な
施策
を
推進
してまいります。 第三の
課題
は、
スポーツ
の
振興
であります。 本年八月に開催される
ユニバーシアード福岡大会
、
平成
十年の
長野オリンピック
など、
我が国
で行われる
国際競技大会
の
開催支援
と
日本選手
の
競技力向上
を図るとともに、
国民
の
スポーツニーズ
の
多様化
を受けて、いつでもどこでも
スポーツ
を楽しめる生涯
スポーツ
の
振興
が重要な
課題
となっております。さらに、
プロスポーツ
に対する
国民
の関心も一層高まっております。 このため、
スポーツ振興基金
による
助成
を含め、
スポーツ施設
の
整備充実
、すぐれた
指導者
の
養成確保
、
各種スポーツ事業
の
推進
など、諸
施策
の一層の
充実
に努めてまいりたいと考えております。 第四の
課題
は、「
文化発信社会
」の
構築
を目指す
文化行政
の新たな
展開
であります。 これからの
我が国
は、
伝統文化
を継承しつつ、
個性
豊かな
文化
の
創造
と
発信
を通じて
国際社会
に貢献を行い、
人々
が心に
ゆとり
と
潤い
を持って、人間らしく生きることができるような真の意味での
文化立国
を目指すべきであると考えます。 このため、すぐれた
芸術創作活動
の
推進
や
若手芸術家
の
養成
の
充実
に努めるとともに、
地域
における
文化
の
振興
に係る
各種
の
施策
や、
文化財
の保存と
活用
のための諸
施策
を
推進
してまいります。また、
国立文化施設
の
整備充実
や第二
国立劇場
(
仮称
)の開場に向けての諸
準備
などを着実に進めてまいります。 最後に、
国際化
の一層の
進展
と
情報化社会
に
対応
するための
文教施策
の積極的な
推進
であります。
教育
、
学術
、
文化
、
スポーツ
を通じて
国際交流
を
推進
し、
国際社会
に貢献していくことは極めて重要な
課題
であります。このため、今年五十周年を迎えるユネスコを初め、国連
大学
、
OECD等
の
国際機関
を通じた
教育協力
や
途上国
への
援助
、
協力
を
推進
するとともに、
研究者交流
や
国際共同研究
の
充実等
に努めてまいります。また、
留学生交流
については、
短期留学推進制度
を創設するほか、
留学生受け入れ
十万人
計画
の達成に向け、
各種施策
を
推進
してまいります。さらに、
アジア諸国
を初めとする
海外
の
文化遺産保護
に関する
協力等
を
推進
してまいります。 また、
情報化
の目覚ましい
進展
に適切に
対応
するため、
情報教育
の
推進
を図り、
教育用
の
ソフトウエア
や
教育方法
の
研究開発
、生涯
学習
、
文化
、
学術等
に関する
情報ネットワーク
の
整備等
を積極的に図ってまいります。 以上、
文教行政
の当面する諸
課題
について
所信
の
一端
を申し述べました。
文教委員各位
の一層の御理解と御
協力
をお願いいたします。
伊吹文明
10
○
伊吹委員長
次に、
平成
七年度
文部省所管予算
の
概要
につきまして
説明
を聴取いたします。
岡崎文部政務次官
。
岡崎トミ子
11
○岡崎(ト)
政府委員
それでは、
予算額
の説明に先立ちまして、一言申し上げます。 先般の
兵庫
県
南部地震
での罹災につきましては、まことに痛恨のきわみでございます。
兵庫
県を初めとする各方面からたくさんの要望が寄せられておりますが、
文部大臣
が
所信
で表明されましたように、
文部省
といたしましても、
文教施設
の
復旧
と
教育活動等
の一刻も早い回復に向けて
最大限
の努力をしてまいります。 さて、
平成
七年度
文部省所管予算
につきまして、その概要を御説明申し上げます。 来るべき二十一世紀に向けて、
我が国
が、創造的で活力に満ち
文化
の薫り高い国家として発展し、国際的にも大きな役割を果たしていくとともに、国民一人一人が、
ゆとり
と潤いのある
生活
を実感し、多様な
個性
と
創造性
を発揮できる
社会
を築いていくことが求められております。このため、
平成
七年度
予算
の編成に当たりましては、
教育
や
学術
を未来への
先行投資
として位置づけ、
教育
、
学術
、
文化
、
スポーツ
の各般にわたり、その着実な
推進
を図ることとし、所要の
文教予算
の
確保
に努めたところであります。
文部省所管
の
一般会計予算額
は、五兆六千三百九十三億七百万円、
国立学校特別会計予算額
は、二兆五千三百六十四億五千七百万円となっております。 以下、
平成
七年度
予算
における主要な
事項
について、御説明申し上げます。 第一は、生涯
学習
の
振興
に関する経費でありますが、生涯
学習社会
の実現に向けて、人々の生涯にわたる多様な
学習活動
の
振興
に資するための
施策
を総合的に
推進
することとしております。 まず、生涯
学習
の
基盤整備
につきましては、生涯
学習情報提供機能
の
整備
、生涯
学習ボランティア
の
支援
、
推進
、
指導者
の
確保等
に努めていくこととしております。
学校
の生涯
学習機能
の拡充につきましては、
放送大学
について、広く
社会人
に
大学教育
の
機会
を 提供するため、
放送衛星
を利用した
全国化
を
推進
するとともに、
公開講座
や
学校開放
の促進、
専修学校教育
の
振興
を図ることとしております。 また、
社会教育
の面では、
現代的課題等
の
学習機会
の
充実
を図るとともに、
少子化等
に
対応
した
家庭教育
の
振興
や
青少年
の
学校外活動
の
振興
を図ることとしております。 さらに、
国立オリンピック記念青少年総合センター等国立社会教育施設
の
充実
を図るとともに、
大型公民館
や
図書館等
を中心に
公立社会教育施設
の
整備
を促進することとしております。 第二は、
個性
豊かな自立した
人間性
を育てる
初等中等教育
の
充実
に関する経費であります。 まず、
公立義務教育
諸
学校
の
教職員配置
につきましては、第六次
教職員配置改善計画
の第三
年次分
の
改善
を着実に
実施
することとしております。 次に、教員の資質の
向上
を図るため、
初任者研修
を初めとする
現職研修
の
充実
、教員の
海外派遣
、
教育研究団体
への
助成等
を行うとともに、
中学校
の
免許外教科担任
の
解消等
を図るため、
非常勤講師配置調査研究補助
を拡充することとしております。
教育内容
につきましては、
学習指導要領
の一層の定着を図るため、引き続き
運営改善講座等
を行うとともに、
国際化
に
対応
した
外国語教育
の
充実
や、豊かな
人間形成
に資する
読書指導
の
充実
及び
学校図書館
の
活性化
を図ることとしております。
理科教育
につきましては、一層の
推進
を図るため、教員に対する
観察実験指導力向上講座
を開催するとともに、
教育センター
を含めた
理科教育設備
の
整備
を行うほか、
市町村単位程度
の
一定地域
に
科学学習センター
を
設置
し、
児童生徒
の
体験的学習活動
を促進することとしております。 また、
産業教育
の
振興
のための
産業教育施設
・
設備
の
整備
も引き続き
充実
を図ることとしております。
情報教育
につきましては、
情報化
への
対応
を円滑に進めるため、
教育用ソフトウェアライブラリーセンター
の
設置
、
学習用ソフトウエア
の開発を行うとともに、近年の
情報通信基盤
の急速な進展に
対応
し、
情報ネットワーク活用推進地域
の指定、
僻地学校高度情報通信設備活用研究開発事業等
を行うこととしております。
高校教育改革
の
推進
につきましては、
中央教育審議会
の答申の趣旨を踏まえ、
総合学科
や
単位制高校
の
設置
の奨励、
学校関連携
の
促進等
、
高等学校
の
個性化
・
多様化
の
推進
を引き続き図ることとしております。
学校週
五日制につきましては、
平成
七年四月から月二回
実施
することとしており、その円滑な定着を図るため、
研究協議会等
を行うこととしております。 なお、
義務教育教科書
の
無償給与
につきましても、所要の経費を計上しております。
生徒指導
の
充実強化
につきましては、
いじめ
、
校内暴力
、
登校拒否
、
高等学校中途退学
などの
生徒指導
上の諸問題に適切に
対応
するため、
学校
における
カウンセリング等
の機能の
充実
を図ることが必要かつ有効と考えられることから、高度な
専門的知識経験
を有する
スクールカウンセラー
(仮称)の
活用等
に関する実践的な
調査研究
を行うほか、
適応指導教室
についての
実践的研究
を拡充することとしております。 また、
国立教育会館
内に
いじめ問題対策センター
(仮称)を
設置
し、
パソコン通信等
により
全国
の
学校関係者等
に必要な
情報
を提供するとともに、
教育相談員
による
相談体制
の
整備
を図ることとしております。
環境教育
につきましては、一層の
推進
を図るため、環境のための地球
学習
観測プログラムに参加するとともに、
児童生徒
の環境への関心を高めるための指導方法等の研究、普及を進めるため、モデル校の指定を行うこととしております。
道徳教育
につきましては、引き続きその
振興
を図るとともに、新たにふるさとの
文化
と伝統のよさを学び、郷土や国を愛する心を養う
伝統文化
教育
の
推進
を図ることとしております。 幼稚園
教育
につきましては、幼稚園就園奨励費補助を
充実
するとともに、幼稚園
教育
振興
計画を
推進
することとしております。 特殊
教育
につきましては、新たに
学習
障害児等に関する理解啓発リーフレットを作成、配布するとともに、特殊
教育
就学奨励費補助を
充実
することとしております。
健康教育
につきましては、エイズ
教育
等の
充実
に努めるとともに、豊かで魅力ある
学校
給食を目指して、食事環境の
整備充実
を図ることとしております。 また、海外子女
教育
、帰国子女
教育
につきましては、日本人
学校
の新設等に
対応
し、派遣教員を増員するとともに、
教育用
コンピューターの
整備
など在外
教育
施設
における
教育
の
充実
を図ることとしております。 さらに、
公立学校施設
の
整備
につきましては、市町村等の計画的
整備
が円滑に進められるよう必要な事業量の
確保
を図りつつ、屋外運動場のモデル的
整備
に対し、新たに補助を行うとともに、大規模改造事業の拡充等を行うこととし、二千四百七十八億円を計上しております。 なお、定時制及び通信制
教育
の
振興
、
地域
改善
対策
としての
教育
の
振興
など、各般の
施策
につきましても、所要の経費を計上しております。 第三は、
私学助成
に関する経費であります。 まず、私立の
大学等
に対する経常費補助につきましては、引き続き
社会
的要請の強い特色ある
教育
プロジェクトに対する助成を重視するとの観点に立って、
平成
六年度に対して七十億円増の二千八百三億五千万円を計上しております。このほか、
教育研究
装置
施設
整備
費補助につきましては、新たに、学内LANの
整備
を
推進
するとともに、研究
設備
整備
費等補助につきましても、増額を図るなど、
教育研究
の
推進
に配慮しております。 次に、私立の
高等学校
等の経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましては、新たに、四十人学級編制の
推進
を図るとともに、特色ある
教育
プロジェクトに対する特別補助の
充実
を図ることとし、このため
平成
六年度に対して三十一億円増の六百六十六億円を計上しております。このほか、私立
高等学校
等に対する
教育
装置等の
整備
事業につきましては、新たに
教育
近代化
施設
の
整備
を
推進
するなど
充実
を図ることとしております。 また、日本私学
振興
財団の貸付事業につきましては、九百億円の貸付額を予定しております。 第四は、
高等教育
の高度化等の要請にこたえ、その
整備充実
に要する経費であります。 まず、
大学
院につきましては、研究科等の新設
整備
、高度化
推進
特別経費や最先端
設備
の
充実
などを行うこととしております。 国立
大学
につきましては、
大学改革
を
推進
するため、教養部の改組や所要の経費を
充実
するとともに、工科系学部の創設を初め、魅力ある
理工系教育
の
推進
を図ることとしております。また、
教育研究環境
の
改善充実
を図るため、老朽・狭隘校舎の解消、基準面積の改定など
施設
の高度化・
多様化
を
推進
するほか、
教育研究
設備
の
整備
、
教育研究
経費の
充実等
を図ることとしております。 なお、国立
学校
の入学料等につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、これを改定することとしております。 次に、
育英奨学
事業につきましては、貸与月額の増額及び
大学
院
学生
等の貸与人員の増員を図ることとし、政府貸付金八百十二億円、財政投融資資金四百二十五億円と返還金とを合わせて、二千二百四十八億円の学資貸与事業を行うこととしております。 また、公立
大学
につきましては、医科
大学
、看護
大学等
の経常費補助及び
教育
設備
整備
費等補助について、所要の助成を図ることとしております。 さらに、女子
学生
を初めとする
学生
の就職が厳しい状況となっていることにかんがみ、
学生
や
大学
担当者に企業の最新
情報
等を提供する就職ガイダンス事業を
実施
するなど、
就職指導
の
充実
を図ることとしております。 第五は、
学術
の
振興
に関する経費であります。 まず、
科学研究費補助金
につきましては、独創性に富むすぐれた
学術研究
を
推進
し、
我が国
の
学術研究
を格段に発展させるための基幹的
研究費
として大幅に拡充を図ることとし、
平成
六年度に対して百億円増の九百二十四億円を計上しております。 また、
我が国
の
学術研究
の将来を担うすぐれた
若手研究者
を
養成確保
するため、特別研究員の採用人数の大幅な拡充等を図ることとしております。 次に、
学術研究
体制の
整備
につきましては、研究組織の
整備
、
研究施設
・
設備
の
充実
、
学術情報基盤
の
整備充実
、人学と産業界等との研究
協力
の
推進
、
創造性
登かな世界の最先端の
学術研究
を
推進
する卓越した研究拠点(COE、センター・オブ・エクセレンス)の形成など、各般の
施策
を進めることとしております。 さらに、天文学研究、加速器科学、宇宙科学、核融合研究、地震予知・火山噴火予知研究等のそれぞれの分野における研究の一層の
推進
を図ることとしております。 第六は、
ゆとり
ある質の高い
スポーツ
の
振興
に関する経費であります。 広く
スポーツ施設
の
整備
を進めるため、
社会
体育
施設
、
学校
体育
施設
の
充実
を図るとともに、
学校
体育指導の
充実
を図ることとしております。 また、生涯
スポーツ
推進
の観点から、
地域
における
スポーツ
活動の
充実
など諸
施策
の一層の
推進
に努めることとしております。 競技
スポーツ
の
振興
につきましては、
平成
十年に長野で開催される第十八回オリンピック冬季競技大会の準備を
推進
するとともに、日本オリンピック
委員会
が行う選手強化事業の一層の
充実
を図るほか、
スポーツ
科学の
推進
、国民体育大会への助成などを行うこととしております。 第七は、豊かな
個性
ある
文化
の
振興
に関する経費であります。 新たな
文化
創造を目指す「
文化発信社会
」の構築に向けて、
芸術創作活動
への
支援
、現代舞台芸術のための第二
国立劇場
(仮称一の開場準備の
推進
、
若手芸術家
の育成、
地域
の特色ある
文化
活動の
振興
等の諸
施策
を進めることとしております。 また、時代の変化に
対応
した
文化財
の保存と活用を図るため、史跡等の公有化・
整備
、国宝・重要
文化財
等の買い上げや保存修理、天然記念物の有効活用、伝統芸能等無形
文化財
の伝承助成の
推進
などの
施策
を講ずることとしております。 さらに、国立博物館、美術館、
文化財
研究所等の
施設
の
整備
と機能の
充実
を図ることとしております。 第八は、
教育
、
学術
、
文化
の
国際交流
・
協力
の
推進
に関する経費であります。
留学生交流
につきましては、二十一世紀初頭における十万人の
留学生受け入れ
を目途に、国費
留学生
の計画的
受け入れ
、戦後五十周年を契機に策定された平和友好交流計画の一事業としての
短期留学推進制度
の創設、私費
留学生
に対する援助
施策
の
充実
、宿舎の安定的
確保
、
大学等
における
教育
指導体制の
充実
など、各般の事業を積極的に
推進
するとともに、円滑な海外留学を促進することとし、そのために要する経費として四百九十七億円を計上しております。 さらに、外国人に対する日本語
教育
、
我が国
の義務
教育
諸
学校
に在籍している外国人子女への日本語
指導等
の
充実
を進めることとしております。また、今年がユネスコ五十周年に当たることから、五十周年記念式典を開催するとともに、識字
教育
やエイズ
教育
への
協力
など、ユネスコ等
国際機関
を通じた
教育協力
等の
推進
を図ることとしております。
学術
の
国際交流
・
協力
につきましては、諸外国との
研究者交流
、
各種
の
国際共同研究
、開発
途上国
との
学術
交流、国連
大学
への
協力等
を
推進
することとしております。 また、
文化
の
国際交流
につきましても、
青少年
及びアマチュア団体の公演等による交流事業、アジア
地域
等を初めとする
文化
遺産に対する保存修復の国際
協力
など、各般の
施策
の
充実
を図ることとしております。 第九は、文教分野全般における
情報化
の
推進
に関する経費であります。
情報化
の
推進
につきましては、
学校教育
及び
社会教育
を通じた
情報教育
の一層の
推進
、コンピューターや学内LANなどの
情報通信基盤
の
整備
、生涯
学習
、
学術等
に関する
情報
通信ネットワークやデータベースの
整備
、
文化
情報
総合システムの
整備
、著作権
施策
の展開等、最近の急速な
情報化
への
対応
に要する経費を計上し、その
推進
に努めることとしております。 以上、
平成
七年度
文部省所管予算
につきまして、その概要を御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議くださいますようにお願いを申し上げます。
伊吹文明
12
○
伊吹委員長
以上で
説明
は終わりました。 次回は、来る七日火曜日午後零時二十分
理事
会、午後零時三十分
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十六分散会