○石破
委員 今から五年前にやはり同じ
改正がございました。私はそのときにも質問に立たせていただきまして、当時は
大臣が山本富雄先生であり、構造
改善局長は片桐さんでございました。そのときに交わした論議と五年たって今交わしておる論議、余り実は変わっていないねという気を正直言って持っております。
冒頭
栗原議員から、そしてまた今仲村議員からいろいろと御
指摘がございました。同じことを五年前に私も聞いておるのです。そのときに最初に申し上げたのは、
大臣にも最後に御確認をいただきましたのは、この
農業者年金に入るか入らないかというのは、要は
農業に対する将来、
農業に対する希望、それがあるかないかのバロメーターである。いろいろな
政策を講じてみても、
農業に対する明るい展望というものがない限りは、これは決して続くものではないというようなことを申し上げた覚えがございます。
自来五年たちました。さて、それじゃ
農業に対する明るい展望というのがこの五年間で何か開けたのかなといえば、それは私も農政の末端にかかわる
人間として内心ややじくじたるものを覚えざるを得ないのであります。
基本的にはそういう問題ではなかろうかなというふうな気がいたしております。
いろいろ御質問がございますように、この
年金というものは
日本の
年金の将来の姿を暗示したものじゃないのかという御
指摘がございます。もちろん
政策年金でありますから、そのままストレートに将来を暗示したものというふうに言うことはいかがなものかとは思いますが、
基本的にこれから先
高齢化が進めば
財政が逼迫することは三歳の童子が考えてもわかるお話でございます。
そして今、
日本が今まで信じてきたいろいろな神話が崩れているのじゃないかということがあちらこちらで
指摘をされております。すなわち世界で一番平和な国であり、世界で一番安全な国であり、世界で一番
経済がよろしい国であり、世界で一番雇用が安定した国であり、世界で一番長生きの国である、こういう我々が当然のものとして信じてきた神話があちらこちらでもろくも崩壊しつつあるということではなかろうかと思います。発表されました失業率にいたしましても、
昭和二十八年以来最悪の失業率であるということであります。
従来言われておりますように、
農業というのはそういうもののバッファー的な
役割を果たすものである、だから
農業も大事だというような
指摘もされてきたわけでございますが、何にしても、今まで我々が信じてきた神話がいろいろ崩壊をしてきた。
今回の
法改正は、五年前に行いました附帯
決議、すなわち、
女性にも
年金の
加入を認めてくださいということ、そしてまた
遺族年金を認めてください、こういう二つの附帯
決議をいたしました。その中の一方であります
女性の
加入の道、これが開かれたという点で、私
どもは積極的に評価をし、賛成の立場をとるものであります。一方の
遺族年金につきましては、後ほど質問いたしますが、賛成でございます。賛成ではございますが、今回の
改正というものが、
日本全体の、これから先
高齢化を迎える、先ほど
平成三十年には収支が均衡するというようなお話が
野中局長からございました。そうでしょう。しかしながら、その年に
日本の
高齢化はどういうふうになっているのか、
日本全体の
政策の中の整合性がとれたものでなければ、決して
国庫の
助成というもの、
国庫補助金七五%というものが是認せられるものではないであろうというふうに考えております。そういう観点から幾つかの質問をさせていただきたい。
あわせて、冒頭にお断りをいたしておきますが、
委員会の開会が諸般の事情によって一週間近くずれました。そのことで、その間に北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国に対します米の援助の問題、そしてまた明日諮問案が出ます麦価の問題等々ございますので、そのことにつきましても質問させていただきますことをお許しをいただきたいと存じます。
さて、
平成二年の
法改正の際に特定被用者
年金の創設というものができた。そしてまた特定
保険料の適用の拡大、三割引きのものですね、これの拡大がなされた。任意
加入の拡大というものもなされた。それはすべて
加入者をふやしていくためにこういうような
措置を講じるんですよというようなことを、当時の
大臣、局長がお答えになった。そのことの効果がどれぐらいあらわれてきたかということのおさらいから始めたいと思います。いかがでございましょうか。