○増田
委員 大臣の答弁を聞きまして、こう言うと変なのですが、
農業もぜひ安定した持続的な成長を、そういう意味から、大変な大きな経済の変動の時期ですからあえてこういうことをお尋ねをいたしました。私は、去年、ことしあたりが、私が生まれて育つこの
日本の国の曲がり角だ、こういうとらえ方をあらゆる
分野にいたしております。ぜひ引き続いて頑張っていただきたいと思います。
そこで、次の
質問に入ります前に、昨日も
質問が出ておりましたが、例の
農業関連
対策の六兆百億円なのですが、国が六兆百億円出してけしからぬという話が相変わらず来ます。あれは
事業の総量なんだと幾ら説明しても通じません。そこで、ぜひその点は一般的に理解ができるような、そして引き続いてその方向への
努力が
大臣を初め担当者ができるように、これはぜひ、宣伝と言っては変ですが、理解を求めるように頑張っていただきたい、お願いをしておきます。
そこで、入るのですけれ
ども、ずっと昨年を調べてみました。ガット・ウルグアイ・ラウンドの合意の後、
政府は農政審議会に今後の
農業政策、
価格・流通
政策の展開方法について諮問をされました。初めは、食管法についてはガット合意を受けた単純な改正をして、根本的、抜本的な改革は農政審議会の中間
報告を踏まえ、最低でも一年ぐらいの審議を尽くして
対応する、このように聞き及んでおりましたが、農政審議会では、本来議論すべき
基本的
課題だと私は思うんですけれ
ども、二十一世紀に向けた
農業政策、
農業の
あり方、こういったことよりも、食管法の改革に議論の大半が費やされてしまった。このように実は聞き及んでおります。
そこで、本来求められるべき、またあるべき
日本農業の将来に対する国民的議論をつくり上げて、国民の合意形成を十分に得てからの国会への運びとなればな、こういうことが今でも頭の中に残っております。性急な農政審議会の答申となってしまったのではないか、これは今後は気をつけなくちゃいかぬ、このように実は思っております。
どうしてこういうことを言うかというと、昨年の八月、中間
報告が本答申に変更になりました。そして、十月には新
食糧法の国会上程、こういう形に運ばれてきたところであります。したがって、そういう懸念を申すところであります。これはまだ前置きの部分ですから。
そこで、新
食糧法を私なりによくかみ砕いてみました。これは三点に絞られるだろう。
まず第一は、
政府による全量管理から
民間主体の生産、流通への転換だ。そしてもう
一つは、これは昨日
石破議員の
質問にもありましたが、国による一律割り当て的手法から生産者の自主性尊重と生産者団体の主体的な取り組み、こういう形になってきたことであります。流通面では、自主流通米を主体として
民間備蓄を保有、さらには、豊作時には調整保管も
民間が担う、こういうふうになっています。
そこで第二は
内外価格差の縮小、すなわち、米価引き下げを念頭に置いた
価格政策の転換だと私は思っています。特に、米
市場の、米価の大きな目安となる
政府米の
価格については、今日までの生産コストを基礎にした算定から需要実勢も反映した
価格、こういうふうに、強いて言えば需要緩和下での傾向的な値下がり、こういうような懸念がなされてならない、こういうふうに受けとめております。恐らく今後のこの
関係は最重要
課題として議論が展開されていく問題になるだろう、こう思っているのですが、こう言うと恐縮なんですけれ
ども、米価の引き下げにより
規模拡大への誘導というような新
政策のねらいも、あるいは生産調整の実効
確保も、こういうようなことも頭にあってのこと、こういう実は考え方を持ちました。
第三番目には、流通における大幅な規制緩和であります。
計画外流通米として生産者が直接販売する仕組みが認められたほか、流通ルートの複線化や新規参入の
拡大が進められ、また商社等も
国内市場に参入してくると思います。規制緩和、競争原理の導入は、当然
価格問題に大きく影響してくると私も思っております。
そこで、新
食糧法を要約すれば、国は管理を縮小し、生産は生産者、生産者の団体の主体性にゆだね、流通は原則自由に、
価格も弾力的にという方向だろう、こういうふうに要約をしておるところであります。
そこで、昨日も
質問にありましたが、これを考えていきますと、
価格低下に対する歯どめ策が何としても弱い。これでは将来が恐らく不安で、
農業者自身がもう
心配の種尽きないだろう、こういうふうに私は実はとらえております。そこで、国はこの辺をどう考え、どうしようとしているのか。歯どめ策は、今までのペナルティーはなくなりましたよ、補助
事業や何かは、それは今度は後回しになりますよ、国の言うことを聞いてくださいよというような、今出されている問題だけでは何としても薄い、もっと何か物を出さなかったらこれはだめなんじゃないのか、こういうような気が実はいたしてなりません。したがって、今この点に対する考え方があったらお願いをしたいと思います。
時間がありませんからもう
一つ質問してしまいます。
それは、希望を持てる農政、
農業とはどういうことを指しているんだろう、どういう意味なんだろう。私は、こう言うと恐縮なのですが、所得が確立をされて先が見える、希望があることもあればないこともあります。所得がおおむね確立されて先が見える、これが
基本だろう、こういうふうに思っているのですが、その辺をお聞かせいただきたい、こう思います。