○矢島
委員 私、新聞の
番組表を見まして、字幕放送の場合にはタイトルの前に「字」という字が四角の中に入って印があるわけであります。五月二十七日から六月二日までの一週間、再放送を除きまして二十七
番組、放送時間では十四時間でした。それでその六割は
NHKだ、こういうことを見たわけです。今
年度から「
NHKスペシャル映像の世紀」あるいは「生きもの地球紀行」、こういうものも字幕がつきましたし、また、昨
年度からすべてのドラマに字幕をつけた。非常にこの点では一定の前進があろうと思うわけです。
しかし、今お答えいただきましたように、字幕放送の制作費というのが今
年度の予算で約二億円。
国内放送費の二千二百七十億円から見れば、そう大きい数字ではないと思うのです。
その点アメリカでは、これは九三年に発効しました
テレビジョン・デコーダ回路法というのがありますが、その中でこういう条文もあるわけですね。「米国内で製造され或いは米国内での使用を目的に輸入される、十三インチ以上の
テレビジョン放送受信機は、字幕放送を表示するためのデコーダ回路を内蔵しなければならない。」と義務づけている。さらに、私非常に注目いたしましたのは、この法律の中に、第二条の四項ですが、「字幕放送は、米国老人の約三八%に当たる、聴力に幾らかの衰えのある
人々に利益をもたらすこととなること」というのがあるわけです。
結局、聴力障害者だけではなくて聴力の衰えた方にも非常に喜ばれる、いわゆる健聴者にもこの文字放送、字幕放送が普及している。このことは
日本にとっても非常に重要な点だろうと思うのです。
先日、某民間
テレビ局が調査した結果が出ておりました。これを見ますと、
テレビを一番見ているのは高齢者だ、こういう結果が出ているわけですね。一日二百分を超す、こういう表題があります。高齢者にとっては、
テレビはなくてはならないものだ、「もう一人の家族」だ、こうも言っている方がおります。その
テレビの音が聞きづらいとかあるいは聞こえないとか、困っている高齢者に大変この字幕放送というのは喜ばれるものだ、こういうことが言えるわけです。
そこで、一つは、生中継以外の全
番組に字幕放送をつけるよう年次計画をつくって取り組んでいただきたい、こういうことと、もう一つは、生中継に字幕をつけることが難しいのは私も十分承知しております。しかし、このアンケートを見ますと、「見たい
番組の種類」、こういう設問があります。五十歳以上の方のその設問に対する答えを見ますと、「
ニュース・
報道もの」、これが一番多いわけなんです。高齢者は、日常の
事件や事故、こういうものの
情報あるいは
社会情勢あるいは
社会情報、こういうものをまず
テレビから入手しているという
状況にあるわけで、
テレビが
社会の窓にもなっているわけです。
そこで、この
ニュースや
報道ものあるいはスポーツ中継、こういうものも字幕放送を実現するよう技術開発を全力で進めていただきたい、この二つの点についてのお考えを。