○大出国務大臣 これは、最近私は予算を離れていますから調べておりませんけれ
ども、
日本というのは、当時私が調べた数字で一千兆ぐらいの貯蓄性資産を国民が持っている。そのうちのおおむね半分、五〇%ぐらいが金融機関に入っていますね、
日本の場合は。ところが、アメリカなんかを見ると、おおむね二割ですね、金融機関に入っていくのが。あとは
証券市場その他に直接出ていってしまう。そこにSECみたいな
投資家を保護するきちっとしたシステムができているという理由があるのですね。
それだけに、不況ということになると、ある機関みたいに、とんでもないところが純金風呂にまで金を貸したなんという騒ぎが出てきて、
資金運用のしようがなくなってしまうのですね。今の生命
保険会社はみんなそうですよ、片っ端おかしくなっているというのは。バブルのときにいろいろ
運用してきて、例えば、とことこ共済組合には〇・一%利子を乗せますとかなんとかということで集めて
運用してきたのが、バブル崩壊をすると
運用しょうがないのですね、どんどん下がってしまって。そういうのが現状ですよね。つまり、神話論が出てきた土地も動かない、株もこういう状態だということですから。
すると、そういう中で、今のお話でいくとすれば、このシステムを全部変えなければいかぬのですよ。つまり、どこか
投資先を考えて、景気浮揚も含めて、国民の金なんだから、
郵便局で集めて苦労した金なんだから、どこかに目に見える
投資ができないかということになると、これを見てもはっきりしているのですが、この財投というのは厚生年金で九十七兆ですよ。わずか九十七兆しかないのです、厚生年金
資金が。そして、国民年金で八兆円ですよ。その他三十三兆。その他の三十三兆というのは、労働
保険資金だとか外為の
資金だとか、共済組合の
資金だとか自動車損害賠償再
保険制度等の
資金だとかいうものを入れて、これがその他で三十三兆円ですね。あとは全部、さっき申し上げた
貯金、
保険の金百七十七兆円というわけですね。
それで、まあ昔からも、さっき河村さんは制度を言っただけだと言うのだけれ
ども、それは今の経済指標を見ればわかるように、いまだに景気を引っ張っている
中心というのは住宅ですよ。レンタルと個人とありますけれ
どもね。ここに去年は八兆九千億、ことしは十兆円を超えているわけですね。なぜかというと、住宅
中心、国の政策的に住宅にいったら、おととしなんというのは、本当ならもう五月には全部箇所づけが終わっているのに、七月まで待ってくれ、
資金が足りない、申し込みが殺到してしまって。そういう状況ですから、そこに重点的に十兆六千億をことし出しているわけですね。これがなかったら住宅政策は動かないわけですから、まさに景気の牽引車である住宅の基礎というのは財投だということになる。
それから中小企業の方も、中小企業金融公庫は二兆四千億のものをふやして、ことしは二兆五千億を超えている。これなんかも非常に大きなファクターでございますし、それから道路公団も、一兆四千億ぐらいで来たのですけれ
ども、一兆九千億になっていますし、いろいろ関西のこともありますから。開発
銀行もおおむね二兆円ぐらいいっているわけですからね。だから、そういうのをずっと調べていきますと、地方公共団体にも七・二兆財投を組んでいるのですから。七十兆の年度予算の中で四十八兆片っ方に財投があるわけですからね。
このウエートを考えますと、目に見えないのじゃなくて見え過ぎるぐらい、実は財
投資金というものが果たしている大きな役割といいますか、だから、御説の点はわかるのだけれ
ども、そうだとすれば財投そのものを根本的にどう考え直していくかということになっていくと思うのですが、その財投は何とかしなければという御意見は今度の予算
委員会でも何人も出てくるけれ
ども、ではどうすればというのは一つもないというのが、そこに
中心的なポイントがあると思っているのです、おっしゃっていることはよくわかっているのですけれ
ども。