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1995-04-26 第132回国会 衆議院 逓信委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年四月二十六日(水曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 自見庄三郎君    理事 佐田玄一郎君 理事 住  博司君    理事 虎島 和夫君 理事 遠藤 乙彦君    理事 河村たかし君 理事 田中 昭一君    理事 小沢 鋭仁君       荒井 広幸君    大野 功統君       木村 義雄君    岸本 光造君       佐藤 剛男君    斉藤斗志二君       坂井 隆憲君    宮崎 茂一君       山下 徳夫君    小坂 憲次君       古賀 一成君    佐藤 守良君       斉藤 鉄夫君    高木 陽介君       高橋 一郎君    中島  衛君       日笠 勝之君    森本 晃司君       大木 正吾君    山崎  泉君       横光 克彦君    高見 裕一君       矢島 恒夫君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 大出  俊君  出席政府委員         郵政政務次官  鹿熊 安正君         郵政大臣官房長 木村  強君         郵政大臣官房審         議官      品川 萬里君         郵政省郵務局長 加藤豊太郎君         郵政省貯金局長 谷  公士君         郵政省簡易保険         局長      高木 繁俊君  委員外出席者         大蔵省理財局資         金第一課長   寺澤 辰麿君         郵政大臣官房建         築部長     尾島  勲君         逓信委員会調査         室長      丸山 一敏君     ————————————— 委員の異動 四月二十六日  辞任         補欠選任   関谷 勝嗣君     木村 義雄君   神崎 武法君     森本 晃司君   日笠 勝之君     斉藤 鉄夫君   吉岡 賢治君     山崎  泉君 同日  辞任         補欠選任   木村 義雄君     大野 功統君   斉藤 鉄夫君     日笠 勝之君   森本 晃司君     神崎 武法君   山崎  泉君     吉岡 賢治君 同日  辞任         補欠選任   大野 功統君     関谷 勝嗣君     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵便振替法の一部を改正する法律案内閣提出  第六〇号)(参議院送付)  郵便貯金法の一部を改正する法律案内閣提出  第七一号)(参議院送付)  簡易生命保険積立金運用に関する法律の一  部を改正する法律案内閣提出第七二号)(参  議院送付)  郵便法の一部を改正する法律案内閣提出第七  三号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これより会議を開きます。  内閣提出参議院送付郵便振替法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付郵便貯金法の一部を改正する法律案及び内閣提出参議院送付簡易生命保険積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村義雄君。
  3. 木村義雄

    木村委員 おはようございます。  それでは、議題となっております簡易保険郵便貯金の、特に先物外国為替に関します法律改正について御質問申し上げます。  現在非常に円高が進行いたしまして、それにヘッジをしたいという気持ちはいろいろよくわかるわけでございますけれども、やはりいろいろな問題点がございますので、その辺の確認の意味を込めながら御質問申し上げたいと思います。  まず、郵便貯金簡易保険外国証券投資、相当な規模にもう積み重なっているという話もございます。また、これだけ急激な円高が予想以上に進行しました結果、要するに、円高による差損と申しますか、そういうものが相当ふえているのではないかと思いますので、その現在の投資残高、あるいはどのくらい要するに含み損というものが出ているのか、簡単にお願いいたします。
  4. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 お答え申し上げます。  貯金保険、共通するところ多うございますので、私の方からまとめて答えさせていただきたいと思います。  まず、郵便貯金は昭和六十二年から、簡易保険は五十六年からそれぞれ外国債への運用を開始したところでございますけれども、その残高は、平成七年三月未現在におきまして、郵便貯金につきましては約二兆七千億円となっております。これは運用資産約三十兆円の九・一%に当たります。また、簡易保険におきましては約四兆二千億円となっておりまして、運用資産約八十三兆円の五%を占めておるわけでございます。  それから、いわゆる為替差損のことでございますけれども、近年の円高進行影響を受けまして、郵便貯金及び簡易保険保有外貨債平成六年度末の為替レートで評価いたしてみますと、これはまだ決算値が確定いたしておりませんので正確には申し上げられませんが、おおむねということで申し上げますと、まず郵貯金融自由化対策資金におきましては、外貨債償還額も少ないということもございまして、五年度末の含み損四千六百四十二億円に比較いたしまして約一千億円程度の増加となろうかと考えております。それから、簡保資金におきましては、外貨債償還もありますことから、五年度末の九千百二十一億円の額をやや下回る数字となろうかと見込んでおります。  なお、最近の円高等厳しい運用環境の中でございますので、郵貯簡保とも為替リスクの少ない円建て外国債中心に、慎重なスタンスで運用を行っているところでございます。
  5. 木村義雄

    木村委員 やはり相当な差損が発生しているわけであります。  そこで、今度の法律改正によってそのヘッジを行おう、ヘッジを行うために先物外国為替にある意味で手を出そう、こういうわけでありますが、先物外国為替といってもいろいろな中身があるわけでございます。ですから、先物外国為替外国為替の中で、今回扱うのはいわゆる先渡し取引、フォワードというのですか、ということであって、米国のシカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジで上場されておりますいわゆる通貨先物取引、フューチャーズじゃない、そういうことをちょっと確認したい。  また、特に今度英国のベアリング社というところで、要するにデリバティブ取引というのが話題になりましたけれども、恐ろしいのはこの通貨オプションであります。そういうものは今回の中に、範疇に含まれないということを確認したいので、これはもうイエスノーぐらいで結構でございます。簡単にお願いします。
  6. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 先生今おっしゃいましたとおり、今回の先物外国為替取引の中には通貨先物取引通貨オプションなどのいわゆるデリバティブは含まれておりません。
  7. 木村義雄

    木村委員 これはやはり相当慎重にやってもらわないと、ベアリング社みたいなことになっては大変なことになりますので、ここはしっかりと守っていっていただきたい、こう思うわけであります。  それから、いわゆる先物外国為替運用を「証券会社委託する方法」こう書いてあります。限定をしております。なぜ外国為替銀行、いわゆる外為銀行取引することを排除するのか、この辺がよくわからないわけでありまして、やはり外国為替取引というのは、外為銀行、いわゆる為銀が行うのがある意味で一般的なわけでございますけれども、今回はあえて証券会社だけに委託している。  御承知のように、証券会社、いろいろな問題点が過去ずっとあったわけであります。そのために証券監視委員会等ができまして、あれは、金融機関等はまだそういう監視機関等をつくるに至らない、そこまでまだ信頼されている、ところが証券会社の方は信頼されていない。信頼されていない結果、ああいう監視機関等ができたわけであります。  その後、インサイダー取引とか、いろいろな問題も発生しておりますが、要するにそういう証券会社だけに委託することの合理性正当性、これはどういうふうに考えておられるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
  8. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 先生指摘のとおり、外為銀行と直接行うのが一般的であろうかと思いますけれども、今回こういう方法をとりましたことは、巨額の資金を有します郵貯簡保自己名義先物外国為替予約を直接外為公認銀行と行いました場合、外為市場に大きな影響を与える懸念がございます。そういった懸念から、外為公認銀行との取引をみずから行わず、証券会社委託し、その名義で行うというふうな仕組みを採用することとしたわけでございます。  また、郵貯簡保が行います先物外国為替運用が投機となりませんよう、為替予約保有外貨債に個別に対応づけて、その範囲で行うことといたしておりますけれども、そういった保有外貨債証券会社に寄託をして、いわゆる保護預かりをしてもらっておりますので、その証券会社委託するという方法が適当と考えたわけでございます。
  9. 木村義雄

    木村委員 余り納得のいくような話じゃないのですけれども、それでは、要するに証券会社というのが、まあそれを指定するわけでしょうけれども、その指定する証券会社にとって、これは個別にリンクするとはいいながら、実際問題として莫大な量の債券を、先ほど投資残高の中で話していただきましたように残高があると、実際に本当に一つ一つチェックできるかどうかというのは大変難しいわけでありまして、ある意味でその辺の問題点があるわけでありますけれども、また逆に証券会社から見れば、これは普通外国為替取引というのは、例えば輸入業務輸出業務を見てもわかるように商品と引きかえに支払い手段が行われる、そのための支払い手段を調達するために外国為替でもってお金を交換して支払いに充てるとかという、ある意味で非常に直接リンクしているわけですね。リンクしているわけですけれども、今回の場合に、個別取引とはいいながら、個別に対応するとはいいながら、実際問題としてそれは難しい。  そういう中からすると、やはり今度、指定証券会社郵政省から委託を受けて外国為替業務をするという中をよく見ると、これは実際には実需に基づかない取引証券会社がするのではないか。ある意味外国為替証券範囲というものの大きな制約はあるにしても、これは大き過ぎるというか、大きな制約というのは、ある程度の制限はあるけれども、これは幅が非常に大きいわけですから、そうなると、果たして証券会社実需範疇から飛び出した取引をあえてするというのが法律的に許されるのかどうか。また、外国為替銀行との間でもそういうような話で話し合いをしたことが何かございますか。
  10. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 大変専門的で難しい御質問なのでございまして、正確にお答えできるかどうかちょっと自信がないのでございますが、確かにこの業務は、証券取扱業務に関する実需に係る為替取引のみを指定証券会社が行うということでございますけれども、この業務は、外債の売買時に行う為替予約のように、顧客証券会社との間の為替取引を行うということを一般的には意味しているのだろうと思います。  しかしながら、今回導入を考えております先物外国為替運用は、顧客証券会社との間の取引ではございませんで、郵貯簡保委託を受けました証券会社外国為替公認銀行との間で為替取引を行うというものでございますので、当該証券会社から見ますと、外国為替及び外国貿易管理法に基づく外国為替業務に関する免許の対象となる業務ではないというふうに考えております。  それからまた、証券取引法との関係で考えますと、今回導入いたします先物外国為替運用は、保有外貨債為替変動リスクを軽減するということで、運用する際には証券会社に寄託しております保有外貨債に個別に対応させて行うということにしておりますので、この業務は、証券会社から見ますと、保護預かりをしております外貨債取引に関する業務ということで、証券取引業務に付随する業務に当たるのではないかというふうに考えられるところでございます。  なお、このスキームにつきましては、先生御案内のことと存じますけれども、今回の私ども法改正に伴う特別のものではございませんで、従来から民間で行われているものと承知しております。そういう意味での関係法令との整合性は保たれておるものというふうに理解をしておるところでございます。
  11. 木村義雄

    木村委員 為銀との話し合いはあったのですか。
  12. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 直接外国為替銀行との話をしておるわけではございませんけれども大蔵省との間でこういった仕組みについての打ち合わせは済んでおります。
  13. 木村義雄

    木村委員 次に、要するに今回は証券会社委託をするわけですが、委託とは何か。これはどこまで委託するのか。全部委託してしまうとか、それとも、例えば為替レートがこうだとか金額はどうだとかタイミングはどうだとか、それから決済はどうするんだとか、そういう委託という言葉というのは非常に範囲が広いわけで、委託言葉をもう少し明確に、法律には書けないのかもしれませんけれども、これはちょっとはっきりさせていただかないといけないと思うので、その辺お聞かせいただきたいと思います。
  14. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 この委託内容でございますけれども対象といたします外貨債を特定いたしますこと、それから予約レート予約の額、期間、それから予約を行うタイミング等取引条件につきまして、相場の動向等を勘案いたしました上で、私ども郵貯簡保が判断して、その内容為替予約証券会社委託するという形をとりますので、委託されました証券会社は、委託されました今申し上げましたような詳細な内答を実行するという形になろうかと考えております。
  15. 木村義雄

    木村委員 外国為替取引というのは瞬間瞬間が勝負なのですよ。だから、書面でもって、何月何日何ぼの取引をしてくれ、条件はこうだとかなんとか、これは書けるわけがないのですな。電話機を二台も三台も持っていて、皆さんテレビで見たことがおありになると思うのですけれども電話の瞬間的な取引において、いや、電話をかけた、かけないという問題は、民間金融機関業者との間でも、また、いわゆる短資業者との間でも、よくあることであります。  ところが、それはあくまでも民間の問題でありますけれども、今度は、郵政の方は、額が巨大です。巨大ですから、恐らくそういうやりとりの間において、言った、言わないとか、いろいろな意思の疎通を欠いた問題点が出てくる、そこで損失が発生するといった場合に、どういう対応をとられるのですか。
  16. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 御指摘のとおりでございまして、一々書面で始めるというわけにはいかないと思います。しかし、電話等取引を指示いたします場合も、そういったことについての正確な記録を確保する方法について検討してまいりたいと思いますし、それから、事後可及的速やかに文書による処理もいたしたいと思っております。まず、御指摘のとおり、そういった取引内容についてしっかりと確認する手続、方法が第一でございます。  そういったことができました段階で考えますと、その私どもからの指示に反する取引を仮に証券会社が行いました場合には、その責任は挙げて証券会社にあるということになろうと考えております。
  17. 木村義雄

    木村委員 今言ったような問題点の中で、結局、外為取引先物外国為替取引というのは信用取引なんですな。ある一定期間証券会社信用を与える、こういうことになるわけでありまして、要するに、そういう場合のリスク問題、あるいは証券会社信頼度。  例えば委託した会社ベアリング証券会社のように倒産してしまった、こういう問題もこれから出てくる可能性が全くないとも言えない。そのときにどうするんだ。果たして日本証券会社の今の体力でもって、今一万六千円前後で相当に体力がやられている中でもって、この郵政省が行うような外国為替取引の巨額な取引信頼に足り得るような証券会社がというと、私は大きく疑問を持っておるのです。その辺、どういうような対策、要するにリスク対策を考えておられるのか、お聞かせをいただきたい。
  18. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 御指摘のように、この先物外国為替運用におきましては、為替変動リスクのみならず、委託をいたしました証券会社倒産等によりまして先物外国為替取引が決済できなくなる、そういうリスクが存在することは確かにそのとおりでございます。この点については十分注意をしなければならないと思います。  ただ、このようなリスクは、社債等デフォルトリスク債券保護預かり先倒産リスク等、既に私どもが抱えておりますリスクと同種のものでございまして、そういった点につきましては、私どもも従来から、取引先であります証券会社財務内容規模等を常に把握いたしまして、必要に応じて措置をとる体制をとるように対処してきたところでございます、幸いにして今までのところそういったことはございませんけれども。  したがいまして、本件先物外国為替運用に係ります取引に当たりましても、このようなリスクを防止いたしますために、関係会社財務内容規模等を常に把握いたしまして、適切に対処していく必要があるだろうと考えております。
  19. 木村義雄

    木村委員 今、次の住先生の時間をいただいておりますことをお礼申し上げます。  それで、やはり危険の分散を図っていかなければいけない。証券界自体が非常に今低迷している、そういう中で、果たして私が先ほどから話題にしております証券会社だけにこれだけの巨額な取引を任じていていいのだろうか。もう少し危険分散、今言ったリスク分散という意味を含めて、証券会社のみを相手にこの外国為替取引を行うというのは問題じゃないかと私は考えておるのです。この辺は今後検討の余地があるのかどうか、それをお聞かせいただきたい。
  20. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 証券会社を通じて先物外国為替を行うという、この仕組みの趣旨については先ほど御答弁申し上げたとおりでございまして、私どもといたしましては、この仕組みの中で今後運用を図ってまいりまして、その中でいろいろな問題が生じました場合には、そういった問題についてまた適切に対処することを考えていきたいと思います。
  21. 木村義雄

    木村委員 それは、問題が起こった場合には検討をする、こういうことでとっていいんですか、イエスノーか。
  22. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 現行の仕組みが問題を生ずるということになりますれば、当然に検討していく必要があると思います。
  23. 木村義雄

    木村委員 あと、私がこれは一番問題にしたいところなんですけれども証券会社というのは本当に価するかわからない。要するに、今まではインサイダー取引の権化みたいで、やっと日本インサイダー取引に対する法律を決めて、証券会社の勝手なことをするのを抑える。しかし、こういうインサイダー取引を放置していたということが海外から日本への証券に対する信頼を失って、日本から多くの証券会社が、せっかく日本に来た証券会社がまた海外に散ってしまったという悪い前例があるわけですよ。まだこの体質は残っていない。むしろまた、夢よもう一度と考えているような証券会社もある。  今度は何か小さな池に大きな鯨が舞い込んできたような、大きなお客さんが舞い込んできたわけです。ですからこれにうまく、株でいえばちょうちんみたいなことができるわけですよ、外国為替取引においても。株でいえばちょうちんみたいなことができる。これをスカルピングというのですけれども、もしこういうちょうちんみたいなことをする証券会社が、要するに人のふんどしで相撲をとるような証券会社が出てきた場合に、郵政省としては証券会社にどういうようなペナルティーを与えるのか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  24. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 御指摘の、私ども為替予約に絡めまして証券会社自己勘定取引を上乗せしてさやを稼ぐというふうな行為を行うこととなりますと、当該証券会社のみが知り得た情報をもって投資を行うということになりますし、また、その結果といたしまして円高を加速させる可能性も存在することとなるという点におきまして、これは好ましいものではないと私ども認識しております。したがいまして、私ども為替予約を取り次ぐ証券会社に対しましては、そのようなことを行わないよう要請してまいりたいと思います。  また、万一当該証券会社が私どもの要請に反しましてそのような行為を行いました場合には、取引を停止し、場合によっては以後の取引を行わないなどの措置をとることが必要かと考えております。
  25. 木村義雄

    木村委員 住先生の時間をとって非常に恐縮なので質問を最後にしたいと思うのですが、今の話の中でもおわかりのように、要するに一兆数千億の膨大な含み損を今現在抱えております。これを、こういう円高下にあって解消するというのはなかなか難しいと思うわけでございますけれども、その解消に向かう対策あるいは見込みがあるのか。また、果たしてこのまま今後こういう外債投資、これが適切なのかどうか。要するに、今後もまだ外債を買い続けるのかどうか。これはやはり円高傾向と相まって非常に重要なことだと思いますので、その辺のことをお聞かせいただきたいと思います。
  26. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 現在抱えております為替評価損につきましては確かに巨額なものでございまして、郵貯簡保ともに大変深刻な問題であるという認識を持っております。  ただ、この為替評価損実現につきましては多年にわたって行われていくことでございますし、そういった意味で、できる限りの範囲内で平準化も考慮するということによりまして、事業経営への影響をできる限り少なくしてまいりたいと考えております。仮に今後実現損が十五年程度で発生するといたしますれば、郵貯簡保とも運用利回りに与える影響は〇・一%程度の低下に抑えることができるのではないかと見込んでおります、現在の状況で推移すればのことでございますが。  それから、私どもといたしましては、全体の資金運用効率性の確保をできるだけ上げるように努めて、トータルとしての健全経費利用者の方々への還元を図っていきたいと思っております。  それから、今後の外貨債運用でございますけれども、現在こういったような局面でございますので、先ほども申し上げましたように、外国債につきましては円建て外国債への運用中心に考えておりまして、外貨債運用については極めて慎重に対処すべきだと考えております。
  27. 木村義雄

    木村委員 本日は、住先生の御協力のおかげで私の所定の質問を終えることができました。ありがとうございました。
  28. 自見庄三郎

    ○自見委員長 木村先生住先生で合わせて三十分の質問時間でございますから、残り時間内で住先生にお願いをいたします。  次に、住博司君。
  29. 住博司

    住委員 外国為替の問題については専門の木村さんがお話しになられましたので、私は郵便振替法改正についてお伺いしたいと思います。  国税電波利用料郵便口座振替で納めることができるようになるということで、これは利用者にとっては利便性が高まって大変結構なことだと思います。しかし、郵便局というのは国庫金収納機関であって、国税窓口収納というのは大正四年から始まっているわけでありますから、利用者に対するサービスとか預金者の要望に応じてサービス向上を図るのは当たり前だ、私はこう思うのです。ところが、何で今ごろこんなものが出てくるんだ、何で今ごろ口座振替なんですか、それについてお答えをいただきたいというのがまず一つ。  それから、根本的に、私はこう思うのですけれども、こんなことを一々法改正しなきゃいけないんですか。サービス向上をやるときには省令や政令で何でできないんでしょうかということ。その措置ではできないのはどういう仕組みがあってできないのか、その点を御説明をいただきたいし、これからどういうふうにしようとしているのかということをお答えをいただきたいと思います。
  30. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 まさに御指摘のとおりでございまして、口座振替による国税収納につきましては、私どもといたしましても多年の懸案事項でございました。従来から大蔵省との間で調整を図ってきたものでございます。しかし、総論といたしましては、為替貯金事業のサービスにつきましては抑制的であるべきだという御議論も一方でございましたし、また各論といたしましては、収納事務の具体的な取り扱い方法の調整が必要になりますこと、あるいは国税庁のコンピューターシステムの改造や手数料といった予算にかかわる問題がありましたこと等から政府部内での調整がなかなかつきませんで、これまで実現に至らなかったものでございます。  しかし、金融機関のオンラインネットワークの高度化、キャッシュレス化の進展等金融機関を取り巻く環境が変化いたします中で、口座振替を利用した資金決済は時代の流れでもありますことから、利用者利便の向上に大きく資するものという認識で関係省庁一致をいたしまして、今回の予算要求におきまして、おくればせながらではございますけれども認められたということでございます。  郵政省といたしましては、この制度によりまして利用者の利便が一段と向上することになるわけでございますので、これをお認めいただきますならば、広く御利用していただけるよう今後制度の周知、宣伝に努めていきたいと考えております。  それから、二問目の御質問でございますけれども、今回これを法律改正ということでいたしましたのは、国税等の口座振替につきましては、郵便振替法上、郵便振替に関する料金の徴収方法等を特例として規定する必要があるということになりますので今回法改正が必要となったものでございます。しかし、先生の御指摘は、もっと抜本的な改正を行って、一々個別の取り扱いについて特例を法律で列挙する必要はないようにすべきではないかという御指摘だと思うわけでございます。  私どもといたしましても、政省令レベルでサービスを弾力的に提供できるようにすることが望ましいと思うわけでございますけれども、そうするためには解決を要する幾つかの問題がございますので、今後機会を見まして、先生方のお力もちょうだいいたしながらサービスの改善の弾力化に向けて努力していかなければならないと考えておるところでございます。
  31. 住博司

    住委員 もう時間がありませんから、とにかくサービス向上するためには何ができるんだということを真剣に考えて、省令、政令で対応できるような措置をとるためには何ができるかよく考えてそれをやっていただきたいと思います。  私は振替をやるときにいつも思いますのは、多分、振替用紙に書いてあるのは、「最寄りの金融機関(除く郵便局)」と書いてあるわけですね。二万四千の全国のネットワークがあるということをどう生かすかということをいつも念頭に置いてこういった問題に取り組んでいただきたいということを御要望いたしまして、時間が参りましたので終わります。
  32. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、山崎泉君。
  33. 山崎泉

    山崎(泉)委員 自見委員長には先般来、佐世保で大変お世話になりました。この場をかりまして、お礼を申し上げておきたいというふうに思います。  私は、きょうのこの改正案については賛成の立場で質問をさせていただきたいのでありますが、とりわけ、この改正案について質問をする前に、郵便事業に対して私自身、言われなき批判がされてあるというふうに考えておりまして、そこの部分について、この場をかりまして省としての考え方をお聞きをしたい。  ただ、この改正案については、為替ヘッジ対策の導入がおくれた理由とか、リスク回避を目的として投機に走ることのないように歯どめを設定する必要性があるのではないかとか、また現在の郵便振替、これは郵便振替に集まったお金は財投の方に入れられて、そして利子をいただいておるわけですが、個人が郵便振替に入れたお金には利子がつかない、そういう利子をどういうふうに個人に還元しておるのかとか、そういう問題等を聞きたいということもありますが、先ほど申しましたように、とりあえず郵便事業全体について今回はお考え方を聞きたいというふうに思います。  まず、郵便局郵便振替サービスについてお伺いいたします。  今現在、国税口座振替による収納を実施する際には十円でございますが、民間の金融機関にも手数料として九六年の一月から十円が支払われる予定というふうに聞いております。しかし、現在、民間の金融機関が地方自治体の公金を口座振替で扱う場合には一切手数料は取っていないのですね。取っているところもあるかもしれませんけれども、全体的に取っていない。私に言わせると、これはダンピングだというふうに思っておるのですが、今回、国税について引き落としの手数料が支払われるという機会を通じて、恐らくその十円の徴収も改善されていくというふうに考えます。  九州の状況を見てみると、市町村の公金自動振り込み導入状況は、福岡県とか佐賀県が非常にいいのですが、我が長崎県は、市町村の市ではたった二つの市、町では二十五、村ではゼロ、こういうふうに厳しい状況になってあるのですが、やはりこの十円の問題がかかってあるというふうに思います。  そこで、郵政省としては、公金の収納事務の取り扱いを普及させる上で、十円の問題で障害が解決をされるというふうに考えます。したがいまして、利用者の利便のためにも今後どのような取り組みを行っていくのか、省としての考え方をお聞きしたいというふうに思います。
  34. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 確かに御指摘のとおり、私どもの公金の収納につきまして、御利用いただいている自治体は全国三千三百五の地方自治体のうちの約半数、千六百六十六でございまして、まだ未利用の自治体が多いわけでございます。その未利用の自治体の中には民間金融機関の手数料が無料あるいは郵便局と比べて非常に安いということを理由として挙げられておるところもございますけれども、しかし、先生も今仰せになりましたように、これらのサービスの事務に係る経費につきましては受益者がそれぞれ負担をしていただく、公平に負担をしていただくという観点から、あるいは事業経営上の観点から、必要最小限の手数料をいただくということはごく普通のことではないかと考えているわけでございます。  近年、民間金融機関におきましても、そういった観点からか、手数料の有料化あるいは引き上げを行う向きも見受けられているところでございます。また、御指摘の今回の国税収納等の取り扱いができるよう御審議いただいているところでございますが、そのことに合わせまして、民間金融機関国税等の口座振替についても郵便局と同様の手数料十円を支払うお考えというふうに聞いております。  そういう動きがございますので、私どもといたしましては、そういう中で本省あるいは地方の機関それぞれが関係の向きに対して、国民の、住民の方々の利便向上という観点から、適正な使用料をお払いいただいた上で、このサービスを多くの方が利用できるようにしていただけるように、その御理解を得るべく働きかけてまいりたいと考えております。
  35. 山崎泉

    山崎(泉)委員 次に、近年、御案内のとおりに金利の自由化が進展をして商品やサービスの多様化が進んでおりますが、この金融自由化の仕組みができた環境の中で、銀行などは十年一日のごとく郵便貯金の批判を繰り返しているというふうに思います。  本当に郵便貯金は肥大化して民間金融機関を圧迫しているのか、郵便貯金のシェアは著しく増大しておるのか、お聞きをしたいというふうに思うのですが、二月十五日の大蔵委員会で新進党の方がこの辺についても数字を挙げながら質問をしております。その一例ですが、「ちなみに、金融関係全体の数字でございますが、公的金融のシェアが年々拡大している。昭和三十年、公的金融のシェアは二二・六%だったのですが、昭和五十年には二〇%、平成五年には四三・二%と、多分この傾向はそのまま平成六年、平成七年という形で受け継がれるのではないかと思います。郵貯の肥大化に至ってはもう御承知のとおりであります。」こういうふうなことを申しておりますが、私は若干、この数字のとり方はどういうものを集めてきたのか、ちょっと理解ができないのでございますが、いずれにしても、そういうことで本当に郵貯は肥大化をして民間の金融機関を圧迫しておるのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。
  36. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 そういった御批判をなされる向きがあることは事実なんでございますけれども、データで見ますと、郵便貯金の個人貯蓄に占めるシェアはここ十年間約二〇%と、ほぼ一定をしております。そういう意味で、郵貯が肥大化あるいは郵貯が民業を圧迫しているというのは具体的にどういう事実であるのか、私ども非常に理解に苦しむところでございます。  また、例えば最近の全国銀行の預金の増減状況を見ましても、確かに景気の影響を受けまして法人預金は大幅に減少しているということはございますけれども、個人預金を見ますと堅調に推移をしているところでございまして、私ども郵便貯金は個人預金でございますが、そういう意味で、郵便貯金民間預金がシフトしているという事実もないと考えております。  それから、これらに加えまして、金融自由化を迎えるに際しまして、郵便貯金の金利につきましては、大蔵省との間で民間金利に準拠するというルールを合意いたしまして実施しているところでございますので、これによりましても、従来一部にありましたそういった御懸念は解消できるものと考えておるところでございます。
  37. 山崎泉

    山崎(泉)委員 また、郵便局の定額貯金民間金融機関に提供できない商品であり、この定額貯金を見直せという声もあるようでありますが、現実に一部の民間金融機関では定額貯金に似た商品を販売しておりますし、またこの秋には民間の金融機関でも十年物の定期預金を実現させるというふうに聞いております。そういうことを考えた場合に、私は単なるそういう批判はためにする議論であるというふうに思います。  同時に、その例として、通常貯金の金利差についての議論もあります。通常貯金郵便貯金残高の一割にも満たないのであります。これがあたかも郵便貯金全体にかかわっておられるような言い方をされるというのはどうなのかな。郵便局の通常貯金銀行の普通預金と同じ流動性の預金であるわけでありますから銀行と同じ水準まで下げろというような意見は私はどうも理解ができない。  したがいまして、お伺いをいたします。通常貯金銀行の普通預金に比べて金利はなぜ高いのか、また、これにより民間金融機関から郵便貯金にお金がシフトしたという事実があるのかどうなのか、お聞きをしたい。
  38. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 郵便貯金の扱っております商品の中の大宗を占めます定額貯金につきましては、その利率は、先ほど申し上げましたように大蔵省とルールを合意いたしまして民間の定期預金の平均金利に準拠するような方式を定めました。したがいまして、民間との金利差ということになりますと、商品としましてはそれほどのシェアを占めておりません通常貯金が普通預金と一%差があるということで、この商品について非常に注目をするというような動きがあるわけでございます。  しかし、民間金融機関の普通預金より一%程度高く金利を設定するということをしておるということは事実でございますけれども、これは、通常貯金が専ら個人が貯蓄目的と決済目的の双方に利用しているという商品であるのに対しまして、民間の普通預金は個人の資金のほか約四割が法人の利用でございまして、法人が日々の決済目的のために利用しているというものでございますので、この両者は利用構造、商品特性等に大きな差があるわけでございます。したがいまして、これらを同種の商品と見て金利差があるのはおかしいという理屈はおかしいと思うのでございますが、そういった指摘が一部になされておりました。  しかし、これらの差は利用構造、商品特性の差に基づくものであるということにつきましては昨年十二月大蔵省とも改めて確認をしたところでございます。こうした両者の相違を無視いたしましてこの両者の金利差を縮小するということになりますと、それはかえって個人の預金者の利益を損なうことになるというものだと考えております。  それからシフトの問題でございますけれども、こういった金利差は、低金利・高金利時代を通じまして規制金利時代から一・四%ないし一・一%という大きな幅で多年にわたって存在していたものでございますけれども、中長期的に見ますと、通常貯金のシェアは漸減をいたしておりますのに対しまして、個人の民間の普通預金残高のシェアは逆に漸憎いたしておりまして、いわゆるシフトとは逆の現象を示しているところでございまして、そういった資金シフトが発生しているということは全く事実ではございません。
  39. 山崎泉

    山崎(泉)委員 何しろ、郵便貯金に対する批判がある。しかし、この批判は主役である利用者や国民の立場に立った姿が見えてないというふうに私は思います。  今度の阪神大震災でも、見てください、兵庫地区では郵便貯金ふえているのですよね。いわゆる郵便局が全力で、自分たちの、自分個人の家のことを考えずに公的機関としての役目を果たした、それが評価を受けてあるのですよ。一方、銀行さん見てください。バブルの時代に何したのか、両信用組合だって何したのか。国民はよく見ているんですよ。雲仙の普賢岳の災害のときでも、転送された郵便が二カ月後に関東まで行ったというふうに、一生懸命頑張ってあるのですよね。  そういう全体が、私は郵便事業が、特にまた郵便貯金が評価をされてある証拠だというふうに思うのですが、郵便貯金そのものの意義や役割についてどのように考えてあるのか、いま一度明確にしておきたいというふうに思います。  さらに、同時に、広く国民に理解を求めるべきであるというふうに思うのですが、どのように考えておられるか、短目にお願いします。
  40. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 郵便貯金の役割でございますけれども、国営、非営利の個人専門の貯蓄機関としまして、国民のニーズに応じた個人金融サービスをあまねく公平に提供するという、貯金法の目的にございますけれども、そういったことを使命として、現実にも国民に最も身近な金融機関として利用され、国民生活に役立っているものと考えております。これからもこの役割はますます重要になってくるものと考えております。  こういったことについて国民の皆様に御理解をいただくための私どもの働きかけでございますけれども、これまでもディスクロージャーのための冊子等を通じまして、いろいろ御理解をいただくように努めてきたところでございます。今後は、金融の自由化の進展によりまして、金融と国民生活が一層密接に関係してくることとなると思われますので、私どもの果たす役割や意義につきまして国民の皆様に正しく理解していただきますことがより一層重要になるものと認識をいたしております。今後とも、国民に最も身近な金融機関として広く理解が得られるよう努力してまいりたいと考えております。
  41. 山崎泉

    山崎(泉)委員 郵便貯金についてのいわれなき批判に対しての省の考え方はわかりましたが、やはり第一線で働いておる職員というのは悩んでいるのです。働きが鈍かれば親方日の丸、こういう批判を受けますし、一生懸命頑張って集めればまた民間たたきだというふうに言われます。私はよく職場を回るのですが、そういうふうに民間たたきするならば、昔のようにストライキをおれが指導してやろうか、こういう冗談も言いながら、職場を回ってあるのです。  大臣、せっかくお見えですから、大臣に、職員が自信を持って営業活動に取り組めるように、どのような心構えで営業活動を行っていけばいいのか、この辺、大臣、きちっと御答弁を願いたいというふうに思います。
  42. 大出俊

    ○大出国務大臣 山崎さんも郵政三事業の現場を知り抜いている先生でございますから、私も実は戦時中でございますが、郵便局に入って、いきなり、郵便の取締という役職がありまして、その方に呼ばれて、君が郵便課に配属になった、天職だと言うのですね。国営である、暮れ、正月は休めない、これも天職だ、とにかく郵便法に基づく国民の財産である郵便事業、確実にお届けをする使命があると言うのですね。そういう訓示めいた話がございましたが、これ、まだいまだに身にしみていますがね。  だから、阪神の大震災のときに、四日目に私は神戸地郵に参りましたけれども、三階がつぶれているのですけれども、そこで郵便の区分から、そこから出て配達をやっている。お父さんを亡くした方、御家族を亡くした方、何人もいるのですよ。直接話してみましたが、やはり届けなければならない使命を、言いませんけれども、みんな同じように感じているのですね。個人小包、つまり個人あての小包に非常に困っているとこぼしていましたけれども。届けてみたらつぶれているというわけですね。何もない。捜して、避難所へやっと届けたという話が出てくるのですね。  つまり、これが今の郵政三事業、つまり、明治四年から始めて百二十年たつ郵便の性格ですね。阪神大震災で本当によくわかったと私は思っているのですけれども。  それから貯金保険でございますけれども、特にこれははっきりしておいていただきたいのは、財投資金というもの、これについて、何となく政府関係金融機関というのは悪だと言わんばかりの話がありますが、そんなことはないので、この間の、この国会の予算委員会で、財投の話はたくさん出るのですけれども、ではどうするという御意見がない。だから、私も何遍か答えましたが、実は貯金というものの性格は、山崎さんが御存じのように、生活預金、個人預金なのですよね。日々の生活のおかずの代金まで考えながら、郵便局との関係で払っていくという、貯金していこうという、そういう性格のもの。  だから、財投財源債という言い方が一部にありますけれども、今の財投資金のかわりに財源債出せばいい、そんなこと言ったって、財投財源債というのは国債と同じ性格のものでございまして、国債より金利を上げれば国債は売れなくなるわけですから成り立たない。  あくまでも今のこの、財投財源というのは残高が今日三百九兆円ございますけれども、三百九兆のうちで、貯金が百三十四兆円、保険が四十三兆円、合計百七十七兆というのは、末端の郵便局で皆さんが一生懸命頑張って、座っていて集まるのではないのですから、集めておいでになる。生活に直結したところで個人預金を集めておいでになる貯金の金、保険の金。貯金が百三十四兆、保険が四十三兆、合計百七十七兆、財投全部の中の五七・二%というのは郵便局なんですね。  今一番景気浮揚の頂点にあるのは住宅でございますが、住宅金融公庫は昨年まで八兆九千億、ことしは十兆を超えてしまっているのですね、この貯金保険の金が行っているのは。ここから始まりまして、中小企業金融公庫、昨年まで二兆四千億、ことしは三兆円。つまり、道路公団初めあらゆる政府関係の機関にみんな金が行っている。これが実は社会資本という形でこの国を動かしているということになる。  だから、高齢化社会が来ますが、そこのところをひとつ自信を持っていただいて、そして、九一年、二年、三年、行政改革審議会が三年議論をされまして、九三年の十月二十七日に答申が出ていますけれども、経団連試案とか稲盛私案とかございましたけれども、結果的に、肥大化という懸念を世間が感じているようだから、この懸念をなくす、そういう経営、運営をやってくれということで、現状を全部認めて決着がついている。  こういうことでございますから、そういう意味で、職場の皆さんが、この国の社会資本という意味で、動かしているのは我々なんだ、しかも個々の生活を支えている個人預金であり、生活預金なんだ、高齢化社会が来る、限度額がある貯金だけれども、そういう意味で支えているんだ、そういう貴重な価値観をみんなが共有して頑張っていただきたい、こう思います。
  43. 山崎泉

    山崎(泉)委員 終わります。ありがとうございました。
  44. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、大木正吾君。
  45. 大木正吾

    ○大木委員 今の山崎さんの質問関係いたしまして、続いて伺いますが、ひとつ大蔵省から伺いたいのです。  最近の特殊法人の見直しに関連いたしまして、たくさん記事を持ってきたのですが、財投機関の見直しから、さらに入りまして、郵貯の問題等に意見が出ていまして、私、やはりこれに対する一定の反論、見解というものを申し上げておかなければいけない、こういう気持ちがあって、きょう質問に立ちました。  要するに、郵貯がふえているから財投にむだ遣いができる、こういった主張もあります。財投を所管している大蔵省といたしまして、こういった意見に対してどういうふうにお考えでありますか、まずそれを第一点に聞きます。
  46. 寺澤辰麿

    ○寺澤説明員 お答えいたします。  郵便貯金が財投の重要な原資としての役割を担っているということは御指摘のとおりでございまして、財政投融資と申しますと、その名前のとおり、財政、いわゆる財政政策、各種政策を投融資、金融的手法により行うシステムということでございます。  その規模は、毎年の予算編成過程におきまして、予算全体の資源配分、例えば社会資本整備、住宅政策、地域の活性化、中小企業対策等々ございますが、そういった予算全体の資源配分との関連、それから経済情勢との関連を踏まえまして、個々の財投機関の資金需要とか償還確実性を十分精査し、機動的に編成しているところでございまして、原資の動向、特にその中の郵貯の増加の動向によって機械的に財投の規模が左右されるということではないと理解しております。
  47. 大木正吾

    ○大木委員 財投の中でも、国有林の問題でございますとか国鉄関係とか、私たち見ていましても、どうしても採算がいにくいものがありますね。それから同時に、では国民生活にとりまして林野がなかったらどうなるかという問題も考えてみるべき一面がありますよ。それから同時に、こういったものは五十年、七十年たちませんと一人前の木になりませんから、育てるのになかなか時間がかかります。  そういった面について、もう少し全体的に、どういう機関に金を出していて、どうしても採算が合わないという問題等含めまして、もっと厳しくディスクローズする、徹底してやる気持ちが大蔵省としてはないでしょうか。その辺について伺っておきたいのです。
  48. 寺澤辰麿

    ○寺澤説明員 お答えいたします。  財政投融資の資金は、先ほども申し上げましたように、国の制度、信用に基づいて集められたお金を主要な原資としておりますので、それは償還確実性が保たれるところに運用するというのが基本でございます。  今先生国鉄清算事業団と国有林野の問題をお挙げいただきましたけれども、国有林野につきましては、治山治水、水源涵養、環境保全といった公益的な機能を持っております。そういう公益的なものを持ったところの事業をどういうふうにさせるかという政策的な役割をまず検討しつつ、一方で、現在確かに、高度成長期に大量に植林されました人工林が平均三十五年といった林齢でございまして、まだ間伐等コストがかかる時期にございますけれども、これが標準伐期でございます五十年、あと十五年もいたしますと収益が出てくるというようなこと。それから事業全体につきましても、国有林野事業改善特別措置法に基づきまして事業の改善計画が樹立されております。こういったことで採算性の向上を図るということになっておりますことから、償還確実性も十分担保できるということで貸し付けを行っているものでございます。  なお、そのディスクロージャーについてどうかということでございますけれども、先般、二月二十四日の特殊法人にかかわります閣議決定におきましても、各法人の業務等につきまして積極的な情報公開を進めるとされておりまして、今後、政府部内において検討されていくものと考えております。
  49. 大木正吾

    ○大木委員 ディスクロージャー、これはなるべく国民に疑問を与えない形でもって、同時に、どうしてもペイしないものの理由等についても、あるいは国民の方が負担すべきものがあるわけですから、そういった面を含めてぜひしっかりやってほしい、こういうふうに申し上げておきます。  さて、最後の質問でございますが、大臣にお伺いしたいのですが、日本の現在の景気状態、円高状態、相当構造的な面がございまして、そう簡単にクリントンが妥協するというような様子は見えない感じがいたします。やっぱり三%程度の経済成長が見込まれませんと財政も税制もなかなかうまく入ってきませんね。一方の面では、そういった状態がしばらく続く。恐らく五年か七年ぐらい続くでしょう。そう簡単に光は見えてきませんからね。  同時に他の面では、高齢者社会が進行しますよね。そうしますと、やっぱり日本の産業、経済全体を見たときに、結果的に、一面的には、従来の道路とか橋みたいな面の公共投資から、高齢者社会というものを展望した場合には、医療、福祉の面の投資あるいは生活面の投資、こういったことがふえできますね。現在の財投というものについて税調会長なんかは何かぶっていましたけれどもね。新聞にでかでかと書いてある。ああいう乱暴な意見が出てきて、本当言って私たちは黙っていられないのです。日本の財政どうなってしまうんだ、こう心配するのです。  私が見た目では、実は二年前に小泉さんにも申し上げたことがあるのですけれども日本の税財政問題につきましては、恐らくヨーロッパと違いまして、そう簡単に財投というものを消して税金だけでやることはまず我々が生きている間はないです、こういう話をしたことがあるのですが、私の考え方は今でも変わっていませんし、高齢者社会ですから、もっとそういった面が大事になってくる、こういう感じがいたします。  そこで、これは大蔵省の方からまず簡単に意見を聞いて、後で大臣の決意を伺いたい、こういう気持ちであります。  以上です。
  50. 大出俊

    ○大出国務大臣 大木さんも山崎さんも私も、みんな郵便局の現場をよく知り過ぎているわけですけれども、一生懸命貯金保険、財投原資を集めている皆さんにぜひ自信を持ってもらいたい、私もそう思っています。  そこで、今お話がございましたように、財投原資、さっき申し上げましたが、今の残高は三百九兆ございまして、この三百九兆のうちで百三十四兆が貯金でございまして、四十三兆が保険でございまして、トータルで百七十七兆ございます。だから、三百九兆のうちの五七・二%は貯金保険の金である。それで、七年度でいうと、四十八兆二千億というのがことしの財投です。そうしますと、国は七十兆の予算を組んでいまして、それに対する四十八兆二千億、国会に財投は四十八兆二千億でございますと出しているわけですから、この四十八兆二千億の重みというものは、おっしゃるとおり、これをなくしたら日本という国の経済が動かなくなってしまいますね。  内訳は、これは予算委員会で、私、桜井新さんの御質問がございまして答えまして、いろいろ申し上げたのですが、後から賛成者がたくさんおいでになりました。今の景気浮揚の目玉は相変わらず住宅ですけれども、住宅金融公庫に十兆六千二百八十九億円、七年で十兆円を超えているわけですからね。国民金融公庫が三兆二千億、中小企業金融公庫、これも今まさに目玉で何とかしなければならぬわけですが、二兆五千億、日本道路公団が一兆九千億、日本開発銀行が同じく一兆九千億、住宅・都市整備公団が一兆三千億、地方公共団体に七兆二千億貸しているわけですね。  ですから、ここらは、考えてみますと、この財投の枠組みというものを、いろいろ議論はあるのだけれども、ではどうするかという意見が出てこないということは何を意味するかというと、活用しているこの財投の仕組み、これに手をつけたらえらいことになる、これがなければ動かないというふうにみんな思っているから出てこない。  ですから、やはりそういう意味で、高齢化社会が参りますから、この使い方という問題についてはいろいろございます。そこらを、今の御指摘のような方向も含めて、将来に向かってどういうふうに財投原資というものを、五七・二%を抱えている我々の側で考えていくか、真剣に考えていきたい、こう思っております。
  51. 大木正吾

    ○大木委員 終わります。
  52. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、日笠勝之君。
  53. 日笠勝之

    日笠委員 おはようございます。御苦労さまでございます。  去る二月十五日のこの逓信委員会で、福祉定期郵便貯金の延長を強く要請したところ、大臣の力強い御判断で、これが一年間延長ということになって、本当に心から敬意を表するわけでございます。  そこで、これは二月二十八日で一応終わって、さらに三月一日から、来年が何かうるう年で二月二十九日ということだそうですが、一年間延長ということになりました。これのPRでございますが、五百五十万人ぐらい一応対象者はいらっしゃる、しかし実際に福祉定期郵便貯金に加入されている方は非常に少ない、非常にギャップ、乖離があるということでございます。  そこで、最近の新聞の投書欄を見ましても、これは京都市の九十歳の無職の方でございますが、新聞の投書欄に、不十分な年金を補うため、苦労してためた貯蓄がこんな安い金利で元本を食いつぶしていかなければならない、こういう非常に生活の心配をされている投書もございましたし、また、六十三歳の著述業の方の投書にも、年金プラス多少の利息収入、これが懸命に生き通してきた勤労者の老後における平均的生活プランであろう、しかし、このような老齢弱者に犠牲を強いる超低金利であるという趣旨の投書が、この三月、四月ぐらいから、何通か私も新聞等の投書欄を見たわけでございます。  そういう意味では、この福祉定期郵便貯金のPRがもう少し行き届けば、こういう声も少なくなるのではなかろうか。そして、せっかく制度的にこれを一年間延長すると決めたからには、四・一五%と非常に高いから余り集め過ぎるといろいろ困る、そういうことではなくして、決めたわけですから、しっかりPRするというのが国営の郵便貯金のあり方だろうと私は思うのですが、どのようなPR活動、広報活動をやっておられるか、まずお聞きしたいと思います。
  54. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 御指摘のとおりでございまして、現在、かつてない低金利下でございますので、この福祉定期郵便貯金の社会的弱者の方々に対する意義というものは相対的に高まってきていると思います。それにいたしましては、確かにその御利用がまだ十分ではございません。従来から私どもも周知に努めてきたつもりでございますけれども、昨今のそういう事情にかんがみまして、一層周知に努力していかなければならぬと思います。  例えば、具体的には新聞による周知でございますが、本日と明日、全国紙、ブロック紙等でこの周知をいたしております。それから福祉団体への周知の協力要請、さらに郵便学窓口での周知ポスターの掲出の徹底、それから郵便学窓口あるいは職員がお客様を訪問いたしました際に周知や利用勧奨などをさらに積極的にするようにして、この普及を図っていきたいと考えておるところでございます。
  55. 日笠勝之

    日笠委員 私は、揚げ足を取るつもりではないのですが、昨日、岡山市内の十五の郵便局におきまして、局舎の中等々でどういう福祉定期郵便貯金のPR、広報をしているかということで、地元の秘書の方に調べてもらいました。現実に十五の郵便局に行って調べてもらいました。そういたしますと、ポスターの掲示をしているのは十五郵便局のうちの四局でございます。それも、パンフレットのコピー、B4判ぐらいの小さなのがさりげなく張ってある。ポスターの掲示がないのが十一局でございました。  それから、パンフレットですね、こういう立派なパンフレットを出している。郵政局単位もございますが、こういうパンフレット等があるというのが十五の郵便局のうちの八局、パンフレットもないというのが七局。それで、パンフレットがあるというのも、これはカウンターに置いておるとかいうのではなくて、こちらの方から福祉貯金の何かわかるようなものがありませんかと言うと、カウンターの下の方から出してくるとか、また、これは差し上げられませんからコピーをして差し上げましょうとか、そういうふうなことで、あるけれども、さっともらえる、すっと持って帰って自分で検討するというふうなことではない。  ですから、一部の地域のことだけを取り上げて、先ほど申し上げておりますように揚げ足を取って云々じゃありませんが、まだまだこのPR、広報活動が現場では不十分ではないかなと。きよう、あしたぐらい、ブロック紙、全国紙で広告を出されるのも結構です。しかし、実際に窓口を利用しておられる方、一日に恐らく全国で何百万、何十万という単位の方が御利用されておるわけで、一番のPRは、やはり郵便局舎の中にポスターがあり、パンフレットがいつでもぱっと持って帰れるようにする、これが一番の、最大のPRでしょうね、不特定多数よりは特定多数ですから。郵便局に来られる方は、貯金をされたり為替のことをお願いしたりするわけですね。  ですから、どうでしょうか、一部のことでございますがこういう実態を申し上げましたが、もう少し窓口の方できちっとしたポスターなりパンフレットを手軽にお持ち帰りできるような、そういう体制も、ひとつ広報、PR活動でさらに積極的にやるべしと思いますが、これはちょっと大臣の方から、せっかく決断された御当人でございますから、一言お願いしたいと思います。
  56. 大出俊

    ○大出国務大臣 日笠さんおっしゃっておりますように、一・七五という公定歩合をまた〇・七五下げたわけですから、下げた結果の金利、決まっているところも決まっていないところもありますけれども、とにかくもう普通預金で〇・二五しかないのですから、二〇%税金を取られると限りなくゼロに近いわけです。定期預金にしてみたって、一年定期で計算して、三百万あるいは五百万以下で一・三、五百万を超えても一・四、五千万ぐらい持って行ってやっと一・五になるかならぬかという、一・四五行けばもう天井という、それをまた〇・七五下げたわけですから、この四・一五という金利は命綱なのですね。日笠さんおっしゃるとおりなのです。  ですから、これはもう御心配いただいておりますように、できるだけ知っていただいて、限度は将来に向かってあるかもしれませんが、最大限活用いただくというのが今の時期に一番必要だろうと思っております。  最近いろいろなものを見ますと、高齢者でわずかな年金をもらって、退職金の一部を積んでおいて、それが一千万、二千万なんですよ、みんな限度は。三千万ある方はほとんどないのですね。この方々なんですから、最大限にひとつこれをPRしていただくように、私の方からも局の方に督促いたします。
  57. 日笠勝之

    日笠委員 じゃ、大臣がこの委員会で督促を局長にされたわけでございますから、次の質問ぐらいまでにまた岡山市内を見できますから、しっかりとお願いを申し上げておきたいと思います。  さて、本題の法案審議の中身に入っていきたいと思いますが、そもそも金融の自由化対策資金それから簡保積立金運用、こういうもの、非常に膨大なお金が運用されるわけですが、いろいろな広報誌を見ましても、例えば「日本郵政」というような本だとか、それから「みなさまの簡易保険」とか「郵便貯金」とかいう広報誌、ディスクロージャー雑誌とおっしゃっていますが、こういうものを見ましても、その運用計画といいましょうか運用方針といいましょうか、こういうものは余り見かけないのですね。  ただやっておりますという感じで、あと、どういう種類のものがどういう金額で運用されておりますというぐらいのことでございますが、そもそも年度計画といいましょうか、来年度なら来年、ことしならことしで結構ですよ、ことしはこういうふうな運用計画なり運用方針でいくと、ポートフォリオといいましょうかそういうふうなものは年間計画というものがあるのかどうか。余り言うと、資金がそこへ投入されると株が動いたりするようなことがあるかもしれませんが、そういう計画はどうなっているか。あるとすれば、平成七年度はそれぞれがどういう運用計画、運用方針に基づいて、この厳しい低金利そしてまた円高の厳しい局面の中をやろうとされておるのか、まずお聞きしたいと思います。
  58. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 金融自由化対策資金運用計画及び運用方針でございますけれども、これは年間の運用の指針を定めるものとして大変重要なものでございますので、まずその総枠は予算において原資額が決定されております。それから、その内容といたしましては、私ども毎年、年間の計画それから四半期ごとの計画、月次の計画、それから毎日の計画といったものをそれぞれつくっておりまして、またそれらのものを適宜見直すという形で、先生指摘のポートフォリオの構成等について定めて、運用しておるところでございます。
  59. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 簡保関係につきましては、運用法の中で定めがございまして、資金運用審議会というところに諮問をする手続が決められております。したがって、こういう手続を踏みまして毎年度の運用計画を決めているところでございます。  先生先ほどのお話の中に、ディスクロージャー冊子の中にないじゃないかというお話があったかと思いますが、毎年度、前年度との対比を含めて載せているところでございまして、決して隠しているつもりはございません。記者会見等でも発表をいたしております。
  60. 日笠勝之

    日笠委員 次の質問も先に見込んでおっしゃったのでございますが、私は、ディスクロージャーの中で隠しているという意味じゃなくて、円換算の評価差額、いわゆる含み損、特に外国債ですね、これについてはないということを言おうとしたのですね。  それは確かに特別会計の、国会に提出をされておられます予算書の中には、例えば、郵便貯金特別会計金融自由化対策特別勘定貸借対照表の下の参考欄に「為替相場による円換算額」「差額」というので、例えば平成五年度決算では四千六百四十二億円弱とか、こういうのは出ていますね。それから、簡易保険特別会計の貸借対照表の中にも、参考資料でございましょうが、同じく平成五年度決算額で九千百二十一億円とか、こういうふうに出ておるわけですが、表向きのディスクロージャー冊子と言われるものにはそういうものがないですねということを言おうとしたわけでございます。  ですから、特にこういう外国債の差額、含み益もあれば含み損もあるわけでございますけれども、今はどちらかというと含み損の方がどんどんふえておる、この円の乱高下、特に円高ですね。そういうことでございますが、まずこの為替評価損、現状は先ほど申し上げましたが、平成六年の決算が三月三十一日で終わっておると思うのですが、確定値は出てはいないと思うのですが、平成五年度決算額に比べて、それぞれ局長、これはふえているのか減っているのか。概算的に、平成六年度決算でこの差額がどういう方向になるのか、もし金額等、大ざっぱでもわかれば、あわせて御説明いただければと思います。
  61. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 郵貯金融自由化対策資金関係でございますけれども、これにつきましては、外貨債償還額も少ないことから、五年度末で四千六百四十二億円の評価損が出ておりましたけれども、六年度末につきましては、決算数値が出ておりませんので確定値ではございませんけれども、おおよそ一千億円程度増加することになるのではないかと見込んでおります。
  62. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 簡保の場合には外貨債運用の歴史も長うございまして、郵貯に比べますと償還の額も比較的大きかったということもございまして、確定値ではございませんけれども、五年度末の数字をやや下回る程度の数字になろうかなというふうに見込んでおります。
  63. 日笠勝之

    日笠委員 いずれにいたしましても、特に郵貯の場合は一千億円プラスされて、簡保の方もややふえる。ややふえると言ったって、ふえ方によっては一兆円ぐらいになるんですか。(発言する者あり)下回るのですか。じゃあ、九千億円を切るというぐらいのことになるかもしれませんね。いずれにいたしましても、この外国債の俗に言う評価損、運用額に比べれば、それは分母が大きいですから小さいかもしれませんが、絶対金額から見れば一兆何千億という莫大なことでございます。ですから、非常に慎重な運営、やはり有利確実という視点から外国債については運用していかなければならないと思うわけでございますが、今後の外債運用の方針、方向というものをまずお聞きしたいと思います。
  64. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 外国債というよりはむしろ、先生の御質問の趣旨は外貨債のお話が中心になろうかと思いますが、外貨債を考える場合に、やはりこれからの為替動向がどうなるかというところの見きわめにかかっているのではないかという感じがするわけでございます。現段階で、正直言いまして、私ども、これからどうなるのだろうというのをいろいろな意見を聞いているところでございますが、まだまだこれから先、円高圧力というものが払拭し切れないだろうという見方がどうもやはり多いような受けとめをいたしております。  したがって、これから先の外貨債運用につきましては、余り積極的な購入ということはやはり現段階ではちょっと踏み切れないなと。本日の新聞に日本生命が踏み出したという記事も若干ございましたけれども、テストケース的な内容のようにも書いてございました。したがいまして、外国債、全体を広げますと、やはり差し向きは円建て債を中心とした運用にせざるを得ないな、このように考えているところでございます。
  65. 日笠勝之

    日笠委員 今回、先物外国為替法律で委任して運用できる、こういうことにするわけでございますが、この先物外国為替運用の基本的な方針というものはあるんでしょうか。例えば運用期間は大体どの程度を考えておるとか、あればひとつ御説明いただきたいと思います。
  66. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 ただいま申し上げましたように、いろいろな難しい情勢の中で、これから制度をお認めいただいた場合にどのように運用していこうかということを現在検討している最中ではございますが、基本的な考え方といたしまして、まず一つは、投機的な運用にならないようにしなければならない。これは、私ども保有しております外貨債対象となるものを個別に特定をするというやり方でその投機性を排除していこう、これが一つの考え方でございます。  それから、じゃ、今まで大分たまっている為替の差損というもの全体をこの対象に考えるのかどうかという点でございますが、これにつきましては、私どもやはり差し向きの話としては、これから購入するもののヘッジ手段として活用するという程度にとどめたい、新規に購入する部分に限定した方がよろしいのではないかというふうに考えております。  それからさらに、これは言わずもがなみたいな感じもございますけれどもヘッジ対象として考えるものが為替変動の危険にさらされている、そういう状態にあり、かつこのヘッジ手段を行使することによって為替変動から回避できる、こういう見込みのあるものについて行う、そういうことを基本的に考えてやっていきたいと思います。  全部まとめて申し上げるならば、やはり基本的に慎重に、こういう新しい仕組みをつくったのに何だと言われないような、そういう運用に心がけなければならないなというふうに思っているところでございます。(日笠委員期間は」と呼ぶ)  期間でございますが、例えば、これはこれから市場等見ながら考えることになりますけれども、大体は、市場で一般的には三カ月程度の短期間取引が行われているというふうに聞いております。私ども郵貯簡保におきましても、そんなに長いヘッジということはちょっと難しい話でありますので、大体は三カ月程度ということを中心にして行うことになろうかというふうに思っております。
  67. 日笠勝之

    日笠委員 よくわかりました。ぜひひとつ、その運営方向でお願いを申し上げておきたいと思います。  さてそこで、最近、いわゆるリスクヘッジのことがいろいろ、デリバティブというようなことで言われておりまして、デリバティブというのは、先物とスワップとオプションと大体三通りぐらいあって、それがまた通貨オプションに先物オプションにといろいろございまして、とても私どものような頭では、どうなっているか、入門書、二冊ほど買って読みましたけれども、読んだ後、これは基本的なデリバティブのことであって、これが複雑に絡み、組み合わされてデリバティブというのはやっているんだというようなことで、入門書を読んだってまたその入門書の入門書が要るような感じでございますが、いずれにいたしましても、デリバティブの導入ということは、リスクヘッジをする上で、そもそもそういうところから発生したわけですから、非常に重要と言えば重要だと思うのです。  その中で、今回俗に言う先物外国為替も、これはデリバティブの一種というふうに入門書には書いておりましたけれども、あと通貨オプションとか金利スワップとか、もう少し幅広く皆さん方の方で運用させてもらえればリスクヘッジができるんだがというふうなお考えはございますか。それとも、当面先物外国為替法律で委任されたのでこれをやってみて、それからの段階、こういうふうなお考えでしょうか。それとも、いろいろ大蔵省にも要求したけれども大蔵省の方もこれだけよと言われたのか。その辺を含めて、デリバティブというものとそれぞれの運用というものについて、基本的にはどういうふうなスタンスで今後臨まれるか、またお考えなのか、あわせてひとつ御説明いただきたいと思います。
  68. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 先生のお話のとおりデリバティブというのは大変難しい概念でございまして、これがわかるかわからないかで年代がわかるというような話もあるわけでございます。私も正直言ってよくわからない部分が多うございます。  今幾つか例をお出しいただきましたデリバティブあるいは広い意味でのリスクヘッジ手法というものについては、私どももできるだけ、大切なお金でございますので、リスクを回避するための手段というものは充実したいと思い、一方でリスクヘッジ手段がまたリスクを呼び込むこともございます。したがって、これは私どもの持つ能力といいましょうか、私ども自身の資質というものとの絡み、あるいは市場がこれからどう動くかということの絡み、もろもろあるわけでございますが、その中でやはり、状況に応じてと言うとちょっと漠然としておりますが、将来的には考えていかなければならないだろう、こう思っております。  差し向きは、やはり今回の法案でお願いしております為替先物、これをまず先ほど申し上げましたように慎重に充実してやることから始めたい、このように思っております。
  69. 日笠勝之

    日笠委員 そこで、ヘッジの導入に関連いたしまして、最近、会計上ヘッジの効果が掌握できる、いわゆるヘッジ会計ということがだんだん議論されておるようでございます。いわゆる金融自由化対策資金であるとか簡保積立金として、為替予約ヘッジ会計の導入ですね、これはどういうふうにお考えになっておられるか、基本的なことで結構でございますが、お答え願えればと思います。
  70. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 いわゆるディスクローズという面から、利用者の方々にできるだけわかりやすい情報を提供するということは大変大切なことでございます。  通常の会計処理上表に出てこないものを含めてどのようにするかというのは大変重要な課題だと思っております。ただ、私どもの会計処理基準、先生御承知のように、官庁会計の原則のほかに多少民間に準拠した部分ございますけれども、どちらかというと官庁の中での仕組みになっております。したがって、これからの問題でございますけれども、ほかの役所あるいは特殊法人等の会計処理基準との関係部分を含めて検討してまいりたい、このように思っております。
  71. 日笠勝之

    日笠委員 いずれにしてもディスクロージャーということは非常に大切でございますし、それから行政情報公開法なるものが、二年以内に法案をつくろうということで今政府も積極的に検討を行っていますね。そうすると、一加入者が行政情報公開法に基づいて、一体このヘッジのディスクロージャーはどうなっているかということで要求される場合もあるかもしれませんね。国がやっておるのですから、国営ですから。  そういうことも考えると、二年以内ぐらいには一応の方向を見出しておかないと、あれもできません、これもだめですと言うと、行政情報公開法なるものがもしできたとした場合は、これはちょっと何か秘密性を帯びたような感じになってしまってくると思いますが、局長、二年以内ぐらいには大体の方向を見出しておかなければならないというおつもりですか、それとも、もう五年、二十一世紀の先だ、こういうふうなお話なんでしょうか。行政情報公開法との絡みということを考えていただければ、ひとつ御答弁いただければと思います。
  72. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 御指摘はそのとおりであろうというふうに思いながら、なかなか難しいなという思いがいたしております。  といいますのは、先ほども申し上げましたように、国の会計の中で存在しておりまして、ほかの絡みというものがいろいろございます。そしてまた、一つ現在の動きとしてございますのが、大蔵省の企業会計審議会というところで会計処理基準を現在検討中というふうに伺っておりまして、この辺はやはり私ども十分に見る必要があるなと思っておりますので、二年か五年かというダイレクトのお答えは大変しにくうございますけれども、その審議会の動き等も見ながら、情報公開法等に支障のないような取り組みをしたいというふうに思う次第でございます。
  73. 日笠勝之

    日笠委員 さて、法案の審議からちょっと外れるかもしれませんが、何点か御質問を申し上げたいと思います。  これは二月十五日の逓信委員会でも申し上げましたが、どうも気になりますし、参議院の逓信委員会でも同趣旨のことがこの法案の審議に付随してあったようでございますので、もう一度確認をしながら質問してみたいと思うのですが、地方公務員の給与振り込みでございます。  資料をいただいておりますが、大体、県はゼロでございますが、あと市町村で三分の一程度郵便局の口座に振り込んでおられるということですね。  私は、金融自由化というのは、二年前でしたか大蔵委員会で、私も委員で金融自由化のことについて大議論をした覚えがあります。そのときに、金融自由化とは何ぞやというと、一つはいわゆる金利ですね、金利の自由化。これが昨年の秋で一応完結をしたわけです。もう一つの金融自由化は、いわゆる商品とかサービス業務の自由化である。そうなってくると、これから業務、すなわち商品であるとかサービスの自由化というものが、それぞれの金融機関また郵貯なんかも利用者の利便を図っていくためにやっていかなきゃならないわけです。完結しないわけです。  そういうことになりますと、地方公務員の方、県の職員も相当数いらっしゃるわけですが、近くにある郵便局、そこで振り込んでもらえればいつでも自由に出し入れができるのにという方が非常に多いわけですね。そうなってくると、これはもう公務員の方も利用者であり消費者ですから、要望、要求はぜひ実現をさせてあげる。これは強制的に郵便局だけの口座を使うんでしょうというわけじゃないわけです、選択制でもありますよね。  そうなってくると、公務員の給与振り込みはいろいろなネックがあることは重々承知ですが、先ほど申し上げました、金融自由化の中の金利の自由化は完結した、これから業務、すなわち商品とかサービスの自由化を確立していかなきゃいけない、こういう立場から見れば、当然これは自治省さんなり大蔵省さん等と踏まえて、詰めに詰めて早急にこの実現をしていくということが、これは自然の流れだろう、こう思うのです。  そこで、この前もお聞きしましたが、改めて現状と問題点、現在どういうところがネックになっておるか、あわせて御説明をいただきたいと思います。
  74. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 現状でございますけれども先生も御案内のとおり、全国二千三百の自治体のうち千百八十七市町村、約三六%弱でございますけれども、で御利用いただいております。しかし都道府県レベルでは、なかなか関係先との調整が進んでおりませんで御利用がないというような実態でございます。私ども、全国に最も普遍的なネットワークを持っておるわけでございますから、御利用者の便宜という意味でぜひこのネットワークを活用していただきたいと思っております。  現在の仕組みで申しますと、結局、金融機関相互間で資金の決済等が確実かつ円滑に行われる必要があるという考え方がございまして、そういった意味で、各自治体の指定金融機関と私どもとの間のこういった資金のやりとりをどうするかという問題があるわけでございます。また、地方のそれぞれの金融機関と自治体との御関係ということもあるわけでございまして、いろいろ問題はあるわけでございますけれども、やはり今申し上げましたように、利用者の利便ということを第一に考えてぜひとも御利用いただかなければならないという観点から、関係団体と話し合いを進めます一方、自治省との間でも今鋭意協議を継続中でございまして、何とかしてより多くの方々に利用できるように、関係者の御理解を得て進めてまいりたいと考えております。
  75. 日笠勝之

    日笠委員 私もよく新聞の投書欄を見るんですね。いわゆる国民の声が、一〇〇%とは言いませんがある程度反映されておるというふうに見ておるわけですね。  これは高知新聞でございますが、投書欄に、郵便局に給与振り込みをということで投書が載っておりますね。これは高知県の職員の方だそうですが、「県職員の給与がこ去年の十一月ですかね、「十一月から口座振り込みになることになり、県職員の一員である私も、早速、郵便局の口座の方に振り込んでいただこうと問い合わせました。しかし、郵便局の方には、振り込むことはできないというお返事でした。」それでいろいろ理由を書いています、「最寄りの銀行まで、少なくとも車で三十分かかります。」とか。最後に、「希望者がいる限り、郵便局を、口座振り込みの一機関として、取り上げていただきたい」こういう要望の投書ですね。  これは当然多いわけでしょうね、こういう方も。一つで万事がわかるとは言いませんけれども先ほど言いました、利用者の利便を図る、これも金融自由化の大きな一つの柱である、こういうことから、ぜひひとつ積極的に自治省さん、大蔵省さん等と詰めていただき、早期にこれが実現できるように、重ねてこれは大臣、この前もお願いしましたが、さらにお願いしたいと思うのですが。
  76. 大出俊

    ○大出国務大臣 これは日笠先生もう長年の懸案でございまして、郵便局を除くなんてやられることを我慢のできぬところでございまして、自治省とも私も何遍か話してみております。ただ、非常に微妙なんですね、大蔵との関係等ありまして。したがって、より一層ひとつ一生懸命やってみたいと思っております。
  77. 日笠勝之

    日笠委員 特段の御努力、御尽力をお願い申し上げます。  それから、地方自治体の公金の自動振り込みでございます。現状は大体いかがなっておりますか。
  78. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 地方自治体の公金でございますけれども、税金、各種保険料、住宅使用料等いろいろあるわけでございます。これらをひっくるめまして公金収納の取り扱いに郵便局口座振替を御利用いただいております自治体は約五割でございまして、まだまだ未導入の自治体が多いわけでございます。この問題につきましても、自治体職員の給与振り込みと同種の問題でございまして、さらにこれが自治体職員ではなく住民全体であるという意味でいいますと、より一層御理解を得て進めていかなきゃならぬ性格の問題だと考えております。今後一層努力してまいりたいと考えております。
  79. 日笠勝之

    日笠委員 またまた投書欄を出しますけれども、これは塾教師の女性の方ですが、年金料の納入、なぜ郵便局が使えないのかということで、要は、郵便局郵便貯金の通帳の給料から引き出して今度は銀行く持っていかなきゃいけない、郵便局は扱っていないのですから、ある自治体ですが。非常に不便だ、こういうふうな投書が出ております。  ですから、この辺のところは、公金の収納、納入というようなことは、自動振り込みなどにつきましては、これだけオンライン化が進み、郵政省も第一次オンラインで一千九百億ですか、第二次で二千億円ぐらいの、全国くまなく二万四千の郵便局と津々浦々あるわけでございますから、一番のネットワークがある。それが自治体によってはこれもだめ、あれもだめ、こういうことでは利用者が困っちゃうんですね。  このことをやることによって民間金融機関を圧迫するとかいうんじゃなくて、まさに民間ができないところを官が補完をすることになるわけですから、この辺のところも、もちろん、各郵政局を初め郵便局長さんも自治体の長のところにいろいろ要請をされたり陳情に行かれたりということは御苦労はよくわかっておりますが、もう少し郵政省全体でバックアップして、そういう利用者の利便向上サービス向上ということを図れるように、これも特段の御尽力を要請したいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
  80. 大出俊

    ○大出国務大臣 この件も長い間の懸案でございまして、ですから、まあちょうど半分ぐらいになりましょうか、なお精力的にそれぞれの自治体と詰めるということにいたしております。おっしゃるとおり、これは非常に国民の側からすれば不便過ぎるわけでございますから、そこに大義名分もございますので、なおまた一生懸命やってみたいと思っております。
  81. 日笠勝之

    日笠委員 じゃ、利用者利便、サービス向上という観点からあと何点か続けさせていただきます。  郵便局の駐車場、駐輪場でございますが、実態をまず把握されておられましょうか。郵便局の駐輪場、駐車場、こういうものについて実態把握をまずされていますか。
  82. 尾島勲

    ○尾島説明員 現状について説明申し上げます。  現在は、新築する場合には、普通局に関しては一局当たりおおむね十から十五台、特定局は一局当たりおおむね二から三台を設置するようにしております。また既設局の特定局につきましては、お客様駐車場の充実を図るために、局舎の設置状況等を勘案しながら、平成元年度から一局当たり二台を確保するように整備を進めております。今後とも十分に対応していきたいと思っておるところでございます。
  83. 日笠勝之

    日笠委員 整備率はどうなっていますか。
  84. 尾島勲

    ○尾島説明員 普通局についてはおおむね大体十から十五台、どこの局舎でも置けるようになっております。
  85. 日笠勝之

    日笠委員 一〇〇%ですか。
  86. 尾島勲

    ○尾島説明員 はい、大体一〇〇%です。  特定局についてはいろいろな条件がございまして、いろいろなところがございます。例えばビル局舎というのがございますけれども、大きな建物の中にあるビル局舎につきましても平成元年度から五カ年計画で実施したところでありまして、実施局数は五百五十一局完成いたしました。全体では千五百五十五局あるのですけれども、必要度の低いる、あるいはどうしてもできないるというのがございますから、それについてはちょっと除いてあるのですけれども。  それから、特定局の一般局舎ですけれども、これも平成四年度から五カ年計画で、八年度完成のつもりでやっておりますけれども、全体数で一万四千六百五十三局あるのですけれども、これもどうしてもできないるを除きますと、どうしてもできないるが大体五千四百三十局はどございまして、駐車場のある局が七千九百六十局、それを差し引きますと、千二百六十三局がこの五カ年計画で完成するという状況でございます。
  87. 日笠勝之

    日笠委員 平成元年から始まって、着実に伸びておるということも知っております。  これは古い話ですが、大蔵省銀行局は、昭和五十六年から「銀行等の店舗における自転車駐輪場の設置についての協力方依頼について」という通達を出しております。あて先は全銀協の会長とか、信託協会の会長とかなどなど、いわゆる金融機関、郵貯を除く金融機関ですね。  それで、これもきょうは投書のオンパレードになって申しわけありませんが、主婦三十五歳の方の投書は、どの局も駐車場が狭い、私のような大きなおなかは、妊産婦の方なのですが、歩いていかなければいけない、非常に不便だ。こういう意味の投書が出ておりましたけれども、実際、私の岡山だけを見て、またこれも井の中のカワズ大海を知らずみたいになってしまいますが、私もいろいろな選挙区内を歩いていますと、隣の隣に空き地がある、特定局ですね。あれならそれこそ隣の隣ですから、歩いても何秒の話ですから、このあたりだったらどうかというと、隣の隣はだめなんだとか、そういうことを聞きました。正しいかどうか知りません。  特定局がある。駐車場はない。隣の隣は空き地がある。隣の隣はだめなんだ、こういうようなことを聞きましたが、実態はどうなのかお聞かせ願いたいのと、歩いて一分とか三十秒以内であればその辺のところは緩和をしてあげるとか、規制緩和の時代でございますから、もう少しそういう規制をもしあれば緩和をして、少なからず駐車場が、それこそ歩いて一分以内ぐらいであればそれは認めてあげましょう、また隣にできたときには変えればいい、こういうふうな少し融通無碍の、利用者利便、利用者サービス向上ということで今質問しているわけですから、そういう視点に物を当てていかないと、隣の隣はだめですなんということを言っていたのでは、これは利用者サービス向上にならぬわけですが、そういうところの緩和というのはできますか。
  88. 尾島勲

    ○尾島説明員 隣地等の借り入れでございますけれども、一般的には郵便局からの距離とか駐車場としての管理というような問題もありますので、それを考慮して勘案しているところでございます。具体的には駐車場の重要性を踏まえまして、適切に対応したいと思います。  よろしくお願いします。
  89. 日笠勝之

    日笠委員 これで規制緩和が一つとれましたね。  それからさらに、利用者の利便ということで、最近ジョイントカードというものが非常に好評だそうでございます。資料をいただきますと、郵便貯金のキャッシュカードが四千三百三十六万枚発行されておる。郵貯のジョイントカードが百十七万枚、十八社と提携をしておる、クレジット会社ですね。これも利用者サービスということで、私は大変いいことだと思います。  このジョイントカードでございますが、十八社が多いのか少ないのかよくわかりませんが、これから伸ばしていこうという方向なのか、手数料の問題云々があるようでございまして、ちょっと厳しいという方向なのか。  できれば、ジョイシトカードですと外国旅行く行っても向こうで買い物ができたり、場合によってはキャッシングができる、国際共用カードというのですか、こういうものもございますね。きょうび海外旅行に行かれている方、一千二百万人ぐらいですか、そういうことを考えますと、私は非常にいいサービスだと思いますが、この郵貯ジョイントカードを今後どういう方向で取り組んでいかれようとされておるのか、また提携の会社等、ふやしていこうとされておるのか、あわせてお答えいただければと思います。
  90. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 確かに郵貯のカードの発行枚数に比べますと、この共用カードはいかにも御利用が少ないわけでございます。しかし、大変便利なものでございますので、私どもといたしましては、今後とも利便を図るという観点から、積極的にこのカードのPRそれから提携会社の拡大に努めてまいりたいと考えております。
  91. 日笠勝之

    日笠委員 そこで、ジョイントカードもいいのですが、郵貯カードそのものをもう少しクオリティーを高めて、そして郵貯カードそのものでもいろいろな決済ができる、また買い物なんかの利便が図れる、こういうふうなことが非常に国民の利便性を考える上でいいのではないかと私は思うのですね。  これは、たまたま新聞を見ておりますと、もうクレジット会社も本人が写真つきのカードで見たらわかるという、焼きつけておりますね。ですから、一々暗証番号どうのこうの言わぬでも、これを出して、後はサインで終わる、こういうことですね。  そういうふうな郵貯のキャッシュカードのクオリティーをどう高めていくか。例えば将来ICカード化への対応などは考えられないものか。そうすると、非常にこれ、例えばそのカードを持っておれば簡保センターであるとか、メルパルクすなわち郵貯会館の喫茶店またレストランでの飲食も全部それで決済できるとか、今もジョイントカードはできるのでしょう、郵貯カードそのものでクオリティーを高めたICカードなどなどであればできる、そういうふうな利便性をさらに高めていく、付加価値をつけるということですね、そういうお考えがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
  92. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 今御指摘ありましたように、ICカードは磁気カードに比べまして大変記憶容量が多いわけでございまして、さらにCPUを内蔵しますことから、磁気カードにはない付加機能もつけることができます。次世代のカードとして大変高い利用価値があるだろうと考えております。それからまた、カード社会というのは、これからますますそういう時代を迎えるわけでございまして、多機能化あるいは共用化といった機能が考えられるわけでございます。  現段階におきましては、ICカードにつきましては、オンラインネットワークの普及がICカードに優先いたしまして磁気カードシステムででき上がっておりますこととか、それからICカードのコストがまだまだ高いということとか、問題はございます。問題はございますけれども、いずれにいたしましても、これからのマルチメディア社会に対して、各種メディアを利用するための有効なツールという可能性を秘めておりますので、私どもといたしましては、利用者利便の向上、それから為替貯金事業の情報化という観点から、このICカードを利用したサービス可能性について、それからカードの多機能的な利用といったことについて積極的に研究してまいりたいと考えております。
  93. 日笠勝之

    日笠委員 これは五月十日でしたか、五月十日の郵便法改正の中身になるのですけれども、ふみカードというプリペイドカードがありますね、これで郵便料金が決済できるという。これは一歩前進ですよね、審議は五月十日だそうですが。そういうふうに一つずつ着実に利用者の、消費者の利便性向上させていくということで、前向き、積極的にやはり検討していかないと、取り残されていってもいけませんので、お願いしておきたいと思うのです。  あわせて、こういうことは今後考えていかれるのかどうかということで御質問します。  アメリカの郵政公社が郵便局でのクレジットカードの使用を全面解禁することを決めたという報道がされました。日本ではどういう方向なんでしょうか。
  94. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 確かに米国の郵便業務を担当しております行政機関でありますUSPSが郵便局でクレジットカードの使用を認めたという報道がございました。ただ、我が国におきましては、為替振替料金等をクレジットカードで支払います場合、法令面等の措置を要しますほか、先ほど先生も御指摘になりましたが、クレジット会社に支払う手数料の問題、それからシステム構築のための投資等新たなコスト負担が必要となるという問題が考えられるわけでございまして、これらも含めていろいろ検討していかなければならないと思います。  ただし、方向といたしましては、先ほど申し上げましたようにカード社会へ移行するというのは必然の趨勢でございますので、こういった問題点をいかにして解消していくかということで積極的に取り組んでまいりたいと思います。
  95. 日笠勝之

    日笠委員 あわせてもう一つ。民間の金融機関は、それぞれネットワークを構築し、それを今度は、業態別を横のつながりにしてネットワーク化して、お互いに相互接続、利用できるように今どんどん進んでおるようでございます。  そうすると、郵貯が持っておるATMとかCD、こういうものは非常に数が多いし、全国いろいろなところにもたくさんあります、偏在をしていないわけですね。そうすると、こういうATMとかCDの相互接続、開放といいましょうか、こういうものを、例えばノンバンクなんかとも提携してやるとか、今あるそういう資源を利用者サービス向上のために活用する、もちろんいただく手数料はいただけばいいのですから、そういうような方向も御検討になっているかどうか。
  96. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 私ども、ほとんどすべての郵便局にATM、CDを備えているわけでございまして、そういう意味では全国あまねくこういった機器が配置されているところでございますから、これを有効に民間の各種の金融機関等と接続して使えますならば、大変有効にこれを活用することができると考えるわけでございます。こういたしますと、むしろ民間の各機関のサービスの効用を増すということに私どもがお手伝いできるということになるわけでございます。  その民間金融機関と申しますのは、銀行だけではございませんで、御指摘のノンバンクでございますとか生命保険会社証券会社等のいろいろな業態も対象として、できるだけ幅広く考えていくべきだろうと思っております。  ただ、そのためには、システムの接続の条件でございますとか接続の障害となっておりますいろいろ解決を要する課題がございますので、それらを具体的に調査研究して、また、これは相手のあることでございますから、双方がこのメリットを認めて交渉していかなければなりません。そういう意味で、若干回り道ではございますけれども、お互いにこういった調査研究をするということから始めていくことが結局は手っ取り早いのではないかと思いまして、そういう提案を今私どもしかけているところでございます。
  97. 日笠勝之

    日笠委員 もう一点。郵貯の商品それから簡保の商品、非常に多岐にわたっておりますね。それから郵務関係も、いろいろな料金が変わることもありますし、個別に、外国郵便もあれば小包もあったりということで、要は、私が言いたいのは、郵便局に行けば、窓口はいつも混雑していますよ。だから、相談員という方を、何か机一つでもいいのですよ、そこへ行けば郵政三事業、できればテレコム三局もでしょうが、とりあえず郵政三事業のことは何でもわかる、こういう人を配置したらどうかな。郵政省は短時間職員というのを試行的に今導入されて、私が聞いている範囲では、非常に成功しておると聞いております、短時間職員制度。これは高齢者の方とか女性の方のパワーも活用できる。ならば郵政省も、六十歳で定年する、せっかく今まで簡保だ、郵貯だということで第一線で経験をされておられるいわゆるいろいろなノウハウがある方、こういう方々の活用方法はないのかな。  私の岡山の地元でございますが、シルバーお巡りさん制度というのがあります。警察官の方が退職しても、なかなか第二の就職先が厳しいですね。そこで、交番というのがありますが、正規の警察官の方はいつも何かあるたびに自転車で地域を回っておられまして、交番に行っても、道の案内を聞こうと思ってもいない、緊急に飛び込んでもいない。こういうことになったのでは、せっかくの地域の灯台、安全の拠点である交番に人がいないということになってはまずいということで、試行的に今シルバーお巡りさん、退職した、ノウハウのある専門的な方が、これも嘱託制度でございますが、いわゆる現役のお巡りさんが外回りをしておる間交番でいろいろな相談に乗る、こういうことで非常に喜ばれておるのです。  ですから、郵政職員の方で、そういう郵貯の知識があり、簡保の知識があり、できれば郵務事業のことも知識がある、こういう方が、せめて普通局なり大きな特定局には嘱託なり短時間職員なりで相談員ということでいらっしゃれば、これは非常に利用者にとってはありがたいことであり、サービス向上にもなろうかと思います。ファイナンシャルプランナーであるとかライフアドバイザーとか、いろいろな業界がいろいろな名前を使ってやっております。郵貯簡保も、お客様相談制度だとかいうことをやっています。これは方面ブロックとか試行的にやっておるわけですが、これをひとつ総合的に検証した後、そういう方向で、シルバー相談員さんというか、そういうノウハウのある方をもう一度相談コーナーの方で、実際第一線でお願いできないかどうか、そういう制度というものも考えられないかどうか。  多岐にわたる商品がいっぱいあります。私も、井上隆司さんのこんな厚い本を読んだってわかりません。商品をいろいろ見ましたけれども、また、いただいた商品案内のいろいろな保険なり、また郵貯の制度を見ましたけれども、これを全部理解するというのはなかなか難しい。しかし、第一線で長年経験されておる方はよくわかっておるわけですから、そういう方をさらに活用してお客様のサービスに当たるというようなこと、そういうようなことは考えられませんですか。
  98. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 金融自由化の進展に伴いまして、金融商品もいろいろ多様化してまいります。そういたしますと、国民の皆様にとりましても、健全な資産の形成でございますとかあるいは運用に関する商品の選択について、いろいろ知識が必要になってくるという時代が考えられます。しかし一方、多量の情報でございますので、個人の方々がなかなかそういう情報を得られにくいという、情報格差が広がるというおそれもございます。  したがって、私どもといたしましては、所管についていいますならば、金利動向、金融商品、年金、税金関係等の知識につきまして、まず職員にそういう知識を十分身につけさせて、全体のレベルアップをしなければならぬと考えております。  それからもう一つは、同じような観点から、現在、首都圏の十カ所で試行的に貯蓄相談センターというものを設置いたしまして、そこで貯蓄相談サービスを実施しております。  今後は、これをできるだけ全国にも広めていきたいと考えておりまして、平成七年度は各地方郵政局管内に一から二カ所ずつ、全国で十五カ所程度ですが、広げていきたいと思っております。  この貯蓄相談サービスでございますけれども、交通の便のよいところで、かつ郵便局等と一体となったところに設置するということを基本的なこととして考えております。  また、このセンターでは、税理士、弁護士等の専門的な相談のほかに、ただいま御指摘ありましたように、知識経験等が豊富なOBを活用いたしまして、そこで貯蓄相談を実施しておるところでございまして、さらにこの充実を図っていきたいと考えております。  それから、現在はこの貯蓄相談センター、独立の場所でそれぞれ週二回程度相談に応じているわけでございますけれども、この相談日以外の日におきましては、より多くのお客様に利用していただきますために、現在、首都圏の七十局程度の普通郵便局におきまして、移動相談室というものを設けまして、そちらで貯蓄に関する相談に応じております。  当面は、先生指摘いただきましたほど全体的な取り組みには至っておりませんけれども、まずこういったところから、この貯蓄相談機能あるいはOBの活用について検討して、試行的に進めてまいりたいと考えております。
  99. 日笠勝之

    日笠委員 それは局長、これは「郵便貯金相談室」と書いてある。郵便貯金に限るのでしょう、簡保はないのですよ。だから両方合わせた、そういう総合的な相談に乗るという意味を申し上げておるわけですから、そういう現場で長年やったような方の、ノウハウのある方を資格制度が、FAというのですか、ファイナンシャルアドバイザーという制度があるわけですから、そういう資格を取った方が、OBになったら短時間職員じゃございませんけれども、ちょっとした局の相談コーナーにいらっしゃる、こういう方向に向けて営々やるということでどうかということを申し上げておるわけです。
  100. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 確かに貯蓄相談コーナーということでございますけれどもOBを活用いたしておりますので、私ども事業の領域にこだわらずに、郵政事業いろいろな面についてできる限り御相談に応ずるように実態的には取り組んでいきたい。
  101. 日笠勝之

    日笠委員 いただいた資料には「郵便貯金相談室」とあるから簡保はだめかと思っちゃうのですよ。  いずれにしても大臣、最後に、もう持ち時間が来ましたので、私は先ほどからずっと利用者利便、これが金融自由化の最後の一つの大きな課題である、いろいろな新しいサービス、新しい試みについて提案型で御質問申し上げました。  振り返りますと、例えばICカード化はどうだとか、ATM、CDの開放についてはどうだとか、利用者利便を図るためにそういう相談員のOBの方の活用であるとか、また駐車場等々の整備の問題とか、いろいろなことを申し上げました。これらトータルして、ひとつ郵政大臣として、どのようなリーダーシップでこういう一つ一つの利用者利便を図る施策について、ささやかな提案について取り組まれようとされるのか、お聞きして終わりたいと思います。
  102. 大出俊

    ○大出国務大臣 日笠さんのお話を聞いていまして、老人福祉定期なんかにいたしましても当時同じような気持ちで、四・一五という金利はシルバー金利だといって、お年寄りの金利はここでとめろといって随分一生懸命シニア連合、全国の皆さんと一緒に飛んで歩いた時代が私もありましたり、また、もう何年も前になりますが、金融機関の土曜を休みにしようということで土休共闘という民保の二十四社から始まりました。これはみんな労働組合ですけれども、私が議長をやっておって足かけ四年、銀行法十八条の改正などを中心にして、一番かたかったのは郵政省なんですよ、当時。うんと言わないのですよ。これは給与特例法を持っているんだから大臣権限でやれるはずだといってやかましく言ったんだけれども、それをとつとう郵政をねじ伏せてと言ったら言い過ぎかもしらぬがうんと言わせて、全国の金融機関を全部土曜日休みにしたんですけれども、このとき一番問題は、今おっしゃるCD、キャッシュディスペンサーなりオートマチックテラーマシンなりという機械なんですね。信用金庫までいくとないんですよ。信用組合というのはレンタル制度でやってくれればという時代、全国で一万ないのですから。ところが、今一万九千ぐらいになっているんですね。そうすると、郵便局銀行も全部つないでしまえば、私はもうそういう時代に来つつあるという気がしているんです。そういう点ではもうほとんど気持ちの上でお考えとそんな開きがないのです。  ただ、さあそれをやるということになったときにいろいろな隆路が出てくる。そこのところを、例えば土曜休日、金融機関土曜を休みにしようということだって随分苦労して我々動いた時代が三年ぐらいあるのですから、ぜひひとつそこのところは各関係機関の相互に、技術的な問題がたくさんありますから、それからコストもありますから、そこらはぜひひとつ詰めていただきたいと思っているんです。いずれかの機会に皆さんにもそこのところ話したいと思っていることもありまして、できるだけ勉強させていただいて、御趣旨の方向に向かって努力をいたします。
  103. 日笠勝之

    日笠委員 終わります。どうもありがとうございました。
  104. 自見庄三郎

    ○自見委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五分休憩      ————◇—————     午後一時開議
  105. 自見庄三郎

    ○自見委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。古賀一成君。
  106. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 新進党の古賀一成でございます。本日は、郵便振替法及び郵便貯金法簡易生命保険積立金運用に関する法律、この三つの一部改正法案が出ておるということでございますけれども、私は、後の二つの郵貯及び簡保積立金運用法、この点につきまして絞って御質問させていただきたいと思います。  私自身は大変、財テクといいますか、そういう金に関することが不得手でございまして、まして外国債運用がどうだとか等々については全く経験もないし、株そのものも一株も持たないわけですが、今回を機にひとつ勉強させてもらいまして、今般の郵貯法及び簡保積立法の運用、これについて、外国債が、とりわけ外貨建て債というものがこれだけ運用され、また今日の円高でこれだけの影響を受けている、これは国民の任意の有償の貴重な資金でございまして、これがこういう円高といいますかあるいは国際化といいますか、そういうあらしにかかわっておるということに非常に驚きもいたしました。  これからの日本経済、さらに国際化あるいは証券化、あるいは何といいますか、自由化といいますか、そういうあらしに巻き込まれていくのではないか。そういう面で、一つの日本経済そのものを象徴しているようなことではないかと思うのですが、そういう一種驚きもしながら、今後の運用について危惧もございまして、そういう視点から質問をさせていただきたいと思います。  ちょっと前口上が長くなりますが、後ほど外国為替の先物運用という点あるいは外国債のお話につきまして、るる質問を申し上げますけれども、よくよく考えれば、明治八年に郵便貯金制度というものが創設をされ、大正に至りまして簡易保険が創設をされた。百年を超える、あるいはそれにならんとする長い歴史を持つわけでありますけれども、このように、今般この二法によりまして提案されました、外国債運用したその弊害といいますか影響を国の資金先物外国為替取引で緩和をする、こういう時代になったのかということに大変驚くし、二十年前はこういうことは想像もできなかったのではないか、それほど変化が激しいというものを痛感するわけでございます。  今般日本の経済は、財テクの失敗だとかバブルだとか、この前ございました東京二信組の問題であるとか、その時々の利潤目当てで動いてきた結果、いずれも失敗といいますか、そういう感じを強く持つわけでありまして、今回の先物取引等々がそういうことにならないように、やはり全体的な視野、原点に立ち返った視野というものを持っていく点につきまして、私は特に強調を申し上げたいと思います。  そういうことで、先物外国為替取引の話が本題でございますけれども、まず冒頭に当たりまして、郵貯資金全体の推移及び現状、今後、今般運用対象が拡大いたしました金融自由化対策資金、この二つの大きい資金、それは一部は、対策資金は中に含まれるわけですが、この推移及び今後の見通しにつきまして、大体どういう経緯をたどったか、お見通しをお持ちかを、まずお聞きしたいと思います。
  107. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 郵便貯金資金につきましては、過去十年間で見ますと、平均して年約七%程度の伸び率で推移をしてきておりまして、平成六年度末の郵便貯金残高は、約百九十七兆円となっております。  それから、そのうちの金融自由化対策資金でございますが、これは昭和六十二年に二兆円で運用を開始いたしまして以来、順次その額の拡大を図ってきておりまして、平成六年度末、三十兆一千五百億円となっております。平成八年度末には、これが四十兆一千五百億円となる予定でございます。  また、この後の、平成九年度以降の自主運用金融自由化対策資金規模につきましては、それまでの成果を踏まえ、また郵便貯金事業の健全な経営の確保あるいは財政投融資とのかかわりなどにつきまして勘案をいたしまして、今後検討していきたいというふうに考えております。
  108. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 平成八年度に至るまでの四十兆、こういう見通しまで述べていただきましたけれども、今お話がございましたように、六十二年に二兆円から始まって平成八年度四十兆、現在三十兆一千億というお答えでございましたけれども、膨大なるいわゆる国民が預けた資金というものが、ここで自由化対策資金ということで運用されていることに大変驚くわけでございます。  これは当然、今般一部改正がございました郵貯法の規定に基づいてやられておるわけでありまして、この目的は、法文を読みますと、金融自由化に適切に対応した健全な郵貯事業の経営の確保、こういう規定になっております。この目的規定は、恐らく昭和六十二年創設以来変わっていないのだと思いますが、運用範囲拡大を見ますと、毎年のように一本二本、ずっと毎年連続で追加されておるような印象を受けます。  これは一気にどんと体系的にそういう運用の体系をつくればいいような気もするのですが、年々拡大してきたという経緯、それはなぜなのか、今後ともそういうことで、毎年度か一年置きか知りませんけれども、そのときに応じてぽつぽつ運用対象を拡大していく、そういうお考えなのか、ここら辺の経緯と今後の見通しといいますか、お考えについてお伺いをしたいと思います。
  109. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 当初この金融自由化対策資金が発足いたしましたときには、国債、公庫・公団債、地方債、金融債、社債、外国債、金融機関への預金といったようなものが対象となっておりまして、ただ、有利かつ確実な運用ということでございますので、その後、金融経済環境の変化に弾力的に的確に対応できますように順次対象の拡大を図ってきたところでございます。  主なものといたしましては、平成元年度に、株式運用により長期的に高い収益を見込むということで、単独運用指定金銭信託を簡保事業団を通じて実施するということをいたしましたし、それからまた平成二年度には、債券の貸借市場の発展に伴いまして、債券の貸借料による運用収入の拡大を図るため、債券貸し付けを導入いたしました。また平成六年度には、債券の先物・オプションの導入をいたしまして、今回は、先物外国為替の導入を図っておるわけでございます。  こういった環境の変化に応じまして、私どもといたしましては、できるだけ運用の手段としましては多様なものを持っていることが必要なのではないかというふうに考えるわけでございますけれども、私どものこういった制度を運用するためのノウハウといいますか、経験もまた必要なわけでございまして、そういったものを積み重ねながら、環境の変化に応じて対応できるように今後とも考えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  110. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 金融をめぐる環境の変化に対応してその都度ということで、今後ともそういうことでやろうという方針は大体伺いましたけれども、でも、後ほどこれはゆっくり申し上げたいと思うのですが、金融については、簡保あるいは自由化対策資金のみならず、もう世界国境をまたにかけて、民間でもすさまじい多様化と複合化というものが行われておるわけであります。  デリバティブが典型的な例だと思うのですが、そういうものへの一つの危惧の念もございまして、私は後ほどるる申し上げようとも思ったのですが、やはりその点はしっかり、公的資金であるがゆえに、目先の一つ一つの金融品目をその都度一本一本入れて、それにのめり込んでいくといいますか、そういう対応というか、やはり原点に戻って、常にこういう項目を入れるたびにこれが全体的な位置づけとしてどうか、有機的連関はいかにあるべきかというものをチェックしていかないと、何か公的資金が一部、この資金はどこそこかでやっている、この資金はどこそこかでやっている、ばらばらになって、後ほど申し上げようと思ったのですが、イギリスのベアリング社の話とか、こんな愚かなことはもちろんあるはずもないわけでありますけれども、それに似た現象になりはしないかというのを私は大変色倶をいたします。  その点、彼ほどるるもう一回聞かせていただきますが、そういう点を私の方からも冒頭申し上げたいと思います。  それで、今局長の方から、有利で確実な運用、こういう言葉がございました。金融自由化対策資金につきましては、先ほど言いましたように「金融自由化に適切に対応した健全な郵便貯金事業の経営の確保」と、これは法律ではっきり書いてあるのですね。一方で、簡保につきましては、簡易生命保険積立金運用に関する法律、今般改正が提案されておるこの法律でございますが、第一条に「簡易生命保険特別会計の積立金を確実で有利な方法により、かつ、公共の利益になるように運用することによって、簡易生命保険事業の経営を健全ならしめる」こういう目的規定があるわけです。  簡保郵貯の違い、特に郵貯につきましては、これは金融自由化対策、金融自由化に対応して経営の健全化を図らなければならぬ、こういう趣旨がはっきりとこの資金の目的として掲げられておるわけですが、簡保については何かおのずと違うところがあるのじゃないでしょうか。運用の差異というものはないのでしょうか。
  111. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 確かに今先生指摘のような法文規定上の差があるわけでございます。しかし、そういった差はございますものの、双方ともそれぞれ全国の預金者の方々、加入者の方々から集められました有償の資金であるわけでございまして、その資金を国の事業として運用していくわけでございます。そういう点では共通でございまして、そのために、運用の目的といたしましても、当然に、ともに確実、有利な運用に努めなければならないということでございまして、そういう点では、両資金とも同じような性格を持っておると考えております。
  112. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 わかりました。  それでは、次に入りたいと思います。  外国債運用でございますが、金融自由化対策資金についてはその創設から、簡保については既にその六年前の五十六年から外国債についての運用を行っておると聞いておりますけれども、そもそも外国債運用のメリット、あるいは外国債対象とした理由ということでもあろうかと思うのですが、そもそものそういうスタートの時点での外国債のメリット、あるいは運用対象にした理由というものは何でありましょうか。その運用のメリットも、今日の変動相場制における、とりわけ円高基調というのがずっと続いておるわけでございますが、そういう流れの中でそのメリットというものに何か変化がなかったのか。この点、郵政当局の評価はいかがでございましょうか。
  113. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 外国債運用の目的と申しましょうか理由でございますが、大きく分けまして二つございます。第一点は、国内債に比べて高い利子収入が期待できるという点でございます。最近大分内外価格差が縮まってきたような感じもございますけれども、従前かなりの大きな格差がございまして、これが一つの大きなメリット。二点目は、国際的に資金リスク分散できる、こういう点でございます。これは、さまざまな国でそれぞれのカントリーリスクがあるわけでございますが、特定の国に集中しない、そういう意味でのリスク分散ができる。この二つでいわゆる外国債というものを始めたわけでございます。  過去の歴史で申し上げますと、実は財投協力と申しましょうか、財投部分への運用というのが従来非常に高い比率を持っておりました。ただ、その後、より有利な運用を求めるためにいわゆる市場運用という部分を拡大してまいりまして、最近で申し上げますと大体四割強ぐらいがこの市場運用というところになってきているわけでありますが、それもやはり基本的には有利性というものを求めてきたところが主な理由でございます。  それで、今申し上げましたように外国債につきましての二つのメリット、第二点目の方のリスク分散というのは、これは変わらずあると思っておりますが、第一点目の方の高い利子収入という面について考えますと、外国債自体がポートフォリオ上の一定の役割を持っているという部分は変わらずあるわけでございますけれども、最近の円高の状況の中では為替差損によるデメリットというものが大きくなってきている、こういう実情でございます。このために私ども、できるだけ今は円建て債を中心運用している、こういうスタンスをとっているところでございます。
  114. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 それで、高い利率というものと円高による差損というものは、両方足し上げてみましてまだ運用のメリットは大きいと。当然そうだと思うのですが、その点は。もう一点確認でございますが。
  115. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 利子収入と差損を足し合わせたという計算は、実は私どもやっておりません。差損はいわば、仮定の計算というと言葉は過ぎるかもしれませんけれども、ある時点において計算をして一種評価をしてみる、こういうことでございます。  ただ、総じて申し上げられますことは、従来の高い、高いといいましょうか、円が今よりもはるかに安かった時代、この時代に購入した外貨債につきましては、為替差損というものは当然のことでございますが大きくなっておりまして、そういう部分については、利子収入を含めても国内債運用よりも劣るというようなケースもございます。新しい時代に買ったものにつきましては国内債運用を上回るものもございまして、さまざまございます。
  116. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 それでは次に、外国債、とりわけ外貨建て債の運用の現況についてお聞きしたいと思います。  両資金の中での外国債のシェアは大体どういう推移で拡大してきておるのか。及び、その中での外国債の通貨別の運用状況というのはいかがな状況になっておるでしょうか。
  117. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 外国債のシェアでございますが、まず郵貯金融自由化対策資金の場合、平成五年度末に全体シェアの九・三%ございましたが、平成六年度末では九・一%ということで、シェアが下がっております。簡保資金の場合、平成五年度末に五・七%ございました。これが平成六年度末には五・〇%ということで、ともに減少をいたしております。  通貨別の運用状況でございますが、六年度末の段階で見た場合に、まず保有通貨数、トータルの数でございますが、郵貯の場合は十四種類、簡保の場合では十六種類の通貨に運用いたしております。  それぞれの通貨の残高ベースで見ますと、順位を申し上げますと、日本円それから米ドル、カナダ・ドル、こういう順番になっております。日本円が現在一番多くなっております。これは先ほども申し上げましたが、円建て債を中心運用する、こういうスタンスの結果でございまして、外国債に占める円建て債券の割合は、郵貯の場合に平成五年度末で約二五%ございました。それが六年度末では約三二%に上昇いたしました。円建て債でございます。それから簡保の場合には、五年度末の約一九%から六年度末には約二五%に増加をいたしました。反面、外貨債のシェアは減少をしているということでございます。
  118. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 わかりました。  その中で、これは新聞報道でありますけれども、生保あるいは投資信託、こういった面については、外貨建て債の取り扱いがピーク時に比べてこの数年でもう三分の一、あるいはピーク時の三〇%ぐらいまで落ち込んできているというような話も聞くわけですが、そういう面では、外貨建てから円建て債へのシフトというものが民間の方が大変進んでおって、今お話ございましたように、確かに両資金について円建てのシェアが年々高まっておるというのはわかるのですが、そこら辺については、特に民間に比べて円へのシフトがおくれておるという認識はございませんか。
  119. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 円建て中心にということで、新規購入する場合にできるだけ円建て債を重点的に購入するようにいたしておりますが、ただ先生が御承知のように、円建て債市場が外貨債市場全体の中で非常に小さいわけでございまして、それもまた、今お話ありましたように民間会社もかなり円建て中心運用しているということもありまして、かなり競合関係がございます。結果として、私ども十分な額を購入できたかというと、これは余りたくさんには買えなかった、こういう実情でございます。  ちょっと余計かもしれませんが、円建て中心のほかに、いわゆる外貨債のシェアを民間の場合にもっと急激に下げているというお話がございました。私どもも下げたいという気はありまして、その一環として円建て運用をやっておりますが、そこの、外貨債の処分と申しましょうか、シェアを下げるということにつきましては、なかなかこれは国の機関であるという立場から、いろいろなうわさの種にもなったりいたしまして非常な制約がある、そういう中で精いっぱいの努力をしている、こういうことを申し上げたいと思います。
  120. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 今の御答弁ですと、円建て債について積極的な取り組み姿勢はある、しかし市場の問題があって、そしてもう一つは公的資金としてのおのずと遠慮というか、限界といいますか、制約があるというふうに聞こえたのです。  そうしますと、もう一つ円とともに強い基調で推移してきておりますマルクについては、いただいた資料をちょっと見させていただきましたけれども、もちろん日本円を除けば米ドルが、郵貯についても簡保についても、米ドル建ではいずれもトップですね、それからカナダ・ドル。それから郵貯につきましては、三番目が英ポンド、四番目がECU、豪ドル、仏フラン、こうなって、ドイツ・マルクというものが郵貯についてはないわけですね。ないわけではないのですが、上位六位には入っていない。簡保につきましても大体同様の傾向で、ドイツ・マルク債は八番目、こういうことです。  一方、これはある新聞での報道によりますと、いわゆる含み損の累計、これが平成五年までずっと大変伸びてきた。平成六年のこの含み差損の積み増しは平成五年に比べて相当圧縮されそうだ、その圧縮の理由に、円建てユーロ債への切りかえが進んだ、先ほどその御説明がございました。それとともに、マルク建て債の差益により、差損ではなくて差益ですね、差益により平成五年度決算よりも差損は大幅に減少しておるというような報道も見たわけでございます。  ならば、ドイツ・マルク債の活用については、何かの制約といいますか、こんな低い順位じゃなくて、もっとふやす余地はあるんじゃないかと思うのですが、こんな低い位置づけにとどまっておる理由は何かあるのでありましょうか。
  121. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 マルク建て債券郵貯簡保ともに少ない理由は、従来、欧州通貨制度の中で欧州通貨間の為替振幅というのは小幅に維持をされておりました。したがいまして、欧州通貨同士の中での利差と申しましょうか、あるいは為替の差というものは非常に小さい状態が長く続いておりました。その中で、マルク建ての債券につきましては相対的に利回りが非常に低い状態がございました。  それと比べて、例えばイギリス・ポンドでありますとかECUでありますとか、あるいはフランス・フラン建ての債券等については、マルク建て債券よりも高い利子がついた債券が発行されたことがある、こういう状況がございまして、結果的に私どもいわゆる有利性というものを追求する中からマルク建て債券の割合が少なくなってきた、こういうのが状況でございます。  なお、先生が今おっしゃいました為替差損、特に簡保為替差損の六年度末の見通しのお話でございますが、円建て債がふえたということと、それから一部欧州通貨に対して円安になったという二つをお話しされたのでありますが、一番大きいのは、実は私ども慎重運用ということで外貨債の新規購入をできるだけ控えてきた。一方で毎年毎年の償還というのがございます。その償還によって保有外貨債が落ちていく。したがって、落ちれば含み損はありませんので、それによる減少というのが一番大きゅうございます。そのほかに今先生がおっしゃったようなこともある、こういうことでございます。
  122. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 それで、今差損の話、先ほど私の方からも申し上げましたし、今御答弁もございましたけれども含み損のこの五年間の推移といいますか、そして今お話が出ましたが、六年度の見通し、大体現状としてはどれだけの含み差損が計算され、どの程度まで上ろうとしておるのか、現状を御説明願いたいと思います。
  123. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 平成元年度に実は一ドル百五十八円でございました。五年度末で一ドル百二円十五銭というところまで円高が進んでまいりました。  したがいまして、過去五年間ということで、まず金融自由化対策資金につきましては、元年度は二百億円の評価益がございましたけれども、五年度末では約四千六百億円の評価損になりました。簡保資金につきましては、元年度末で約四百億円の評価損がございました。これが五年度末で約九千百億円に拡大をしたという状況でございます。  六年度末の評価損の見通してございますが、これはまだ決算値として確定いたしておりませんけれども、五年度末よりもさらに円高が進んでおります。そしてまた、金融自由化対策資金におきましては、外貨債償還簡保よりも少ないというようなこともございまして、五年度末に比べて一千億円程度この評価損が増加するであろうというふうに見込んでおります。また、簡保資金につきましては、先ほども申し上げましたように、外貨債償還がございまして、これで保有も落ちてまいりますので、五年度末の評価損の額をやや下回る数字になる見込みでございます。
  124. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 そうしますと、今度の法律は外貨建て債の発行を、運用を前提として、そしてその差損をできるだけ先物為替取引によって軽減しようということですが、一番効果があるのは、もうその外貨建て債の発行を、外貨建て債の運用を漏らすということか一番刻いているような気かするわけですね。そうなりますと、しかも平成五年で簡保で今九千百億、九千億を超えておりますね、それで郵貯で四千六百ですか、もう膨大な含み差損というのが出ておるわけですが、何かもっと早くこういう措置を講じておれば、こういう気がするわけですよ。むしろ、今もう円建て債にシフトしているあるいはできるだけ新規の取り扱いをやめる、こういうことで差損も減ってきましたということのようなんですが、今まで外貨建て債でこれだけ取り扱ってきたならば、もっと前に同時にこういう手だて、今回法律改正で提案されておりますこういうことをもっと早くやればよかったんじゃないか、かように端的に思うわけですね。この点につきまして、そもそもこの、ちょっと順番が逆になりますけれども先物外国為替取引の追加、これを郵政省としていつごろから御検討になっておったんでしょうか。
  125. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 昭和六十三年から関係省庁と話をしてまいりました。
  126. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 そうしますと、六十三年からこの先物取引ですね。昭和六十三年からいわゆる外貨建て債の問題点が認識され、しかも現に差損が年々膨らんできたという事実がある。にもかかわらず、現在になってようやく法律改正案が国会に出された、こういうことになった。しかし、もう既に含み差損は四千六百億あるいは簡保で九千億を超えるものになっている。非常にそこら辺不思議に思うし、これは先ほど、冒頭申し上げましたように、国民の任意の有償の資金なんですよね。それを国が扱っておるということからしますと、もっと早くなぜこの法案の提案ができなかったのかということについて、一国民としてけげんに思うわけでございますが、そこら辺、何か理由があったわけでありましょうか。
  127. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 関係省庁と話を、省庁ではなく関係省でございますが、話をする経過の中で問題になりましたのは、やはり今回のようなこの先物外国為替、一つの端的な例として申し上げれば。こういう手法を実行することによってさらに円高が促進されるんではないかという懸念がございましたり、あるいはやはり郵政省と申しましょうか、郵貯簡保のような大きな資金が為替市場そのものに影響を与える懸念というようなものも問題点としてございましてなかなか話が整わなかった、こういう経過がございます。  おっしゃいますように、何でもっと早くというのは、今私、貯金局長も一緒でございますが、運用の責任者としている人間から見れば、何でもっと早くやってくれなかったんだということを実は正直言って感ずるわけでございますが、ただ、やはりこれだけの円高というもの、特に最近の激しい円高というものをだれが想定し得たか、こういうちょっと妙な言い方で恐縮でございますけれども、そういうような考え方をいたしますと、やはり従前の担当局長もそれぞれの時点でそれぞれの最善の判断をして、恐らく為替もこれ以上はそんなに進まないだろう、こういう判断もあって外貨債投資を続けてきたんではないか、こんなふうに考えているところでございます。ただ、今になってみますと、かなり対策としては時期がおくれてきているなという感じを持つのはそのとおりでございます。
  128. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 実はこの問題につきましては、郵政省の方からある資料をいただきました。これはそう古い話じゃなくて、去年十月に何か発行されたといいますか、報告されたもののようでございますが、「簡保資金運用に関する提言」というぺーパーがございまして、緑色をした冊子でございますが、ここに簡保資金運用に関する研究会というその研究会が提言をまとめた、こういうことになっておるわけですね。報告は去年の十月でありますけれども、恐らくこれは今お話がございましたように、六十三年というお話が出ました、ずっとやってきたと思うんですね。やはりこういう措置を講じなければならぬという気持ちも郵政当局にあったと思うんです。しかしながら、実際は昭和六十三年からもうたつこと六年ですね。六年強の時間がたってこういうふうになってきた。  この点につきましては、先ほど関係省庁とおっしゃって、いや省庁ではございませんで省とおっしゃいましたから、恐らく大蔵省、これは間違いないと思うんでありますが、私は先ほどもるる申し上げておりますこの資金の性格というものから見て、ちょっと今の話だけでは脇に落ちないというか、それで国民の方に、皆さんにこれで説明は十分だと言えるかというと、私言えないと思うんですね。  大臣にそこでお伺いをしたいわけでありますが、円高基調はずっと続いてきております。毎年のように郵貯法につきましては改正が行われ、先ほども申し上げましたように、運用対象というのも拡大をしてきました。そして、今申し上げましたように、この差損ヘッジ対策というものが大変おくれて今般法律改正として提案されたということでございまして、これにつきまして、何といいますか、国民の資金運用について少しタイムラグがあったという、私はそう認識をするわけでありますけれども、今後の対処も踏まえまして、大臣の方からこの点についての所感といいますか、そういうものをお伺いをしたいと思います。
  129. 大出俊

    ○大出国務大臣 先生指摘のように、私も昨年六月に郵政に参りましたから、これ以後の時点で心配になる点がたくさんございまして、ちょうど今お話のございますようなことを私も考えたからいろいろ担当部局から細かく聞いたわけでございますが、この先ほどおっしゃっておられた郵貯簡保外国債指定単運用状況という平成五年度の決算ベースございますね。この中に、金額、評価損が書いてありますが、私もこれを見まして、これはいけないな、何遍かは皆さんには、今の円高状況というのがもとに戻るとは考えにくい、ちょうどカナダの大蔵大臣なんかも私を訪ねてまいりまして、カナダ債のことございますから。ちょうどあのころは五十六円ぐらいですよ、カナダ・ドル一ドルが、円にすると。ですから、いろいろなことを考えまして、あるいは八十五円というようなことぐらいが落ちつくところになるんじゃないかという専門家の見方もあったりした時期でございますから、そういう意味で何が必要かといえば、やはり外国債を減らす、極力避けるということが必要だろう。  今のお話にございましたように、まずもって何をやるにしても庶民一般の方々から預かっている貯金資金であり、保険資金でございますから、そういう意味で、この扱い方が市場に対して過剰な反応を与えるというような形のことは何があってもとってはいけないという原則だろうと思っているわけでございまして、そういう意味運用規模はもちろんのこと、どこにということ、ここで考え直す必要があるというのが私の考え方で、いろいろやりとりも皆さんとしてきたところでございまして、極力そういう方向にということに今なっているわけでございます。  ただ、一つ大きな問題があるのは、先ほど来お話があるとおりなんですけれども、自由化資金運用すると。つまり、なぜそういうふうに約三十兆ばかりの枠、五兆ずつぐらいふやしていって自主運用めいたことをやるかというのは、預託している預託金利よりも高い金利で運用するというのでなければこの運用意味がないのですよ、基本的に。そこに問題があるのですよ。その必要がないのならば預託金利もらって預託しておけばいいんだから。そうではなくて、取り出してきて少しずつふやして、おっしゃるとおり一遍にと言いたいところなのが、相手がいるからぽつぽつふやして年度別にここまでと。その運用の結果が、例えば二十年というものもあるでしょう、おおむね十年ぐらいでしょうけれどもね、外国債といったら。結局、満期になって、高い利子だから恐らく預託利子に比べればこのぐらい上回るであろうという予測で始めたことなんですね。ですから、そこのところは当時無理からぬことだった、やむを得ないとして。これからということになると、余りそっちに行ってしまわないで危険を避ける、極力。  そういう方向で、このヘッジの問題ももっと早くからというのは皆さんと同じ考え方だけれども、相手があって認めないところがあるのだから、しょうがないんだから。だから、そういう意味で過ちなき運用をこれからやっていこうじゃないか、今、考え方は変えてもいいのだからというところなんです。
  130. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 大臣の答弁よくわかりました。  実は、先ほど質問をしました、対大蔵との交渉経緯という話で聞きました。これは私は大蔵にも同じ質問をぶつけたわけですけれども大蔵省の方が、これは省庁間でやった話で、予算要求あるいは折衝で決まったことは決まったことで、そのプロセスについては言わないことがいいことであり、仁義だというような感じてお断りをされまして、でも、よくよく考えると、これは私は大臣にぜひ御所見もお聞かせ願いたいのですが、国民のこれだけの資金を預かって、現に含み差損もこれだけ出ている、そういう重要な問題について、省庁間の交渉事が、これは水面下の話で国会で論議を表にしたくないという話というのは、もう今まさに問題になっておる政と官の関係といいますか、何かこれで本当に政治というのはいいのだろうか、あるいは行政もちょっとそういう面では勘違いがあるのではないだろうかというぐらい、たった一つの質問ですが、私はこう感じました。  この点について政治家として、大臣、厳しいいろいろな交渉を、郵政、大蔵やっておられると思うのですが、これはほかにもいろいろあると思うのですよ。私は、政と官の関係といいますか、行政府と立法府との関係、しかもその対象が国民の財産であるという面から見てちょっと腑に落ちない面がございます。大臣、この点についての御所感をぜひお聞かせ願いたいと思います。
  131. 大出俊

    ○大出国務大臣 私は、御質問の趣旨、ほとんど賛成なんですよ。ですから、これは事務当局の皆さんからすれば言い過ぎぬでくれよということなんでしょうけれども、これは私のここに座る前の話でございますから、ですから私は、実は、昨年の予算折衝も陰で何やっているんだというのじゃおもしろくないわけでございまして、無利子融資になぜ大蔵は首を縦に振らないか、このあたりもはっきりさせないと、電気通信審議会の答申も出ているわけで、これから先のマルチメディア世代というのでいっぱいいろいろなものに書かれて毎日記事が載るわけですからね。そういう中で、これを成功させたい、新しい大きな需要も必要なんだし、雇用も必要なんだから。だから、がんがん大蔵とやりとりをする、時に明らかにしようと思うから、閣議の席上で官房長官がとめるのを待てというのでしゃべって、そうすると新聞が書いて表へ出ると。やはりそうしないと責任負えないと私は思っているのですよ、そういう意味では。  ただ、今までの経緯がありますからね。その経緯を、私の時代じゃないのだから、経緯まで全部ひっくり返してこうしろということは言わないけれども、やはりできる限り明らかにすべきものは、できるものはしなきゃならぬというのが一貫して考えている考え方です。
  132. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 その点につきましては、私も、この問題だけじゃなくて、すべて一事が万事故と官の関係が問われていて、国民の皆さんは政治何やっているのだ、行政との関係はどうなっているのだ、そこが見えないから大変な政治不信というのが起こっていると思うのですよ。これはもうこの論議をすると一時間ぐらいかかりますからやめますけれども。やはり今後、私は、国会改革のあり方として、ミニ予算委員会、総合特別委員会という委員会を、国会の衆議院、まあ参議院でもいいのですが、三つ四つつくって、例えば経済改革総合特別委員会あるいは行政改革・規制緩和総合特別委員会。そうすると、衆議院は三チャンネル持っているわけですよ、チャンネルを。参議院も二チャンネル持っているのです。それを民放なりが、もう委員長おられますからこれは国会改革の一つとしてぜひ一席ぶたしていただきたいのですが、そのミニ予算委員会のような形で、いろいろな問題意識を持った国会議員がそこで出て、例えば経済改革なり行政改革について意見を入れかわり立ちかわり差しかえで言える、それが、先ほど言いましたテレビチャンネルで、国民の皆さんも霞が関も、場合によっては民放もNHKもその委員会での質疑にアクセスができる、そういうことで国民にそういう論議が見えてきたときに、初めて政治も行政もおもしろくなるし、政と官の関係も正されるのだろう、もうこれしか私はないと思っておるのですが、これはこの法案とは全く関係ないのですけれども、くしくも今回だった一つの質問を大蔵にしたところ、そういうのはふたをかぶせようという話になったものですから、今ちょっと思い出して、これは質問に書いてなかったのですけれども、せっかくのPRの機会でございますから、この委員会をかりてちょっと申し上げた次第であります。  ちょっと先を急ぎますが、そういうことで私は、先ほど大臣からもちらっとお話がございましたけれども、こういう簡保なり郵貯というものは、額が大きいだけに、また公的資金だけに慎重な対応も必要だというのはわかります。  そこで、せんだって、三月十日の産経新聞によればこういう記事があったのですね。簡保郵貯資金運用でカナダ債、米国債を大量に売却したといううわさがある。あるいはことしの二月十日の日経新聞では、簡保が米国債の償還により、これは償還でありますが、により大口のドル売りに動くのではないかといううわさがある、米国債を売り阪神大震災の国債購入へ充てるのではないか、そういう見方がある、こうあるのですね。こういう新聞記事がある。つまり、こういう外国為替を扱う、そうなればどうしてもこういう憶測というものがついてくると思うのですね。  これについては、私は大変、自分のことだけではなくて、つまり簡保の有利性とか外国債資金での運用の有利性とか、それだけでは実は済まない、外が見ている、国際市場がそれに関連してくる、為替市場にも一つの憶測を投げかけるというような側面があるわけでありまして、私は、今回外国為替の先物、外国為替取引というものを追加されたことは、その意義は多とします。しかしながら、そういう今言ったような問題がまたあるわけでありまして、やはり総合的な管理あるいは運用、あるいはタイミングヘの配慮、こういうものが今後さらに重要なファクターになってくるのではないかと思うのですが、これにつきまして、今後の運用の基本的な視点といいますか、体制についての心構えといいますか、そういうものについてお聞かせ願いたいと思います。  もう一点、いわゆるデリバティブの問題で、日本酸素が百十何億ですか失敗した。もっと有名なのは、イギリスのベアリング社がついに何百年の歴史を閉じて倒産したといったような話もございますが、今後そういう債券の管理なり先物取引の管理なり、そういうものが非常に重要な意味を持つと思うのですよ。したがいまして、先ほど言いました運用についての基本的な心構えといいますか、これを機に心してやっていただきたいと思うのですが、そういう点と、もう一点は、今後の先物為替取引の導入に伴う、何か体制の強化といいますか、マニュアル化といいますか、そういう手だてを私は講ずべきだと思うのですが、そこら辺についてはどういう対応をとろうとしておられるのか、お伺いをしたいと思います。
  133. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 第一点目の基本的な考え方という件でございますが、これは先ほど大臣も、過剰な反応を引き起こすようなことのないように注意しなければならぬ、こうおっしゃったわけでございます。一言で申し上げるならば、このことに尽きるかなという感じを私持っております。  御承知のように、郵貯簡保資金というのはお客様からお預かりした有償の資金でございまして、確実そして有利、公共の利益というのももちろんございます。そういう運用原則に沿って運用しなければならないわけでありまして、当然、外国債運用に当たりましても同じ考えで臨むべきものであるわけでありますが、ただ、その際に、やはり為替市場に与える影響でありますとかあるいはその運用に伴うリスク先ほど申し上げましたようにリスクが大変大きくなってきております、そういうものを総合的に判断をして慎重に行動する、これをやはり基本にいたしまして、市場関係者にも無用の誤解を生むことのないような、そういう取り組みをしていく必要があるというふうに考えております。  第二点目のトータルの債券管理体制と申しましょうか、そこの部分でございますが、私ども債券の売買を決定する際には、ちょっと次元の低いところから始まって恐縮でございますが、決定段階で、まず複数の人間が必ず決裁をして約定をする、こういう体制をつくっております。これは多少民間会社と違う部分があろうかなというふうに思います。それからさらに、この売買担当部門と資金の決済部門を分けております。その段階でも、やはり同じように内容あるいは量等についてのチェックをする。さらに、監査部門を別に設けまして、そこで資産の異動状況でありますとかあるいは運用リスクを把握するというようなことを担当いたしておりまして、いわば二重、三重のチェック体制をしいているというのが現状でございます。  さらに今回、今法案審議をお願いいたしております先物外国為替運用をするに当たりましては、まず基本的に職員の訓練、研修というものをしっかりやらなければならないなというふうに思っておりまして、私ども、多少文字で読んだり、あるいは多少の、見習いと申しましょうか、実務的な経験をさせていただいておりますけれども、さらにこれから、銀行等に受け入れてもらった上で、職員の研修というものをきっちりやるのを基礎にいたしまして、さらに証券会社取引内容についてのチェックというものも私どもの管理体制の中に取り込んでいく、こういうようないろいろな工夫をして、万全を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
  134. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 もう時間も大分残り少なくなってまいりましたので、急ぎたいと思います。  それで、体制につきましては今のような、お話がございました研修あるいは複数のチェックシステム、これは本当に、今までの例といいますか、民間会社と役所あるいは簡保郵貯、違うと思うのですが、どうしても運用対象が多様になってくる。ついついその現場任せ、担当者任せということで、ベアリング社にしても、あっと驚く倒産をしたという経緯もあるわけでありますから、この点については本当に、国民の財産を預かっておるということで、万全の体制を構築していただきたい、かように思います。  その一環というわけではございませんが、先ほど差損につきまして、ここで状況が御報告になりましたけれども、これはやはり文書においてもその都度はっきりとさせていくべきことだろうと思うのですよ。これは貸借対照表上の取り扱いについてどうなっておるのか。あるいはもっと言えば、外為資金特別会計のような繰越評価損といいますか、そういう形ではっきりと損を公式の文書に計上して、ちゃんとその現状を明らかにしていくということをとるべきではないかとも思うのですが、この点については、この先物外国為替取引を契機に、外貨建て債のいわゆる差損をどう文書で明らかにしていくかということも重要でございますので、貸借対照表上の取り扱いについて、今後の御見解をお伺いしたいと思います。
  135. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 まず現状でございますが、金融自由化対策特別勘定あるいは簡保特会、いずれも国の会計の一部でございますので、いわゆる原価法を適用いたしております。したがいまして、有価証券の価格変動あるいは為替変動に伴う評価損益について貸借対照表に計上するということは現在行っておりません。御承知のとおりでございます。  なお、この郵貯簡保外貨債につきましては、企業会計審議会から出されました外貨建取引等会計処理基準、これは民間の企業の基準でございますが、これに準じまして、御承知のように、貸借対照表の欄外に注記という形で書いて一種公表している、こういう状況でございます。  今お話ございました外為特会の資金の問題でございますが、これは多少推察が入りますけれども、この外為特会の資金の性格、専ら外国為替の相場安定のために外国為替市場の介入に使う、こういう性格のために恐らくこの資産の評価額を貸借対照表の中に書いたのではないかというふうに私ども考えておりまして、この方法は、国の会計の中で見ますと、この特別会計独特のやり方になっているわけでございます。  ただ、先生もおっしゃいましたように、お客様からお預かりした大切なお金でございますので、その運用の姿というものをどのようにディスクローズすべきかという問題は非常に大きな問題としてございます。  私ども、現在、大蔵省の方の企業会計審議会で先ほどの会計処理基準を再検討しているというふうに聞いております。これの結果によりましては、まだかなり国全体の、特に民間中心でございますが、処理基準が変わってくるだろうというふうに思いますので、その審議状況も見ながら、私ども検討させていただきたいと思っております。
  136. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 本当に時間も少なくなってまいりました。また、いろいろ情報開示の件とかございましたけれども、今の話もそうです。さっきの体制の話もそうです。これから簡保なり郵貯が今までの方式で、あるいは運用対象だけでやろう、やり過ごそうと実際思っても、周りの民間あるいは世界の金融構造といいますか、あるいは金融商品といいますか、そういうものがもう複雑多岐になってくる、それとのやはり競争になってくるから、勢いデリバティブのような複雑多岐なああいうところまで将来はいかざるを得ないというような危険性といいますか、可能性といいますか、そういうものを含んでおる問題だと私は思うのですよ。そういう面で、これからの、まあきょうのこの法律というものはあくまで外国為替の先物ということでありますけれども、今言ったような、もう世界経済、世界の金融とのいわゆる競争でありますから、連携でありますから、全部リンケージしているわけですから、そういう流れからいうと、これからの運用は多岐にわたるし、それだけ危険だし、また大変だろうな、私はかように思うのです。  そこで、最後の最後まで、やはり国民の資金を預かっておるというその原点に立って、差損もしっかりといつも肝に銘じ、管理についてもしっかりとこれ肝に銘じ、今後、運用対象を広げるに際しても、常に全体のバランスというかあるいはその取引タイミングを考えるとか、そういう発想を私は今後ともずっと持っておいていただきたいし、それがないと、安全確実とはいいながら、あるいは公共の利益に資するとはいいながら、ついつい目先の損得といいますか、運用益ばかりに目が行くような運用になるのではないかというのを、これは簡保郵貯で起こったことはないのですが、近時の、最近のそういう金融の多様化に伴う企業の倒産あるいはそういうのがたくさんあるわけで、それを思うときにちょっと二重写しに、十年後は簡保郵貯もそういうデリバティブまがいのことではたばたしているのではないかという心配がありますので、この点、私の全くの私見でございますが申し述べまして、今後そういう留意をしていただきたいと申し添えまして、質問を終わりたいと思います。  以上でございます。ありがとうございました。
  137. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、高木陽介君。
  138. 高木陽介

    高木(陽)委員 午前中から本当に御苦労さまでございます。  外国債の問題についてずっと午前中からいろいろと御質問がありまして、少々ダブる部分もあるかもしれませんけれどもお答え願いたいと思います。  先ほど外国債運用メリットということで、高木局長が二つあるとおっしゃられていた。一つが国内債に比べ利子収入が多い、あともう一つは国際的にリスク分散。ただ、現状円高が進みながら為替差損のデメリットが出てきた。さらに、どれくらいの含み損があるか。先ほどの御質問の中で、平成五年度末で郵貯の方で四千六百億、さらに簡保の方で九千百億、これは余りにも、やはり普通の感覚で言いますとかなりの額だな。やはり、先ほども何度もずっと出てまいりました、国民のお金ですので、そこら辺のところで六十三年ぐらいからそういう話をいろいろやって、大蔵省の方がうんと言わなかった。これは正直言って、局長そのころ局長ではなかったと思いますし、大臣もそのころ大臣ではなかったですし、私どもも、一時は与党になりましたけれども、その当時は多分野党でした。こういうような形で、何か責任というものがはっきりしないままずるずる来ているというのは、これは今回の問題だけではなくて、あらゆる問題にも普遍的にあるのではないか、そんな気がしているのです。  そんな中で、ではどうしていくのかということで今回のいろいろな対策があると思うのですけれども先ほど大臣のおっしゃられた外国債を減らしていく、こういった中で、今後の、今現在もう百円を切ってしまって八十円前後ですね、そういう為替レート、ここら辺の見通しをしながら、償還期もう来ているのも幾つかあると思うのですけれども、その前にもう、とっておいても差損がどんどんふえてしまいますから、そこら辺の売却の考え方、ここら辺はどういうふうにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
  139. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 じっと償還を待つだけでなしにと、こういう御質問であるわけでありますが、率直に申し上げまして、簡保の場合には若干の売却も行っております。ただ、年度末近くになりまして、簡保が大量のカナダ債を売ったのではないかみたいな新聞の先ほどお話がございました。ああいう犯人のぬれぎぬを着せられるという可能性が非常に高いものですから、私ども、やる場合にも大変注意をいたしておりまして、例えば、一回当たり十億円を限度にするとか、どんなに頻度が高くても週に一回ぐらいにするとかいう形で、トータルとしても少額のものの売却を行っております。さらにこれをふやすということになりますと、今の為替の状況の中ではそれこそ大変なことになりかねないと思いますので、やはりこれからの状況を見ながら、そういう方法についても考える余地があるな、こんな感じを持ってお聞きしたところでございます。
  140. 高木陽介

    高木(陽)委員 まことに市場への影響等がありますので、ここで局長がこうこうこうしますなんて言ったら、また大変な問題になってしまうという、そこら辺はわかるのですけれども、預けている国民の感覚ですね、やはり国がやっているから安心だということで郵貯にしても簡保にしてもかなり預けていると思うのですね。その預けている人一人一人にしてみれば、ある意味ではなけなしのお金というか、庶民感覚でいいますと本当につめに火をともすというか、そういう形でやっているわけですよね。これがだんだん郵貯だとか簡保という形になりますと、額としてはすごい巨額なんですけれども、一人一人を見ればすごい少額またはそういう中でも地道にやっているというか、そういうものに対する感覚をやはり持っていただきたいと思います。持っているとは思うのですけれども、こういう法案審議を通じてさらに確認をさせていただきたいな、そういう思いで伺いました。  続いて、先ほどもまたちょっと出ていた外国債運用に対しての考え方ということで、職員の訓練等々研修をやっていかなければいけない。これはまことに必要なことで、私どもはある意味では外国債の問題だとかについては素人です、実際問題、自分たちは買ったこともありませんし。そういう中で、やはり訓練、では銀行に受け入れてもらって、またはそういうところに行けば何とかなるか。それだけだとやはりだめだと思うのですよね。そこら辺のところでもう一歩何か、失敗しないというか、安全にというか、そこら辺の考え方がもしございましたらお聞かせ願いたいと思うのですが。
  141. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 先生のお尋ねにぴったりするかどうかわかりませんが、一つ私ども考えておりますのは、職員の訓練、研修を基本にいたしまして、その次に、広い意味では訓練、研修でございますが、実地訓練、派遣した上での訓練、それからすぐにその後実施ではなしに、その前段階に一種模擬訓練と申しましょうか、競馬の新聞見て買ったつもりになって結果を検証するという、ちょっと変な例で恐縮でございます、そういう意味での一つのシミュレーションと申しますか、そういうやり方ということで、多少なりとも現実の運用に当たってのノウハウというものが得られるのではないか、こんなことも考えておりまして、こういうものをできるだけ工夫しながらある程度期間を続けた上で実施に続けていきたい、このように思っております。
  142. 高木陽介

    高木(陽)委員 それで、あと続いて外為、いわゆる外国為替の方の為替取引で先物でやっていくということで、これはもうずっと出てきた本当に素朴な基本的な問題として先物外国為替を加えることにした理由ですね、こっちの方がいいだろうということなんですけれども、そこら辺のところをもう一回お聞かせ願いたいと思います。
  143. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 大変な問題になっております為替差損、これをできるだけ為替変動リスクから守って、将来の為替差損の発生をできるだけ軽減をしたい、結果、資金のより有利な運用に資したい、これが理由でございます。
  144. 高木陽介

    高木(陽)委員 そうしますと、いわゆる為替の取引というのは、ある意味ではもうリスクはあるわけですね。だからヘッジをかける。わかるのですけれども、そんな中で、今回証券会社委託、これは午前中に木村先生だと思うのですけれども委託の仕方、これについて御質問があったと思いますが、再度ここをちょっと確認をさせていただきたいと思うのです。  というのは、これは委託する。証券会社を経由しないと、じかに簡保資金がどんと来るまたは郵貯が来るとなると市場の変動は大きいですから、これはもちろん何かを媒介にしなければいけないというのはわかります。木村先生の午前中のお話だと、何か証券会社はうさん臭いみたいな、そういうようなニュアンスで、では委託して大丈夫なのかみたいな、そこのところで、各局長お答えになっていたと思うのですけれども、こちら側がしっかりと主導権を握りながらやるといったことをおっしゃっていましたけれども、それを、いつどこでだれが判断し、やはりだれかが判断し、ではこの先物で幾ら、これは幾らというふうに決めると思うのですけれども、それはどういうような形で決められるのか、それをちょっとお答え願いたいと思います。
  145. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 今回の考えておりますスキームは、私どもの方ですべて内容を決定して、その内容、指示に従って証券会社に動いてもらう、これを考えているわけでございます。  もう少し具体的に申し上げますと、例えば予約レート予約の額あるいは期間、実行日ということでもよろしゅうございますが、あるいはその予約を行うタイミングというような取引条件全般について、私どもの実際に運用を行う部門で市場動向を見た上で決定をいたしまして、これにつきましては先ほど申し上げましたように複数の人間の判断というものを加えるということでございますが、決定をした上でその内容証券会社電話で連絡をするという形になろうかなというふうに思っております。  なお、その内容を確認をするために、私ども運用担当セクションの職員とそれの相手側であります証券会社の担当者、それそれについては事前に明確にしておくという手続でありますとか、あるいは事後に私どもの指示どおりに取引を実行したかどうかという確認は、これはまた文書で行うということを考えております。
  146. 高木陽介

    高木(陽)委員 そうしますと、事後にも確認するというような形で複数の職員、郵政省の職員の方が決めていく。これも、特に為替の問題、これはだれもが予測がつかない問題で、本当に難しいな。だからこそそういう研修、研修をやればそういうのがわかるかといったら、きっとわからないと思うのですよね。だから、より多くの情報を集めながらそういう判断を下さなければいけない、それはわかるのですけれども、そこら辺のところで本当に何度もずっと繰り返されてきた慎重にさらに確実にという方針、それをはっきりさせていただきたいなということ。  あともう一つは、民間の企業ですと、責任というのははっきりするわけですね。例えば、この間のベアリングズ社みたいな、だれがやった、だれのせいで、それで背任になりますよね、そういうのは。ただ、郵政省の場合だと、そういう複数の人間がやって、局として責任をとるのか、大臣が最終的に責任をとらなければいけないのでしょうけれども、そういうような何かあいまいな形というのがあるのではないのかな。その担当者を、おまえの責任だ、こうは言えないと思うのですけれども。  今問われているのは責任をだれがしっかりとるのかという問題が大きいと思うのですよ。そういう点で、最終的には大臣が腹をくくって私の責任だということでやっていただけると思うのですけれども、そういうところもしっかりと考えていただきたいなと思います。これは回答は要りません。  そんな中で、取引をした後の情報開示という、先ほど古賀先生がちょっとおっしゃられてお伺いしなかったのですけれども、情報開示の問題、これは開示するとまた市場の影響というのもあるのですけれども、逆に言えば、その事後にこうであったというような形、これもちゃんと、皆さんというか国民のお金ですから、こういうふうにやりました、それでこうプラスになりました、こうマイナスになりました、こういう部分の情報開示としては考えられているのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
  147. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 情報開示、どの程度かという問題がまず基本的にあるわけでございますが、開示を行うことによって市場に悪影響、良影響あるかどうかわかりませんが、いろいろな影響を与えるだろうという考え方、それから一方では、先生御主張のように、取引の透明性を確保するという観点、あるいは利用者の保護あるいは利益を擁護するという観点から開示の必要性がある、こういうこと、さまざま考えますと、隠すというような考えは毛頭ございません。けれども、私どもの会計は基本的には国の会計になっておりますので、やはり私どもだけではという感じがいたします。官庁間の横並びというと変ですが、整合性の問題でございますとか、あるいは企業会計審議会での検討状況等を含めて、やはり総合的に考えさせていただきたい、このように思っております。
  148. 高木陽介

    高木(陽)委員 本当に答えづらい質問だったかなと思うのですけれども、やはり透明性の確保、だから、そのときはこれは絶対公表できないと思うのですね、また、やったら本当に市場が混乱しますから。これはもうだれもが認識していると思うのですけれども、その後、こうこうこうでしたというくらいはやった方がまたそれなりに簡保及び郵貯に対する信頼度というものも高まってくるのではないかな。預け入れている人は要はちゃんと返ってくればいいんだというのもあるのでしょうけれども、やはりその過程というものも、民間でやっている場合には仕方がない部分もあると思うのですけれども、国がやっている、公的機関がやっているからこそ、そういう部分は意識してやっていかなければいけないのではないかな。これは私個人の考えですから、それはまたいろいろと大臣を中心に、また局長中心に御検討願いたいと思います。  為替の問題及び外国債の問題はこれあたりにして、続いて、振替の問題、郵便振替の国税電波利用料の取り扱い、これはすごく当たり前だなというか、やるべきだったな、遅過ぎたな、こういうような実感なんですけれども口座振替にするメリット、これは、郵政省また利用者、ここら辺のメリットとしてこうこうこれがメリットなんです、やはりこういうのをしっかりと伝えていかなければいけないと思うのですね。そうじゃないと、なりましたよ、ああそうですか、こういうふうになってしまいますので、そこら辺のところを、言わずもがなかもしれませんけれども、そのメリットについてお答え願いたいと思います。
  149. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 お答え申し上げます。  まず、郵政省、私どもから見たメリットでございますけれども、これまでは郵便局を御利用いただきます場合でも窓口に現金をお持ちいただいて振り込んでいただいておったわけでございますけれども、そういった窓口での処理が省略できることになります。したがいまして、窓口事務の軽減化が図られますとともに、データを磁気テープ等に記録して入力処理することによりまして大量処理が可能となりますので、国庫金取りまとめ局の後方処理の事務の省力化も図られまして、全体の事務の軽減化が図られるということでございます。  それからまた、窓口取り扱いの取扱件数が減少いたしますから、窓口の混雑が緩和されまして、利用者の方をお待たせすることなく円滑に業務を遂行できるということでございます。  それから、利用者の方々にとってのメリットでございますけれども、これは窓口までお出向きいただく必要がなくなるわけでございます。一たん郵便局へお申し込みいただけますれば、自後は自動的に納付が完了するということになります。そういう意味で、納税者、納付者の方にとりましても時間とお手数を大きく節約することができるようになると考えております。  以上でございます。
  150. 高木陽介

    高木(陽)委員 あと、またこの法案からちょっとずれてしまうかもしれませんけれども銀行の十年物の定期というものが今度導入されるということで、マスコミ等を通じてずっと言われ続けている民間金融機関郵貯、いわゆる銀行郵貯との戦争というか争いというか競合というか、そんな中で、銀行の方も十年物の定期を大蔵が認めた。これに対して、郵便貯金としての影響または今後どうしていくのかみたいな、そこら辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
  151. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 民間金融機関の定期預金の預入期間でございますけれども、現在五年まで認められております。それがこの十月からは、大蔵省がその規制を撤廃いたしまして、十年まで認められるようになるという話でございます。これを受けまして、個別の民間金融機関がどのように対処されるかということは私も承知しておりませんけれども、恐らくいろいろな商品が出てくることになるだろうと考えております。  それから、中長期の郵便貯金の商品としましては、従来から十年まで預入可能な定額貯金というのがあったわけでございまして、これがいろいろ比較の対象になったわけでございますが、定期貯金といたしましては、郵政省の取り扱っておりますのは現在四年以下になっております。この預入期間四年を超えます中長期の定期貯金の導入につきましても、自由化の意義、利用者のニーズ、民間金融機関動向等を勘案いたしまして、今後検討してまいりたいと思います。  それから、私どもこういった商品を持っておりますけれども民間が長期の定期預金その他いろいろ商品の多様化を図ってこられますと、私どもにとりましても大変厳しい状況に当然なってくるわけでございます。しかし、こういった自由化、商品の多様化ということは、競争を通じてそのメリットを利用者の方々に還元していこうという政策でございますので、私ども、いろいろ困難はございますけれども、むしろこれを前向きに受けとめて、それぞれの立場はございますが、民間金融機関の方々とよい意味で切磋琢磨して、メリットの還元に努めていきたいと思います。
  152. 高木陽介

    高木(陽)委員 まさに今切磋琢磨しながらやられるということで、本当にそれでいいと思うのですね。大体、郵貯がいつも悪者にされまして、利用者にとってみれば、郵貯だろうが銀行だろうが確実に運用していただいてちゃんと利子が返ってくる。特に高齢化社会になっていくこの時代において、そういう金融商品というか、多様化していかなければいけない。そんな中で、ある意味では、よく言われる、銀行というのは護送船団方式でいつも守ってもらっている。そうではなくて、もっともっとそういう部分で切磋琢磨しなければいけないし、そういう部分で郵貯も遠慮しないでどんどんやられて僕はいいのではないかな、またやらないと銀行も刺激を受けないという気もするのです。そんな中で、今後の多角的な商品だとかまたはサービスだとか、そういうことを御検討願いたいなと思うのです。  それにまた付随してというか、サービスという話になりますと、今度は、これも午前中日笠委員からあったと思うのですけれども、オンラインの相互互換性。銀行間はどんどんそれが普及して本当に便利です。どこでもおろせるという。ただ、田舎の方へ行きますとやはり郵便局、二万四千のネットワーク、これはやはり一番で、私も議員になる前の仕事をしているときに一時静岡にいて、静岡の山の中に、新聞記者でしたから取材に行きました。お金がなくなっておろしたかったけれども銀行がない、郵便局はあるのですけれども銀行はないという、これは本当につらい思いをしました。そういう人たちというのは多いと思うのです。  そういう部分での民間金融機関銀行郵便局のオンライン、CD、ATM、そのネットワーク、相互互換、これを進めてもらいたいですし、また郵政省としてもそれはどんどんやりたいと思っているのでしょうけれども、これは大蔵がまたぶつぶつ言っていると思うのですね。そこら辺の今後の取り組みについてお聞かせ願えればと思います。
  153. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 民間金融機関におかれましても各業態ごとの接続が進んでおります。しかし、先生指摘のように、全国的な郵便学窓口あるいはATM、CDの配置ということを申しますと、私ども郵便局は全国すべての市町村に必ず設置されておるわけでございますけれども民間金融機関の設置されてない市町村というのはかなりあるわけで、ちょっと市はありませんでしょうけれども、村は随分あるわけでございます。したがいまして、今後二十一世紀、マルチメディア社会を迎えることとなるわけでございますし、こういったシステムについてはできる限り接続していくという趨勢にあるのは当然のことでございますので、私どものネットワークと民間のネットワークを接続していくことによりまして、利用者の方々も大変利便な状況になりますし、また民間の商品につきましてもその利便性を増すことになると考えます。  そういった観点から、民間金融機関とのATM、CDの相互接続につきまして、まず調査研究をしたいということで平成六年度、七年度の予算要求をしたところでございますけれども民間金融機関の反対が背景にあるといった事情もございまして、残念ながらまだこの予算は成立を見ておりません。  しかし、いずれにしても時代の趨勢でございますので、こういったことの必要性について関係者それから広く国民の皆様の御理解、御支持をいただいて、こういったところからまず接続の可能性条件について検討する取り組みをしてまいりたいと思っております。
  154. 高木陽介

    高木(陽)委員 接続してもらいたいという支持はほとんどだと思うのです。はっきり言って反対しているのは銀行だけです。一億二千万のほとんどの人はこれをやってもらいたいというふうに言っているはずです。その一部銀行、では銀行の職員またはその関係者、その人数と利用者の人数、アンケート調査をやったら、世論調査をやったら絶対にやってもらいたいという結論が出るわけです。もう見えているわけです。あとは、大蔵省は突っ張っていると思うのですけれども、この壁を打ち破らなければいけないし、では大蔵省は何のためにあるかといったら、これは国民のためにある省庁であって、一部銀行だとか一部業界だとか、そんなためにあるのじゃないと思うのです。そこから考えますと、ここはまた郵政大臣がリーダーシップを発揮して、その壁をばしっと打ち破っていただきたいと思います。  これからいろいろと、この問題からまたちょっとずれてしまうかもしれませんが、規制緩和だとか何だって、一部業界、それは守らなければいけない、その人たちは生活しているというのはあると思うのです。しかしそれだけで、ではほとんどの国民が不便を感じている問題、こういうものに関してはやはり決断をしなければいけないと思うのです。今までなあなあでやってきた。そんなことやったら銀行が圧迫されてしまうだとか、また一部業界がだめになってしまうだとか、言葉はすごく乱暴かもしれませんけれども、これだけ経済が複雑化してきて、いろいろなニーズがある。もっと言えば、一億二千万人の国民全員が納得するものというのははっきり言ってないわけです。そんな中で、政治というものは基本的に最大多数の最大幸福ですから、こういった原理の中で、それだけのニーズがあることは押し切らなければいけないのじゃないかなというふうに私は思っているのですけれども、大臣、もう時間もないので、最後にそのお考えを。
  155. 大出俊

    ○大出国務大臣 私も本当に高木さんと同じ考え方なんですよ。実は九一年に臨時行政改革推進審議会ができまして、九二年、九三年、三年間これを審議しているのですね。貯金の問題というのは豊かなくらし部会で審議が始まりまして、この中に政府関係のグループの小さな部会をつくりまして、稲盛さんが会長で、政府の役割グループというのですね、これをずっとやってきまして、その経過をずっと追って、私、総務庁の今の次官の八木君のところが事務局だから、その間ずっとフォローしていろいろ調べたのです。実に納得しがたい議論ですよ。経団連試案とか稲盛さんの私案とか出てくるのですが、それを最終的に九三年十月二十七日に答申が出た中で、巨大化する懸念を何とか解消するようにして経営してくれ、これでおさまったのだから、だからこれを原点にして、四の五の言わずに国民のためにという視点で、大蔵省、物の考え方を変えるというのが私の言い分なんです。ですから、それは機会を見てまだ物を言うつもりでおります。
  156. 高木陽介

    高木(陽)委員 時間も来ましたので、本当に大臣のリーダーシップも期待しておりますし、私どもも国民の負託を受けて議員とならせていただいているわけで、その国民のニーズをしっかりと実現するのがやはり政治の原点であるな、そういうふうに考えています。また、郵政省の事務方の方々もそういった国民のニーズというものを、予算を握っているのは大蔵省ですけれども、そこら辺のところはまた一丸となって頑張っていただいてやっていただきたいな。ちょっと応援演説みたいになりましたけれども、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  157. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、河村たかし君。
  158. 河村たかし

    ○河村(た)委員 河村たかしてございます。  きょうは、郵貯簡保外国為替にどう使うかというような話ですけれども、国民サイドとしては、そういう問題もありますが、やはりだんだんデフレぎみな状況のこの経済の中で、郵貯簡保の巨額な資金をもっとやはり国民生活、自分たち国内に有効に使ってくれぬかというのが本当の気持ちではないかしらん、そういうふうに思うのです。だから、今皆さん、外為の運用についていろいろな話を聞かれましたけれども、それはそれでございますけれども郵貯簡保、また一方、性悪説と言うど怒られますけれども、そういうような批判も非常にある中で、しかしそれなりにどういう役割をこの際郵貯簡保は持っていったらいいんだろう、そこら辺のところをちょっと本質論にさかのぼりましてお話を伺いたい、そんなふうに思っております。  まず、どてっぱっでございますけれども郵貯簡保の目的ですけれども運用目的といいますか、利子を稼ぐ、これは当然あると思いますけれども、それだけなのか、それとも何らかの公共政策というのか、そういうものもやはりあるのですか。どうですか、これは。
  159. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 まず簡保積立金でございますが、これは先生御承知のとおり、運用法第一条に書いてございますように、「確実で有利な方法により、かつ、公共の利益になるように」云々ということで、法文上この公共的な運用を行うということも目的として明記をしているところでございます。  次に、郵貯金融自由化対策資金でございますが、これは郵貯法の六十八条の二でございますけれども、「金融自由化に適切に対応した健全な郵便貯金事業の経営の確保に資する」ことを目的として運用を行うことになっております。ただ、郵貯資金は国民から集められました公共性のある資金でございますので、法の目的のもとで公共性にも配意をすることが望ましいというふうに考えております。
  160. 河村たかし

    ○河村(た)委員 今の話で、一応公共政策としての意味もあるよということだろうと思います。  今回の、外国為替予約をやるとかいうその目的ですけれども、それはそれ自体、いわゆる為替PKOといいますか、いわゆる外国為替の安定、そのためだけにやる、そういう目的ではないのですね、これは。
  161. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 外国債への運用は、理由としては二つ、国内債よりも高い利子と国際的なリスク分散、こういう二つがございます。したがいまして、私ども郵貯資金簡保資金運用する際には、できるだけ有利で確実、もちろん、先ほどの御質問のように公共の利益にもプラスになりますけれども、それによって預金者、加入者の利益を図るということを目的として運用するわけでございます。したがいまして、外国債運用もその一環の運用でございますので、円高対策を目的とするものではございません。
  162. 河村たかし

    ○河村(た)委員 為替維持政策とか、そういうものではないということですね、もともと本来の趣旨は。  そういうことなので、その中で今、いろいろな数字は先ほど出てきましたけれども、巨額な為替損が出たということですけれども、もうかった利息もありますので、国内で使っておったらそんなに利息は高くない、向こうでやったから高いということがありますから、必ずしも全部損ではないと思いますけれども、その辺はトータルの計算はありますか、利息のもうかった分を引いた分といいますか。     〔委員長退席、佐田委員長代理着席〕
  163. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 利息と為替によるデメリットとを相殺した計算は私どもやっておりません。個々のケースケースで出てくるということになります。
  164. 河村たかし

    ○河村(た)委員 それは何か残念なようなことで、それが出してないものだから、えらいあなたのところ損こいたばっかりの話で、意外とその利息で国内に預けておるよりもうかっておる分があるということでございますので、その辺も上手に開示されたらいいのではないかと思いますけれども、いずれにしろ、かなり損をされたということになると、こういうものの責任問題というのは、これはあらへんのですか。これはどうなるのですかね。これは、失敗したがやということで終わりなんですか。どうですか、これ。
  165. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 現在の為替差損の問題につきましては、郵貯簡保ともに大変深刻な問題であるというふうに私ども認識をしております。  この問題を解消するに当たりまして、利用者の方々に大きな御迷惑をおかけするということがあってはならない、また、国の事業として為替市場に無用の悪影響を与えることがあってもならない、こんな考え方をいたしておりまして、今申し上げたような点に適切に対処をしていくことが現在の我々に与えられた責任であるというふうに考えている次第でございます。
  166. 河村たかし

    ○河村(た)委員 先ほど質問にもありましたけれども、これほどの円高になるということはわからんかったというような話ですけれども、この日本国の最高責任、行政責任を負っておられる方がわからんかったでは、これは情けないので、こういうところはもうちょっとはっきりしていくといいと思うのですけれども、まあしかし、先ほど言いましたように、利息でもうかった分もありますので、ちょっとその数字がわかりませんから、その話はこのくらいにします。  御承知のように、ISバランスでしたか、要するに、国内の貯蓄マイナス投資ですか、それが国際収支とイコールである、こういう一つの数式がありますよね。その中で、国内の投資が非常に今行き詰まった、民間もなかなか投資してこない、それから民間の金融機関でもなかなか金貸してくれぬ、そういう状況が今あるわけですよね。  だから、そういう中で、国民的にいえば、外為の問題もそうですけれども、たまたま今回その法律でございますので、ちょっとタイミングとしてはおかしいかもわかりませんけれども、やはりせっかくこれだけみんなで出した金だからもっと国内にどんどん、本来は、先ほども言われましたように外国に投資するのは二の次だということでございますので、為替PKOでやっているのじゃないということですから、こういうときにこそ国内にもっと投資しろと。国内に投資すれば貿易黒字が減るのだというのが伝統的ないわゆる財政の理論でございますので、そういう方向に  どうなんですか、そういう意味というのは今ありませんか。それはちょっと大臣にも後で。
  167. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 郵便貯金について申し上げますと、私ども郵便貯金として全国から受け入れました資金は日々全額大蔵省資金運用部に預託されるということは法律で義務づけられておりまして、その資金運用部におきましては、財投計画に基づきまして、財投機関を通じて我が国の社会資本の整備に活用されているわけでございます。また、その中における一時的な余裕資金につきましても、金融債の購入などの形で民間資金は還流しておるわけでございまして、決してどこかで預託されたお金が眠っておるということではございませんで、全体として我が国経済を循環していると考えておるところでございます。  ですから、昨今のように不況が長期化いたします中で民間の企業や民間金融機関が積極的に動けない状況下におきましては、財政が景気対策上期待される大きな役割を果たしておりまして、その中で郵貯簡保資金もその原資として有効に活用されるものと考えております。
  168. 河村たかし

    ○河村(た)委員 ちょっと大臣にもその点ひとつ
  169. 大出俊

    ○大出国務大臣 河村さん、今おっしゃっていることはよくわかるのですけれども、さっきもお答えをいたしましたが、今の財投の残高で見て貯金が百三十四兆ございまして、保険が四十三兆ございますから百七十七兆、こう申し上げたんですがね。三百九兆の財投全額の残高のうちで五七・二%になると。そのほかに、これ、貯金保険の原資からは金融債などを二十二兆買っているんですね。それから長期国債を六十二兆買っているんですね。ですから八十四兆あるんですよ。もう一塩言いますが、長期国債が六十二兆、金融債などが二十二兆、これで八十四兆ございますが、これを差し引いたものが先ほど申し上げております百七十七兆なんですよ。ですから、べらぼうな金を、今おっしゃるように外国へ持っていっているという部分は、これは外国債というのがあるいはそうかもしれません、しかし、そうでないものはほとんど国内投資なんですね、実際に。  で、問題は、自由化資金のように、五兆ぐらいこつこつ伸ばしてきて現在約三十兆でしょうね、あれは。これをどう使うかと。つまり、預託利子よりも高いものをということで考えたことなんだから。そこで今の外国債が出てくるわけですよ。  で、責任ということなんですが、私も心配だから、前の諸君がやったんだからいいんだというわけにいかないからね、どうなってるのかと思って実は深刻に——皆さんはなかなか口がかたいけれども、だけれどもいろいろ話してみまして、それじゃ今どうするんだといったときに、責任負えるのか負えないのかと。現状負えると思うからいろいろお答えをしているということでございまして。  で、問題の焦点は、要するに、一体こんなにもう異常な円高ですから、これで申し上げると時間が長くなりますから言いませんけれども、これがどうなるかというのを、きょう二十六日、アメリカヘ行っていろいろやっておられて、その後もありますので、そこらをもう少し眺めながら、どうしたら一番いいのかというのはいずれにしても考えないかぬと思っておりますが、今の国内にというなら、今申し上げたように、ほとんど国内に投資をしているということですがね。
  170. 河村たかし

    ○河村(た)委員 いや、私は、外債について損したということはどちらかというと、それはまあ大きな問題ですけれども、それはそれという感じで、それよりやはり郵貯簡保の使命というんですかね、の方が一向に伝わってこぬと。ということから、応援団になろうにもなれえせんじゃないかと、これでは。何か民業圧迫論が圧倒的でしてね、だから、それはやはり、先ほど言いましたように、今何が大事かといったら、とにかく国内に資金を眠らせない、それで、今言われました、投資をしていますが、それを目に見える形で郵便局がもっとメッセージを発して、それを使えるようにする、国内の投資をふやして貿易黒字を減らすんだという、そういう強烈なメッセージが一向に伝わってこない。そちらの方を問題にしておるわけなんですね。  ところで、郵貯簡保のいわゆる存在意義ですね、この民業圧迫論の全盛の中、全盛と言うと怒られますけれども、全盛までいきませんが、の中で、改めて郵貯簡保の存在意義をひとつお聞かせ願えませんですかね。     〔佐田委員長代理退席、委員長着席〕
  171. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 郵便貯金でございますけれども、国営、非営利の個人専門の貯蓄機関といたしまして国民のニーズに応じた個人金融サービスを提供すること、それから簡易保険につきましては、保険・年金サービスの提供を通じまして「国民の経済生活の安定」を図るということ、そしてそれによって「福祉を増進する」ということを使命にしておりまして、これらは法律によって我々に与えられた使命でございます。そして、現に郵貯簡保も国民に最も身近な金融機関として広く利用されておりまして、国民生活のお役に立っていると考えております。  で、近時、金融自由化の時代を迎えておるわけでございますけれども、その自由化の中でこれから民間の金融機関がどのような活性化を果たしていかれるかということが一つの大きなかぎでございますけれども、そういうことが実現いたしましても、同時にまた、その中でいわゆる形となる部分ということが生じてくることも考えられるわけでございまして、私どもは、そういった点のカバーもあわせて、それぞれの立場に基づいて、この自由化の中で民間と切磋琢磨しながら、利用者の利便第一ということでその役割を果たしていくべきだと考えております。
  172. 河村たかし

    ○河村(た)委員 いろいろおっしゃっていただきましたけれども、一応公共目的も当然あるよと。まああまねくという話もありますわね。  で、そういうふうになりますと、本当に庶民からのというか、大きな金を集めておるんですから、やはり経済を活性化してほしいというのが本則だと思うんですよね、これ。先ほども言いましたように、郵貯簡保がやはり今一番大事なのは、とにかく金を回すということですよね、今一番大事なのは。お金は回さぬことにはいかぬと。水洗便所の水と同じで、やはり流さぬことには次が入らぬということになりますので、ちょっと表現が悪かったですが、そういうことの先駆け的な役割を果たしていくというメッセージが——先駆けはまずかったかな。そういう意思は一切ありません。だから、そういう先駆者的、先駆者というのはおかしいですけれども、こういうときにこそ、公共政策があるんだったら——何か伝わってこぬのですよね。ほかの銀行と同じじゃないかという感じなんです。  財政投融資の話が出てきますけれども、どうももっとメッセージをはっきり出してもらえないかということで、郵政省としては、大蔵省資金運用部にお金を渡されるときに何も言えぬのですか。普通の実社会でしたら、金を包括的に預託するときにも、こういうように使ってちょうだいよということを一応言いますわね、これ。例えば郵政省でしたら、この間うち法案にも出ておりますけれども、例えば担保のないような情報通信関係のソフトをやっておるような会社へとか、そういうようなベンチャー資金、そういうようなものにも積極的に使ってもらうような運用を今こそしてほしいと。そういうお願いというのは何もできずにテーブルに行かれて、今大蔵省の方も来てみえますけれども、目の前にお見合い状況で座って、どうぞと、でさようならと、こういうことなのかどうか。ちょっとその辺の行政の実情をお聞かせ願えませんでしょうかね。
  173. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 先ほど私の御答弁の中で、郵貯簡保の役割といたしまして、御指摘の、公的な資金として公共的な分野に活用されているということを漏らしましたのは申しわけございません。  で、そのことでございますが、郵貯につきましては全額「資金運用部に預託しなければならない。」ということになっておりまして、財投の主要な原資になっております。一方、個々の財投機関に対してどのような条件でどれだけの柄を運用するかということにつきましては、大蔵省が政府部内では担当するという役割になっておるわけでございます。  ただ、資金の預託者であります郵政省は、この資金を国民の皆様から信託を受けてお預かりしておるわけでございますから、その使途について、当然国民の皆様も、できれば公共的なものにこの資金が活用されるということを望んでおられるわけでございますから、関心を持っていくべきだと考えておるわけでございます。  個々の運用ということではございませんけれども、例えばこの資金運用部の中から、私ども郵政大臣の自主運用という自由化対策資金というものがまた借り出されているわけでございますけれども、この運用につきましては、地方への直接還元といったような形で公共的な分野にもこれを積極的に活用していきたいという要求を予算として出してきておりますけれども、残念ながら、現在のところまだ実現するには至っておりません。今後とも、十分この点についても関心を持っていきたいと考えております。
  174. 河村たかし

    ○河村(た)委員 そこのところをちょっと大蔵省さんに。実際のテーブルは、今言ったように、預けて、それではいどうぞと、ありがとうと、さようならと、こういうふうなのか。一つの行政のいわゆる権限の分配論があると思いますけれども、そこら辺は非常にやはりかたく運用しないかぬものかどうか。郵貯を応援しようとすれば、やはり何らかのメッセージが伝わってこないと、民業圧迫論が勝っちゃうんですよね、これは。だから、そこら辺のところから大蔵省さんどうですか、これは。
  175. 寺澤辰麿

    ○寺澤説明員 お答え申し上げます。  財政投融資につきましては、その原資が、先ほど指摘のように郵便貯金も大きな原資でございます。  これらは、年金の保険料にいたしましても、国の制度、信用に基づいて集められた公的な資金であるということから、資金運用資金法の規定で、「確実且つ有利な方法運用する」ということと「公共の利益の増進に寄与せしめること」と、いわゆる償還確実性と公共性の確保を基本理念として運用するということになっているわけでございますが、その具体的運用に当たりましては、財政投融資ということで、財政と一体となって資源配分なり景気調整機能を的確に果たせるように、毎年度の予算編成におきまして配分を決め、それを予算書の中で具体的に各機関ごとの配分額を計上いたしまして、国会の議決を経てやるということでございます。  それで、その具体的な使途につきましては、最近におきましては住宅それから生活環境整備、厚生福祉、こういうものに重点的に充てられておりまして、使途別でいいますと、この住宅と生活環境整備、厚生福祉で五五%程度を割いているということでございます。
  176. 河村たかし

    ○河村(た)委員 まあそれは、伝統的な、ただ教科書を読んだだけの話でございますけれども郵政省として、大臣として、そういうメッセージでいいのか。今のような運用、住宅金融公庫だ、中小金だ、国民金融公庫だ、そういう話の中でそれは運用されておると思いますけれども、それは今まで伝統的には非常に役割を果たしてきたと思いますよ。だけれども、ここへ来でこれだけ金が動かないで非常に苦しんでおるときに、今までと同じシステムで、教科書的な答弁を繰り返されるだけでは、それでやはり郵政省の使命というか、せっかく郵便局の方がみんな必死になって預金を集められておるのに、もっと郵便貯金は生き生きとして使われておるぞというようなメッセージは出すおつもりはあるのかないのか、現状の制度でいいと思われておるのか、ちょっとお聞かせ願えますか。
  177. 大出俊

    ○大出国務大臣 これは、最近私は予算を離れていますから調べておりませんけれども日本というのは、当時私が調べた数字で一千兆ぐらいの貯蓄性資産を国民が持っている。そのうちのおおむね半分、五〇%ぐらいが金融機関に入っていますね、日本の場合は。ところが、アメリカなんかを見ると、おおむね二割ですね、金融機関に入っていくのが。あとは証券市場その他に直接出ていってしまう。そこにSECみたいな投資家を保護するきちっとしたシステムができているという理由があるのですね。  それだけに、不況ということになると、ある機関みたいに、とんでもないところが純金風呂にまで金を貸したなんという騒ぎが出てきて、資金運用のしようがなくなってしまうのですね。今の生命保険会社はみんなそうですよ、片っ端おかしくなっているというのは。バブルのときにいろいろ運用してきて、例えば、とことこ共済組合には〇・一%利子を乗せますとかなんとかということで集めて運用してきたのが、バブル崩壊をすると運用しょうがないのですね、どんどん下がってしまって。そういうのが現状ですよね。つまり、神話論が出てきた土地も動かない、株もこういう状態だということですから。  すると、そういう中で、今のお話でいくとすれば、このシステムを全部変えなければいかぬのですよ。つまり、どこか投資先を考えて、景気浮揚も含めて、国民の金なんだから、郵便局で集めて苦労した金なんだから、どこかに目に見える投資ができないかということになると、これを見てもはっきりしているのですが、この財投というのは厚生年金で九十七兆ですよ。わずか九十七兆しかないのです、厚生年金資金が。そして、国民年金で八兆円ですよ。その他三十三兆。その他の三十三兆というのは、労働保険資金だとか外為の資金だとか、共済組合の資金だとか自動車損害賠償再保険制度等の資金だとかいうものを入れて、これがその他で三十三兆円ですね。あとは全部、さっき申し上げた貯金保険の金百七十七兆円というわけですね。  それで、まあ昔からも、さっき河村さんは制度を言っただけだと言うのだけれども、それは今の経済指標を見ればわかるように、いまだに景気を引っ張っている中心というのは住宅ですよ。レンタルと個人とありますけれどもね。ここに去年は八兆九千億、ことしは十兆円を超えているわけですね。なぜかというと、住宅中心、国の政策的に住宅にいったら、おととしなんというのは、本当ならもう五月には全部箇所づけが終わっているのに、七月まで待ってくれ、資金が足りない、申し込みが殺到してしまって。そういう状況ですから、そこに重点的に十兆六千億をことし出しているわけですね。これがなかったら住宅政策は動かないわけですから、まさに景気の牽引車である住宅の基礎というのは財投だということになる。  それから中小企業の方も、中小企業金融公庫は二兆四千億のものをふやして、ことしは二兆五千億を超えている。これなんかも非常に大きなファクターでございますし、それから道路公団も、一兆四千億ぐらいで来たのですけれども、一兆九千億になっていますし、いろいろ関西のこともありますから。開発銀行もおおむね二兆円ぐらいいっているわけですからね。だから、そういうのをずっと調べていきますと、地方公共団体にも七・二兆財投を組んでいるのですから。七十兆の年度予算の中で四十八兆片っ方に財投があるわけですからね。  このウエートを考えますと、目に見えないのじゃなくて見え過ぎるぐらい、実は財投資金というものが果たしている大きな役割といいますか、だから、御説の点はわかるのだけれども、そうだとすれば財投そのものを根本的にどう考え直していくかということになっていくと思うのですが、その財投は何とかしなければという御意見は今度の予算委員会でも何人も出てくるけれども、ではどうすればというのは一つもないというのが、そこに中心的なポイントがあると思っているのです、おっしゃっていることはよくわかっているのですけれども
  178. 河村たかし

    ○河村(た)委員 私も、では財投のシステムそのものをやめてどうしようとか、財政学のスペシャリストでありませんので、そこまではなかなか難しいのですけれども、少なくとも本当に郵貯を仮に応援しようとすれば、もうちょっと、今までの伝統的な説明だけじゃなくて、例えば、ばかみたいなことですけれども大蔵省に対してこうこう申し入れたとか、もっと金を動くようにしよう、今でも教科書的にも動いておるのですよね、そういうようなメッセージを何か出してみるという工夫がないと、いたずらに防戦一方でして、民業圧迫論でありましても、圧迫というのは、本来は苦しみ虐げられておる者が圧迫というはずで、銀行さんは給料もええですし、一等地に住んでおりますし、もう四十にもなれば年収一千万もあるということで、それに比べると郵便局さんは薄給の中で頑張っておられるということだと思いますね。  僕もそう圧迫論にくみするものではないですけれども、少なくともどうも、もっと金を具体的に動かしていくために、伝統的な財投の理論じゃなくて、まあ理論でもいいのだけれども、その中でこう頑張っておるんだよというメッセージが一向に伝わってこない、そこら辺をちょっと思いますものですから、もしいい方法がありましたら出していただいて、大蔵省に遠慮せぬでもええですから、どんどんぶつけていただくということがええのじゃないかな、そんなふうに思います。  それから最後に、郵便局が集めたお金を、財投の先、そこでの赤字に一般会計を使ったりということで、大蔵省は盛んに赤字国債性悪説を言いまして、何か一円でも赤字国債を出すと世の中が突然ぶっつぶれるようなことを言いますけれども、そこは割とミックスして実際運用をされておるということなので、非常に税金というのはかたくやって、それからもう一つの有償資金であるこちらの貯金の方は緩やかにやって、実際は非常にうまくバランスがとれて運用しておるのか。それとも、赤字国債性悪説は大蔵省の美学としてがんがんに言っておいて、しかし、隠れみのとして、それを柔軟に埋め合わせていくために財投というようなシステムを使おうとしておるのかどうか。  その辺のところはちょっと僕もわかりにくいのですけれども、有償資金と無償資金運用の仕方、そこらはひとつ大蔵省さんと、それから郵政省郵政省で、本来は違う性質の資金なんだけれども、割とそれはミックスして使えばいいじゃないのかと思ってみえるのか、そこら辺をお聞かせ願えませんかね。
  179. 寺澤辰麿

    ○寺澤説明員 お答え申し上げます。  先生指摘の、財投を赤字のために使っているという意味が、ちょっと私誤解をしてお答えするかもしれませんけれども、私どもはそういうふうには考えておりません。(河村(た)委員「財投の赤字に一般会計を使っているという」と呼ぶ)わかりました。  財政投融資というのは、有償資金で財政政策を遂行するということでございますが、財投の赤字とおっしゃいますのは、例えば道路公団に赤字が出るということの分を有償資金でつないでいるのではないか、こういう御指摘で……(河村(た)委員「金利の逆ざやのことです」と呼ぶ)そうでございますね。  そういうことであれば、私どもは、それは赤字ではなくて政策コストである。つまり、財投の金利では償還ができないような道路を新たに建設する場合には、その道路について、一般会計から一定の利子補給をしてコストを下げた上で道路を建設することを認めるということになるわけでございまして、一般会計の無償資金と財投の有償資金が組み合わされて道路ができる。採算性の悪い道路もそういう形で着工され建設されているということでございます。  まさにそれは政策のコスト。まあ東名高速道路であれば全然問題ないわけですけれども、いわゆる横断道とか言われております、縦貫道ではない、背骨から横に出る肋骨のような道路がありますけれども、こういうのは収支採算性がよくない。そういうものについて、一般会計の無償資金と有償資金を組み合わせて建設をする。そのことによって高速道路網が早く整備され、かつ、有償資金でございますから、利用者から料金をいただくということで、租税負担率の引き上げが回避されるというメリットがあるというふうに考えております。
  180. 河村たかし

    ○河村(た)委員 あと郵政省に、そういうようなミックスして使うような感覚でも、それはいいのかどうか。本来有償資金というのは、金がもうかるものに使わなければいかぬ、投資ですから。まあ税金は違うのですけれども。それはそれでうまいこといっておるじゃないかという感覚なのかどうかをひとつお聞かせ願いたい。最後でございます。
  181. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 先ほど来大変叱咤激励をいただいておるわけでございますけれども、一般的な財投の仕組みということにつきましては、私どもも、今大蔵省から御説明のあったことのように承知をしております。  その具体的な運用につきましては、個々の政策分野のあり方ということにも絡むものと思いますので、私といたしましては答弁は差し控えさせていただければと思います。
  182. 河村たかし

    ○河村(た)委員 終わります。どうもありがとうございました。
  183. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、矢島恒夫君。
  184. 矢島恒夫

    ○矢島委員 郵便振替法の一部改正案については、国税やあるいは電波料を納付する納税者やあるいは免許人の利便、こういうものでありますから、私たちとしても賛成であります。しかし、郵便貯金法改正案と簡易生命保険積立金運用に関する法律改正案については、いろいろ問題があると考えておりますので、その点についてお聞きしたいと思います。  先ほどから、外国債については為替差損による評価損、これについてのいろいろと質問がございました。それについておおよその六年度末の金額が示されました。しかし、国債だとか地方債だとかあるいは金融債などなど、国内債についても評価損はあるのではないかと思うのです。  そこで、金融自由化対策資金簡保資金、それから簡保事業団の指定単、それぞれについて、現時点で全体としては評価損がどのくらいあるか、お答えいただきたいと思います。
  185. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 今例に出ました国債ですとか金融債ですとか、そういうものに対する運用の結果出ました評価損というものにつきましては、私ども計算をいたしておりません。私どもは、年間を通じましてのトータルの運用利回りという形で、トータル判断で理解をしているということでございます。  指定単につきましても、まず指定単運用が非常に長期的な視点から行っているということ、あるいは指定単を受託しております信託銀行の、公表することによって運用影響を与える可能性があるということ、ひいては金融市場全体にも影響を及ぼすというおそれがございますので、その辺を勘案いたしまして、公表を差し控えさせていただいておるわけでございます。  なお、この関係で申しますと、民間生保におきましても、金銭の信託という総くくりで残高を公表するにとどまっておりまして、いわゆる時価といいますか、含みを計算した公表は行っていないところでございます。
  186. 矢島恒夫

    ○矢島委員 お答えいただけませんので、その全体像というものがはっきりとしないという点、非常に困るわけなんですが、郵政省は評価損が増大しているのを国民に知られるのを恐れているなんということを書いている新聞もございました。評価損を明らかにすることで、国民の財産の運用についてのいろいろな議論が進んでいくのだろうと思うのです。そういう面では、これを明らかにするということ、これが非常に必要なことだと私は思うわけです。  しかし、これ以上この問題で論議いたしましても進みませんので、次に移ります。  外国債為替差損を生じたのは、きのう、きょうの話ではないわけです。少なくとも昭和六十年来毎年、差損というものを生じているわけです。円高は十年来続いているわけで、そういう中で外債をふやし続けてきたということ、先ほどからこの問題についても質問が当委員会でございました。今日の状況を深刻であると思うという局長の答弁もありましたし、円建て外債で慎重にやっていくという答弁もありました。平成六年度末で差損は、金融自由化対策資金で一千億円の増加、それから簡保の方は五年度末をやや下回るとも答弁されました。  しかし、六年度末のレートは八十六円台、さらにこの円高は今日進んでおりますし、八十六円台に戻ることは期待できない、こういうことも言われております。こうした中で外国債への運用をふやしていくということ、このことは、資金運用についての三原則である安全、確実、有利にも反することではないかと思います。  大臣も先ほど、この問題では極力外国債を減らすことだ、こういうお答えをされていました。そこにこそメスを入れるべきではないかと私も思います。外国債を買うのをやめたらどうかと思うのですが、いかがですか。
  187. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 外国債運用の理由、目的につきましては、ほかの御質問お答えをいたしております。そういう意味はまだ依然としてあるわけでございます。多少高い利子収入という部分については減ってきている、こういうことを申し上げた次第でございます。  ただ、メリットがある以上、ポートフォリオ上一定の役割というものはやはり依然としてあるということでございまして、どの程度積極的に買い増しをしていくかという点になりますと、これは時の状況に応じていろいろな判断があろうかと思いますが、現段階では、先ほど来申し上げておりますように、非常に慎重に、特に外貨債には慎重に、円建て債を購入するように、こういうスタンスで臨んでいるところでございます。
  188. 矢島恒夫

    ○矢島委員 そういうお答え先ほど来お聞きしているわけですけれども、実際に実現損にならないという保証もないし、また、国民の不安を本当にそれでぬぐえるかというと、依然として国民は不安を持っているわけです。ですから、やはりこの際、この資金運用について根本的に検討すべきだと私は思うわけです。  そこで、外国債については、今回提案されているようなリスクヘッジの手法を使えば今後為替差損は生じないというわけですが、今日のような予想を超える急激な円高のもとで必ず成功するのかという不安もあるわけですが、その保証があるのかどうか。  それから、先ほど質問がありましたが、今回の法改正について、外為市場では、局面によっては円高要因になると見る向きもある。簡保郵貯の売買が市場でうわさになるのを避けるために、この為替予約証券会社、これを経由して間接的に発注するというわけですけれども、日経新聞などでは、多数の証券会社に注文を分散するとかえって情報が漏れやすいのではないかとか、あるいは円相場の不透明要因がふえるという声もあるわけです。このような声に郵政省、ひとつ、自信を持って答えられるかどうか。この点について。
  189. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 まず第一点の、今回の先物外国為替が将来のリスクヘッジの手法として万全かというお尋ねでございます。  この、万全かというお答えになりますと、今度は論理の世界の話になってまいりますので大変お答えの仕方が難しいのでありますが、ただ私どもは、現実にこの仕組みの導入を御承認いただいた場合に、先ほど来申し上げておりますように、為替の市場への影響でありますとか、あるいは結果として私どもの利益がふえるように、あるいは損失が軽減できるように、こういう趣旨に沿った慎重な運用をやっていきたい、このように考えているところでございます。そういう面からいきまして、今回の先物外国為替の手段と申しますのはヘッジの手段として有効に働いてくれるものというふうに考えているところでございます。  それからもう一点、円高要因になるというところから証券会社経由でというお話でございました。  新聞記事、たしか私も、たくさんの証券会社委託をすることによってむしろ情報が漏れるという話がございましたけれども、この辺は、実はそうではないらしいというのが私の方で調べたところでございまして、むしろ外国為替の市場関係者、これは外為銀行でございますが、外為銀行の間では非常に情報流通が活発だというふうに聞いております。  ただ、証券会社を経由といいましょうか、委託をして、郵政省という名前を出さないで証券会社の名前で取引をしていただく、こういう約定のもとにありますので、もしそれが、約定を守らない場合というのはこれはまたちょっと別の次元の話ではございますけれども証券会社を通すことによって直接的な大きな影響というものは避けられるだろう、このように考えております。
  190. 矢島恒夫

    ○矢島委員 いろいろと不安定材料というものも残していることは事実だろうと思います。私どもは、それができればそれでよいというわけではございません。そのことを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。  外債運用によって多額の為替差損を抱えている、株式市場の低迷の方で指定単運用もうまくいっていない、そういう簡保やあるいは郵貯資金、この運用がうまくいっていないことが簡保郵貯の経営に重大な支障を来しているのではないか。  こういうことに対して、今まで郵政省は、そんなことはないと否定してこられました。郵政の現場の方では、運用がうまくいかないから保険貯金をもっと集めろというしりたたきが行われておりまして、その実態は大変驚くべきものなのです。  簡保の方の例ですけれども、東京郵政局が昨年十月に、簡保東京パワーアップ推進本部、こういうものをつくりました。それで東京郵政局長が本部長に座っております。  それから、ことし一月に東京郵政局が出した、こういうパンフレットがあるわけです。「全員営業でジャンプアップ! 簡保東京」、こういう表紙です。部内資料というのですが、これが保険関係の職員に配付されております。  この中ではこういうことが書かれているわけです。第一に「簡易保険事業を支えるのは皆さん一人ひとりです。」こういう中見出しがあって、一として「簡保事業の収入のほとんどが「保険料収入」と「運用収入」です。厳しい運用環境の中で運用収入の確保に努力していますが、低金利が長期化するなど大変厳しい状況にあります。」二として「国営の事業の使命として、広く国民に保険サービスを提供する義務があります。」この二つのことから結論として、「皆さん一人ひとりが活発な訪問活動を展開し、簡易保険を普及させよう。」こういう結論になっているわけです。  要するに、簡保の収入は運用保険料だけれども運用の方は大変厳しいから、保険料収入をもっと上げるためにもっと加入させよう、こういう論理になっているわけですね。そしてその最後には「今こそ正念場 それぞれの職場で総力をあげて目標を達成させよう。」こういうようなパンフであるわけです。  そこで、その目標というのはどういうものだろうかということを調べてみました。今年度、東京郵政局では、自局一人平均目標額以上の実績確保が基準にされています。個人目標として、保険については四百八十六万円以上、それから年金については六十七万円以上、こうされているわけです。  これは、過去と比べてみましても、バブル時に掲げた目標と変わらないわけなんですね。しかし、昨年四十六年ぶりという保険料の大幅値上げが実施されました。運用の方では低金利時代で厳しいなどいろいろと言いわけがあるわけですけれども、職員の保険目標というのは経済状況が変化しても、例えば値上げによる厳しい募集環境、こういうことについても触れられていないのですね。そういうことが無視されて高い目標が押しつけられている、こういう現状にあるわけです。  運用は厳しいから保険料収入を上げろ、こうして、保険料の値上げたとかバブルの崩壊などのいわゆる募集にとっての困難さは、考慮に入れないところか無視している。そして高い目標をそれぞれに押しつけてきている。こういう経営姿勢になっているのではないかと思うのですが、そうですか。
  191. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 いろいろな御指摘があったと思います。  前段の方の、運用収入と保険料収入の二つから成り立っている、運用収入の方が余り思ったようにいかないので保険料収入を大いに確保しろという言い方から、目標を達成しようという言い方になっている、こういう点でございますが、これは、私はむしろ当然のことであろうというふうに思います。  御承知のような経済状況の中で、運用収入は確かに確保が難しい事情になってきておりますので、お客様に安定的な配当を行う、そのためには安定的な剰余金を毎年度出していかなければならないわけでございまして、そうなりますと、支出の方の節約と申しましょうか、それはもちろん努力するにいたしましても、収入もやはり安定的に確保していかなければならない。そうなりますと、運用収入が余り思ったようにふえない部分については保険料収入の方を上げる努力が必要だ、これは経営上当然のことであろうというふうに思っております。  したがいまして、それを、全体の目標から郵政局の目標なりあるいは郵便局の目標なりという形でやっていきますと、最終的にはやはりそれぞれの郵便局が頑張って、自分たちの果たすべき役割として一定の数値としての目標があるわけでございますので、これを達成する努力をしようというのは当然あってしかるべき、やらなければいかぬことだというふうに私は考えます。  それから、目標の数値の四百八十六万円以上とか六十七万円以上とかいうお話がございました。これについて、昨年の四月の保険料改定であるとか、あるいは最近の経済状況等を考えていないのではないか、こういう御指摘かと思いますが、これにつきましては、実はそういうことはございません。  まず基本的には、トータルの、簡保事業全体の目標というものがございます。そして、それを各郵政局、郵便局、分担をするといいましょうか、それぞれの目標に分割をしていくわけでございます。根っこの、保険事業全体として例えば平成七年度幾らの営業努力を達成すべきなのかという数値を考える場合には、非常に大きなウエートで、最近の経済状況でありますとか、あるいは保険料の改定後の新契約の状況等を考えて設定をいたしております。  したがって、個々の職員の目標ということを考える場合に、そこの町の経済状況がどうだとか、そういうようなことは当然入ってまいりませんけれども、根っこの数字、全体の目標を考える際にまずそういう考慮を十分にいたしておりますので、結果的に職員レベルでの目標を考える際にもそういう部分は全部入っている、こういう数字を基本にして個人目標が決められる、こういう仕組みでございます。
  192. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私が言いたいのは、運用での失敗というものを、今度は、それが失敗しているのだからひとつしりたたきをして保険料をどんどん集めるのだという趣旨で書かれているこの内容、今局長の答弁の内容からいえば、ごもっともだ、こうなる部分もあるのですが、実態はそうなっていない。こういうのも、読みますと、上で失敗したからおまえたち今度はどんどん集めてくるんだ、こういう解釈になるような一つのパンフなのです。  しかも、この目標というのは、そういうふうに全体的には設定するのだろうと思いますよ、それが個々の場所へ行くと、いろいろな形に現場ではなるのです。つまり、四百八十六万円あるいは六十七万円という額は、個人目標で出るのだけれども、それを実際に遂行するに当たって大変な実態があるのです。  例えば、現場では事細かなチェックが行われるわけです。課長あるいは上席課長代理、課長代理、それから総務主任、それぞれの役職に応じてマニュアルのチェックシートというのが配られるわけです。  これは外務総務主任のチェックシートですけれども、これによりますと全部で五十二項目のチェックポイントがあるわけです。それぞれについて、できていない理由は何か、今後の取り組みはどうするのか、記入する欄があるのです。  その中の一つにこういう項目もあるわけなのです。「自局の一人平均目標額を下回る自主目標を設定した班員と対話し、再度見直しをさせているか」こういう項目もあるのですね。これによりますと、平均目標より下回る目標を出せば個別にチェックされるわけです。それで、これを直させるわけです。すると、算術的に考えましても平均目標よりも上を設定しろというのでしょう。すると今度はいわゆる平均値は上がるわけです。どんどんどんどんこれは青天井だ、簡単に考えてもそういう実態が現場にはあるわけですね。  現場では何人かの好実績者という人がいるわけです、たくさん集める人ですね。多くの場合は、法人で社員を丸ごと簡保に入れるなどというお得意を持っている人ですが、こういう好実績の人がいますから平均値は上がりますので、そこで平均以下の職員というのが大体六割から七割になる、こう言われているわけです。それを、あなたは平均より低いから見直せという指導をしなさい、こういうマニュアルのチェックシートができ上がっているわけなんです。そうすると自主目標は限りなく上がっていく、これが現場の自主目標の実態だ。  しかも、職員を成績で三種類に分類する。第一分位、第二分位、第三分位とあって、名前を記入して、そして表を作成して競争と。成績上位者には、募集手当以外にも料額賞とか件数賞、スタートダッシュ賞、個人目標達成賞とか、いろいろな名目の賞品が出るわけであります。  ところが一方、成績が低い職員には低実績者というレッテルが張りつけられる。そして、第三分位の職員に対してはリフレッシュ研修、こういうことで低実績に安住する人を許さない、こういう教育が行われるわけです。実際に「低実績に安住する職員を許さない職場づくり」という項目がその中に書かれているわけです。  これとあわせて、人事交流という名目での配置転換、現場ではこういうものもちらつかされているわけです。これは教育の名をかりた恫喝のようなものだと思うのですよ。東京郵政局では保険職員が二千五百人いるわけです。そのうち千五百人、約六割、これを今後五年間で配転することが人事交流という名において一つのおどかしの材料に使われている。  実際、ことし三月末には百二十六人の配転が行われたと思います。保険の外務員にとって、自分が今度知らない地域に回りますと、やはり地域とのつながりがありませんからなかなか成績は上がらない、これは確かにそういうことが言えるわけです。地域に密着した事業運営が郵政省の看板であるわけですから、したがって、この人事交流の対象にするところの、安住は許さないというのは、もっと成績を悪くするぞというおどしじゃないかと思うのです。  大体、六割もの職員を配転の対象にするということは異常であると思います。大混乱するだろう。この六割というのは、額にしましたらちょうど平均以下の人たちと対応するわけですね。実際にこんなことをやるつもりなのかどうか、お答えいただきたい。
  193. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 今いろいろと東京管内の取り組みのお話がございました。東京郵政局管内、なかなかよくやっているなという感じを持ってお聞きをしたところでございます。  基本的に、保険の募集というのは職員の意欲いかんという部分が大変大きなものでございます。したがいまして、郵便局におきましては職員別の目標を定めて取り組むことにいたしておりまして、これは職員の意欲喚起という面からは非常に望ましい策だというふうに考えております。なお、この自主目標の設定に当たりましては職員と管理者の間で何回も対話を行います。個人の能力でありますとか、あるいは過去の実績などをいろいろ考えまして、最終的に職員が意欲を持って取り組めるような目標を設定してもらう、こういう取り組みをしているわけでございます。それは結局、例えば先ほど平均目標よりも上回らなきゃいかぬというようなお話がございましたけれ ども、職員として働く以上はやはり平均以上を目指していただくのはいわば当然のことであろうというふうに思いますので、私は、そういう今の面からは決しておかしな話ではないというふうに感じたところでございます。  それから、人事交流のお話でございますが、おっしゃるとおり、ことしの三月に全体で百二十八名の職員を郵便局を異にして、しかし保険外務職員同士の人事交流を行いました。そしてまた、局を異にしてと申し上げましたが、これは普通局単位のブロック、東京で申しますとさらに東京都内を十幾つかに分けたような、そういうブロックがございますが、そのブロック内の郵便局同士で配置転換を行ったというふうに聞いております。  したがって、先生がおっしゃいましたように、知らないところへ行って成績も上がらなくなるんじゃないか、こういう御懸念は、全く違う県へ行くというような形と比べますと全然違う状況じゃないかな。もともとブロック内ということでございますので、行った先の局の職員とも当然知り合いもいると思います。そういう面から、今回の東京の人事交流と申しますのは、例えば職場環境を変えたり、あるいは市場環境を変えることによってその職員の能力の向上がさらに期待できる職員、そういう方を選定をしてこの人事交流の対象に考えたということでございますので、これはやはり能力向上の一環として非常に有用な策ではないかというふうに思っている次第でございます。  なお、千五百人というお話ございましたが、これは先生もおっしゃるように、全体二千五百の中の千五百を一発とかあるいは三年、五年でということは、これはちょっと常識的にはあり得ない話であろうというふうに私思います。そういう話は一切聞いておりません。
  194. 矢島恒夫

    ○矢島委員 各職場の管理職やあるいはこれは全逓の多摩地区地本の資料ですけれども、人事交流についてというところには、対象者千四百人ほどというのが出てます。つまり、現場ではそういうことが盛んに言われているという事実があるんですが、今局長おっしゃられましたように、千五百人もやったら大変だ、そういうことはないということで確認させてよろしいですね。
  195. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 三年とか五年とかいう短期の間にそれだけの者をがらっと動かすということはあり得ない話だというふうに私考えております。
  196. 矢島恒夫

    ○矢島委員 いろいろと局長言われましたが、実際問題として現場では成績がなかなか上がらない職員もいるわけです。この安住を許すなと言われて、五十代前半で退職勧奨が行われたとか、それから東京のある郵便局では、二十五年間勤続した四十八歳の職員がこれ以上はできないとして退職した、こういう話もあるし、それから、実際にある郵便局で「平成七年度簡易保険販売推進計画」という表をつくったわけですが、その表を読みますと、一年間二百四十六日働くことになっているんですよ。そうすると、三百六十五日から土曜と日曜と祝日を引きますと、ちょうどこの数になるんです。つまり、二百四十六日ということは、年休も有給休暇もとれないという状況の当てはめが各月ごとに、それから上旬、中旬、下旬とこの三つに分かれてつくられているんです。  時間がなくなりましたので、そういう実態もあるということだけ申し上げて、簡易保険の職員は民間の生保と比べてかなり頑張っていると私は思うんですよ。というのは、事業費を収入保険料で割ったいわゆる事業費率というのを見ますと、一九八三年の一〇・二%から一九九三年では五・一五%と、十年間で半分近くまで落ちでいるんですね。これは民間生保のおおよそ半分以下なんですね。つまり、事業費というのは、もちろん営業費を除いた保険事業の運営費あるいは職員の給与や手当などの人件費とか被服費とか、あるいは周知宣伝などの物件費だろうと思うんですけれども、つまりそれだけ事業として金をかけずに保険収入が上がってきているというのがこの数字にあらわれていると思うんですね。ですから、簡保職員は民間の生命保険会社より安上がりに、しかも保険料収入を上げている、数字だけでいきますと二倍以上の効率。  そこで最後に大臣にお聞きしたいんですが、現在の職員は奮闘していると思うんです。これを、先ほど詳しいことは省きましたが、年次有給休暇も計算に入れないような販売促進計画、こういうのが出されてくるあるいは配転ということも言われる。現場の職員にしたら、本当の意味での簡保事業に対する確信というものを失いかねないんですね。ですから、無理した目標の追求だとかあるいは違法の保険勧誘も懸念されているんですね。  先ほど郵政局の文書で、郵政局長がこんなことを書いているんですね。「簡易保険に携わる職員の皆さんへ」という檄文があるんですが、「永年にわたり培ってきたお客さまの信頼を裏切り、簡易保険事業のみならず郵政事業全体のイメージを損なう保険関係犯罪も発生しています。」こういう文章も中に入っているんです。つまり、乱暴で一律な目標へのしりたたきではなくて、簡保事業への確信と誇り、こういうものを育てる方向で職員のやる気を引き出す必要があるんじゃないか。特に、民間生保に比べても成績を上げている現場の職員にとって、保険料の値上げや勧誘の難しさ、こういうものを棚上げして、運用は厳しいからだから保険をとってこい、こういうのはやる気を起こさないんじゃないかと思うんですが、最後に。
  197. 大出俊

    ○大出国務大臣 矢島さんのお話を聞いていまして、私がその実態を見ておりませんから。ただしかし、少しお話が極端な気がして聞いていましたがね。  というのは、私は保険の専門家でございまして、保険募集を私自身が長年やってきて、優績者でもございまして、しかも、あわせて威勢のいい時代の、今余り威勢がよくなくなったようですけれども、威勢のいい時代の全逓の京浜工業地帯の中心である横浜の鶴見郵便局の私は支部長をやってて、保険の外務の主任でございましたからね。  保険というのは、募集したことのない人にどうだこうだ言われてみても、実際にはわからないんですよ。保険の外務に長年いるという人は募集というものをよくわかってて、やろうと思ってやっているんですからね。集金やっている人は、奥さん割り当てがこう来るから来月入ってよという話から始まって、貸し付けやっている人は、貸し付けのときに条件づけて奥さんということでやっているわけですからね。そういうのを持ってない当時の監視員というのは、飛び込みですから、飛び込みといったらどの辺がいいかを考えてやっているわけですから、そういうところは、中には幾らどういうふうに苦労しても保険の募集に合わない人はどうにも合わないんだ、これは。だから、中にはほかにかえてくれってかわっていく人も局の中であるんですからね。だから、そういうところが頭に一つないと、視点が。  それで、おっしゃる計算のもうかる、もうからぬというのは死差益、費差益、利差益という三差益で成り立っていましてね、これは。経費というのは上がってくるんですから、最近の人件費が上がれば。だから、今お話の中にあった、ちょっと私は気になるところがあるんですが、こうなんじゃないかなと、時間ないから申し上げませんけれども。だから、死差益が出過ぎて、死なないから死差益が出過ぎて、やたら死差益だけ出ちゃって、民保も片っ端、大きな黒字になっていた時期があるんですよ。この時期に簡易保険も千葉の浦安にカーサ・デ・かんぽをつくった、非常にあれば民間に比べれば極めて安い形で入れる、一生入っている立派なものですが、死差益があれだけ出ているから、あのときには。そういう事情もありまして、一概に言えない。  一番大事なことは、あくまでも皆さんに職場で、これから募集をやる、割り当てがあってもいいんだけれども、募集をやる皆さんにとことんまで納得してもらう、この必要があるということですよ。皆さんが納得して、よしじゃ主任、あんなどのぐらいやってくれるかというような話になって、このぐらい引き受けようと、じゃ私はこのぐらいやりますよというようなぐあいになって、トータルでおおむねこのぐらい募集実績を上げればこの局の責任が果たせるんだなという数字があるんだから、そうなると、それじゃやろうと、こういうことにならなければ実績上がらないんで、ですから、職場の中でけったたきだなんというふうに思わせるようなことをやっていたら、これは実績が上がらない。  あくまでも、だから納得をし合ってやれる形をつくるということが私は一番大事だと思っておりまして、ですから、激しい時代の全逓の支部長をやってて自分で保険の主任で募集やってて成り立ったわけでございまして、ですから、実態知りませんけれども、要するに、あくまでも御当人たちに納得をいただいて、事業の状態も運用の状態も納得をいただいて、やる気でやっていただくということにするのが一番いいんじゃないか。それで、労働条件の問題についてはきちっとやっぱり気をつけて、気配りを持ってやっていくということが必要だろうと思っておりますが、それだけ申し上げておきます。
  198. 矢島恒夫

    ○矢島委員 終わります。
  199. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  200. 自見庄三郎

    ○自見委員長 郵便貯金法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案に対し、日本共産党から討論の申し出がありましたが、先刻の理事会で協議の結果、御遠慮を願うことになりましたので、御了承を願います。  郵便振替法の一部を改正する法律案に対する討論の申し出はありませんので、これより各案について順次採決に入ります。  まず、郵便振替法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  201. 自見庄三郎

    ○自見委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  202. 自見庄三郎

    ○自見委員長 ただいま議決いたしました郵便振替法の一部を改正する法律案に対し、虎島和夫君外三名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。河村たかし君。
  203. 河村たかし

    ○河村(た)委員 ただいま議題となりました郵便振替法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     郵便振替法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、この法律の施行に当たり、次の各項の実現に積極的に努めるべきである。  一 郵便振替制度について十分な周知を行うとともに、送金サービスの一層の充実を図る一方、すべての国民が、郵便局において国及び地方公共団体の各種公金の納付について口座振替を利用することができるように努めること。  一 利用者のニーズにより一層適時適切に対応する等のため、郵便振替法の振替の取扱等に関する規定の省令への委任等について検討すること。 以上のとおりであります。  この附帯決議案は、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの四派共同提案に係るものでありまして、案文は当委員会の質疑等を勘案して作成したものでありますから、各項目についての説明は省かせていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。  以上でございます。
  204. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  虎島和夫君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  205. 自見庄三郎

    ○自見委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。この際、大出郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大出郵政大臣。
  206. 大出俊

    ○大出国務大臣 ただいま郵便振替法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。  本委員会の審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。  まことにありがとうございました。(拍手)     —————————————
  207. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、郵便貯金法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  208. 自見庄三郎

    ○自見委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  209. 自見庄三郎

    ○自見委員長 ただいま議決いたしました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対し、佐田玄一郎君外三名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。佐田玄一郎君。
  210. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、この法律の施行に当たり、次の各項の実現に積極的に努めるべきである。  一 国際金融・経済環境が変化する中で、金融自由化対策資金運用に当たっては、リスク管理を十分行うとともに、郵便貯金資金の一層有利で確実な運用や地域への直接還元を図るため、金融自由化対策資金運用対象の多様化を図るなど、資金運用制度の改善・充実に努めること。  一 国営・非営利の個人の貯蓄機関としての郵便貯金事業の使命を踏まえ、高齢化社会の進展に対応した多様な商品・サービスの開発・提供に努めるなど、今後とも個人金融サービスのより一層の充実を図ること。  一 広く国民利用者の利便の向上を図るため、全国にはりめぐらされた郵便局ネットワークと、他機関との接続を積極的に進めること。 以上のとおりでありまして、この附帯決議案は、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの四派共同提案に係るものでありまして、案文は当委員会の質疑等を勘案して作成したものでありますから、各項目についての説明は省かせていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  211. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  佐田玄一郎君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  212. 自見庄三郎

    ○自見委員長 起立多数。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。  この際、大出郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大出郵政大臣。
  213. 大出俊

    ○大出国務大臣 ただいま郵便貯金法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。  本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。  まことにありがとうございました。(拍手)     —————————————
  214. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、簡易生命保険積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  215. 自見庄三郎

    ○自見委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  216. 自見庄三郎

    ○自見委員長 ただいま議決いたしました簡易生命保険積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案に対し、虎島和夫君外三名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。小沢鋭仁君。
  217. 小沢鋭仁

    ○小沢(鋭)委員 ただいま議題となりました簡易生命保険積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     簡易生命保険積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実現に積極的に努めるべきである。  一 金融の国際化の進展等急激に変化する社会経済環境の中で、加入者の利益の増進に資するため、簡易生命保険積立金の一層安全・確実な運用ができるようリスク管理体制を強化するとともに、より効果的な分散投資が可能となるよう運用対象の多様化その他の資金運用制度の充実に努めること。  一 豊かで活力ある長寿福祉社会の実現に向けて、国民の自助努力を支援するため、国民のニーズに対応した新商品の開発やサービスの一層の充実、加入限度額の引上げ等の簡易生命保険制度の改善を図るとともに、生命保険・個人年金に係る税制上の支援措置の充実に努めること。 以上のとおりであります。  この附帯決議案は、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの四派共同提案に係るものでありまして、案文は当委員会の質疑等を勘案して作成したものでありますから、各項目についての説明は省かせていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  218. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  虎島和夫君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  219. 自見庄三郎

    ○自見委員長 起立多数。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。  この際、大出郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大出郵政大臣。
  220. 大出俊

    ○大出国務大臣 ただいま簡易生命保険積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。  本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。  まことにありがとうございました。(拍手)     —————————————
  221. 自見庄三郎

    ○自見委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  222. 自見庄三郎

    ○自見委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  223. 自見庄三郎

    ○自見委員長 内閣提出参議院送付郵便法の一部を改正する法律案議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。大出郵政大臣。     —————————————  郵便法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  224. 大出俊

    ○大出国務大臣 郵便法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内答の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、郵便事業の現状などにかんがみ、利用者に対するサービス向上などを図るため、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金の特例制度における料金の減額率の法定上限を廃止するとともに、郵便に関する料金を前払い式カードにより納付することができることとし、及び料金後納に係る担保を免除する者を追加する措置を講じようとするものであります。  次に、この法律案の概要について申し上げます。  第一に、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金の特例制度における料金の減額率の法定上限を廃止し、審議会に諮問した上、省令の定めるところにより減額することができることとしております。  第二に、郵政大臣が発行している一定の金額が電磁的方式によって記録されるカードを使用して、当該カードに記録されている金額の範囲内において、郵便に関する料金を納付することができることとしております。  第三に、料金後納に係る担保を免除する者といたしまして、後納する郵便に関する料金を省令で定める期間以上継続して納付している者を加えることとしております。  なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して二月を経過した日からといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。  今後とも安定した郵便の送達を確保することはもとより、利用者のニーズに即応したサービスの改善を図り、国民各位の期待にこたえるよう努力していく所存でございます。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。  以上でございます。
  225. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る五月十日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十三分散会      ————◇—————