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1995-04-12 第132回国会 衆議院 逓信委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年四月十二日(水曜日)     午前十時三分開議 出席委員   委員長 自見庄三郎君    理事 住  博司君 理事 虎島 和夫君    理事 遠藤 乙彦君 理事 金子徳之介君    理事 河村たかし君 理事 田中 昭一君    理事 小沢 鋭仁君       岸本 光造君    佐藤 剛男君       斉藤斗志二君    坂井 隆憲君       関谷 勝嗣君    宮崎 茂一君       山下 徳夫君    鴨下 一郎君       高木 陽介君    高橋 一郎君       中島  衛君    日笠 勝之君       森本 晃司君    米田 建三君       大木 正吾君    横光 克彦君       吉岡 賢治君    高見 裕一君       矢島 恒夫君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 大出  俊君  出席政府委員         郵政大臣官房長 木村  強君         郵政大臣官房審         議官      品川 萬里君         郵政省電気通信         局長     五十嵐三津雄君         郵政省放送行政         局長      江川 晃正君  委員外出席者         逓信委員会調査         室長      丸山 一敏君     ――――――――――――― 委員の異動 三月二十九日  辞任        補欠選任   荒井 広幸君    鈴木 宗男君   古賀 一成君    羽田  孜君   矢島 恒夫君    志位 和夫君 同日  辞任        補欠選任   鈴木 宗男君    荒井 広幸君   羽田  孜君    古賀 一成君   志位 和夫君    矢島 恒夫君 四月十一日  辞任        補欠選任   矢島 恒夫君    志位 和夫君 同日  辞任        補欠選任   志位 和夫君    矢島 恒夫君 同月十二日  辞任        補欠選任   神崎 武法君    森本 晃司君   小坂 憲次君    米田 建三君   古賀 一成君    鴨下 一郎君 同日  辞任        補欠選任   鴨下 一郎君    古賀 一成君   森本 晃司君    神崎 武法君   米田 建三君    小坂 憲次君     ――――――――――――― 四月四日  電話料金値上げ反対等に関する請願穀田恵二  君紹介)(第四七五号)  同(志位和夫紹介)(第四七六号)  同(松本善明紹介)(第四七七号)  同(矢島恒夫紹介)(第四七八号)  同(吉井英勝紹介)(第四七九号) 同月十一日  NTT銚子無線局廃局反対に関する請願(岩  佐恵美紹介)(第六〇八号)  同(穀田恵二紹介)(第六〇九号)  同(佐々木陸海紹介)(第六一〇号)  同(志位和夫紹介)(第六一一号)  同(寺前巖紹介)(第六一二号)  同(中島武敏紹介)(第六一三号)  同(東中光雄紹介)(第六一四号)  同(不破哲三紹介)(第六一五号)  同(藤田スミ紹介)(第六一六号)  同(古堅実吉紹介)(第六一七号)  同(正森成二君紹介)(第六一八号)  同(松本善明紹介)(第六一九号)  同(矢島恒夫紹介)(第六二〇号)  同(山原健二郎紹介)(第六二一号)  同(吉井英勝紹介)(第六二二号)  同(志位和夫紹介)(第六三〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  電波法の一部を改正する法律案内閣提出第六  八号)  電気通信事業法の一部を改正する法律案内閣  提出第八四号)  放送法の一部を改正する法律案内閣提出第八  五号)      ――――◇―――――
  2. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これより会議を開きます。  内閣提出電波法の一部を改正する法律案及び内閣提出電気通信事業法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉岡賢治君。
  3. 吉岡賢治

    吉岡委員 電気通信事業法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。  まず、第一種電気通信事業料金のうち、基本的な料金、これ以外は認可制から事前届け出制に改める、また標準的約款の導入について法律案に盛り込まれておりますが、私は、その意味では異論はありません。  しかし、平成六年七月の閣議決定された「今後における規制緩和推進等について」ということに基づく規制緩和措置、こういうふうに見てみますと不十分だというふうに言わざるを得ないと思っています。  質問の第一は、今回の改正既存サービスに対する規制緩和であって、マルチメディア等の新しいサービス、いわゆるソフト中心で多種多様な新サービスになることが想定されますけれども、その展開を考えれば緩和にならないというように思っているわけであります。  質問二つは、届け出制について手続がどのように簡略化されるのかどうか、これは明確にされていません。従来どおりの手続であるとするなら緩和にはならない、このように思うところでございます。  そこで、今回許可制から事前届け出制に変わった料金についてでありますが、第一種電気通信事業売り上げの何%の部分について届け出制になり緩和されたのか、これをまず明確にしていただきたいと思います。  以上三点、質問します。
  4. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 ただいま先生から三点御質問があったかというふうに思います。  まず届け出制関係についてでございますが、既存サービス、いわゆる新サービスについてこれは規制緩和になるのかという点でございますが、私ども今回の制度改正は、基本的に第一種電気通信事業者料金認可制になっておりますが、一定基準を定めまして、それにつきましてはこれを事前届け出制にするという考え方に立っております。そういった意味では、新しいサービスにつきましても、これらの基準に該当するというものにつきましては、これは届け出制になるというふうに考えております。それで、新サービスについてもそういう意味では負担軽減が図れるというふうに考えております。  念のためにどういうものが事前届け出対象になるかということをちょっと敷衍させていただきたいというふうに思いますが、付加的な役務に関するような料金あるいは特殊な用途のみに用いられるサービスに関する料金それから端末設備使用料、こういったもの。さらに、これは新サービスには当たりませんが、他のサービスに代替されるようになってきまして利用者の利益に及ぼす影響が低下してきたサービス料金、こういったものが届け出制になります。そういった意味では、新しいサービスでもこの基準に該当すれば届け出制になるということで、事業者負担軽減されるというものでございます。  なお、手続についてどのように簡略化されるかというお尋ねでございます。手続につきましては、これをなるたけ簡素化していこうというようなことで、例えば料金算定の積算の資料提出、これはもちろん不要でございます。あるいは提出日も、言ってみますとサービス施行前というようなことで非常に簡素なものにしていこう、事前にこういうサービスがこういう料金提供されるという程度のものが提出されればいいというふうに今考えているところでございます。  それから、具体的に現在あるどの料金届け出制対象とするかということにつきましては、この法律施行がされていくそれに向けて私ども精査してまいりたいというふうに考えておりますが、現在の第一種電気通信事業者売上金額のうちおおむね一割程度届け出になるのではないかというふうに考えているところでございます。
  5. 吉岡賢治

    吉岡委員 今お話を伺って、一つは総売り上げの中におけるパーセンテージでございますが、NTT等の試算によりますと八%にしかすぎない、こういうふうに言われているところでございます。  今回の料金届け出制対象というのは、国民生活あるいは経済に及ぼす影響が少ない料金対象になっています。しかし、今これでいいのかということが問われているのではないでしょうか。アメリカやあるいはEU、こういうところからも、いわゆる開放してもらいたいとか料金制度の改定をしてもらいたいとかという要望が相次いでおるところでございます。  基本的な料金というふうに決められておりますけれども、その基本的な料金であっても競争状態にある長距離通話料であるとかあるいは専用線、フレームリレー、Fネット、こういうものも届け出制にすべきだというように思うわけでございます。その点、大臣見解をお聞きしておきたいと思います。――大臣に求めておるのです。
  6. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 まず私の方からお答えをさせていただきたいと思います。  収入ベースで見ますと、先ほど申し上げたようなことで、一割程度かというふうに今考えておりますが、基本的には、電気通信制度改革昭和六十年度にいたしましたときに、国民の皆さんに、競争政策を取り入れていくことによって、なるたけ安い料金で、なるたけ多彩な、高度なサービス提供していくという、この二つが大きな政策の目標でございました。  そういった意味合いにおきましては、事業者負担軽減を図っていくということも規制緩和という観点からございますが、国民経済生活あるいは国民生活関係の深いもの、これにつきましては消費者の保護という観点がやはり重要でございます。そういった意味合いにおきましては、そういうものにつきましてはやはり認可対象にそのまましていくことが適切ではないかというふうに考えておるところでございます。  例えば、NTTについて見ますと、認可対象となる料金のうちで加入電話基本料、先般上げていただきました基本料、それから通話料収入だけで約三兆七千億円に上っております。そういう意味では、現行の認可料金の七割がこれによって占めるのでございます。通話料基本料でございます。そういう意味では、金額だけで申し上げますと、先ほど言いましたように一割程度というふうに考えますが、認可対象という意味では百五十が半減するということになるというふうに推測しておりまして、私どもとしては事業者負担軽減には大いに資するのではないかというふうに考えております。  それから、もう一つお尋ねの点でございますが、例えば市外料金とか、そのように競争状態にあるものについても届け出制にするということについての御指摘をいただいたところでございます。このことについては、私どもとしては、国民生活経済活動の基礎となる公共性の高いサービス、そういったものにつきまして、利用の公平あるいは低廉化を図っていくという観点がございます。  そういった中におきまして、例えば市外通話料長距離通話料というようなことを考えましても、完全な市場価格が形成されるというような市場ではございません。もちろん競争は進みつつあります。長距離市場について見ましても、NTTと新規の事業者が三社で、四社でやっております。そういう意味では寡占市場でございます。寡占市場で、NTTがその中で七割以上のシェアをまだ占めております。  そういった観点からも、料金がなるたけ安くなっていく方法、あるいは略奪的料金が設定されないというような観点、あるいは大口利用者に偏した値下げが行われるというような観点、こういう点がございますので、国民生活国民経済にかかわりの深い基本的な料金につきましては、認可制をとるのが適当であるというふうに考えているところでございます。
  7. 大出俊

    大出国務大臣 今までの経過を踏まえまして、当面五十六ぐらいの規制緩和を図ろうということで検討してまいりましたが、基本的に私はできるだけ簡略に届け出制に変えていくべきだ、こう思っておりますが、一つだけこだわりましたが、あとはそういう方向検討してくれということで進めてまいりました。  したがって、なお今後ともできる限り検討を進めまして、届け出制その他に変えられるものは逐次進めていきたい、こんなふうに思っております。
  8. 吉岡賢治

    吉岡委員 今大臣の方から考え方を述べられましたのであれですが、何といいましても国民生活影響があるということは否めない事実でございますが、その中で硬直的になってきているという現実もまた否めないというように思うわけであります。  したがいまして、今私が申し上げたのは、少なくとも競争で成立をしているという部分については届け出制にしてはどうか、こういうように言っているわけであります。今、競争ということに入ってきているにもかかわらず、例えば料金を下げるということも認可になっているわけであります。そうなりますと、企業の方の戦略も立てにくい、あるいは国民の中に競争というメリットの中で低廉な料金を設定をするということも不可能になっているというふうに言わざるを得ないと思うわけであります。  したがいまして、私は、基本料金のことを先ほど言われましたけれども、それはそれで今競争に入っていませんから問題にしておりませんけれども競争分野についてはそういう方向をとるべきだ、それを積極的に郵政省が進めるべきだ、このように思っておることを申し上げておきたいと思います。  さて、料金の問題だけでなくて、今回の問題の中ではいろいろ触れられていますけれども約款の問題も触れられていますけれども、問題は、料金事前届け出制にするけれども、その料金を取る新しいいわゆるサービスという問題、そのサービス提供自体というものはまだ届け出制にたっていないということであります。となりますと、新サービスをしようとする、それを精査されて、料金だけは届け出せよということでございますから、この認可されるのかされないかということは非常に大きい問題になってくると思うのです。  新しいサービスというものは弾力的に提供を可能にすべきだというように思っているわけであります。マルチメディア時代の新しいサービス、これは事業者に自由にやらせてみて、一定期間経過をして、きちんと見詰めてみて、必要があれば規制をする、そういう方向でくくるべきだというように思っていますが、見解いかん。お聞きします。
  9. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 料金につきまして届け出制のことを申し上げました。当然のことながら、付加的な役務、そういったものにつきましては基本的な権利義務の変更を伴わないというのが一般的でございます。そういった意味合いにおきまして、特に約款を変更することなく料金だけを変えていくという場合が多いのではないか。例えばプッシュホンの料金をいじるといった場合等々を考えましても、そういった観点がございます。  そういう意味では、料金届け出になるというものにつきまして基本的な約款部分はいじることはなくて、その権利義務関係をいじることはなくて、料金だけを変えていくというようなことが多くて、現実には、約款を新たに認可を受けるというようなことは現実の問題としては余りない。約款基本的なことだけを定めております。動くのはむしろ料金だけでございますので、そういう意味では、料金届け出になるけれども約款は別途認可だというような例は余り考えられないのではなかろうかというふうに思っているところでございます。
  10. 吉岡賢治

    吉岡委員 ちょっとそれは問題じゃございませんか。サービス形態が今までと変わってくるということは予測がつくはずであります。ソフト中心としたいろいろな産業が興ってくる、こういうことを考えてまいりますと、郵政省としても、新しい雇用の創出を、あるいはいわゆる新産業創出をということの中でマルチメディア時代をうたっていらっしゃる。こういうことを考えてまいりますと、幾つかの新しい、今まで想定できなかった部分も含めての新サービスということが出てくる可能性があるわけであります。したがって、従来の感覚でもって、定款さえ定めればそれに充当するというふうな感覚というのは、およそ問題を露呈しているというふうに私は言わざるを得ないというように思っています。  ちなみに聞いておきますが、先進国競争が導入されている、これは日本アメリカイギリス、こういうように私は思っているわけでございますしからば、アメリカ料金決定あるいは規制あり方についてFCCがやっています。FCC立法機関のはずであります。また、イギリスはOFTEL、これは行政の中でも独立機関として規制を行っているわけであります。我が国のように行政府がそのまま直接規制をしているというのは日本だけだというふうに思いますけれども、間違いありませんですね。
  11. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 米国におきます料金規制というのは、今先生からお話のありましたとおり、連邦の通信委員会FCC、ここで行っておりますが、さらに各州の公益事業委員会、ここでも規制が行われております。それは、それぞれの国によっての規制あり方というのはありますが、ある意味で、FCCというのは準立法的な機能も持つ、ある意味でいうと大変権限の強い委員会というふうに申し上げてもいいのではなかろうかというふうに思っております。  一方、英国でございますが、英国もいわゆるDTI、貿易産業省からさらにオフィス・オブニアレコムというようなことで、もう既に二百名程度の要員になっておりますでしょうか、そういう形で料金等を扱ういわゆる通信庁というようなところが置かれて、そこで料金等規制をやっているというふうに承知をいたしております。
  12. 吉岡賢治

    吉岡委員 大臣にお聞きしたいと思います。  今述べられたような形になっているわけであります。また、ニュージーランドやあるいはオーストラリア、自由になっているわけですね。そういうことを考えてみますと、今、規制に時間とコストがかかり過ぎる、この現実は否めないと思っているわけであります。  昭和六十年に競争が導入されました。それ以前のいわゆる総括原価方式、この料全体系がそのまま今引き継がれている。大きく電気通信事業の内容も変わってまいりました。また、マルチメディア時代を迎えようとしております。現在の電気通信料金あり方について今検討の時期に来ている、抜本的に見直す時期に来ているというふうに私は思うのですが、大臣見解をお聞かせいただきたい。――大臣に聞いているのですからいいですよ。最初から大臣と言っていますよ。
  13. 大出俊

    大出国務大臣 今FCCの話も出ましたが、FCC委員長ハント氏、もっとも、ハントさんは今のクリントン政権になってかわった委員長ですけれども、京都でもお目にかかっていろいろな話もいたしましたし、その後ブラッセルその他でもいろいろな話をいたしまして聞いてみたのですけれども、調べてみると日本と似たようなところもたくさんあるのですね。  ハント氏の言っているのを聞いていると、電話をやっているところに放送をやらせる、それから今度は、放送を業としているところに電話を認める。垣根をなくしたいと言うのですね。そうすると大変な競争状態があらわれる。こういう中で、具体的なものを一つずつつかまえて体制を変えていくという、私は、やはりそれが一番正しいのではないのかなという気がして、法案を出したのだが、これは法案通りませんでしたがね、アメリカは。で、新しい法案を出し直していますけれども。  ですから日本の場合も、一遍にといってもなかなか無理があると思いますから、それで私がさっき申し上げましたように、幾つか、ごくわずかですが私がこだわったところがございますけれどもあとはなるべくひとつ広げていくように、開放するように検討してもらいたいというのが、トータルで私が事務当局に言っていることでございます。
  14. 自見庄三郎

    ○自見委員長 事務的な補足説明を……。
  15. 吉岡賢治

    吉岡委員 もう時間がありませんから。――大臣の答弁で結構なんですけれども、そういうときに来ていると思うのですよ。先進国の、今申し上げましたアメリカイギリスプライスキャップを導入しておるわけです。アメリカにしても当初は、今日本電気通信産業料金あり方の問題からスタートして幾つかの変遷がありますけれども、独占問題等含めていろいろな議論をしましたけれども、やはり問題だということで、プライスキャップバスケット方式によって導入している現実があります。そういうことをきちっと見詰めていただいて、料金問題に対する、あるいは一般的な規制に対する考え方を、我々は門戸を開きながら、そして国民のために、あるいは経済発展のためにということでこれからも御検討を賜りたいというふうに申し上げておきたいと思います。  二つ目の問題に入ります。  NTTの経営の形態あり方について四月六日に電気通信審議会諮問されました。郵政省基本的なスタンスといいますか、諮問されました基本的なスタンスについてお聞きしておきたいと思います。
  16. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 先生お話のございましたとおり、四月六日に電気通信審議会に対しまして、「日本電信電話株式会社の在り方について-情報通信産業のダイナミズムの創出に向けてこということで諮問をさせていただいたところでございます。  今回の諮問と申しますのは、平成二年の三月に取りまとめられましたNTT法附則の二条に基づくいわゆる政府措置、その中で、NTTあり方について平成七年度に検討を行い、結論を得るというふうにされていた、これを受けたものでございます。そういう意味では、政府の宿題という意味諮問をさせていただいたというところでございます。  私ども、この諮問に当たっての基本的なスタンスでございますが、マルチメディア時代を迎えまして、情報通信産業の一層の活性化を促進して、情報通信産業国際競争力向上を図るといった課題を実現する、そして利用者の利便の向上料金あるいはサービス多様化というような観点でのよりよいサービス提供というような観点で、NTTあり方について幅広い観点から御議論をいただきたいということでありまして、私どもとしては、スタンスという意味では、基本的に白紙諮問をさせていただいているというのがスタンスでございます。
  17. 吉岡賢治

    吉岡委員 NTTあり方我が国のさまざまなところに影響を与えると思っています。我が国産業経済発展国民生活向上に大きく貢献をずるということもあります。しかし、単に国内の競争政策に関する議論だけでなくて、グローバルな情報化社会、これは今国境を越えています。そういう意味で、総合的な情報通信政策の視点ということで、国民にオープンな議論というものをすべきであるというように思います。  その点について見解を一言お聞かせいただきたいと思います。大臣
  18. 大出俊

    大出国務大臣 吉岡さんもよく御存じのとおりでございまして、五十七年七月の第二臨調でございましたが、あのときの第三次答申、これは当時基本答申と言ったわけですけれども、私も何遍も質問していますから覚えておりますけれども、このときから六十年の事業法株式会社法改正設立等がございまして、ここで平成二年の電気通信審議会答申、こういうふうになってまいりました経過がございます。  したがって、実は今回はこの経過に基づいて、局長にも私は何遍も話しでありますけれども、これは一切白紙でいこうと、白紙で。出し方によっては、こっちに色をつげることもこっちに色をつけることもあり得るわけでありますが、それは一切やめようということにして、白紙で、経過を踏まえて幅の広い議論をしていただきたい。今のお話のように、この過程で国民に対して、審議会にお任せするんだからわかりませんけれども審議会国民のいろいろな御意見を聞いた場面もございますので、したがいまして、幅広い意見をひとつ欲しいというのが基本でございます。
  19. 吉岡賢治

    吉岡委員 国民に開かれた議論をしていただきたいというように特に要望をしておきたいと思います。したがって、電気通信審議会に対しまして郵政省がお出しになる資料等は、その都度我々の方にもきちんといただきたい、こういうように思います。そういうところから始めないと、審議会が何となくベールに包まれた中で行われるという現状を打破できないのではないか、このように思いますので要望をしておきたいと思います。  さて、大臣の方からも、あるいは五十嵐電気通信局長の方からもお話がございましたが、要するにNTTあり方、こういう問題は日本電信電話会社法、俗称NTT法というふうに言われておりますが、その附則二条に基づくものというふうに今言われました。私は、その点について少し疑義がございます。  要するに、前回、五年前のNTTあり方論というのは、まさしく附則二条に基づく、法律上の根拠を明確にしていたと思うのです。会社設立の日から五年間、いわゆる平成二年三月三十一日までに「必要な措置を講ずる」ということになっていたわけであります。したがいまして、それに基づいて政府電気通信審議会を設置されました。その答申を得て「必要な措置を講ずる」ということにしてきたわけであります。中間答申が八九年の十月、最終答申が九〇年三月に出されました。移動体通信の分離、長距離通信部門の分割を提示しましたけれども、結局時間切れとなって、その答申に基づく具体的な措置はとられなかったということでございます。これは、附則二条に基づく「必要な措置を講ずる」ことはできなかったということを意味しているのではないでしょうか。  今回の諮問は、五年前の政府措置たる日本電信電話株式会社法の附則二条に基づく措置、これが平成二年郵政省の告示で出ております。第二百八十八号というふうに理解しております。そうだとするなら、法律に基づくことなく単なる郵政省告示であるというように思います。政府措置に基づき民間企業であるNTTあり方検討することになるわけであります。法律上の根拠なくして一反間企業の分離分割といったあり方検討できるのかどうか。私は、そうなりますと国会の軽視であるというように思えてなりません。  したがいまして、私は、今答申された内容の重さと、我々議員として日本電信電話株式会社法あるいは電気通信事業法等の範疇の中で議論されてきた過去の経過というものを十分参酌しながら考えていかなければならぬときに来ている、このように思っているところでございます。  私は、そういう意味で何としても、今審議会のオープンということを要望いたしましたけれども、具体的にその実を明確にしながら、先ほど申し上げましたとおり国民に対してきちんとわかる方向での審議にしていただき、多くの意見を踏まえながら方針を出していただきたい、このように思っているところでございます。  時間がございませんから答弁は要りません。以上で終わります。
  20. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、遠藤乙彦君。
  21. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 私は、まず電波法の一部改正案から質問を始めたいと思います。  今回の法改正は、規制緩和策の一環ということでございますが、その規制緩和の内容のポイントが二点あって、一つは無線従事者の資格の取得方法の見直し、簡素化をするという点、もう一つは口座振替による電波利用料の納付を認める、この二点であると了解をしておりますが、今回の改正の具体的な効果、メリットはどのようなものになるかということをまず伺いたいと思います。  特に、この資格の新しい取得方法がつくられたわけですけれども、これによって取得できる対象学部の数、それから学生の数、それからだれがどのような負担軽減されるかといった点、さらにこの口座振替によるメリットはどういうものがあるか、こういった点を含めてお答えをいただきたいと思います。
  22. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 今回の法改正は、ただいま御指摘のありましたとおり、規制緩和ということで大きく二つの点につきまして制度改正をお願いしているというところでございます。その効果、メリットについて申し上げたいというふうに思います。  まず、無線従事者関係緩和関係でございますが、新しい取得の方法によりまして資格が取得できる学科数というのは二百四十八学科、学生数としては一学年で約二万五千人と推定をいたしております。若干内訳を申し上げさしていただきますと、大学で百三十九学科、短大で二十六学科、高専で六十一、高校で二十二ということでございます。大体二万五千人の人が一学年で対象になってくるというふうに推定されます。  負担軽減についてでございますが、現在、大学で無線通信に関する専門の科目を修めて卒業した方でも無線従事者の資格を取得しようとする場合には改めて国家試験を受けなければならない、あるいは養成課程を修了するという必要がございます。今回の改正によりまして、卒業をしているという資格がありますと一定の資格が与えられるということで、その負担がなくなるということでございます。  具体的に申し上げますと、今後五年間で新しい取得方法によりまして取得すると予想される方は全体で約七万人ぐらいというふうに推定をいたしております。これらの人々がもしそのまま養成課程というのに入って受講してやるということを考えますと、所要時間が、それぞれ資格によって若干違いありますが、トータルいたしますと大体百八十四万時間ぐらい、受講料の負担というのでは二十三億円ぐらい、このような負担軽減されるものというふうに考えているところでございます。  それからもう一つの、電波利用料の口座振替の関係でございますが、これは免許人が金融機関に出向いて預貯金を引き出して電波料を払うという手間が不要となります。例えば、一定の試算をしてみますと、具体的に平成十年度に免許人の半分に当たる方が口座振替を利用すると仮定いたしますと、金融機関に出向いて納付する時間、これが時間に換算して約七十五万時間程度省略できるのではないかというふうに考えているところでございます。
  23. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 今の御説明を伺いますとかなり幅広くこのメリットが及ぶというふうに理解をされるわけで、この改正自体は評価をするところでございますが、ただ、私今回、無線の問題は全くの素人であるのですが、勉強さしていただいたら、この免許の種類が何と二十三種類もあるというふうに伺いましてちょっと驚いたわけなんです。非常に難しい海難救助にかかわるようなものからアマチュアの無線の初級の段階まで二十三種類もあるということでございまして、もちろん、この資格の種類の多いことは、それぞれの経緯があり存在理由があるんだろうとは思いますけれども、一般論として、こういう資格が一たんできてしまうとなかなかこれが、いわば固定化してしまって、その後さまざまな現実の変化、特に技術の進歩とか需給関係の変化、あるいはいろいろな制度の変化あるいは国際化とか、さまざまな状況変化が起こっているわけであって、そういった変化を勘案して見直しをしていく、これはなかなか進まないというのが一般論としてあるんだと思うんですね。  そういった点で、この無線の免許の資格が二十三種類もあるということは、もう少し規制緩和の精神に立って、必要最小限のものに抑えてできる限り簡素化、統合化するということが必要ではないかと考えるわけですが、この点につきまして、この無線の免許資格に関連して、最近のさまざまな情勢の変化、環境の変化を踏まえてどういった簡素化、統合化の方法を考えているのか、この点につきましてお答えいただきたいと思います。
  24. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 無線従事者の資格は、ただいま先生からお話のありましたとおり、二十三の資格がございます。この資格自身非常に多いものではないかという御指摘でございますが、当時設けていった趣旨は、流れからいいますと、どちらかというと資格を、易しい方の資格を、取りやすい資格をつくっていくというようなことで、結果的に資格はふえてきたという現実がございます。そういう意味では、アマチュア無線のように非常に受けやすい資格のものが大宗を占めるような現実があったりいたします。  ただ、方向といたしましては、先生から御指摘のありましたとおりに、技術革新等々の傾向を考えながら、私どももこの簡素化を図っていくということに努めてまいりたいと思っております。  そこで、今先生が御指摘のありました現実にこれまでとってきた最近の状況を申し上げさせていただきますと、ディジタル技術、衛星通信技術等を活用した海上における遭難及び安全に関する世界的な制度、私どもGMDSSと言っておりますが、国際的に通用する言葉になっているのでございますが、この導入に対応するために海上無線通信士の資格を創設したということがございます。一方で、第三級の海上特殊無線技士の資格で五キロワット以下のレーダーの操作ができるようにしたということで、これはより広い対象になった。さらに、MCA、マルチ・チャンネル・アクセスという通信システムのサービスですが、その指令局については、その資格を有する者の配置を不要としたというようなことに努めてまいっております。そういった意味では、今後とも技術の革新等を見ながら、必要とする知識、技能のあり方について検討を加えてまいりたいと思っております。  加えまして、先生から御指摘のありました、資格につきまして簡素化するということにつきましては、必ずしも法律レベルのものでないものがございますので、それを検討してまいりたいというふうに思っております。  ただ、一方で、それをすることによって資格が取りにくくなるということも、ある意味では利用者側から見ればメリットばかりではありませんので、その辺を勘案して考えてまいりたいというふうに思っております。
  25. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 ぜひ今の御説明の方向検討を進めていただきたいと思います。  もう一点だけ、追加的にこの点をお聞きしたいのですが、特に電波関係、技術が非常に進歩をしているというふうに伺っておりますし、また国際化もどんどん進んでおって、また制度的にも国際的ないろいろな調整がなされておると聞いておりますけれども、こういったことを踏まえて、これからの無線技能者にとって必要とされる技能、どういうふうに重点が変わってきているのか、今後どういう方向になっていくのかという点につきまして、追加的に御説明をいただげればと思います。
  26. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 最近におきます電波の利用技術の進展に伴いまして、無線従事者に求められます知識、技能というのも、新しい技術に対応した新しい知識ということ、そういう技能があわせて必要になってくる場合、あるいは逆に、無線機器の機能が向上してまいりまして、操作が非常に容易になるというようなことで、比較的初歩的な知識で無線設備の操作ができるような場合というのが生じてきております。  このことにつきましては、先ほども申し上げさせていただきましたが、例えば新しい技術の進歩という意味ではGMDSSのようなもの、これは世界的に共通、海上通信ということですので、新たな制度を考えていくということでございますが、むしろ使用が熟して、だんだんその資格がなくなっていってもいいのではないかという意味で申し上げますと、先ほど申し上げましたMCAのようなもの、こういったものが出てまいります。そういった意味で、私ども先生から御指摘のありましたようなことで、一方では利用技術で新しい知識が求められる分野、一方では機器の機能が向上して特別な知識がなくてもやっていける分野ということをよく考えて、制度の枠組み、フレームを絶えず見直していきたいというふうに思っております。
  27. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 今の御説明で理解をしましたが、私が申し上げたいことは、技術進歩が激しく起こる点、それから環境も大きく変わっておりますので、どうしても制度と現実というのは非常にミスマッチが常に起こるわけでして、ぜひ現実を常によく見ながら、それに合った制度の改正を適時適切に行っていただきたいということを強く要望しておきたいと思っております。  続いて、電波利用料に関してお聞きしたいのですが、現在電波利用料の収入総額は幾らになっておりますか。そして、この主な用途はどうなっているか、この点につきましてお聞きしたいと思います。
  28. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 お認めいただきました電波利用料制度、その中で、決算ベースでわかってまいりましたのは平成五年度だけでございますが、これが七十三億八千万円という決算ベースがございます。今、平成六年度につきましては、これからの締めということでございますので予算ベースで申し上げますと、七十四億一千万円、平成七年度は八十二億三千万円ということで、徐々に伸びてきているということでございます。  使われ方でございますが、電波の利用料というのは、現在は電波の監視体制の充実強化ということが一つございます。それからもう一つは、全部の無線局の情報をデータベース化しました総合無線局ファイルの構築というようなことで、電波の総合監理システムの構築という、この二つのことに充てられております。  具体的に申し上げますと、電波の監視体制につきましては、最新の電波の監視設備の整備を進めておりまして、平成七年度までの三年間で東京それから主な政令指定都市、県庁所在地等の地方の中枢都市を中心としました重点的な整備を、監視体制の確立ということでいたしておりまして、これらを活用して不法無線局の迅速な探査等に努めているということを御報告させていただきたいと思います。  それからもう一つは、総合無線局管理ファイルということでございますが、現在、平成七年度末ということですが、その平成七年度末の運用を目指してシステムの設計、プログラムの開発、データの入力等を進めているところでございます。これによりまして、電波料等、無線局のいわゆる監理事務の効率化と行政サービス向上を進めてまいりたいと考えているところでございます。
  29. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 今の御説明では、電波利用料は主に電波監視並びに電波監理システムの強化という点に使っているというふうに伺いましたけれども、今後の課題として、この電波の問題、特に周波数の資源の逼迫という問題は最大の課題でありますし、どのようにして今後二十一世紀に向けて膨大になってくるこの周波数需要に対して開発を進めるかという点が電波行政の大きな課題であると理解をしておりまして、ぜひそういった分野にもこういった電波利用料を活用していくということも重要な方向ではないかと思いますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
  30. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 電波利用料制度がお認めいただくという経過の中で、基本的には、先ほど申し上げました電波の監視あるいは電波の監理の総合的な監理体制というような性格づけ、それを一定の期間で利用者の方々に負担していただくという制度になって創設をしていただいております。  今先生から御指摘のありましたように、これからの高度情報化あるいはマルチメディア化というような時代を考えてまいりますと、電波の果たす役割というのは非常に重要になってまいります。ネットワークが非常に柔軟に構築できるとか、コストとして結局安いものについていくとか、そういう観点がございます。そういった意味では、日本国民の皆さんの生活の利便あるいは産業発展ということを考えましても、電波は積極的に使っていただくというようなこと、使っていただく以上は、一方では開発をするというようなことが非常に重要になってくるというふうに思っております。  そういった意味で、私ども、この電波の利用技術なり電波資源の開発というような観点は非常に重要なものになってまいりますので、今後電波料の利用のより充実した使い方というようなことを念頭に置きますと、電波利用料はこういった方向にもう使っていけるものであるかどうかというようなことも含めまして、財政当局等関係の向きと相談しながら検討をし、研究を進めてまいりたいと思っているところでございます。
  31. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 ぜひ、今御説明にもありましたが、周波数資源の開発ということは全体の公益にかかわる話でありますし、電波利用料も、それに使うこと、極めて適切な資源、財源であると考えますので、ぜひその方向検討を進めていただきたいと思っております。  それからもう一点、電波使用料に関連して、アマチュア無線の人たちから寄せられる要望といいますか、疑問という点があるわけなんですが、アマチュア無線の電波使用料は年間五百円ということになっておりますね。他方、放送事業者、例えば衛星を使って行うような放送事業者の場合、例えばWOWOWなんかの場合、二つの局を使っているわけで、これは六万円というふうに聞いておりますけれども、これが要するにアマチュアの使う周波数帯と、それから放送事業者の使う周波数帯、それから二十四時間稼働しているというのは商業目的であるということも勘案しますと、アマチュア無線家の考え方によりますと、平均的なアマチュア無線家を一としますと、放送業者というのは一万五千倍の電波利用度があるというふうに試算をしております。それなのに、片や五百円、片や六万円ということで、余りにも均衡を失するのではないか。本来なら、もしアマチュア無線、五百円取るのであれば、放送業者は七百五十万円取ってもいいんじゃないか、こういったような試算もある。逆に言った場合、もし放送業者が六万円で固定するならば、アマチュア無線家は四円でいい、こういう実は試算が寄せられております。  私、この議論がどの程度妥当かどうか、必ずしも評価する立場にはないわけなんですけれども、この点につきまして、恐らくアマチュア無線家の立場からすると、こういった電波利用料の積算根拠というのは必ずしも明確でないし、また公平性を欠くのではないかといった感覚があるようでございまして、この点に対してどのような説得力のある説明をされるか、この点をお聞きしたいと思います。
  32. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 具体的な電波料あるいは単価と申しますか、それぞれの態様に応じての単価につきましては、今九区分に分けまして算出いたしております。それぞれの立場から見ると、アマチュアの人が五百円であれば、放送の人は逆にもっと安くてもいいのではないかと主張される方もいるような気もいたしますが、算出がどういう形にたっているのかということを申し上げさせていただきたいというふうに思います。  まずは、その料金というのは、電波関係の事務を行ううち、電波の、先ほど申し上げました監視体制の充実強化ということが一つと、無線局の情報データベースの構築ということにつきまして、平成五年度から平成七年度の三年間に要する費用というのをもとにまず算出されております。これが総費用になっております。具体的にそれがそれぞれの区分に基づいてまた整理をされているわけでありますが、九区分にされております。電波の利用形態などに着目した形で無線局を九つにまず区分する。それから、電波の監視に要する費用というのはその効果がすべての無線局に等しく及ぶということから、すべての無線局で負担をしていただく、二つの要素がありました監視ということと総合無線局の管理ということのうち、監視は、電波を飛ばす以上みんなが関係してくるということで、それぞれみな均等に負担をしていただくという算出の仕方でございます。それから、総合無線局の管理ということで、データベースの構築に要する費用は、無線局の種類に応じてデータ量が異なるということで、そのデータ処理に要するデータ量に応じて案分するという形で算出をいたしております。そういう意味合いにおきましては、電波の使う量、幅で算出しているものではないというところが違ってきているかというふうに思います。  そういうようなことで、感覚的に申し上げまして、ある主張からいいますと、営利か非営利かとかいろんなことを指摘されることがありますが、このような考え方に基づきまして、無線の監視体制、それから総合的な管理の仕組み、この管理の仕組みのところでどれだけの手数、データベースの手数がかかるかということで料金が違ってきているということで、算出につきましても、この二つのポイントでございますので、なるたけ簡明な算出方式というようなことを考えておりまして、アマチュア無線の場合には、総合無線局管理のデータベースの部分についてはほとんど費用を見ていない、監視の部分だけで五百円というような最低の方式で算出しているというふうに考えておりまして、現在私どもは妥当なものというふうに考えておりますが、今後また、平成八年以降の電波料のあり方ということにつきましては、先ほど先生御指摘のありました使途等も含めまして、もうちょっと幅広に勉強はしてまいりたいというふうに思っております。
  33. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 私は、アマチュア無線家の言い方が正しいのか、あるいは放送業者の方が正しいのか判断する基準を、私自身そういった立場にないわけなんですが、言えることは、ぜひ国民の側に立って、特にこういった公共料金については積算根拠を明示して、公平なものであるということを十分に納得させるような努力が行政の場になくちゃいけないということを私としては現時点で申し上げたいわけでございまして、ぜひその点御努力をいただき、またアマチュア無線家、放送業者の十分な言い分も聞いて、適切な公平な料金の決定を今後ともお願いをしたいということを申し上げておきたいと思います。  続いてもう一つ、電波行政に関連をしまして、今回の阪神大震災の際、自衛隊が災害派遣で出動をして非常に活躍をしてもらったわけですけれども、当初、各部隊がどっと入ってきて、現地で各部隊の所有する携帯無線機の周波数がふくそうして、非常に連絡に困難を来したといった事態が報告をされております。  特に、遠隔地の部隊間であれば混信はしませんけれども、それが一度に一カ所に集まったものですからこういった事態が生じたと思うわけでございますが、これも一月二十四日以降は解消をしたと聞いておりますけれども、特に初動の態勢で大変こういった自衛隊の役割は重要でございますし、特にその一番の神経でもある通信線というのは大変重要な点でございまして、この点は今後非常に検討を要する課題だと思うわけですが、この問題に関して今後恒久的な解決策をどうしていくのか、この点に絞ってお聞きをしたいと思います。
  34. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 ただいま先生から御指摘のありましたとおり、一地域に一度にどっと部隊が入ったというようなことで当初ふくそうを生じたということで私どもも承知しておりますが、その後防衛庁の要請に応じまして周波数を割り当てまして、結果として、これは先生のおっしゃったような形で速やかに解消したということで承知しておりますが、ちょっと現状を申し上げさせていただきますと、電波の防衛庁への割り当てということにつきましては、私ども要望に沿ってあらかじめ十分に周波数を割り当てているというふうに認識をいたしております。  ちなみに、現在防衛庁に割り当てている周波数というのは延べで六千波でございます。このうち二千波以上が災害対策に適したものというふうに私どもは考えておりますのでありますが、先ほど先生御指摘のような、今まで考えられないような状況があらわれたというようなことではありましたが、ふくそうが生じたということで、私どももとり得る措置としては最大限の措置をとる必要があるだろうということで、災害時において、いってみますと、後から追加して出すというようなことがなくて済むように、防衛庁とももう一度よく事前に相談して、十分な周波数の確保ということについて努めてまいりたい、そして機動的に防衛庁が災害等に対応できるようにやってまいりたいというふうに思っております。
  35. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 この災害時の無線の問題は大変重要な問題でございますので、ぜひ早急に結論を出して強力に進めていただきたいことを要望しておきたいと思います。  次の点、簡単にお願いをしたいのですが、電波行政全般的に見て、今後の規制緩和の取り組みをどうしていくのか、この点につきまして簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  36. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 電波関係規制緩和につきましては、昨年の七月五日に閣議で決定されましたいわゆる規制緩和推進要綱、これに盛り込まれた施策を中心にいたしまして、その実施に向けて精力的に取り組んでいるところでございます。例えば、携帯電話等の基地局につきましても、使用可能な周波数をあらかじめ一括免許するというようなことで簡素化を図るといったこと、あるいはMCAの陸上無線局の指令局の側の従事者資格を不要とするといったことについても取り組んでまいりました。  また、ことしの三月三十一日に、平成七年度から五カ年間、規制緩和推進計画ということで閣議で決定されております。電波行政については二十四の項目がございます。これにつきましても着実に取り組んでまいりたいというふうに思いますが、今回、規制緩和推進計画に盛り込まれまして、今後実施する施策という中で、今回の無線従事者の規制緩和あるいは口座振替による電波利用料の納付をするということにつきましては、先ほど申し上げました規制緩和推進計画の中に盛り込まれた施策の一環でございます。  さらにまた、私どもとしては、磁気ディスクによって無線局の免許申請とか、書類じゃなくてそういう磁気ディスクによってやるとか、そういったことについても取り組んでまいりたいということで、積極的な取り組みによって国民の皆さんの利便の確保、向上ということについて心がけてまいりたいというふうに思っております。
  37. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 電波法に関連して最後に大臣にお伺いをしたいのですが、特にマルチメディアと電波行政という点なんですが、このマルチメディア、大変大きなブームになっておりますが、このところ光ファイバー等、マルチメディアのインフラとして有線系に非常に焦点が当たっておりますけれども、他方、移動体通信を初めとしまして無線系、電波が果たす役割は非常に重要な面があるわけでございまして、ぜひこの面も忘れずに強力に取り組んでいただきたいという気持ちでございますが、特に、マルチメディアの推進についての関連から電波行政にどう取り組んでいくのか、大臣の御見解を伺いたいと思います。
  38. 大出俊

    大出国務大臣 大変重要な一つのポイントでございまして、確かに光ファイバーの分野というのは容量が非常に大きくなりますから、幾つもある通信網を一つにまとめてインタラクティブでやれるということで、だからどうしてもそっちの方に目が行きがちですけれども、極めて近い将来に、LEOなんという、ロー・アース・オービットなんという低軌道を回る、これは無線ですぐ衛星を使えるわけでございますけれども、非常に電波の分野もやはり、容量はいろいろありますけれども、同じくらい重要なことになってまいります。  そこで、つまりディジタル方式ができて、コンピューターでも通信でも、文字のみならず画像、動画すべて使えるようになった、新しい産業分野になってまいりましたから、マルチメディアの推進に当たって、移動体通信を初めとして電波の果たす役割、ここを郵政省は重視をしようということになりまして、平成六年八月からマルチメディア移動体通信に関する調査研究会、座長さんは斉藤忠夫東大工学部の教授でいらっしゃいますけれども、開催をして、四月十日に、ついこの間でございますが、最終報告を受けたところでございます。  報告書によりますと、簡単に申し上げますが、移動体通信のマルチメディア化を推進するために、携帯テレビ電話、将来恐らくそうなると思うのですが、携帯テレビ電話や超高速無線LAN、これは郵政省にも構内のがございますけれども、LANなどを実現する上での技術開発課題や周波数の利用方策を取りまとめることが必要だ。  次に、特に、二〇〇〇年を目標に静止画や準動画が通信可能な、FPLMTSというのですが、将来の公衆陸上移動通信システムやさっき申し上げた超高速無線LAN、百五十六メガビット・パー・セコンドから六百メガビット・パー・セコンドまでの開発、実用化を進める必要がある。  さらに、今後のマルチメディア時代の移動体通信市場について、現在、これは一九九四年度末を指しておりますが、約一・七兆円の市場規模、そして約四万人の雇用、これが二〇一〇年になると、約十五・七兆円の市場規模、約五十二万人の雇用に拡大するものと予測されるという内容になっております。  郵政省としては、以上の報告を受けましたので、これから移動体通信分野におけるマルチメディア化に積極的に、御指摘のとおりでございますけれども、取り組んでやってみようということでいたしております。  以上でございます。
  39. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 大臣の無線系にも十分力を尽くすという決意を伺って大変喜んでおりますけれども、恐らくマルチメディアといっても決して有線系だけでは十分ではない、やはり無線系と相まって初めてシステムとして威力を発揮するということであると思いますので、ぜひこの無線系もお忘れなくということで強力に取り組みをお願いしたいと思っております。  続いて、電気通信事業法改正の方に入らせていただきます。  今回の改正のポイントは、一部料金事前届け出制に変えたこと、それから標準約款を導入するということだと思いますが、まず、事前届け出制対象となるのは「利用者の利益に及ぼす影響が比較的少ないもの」となっておりますけれども、その選定の基準は何かということ。また、新しいサービス料金の取り扱いはどうなるかという点につきましてお聞きをしたいと思います。
  40. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 今回法改正をお願いしておりまして事前届け出対象となるもの、これは利用者の利益に及ぼす影響が比較的少ない料金についてそのように事業者負担緩和していきましょうというふうに考えているものでございますが、具体的には省令で整理をさせていただくという方法を考えております。  省令におきましては、一つには付加的なサービスに関する料金、例えばプッシュホンでありますとかフリーダイヤルとか、そういったものでございます。さらにもう一つは、特殊な用途のみに用いられるサービスに関する料金ということで、例えばテレビジョンの放送中継サービス、こういう特別なもの。そのほか、ほかのサービスに代替されることによりまして利用者の利益に及ぼす影響が低下してきたサービスに関する料金ということで、例えばパヶツト交換サービスというのがISDNのサービスが出てきて代替されるようになってきたというような例がございます。さらには、端末の設備使用料ということで、電話機などのレンタル料。こういったものを事前届け出対象として定めたいというふうに考えているところでございます。
  41. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 事前届け出となる料金の場合、審議会への諮問というものはあるのですか。
  42. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 届け出制ということでございますので、審議会諮問することは必要がないということで、非常に簡素な手続にしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  43. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 現行の業務改善命令がありますけれども、これは発動実績というものがあるのかどうか。また、今回事前届け出料金の変更命令を設けた理由は何かという点につきましてお答えをいただきたいと思います。
  44. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 現行の電気通信事業法三十六条の一項にあります「料金その他の提供条件」に関し、業務改善命令ということが規定されておりますが、これを発動したという実績はございません。  今回の改正によりまして認可制から届け出制に改めるということで、付加的な役務などのサービスにつきましても、公共的なサービスとしての性格が届け出制に持っていきましても失われるというものではございません。そういった意味で、届け出制に移っていく、そういう料金につきまして、言ってみますと、不当に高額でありましたり、あるいは差別的な料金であったり、あるいは大口の利用者に一般の利用者負担において設定されるというような料金であったりするというようなものにつきましては、これの適正化を図る必要があるということで、業務改善命令ということを考えている制度でございます。  なお、先ほど私、これまで業務改善命令の実績がないということを申し上げましたが、言ってみますとセーフガードのようなものでございまして、こういうものがあることによって消費者の利益が守られていくというふうに考えているところでございます。
  45. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 まだ発動実績はないということのようですが、ぜひ今後とも、消費者利益ということを重視して、十分にその点は考慮して運用をお願いをしたいと思います。  続いて標準約款の点なんですが、この標準約款とはどういうようなものなのか、またこの標準約款に合致しているかどうかの判断基準はどうするのかという点、この点につきましてお答えをいただきたいと思います。
  46. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 標準約款というものは、基本的には消費者利用者の利益というのを確保するという観点で、個々の事業者の契約約款を作成する事務を一方では軽減するというようなことで、行政みずからが個々のサービスについてモデルとして作成する契約約款というふうに考えております。そういう意味では、利用者の利益を保護する一方で事業者の契約約款を作成する事務を軽減するというふうに考えております。  電気通信分野で標準約款を作成するということで、規定事項として考えられるものは、基本的には、例えば契約の申し込みの手続、あるいは料金の支払い方法、あるいは料金不払いの場合の利用停止の取り扱いというようなこと、あるいは損害賠償に関するような事項、こういったことが基本的な約款事項になってくるというふうに考えております。  それで、事業者がその標準約款と同一の約款を定める場合、また現に定めている約款を標準約款と同一のものに変更しようとする場合に認可を受けたものとされるとしておりまして、みなし認可といいますか、標準約款と同じものであればこれは認可を受けなくてもいい、届け出ると認可を受けたものとみなす、こういうふうにいたしたいという考え方でございます。
  47. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 それでは、この標準約款制を導入することによって、事業者行政事務がどの程度負担軽減になるかという点につきましても御説明をいただきたいと思います。
  48. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 先ほど私、標準約款をつくることによって約款をつくる事業者側の負担軽減される、こう申し上げました。  一方で、加えて申し上げますと、こういう約款ができていくということによりまして、今までですと個別約款認可をしていたという行政事務の負担行政側においても軽減されるということを申し上げることができます。  しかし、これをどの程度、具体的に、数量的に測定するというのは難しいことでございまして、事業者負担軽減行政事務の負担軽減、そしてまた利用者の利益を守っていくという観点から実施するものというふうに御理解を賜りたいと思う次第でございます。
  49. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 それでは、具体的な点は以上にいたしまして、今度、電気通信分野の規制緩和全般につきまして、幅広い視点からお伺いをしたいと思うのです。  特に、一九八五年が我が国の電気通信の自由化の非常に大きなエポックメーキングな年だったわけでございますけれども、ちょうど十年たって、過去を振り返るちょうどいいタイミングではないかと思うわけです。また、NTTの問題も今また提起をされておりますし、今後の問題を考えるためにも非常に重要なときに今当たっております。  そこでまずお伺いしたいのは、この一九八五年の電気通信自由化につきまして、この十年を振り返って郵政省としてどのように評価をしているのか、あるいは問題点を認識しておるのか、お伺いをしたいと思います。  それから、特に国際的な比較が非常に大事だと思うのですね。日本だけで見ると、確かに数字を並べられるといろいろ成果は上がっているなと思いますけれども、国際比較をすると決してそうではないという点もあるんではないかと思います。  例えば、八五年以降の国際比較を考えてみますと、例えば英国、米国、日本、この三つのいわば主な国の電気通信業の売り上げで比較しますと、八五年から九三年の間で、英国の場合一番高くて八〇%の伸びがある。それから米国が五〇%。ところが日本は三〇%という数字になっていると理解をしております。  これは、八五から九三という九年間ですか、この間における売り上げの成長率としては随分少ないんじゃないかとむしろ私は思うわけでございまして、思ったほどこの八五年の自由化の効果は上がっていないんではないか。やはりまだまだ規制が強過ぎる、あるいはまだ構造が硬直化していて、こういう電気通信分野の事業が十分活性化されてないというふうに受け取れるのではないかと私自身は考えるわけですけれども、こういった点も踏まえて、郵政省のお考えはいかがでございましょうか。
  50. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 一九八五年に電気通信の独占から競争へという自由化政策をとりまして、競争政策を入れるということで政策の展開を図ることになりました。先ほどから申し上げておりますが、料金をなるたけ安くする、サービス多様化、高度化するという二つの大きなねらいがあってやってきた政策でございます。  振り返って見てみますと、例えば競争を入れるという観点からは、既に第一種電気通信事業者につきましては百を超える参入者がございました。それから二種事業者ももう二千を超えるということでございます。  一方、料金について見てみますと、競争によりまして、国内、特に長距離、それから国際料金につきましては大体六割下がったという状況でございます。  それから各種のサービス、割引等々のサービスにつきましても、特にここ一、二年、VPNに始まって、大変サービス多様化してきている、これは交換機のディジタル化とも歩調を合わせているものでございますが、そういう形になってきております。  あるいは、昨今に見る移動体通信の端末機器に見られるように、その機器も大変多様化してくるというようなことで、トータルとして見ますと、私どもの電気通信市場活性化に向かいつつありまして、ねらっていた所期の目標に向かっているというふうに考えているところでございます。  ただし、先生から御指摘のように、幾つかの問題点もございます。  例えば、競争という以上、通信の世界では接続というのが非常に重要なこと、あるいは根幹的なことというふうに申し上げてもいいかと思いますが、そんなことについても問題があったりもいたします。  あるいは、地域の通信という意味では、これは独占状態でございますので、これの活性化というのもまた今後考えていかなければならない問題というようなこともございます。  それから、サービス多様化するという観点からは、交換機をディジタル化してまいりませんと、NTTの交換機をディジタル化してまいりませんと、いわゆる課金等のことができません。そういったようなことで、一〇〇%の完成を今目指して進んでいるところでございますが、平成九年度においてそれが達成できるということですが、これを急ぐ必要があるというふうに考えております。  それから、先生御指摘の諸外国と比べてどうかという観点、絶えず私ども通信という観点のボーダーレス性あるいは最近の経済のボーダーレスというようなことを考えて、私どもも留意をしながら見てきていることではあります。  でありますが、売り上げが伸び率で見ていくと落ちてくるということにつきましては、日本の場合、当時国会におきましても、電気通信の自由化に当たって料金を、特に長距離料金を下げるということ、サービス多様化するということを考えましたので、利用の回数、コール数がどんどんふえましても、売り上げ料金としては単価が下がってきますので下がるということで、一種事業者は、非常に端的な表現を使わせていただきますと、利用増大、収益低減の傾向にあるサービス、それが国民の役に立つというふうに言わざるを得ない種類ではないかというふうに思っております。  ただ一方で、情報通信産業というのを、ネットワークの一種事業者だけで考えるだけでなくて、ソフトを扱う業者等々を考えていきますと、着実にGDPに占める割合というのは上昇しておりまして、平成五年度で見ましても既に三・八六%程度になってきておりまして、当初、改革の当時三%の前の方の段階でございましたが、四%にどんどん近づいてくるということで、情報通信トータルとしては活性化方向にあります。  ただ、私どもとしては、一〇〇%独占であったところにやっと、電話だけで考えても一〇%の競争が入ったという程度ですから、ますますこの競争を進めていって、より多彩なサービス、安い料金、そして国民の利益になる体制に持っていくためにさらに一層努力をし、フレームワークをその時点その時点に合ったものにしていく必要があるというふうに考えている次第でございます。
  51. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 今るる御説明はありましたけれども、これはどうしても、国際比較をすると日本のパフォーマンスは非常にまだまだ悪いということが強く印象づけられるわけでございまして、例えば価格にしましても、確かに日本だけ見れば下がっている、半分ぐらいに下がっていると思いますけれども、総体として見れば。ただ、もちろん、円高等も考慮をしても、確かにいろいろな要因はあるかもしれませんけれども、内外格差がどんどん開いているという事態があるわけですね。その結果、いわゆるコールバックサービス、外国にちょっと電話してコールバックをしてもらうという形のコールバックが急激にふえているわけであって、これなども、国際的に見てどんどん日本が差をつけられているということのあらわれではないかと思うわけですね。  それからまた、今局長は、量はふえたけれども価格が下がったので収益が悪いということをおっしゃっておりますが、こういうダイナミックに発展する分野では、価格も大きく下がり、かつ需要も爆発的にふえて、それによって収益も上がるということが本来の姿であるべきなのであって、量はふえたけれども価格が下がったので収益が悪いといったようなことは、決して健全な状態でないと私は考えるわけでございまして、相当、基本的にこの電気通信分野、まだまだ構造的に問題がある、自由化の点で効果を発揮していないというふうに考えるわけでございます。  また、何といいますか、技術革新のスピードとか、それからまた株主への利益還元とか、いろいろな観点をとってみても、我が国の場合はまだまだこの自由化の効果があらわれていないということを感ずるわけでございまして、改めてこの国際比較という点を特に強調したいと思うのですね。  特に、これから電気通信の場合にはほとんどグローバルなことを大前提にして考えなければならないわけであって、国内だけで考えているとこれはもうとんでもないことになるぞということを私は感じております。内弁慶、外ネズミということもありますけれども、そういうことのないように、ぜひ外でも弁慶になれるように頑張ってもらいたいということでございまして、もう一度この点につきまして、局長からまずお答えをいただきたいと思います。
  52. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 ただいま先生から御指摘いただいたような点の問題というのは、確かにございます。独占で長い間やってきたということもあったかもしれません。  先生の御指摘の点について、二、三申し上げさせていただきたいと思います。  まず、料金につきましては、国際料金、これも為替との関係がありますが、外国と比べる、アメリカ等々と比べた場合に、やはり若干高くついている状況にあります。さらに、国内の長距離、これも同じでございます。さらに、移動体通信、それから専用線長距離、大容量の部分、こういったところは国際的に比べましても高い状況にありまして、一次的には事業者にお取り組みいただくということになりますが、ぜひ料金の値下げの方向に行ってもらいたいというふうに考えているところでございます。  それから、収益の関係でございますが、絶対的な売上数というのが歯どめのかかっている部分がありますが、マーケット全体としては伸びておりまして、一方では、NTTが一時、収益状況一千億円程度になる、切るというようなことがありましたが、総じて、利益という観点からは健全に推移している。例えば、KDDの例を申し上げますと、売り上げがある意味で極端に伸びていませんが、利益というのは従来同様健全な形で推移しているということで、もちろん、百社も入っておりますので個別に見ますといろいろありますが、利益自体という意味ではかなり健全に、それぞれ効率化に努めていただいてやってきているのではないかというふうに思っております。  それから、技術革新についてでありますが、特に、一次的には交換機のディジタル化というようなことを私ども考えておりました。しかし、そろそろ、百年やってきましたこのネットワークも、どの先進国も次の世代に向かってのネットワーク構築に入っております、そういったこと。あわせまして、ソフトの開発というような問題、アプリケーションの開発というような問題ということから、技術革新については、一層、私どもいろいろな形で努めてまいるというふうに思っております。  それから、株主の利益の保護ということにつきましても、自由化してからいろいろなことがありました。例えば、もうオープンになっている会社ですから問題ないと思いますが、第二電電なんという会社が上場しまして、大変、株につきましての話題を呼んだ。時価総発行額が、例えば日本電気、NECをも上回る状態になっているとか、そういうこともございまして、ある意味で言いますと、NTTの株主という意味ではございませんが、電気通信全体の株主というのは、それなりに利益がもたらされた部分というのも相当多いのではないか。例えば日本テレコム等の上場があります。例えば、最近新聞に報じられているという意味ではNTTデータというようなものもあったりもいたします。NTTの株主というのもたくさんおります。  公益事業にあって株主の利益の保護というのをどう考えるかということがありまして、言ってみますと、利用者負担において株主の利益を得るというようなことは基本的には許されないのではないか。株主の利益、権利というのを確保していくというのは当然重要なことでありますが、まずは消費者とのかかわりで考えていかざるを得ないというのが公益事業の実態がというふうに考える次第でございます。
  53. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 きょうは時間がありませんので余りこの議論をする時間はないのですけれども、ぜひ希望したい点は、日本電気通信事業ということですが、これはさっきも局長おっしゃったように、もう今ボーダーレス化の時代、グローバルな時代ですから、国内市場優先の発想等は一切捨ててグローバル市場大前提で、これで自由競争でどう勝ち残るかという発想でいかないとどんどんおくれてしまうということを私は強く感じておりますので、ぜひそういうグローバルな発想で、郵政省は今後の電気通信分野の推進に取り組んでいただきたいということをお願いをしたいと思っております。  それからもう一点、先ほどプライスキャップ制についての質疑がございましたが、それとともに、いわゆるサンセット方式、さまざまな規制緩和に関してのサンセット方式ですが、新しい法律を制定した場合、期限を切って消滅、廃止あるいは見直しという、それをする考え方ですけれども、こういうサンセット方式についての郵政省の御見解はどういうものでしょうか。     〔委員長退席、住委員長代理着席〕
  54. 木村強

    ○木村(強)政府委員 先生ただいま御指摘ございましたいわゆるサンセット方式の導入でございます。これは電気通信に限らず、新しく規制を設けようという法律のつくり方に関する議論でございますので、官房の方からお答えをさせていただきます。  ただいまのサンセット方式につきましては、平成六年二月十五日に、今後におきます行政改革の推進方策についてという閣議決定がございます。また、年度末、先般、三月三十一日でございますけれども、閣議決定をされました規制緩和推進計画につきましても、その中に「規制の新設に当たっては、原則として当該規制一定期間経過後に見直すこととする。法律により新たな制度を創設して規制の新設を行うものについては、各省庁は、その趣旨・目的等に照らして適当としないものを除き、当該法律一定期間経過後、当該規制の見直しを行う旨の条項を盛り込むものとする。」と規定されておるところでございます。  先生御指摘のようないわゆるサンセット方式につきまして閣議でもこのように決定をされておりまして、私どもといたしましても、規制の新設に当たりましては、この閣議決定の趣旨をよく踏まえた行政運営を行いたいというふうに考えております。     〔住委員長代理退席、委員長着席〕
  55. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 時間がありませんので、最後に大臣にお伺いをしたいと思いますが、今までの議論を踏まえまして、この電気通信事業関係規制緩和、これは我が国に大変重要な課題でございます。特にこの電気通信というものが、二十一世紀に向けての我が国経済活性化の最大のポイントと期待をされているわけでございまして、この戦略を誤れば大変大きなダメージにもなるわけでございます。  特に、るる申し上げていますように、グローバルな市場ということが今一番の大きなポイントではないかと思います。あのアメリカ、欧州といった巨人とどう伍して頑張っていくかということでありまして、ハンディキャップは全く与えられていないという状態、しかも全くグローバルな状況で勝ち抜いていかなきゃならないということでございまして、一歩誤ると非常にこれ、日本は大きなおくれをとるということでございます。そういったものも踏まえまして、この電気通信事業関係規制緩和に関する大臣の御見解、決意をお伺いをしたいと思います。
  56. 大出俊

    大出国務大臣 遠藤先生お話、一々よくわかるんですけれども、この十年間、日本は随分思い切ったことをやったなという気がするんですよ。  私は、私自身も交換をやったことのある男ですから知らぬわけじゃないので、いろいろ調べてみましたが、ドイツは今年の一月から、ドイッチェ・ブンゲスポストテレコムと言っておりましたのを、ブンゲスポストを取りまして、上納金もやめまして、完全なテレコムにしたわけですけれども、これは形は完全な独占です。ただ、いわゆるVAN、付加価値通信網などの方は競争原理を入れています。しかし、基本的なものはみんな独占ですね。それからフランスも同じことでございまして、完全な独占で、バンゲマン、EUの御大はフランス出身ですけれども、大分話してみたんですけれども、五年ぐらいかかるんじゃないかというんですね。英国もマーキュリーが育ってはきていますけれども、やはり九〇%はブリティッシュ・テレコムですよ。マーキュリーは一〇%ぐらいですね。日本と同じようなものですね。アメリカは逆になっていまして、ベビーベルと言われた二十二を七つに絞って、州ごとに決めたものを、今度は法律改正しようという法律が出ていますけれども長距離をやらせるという、いろいろなことになっています。OECDの数字を見ると、満点十八ですけれども、開放率、自由化率は日本が十五で、フランスなんか二か三、ドイツもそんなものですけれども、そういう状況なんです。  今お話しのような、五十嵐さん答えておりましたけれども、これからやらなきゃならぬことは日本の場合も山ほどあると思っておりまして、そういう意味で、六十年の制度改正で非常に自由化を進めてまいりまして、大変に料金が下がってきている。国民の皆さんにとってはそういう意味では成功しているわけでございますが、御指摘のように、いまだにNTT電話市場全体の約九割を占めている現状でございます。だから実質的な競争を確保するということで、今後とも競争原理をさらに導入、規制緩和をして、そして一層競争を進めていくという方向をとっていかなければならないだろう。  また、我が国の第一種電気通信事業に関する制度を国際的に見ると、今私の申し上げたような、一九九三年のOECD通信白書というのがありますけれども、ここで世界で最も自由化率の進んだ国が日本だというふうにこの白書の中で認めているわけでございますが、しかしなお、今申し上げましたように、前に進めなきゃならない。第一種電気通信事業者が八十五社でございましたが、NTTとKDDを抜いて八十五社、第一種電気通信事業者でございますけれども、これがPHSが入りまして、二十一ふえて、さらに三ふえて、二ふえていますから、そういう意味では百十二ぐらいに今第一種なっていると思うのでございますが、これもさらに前に進める、そして料金を低下させる、低料金方向に進めていきたい、全く御指摘のとおり、規制あり方について私は一つ二つ条件をつけていますが、あとはできるものはみんな緩和の方へ行ってくれ、検討してくれと言っておりますので、逐次そういう方向に、御指摘のような方向に進んでいくだろう、こう思っております。
  57. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 この電気通信分野、これからさらに大きな、重要な段階に入るわけで、特にNTTあり方論は次の大テーマでございます。新進党におきましても日笠担当のもとに、また河村委員が座長になりましてテレコム・トゥモローという委員会を今発足をさせておりまして、さまざまな角度から十分に今勉強をしております。まだ諮問が出たばかりで、今、議論はまだするタイミングではないと思いますけれども、今後十分な徹底した論戦をするということを予告をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  58. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、矢島恒夫君。
  59. 矢島恒夫

    矢島委員 規制緩和についての二つ法案についてですが、電波法につきましては、無線資格取得要件の緩和など、私ども規制緩和というものについての内容を吟味しながらそれぞれ態度を決めているわけですけれども、これについては賛成できる法案だと思っております。しかし、電気通信事業法については、国民利用者が支払う通信料金規制緩和という点について、公共料金を幾らにするかという料金の決定方法というものにかかわる問題ですから、質問をしていきたいと思います。  先ほど来、同僚議員からも、「利用者の利益に及ぼす影響が比較的少ないもの」として省令で定めるもの、こういうことになっておりますが、具体的にどういうものかという点についても質問がありました。五十嵐局長の方から、大体その範囲として、収入の一割程度届け出になっていくんじゃないかとか、大枠についてはいろいろ御説明がございました。ただ、具体的なものはこれからということになっているわけで、どの料金届け出制にし、どの料金認可制にするかという、この最も基本的なものがまだ明らかにはなっていないという状況に今あるわけです。  こういう状態で審議するという点について私は問題を一つ感じます。さらに、こういう具体的な資料提出していただいて審議ができるという状況が望ましいと思うんですが、同時に、先ほども質問がございましたが、審議会諮問という問題がございました。これも行わないという御答弁がありました。こういう利用者に及ぼす影響が比較的少ないものという、この判定によって届け出制緩和していくわけですけれども、このことは結局、郵政省任せの状態にある、こう今までの御答弁の中から判断するわけです。  こういうやり方で電話利用者が毎月支払っている料金が決まっていくということは、利用者の意向は全く反映されないまま値上げされるということが起こるのではないかという気がするんです。この点についてはどうですか。
  60. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 先ほど申し上げましたとおり、今回の認可制から届け出制にという中で、国民生活あるいは経済活動基本的にかかわりのあるというものは認可にそのまま残していくという基本的な立場に立っております。  それから、具体的なその認可にしていく対象になる考え方につきましては、先ほど申し上げましたのでこれは省略させていただきたいというふうに思っておりますが、国民の皆さんが意向を反映する場がないのではないかという御指摘でございます。これは、審議会という手続は確かにとりません。でありますが、先ほどから申し上げておりますとおりに、いわゆる業務改善命令という点がございます。そういった意味で、それが不当なものであるとか、あるいは大変差別的なものであるとかということになってまいりますと、もちろん国民の皆さん、消費者の、利用者の方々からそういう声が寄せられるというのがきっかけになったりもするかもわかりません、そういったときに、私どもとしてはそれに取り組んで改善をしていくという道がございますので、審議会という方法は確かにとりませんが、国民の皆さんの意向をそういう形で反映する道というのは開かれているというふうに考えているところでございます。
  61. 矢島恒夫

    矢島委員 先ほどの質問の中にもありましたが、その業務改善命令というのは今まで出されたことがない、こういうお話でした。そこで私、そういうものがあるけれども、実際問題として消費者利用者の意向というのが反映されるだろうか、非常に疑問を持つので、具体的にお聞きしたいと思うんです。  例えば付加サービス料金としてプッシュ回線料金、こういうのがありますね。一月三百九十円。ですから年間で四千六百八十円になると思うんです。NTT電話加入者の約三割、二千百六十六万加入から現在このプッシュ回線料金が徴収されているわけです。ダイヤル回線に対して、なぜこれだけの料金を徴収しなければならないのか、またプッシュ回線の方はダイヤル回線に比べてどれくらいコストがかかるのか、お答えいただきたいと思います。
  62. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 プッシュ回線につきましては、今御指摘のありましたように月二百九十円の使用料、さらに工事費当初二千円というのを徴収するという形になっております。  これは、なぜ事業体側が料金を取るという考え方に立つかということでございますが、その仕組みにございます。普通、ダイヤルする、回すだけのものにつきましては、パルス信号が送られて交換機を通じて相手方の番号を識別するということで、特別な装置というのはその限りにおいては必要ではありません。ただ、プッシュ回線で番号で押していくようなものにつきましては、信号として音で送られていく、それを数字に読みかえていくという特別な受信装置が交換機に新たに付加されるということが必要でございます。  こうしたことから、NTTでは受信装置に係る取りつけ費用あるいはそのために取得する費用といったものを回収するというようなことで、使用料、工事料を設定しているという現状でございます。  これは、アメリカにおきましても、同じような格好でプッツユホンの回線サービスは有料化されているということでございます。そういった意味で、個別にそういうことの付加的な装置が必要だということでこの料金を徴収するという形になっているものでございます。
  63. 矢島恒夫

    矢島委員 プッシュ回線について、いろいろなサービスが受けられるということについては確かにできるわけです。とりわけNTTが、「ネットワーク商品販売マニュアル」という業務用の手引書があるわけですが、これは営業の窓口などで使用しているものですけれども、プッシュ回線サービスについての売り込み文句としては、発信のためのダイヤル操作が簡単であるとかあるいは高速であるという利点があるとか、短縮ダイヤルサービスあるいは伝言ダイヤル、着信短縮ダイヤル、転送電話、いろいろなものが利用できますよ、こういうふうになっているわけです。  今お答えにもありましたけれども、プッシュ回線という場合、電話機がダイヤルであるかボタンであるかは関係ないのじゃないか。つまり、ボタン式の電話でダイヤル回線を利用できます。要するに、お話がありましたように、電話機から出る信号、これがダイヤル式のパルス信号なのかあるいは二つの音声周波数の組み合わせ、いわゆるプッシュ信号というものなのか、その違いですから、ダイヤル操作が簡単だということの理由はどうもうなずけないということが一つ。  それから、そのほかのサービスがいろいろ書いてありますが、例えば伝言ダイヤルとか転送電話などいろいろなサービスが受けられるけれども、こういうサービスについてはいわゆる別に付加サービス料金が徴収されるわけですね。  例えば転送電話の場合を申し上げますと、使用料は月額千五百円。これだけでは転送電話利用できないわけでして、先ほど出ましたプッシュ回線の三百九十円。それに短縮ダイヤルの月額六百円。合計しますと月額二千四百九十円支払うことになるわけです、ここでのいわゆる短縮ダイヤルサービスというのも、現在では余り利用されてないわけですね。というのは、電話機自身が短縮ダイヤル機能というのを持っておるのがほとんどですから、かつてのように交換機の側で短縮機能を持たせるという必要はなくなってきているという現状にあると思うのです。  このように、プッシュ回線として付加料金を取っていながら実際に付加サービスを受けようとすると別の料金を払わなければならない、中身はこういうことになっているわけです。ですから、プッシュ回線料金に対応したサービスというものはないと言えるのではないかと思うのですね。  ダイヤル回線はパルス信号で発信する。プッシュ回線では、いわゆるさきの私が見ましたNTTのマニュアルの説明では、島群と低群の二つの音声周波数の組み合わせによる音声周波数信号、PB信号、これによって発信できるサービスです、こう書いてあります。クロスバー交換機の時代ならまだしも、ディジタル交換機ではどちらの信号でもコスト的にはほとんど変わらないのじゃないかと思うのですね。むしろ二つの信号を組み合わせるプッシュ回線の方がゼロと一の組み合わせのディジタルに合致しているのじゃないか、こういうふうに思うのです。  そこで、先ほども御答弁がありましたけれどもNTTのディジタル化率、いわゆるディジタル交換機で処理する端子数は平成九年には一〇〇%を目標にしているとおっしゃいました。現在大体八〇・五%ぐらいまでいっていると思います。これに対してクロスバー交換機はわずか〇・三%ぐらいにすぎないと思うのです。毎月毎月この三百九十円の付加使用料を徴収する根拠は極めて薄弱だと私は思いますし、付加サービスとしてこれだけの料金を払うメリットはほとんどないのではないか。利用者がこのことで納得するのか。この点について少し説得力のある御説明をいただきたい。
  64. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 大変具体的なお話をいただきましたが、前提として私、今プッシュホンにかかわる原価そのものを数字としてはここに持ち合わせておりませんので、それを申し上げることはできません。でありますが、先ほどから繰り返して申し上げることに相なりまして恐縮ですが、今の交換機のままではやはりこのプッシュホンのサービスはできない。受信装置を特に交換機に新たにつけるという付加的な要素でそのように新たな料金を取るということにNTT自身としてはなっている。  先生からお話がありましたとおり、端末機の側でダイヤルを回すのでなくてプッシュホンというか押す形であっても中身はダイヤルになっているものももちろんございます。それから、回線側に負担を持たせるのか、端末に負担を持たせるのかで、言ってみますと消費者の選択ということで、端末に自分で持たせることによって回線料を回避するということもできるわけでございます。そういう意味では、そこはお客様というか国民の皆さん、消費者の選択の問題ということにも相なってくることだろうというふうに思っております。  それから、私ども絶えず料金の適正化ということを心がけてまいらなければならないと思いますが、もしそれがコスト対利便ということで消費者が考えて、実際には余り役にも立たないということであれば、現実問題として消費者はそのサービスを使わないというふうになっていく、そういう側面もあわせてあるのではないかというふうに思っております。ただ、基本的な私どもあり方としては、料金が絶えず適正であるようにということについては心がけてまいりたいというふうに思っております。
  65. 矢島恒夫

    矢島委員 コスト対利便ということを考えてお客さんが使わなければいいんだ、そういう考え方というのは、これからマルチメディア時代においていろいろなサービスもあるだろうし、いろいろな要求も利用者には出てくる、しかし使わないのは勝手だという考え方は本末転倒しているのじゃないか、納得できないな、こう思います。  そこで、もう一つ具体的にお聞きしたいのですが、キャッチホンというのがありますね。これは、話し中第三者から電話がかかってきて、一たん保留して次の電話にも出られるというサービスですけれども、この付加料金というのが月額三百円だと思うのです。  一方、NTTには、代表リレーサービスというのがありますね。これは、何回線も持っている事業所などが使用しておりますけれども、代表番号にかければ、その番号が話し中でもあいている回線に回してもらえる、ビジネスホンなどで利用している場合が多いと思うのですが、こちらの方は付加料金は徴収されていないと思うのです。  つまり、その理由についてNTTは従来からこう言っているのですね。話し中で追い返してしまえば一円の収入にもならない、他のあいている回線に回すことによって通話料収入が得られる。この代表サービスを行うためにも交換機の側での措置が必要だと思うのですね。話し中で収入にならない通話をつなげることによって収入になる、だからこの付加サービス料金は取らないのだ、こういう説明を受けたわけですが、キャッチホンでも同様だと思うのです。話し中で収入にならない通話をつなげることによって通話料金が得られるし、キャッチホンで保留中の場合も通話料は従来どおり取られているわけです。  ですから、これで片方は月額三百円、片方は無料、同じような付加サービスにどうしてこういう差ができるのかという疑問があるわけです。この点について。
  66. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 代表機能については無料にして、キャッチホンについては付加利用料を取るということについて私どもが承知していることを申し上げますと、キャッチホンの提供のために交換機に追加的な施設を要してその費用が発生する、代表機能についてはそうした費用が発生しないということでこれは無料となっているというふうに承知をしております。  キャッチホンサービスでございますが、ただいま先生からお話のありましたとおりに、通話中の回線を一たん断をして、保留をして、そして別の発信者からの回線を接続するということで、電話交換機にこうした制御機能を付加するという必要があります。こうしたことで、NTT自身としては、交換機に新たに制御機能を付加するその費用が必要だ、その回収のために料金を設定しているというふうに承知をしております。  これに対しまして、代表リレーと先生おっしゃいましたが、代表リレーサービスというか代表機能サービス、これにつきましては、ある契約者の回線が話し中であれば、それ以外の契約者の回線に自動的に着信を行うということで、この機能自身は電話交換機にあらかじめ備えてある基本機能でありまして、NTTとして、代表機能を提供するための追加的な費用というのは不要であるということで料金を設定していないというふうに私どもは承知しております。  なお、アメリカイギリスにおいても、この代表機能については無料になっておりますが、キャッチホンサービスについてはやはり有料で提供されております。
  67. 矢島恒夫

    矢島委員 代表リレーサービスの場合には代表の電話があるわけですけれども、それにはいろいろかかるわけです。それとキャッチホンとの場合ということになると、利用者にとっては、どうも料金に差別があるのじゃないかというような意識を持つわけですから、やはりこの合理的な説明というのは必要になってくるだろうと思います。  そこで、もう一つお聞きしたいのですが、これは認可対象から外されている問題なのですが、NTTの工事料金の問題です。  先ほど局長の答弁の中にプッシュ回線にする場合の工事料金お話が出ました。電話料金でないということで、現在これはもちろん非認可料金とされているわけです。郵政省認可やあるいは電気通信審議会での審議なども必要としない、事業者の都合と判断で決定できる料金であるという点がこの工事料金だと思うのです。  さきに挙げましたプッシュ回線に関する工事料金ですけれども、ダイヤル回線からプッシュ回線、あるいは逆の場合もあるかもしれません、プッシュ回線からダイヤル回線、この場合に、付加サービス料金以外に工事料金が徴収される。加入者の側では全く工事の必要がなくても、NTT側のいわゆる局内工事、この場合で二千円だと思います。この二千円が徴収される局内工事とはどういう工事をするのかという点について、もし郵政省わかっていたらお答えください。
  68. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 先ほど申し上げましたが、プッシュホンサービス提供するNTT側におきましては、交換機にさらに受信装置を付加しましてそのプッシュホンが発してくる信号を読むということがございます。そういった意味で、その受信装置を新たに交換機につけていくというようなことでの工事費であるというふうに承知をしております。  ただ、詳細につきましては、私どもなりにまた調査をさせていただきたいというふうに思っております。
  69. 矢島恒夫

    矢島委員 いわゆる局内工事ということで、ディジタル交換機の場合はキーボードで入力するだけで事足りる。現在八割以上がもうディジタル交換機になっていますね。平成九年には一〇〇%にやっていこうという状況にあります。だから、キーボードを幾つか操作するだけで二千円の局内工事だ、こういうのが今の実態なんですね。  お客様にとっては、大変な工事をやるのだったら、今までのクロスバー交換機の場合にはそれなりに配線の張りかえなどやりますから確かに工事らしい工事ということで、工事費だと言われればそうかなとは思うのですが、ディジタル交換機でキーボードで入力するだけでダイヤル回線をプッシュ回線に変更できるわけですから、そうなりますと、こういう工事費が取られているわけで、キャッチホンの場合には工事費は無用だ、これも実際の操作はキーボードで入力するだけですね。  ですから、現場の状況を聞きますと、プッシュ回線にするのもキャッチホンにするのも作業量は大して変わらない、こう聞いているわけですけれども、その同じようなキーボードの入力で、片方は二千円で片方は無料、現状はこうなっているわけです。こういうキーボードで入力する程度の作業を局内工事だといって工事料金を徴収するというわけですが、これが届け出で行われているわけですよ。  これからさらに規制緩和をして届け出料金をふやしていこうというわけですが、こういう問題を郵政省としてどう考えているかということです。
  70. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 現実的な問題として今先生からお話のありましたような、いわゆる局内においての付加作業とか付加装置についてどの程度負担になっているかというような問題については、いわゆる認可料金等々でないものについては、その性格にかんがみて私どもあり方も考えなければならないことではありますが、そういう問題提起を受けて、私どもなりにまた技術革新の背景等々を考えながら勉強してみたいというふうに考えているところでございます。  ただ、いずれにいたしましても、私ども今回の制度改正ということにつきましては、利用者の利益を確保するという観点を保ちながら事業者負担軽減して弾力的にサービス提供できるということで、弾力的にサービス提供できるという点はあわせてまた消費者の利益にはね返ってくる面もありまして、そういった意味でこの制度改正をお願いしているわけでありまして、私どもとしましては、今の大きな二つの価値観、あるいは二つの視点というものを見詰めながら適正に運営をしていく。そうして、適当ではない、あるいは不当なものだというようなものにつきましては、先ほどから申し上げておりますとおりの業務改善という意味でのセーフガードもありますので、そういったものについても、その効力を使いながら利用者の利益というのを守っていくことができるのではないかと考えておりまして、この法律が成立してまいりましたら、その適正な運用に心がけてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
  71. 矢島恒夫

    矢島委員 確かに工事料金というのは非認可料金ですから、今後いろいろそういう部分にまで目を届かせて御言及いただければと思います。  時間がなくなってまいりましたので、大臣にお聞きしたいのです。  要するに、今まで時間をかけて私いろいろ聞きましたが、大体NTTの独占料金なのですね、私が今お聞きしたのは。つまり、付加サービスとか工事料金とかしておりますが、いずれも競争相手は今のところないわけです。NTTの都合で料金が決定できる。キーボードだけでできる工事料金もある。あるいは余り目に見えるサービスがないプッシユ回線料金というようなものもある。こういうところから付加サービス料金を徴収できる。これも一つは独占料金であるという背景があるのじゃないかと思うのです。  そういう点からいきますと、こういうものが届け出制とされますと、当然競争原理は働かないことになります。キャッチホンに競争相手はないわけです。事業者が思いのままに料金届け出て、それが利用者から徴収されていく。審議会の審議もない。  そもそも現行法によるいわゆる認可制、これも電気通信事業の民営化と競争体制導入、こういうことで始まったわけであります。だから競争が前提になった制度であろうと思うのですね。ところがこの法案は、競争がない独占料金もさらに緩和して届け出制にしていこう、こういう方向があるわけです。具体例を挙げたのも、こういう独占的なサービスがあるがゆえにこの不合理な料金が今も徴収されているのじゃないかという点を私は指摘したわけなのです。  大臣、独占料金届け出制にしてしまうということは、利用者や、あるいは消費者保護の立場とかけ離れているのではないかということと、それから、認可制とか届け出制という以前に、通信というのは国民生活経済活動の基盤です。ですから、公共事業の経営として、本来利用者にいろいろな面は公開されなければならないと思うのです。  ただ、私このNTTの決算書を見たのですが、付加サービスについては、これはディスクロージャーの対象になっていないということで、どれくらいの収益を上げているかというのはわからないのです。通信興業新聞などの業界紙ではある程度この数値が挙がっておりますが、相当の収益を上げているというふうに判断できるわけです。  そういうような料金設定に対して、届け出制に独占的な料金までしてしまうということについては、これは消費者の立場から言うと認められないのじゃないかなという点もあるのですが、この辺を含めて大臣にちょっと。
  72. 大出俊

    大出国務大臣 矢島さん、この種の制度改正というのは、その都度、トータルとして見ればこれでいいだろうと思うのですけれども、必ず何か出てくる。  プライスキャップお話もさっきありましたけれども、これもかつて、もう大分前ですが、随分資料を集めて、私自身が国会で質問するつもりで調べた時代があるのです。これも競争のところと独占のところがあります。頭を決めるというと、独占のところを上げておいて競争のところは安くする、競争に勝とうというのですから。トータルで見ると上がっているなどということになっている例もありまして、ですから一概には言えない面があるのです。ダイヤルの場合、プッシュホンの場合、これもいろいろ混合電流を流すとか、いろいろな理由がありますが、長くなりますからやめておきます。  一言で言って、規制緩和という流れをつくって進めてまいりました、閣議でも千何十かやろうと決めて。ですから、これは事務当局が一生懸命やって積み上げたものですから、何とかやらせていただきたいな。そして、お話しのようなことで矛盾が出てくるとすれば、今度は新しい法律規制もございまして、これは三十一条の第三項になるのですか、皆さんのためによかれと思ってやるわけですから。ところが、特定のところに利益が行くとか、一般の方が不利益だとかということになった場合には、これを変更する、そういう命令をするという意味の条文がございますから、一種事業者に対して、おかしいぞ、それはこうしろということは言えるようになっておりますので、そこらを慎重に見て、マイナスにならぬように進めてまいりたい、こう思っております。
  73. 矢島恒夫

    矢島委員 ぜひそういう方向で対処していただくということをお願いして、質問を終わります。
  74. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  75. 自見庄三郎

    ○自見委員長 電気通信事業法の一部を改正する法律案に対し、日本共産党から討論の申し出がありましたが、先刻の理事会で協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。  電波法の一部を改正する法律案に対する討論の申し出はありませんので、これより両案について順次採決に入ります。  まず、電波法の一部を改正する法律案について採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  76. 自見庄三郎

    ○自見委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  77. 自見庄三郎

    ○自見委員長 ただいま議決いたしました電波法の一部を改正する法律案に対し、虎島和夫君外四名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。遠藤乙彦君。
  78. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 ただいま議題となりました電波法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     電波法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。  一 電波利用技術の急激な進歩・発展に伴う無線従事者に要求される知識・技能、無線従事者の雇用の需給環境等の変化に的確に対応するため、無線従事者に関する施策について適時検討を行い、必要な措置をとること。  一 悪質・巧妙化している不法無線局の増大にかんがみ、電波監視施設の早急な整備に努めるなど不法無線局に対する監視体制の一層の強化を図ること。  一 電波利用の拡大に対応し、周波数逼迫対策の充実及び電波行政の効率化にさらに努めること。 以上のとおりであります。  この附帯決議案は、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び日本共産党の五派共同提案に係るものでありまして、案文は当委員会における質疑の動向等をしんしゃくして作成されたものでありますから、各項目についての説明は省かせていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。  以上です。
  79. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  虎島和夫君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  80. 自見庄三郎

    ○自見委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。  この際、大出郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大出郵政大臣
  81. 大出俊

    大出国務大臣 ただいま電波法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼申し上げます。  本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。  まことにありがとうございました。     ―――――――――――――
  82. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、電気通信事業法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  83. 自見庄三郎

    ○自見委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  84. 自見庄三郎

    ○自見委員長 ただいま議決いたしました電気通信事業法の一部を改正する法律案に対し、虎島和夫君外三名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。田中昭一君。
  85. 田中昭一

    ○田中(昭)委員 ただいま議題となりました電気通信事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     電気通信事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。  一 事前届出制の対象となる料金を定めるに当たっては、規制の合理化を図る観点から、利用者の利益と事業者負担軽減に十分配慮するとともに、料金の届出については、その手続き等の簡素化を図ること。  一 標準約款の制定・変更に当たっては、利用者の保護に十分配意すること。 以上のとおりであります。  この附帯決議案は、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけの四派共同提案に係るものでありまして、案文は当委員会における質疑などを勘案して作成したものでありますから、各項目についての説明は省かせていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。  以上です。
  86. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  虎島和夫君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  87. 自見庄三郎

    ○自見委員長 起立多数。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。  この際、大出郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大出郵政大臣
  88. 大出俊

    大出国務大臣 ただいま電気通信事業法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼申し上げます。  本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。  まことにありがとうございました。     ―――――――――――――
  89. 自見庄三郎

    ○自見委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 自見庄三郎

    ○自見委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕      ――――◇―――――
  91. 自見庄三郎

    ○自見委員長 内閣提出放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。大出郵政大臣。     ―――――――――――――  放送法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  92. 大出俊

    大出国務大臣 放送法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、真実でない事項の放送により権利を侵害された者に対する救済措置の改善を図るため、訂正または取り消しの放送の請求期間を延長するとともに、放送事業者放送番組を保存すべき期間を延長するなどの改正を行おうとするものであります。  次に、この法律案の概要を申し上げます。  第一に、訂正または取り消しの放送に関し、真実でない事項の放送により権利を侵害された者が放送事業者に対して訂正または取り消しの放送の請求を行う期間を、「放送のあった日から二週間以内」から「放送のあった日から三箇月以内」に延長することとしております。  第二に、放送番組の保存に関し、訂正または取り消しの放送関係者などが放送後に放送番組の内容を確認することができるようにするため、放送事業者放送番組を保存すべき期間を、「放送後三週間以内」から「放送後三箇月間」に延長するとともに、訂正または取り消しの放送関係者などが放送番組の内容を確認する方法は、視聴その他の方法によることとしております。  その他所要の規定の整備を行うこととしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。  以上でございます。
  93. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、明十三日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十五分散会      ――――◇―――――