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1995-02-07 第132回国会 衆議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年二月七日(火曜日)     午後一時三分開議 出席委員   委員長 自見庄三郎君    理事 佐田玄一郎君 理事 住  博司君    理事 虎島 和夫君 理事 遠藤 乙彦君    理事 金子徳之介君 理事 河村たかし君    理事 田中 昭一君 理事 小沢 鋭仁君       荒井 広幸君    岸本 光造君       佐藤 剛男君    斉藤斗志二君       坂井 隆憲君    関谷 勝嗣君       宮崎 茂一君    山下 徳夫君       神崎 武法君    小坂 憲次君       古賀 一成君    佐藤 守良君       高木 陽介君    高橋 一郎君       日笠 勝之君    大木 正吾君       横光 克彦君    吉岡 賢治君       高見 裕一君    矢島 恒夫君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 大出  俊君  出席政府委員         郵政大臣官房長 木村  強君         郵政大臣官房審         議官      品川 萬里君         郵政大臣官房審         議官      岡井  元君         郵政省郵務局長 加藤豊太郎君         郵政省貯金局長 谷  公士君         郵政省簡易保険         局長      高木 繁俊君         郵政省通信政策         局長      山口 憲美君         郵政省電気通信         局長     五十嵐三津雄君         郵政省放送行政         局長      江川 晃正君  委員外出席者         警察庁交通局交         通企画課長   小池 登一君         国土庁防災局震         災対策課長   橋本  健君         外務大臣官房総         務課長     薮中三十二君         厚生省社会・援         護局企画課長  中山 和之君         郵政大臣官房建         築部長     尾島  勲君         参  考  人         (日本電信電話         株式会社代表取         締役社長)  澤田 茂生君         参  考  人         (日本電信電話         株式会社理事保         全サービス部         長)      高島 秀行君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社取締         役)      村谷 拓郎君         逓信委員会調査         室長      丸山 一敏君     ————————————— 二月三日  日本放送協会平成五年度財産目録貸借対照表  及び損益計算書 は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  逓信行政に関する件      ————◇—————
  2. 自見庄三郎

    ○自見委員長 これより会議を開きます。  この際、私から一言申し上げます。  本日、この委員会におきましての質疑答弁等につきましては、マイクの構造上、着席したまま発言していただくようにお願いをいたしたいと思います。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本電信電話株式会社代表取締役社長澤田茂生君、日本電信電話株式会社理事保全サービス部長高島秀行君及び国際電信電話株式会社取締役谷拓郎君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 自見庄三郎

    ○自見委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 自見庄三郎

    ○自見委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。住博司君。
  5. 住博司

    住委員 質問に入ります前に、兵庫南部地震阪神大震災でとうとい命を失われた方、遺族の方々に謹んで哀悼の意を表します。また、けがをされた方や家が壊れ、住む場所を失い、避難生活を続けておられる方々に心からお見舞い申し上げます。  それでは、座って質問させていただきます。どうぞよろしくお願いします。  私も、かつて記者として、数多くの災害現場に行きまして取材活動をしたことがあります。今回の阪神大震災被害状況といいますのは、想像をはるかに超えまして、まさに未曾有の大災害だということを実感してまいりました。  地震による災害はまさに寝耳に水という形で起きまして、一秒前までは今までと全く変わらない日常生活があるわけです。今回の場合は多分就寝中の方が大変多かった、こう思います。ところが、地震が起きた瞬間から、今までの日常生活が全く変わってしまう、暗転してしまう、こういう災害でありますから、非常にその対応が難しいということがまず一つ挙げられると思います。そして、その地震が起きた瞬間から全く違う世界が広がっていくということで、我々もそういう対応をしていかなければならない、そういうふうに思います。  大切な人を失った、家を失った、物を失った、そういう、それぞれの人生があったことを思うときに、本当に、はかり知れない喪失感が多分、今避難をされている方々の心の中に去来をしているのではないか、こんなふうに私も思います。きのうよりきょう、きょうよりあすという形で、少しでも希望を持てる展望を示す、それが必要だと私は思います。そして、政治に携わる者や行政に携わる者一人一人が持てる力を最大限に発揮をして、被害復旧被災された方々の救援を行っていかなければならない、こう思っているところでございます。  きめの細かい対応を迅速に行うということが第一、そしてまた、不備と思われる法律や制度があるならばそれを積極的に見直す、新たな立法が必要なときにはそれを速やかに実現する、これが肝要だということを念頭に置きながら、質問をさせていただきたいというふうに思っております。  被災から三週間たったわけですけれども被害内容も、依然として判明しない部分はありますけれども、次第に詳しい内容がわかってきたと思います。現時点で郵政省が取りまとめておられる情報通信関係郵政事務関係被害の概要と、これに対してこれまでとってこられた措置、それをまずお聞かせをいただきたいと思います。
  6. 木村強

    木村(強)政府委員 お答え申し上げます。  かって経験したことがない大災害でございまして、私どもも初めての経験でございましたが、大臣の指揮のもとに、これで完璧だということではございませんが、最大限措置をとってまいったつもりでございます。また、ただいまの先生お話を踏まえまして、今後とも対応してまいりたいというふうに考えます。  まず、電気通信関係でございます。  一つは、ピーク時で三十万を超える加入電話障害発生をいたしましたが、懸命の復旧作業によりまして、家屋倒壊によるものを除きおおむね復旧いたしております。家屋倒壊により不通となりました加入電話につきましても、家屋復旧に合わせて速やかに通話できるよう努めておるところであります。  次に、放送関係であります。  放送事業者放送設備に一部被害がございましたが、速やかに復旧して放送を継続いたしております。CATVにつきましては、停波した施設がございましたが、その日のうちに送信を再開いたしました。  なお、家屋倒壊等による放送不能地域被害状況につきましては、現在詳細調査中でございます。  次に、郵政事業関係被害状況復旧状況でございますが、まず、局舎被害につきましては、普通局では、使用不能となりました周一局、神戸港郵便局でございます。一部損傷した局二局、神戸中央郵便局長田郵便局であります。特定局は、全壊等で建てかえが必要な局十五局、その他大幅な修復を要する局十二局となっております。  また、職員につきましても、死亡六名、うち、ゆうメイトが五名でございます、等の多大な被害が出ておりまして、地震発生直後は出勤が不可能な職員も多数に上ったことから、多くの局で窓口業務配達業務が不可能となりました。  その後、懸命に復旧に努めました結果、本日現在で窓口業務が不可能な局は、普通局一局、神戸港郵便局でございます。なお、この神戸港郵便局につきましては、被害が甚大でございましたので、取り壊しを済ませております。特定局二十五局でございます。  集配業務につきましては、可能な限り業務運行の確保に努めたところでございまして、速達配達は一月二十日以降、通常配達につきましては一月三十一日以降、全局で執行いたしております。  以上でございます。
  7. 住博司

    住委員 その中には、例えば被災地に送られた移動無線機とか、そういったものの答えがないのですけれども、そこのところは一体どれくらい貸与なさっておられるのでしょうか。
  8. 木村強

    木村(強)政府委員 まず、被災地に対しまして無料公衆電話公衆ファクス等を設置いたしました。約二千八百台でございます。それから、移動無線機無償貸与等につきましては四千百十七台を無償貸与いたしております。それから、衛星通信用地球局及び同報系防災行政無線無償貸与等衛星通信用地球局につきましては二十台、同報系防災行政無線につきましては宝塚市に七十一台設置したところで、それぞれ事業者の方あるいはメーカーの方の御協力を得て速やかにこういった措置をとっております。
  9. 住博司

    住委員 もう一つ聞きますけれども簡易保険非常取り扱いというのはどういう扱いをなさっているか、お聞かせいただきたいと思います。
  10. 高木繁俊

    高木(繁)政府委員 非常取り扱いと申しますのは、細々申し上げますといろいろございますけれども、簡単な色分けいたしますと、保険の証書でありますとか印鑑でありますとか、そういうものをなくされた方にもその場で即貸し付けを行ったり、あるいは保険金をその場でお支払いをする、あるいは保険料払込期間を延長する、こういうような措置をひっくるめて非常取り扱いと言っております。
  11. 住博司

    住委員 特に簡易保険関係につきましては、生活に密着をするというのでしょうか、非常に将来に対する希望というものもかかわってくる話ですから、ぜひ窓口で親切な対応をしていただきまして、そして不安のないような形でこれからも取り扱いをいただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。  それでは、ひとつ通信の方に絞って話を聞きたいと思いますけれども災害時の通信というのは極めて重要というのは、これはみんなわかっておるわけですね。ところが、今回は非常にもろかったなということを感じざるを得なかった。想定を超える大被害ということもあったでしょうけれども、それにしてもという声が非常に強いと思います。いつでもどこでもだれとでも話をすることができると思い込んでいた電話だったのですけれども、残念ながら緊急時、いつでも味方になってもらえると思っていた電話が最も必要なときに役に立たなかったということが現実としてありました。  もちろん、通常をはるかに上回る通話が殺到してさばき切れなくなるふくそう現象というのが起きたということもあるでしょうし、それから、ケーブル切断だとか交換機の故障とか、そういったこともあったのだと思いますけれども、例えば、私も以前勉強させていただいたことがある、ひとり暮らしのお年寄りがSOS発信のときに使います緊急通報システムというのがありますけれども、今回ほとんど役に立たなかったというふうに聞いております。緊急通報システムというのはNTT一般加入電話回線を利用しているわけですから、発信規制が行われますとつながらないということもあると思うのですね。ですから、結果的に使い物にならなかったという、そのことを植えつけてしまった、こういうふうに思います。  想定を超えた被災というものがあるにしても、電話機能を維持するにはどんな対応がこれから考えられるのか。交換機の数をふやすのかとか、あるいは交換機機能そのものを大きくするのかとか、いろいろとあると思いますけれども、どうすれば今度の災害のようなときに対応できるのか。その点、今考えられる対応策というものをぜひお示しをいただきたいと思います。
  12. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 ただいま先生から御指摘がありましたとおり、電話ネットワークというような観点について申し上げますと、まず一つは、当日、中継系部分加入者系部分の損傷が起きて、当初三十万加入に支障があったという事実がございます。翌日、中継系あるいは電話局設備についての復旧はほぼ終わりまして、残りましたのはいわゆる電報電話局から加入者の家庭に入ってくる加入者線部分でございました。このことについての復旧は一月いっぱいでほぼ終わっております。  それから、電話がかからなかったということにつきましては、十七日以降、特に災害地内での災害救済、そういう通話を優先する、この種電話というのがほぼ今三十七万八千ありますが、そういう観点から、いわゆる一般電話につきましては一定の量を超えると規制がかかるというような状況になりました。そして災害のときには九五%の規制がかかったということがございましたが、二十四日には規制は全部解除になっております。こういう状況でございましたが、確かに最初の段階でいわゆるビジー状態から通話が思うようにいかないという状態があったことは事実でございます。そういった意味合いにおきまして、私どもとしましては、ビジーの調整的な意味で、いわゆる蓄積をしながら対応するというようなことが交換機としてできるかというような観点がまず一つあろうかと思います。  それからもう一点は、公衆回線というよりは防災行政無線観点でございます。  この防災行政無線も、いわゆる兵庫県の防災無線、これは自治体衛星を使ってのネットワークになっておりますが、立ち上がり当初、県庁、これがセンター局になりますが、百六十三あるうち五つの基地局が一部損壊、一部電力の供給不ぐあいというようなことでこれが受信できなかったということで、防災関係行政無線、これのあり方についても見直す必要があるであろう、これはネットワークあるいは非常時の際の電源等の問題を含めて見直していく必要があるだろうというふうに思っております。  それから、全体的に公衆回線あるいは行政無線というものを通じてこういうものを総合調整していくようなスキーム、そういうシステムについても検討していく必要があるだろうというふうに考えておりまして、私どもとしましては、二月の八日からこういうことについての検討会を早急に開始するということにいたしております。座長、東京大学の斉藤忠夫教授中心関係者の方、集まっていただきまして検討開始、そういった中で早急な対策を立ててまいりたいというふうに考えております。
  13. 住博司

    住委員 今も御答弁の中にありましたけれども、まさに今回、もちろん自治体が基本的には責任をきちんととらなければならないということは前提なんですけれども、今回、あれだけの被害を受けて、兵庫県が言ってみれば機能停止をしてしまった、そのときの横のつながりをどうしていくかということは、今おっしゃったように考えていかなければいけないと思うのですね。ところが、どう聞いても、例えばお隣の岡山県、それから大阪府とか、そういったところと横の連絡がどうもとれていないような感じがいたします。  このところを国土庁の方にお伺いをしたいのだけれども、県域を超えた広域防災関係する通信情報システムを具体的に協議している機関などというのはあるのでしょうかね、そこのところをちょっとお尋ねをしたいのですけれども
  14. 橋本健

    橋本説明員 御質問にお答えします。  地震による災害は広域的に激甚な被害をもたらすおそれがございます。これに対処するため、関係機関相互協力して有機的な関連を持ちつつ災害応急対策を実施するということが重要でございまして、大都市震災対策推進要綱、昭和四十六年中央防災会議において決定したものでございますが、ここにおきまして、「大規模被害発生に備えて、国、地方公共団体公共機関を通じて、被災地域の内外にわたる広域的な活動体制の整備に関する計画をあらかじめ定めておくもの」としております。
  15. 住博司

    住委員 定めて、それは、今度はその連絡はうまくいったんですか。
  16. 橋本健

    橋本説明員 これを受けまして、各地方公共団体間で相互の応援に関する計画を定めております。
  17. 住博司

    住委員 そこがやはり全然動いていない。例えば、無線を使っているのでも、自衛隊もあるし警察もあるし消防もあるし防災行政もあるしといろいろな無線があって、先ほどお話があって二月八日から検討会を開いていくということですけれども情報をそこの持っている官庁だけで整理するのではなくて、やはり総合的に集めて判断できるような仕組みというのをつくっていかなければいかぬと思うのですね。これは御要望なんですけれども、ぜひ郵政省中心になって、ひとつそういうまとめというのをやっておいていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。  それから、もちろん地上線が混乱しますとCS、通信衛星が使われるというのは大体当然だと思うのですけれども、私ども会社に勤めていたときに専用回線というのがありましたけれども、この専用回線を、割と生きていたところがあったというふうに会社によっては聞いております、この専用回線を何とか公衆回線と緊急時だけでも結べないかということは検討の余地はあるんでしょうか。そこのところをちょっと。
  18. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 今御指摘のありました専用線公衆網とつないでネットワークを構築していくというのは、非常災害時においてその可能性はございます。と申しますのは、今私ども制度といたしまして、専用線公衆回線をつないでいくというのは法律的に問題があるということではございません。これは基本的には、例えば電気通信事業者でありますNTT約款に基づいて、専用線を貸すときに公衆網とはつながない、基本的な約款契約事項になっています。ただし、その約款におきましても、災害時においては専用線公衆網とつないでもよろしいということになっておりますので、そういう使い方はあり得るということでございます。
  19. 住博司

    住委員 ぜひそういうところで、余り障害のないように、本当に有機的に使っていただければありがたい、こういうふうに思います。  それから、電話線の問題でもう一つ伺いしたいんですけれども、今度のケーブル切断があって、あれだけ電柱が倒れれば当然ケーブル切断されるというのはわかるわけですけれども、いわゆる電柱地下化というのもあの地域では進んでいたと思うのですけれども、聞くところによると、被害率地上地下では全く違っていた。地下系は非常に生き残っていたけれども地上系は全然だめだったという話を聞いております。その実態をちょっとお聞かせをいただければありがたいと思いますし、地下系被害というのはどんな被害だったのか、ちょっとお聞かせをいただきたい。
  20. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 今回の災害に当たりまして、端的に申し上げますと、特に加入者線部分でございますが、この部分については、いわゆる地下埋設している部分架空線に比べて考えますと非常に災害が少なかったというのが結論でございます。  具体的なことを少し申し上げさせていただきますと、工業地区架空ケーブルというものの被災率というのは二・四%でございます。電柱にかけているのは二・四%。地中ケーブル被災率というのは〇・〇三%程度でございまして、単純にこれを比較しますと、地中化の方が架空ケーブルより八十分の一の被災率にとどまったということが言えるだろうというふうに思っております。  そういう意味では、地中化をしていくということは極めて重要なことではないかというふうに思っておりますが、全国的に地中化状況というのを申し上げさせていただきますと、加入者配線地中化の率でございますが、神戸では加入者線全体の五・七%が地下化されておりますが、全国的に平均で見ますと、平成五年度末でまだわずかに二%にとどまっているというのが現状でございます。
  21. 住博司

    住委員 これはコストの問題とかいろいろとありまして、そう簡単に促進はできないのかもしれませんけれども、ぜひこの災害教訓にして、やはり地下化というのはかなり有効であるということを御認識をいただける、各省庁とも御連絡をとっていただいて、それを進めていく方向で検討していただければいいのかな、こういうふうに思っております。  それから、もう一つ伺いをしたいのですけれども災害救助法の二十三条に被災者無償供与貸与する物品が書き込んであるわけですけれども、法の趣旨からして非常に限定的だとは思うのですけれども緊急通信用携帯電話だとか無線というのをこの中に加えて貸与することができないものか、その点を厚生省にまずお伺いをしたいと思うのです。
  22. 中山和之

    中山説明員 御説明申し上げます。  災害救助法は、社会秩序に影響を及ぼす一定規模以上の災害発生した場合に、国が地方公共団体日赤等団体それから国民の協力のもとに、あくまでも応急、一時的に必要な救助を行いまして、被災者方々の保護と社会秩序保全を図るということを目的としておりまして、法による救助内容につきましては、こういった観点から、避難所応急仮設住宅供与とか、あるいは炊き出しその他による食品の給与とか飲料水供給、被服、寝具その他生活必需品給与または貸与、医療とか助産とか、災害にかかった者の救出、住宅応急修理、学用品の給与、埋葬、それから死体の捜索及び処理、こういったようなことでございまして、法による救助はあくまで災害直後における混乱状態に際しての被害者への応急、一時的な救助であるというふうに考えております。
  23. 住博司

    住委員 今の答弁だと、なかなかそれは加えることは難しそうだということになるわけですけれどもね。  だとすれば、郵政省として例えば独自で新しい制度をつくるとか、そういう仕組みはつくれませんでしょうか。その点どういうお考えがあるか、ちょっとお聞かせいただきたい。
  24. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 ただいま厚生省の方からお話ありましたようなことで、災害救助法に基づく品目の中に入ることができないかということで私どもお願いをした経過がございます。現段階では個別の追加品目というのは非常に難しいという回答を得ておりますので、私どももこの際、そうは言いましても現実に今ある状態をごらんいただきますと四千台を超えて無線機器が入っておりまして、これがある意味で基本的な災害対策にも使われているということで、この状態なりこの教訓というのを見逃すということはできないというふうに考えておりまして、私ども独自に、災害時に備えまして国等があらかじめ移動通信無線機器等を備蓄をしておく、そしてそのときに出動していくというようなことで進めたいというふうに考えておりまして、別途今その施策を検討中でございます。また、関係の向きとも今折衝中でございます。
  25. 住博司

    住委員 今度の場今いろいろな事情はあると思うのですよ。だけれども、例えば安否情報をとりたいとか、本当に切実な思いがあって、生活にそれだけ電話がもう入っていまして、電話があることが当たり前のような状況になっているときに、やはりその点をきちんと対応していかないとなかなか不安感というのは取り除けないのではないか、こういうふうに思いますので、ぜひその検討を前向きに進めていただきたい、こういうふうにお願いをしておく次第です。
  26. 大出俊

    大出国務大臣 私も、二十一日に現地に参りまして、市長さん、助役さん、あるいは神戸中央郵便局、また被災者皆さんおいでになるところ、いろいろ会って話したりいたしましたが、非常に好評なんですね、この無料公衆電話。外国の古いっぱい来て、市庁舎の中で、そこから国際電話無料でかけられますからね。また、携帯電話も非常に喜ばれておる。もう一つはラジオなんですけれども、これも非常にありがたいということですよ。  ですから、どうしてもこの災害救助法に入れられないのかという点で一つ問題がございますから、私も必要な立法はやろうということを今相談していますので、私からもそこはひとつ提起してみたいと。で、どうしてもできないというのなら、これだけ必要な、これだけ役に立っておるんですから、我々の方で一体どうするかということは早急に考えなきゃいかぬ、こう思っております。やってみます。
  27. 住博司

    住委員 大臣の強い御決意をいただいて本当に心強いと思います。どうぞそういう姿勢でやっていただきたいと思います。  時間が短いものですからあともうわずかしかありませんけれども、私もさっき言ったように報道に携わった人間でしたので、いろいろとそういう見方をしました。テレビ、ラジオの報道のあり方について聞きたいと思うんですけれども、どうも東京から見た被災地という感覚の報道がちょっと目についたような感じがしないではない。特にテレビはそうではないかと思うんですね。東京や大阪のキー局が空から、地上から被災状況を伝えるということは非常に大事なことだと思います。ああいうふうに伝えなければ海外からのああいう援助もそんなになかったかもしれないし、全国から本当に多くの善意が集まったかどうかというのはわかりませんけれども、確かに最初はその意味では被災地状況をきちんと伝える、現場に行きますと金部伝え切れていないなということはもう明らかなんですけれども、しかしそれにしても、そういう伝え方というのはあったなというふうに思います。  ところが、もう最近になるとそうではないのではないのかなと。最近になりますと、阪神大震災被災者にとって必要なことは、やはり自分の使う水やガスはいつ出るんでしょうかねとか、あるいはどうやったら早く大阪の方に行けるんでしょうか、交通機関どうなっているんでしょうか、ふろはどこで入れるんでしょうか、こういった身近な情報になっていきまして、そこの点で非常に乖離が進んできているような気がしてなりません。今さら炎上する家屋を映されても困るし、それから、倒れた高速道路を何回も見せつけられるよりも、もっともっと自分の生活に必要なものを出していただきたいんだ、こういう声があることはもう間違いないんだと思いますね。  そんな中で、例えばNHKは、教育テレビとかあるいはFMラジオを使って安否情報を流したり、今も生活情報を随分流しておられる。それから、特にラジオ関西、随分局も壊れていましたけれども、AM神戸はかなりそういう意味生活情報を流しておられる。しかしそれでも、流すと、もっと詳しいことを教えてくれと逆に電話がかかってくるみたいなことがあって、もっと小さな情報をどうやって伝えていくかということが今度は大事になってくる。  そういう意味でさっきの電話も必要なんだろうけれども、私は、今回いろいろなケースでパソコン通信が役に立ったんだとか、あるいは、神戸にもFM地域限定局をつくったらどうですかと郵政省の方からも本当に積極的におっしゃっているんだという話も聞きましたし、そういうことをぜひ今のうちに、どんなやり方で個々人との情報をつなげていくのかというやり方をぜひこの際に整えておいていただきたいと思うんですね。  特に地域限定局の場合では、やはり今まで各県でできていましたね。その地域限定局の悩みというのは、やはり出力数が非常に少ないと。出力数が少ないということになりますと、つまりそれは視聴者が少ないということになりますから、視聴者が少ないということはスポンサーも少ないということになるわけですね。そういう意味で、出力の問題を少し解決できないのかということもありますので、最後ですけれども、この点についてちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
  28. 江川晃正

    ○江川政府委員 先生の前段でお話のございました、安否情報あるいは災害情報生活情報をテレビ、ラジオがそれぞれ分担していろいろやってくれているという実情に即したお話、我々も全くそういうような認識をいたしております。  我々とすれば、被災者の方から見ますといろいろと隔靴掻痒の情報でないようにするためには、一つ情報災害対策本部がじかに出したらいいじゃないかという意味で、先生もちょっと御指摘いただきましたけれども、臨時災害FM放送というものを神戸市でやったらどうかとうちの方からも問いかけて、意見が一致して、うまくやろうということで、できるだけ早く出発させようとしているところでございます。そういう意味で、やろうと思いますが、たまたまこれは京都で使った機器とか周波数ございまして、かなり大きな、三百ワットと思いますが、それでやれます。  先生が最後に御質問部分は、そういう話はそれでいいんですが、もう少し一般的な話ということで、県域でやっているFM放送よりもっと小さい、コミュニティー放送と言っているんですが、それが今一ワットぐらいでやっておるわけですね。その部分のことを先生はおっしゃっているのではないかと思いますが、そこについて申し上げますと、おっしゃるとおりでございます。それで、出力を上げようじゃないかということで、今それを十ワットにしようと。十ワットにしますと大概のところで、人口でいきますと今六割強ぐらいのところでよく聞こえるところが、ほとんど、九十何%聞こえるようになるというレベルに達します。  そういう意味で、小さな出力の放送についても出力を上げるということを今やっておりまして、審議会にかけております。春ぐらいには答えをもらえるものと考えております。
  29. 住博司

    住委員 ありがとうございました。
  30. 自見庄三郎

    ○自見委員長 それでは次に、河村たかし君。
  31. 河村たかし

    ○河村(た)委員 河村たかしてございます。  こんな大震災でございますので、やはり目で見にゃいかぬということで私も神戸へ行ってまいりまして、また、私が小学校のときでしたけれども伊勢湾台風もありまして、名古屋ですので、私は南の方じやありませんので水はつかりませんでしたけれども、木造でしたのでうちもほとんどめちゃくちゃになっちゃったというようなことがございました。そんな中で亡くなられた方、さぞかし無念だったろうなと、そんなふうに心を深くいたさせていただいて、また、伊勢湾台風のときもそうでしたけれども、終わりましたら小学校へみんなで集まって、また元気にやろうやという雰囲気になりましたものですから、ぜひ神戸の方もさらに元気を出して、頑張れ神戸というキャッチフレーズのようでございますけれども、やっていただきたいな、また、それに応援をせにゃいかぬなというふうに思っております。  じゃ、座ってやらさせていただきます。  まず大臣にこれはお伺いしたいのですが、ちょっと陰で見えませんが、よろしいですか、やはり顔が見えぬとちょっと寂しいものですから。  防災ということにつきまして、伊勢湾台風が一番初めで、災害対策基本法ができまして、それから新潟大地震とかいろいろな経験の中から、防災無線ネットワークとか、それから最近、平成になりまして、衛星がやはり有効なのだなということで、そんな財団法人もできて、やっておったようなのですが、御承知のように、一番キーとなります県庁の上のパラボラが機能しなかったということです。  地元の人にも聞いてみましても、亡くなられた方の情報はいいのだけれども、やはり、例えば医者がどこにあるとか、それから救援はどうなっておるのだとか、そういう話は非常に聞きたかったという話もあって、どうも、今までの防災ネットワークのつくり方というのは、確かにお上からやるという雰囲気はありましたけれども、やはりもっとアクセス型というのですか、住民の方から、こういうようなことが今あるよということを、そのネットワークをつくるのがちょっと抜け落ちていたのじゃないかということがあるのですね。  今までのやり方が全然だめだったとは言いませんけれども防災無線といいましても日ごろ使いませんものですから、NTTさんはしょっちゅう使っていますが、それでも故障したということでございますから、やはりこの際、これは私の提案というか考えなのですけれども地域の小学校には放送室がありますね、中学校にもありますけれども、ああいうところに防災のネットワークというか情報の核をつくりまして、そういうところへ行けば何か、何かじゃないけど、必ず情報が集中しているよ、それでこちらからも出せるよというのをつくっていかないと、幾ら上で、お上がと言っては悪いですけれども、役所がやりましても、肝心の自分たちの情報というのが生きてこないのじゃないか、生活者の。そんな感覚がしております。  行った経験からいいましても、ヘリコプターの上の画像で、私もテレビで見てびっくりしたのですが、実際にあれでも仮に官邸に、村山さんのところに本当に、例えば小学校なら小学校にそういうセンターがあって、そこに地上局がある、地球局があって、それで、あの家のつぶれた状況、それから生き埋めになっておる人を助け出す状況が仮に入っておれば、これは、新進党としてはしばらく攻撃しないということになっておりますけれども、もっと早く、これはいかぬぞ、自衛隊すぐ行けよという話が出たのではないかと思うのですね。  だから、防災全体のネットワークの考え方について、もっと住民の知恵というか、本当に住んでおる人たちをベースにした、双方向型のアクセス型のネットワークをつくる時代に入ったのじゃないかというふうに考えておりますので、これはぜひ、政治家大出先生としましていかが思われるか、お聞きをしたいと思います。
  32. 大出俊

    大出国務大臣 河村さん今おっしゃっておりますように、私も現地に行きまして、本当に同じような考え方になりました。  まず一番先に頭にきましたのは、自治体防災無線、百六十三カ所の基地を置いているといいながら、センター基地がまずつぶれたのですね。第五管区の海上保安庁の基地までつぶれているのですね。それで、調べてみれば、やはり予備は考えているのですね。バッテリーを置いておきなさい、それから自家発電の電源をちゃんとしておきなさい、こうなっているのですね。ところが、三十分だけバッテリーで動いた後、自家発電は水がこぼれていて機能しないのでだめだ、六時間不通である。これは本当に、後になってみれば残念至極で、これが機能していればという気がいたします。それからもう一つは、神戸−大阪間の回線が切れたり、いろいろな事情が耳に入ってきまして、現地に行ってみて。  そうなりますと、これはやはり多重的な、中には、商社などは、トラポン、トランスポンダーを借りてきて、メーンに衛星通信を置いて、七つの事業部と神戸その他の支店をつないでおる。裏に、予備にNTT回線を考えておる。これは完全に無傷であったという話が入ってきますね。そうすると、確かに今、東北大学の学長をやっておられる西沢さん、光ファイバーの発明をした人ですけれども、彼が書いておりましたが、多重に通信網というものをここで考え直す必要がある、衛星まで含めて、金という問題もあるけれどもそういう体制を一日も早くつくるべきである、全く私は賛成なんですね。  それと、今お話しの、学校それぞれにセンターをつくったらどうかという御提案なんですが、これも、私が行ったときに五千台のラジオがついた。これはスピーカーのものが一万二千ぐらいありますから、そうすると非常に効力があるのですね。  だから、やはりここで、八日から始めることになっております大地震対応通信ネットワーク体制に関する検討会というところで衆知を集めてやろう、今の御提案もそこでひとつ生かしていくように、中心に据えて議論をしていくようにしたい、こう思います。
  33. 河村たかし

    ○河村(た)委員 積極的な御答弁をいただきましたけれども、本当に通信の多重性というのですか、リダンダンシーというのですか、そういうところは、議論はされてきたんだけれども、今言いましたように基本的発想がやはりお上から、上から電波を流すよというふうになっていたと思うので、ぜひ、地域には消防団なんかもありますし、みんな小学校単位で活動しているわけですよね、PTAもありますよ。また住民の方も、とにかく何かあったら学校へ行けばいいんだということで非常にわかりやすいと思いますので、ぜひ、せっかくの設備で、今のところ放送室自体は、ちょっと名古屋市に聞いてみましたら、ちょうど議員会館の秘書の部屋を除いた議員の部屋ぐらいの大きさなんです。そういうふうですから、もうちょっと広くしてもいいですから、やはりそこを一応防災型につくりまして、地上局も、地球局もつくるということで、また、中学校の生徒、小学校の生徒なんかは非常に放送とか好きですから、やはりそれも日ごろ使っておれば、今回みたいな冷却水のパイプが外れてしまったということもないと思いますので、ぜひこれは、非常に手前みそですけれども、すばらしい提案だと思いますので、いろいろな設備をつくるのもいいですけれども、今あるものの中からやはり人の知恵を使ったものというのをぜひ進めていただきたい、そんなふうに思います。  それで、そういうようなアクセス型の一つの傾向としては、パソコン、ニフティの方が非常に強調されておるわけで、PC−VANもやったんだろうと思いますけれども、ニフティがやるときに、聞いてみましたら、パソコン通信でお金を取るか取らないかということで大分論議があったらしいのですね、NTTなんか無料電話をやりましたものですから。  ですから、一般的に、NTTに聞きましたら、やはりそれは無料ではありますけれども別に国の負担にするんじゃない、NTTの負担だということですけれども、そういうのを無料にするというのか、そういうようなお考えというか、これはどうですか。そういうアクセス型の情報の場合ですね。
  34. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 今先生から、いわゆる通話料金について、無料ということについていかがというお尋ねかと思いますが、現在の通信料金の減免というのは、まず、通信事業者がみずからの判断で行えるということになっております。今回も、そういったことを受けましてNTTを初め通信事業者方々が、電話の基本料金の減免を行うとか、あるいは支払い猶予を行うとか、あるいは専用回線についてもそのような措置をとるというようなことをやってまいりました。  通話料金については、実際に利用をされたということで、それに応じた支払いということになっていまして、今回の減免の対象にはなっておりません。これは、フリーダイヤルとかそういうものを使っていく場合、これはまた別の形でございます。  ただ、多くの方々の、罹災された方々等々の対応ということで、NTT中心になりまして特設の無料公衆電話をつくりまして、そういう意味での通話料金を無料にするという対応はしたということでございます。  ただ、今先生指摘のありましたとおりに、パソコン通信を含めまして被災者がアクセス型の情報をやりたいとか、そういう動きが確かにあります。そういった意味で、負担の軽減ということについて国がどういう支援の仕方をするかということについては、今後の検討の中で、全体的な国の支援のあり方を含めて検討させていただきたいというふうに思っております。
  35. 河村たかし

    ○河村(た)委員 今のことも若干関係あるかわかりませんけれども、これは大臣にぜひお聞きしたいのです。情報通信のフロンティアを開く郵政省ということになると思いますけれども、この間もちょっとお話ししましたが、例えばインターネットなんかで、郵政省のを僕まだあけたことはないのですけれども、官邸を開きますと半年も前の情報が入っておったというようなことですので、ぜひこれは、今回は被害状況等をかなり入れたというような話を聞いておりますけれども、ぜひ、今回の、こういう災害時はすぐですけれども、普通でもやはり一週間ぐらいのスパンでは郵政省が自分のところのいろいろなものをせめてインターネットを使って入れていくというぐらいのことはないと、よその省に情報通信情報通信と言ってもさっぱり雰囲気が出ぬのではないかと思いますけれども、どうですか、この辺は。
  36. 大出俊

    大出国務大臣 これは、十七日から始まりまして、私も大慌てに慌てた一人ですけれども、緊急非常対策をすぐ立てるというので、保険にしても貯金にしても為替にしてもずっとやってまいりまして、その間聞いてみますというと、郵政省としてはインターネットヘ情報を逐次入れていくというわけですね。ですから、一月十七日付「平成七年兵庫南部地震に対する郵政省応急対策等」ということでまず入れたというところから始まりまして、十九日が二回、二十日が二回、二十三日が二回というふうに郵政は入れていっていますよ、ずっと。二十四日が二回、二十六日が一回、二十七日が四回入っているのですね。ですから、やはり通信をメーンに持っている我が省でございますから、そういう意味で相当きめ細かく対応していっているということです。
  37. 河村たかし

    ○河村(た)委員 今回はそんなことで、新聞で見たのですけれども郵政省は入れておられるところだと。平時もぜひ一週間置きぐらいには入れてやってくださいよ。雰囲気出ぬですわね、なかなか。特に官邸なんか大分古いですけれども。その辺は、御提案でございますけれども、結構でございます。  今回の災害で、先ほどとも関連しますけれども、どうも地球局というか、パラボラがやはり非常にいいんだなということは再確認ですね。昔からといいますか、平成に入ってから大体そんなことが言われていて、実際にそういう財団法人もつくったようですけれども。しかし、ちょっと繰り返しになりますけれども、本当に八十億をかけてつくった自治体衛星通信機構ですか、だけれども、それはワークしなかったということで、大臣としては、今までの流れですね、率直に言ってどんなふうに感じておられるかなということです。
  38. 大出俊

    大出国務大臣 兵庫でいえば、今のお尋ねにございましたように、大変な金をかけて、八十二億七千七百万円というのですからね、大変なお金をかけて整備を始めた。しかし、相当私は気になって、これが成り立つかどうかわかりませんけれども、自家発電の電源が、庁舎全体の電源、一緒なんですね。やはりこれは、いや全体の電源なんだから堅牢、頑丈に耐震対策もとれてできているだろうと言うかもしらぬと思うけれども防災無線のためのセンター局なんですから、そのための自家発電の電源というものはやはりきちっとつくっておくべきだったんじゃなかったかなという気がしています。これはとっさに、私が行って聞いてみてそう思ったのですがね。  ですから、そういう今回の経験でいろいろな発想が方々にあると思うのですよ。決してこの防災無線という発想が間違っておるわけじゃないのですから、どうこれを機能させて、耐震対策をきちっと立ててやっていけるようにするかということ、これをこれから真剣に考えてみなきゃいかぬというつもりでおります。
  39. 河村たかし

    ○河村(た)委員 その点は、私としてぜひ言っていただきたかったのは、今言いましたように、何遍も言いますけれども、上からネットワークでつなげるのじゃなくて下から上がってくるような、やはりそちらのバックアップ体制がなかったのではないかというところにぜひ心をいたしていただきたいなということですが、少なくともバッテリーがワークしなかったということだものですから、あのバッテリーというのは、これは大抵何ワットの出力のパラボラだったらどれだけとか、標準化されておるのでしょうか、通信設備につきまして。
  40. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 バッテリーの標準化という具体的なことでございますが、このことについての私どもの指導ということにつきましては、例えば安全な場所にきちっと設置するとか、それからその容量に応じてかなうようにということになっていまして、この大きさだと何ワットとか、こういう形での指定は現在まだいたしておりません。  そういったこともありますが、特に衛星のことに限って言いますと、まだかなりの部分は建物と共用になっておりますので、そういう意味では大変出力の大きな自家発電源が用意されているという実態でございます。専用の部分がまだ、まだといいますか専用の部分が若干あります。そういったことで、現在の段階では容量ということでの基準というのは定めておりません。  あわせまして、現在のような自家発電の方式でいいのか、バッテリーが今のような形でいいのか、そういうことも含めまして、これからの検討の中で早急に検討してまいりたいというふうに思っております。
  41. 河村たかし

    ○河村(た)委員 ぜひそんなふうでお願いします。  それから、立言いましたように、地球局大事だよということはわかったわけでございますので、単純に言えば、フェリーなりヘリで可搬型の地球局ですか、これをもう大量に現地に投下する。本来なら今、小学校、中学校の方へ投下できておればそれはいいのですけれども、とりあえず、それにしても緊急時においてはこれはいいということなんですが、どうも聞きましたら、これはKDDの話だったと思いますけれども、大阪−神戸で持ってくるのに五、六時間かかった、それで大変だということで、郵政省の何分不法無線を取り締まるものですか、緊急自動車をつけてサイレンをウーウーと鳴らしてきたらこれが一時間半ばかりで来たよということなので、これはぜひ警察にちょっとお願いしたいのですけれども、やはり情報通信もライフラインの一つとして位置づけられておりますけれども、意外と緊急車両でいろいろな装置を運んだところを見たことないですね、大体。電力、ガスは結構見るのですけれども。ですから、ある程度車載型の地球局あたりではそういうようなものを事前にセットすることを許していただいたらどうかと思うのですが、警察の方、お願いしたいのですが。
  42. 小池登一

    ○小池説明員 お答えいたします。  緊急自動車の指定につきましては、御承知のとおりですが、自動車を使用する者の申請に基づきまして公安委員会が緊急自動車の要件に合致する自動車を指定しておるわけでございますが、災害対策のために使用される緊急自動車の指定につきましても、先生の御指摘、今回地震教訓等踏まえまして、どのような自動車を緊急自動車として指定するか検討してまいりたいと考えております。
  43. 河村たかし

    ○河村(た)委員 これは大体、もう前から、平生からわかっておったのですけれども、やはり車載型の地球局をとにかく早く投下するというのが一番いいということは再確認されたわけでございますので、交通渋滞に巻き込まれておってはいけませんものですから、現にKDDのこういう話もありますので、ぜひそれは積極的に進めていただきたいと思います。  それからもう一つ、ちょっと聞いたので、これは郵政省にお伺いしたいのですが、新聞記者さんなんかが一番早い特だねをとりに行こうというときに現地に入るわけでございますけれども、そのときにインマルサットを使おうとすると、結局携帯型の地球局を持っていくということですけれども、何かインマルサットというのは国内同士で通信してはだめよということになっておって、郵政省がとろいことをやるんじゃないということで一遍非常にきつくおしかりをされたということで、何となく新聞記者さん、またマスコミの中で、インマルは使えないよ、危機のときにね。というような話があったのですが、まあ一応そういう建前になっておるかわかりませんけれども、そんな緊急時には、今現状、可搬型ですか、携帯型の地球局を持っていけるのはインマルサットしかないと思いますので、そこら辺は、しかし、もしそういうことはないのでしならないということで、この国会の場でマスコミにわかるようにしておいていただきたいと思うのですけれども
  44. 大出俊

    大出国務大臣 この間、私、研究所に参りまして、ポータブルになっていますから、自分であれ広げまして、国内で郵政省にかけまして、つないだりして話したりしてこの目で見たことがあるのですよ。こういうことがあるからじゃなくてその前に。  ですから、あのときに私は、非常に国内でも便利じゃないかと言ったら、そうですというわけですよ。これは、東京にこれ国内で使ってはいけないということで規制がありますか、ないと私は思っているのだが。
  45. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 インマルサットの衛星を国内で今使っているというのは、神戸地震に絡みましては、今八つの基地局といいますか、インマルサットの地球局が稼働している。それでおわかりいただけるように、国内通信の方をやるということについて何も問題はございません。といいますのは、現行まずひとつよく議論されることとしまして、まだ条約が批准されてないというようなことを言われたりいたしますが、これはインマルサット自身におきまして、準備行為として陸上に使うということについてはこれを認めている。  それからもう一つは、現在KDDが実際に国内通信をやるということにつきましては、こういう非常災害時のいわゆる実験というふうに位置づけてやっておりまして、そのことについて、私どもとして許可しなかったというようなことについては、具体的な事実を承知していないということでございます。
  46. 河村たかし

    ○河村(た)委員 そういうことだったら結構ですが、何かそんなうわさで、奥尻のときにえらい郵政省、お上がお怒りになったといううわさになっておりますので、この場で、マスコミの方お見えになると思いますので、結構だそうでございますので、ぜひぜひ特だねをとりに行っていただきたいなということでございます。  そういうことですが、結局衛星が非常に出力が大きければ反対にこちら側の地球局が非常に小さくて済むということで、今のイリジウムだとかインマルサットPですか、そんな計画につながるかと思いますけれども、その辺をもっと集中的に技術開発に金を使っていただいて、本当は、理想は携帯電話でそのまま上まで行くといいのですが、その辺の技術開発の状況というのですか、そこら辺ちょっとお伺いしたいと思います。
  47. 山口憲美

    ○山口(憲)政府委員 お答え申し上げます。  今のお話のように、今現在の携帯電話は電池でやっておりますが、ああいうふうな電池で動くような衛星の地球局ができるというふうなことになりますと、大変これはもう今お話しのようないい状況になるというふうに考えております。そういうものを実現するためには、今お話しのように、大型のアンテナを開発をして衛星の方にパワーをつけるとか、あるいは今通信衛星というのは三万六千キロという大変遠いところを飛んでおりますが、もっと近距離になるように、低軌道を回るような、そういう衛星を開発するというふうなことになりますと、そういうことが可能になってくるというふうなことでございます。  そこで、現状どうなっているかということをちょっと御説明させていただきますと、郵政省におきましては、携帯型の地球局で日本全国がどこでも通信ができるような衛星通信システムをつくりたい、これは防災ということでなくて、そういうものをつくりたいということでずっと研究をしてきております。それからまた、宇宙開発事業団の方では、大型アンテナの搭載できるような衛星システムをつくりたいというようなことの研究をずっとしてきております。  今そういう先生からのお話もございますが、こういう二つの研究をうまくあわせてやってまいりますと、そういうふうな電池で動く、そして災害時に簡単に持ち運べる、そういう地球局ができるのではないかというふうに考えられますので、まだその衛星をいつ上げるかというところまで具体化はしておりませんが、そういう災害にも大変有効だということがわかりましたので、さらに力を入れていくということにさせていただきたいというふうに考えている次第であります。
  48. 河村たかし

    ○河村(た)委員 平成八年に上げますCOMETSですか、技術衛星ですかね、これは、そんなような技術志向というのはあるのですか。
  49. 山口憲美

    ○山口(憲)政府委員 今お話しの通信放送技術衛星、COMETSと申すものでございます。それは平成九年の一月から二月に打ち上げる予定ということで考えておりまして、これはいわゆる広帯域の移動体通信技術の開発を目的にして開発を進めている衛星、こういうことでございます。  それで、実は、この衛星を災害に使えないかというふうなことでございますが、平成八年度に打ち上げるということで残り二年というふうな期間になっておりますが、実は、この開発が大体五、六年かかるのですね。そして、現在どういう状況かといいますと、今もう製造段階に入っているというふうな状況でございまして、どうもCOMETSの設計を変更してこういうふうな災害時に使うとか、そういうふうにするというのは、今にわかにはなかなか、いろいろ話し合ってみたのですが、難しいというふうな状況でございます。  ただ、先ほどから申しておりますように、衛星を使って、しかもなるべく簡単に地球局の方からアクセスできる、そういうものは大変必要だというふうに考えておりますので、そういう観点からも検討させていただきたいというふうに今思っていますが、差し向きCOMETSはちょっと難しい、こういうふうな状態でございます。
  50. 河村たかし

    ○河村(た)委員 何百億も使ってやる衛星でございますので、まあ無理と言われればしょうがないですけれども、何かそういうのに使えたらいいな、そんなふうには思っております。  それから、これ、NTTの方ですけれども、割とよく言われるのは、公衆電話は特別な回線で、非常用には使えればまあいいのですが、カードが使えないということでですけれども、あれを何とか使えるようにできないかということで、結局は停電すればバッテリーということになるのだろうと思いますけれども公衆電話に仮にバッテリーを入れて、まあそれはメンテナンスもかかるようになりますと大変だと思いますけれども、そういうのはできないのか。町の声としては結構あるのですよね、これは。できないならできないで、幾らくらい金かかるからできぬとか、そんなことをちょっとNTTにお伺いしたいのですが。
  51. 澤田茂生

    澤田参考人 災害におきましては公衆電話もかなり被災をしたというようなこともございますし、住民の方々電話もかなり罹災をしたということで、先ほどからお話にございましたような車載型の衛星あるいは可搬型の衛星、こういったものも導入いたしまして、無料公衆電話を約二千八百台ほど造設をさせていただく、あるいは公衆電話、壊れたものを改修する、そういうことで急速対応をいたしました。  ただ、お話にございましたように、テレホンカードが使えなかったというのは、確かにテレホンカードにつきましては、これを読み取るというようなことについて、NTTの局から流している電力だけでは足りませんので商用電源を使っているということでございまして、停電になりますとやはりそれが使えなくなるという実態がございます。これにつきまして、バッテリーでカバーできないかというお話がございます。  確かに、物理的にできないということではございませんが、ただ、今回のような長時間の停電ということになりますと、小さなバッテリーではやはりちょっと間に合いませんでということになりますし、大きなバッテリーも、これもまあボックス型のところに置くということはある意味では可能かもしれませんが、ちょっと大変ですけれども、あるいは普通の公衆電話にバッテリーを常置するということも、ちょっとなかなかスペース的に難しいというようなこどもございます。また、これは今そのためのバッテリーを開発しているというわけじゃございませんので、それ用のバッテリーを開発するということになりますればかなりのコストになるかなという感じもいたします。  ただ、公衆電話がやはり手軽にかけられるということがお互いの安否を連絡し合うという意味でも大変有効であったということを地元の方々からもいろいろお話を伺っておりますので、これに対する対応ということにつきましては、いろいろな通信の確保ということ、こういうことを踏まえまして、いろいろな角度からいろいろ幅広い検討をしてまいりたいと思っています。
  52. 河村たかし

    ○河村(た)委員 それでは、先ほどもちょっと質問もありましたけれども、いわゆる電話のふくそうですね、かからぬようになるということで、日本はNTTの発表ですと一応平時の五十倍ですか、ですけれども、実際はもっと、かけた数、全体からいえばすごいのじゃないかなということですが、アメリカは八倍ぐらいだという話なんですよね、災害時にでも。そういうことで、これをどう緩和するかというのが過去からの一つのテーマだと思いますけれども、アメリカのロスの地震のことを聞いてみましたら、あれは小学校、中学校で非常時には電話をかけるなどいう教育がある、こう聞いておるのです。  ですから、これは一点、そこら辺はやはり被災者の人自身がかける方を優先するというところまで思い切って踏み込まれてやられたら、NTTさん、その後ちょっと大臣にも、そういうような全体の、結局、国が守るということも大事ですけれども、やはり個人個人が守らぬことにはこれは話にならぬですから、そういうようなことを国民に訴えかけるというか、そういう姿勢はあるのかないのか。  また、自分でどこか緊急連絡先というか、例えば伝言ダイヤルなんか、あれは非常におもしろいと思うのですけれども、伝言ダイヤルは非常にやり方が難しいものですから、若い人は結構知っておりますけれども、ちょっと年をとるとわかりゃせぬということでございますので、そこらはひとつ、災害が起きたら自分でそういうようなところで連絡先をつくっておくとか、そういうことを含めて、自分で情報網を持っているというようなことを、NTTさんまた郵政大臣として国民に訴えたらどうかということでございます。
  53. 澤田茂生

    澤田参考人 お答えを申し上げます。  ふくそうの関係で、私どもは、災害が起こるたびに見舞い呼が殺到いたしましてふくそうが多い、これに対する対応をどうすればいいかということに頭を痛めておる次第でございます。  今回の神戸の震災におきましても、地震発生から三日間ぐらいの間を見てみますと、そのピーク時には平常のピーク時の二十倍から五十倍が殺到する。これは言ってみれば、日本じゅうの長距離電話神戸に全部集中するというような程度の規模でございます。私ども対応といたしましても、可能な限りの臨時回線の増設ということをいたしました。しかし、これをとてもさばき切れるものではございません。設計自体といたしましても、そういうふくそうが解消できるような設備ということを前提にとてもできないわけであります。そういう意味で、私どもお客様には、大変ふくそういたしておりますということで、お急きでない方はなるべくひとつ御遠慮願いたいというようなアナウンスもいたしまして、御協力のほどをお願いいたしておるわけでございます。  しかし、そればかりでは大変心苦しいと思っております。したがいまして、ハード部分対応だけじゃなくて、今先生おっしゃいましたいろいろな形で、例えば伝言ダイヤルというようなものを、もう少しお客様の使いやすいような形に災害時だけでも何か方法はないかというようなことを含めながら、いろいろな対応をひとつ今後早急に詰めてまいりたい、検討していきたいというふうに考えております。
  54. 大出俊

    大出国務大臣 私も、四日前でしたか、神戸へ参りまして、電話をかけてみて、ただいま大変込み合っておりましてから始まりまして、しばらく時間がかかりますからご了承願います、何遍かけてもこれです。  そこで、全国で七十八万五千ぐらい公衆電話がございますが、救助機関などにも優先電話がございますけれども、優先電話が十八万五千ぐらいありますね。ですから、そこら辺を中心に、公衆の方は規制がないのですけれども、これをどういうふうに守るかというのをやはり真剣に考えなければいけないなということを、現地に行っていろいろやってみて直感しました。ただ、これをいろいろ言い出しますと、またいろいろそれぞれあると思うのです。どういうふうにしたらいいかということを今お話しの点を中心にしまして考えてみたいと思っております。
  55. 河村たかし

    ○河村(た)委員 どういうふうにしたらはいいのですけれども、長年国会でやっておられる大出先生でございますので、ぜひ国民に対して、やはり自分で自分のことを守ろうよと。これは危機管理まで一気にいくということもないかわかりませんけれども、その辺のところは一歩踏み込んで、例えば名刺に緊急連絡先をみんな書いておくとか、学校の教育の中に、令言ったような電話をかけるなどか、そういうところはどうですか、大臣、お気持ちとして。
  56. 大出俊

    大出国務大臣 あなたのおっしゃるようにいろいろな問題があると思うのですよ。例えばさっきの、カードを何で公衆電話で使えぬかと。私もすく調べてみたのですけれども、あれなんか数十ミリワット、つまり、澤田さんが言っているように、電話が流れてくる普通の回線の電気の容量で十円玉なら使える、ところが、カードを使うと、吸引力という形で吸い込んでいくということだから、数十ミリワットじゃなくて数十ワットかかるというのですね。だから、一般の電源が切れるとカードが使えない、旧型の電話機で百円が使えない、こうなるわけですね。これはやはり根本的に考えてみなければならぬ。どうやるかというと、金との相談だ、いろいろな問題が出てくるわけです。  ですから、今の河村さんのお話はよくわかるのですが、私も似たようなことが頭にあるのですけれども、立場上、今余りここでこんなことかとも言えないと思っておりまして、一遍相談してみたいと思っております、率直に。
  57. 河村たかし

    ○河村(た)委員 電話のふくそうはしょうがないなという、一つ通信網の宿命というようなあきらめの考え方も実際上あるのですね。やはりそれではいかぬので、もっと国民にメッセージを発する、NTTさんまた大臣としてやっていただきたいなということでございます。  それから、これもちょっと大臣にお伺いしたいのですが、私の知っておる名古屋の医者が駆けつけたと。ドクターが駆けつけたところが、医師会とファクスでつながるようになっているけれども、これもだめだったということです。委員長もちょうどドクターでございますけれども、医者同士の、ではここでこういう医療が必要、ここはこれが必要、これはもう全然ネットワークになってないのですよ。下手をすると、この間名古屋空港で中華航空機の大惨事がありましたけれども、あのときもかなりお亡くなりになったのですが、反対に、生きておられて重症だったような場合は大混乱を来したのじゃないかということです。また聞きましたら、次の日曜日に、その避難所といいますか、クレゾールが一本も使われてないというような状況では、緊急医療としてはちょっと常識外の状況だったようですけれども。  ぜひ、先ほど言いました小学校、中学校の基本的なネットワークでもいいですけれども、全体の、これは何度も言われておりますけれども、こういうものを含めたネットワークづくりに郵政省はもっと遠慮せずに、やはり情報通信ネットワークの基幹官庁でございますので、各省庁に働きかけて、この際、医療ネットワークをばっちりさせるのもおれのところがリードするんだ、そんな気持ちでやっていただきたいのですが、大臣、どうでしょうか。
  58. 大出俊

    大出国務大臣 これは、アメリカなどにおける非常災害時にやっております緊急通信の確保のための組織、NCSという連邦通信システムがございますが、これは既に機能しでそれなりの働きをしているというふうに聞いているのですけれども、似たような観点で、我が国における、つまり非常災害通信管理センターというものをどういうふうに考えていくべきか。  ところが、これは国のいろいろな機関がいろいろなものを持っているわけですね、さっきの防災無線でも自治省と郵政省の共管ですから。だから、そういうものがいっぱいありますから、そういうことも含めて、今申し上げたアメリカにあるようなシステムを日本でも何とかつくらなければいかぬなというふうに現在思っておりまして、医療という観点等につきましても、厚生省もございますし、各省との連絡を取り合いながら、今御指摘のような一つネットワークを構築していく、これはどうしても必要なことだと思っております。
  59. 河村たかし

    ○河村(た)委員 どこどこの省庁があるからという話が常に多いのですけれども、例えばさっきの学校のネットワークをつくるのは文部省がどうかという話になりますけれども、そんなこと遠慮しておっても始まらぬものですから、ネットワーク社会と言って力むなら、郵政省、おせっかいでもいいですからどんどん出ていって、大いにリーダーシップをとっていただきたいということを御希望申し上げておきます。  それから次に、今回基地局がかなりダメージを受けてだめになったということも結構あるのですが、どうも聞いてみますと、いろいろな建物の上につくりますけれども、官公庁が、金が使ってあるのか何か知りませんけれども、非常に丈夫だということなんですね。移動体通信関係のところが多いと思いますけれども、官公庁の上にその基地局をつくるということを現実的に、建設省に聞きましたら、それは別に規制はしてないよということでございましたけれども、何か言っても実際にはどうもほとんどだめになっちゃうということでございますので、大臣、そこら辺はちょっと積極的に働きかけていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
  60. 大出俊

    大出国務大臣 神戸へ行ったけれどもNTTの支店、あの上に鉄塔があるわけですよね。パラボラがありまして、これは行って見て、あれマイクロだろうと思いますけれども、これは傾いていましたね。ですから、立地条件というものもあるのかもしれないという気がして見ていたんですけれどもね。  ですから、今お話しの、いろんな各官庁を含めた建物それから屋上、位置としては、確かに御指摘のように、やるんだとすれば非常に使い得る場所だと思いますよ、私も。ただ、あのときに、その後で連絡をとって聞いてみたら、こうなっているけれども何とか歯どめをして人が入って今やっていると言うんだけれども、やはりこのあたりは、個別に建物を持っている側の管理者の諸君なり、鉄塔をつくりますからね、専門的にどういうふうにするかをやはりいろいろやってみないと、これはぼんとやるわけにもいかないというふうに思いますので、御指摘の点はよくわかりますので、検討するということにいたしたいと思います。
  61. 河村たかし

    ○河村(た)委員 何か、官公庁がそれぞれ渋っておるケースが多いそうなんですね、官公庁以外のユースについては。ですからぜひ、別に不都合はないと思いますので、不都合がなかったらどんどんつくらしてやってくれやということを言っていただくように、御指導というかリーダーシップをとっていただきたいということでございます。  それから次に外務省さんですが、情報通信といいますか、よく令言われておる話で、海外から助けようという申し出があったところが返事がおくれたということで、フランスなんかはフランス2ですか、何かBSのトップニュースで、日本の返事がおくれたからだめだったんだということを言っております。  どういう経路で日本に実際に助けるよという依頼が来て、それをどういう機関で、新聞記事によりますと、外務省が受け付けて国土庁に言ったけれども国土庁は一向に浮かぬ返事だったということでした。それで、それをどういう通信メディアで返事をされたのかということを一遍、これはどういうふうだったんだと言われておる国民もかなり多いものですから、お教えいただけませんか。
  62. 薮中三十二

    ○薮中説明員 お答えいたします。  先生今御質問の件でございますけれども、今回の震災に際しましては、御案内のとおり七十近い国々から非常に温かい支援の申し出がございました。この申し出は、基本的には外交ルートといいますか、当該国の政府から我が方の大使館に対してなされまして、それを大使館から直ちに本省に電報、あるいは電話の場合もございました、連絡がございました。あるいは、東京にあります大使館から直接外務省の方に電話連絡があるという二つのケースがございました。  外務省におきましては、こうした外国からの申し出につきましては、外務省に到着次第直ちに災害対策本部の事務局でございます、先生今御指摘国土庁電話連絡をすると同時に、ファクスでも、申し出の内容の具体的なものがございましたら流すという手段をとりました。  私ども承知する限りでは、その後国土庁から関係省庁あるいは兵庫県、神戸市に連絡が行き、おのおのの現地でのニーズ、必要性あるいは受け入れ態勢に応じて支援の受け入れを決定するというその結果が外務省に参りまして、また外務省から、先ほど申しましたように、東京にあります大使館等に電話連絡する、こういうシステムというか連絡態勢をとった次第でございます。
  63. 河村たかし

    ○河村(た)委員 例えばフランスなんかは、何か、来てもらってもとりあえずホテルヘ泊まって休んでくれと、それで、起きてから働いてくれというような話で、何を考えておるんだということで、緊急に来たのに、すぐに行がにゃいかぬのじゃないかというような話もありまして、せっかく情報通信ネットワークを、これいろいろなメディアで入ってくると思いますけれども、要は使う人もこれは非常に重要でございますので、そこら辺のところはぜひ、私も親戚にちょっと外人がおりまして、この災害が起こって三日か四日たってアメリカから電話がかかってきたんですけれども、何で日本の政府はずっと返事せぬ、苦しいときにはどうして助けてくれと言わぬのか、まあそんなことも言っておりましたものですから、ぜひ国際関係については、官僚の方ですとどうしても、いろいろな国が来てここはこうする、ここはこうするというぺーパーをつくりたがると思いますけれども、まあとにかく来ていただいて、やはりその中でどんどん友情を深め合っていくというふうな方向でぜひやっていただきたいなというふうに思っております。  それで次に、これは郵政大臣ですけれども、去年のロスの地震で、向こうは向こうで大変だったと思いますけれども、多重性というか、ダイバーシティーと言うんですかね、の確保が割とうまくいって、何とか機動的にいけたよという話も聞いておるんですけれども、そういう話を聞いて、今まで言いましたように、ずっと防災無線の今までの流れがありますけれども、去年のロスの地震そのものの体験をどういうふうに情報通信行政の中で生かそうとされたのか。ただ漫然と、向こうはうまいこといったわなというぐらいで済んだのか、そこら辺をちょっとお聞きしたいんですけれども
  64. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 九四年の一月十七日に起こりましたロスの地震、これは、私どもにとりましていろいろな教訓を与えてくれてきております。先生指摘のように回線を多ルート化するというようなことはもちろんでございます。  このことにつきましても、かねがね私ども電気通信事業者方々に、多ルート化というようなことにつきまして指導してまいっておりまして、現実NTTも、ケーブルあるいはマイクロあるいは衛星ということで多ルート化しているという現実でもございます。私どもこういう多ルート化につきましては、税制とか金融上の支援というのも行ってまいっております。  このほか特徴的なことをロスの地震教訓として申し上げますと、通信の確保というようなことあるいは災害復旧活動というようなことで、やはりロスのときにも携帯電話、こういったものを使った要するに移動無線機、これが非常に有効であったということが報告されております。今回も、こういう経験を生かしまして、電気通信事業者方々あるいはメーカーの方々等々に御協力お願いしたということでありますが、約四千台を超える移動無線機というものについて無償貸与措置をとっているというところでございます。あらかじめこういう無線移動通信機器というのを備蓄しておくというのも、ロスの地震あるいは今回の地震に絡んで考えても有効なものではないかということで、その実現方につきまして検討しているところでございます。
  65. 河村たかし

    ○河村(た)委員 無線携帯電話ですけれども、この間ちょっと聞きましたけれども、ああいうのでも、ノキアですかね、何台かプレゼントしてくれたというのですが、もっとあれどんどん宣伝されないと、陰徳を積むというのも大事ですけれども、やはりみんなに褒めてもらうと人間はうれしいものですから、何か役所が大変皆さん努力されておることはわかりますけれども、役所の話ばかり出てきまして、民間業者がこれプレゼントしたよというのは、ノキアなんか言ったところでほとんど知りませんよね、そういう例については。ですから、善意をもっとみんなでアピールして、褒められるよ、そういうシステムをつくっていかなければいかぬな、そういうふうに思いますけれども、どうですか、そこら辺のところ。
  66. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 先生おっしゃるとおりに、民間の皆様方の善意が寄せられて、無償貸与というのは四千台を超えるというようなことになりました。例えば、今お話しのありましたノキアからは、三百台というようなことで無償貸与がなされております。  そういうことを考えまして、私ども毎日状況対策を発表している中に、それぞれ御協力いただいた企業名等々を全部載せておりますのでありますが、さらにこういった善意を顕彰するといいますか、こういうことについても心を砕いてまいりたいというふうに考えております。
  67. 河村たかし

    ○河村(た)委員 わかりました。  それと、私現地へ行きましたときにNTTも行きまして、非常に、支店長さん風邪でせき込んでおられましたけれども、頑張っておられました。KDDの方も、皆さん頑張っておられると思います。  そこでちょっといろいろな話が出まして、今回中央に、NTT本社に連絡したから非常に指揮命令系統が一本化でうまくいったよというような話で、九州のNTTとか非常にうまくいった。だから、いわゆるNTTの分割論がことしのハイライトでございますが、こういう災害と分割論の関係というのですか、情報通信ネットワークは、割と最近は民営論が盛んですけれども、ゴアさんなんかでも必ず言うときには、タイタニック号が、商用無線が優先してしまったために氷山にぶつかるという無線が行かなかったということで、そのパブリシティーというのを非常に強調するのですけれども、だから今回の災害というのは、そういう面では一つの大きい判断材料になるかもわかりませんので、これは大臣に、そういう観点からこの分割論をどういうふうに考えておられるのか、ひとつ政治家としての御意見を承りたいのですが。
  68. 大出俊

    大出国務大臣 一般的に言えば、競争の導入をする、競争を制度的な導入をする。多くの通信事業者の皆さんが、多層なネットワークを構築する。これは、現にそうでございますように、料金がずっと安くなっていく、そういう意味の競争上のメリットのみならず、ルートの複層化、これは今回でも民間を見ますとありまして、NTT回線を使っている、片一方でDDIを使って、裏表に多重化しているというところがあったりいたします。そういう意味のいろいろなメリットが出てくるだろうというのが一つ。  二番目に、今回の場合も、NCCにおいて、移動系の通信事業者移動無線機の無償貸与を、今お話が出ましたようにたくさんやっていただきまして、また、衛星系の皆さんには地球局の無償貸与、そういう意味で、また、国際系の通信事業者の皆さんからは、無償貸与中の携帯電話等から直接、公衆電話もそうでございますが、無料で国際ダイヤルで通話ができるというところまでやっていただきまして、神戸市役所にあれだけ集まった人の三分の一以上は電話をかけに来る方だと市長が言っておりましたが、この中には外国の方もたくさんおられたわけでございます。そういう意味のたくさんのお骨折りをいただいておるわけでございます。  また、災害時における重要通信の確保、災害対策、電気通信事業法においてNTT等の電気通信事業者が行うべき本来的な責務、そういう位置づけもございます。したがって、これらの責務は電気通信事業者の組織形態いかんにかかわらず確保される必要があると考えておりますし、平成七年度に予定されているNTTのあり方の議論とは、直接の関係を有していないのではないか、こういうふうに思っております。  以上でございます。
  69. 河村たかし

    ○河村(た)委員 時間がありませんから、先に進みます。  KDDさんにちょっとお伺いというか、お話をしたいのですが、外国人の方も今度の地震では大変お困りになっておって、ぜひ通話料金をこういう際には、国内の方というのはロングランでいろいろな助けの手を差し伸べることができますからいいのですけれども、外国の方はやはりしばらくたつとまた戻られる方もお見えになると思いますので、ぜひこれはKDD、先んじてやると格好いいと思いますがね。評判よくなると思いますので、今の無料電話は、それは結構です、それはそれなんだけれども通話料金そのものをぜひこの際は減免といいますか、先んじてやられると外国人喜ぶのじゃないですか。どうでしょうか。
  70. 村谷拓郎

    村谷参考人 お答えいたします。  今の先生の御指摘は、特に外国人の方々に対しての通信サービスを考慮しなさいということだと思いますけれども、我々も、被災地におられる被災された外国人の方、これは大変数が多うございまして、四万人を超えるというふうにも聞いております。それで、これらの方々を十分意識した上で、我々災害対策本部をつくりまして、このような方々をも含めました国際通信の確保を最優先に努力いたしました。  先ほどもお話がありましたように、七百カ所に及ぶ特設公衆電話、これは約二千八百台ありますけれども、並びに携帯電話、これは千二百台、合計四千台の電話からすべて国際通信無料でできるというふうな状態にいたしました。さらに、公衆電話を設置することが困難な避難場所には、先ほども先生お話にもありましたように、インマルサットの可搬型地球局、これを設置いたしまして、通信の確保に努めました。さらにインテルサットの小型地球局も持ち込みまして、これは当社の神戸支店前に国際電話の専用の無料電話、これは四十台ありますけれども、これを設置いたしまして、これを使っていただける方は特に外国人の方が多かったのですけれども、これも無料で開放して、便利に使っていただいております。  さらに、こういった無料電話の御利用に関しまして、主要新聞のみならず、英字新聞あるいはフリーダイヤルで英語による御案内を行ったり、そういったこともいたしまして、広くお知らせしております。こういったこともさらに現地のFMラジオ等でも取り上げられまして、極めて広く、外国人の方も十分便利に使っていただいたものと承知しております。  これから外国人登録を行っている方々だけを対象に国際通話料金を減免するというのは、若干利用の公平性という点からは問題があるようなことも考えられますので、我々特に外国人の被災者方々を十分意識した、しかも日本人、外国人、公平に扱うというふうな施策をして、特に外国人の方々には大変便利に使っていただいたという実績もありますので、以上で御理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
  71. 河村たかし

    ○河村(た)委員 それにも関連するのですが、これは郵政大臣に。  国際ボランティア貯金というものがありますね。あれをぜひ今回、今言いましたように在日外国人の皆さんを援助するのにいろいろな活動をしているNGOというのですか、NPOというのですか、ありますので、ぜひこの際は回していただくと、多分条文上のかたいことを言われると思いますけれども、そういう話じゃなくて、政治家として、それは別に法律をつくればできることですから、法律でも目的論解釈すればいいんだし、外国人に何とか、今のKDDの話もありますけれども、やはりしゃくし定規では気に入られぬですよ。ぜひここは逓信行政のプロといいますか、この道のプロでございます大出さんに大英断を賜って、一歩踏み込んでいただきたいということでございますが、いかがですか。
  72. 大出俊

    大出国務大臣 河村さんお話しの点は、個人感情としては私も、せっかくここまで国際ボランティア貯金が伸びてきているんだから、これを見ましても既に現在二百三十三億円に達しているというんですね。非常に皆さんに、義援金の取り扱い状況ども今の先生の二百三十三億一千四百九十五万円という大変な金額でございます。  それだけに、やっぱり今の方々は今の法律に基づいて、NGOとかいろいろ国際的におやりになる方々にということで、私もこの間の緊急配分その他者さんに差し上げたりもしたんですが、ルワンダ、ザイールの井戸まで掘る方々にこの金を配分したりしたんですけれども、だから、そういうことに使うんだということでこれは始まっている制度ですから、これは国内にということになるんだとすれば本来の出足と違った形になるわけでございますから、そういう意味で、これだけ皆さん御理解いただいてどんどんふえてきているわけだけれども、それは法律の趣旨に明確になっておりますように、海外に出ていってNGOその他おやりになる方々にとなっているわけですから、そういう意味で国内にというんであるとすれば、これは一遍また別な角度で考えてみなければいかぬな、これはもう既にいろいろ相談してみたんですけれども、今のところそう思っております。
  73. 河村たかし

    ○河村(た)委員 そういうしゃくし定規を外国人というのは非常に嫌うと思うんですよね。先ほど言いましたように、日本人の場合は長い、ロングタームで住んでおりますので、いろいろな意味で救援の手が差し伸べられるのですけれども、非常に外国人の場合は滞留期間も短い方もおみえになりますので、そこは趣旨からいえば海外でも同じことだと思うんですね、それは。ですから、ぜひそこはひとつ踏み込んで考えていただきたいということでございます。  それからもう一問最後に、これも郵政大臣に。これで一つの分散型国家の必要性というのも、これは地震が東京で起きたらという話も出ますので、言われると思います。そういう話はもう何回も聞きましたので、情報通信の核としてリーダーたらんとする郵政省が、まず神戸あたりは大復興することが、これは亡くなられた方へのまた、ということになると思いますので、ぜひまず自分で郵政省神戸に移ったらどうかというぐらいの話ですね。そのくらいの新しい時代を切り開くスピリットを、大臣、お持ちかどうか、これを最後にお伺いして終わりたいと思います。
  74. 大出俊

    大出国務大臣 東京一極集中問題というのは、御指摘ございますように多極分散型の均衡とれた形の国土形成というふうなことが必要だということで、私どもの所管じゃありませんけれども、首都の移転、国会移転、その他いろいろな問題で議論をされてきた。  私も長くおりますのでいろいろな場面で議論してきたところでございますけれども情報通信基盤の整備ということでその元年と位置づけて始めたところでございまして、そういう意味で見ますと、やっぱり官民一体で情報基盤整備をこれからやるんだ、二〇〇〇年までに二割、二〇〇五年までに六割、二〇一〇年で一〇〇%というところまで国民の皆さんをカバーできるようにということでございまして、その進捗状況等を見きわめながら、首都機能というものが一体どういうことになるのか、そういう総合的な検討の中で、今の貴重な大きなこれは課題だと思いますけれども検討さしていただけないか、こう思っております。
  75. 河村たかし

    ○河村(た)委員 ぜひ今までの大出大臣の切れ味の鋭い、これを肝に銘じていただいて、まず隗より始めよというのがありますので、ぜひ積極的というか、一発打ち上げていただきたいと思います。  以上で終わります。どうもありがとうございました。
  76. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、吉岡賢治君。
  77. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 災害に限って質問せよというふうに言われておりますので、時間が短うございますから、端的に申し上げますので、また端的にお答えいただきたい、このようにまずもってお願いいたします。  死亡が五千人を超すあるいは全壊戸数が五万五千、それから被害総額は十兆円を超すというような大災害でございます。政府の方もいち早く激甚災害の指定をされた、これを見ても異例の早さでありますから、その規模の大きさも御理解、お互いにしていると思っています。そこで、戦後最大の災害でありますから、現行法の枠を超えた危機管理の体制だとか対応策が今求められている、しかも緊急に、こういうことであろうというふうに思っているところであります。  郵政省関係でございますから、私は、端的に現状を見てまいりましたことを報告しながら、皆さん方の見解を求めていきたい、こう思っております。  私は、十七日に伊丹に着きまして、十八日に西宮に入り、西宮から実は自転車でこの神戸へ、そしてずっと見てまいりました。それで郵政関係のところにも、NHKそれから中央郵便局さらにはNTT、こういうところにも行かしていただいたわけであります。そこで感じましたことでございますが、どこに行っても電話がかからない、電話がかからないということで、通信の混乱ということは明確だったというように思っているわけであります。  資料によりますと、三十万の加入者が、さらには移動通信基地が百四十五、ドコモはこれで三十六だったというように聞いております。専用回線が四千回線NTTが三千三百やられたというように聞いているわけでございます。特に、当初混乱をしましたのは、交換機の電源による故障、これが二十八万五千にも及んだということで、半日もしくは一日で回復しましたけれども、これは大変だったなというように思います。  そこで、幾つかの問題点があるというように思うわけでございますけれども、私は現地に行ってまいりまして、特に避難場所、蓮池の小学校にも行ったわけですが、十八日だったと思いますが、TZの301が動いてくれて群がっているということを現実を見まして、まさに情報通信というのはライフラインの一つだというふうに言っていいのではないかという実感を持ったところでございます。  そういう状況の中で幾つかの質問をさせていただきたいと思うんですが、問題点は、交換機の電源、これはバッテリーが倒れたりあるいは予備発電機の軽油がなかったりということでございますが、バッテリーというのは、瞬断を防ぐという意味で本当はバッテリーに頼ってはならないわけですから、予備電源がきちんと作動しなければならぬということがあったと思いますが、それができなかったということでございます。しかも、軽油の確保が長時間にわたるということも想像がなかったということもその確保に非常に困難をきわめたというようなことを聞いておるところでございます。  また、地盤沈下が大変激しかった、そういうことで特にビルなんかのケーブルで入っている部分がずたずただ、そこはもう回復はなかなか困難だという現状もあります。また、電線類がばあっともう道路いっぱいはい回っているという実情でございますから、そういう中で地中化の促進ということが求められるんじゃないか、そんなことも感じました。  それから、大開局が倒れたという声を聞いておりますけれども、現地に行きますと、倒れていないで隅っこがやられていたということでずっと稼働していたということでございますけれども無線の機器に対する考え方も変えなきゃならぬというようにも思っております。  一番感じましたのが、見舞い呼に対する誘導ですね。これは五十倍のトラフィックが加わったということですから、混乱するのは当然であります。とするなら、私は、マスメディアと情報通信関係の連携がとれなかったか。例えばNHKの一定の時間を郵政省の手によって借り受けて、見舞い呼当てに、時間を置いてやってくださいというようなきちんとしたことができなかったろうかということをつくづく感じさせていただいておるわけでございます。  それからもう一つの問題点は、今神戸、西宮、そこら辺で一番活動しているのは、活躍しているのは、実はボランティアであります。このボランティアのネットワークができないものですから、私どもの方にいろいろ要求がございまして、それをNTTの方に申し上げたわけでございますけれども、この種災害を考えた場合に、ボランティアのネットワークというものを常に頭に入れておく、そしてその対応をすべきではないかというようなことを感じさせていただきました。  NTT中心にしながら、KDDあるいはその他の情報通信事業者の皆さん方も大変な活躍をしていただいておりますから、私は本当に、無線機の無償貸与だとか、衛星通信地球局行政への貸与だとか、あるいは仮設住宅電話無料にするだとか、いろいろなことをやっておられますから、私はそれに敬意を表しながらも、今申し上げた幾つかの点で見解を求めておきたいというように思っておるところでございます。  そして、郵政省の方でも、大地震対応通信ネットワーク体制に関する検討会というものを早急に樹立するということでございますから、その辺についての問題点をどのように意識しておられるのか、このこともお聞きしておきたいと思います。
  78. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 ただいま先生から御指摘ありましたように、私ども、今回の地震にかかわりまして数々の教訓を得ているところでございます。そんなことを踏まえまして、ひとまず現段階電話回線復旧というのが終わった。あとは、建物の倒壊等によるところについては、これが整備されるに従いまして加入者もふえていくということになりますが、ひとまず終わったというような段階におきまして、この教訓を踏まえまして検討会を始めようということにいたしております。二月八日からということでありますが、その中におきまして、いろいろなことを検討お願いしてまいろうというふうに思っております。  特に、災害に強い通信ネットワークの構築というようなことから、例えば通信回線地下化の促進というような問題もあろうかと思います。今回の災害状況を見ましても、いわゆる架空線にかかっているのと地下部分につきましては、明らかに被害状況が違っております。それから、衛星通信あるいは無線の利用の促進というような観点、これにつきましても、災害時ということを考えますと、より有効な手段としてさらに検討を進める必要のあるものというふうに考えております。あるいはまた、通信の確保というような観点から、携帯電話等の移動無線機器、これの国における備蓄というようなことも検討してまいる必要があるであろう。  それから、防災無線関係につきましても、ただいま御指摘のありましたとおり、電源の問題等々も含めまして、この運用につきましてもさらなる検討を要するというふうに思っております。さらに、非常災害時における通信の管理、まあ防災無線のようないわゆる行政関係通信、そのほか公衆通信、そのほかの通信が日本の国ではあります。そういうものを全体としてこれを管理するような仕組みが必要ではないかというふうにも考えておりまして、そういったことも含めまして検討会お願いしております。早急に検討に入るということにいたしております。
  79. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 NHKの時間を区切っての問題を答えてください。いわゆるマスメディアと情報通信の連携の部分
  80. 江川晃正

    ○江川政府委員 NHKの時間を、一定の割合で時間を当てることができるかできないかということにつきましても、今度、ただいま電通局長お話にございました検討会の中でも、我々の議論の対象にさせていただこうかと考えております。
  81. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 ボランティアのネットワークは。
  82. 大出俊

    大出国務大臣 ボランティアの問題は、予算委員会でも何遍も議論をいたしましたし、また政府内部でも議論をしているのでございますけれども、国際的には、NGOをしに出ていく方々についてはいろいろな意味の法的な裏づけがある。  ところが、国内的に、今、神戸市なりその他の市なりが受け付けて、ボランティアの皆さんに、こういうふうにしてもらいたい、こういうふうに働いてもらいたいといってお願いをしている方々、この方々についてはいろいろな意味で裏づけがない。しかし、この方々がいなかったら、この三十万近い避難所における避難されている皆さんのお世話はできないのじゃないか。いかに逆立ちしてみても、市役所なりその下の行政の力だけではできないのじゃないか。  そうすると、この貴重な経験をとらえて、どうこれを制度化するか。位置づけをきちっとして、この方々は危険もあるわけですからね、そういう場合はどうするかというところまで含めて、法的措置その他もきちっとせにゃいかぬだろうというような議論をいたしているわけでございまして、実は、今回のこの問題等、関係省庁の連絡会議もやっておりますから、郵政だけの問題じゃございませんので、そういう意味でひとつ、御指摘の点、もう重々そのとおりでございますが、相談をさせていただきたい、こういうふうに思っております。
  83. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 ボランティアのネットワークはそういうふうにつくっていくということですけれども、問題は、今ボランティアをやっている人たちの通信ネットワークが、お互いに相互連絡がとれないから調整がうまくいかない。どんなものが要るのか、どういうことができるのかということが、一番活躍していながらその連携がとれていないので、そういう通信ネットワークをつくってやる必要がある、こういうように思っていますので、早急な検討お願いしたい。かなり長期にわたると思います。そういうことでお願いをしたい。  次に進みたいと思います。  それから、郵便局関係でございますけれども、私は現地に実は二回行ってまいりました。古城郵便局長以下、一生懸命やっておられるのです。本当に涙ぐましい努力をされております。港局あるいは長田局もストップをするということで、神戸港局の局長さんにも会いましたけれども、涙ながらに訴えておられました。長田区というのは、私は行ってまいりましたけれども、大変ひどいことになっているというような状況でございました。また、淡路に行きました際にも、あそこの簡保センターの方で非常に手厚い形で被災者を受け入れておられたということ等も含めて、本当に頑張っておられるんだなということをつくづく感じさせていただいておるところでございます。  ただ、そういう中で一つだけ疑問に思っておりますので、郵政事業関係でお尋ねしておきたいのは、十九日に実は救助用小包を無料にするということを発表されましたね。それで一挙に荷物が集まったという現実がございます。  これは妥当な資料がどうかわかりませんが、一月二十五日の十五時の集計で一万百十四パレットがとまっている。パレットといいますとかなり大きなものでございます。そういう現状だと思うのです。一挙に来た。  ところが、神戸の方では大変なんです。出勤可能人員が非常に少ないですね。それぞれが被災者です。出勤をされておりましても、その人は、仕事を一生懸命しておって、帰れば避難所でございますから。そういう実態の中で、その受け入れ態勢を十分見きわめて、なおかつ搬送体制ですね、逓送、こういうものも見きわめた、そういうことを事前に発して、どれほどいけるのかという掌握の上でやらないと、大変な荷物が集まるんだけれども現実には被災者のところに届かない、こういうことになるんじゃないか。今一部に言われておるのは、三分の一ぐらいは廃棄しなくてはならぬのではないかというふうにさえ言われておるところでございます。  職員も大変必死なんですね。応援をもらってやっていますけれども、疲れてきていますよ。そして、夜は毛布でくるまってまた出てくるということを繰り返しているわけです。その辺の配慮というものをもう少しやるべきでなかったかということを明確に申し上げておきたいと思います。  ちなみに申し上げますと、神戸中央郵便局で現在民六百九十九ですが、出勤可能人員は百九十九という数字もあるわけでございますから、出てこられないのですよ、出てきたくても。そういう状況の中でのことであるということですから、応援体制を万全にしながらやらないと失敗するのではないかというように思いますので、その点について。
  84. 大出俊

    大出国務大臣 これは、私が参りまして、今の神戸の中郵の局長の古城さんとしばらく相談をいたしました。  二十一日でございますが、実は今の吉岡さんのお話神戸対策本部あての無料救援小包は、十八日に省の方で私ども相談して決めて、神戸対策本部の方で欲しいということになった、引き受けるという約束になった。だからというので、それじゃひとつ神戸対策本部というふうに当面は、後からほかに広がるだろうが、当面は限定してくれ、中身は毛布及び保存にたえる食料、加工を要しないものということにきちっとして、二万四千の全国の郵便局で扱うわけですから、そこを徹底するということにして出発をすることにした。  二十一日に私が現場に行きましたら、今の神戸中郵でございますけれども、六百個ほどありまして、実は大臣神戸市の方で受け取ってくれないと言うのです。六百だけかと聞いたら、大阪の小包局にパレットで二千五百あると言うんですね。十個として二万五千ですよ、一パレットに十入るとして。二十入るのもありますけれどもね。それだけかと言ったら、その周辺にもう二万五千ぐらいあると言うんですよ。そうすると五万超えちゃうんですよ。それじゃ局長、私これから市長に会って市長、助役とさして話してくるということにして、市に参りまして、市長、助役と話しまして、感謝をしながらしきりに謝られたんですけれどもね。  じゃ、市が受け取ったことにして、うちが人を集めて解体をして配るかという気持ちを持ちまして、それから内部の相談をいろいろいたしまして、オーバー労働にならぬようにということもありまして随分相談をして、苦労をしたんですけれども、応援を方々から出してやろうということになって、それから受け取ってもらったという形の上でこちら側で解体をする。外語大学などの場所まで神戸の市の方でいろいろ考えていただいた上で、結果的に今三十一万個のうち二十四万個は全部解体をして配送を終わっておりまして、そういう意味では一つの山は越えたということなんですが。  お説のように、非常に局舎自体が、窓がほとんど落ちちゃっている、シートを張りつけている、奥の部屋は崩れちゃっている。大変なところですから、そういう意味で、何ともどうもこれは大変だなという一語しかないという気持ちなんですが、後から私は職場を全部歩きましたけれども、お父さんを亡くした方が一生懸命働いているわけですから、三百何人全壊があるのですから、けがしている家族がというのもたくさんあるのですから、参りましたけれども、しかし、この際やらざるを得ないからやってくれと私は言って帰ってきましたが、後からひとつできるだけのことをしたい、こう思っております。
  85. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 今おっしゃいました、現実だと思います。私も二回にわたって、二十六日に行きましたときは、小包をどこどこに配達したけれどもいなかった、どこどこの被災地に行ったけれどもいなかったということで帰ってくるわけですね。そういうことも含めて、今後対応については、ただ郵政局でやろうということでやるだけでなくて、その辺の体制を十分見きわめつつやっていただかないと末端は大変だ、現場は大変だということを申し上げておきたいと思います。  そう言いながら、互いに頑張ろうということで、古城局長と西田全逓の兵庫地区本部委員長、あるいは全郵政の分会長さん、それらとお互いに話をして協調しておられて、いろいろな物資は我々が補給するから局長以下頑張ってくれというような美談も聞かせていただいておりますけれども、まことに大変な状況の中でやっておられる現実を踏まえておいていただきたい。  その上で、以下、要望として申し上げておきたいと思います。  一つは、安全上の問題でございますが、御案内のとおり、中央郵便局も大変な被害を受けております。また長田局についても同様であります。そのほか立入禁止のところもあるわけですが、そこのところの安全確認をきちんとしてもらわないと、パレットが多いわけですから、あの危ない一番端っこの、中央郵便局の端っこのエレベーターのところ、あそこら辺にパレットを持っていかざるを得ない実態になっておるわけですよ。もしものことがあったら大変だということで、そういうことを考えますと、改装用に仮設局舎をつくっておられたのが、それも今度やられてしまったということでございますけれども、早急に仮設局舎をつくって営業に支障がないようにしてもらいたいという切なる要望がございましたことを早急に実施していただきたい、これが一つでございます。  それからもう一つ特定局がかなりやられておるのですね、火事いったところなんか全焼していますし。そういうことの立ち上がりを早いことして、市民の皆様の方に、ああ郵便局はやるな、こういうことがあっていいと思うのですよ。何か横並びでやらないとみたいな話は、今悲嘆に暮れている市民の皆さん方を勇気づけることにならない。早いこと神戸でやりましたよというようなことで、そのような方向をとっていただけないかということも二つ目であります。港局の再建も早くしないと大変でございますので、その辺のことを質問をしておきたいと思います。  それから、私はNHKにも実は十八日に参りました。正確な情報を流してくれというふうに言ったのです。放送でちょっと狂いますと随分違った情報になります。しかし、あそこに十台の中継車と四十人のカメラマンを備えて、記録を含めて万全を期していきたいと言っておられましたけれども、みんな寝転がっていらっしゃる、そのNHKの建物が危険になってしまっているわけであります。早急な回復とその設備の新設ということをしなければならぬ。これに対しても考えがあればお聞かせいただいておきたい。  以上です。
  86. 尾島勲

    ○尾島説明員 神戸中央郵便局先生ごらんのような悲惨な状況でございますけれども、増築により改善ということで、現在仮局舎を施工中でございますが、昨年の五月に発注して、ことしの五月に完成という目標でやっておりました。しかし、先生もおっしゃいましたように今回の地震被害を受けまして、現在復旧工事中でございますが、早期に完成に向けて努力しております。今のところは六月末に完成がなという予定でございます。
  87. 加藤豊太郎

    ○加藤(豊)政府委員 先生からまた特定局についてもお話がありましたが、特定局につきましては、全壊等の建てかえの必要な局が十五局、それからその他大幅な修復を要する局が十二局、合わせて二十七局あるわけでありますけれども、これらにつきましては、早急に位置だとか経費負担を所有者と調整の上、仮局を設置または修繕していく、これは省の負担で修繕するということであります。仮局の建設、本格的な局舎の建設、建てかえ、新築につきましては、神戸市等各市の復興計画をにらみながら、整合的に検討し、体制を整えていきたいということでございます。
  88. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 これで終わりますけれども、先ほど申し上げた安全対策の問題は、今職員が疲労しているところでございますから、くれぐれもよろしくお願いをしたいというように思います。  郵政省として全力を挙げていただいていることに心から敬意を表しながら終わります。ありがとうございました。
  89. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、高見裕一君。
  90. 高見裕一

    ○高見委員 まず、緊急時の通信の確保という問題、これはもう他の委員の方々もいろいろと御質問しておられるかもしれませんが、ぜひ私もこの耳で確認をさせていただきたく存じます。  地震が起こった直後から、今の吉岡先生の話にもありましたが、通常時の五十倍といわれる電話が殺到した。それによって電話回線が途絶をして、町は混乱をきわめました。通信の確保は災害時には特に重要であることは言うまでもございません。私も、地震が起こったときに携帯電話神戸市役所や兵庫県庁へ何度も何度もかけましたけれども、これはもう一向につながらない。もちろん警察や消防も全くつながらないという状況がございました。現場で何が起こっているのか、どのような対策をとってほしいのかをしかるべきところに伝えようにも当然伝えられなかったですね。  そのような場合、通信回線の確保という観点から、これからどのような対策をとるべきなのか、とるべきであったのか、またこれからとれるのか、今後の災害のときの特別回線の確保などの緊急時対策というものに関して明確な御答弁をいただきたいなというふうに思います。  知事や市長が実際に現場の情報をとれないゆえに、さまざまな指示、要請等がおくれたということが現実にございます。そして、残念なのは、地震が起こるたびに、大規模災害が起こるたびに同じことがいつも言われている。せめて消防署と市役所の間の回線だけは生かしておく方法がないのか、あるいは県や市というユニットでなくても、例えば近畿と関西というようなユニットでもそういうことが考えられないのか、そのあたりはどうなんだろうかというふうに思います。ぜひ緊急時の通信のあるべき今後の姿というものをお示しいただきたいと存じます。
  91. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 先生お尋ねの公衆網観点に立ちますのと、ネットワーク的に見ますと、もう一つ観点はいわゆる行政防災無線などの公的なネットワーク、二つがあろうかと思いますが、現状あるいは今後私どもが考えなければならないというようなことにつきまして申し上げさせていただきたいというふうに思います。  先生指摘のとおり、一時期、ピーク時で五十倍かかったというようなことがNTTから言われたりもいたしております。概括的に申し上げますと、日本の電話の、公衆網ネットワークというのは大体ピーク時の一・五倍程度ででき上がっております。まあこれが適正かどうかという御議論はあろうかと思いますが、そういうことを前提としてのいろいろな対策になります。  そのうちで、現実の今回のことについて申しますと、まず、災害用のいわゆる優先電話というのは日本全国で三十七万八千ほどあります。これは優先電話でございまして、狭義の意味災害用は三十八万五千でございますが、三十七万八千ほどある。そのほか、公衆電話、これは七十八万五千ありまして、このことにつきまして必ずしも私どもの周知が十分でないというようなことで、十八日になりましてから、テレビ等を通じまして、公衆電話はかかりますということをお知らせさせていただいたという現状がございました。そういうことでやってまいりまして、二十四日以降は東京等々外から神戸にかかる電話、これについての規制は全部解けております。  それから、先ほども申し上げさせていただいたところでございますが、いわゆる加入者線、それぞれの家庭とかに入る加入者線部分について、うちが倒壊しているところを除きますと、現状では復旧をいたしております。そういう状態になっておりまして、当時のいわゆる公衆回線という観点からは、七十八万五千あります公衆電話、そして災害対策という意味でのいわゆる優先電話三十七万八千、これが確保されたというふうに考えております。  ただ、現実の問題としましては、この電話にあっても一時期がかりにくくなったとか、そういうことはございます。私どもとしまして、一体こういうネットワークの容量でいけるのかというようなことも一つありますのですけれども公衆網につきましてもし大容量のネットワークをつくっていくとなれば、事業者にとっても、投資と効果といいますか、そういう観点もございます。そういう形で国としてどういうかかわりを持つのかということはあろうかと思います。  さらに、公衆網ということではなくて防災無線というような観点からは、これは、兵庫県の防災無線といいますものは衛星を使っておりまして、百六十三のポイントと結んでおります。そういう意味で、立ち上がり時に五つのポイント、とりわけセンター局になる兵庫県の県庁の地球局が電源のふぐあいで六時間稼働しなかったということがあって、最初立ち上がりに大変思わしくない傾向が出たわけでありますが、ここが生きていれば公的なネットワークとしては百六十三地点と結んで通信というか情報の入手はできる。これを徹底するという観点一つございます。  いずれにいたしましても、もう一つ公衆網という観点につきましては、例えば、どんどんかかってくる電話を蓄積しておくとか、そういうことでの方法、そしてネットワークビジーが解けていったときにそれを発信していくとか、また逆の方向からはできないかとか、そういうようなことを含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
  92. 高見裕一

    ○高見委員 私、専門家じゃないものですからよくわかりかねましたので、また後でちょっとお尋ねしますが、その前に、緊急災害時の放送のあり方を少しお伺いしておきたいと思うのです。  今回の地震で感じましたことは、被災者の方の立場に立った放送というものが、特に初日、二日目と初期の段階では全くできていなかったように思えてなりません。これは放送の問題であり、要するにテレビ、ラジオの問題であり、表現の自由との兼ね合いでまことに困難な問題があろうかと思いますけれども、端的に言って、どこのチャンネルを回しても同じ内容の報道で、その内容というのは、どこでだれが何人死んだ、どこでどんな火事が起こっている、こればかり垂れ流しているという状況でございました。三百万といわれる被災者の立場に立った放送というのがほとんどございませんでした。  これは、公共の電波を使っているメディアがああいう超という冠がつくような、超弩級な災害のときにもああいう垂れ流し情報だけでいいのか。本当に人命にかかわるような情報を流さなくていいのか、そんな疑問を持った次第でございます。その放送に関しては、本当に被災者方々は多く不満を持っておられます。被災者、直接の災害を受けた方々の命を守る報道というふうなものがあってよかったのではないかなと思わざるを得ません。  そのことに関して言えば、NHKはFMと教育放送安否情報等を専門に流しておられたというふうなことがございますけれども、他の民放各局に関しましても、緊急時にはある程度の局ごとの役割分担というものが、日時、時間を区切ってあってもしかるべきなのではないかな、そのような話し合いの場というもの、検討委員会というふうなものを早々に郵政省と民放各局で持たれても決してマイナスになることはないのではないかというふうに思いますけれども、ぜひお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  93. 江川晃正

    ○江川政府委員 二週間ほどたちまして、テレビ、ラジオの報道のあり方というのを振り返ってみますと、確かに先生おっしゃいますように一様な報道が行われていたと言われる声は私たちも耳にいたします。  ただ、もう少し細かく言いますと、さすがにテレビとラジオでは役割が少し違って、それなりにやってきたなと思います。先生がおっしゃいますように、テレビが災害をいわば俯瞰的に見た情報を流していたのに対して、ラジオが、安否情報と申しますか、どこに行くと水がある、あるいはお医者さんがいる、そういう話も時間の経過とともにするようになった、テレビの方もだんだんそういう形になった。そういうふうにはやってきたと私たち見ておりますが、それで十分であったと思っているわけではありません。先生がおっしゃいましたような意見と申しましょうか、そういうものも我々の耳にも入ってまいっております。  それで、私たち、実はそういうことのためにNHKあるいは民間放送連盟全体として取りまとめる場がございますから、そういうところに世の中の、被災者の声と申しましょうか、あるいは識者の声というふうなものとして、こうですよ、ああですよというものを随時伝えて、こういうことをやってくれないだろうかということを要請してきているところでございます。  例えば、心身障害者の人のために字幕を出してくれないだろうか、あるいはテロップを流してくれないかというような声がかかりますと、入れました。そうしたら、本当にそういう報道を流してもくれております。それから、外国語を使ってくれないか、やってくれないか、英語だけではありません、中国語、朝鮮・韓国語とか、大変特別な言葉を含めまして十数カ国語の放送もやってくれました。  そういうふうにやってまいりましたが、確かに先生おっしゃいましたように、全体として一つの統一された分担が行われたかというと、必ずしもそうではありません。それで、我々は別に全体主義を志向するわけではございませんが、一つの方法は、先生おっしゃる意味でもそういうのはあります。  そこで、我々も現在、一月の末でございますが、NHK、民放連それからCATVそれから我々のようなものが入りまして、情報交換会という検討委員会、まあ検討委員会という言葉はあれですが、情報を交換する会合を設けまして、あるいは連絡会を設けまして、それで週一遍きちんとやっていく、また場合によっては随時やろうということで、情報交換をして、ただいまのこういう御意見とか世の中の意見を伝えてやってきているところでございます。そういう意味では、局ごとの役割を何かだれかがばしっと決めるのはいかがかと思いますけれども、お互いに問題意識を持って、取材のあり方とか放送のあり方とかいうようなものについていろいろ自発的にやってもらおうということも含めて、我々は要請をしたり議論したりしているところでございます。
  94. 高見裕一

    ○高見委員 要は、例えばあの災害のとき、瞬間で申し上げますならば、一人でも死者を少なくするために社会全体が力を合わせる、そのときにメディアというのは巨大な力を持っておるわけで、その役割分担が、表現の自由という本来非常に難しい問題を抱えつつも、真剣に話し合われてよいのではないか、重ねて考えを述べさせていただいて、そういう場をぜひ持っていただきたいということを要請させていただきたいと思います。  二日目、三日目、四日目となってくるうちにだんだんよくなってきた、これは事実ですが、少なくとも当日、非常にわかりやすく言うと、例えばここに生き埋めの人がいるよ、みんなで助けに行こうよというようなことが行われていれば、どこの避難所に何が足りないのだよ、近所の人頼むよというふうなこととか、世の中、社会というのが一つにぐっとまとまれるような、何かそういう報道が欲しかったななんて、これは自分も被災をした一人の人間としての実感を込めて申し上げたいな、こういうふうに思います。  それから、次の質問に移ります。  ところで、今回の地震で地元の放送局の果たした役割というのは非常に重要なものがございました。例えばAM神戸は、ハード的には非常に大きな被害を受けております。その社屋自体が傾いているというふうな被害を受けておるわけですが、地震発生直後から、被災地へ向けての救今、救援放送を連続六十八時間にわたって続けておられました。サンテレビも同様であります。地域に根差して、地域と結びついている放送局の放送活動というのは、こういう災害時には特に大きく役に立つんだなということを実感をいたしました。地域の市民からも非常に高い評価を得ておられるようです。今後も、地域放送局の災害時に果たす役割は当然大きいものがあると思いますが、郵政省の御見解というのはいかがでしょう。  そして、そのような地元の放送局、二つでございますけれども、今回の地震でかなりの被害を受けております。被災した局のいち早い復旧のために郵政省として何らかの支援策がとれないのか、考えておられるならばぜひお聞かせをいただきたいと思います。
  95. 江川晃正

    ○江川政府委員 初めの、地域に果たす役割が大きいということについての郵政省の見解と申しましょうか、それは全く先生と同じ意見でございまして、ますますこれからの復興に当たっても地域に果たす地域の局の役割というものは大きいぞというふうに考えております。そういう意味で、そういう地域放送局がこうむった災害、損失、損害に対して、復旧のための何らかの支援をやりたいと考えているのは事実でございます。  そこで二つ目の問いになるわけでございます が、どんな支援策を考えているのかということについては、これから平成六年度の第二次の補正予算が組まれると承知しておりますし、場合によっては七年度のというものもあるのかもしれません。少なくとも平成六年度の補正でも、我々は現実に施設の復旧のための超低利融資の制度をつくれないだろうかとか、災害放送をCMなしでやっております、いわばボランティアが続いているようなもので、持ち出しでやっているわけです。そういったものが、これから先もきめ細かい生活情報が流されるためにも、こういうことに何らかの支援策がとれないだろうかということを我々考えて、その部分で国庫の、国費の補助できるいい知恵はないかというようなことも今考えているところでございます。
  96. 高見裕一

    ○高見委員 ぜひいろいろな知恵を集めていただきたいと思います。広告を出すべき、クライアントとなるべき企業がこれまた大きく被害を受けておって、とてもじゃないけれども広告出稿なんかできる状況ではないというふうなこともぜひ御考慮に入れていただければと思いますのでないと、あの地域地域のメディアをなくしてしまうということになりかねませんので、よろしくお願いをしたいと思います。  最後に、今回の災害では情報通信での問題点が非常に私には目についたというふうに考えておるんですが、例えばこういう災害時の情報通信のあり方、先ほどの電話の問題もそうでございますけれども、二十四時間緊急通信システムというふうなものの確立が非常に問題になると思います。官邸の方でもいろいろと策を練っておられるようでございますけれども、例えば、警察や消防や自衛隊の職員中心として、全国でせめて最低でも一万大規模で、無線機材を置いて、二十四時間稼働している民間の工場や二十四時間の店舗なども活用をして、緊急時には例えば首相官邸などしかるべき場所と直接連絡がとれるようなシステムというものをぜひとも構築をしていただきたいと思うのです。  そのようなことを含めて、広く通信網や電波の使用、整備のあり方や災害緊急時の利用を考える検討委員会というふうなものを、緊急災害対策の総合的な場面における郵政省の役割を考える委員会づくりをぜひお考えいただきたいと思います。大臣、ぜひ二言。
  97. 大出俊

    大出国務大臣 高見さんが大変御苦労された簡単なレポートをいただきまして、読んでおりますけれども、本当に御苦労されたんだなというふうに思っております。  今の御指摘、全くごもっともでございまして、非常のときに通信のあり方はどうあるべきかという大きな、研究すべき課題が与えられたということでございまして、まず第一に、通信回線のいろいろな形のルートをまず考えなければいかぬ。民間企業でも、今回トランスポンダーを借りてきまして、衛星通信をメーンにして裏にNTT回線をというところもあって、無傷で運営されているという例まであるわけでありますから、そういう意味で、いろいろなものを組み合わせた多ルートの通信回線ネットワークづくりが必要だ、こういうふうにまず思います。  そこで、いろいろな被害発生しておりまして、そういう意味では、大地震想定をした通信ネットワークのあり方、住民等の皆さんに正確かつ迅速な情報伝達を可能とする体制をできるだけ早くつくらなければならないということで、八日から検討会を開こうということになっておりまして、今の御指摘などはこの検討会中心テーマでございます。二十四時間どういうふうに通信活動をするか、そこらのことを含めた検討をこれからしていただこうと思っています。  それからまた、政府内部におきましても、今お話がございましたけれども、これは大変な大きな教訓でございまして、どうするかというので、急遽、あしたからやらなきゃならぬ問題というので、それぞれ所管の諸君を集めて今やっておるところでございますが、その中で、できるだけ早くこういう方向でいこうという方向を見つけ出したい、こんなふうに思っているところでございます。  御指摘の点がこれから反映されていきますように、私の方も一生懸命やらせていただきたい、こう思っています。
  98. 高見裕一

    ○高見委員 ありがとうございました。  今後、このような災害がまたいつ襲ってくるやもしれません。そのときに、何だあのときと同じか、実に芸のない、無能なことだと言われないように、力を合わせて頑張らせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。  どうもありがとうございました。
  99. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次に、矢島恒夫君。
  100. 矢島恒夫

    ○矢島委員 阪神大震災では、通信放送あるいは郵便などで多大な被害が出ました。そういう中で、地震直後から、多くの郵政職員やあるいはNTT、その関連会社あるいは放送関係方々、極めて困難な条件の中で、寝食を忘れて仕事をしているわけです。国民のライフラインである電話を必死に守り、そしてまた回線復旧、昼夜を分かたず頑張っておられるし、郵政では、救援小包を初めとして、被災者の皆さんへの郵便物の配達、あるいは速やかな貯金や保険の業務の確保、こういうものを目指して頑張っておられる。また放送でも、被災者に正確な情報を伝えようと頑張っておられる。こうした職員方々の多くは、みずからも被災者であるわけです。避難所生活をしながら復旧作業に当たっている方もいるわけであります。あるいは他府県からの応援ということで駆けつけられた方も、非常に困難な中、仕事を続けられている。  大臣にお聞きしたいのですが、郵政大臣として、こうした現場で頑張っておられる皆さん方の御苦労をどう考えておられるか、まずそれをお聞きしたいわけですが、同時に、精神的な激励にとどまらず、きちんとした処遇という点でも、郵政大臣として、郵政関連の部門については目配りをしていただきたい。  特に、まだまだ危険な状況もありますし、あるいは地震発生以来の疲労も相当たまっているので、労働災害などにも十分注意しなければならない状況があります。夜間の勤務あるいは長時間の労働、これも非常に多くなってきます。この面でも処遇をきちんとする必要がありますし、同時に、下請とか関連会社の社員の人たち、郵政省でいえばゆうメイトなどの臨時職員だとかパートの方、こういうところにも、ぜひ大臣、目を行き届かせていただきたいと思うわけで、大臣にこのことをお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
  101. 大出俊

    大出国務大臣 私、四日たったわけですが参りまして、神戸中郵に参りましたが、古城さんという局長さん、十七日は大変でしたというわけですね。御本人初め局の出てきた人も、もう死ぬかと思った人は何人もいるというわけですね。ところが、十七日は二十人しか出てきていないのですよ。約七百、六百九十九名ぐらいの定員で二十名、はうようにして来たというのです。  それで、ほとんど窓は落ちてしまっていますし、シートを張っていますしね。三階の郵便の隅にある一番奥の部屋なんというのは、ここに写真もあるのですけれども、もう二次災害になると困ると思って私はやかましく言いまして、すぐこれは再点検してくれということにしまして、大阪の郵政局からすぐ人が来たりいろいろなことをしてやりました。ところが歩いてみると、お父さんを亡くしたという方が働いているのですよ、一生懸命。本当に涙が出る、それは。  そういう状況で、ですから、今の御指摘の点は、水が出ない、便所も使えないという中ですから。おにぎりを握っているわけですから。しかも飲料水は組合が持ってきてくれたりしているわけですね。そういう状況の中、四日目でもそうなんですよ。  ですから、そういう中で、しかもパレットで大阪の小包局に二千五百あると。二万五千の小包が集まっちゃっているわけですからね。原局に、じゃ、中郵に何本あるんだといったら、六百と。ところが市の対策本部は受け取れないというと。 私が、しょうがない、局長にかわって市長さん、助役さんと会ってひざ詰めで談判をしまして、最悪の場合にはうちでやろうかな、しかし労働オーバーになるなど。  そんな状況ですから、事情は非常に、今御指摘いただきました、わかっておりますので、まず住宅対策、全壊、半壊、半焼、たくさんおいでになりますから、これをまずどうするか。二百は要るだろうという見方を当時現場でもしておりましたけれども、そこから始まりまして、健康管理、その他処遇対策、それから亡くなった方、家族の亡くなった方もおりますから、その方々をどうするか。何とか、ここで具体的に申し上げられませんが、できるだけのことをやらせてみていただこうと思っております。
  102. 矢島恒夫

    ○矢島委員 ぜひそういう方向で頑張っていただきたいと思います。  先ほど来出ていますように、今回の大震災で、電話で最大三十万回線も途絶えたという事態が起こりました。この教訓から、災害に強い通信網、通信システムをどう構築していくかは非常に重要な問題であろうと思うのです。安全神話の崩壊などという言葉が出ておりますれども通信の分野ではどうだったのか。原因などがきちんと解明されなければならないと思います。  そこで、郵政省が出している地震被害被災状況対策という文書を見ますと、市内の交換設備が八カ所でダウンした。いずれも社屋が崩れたとかあるいはディジタル交換機が崩壊したということではないようであります。  この原因究明は今後の調査にまたれるわけでありますけれども、現在判明しているところでは、八カ所中三カ所は電力系統のトラブルである、こう出ております。郵政省の資料によりますと、東灘それから葺合の二カ所は非常用バッテリーの枯渇であった。長田は電源系統の障害となっております。電力会社からの電力の供給がストップしたときにはまず非常用のバッテリーから電力を供給して、その後直ちに自家発電用のエンジンが自動的に回って電力を供給する、こういうことになっているはずですが、なかなかそれがうまくいかなかったということだろうと思うのです。  それで、この点で私が非常に不安に感じるのは、NTTの電力部門というのは二年前に組織の大改革、大合理化が行われたということなんです。NTTは、電力部門を大体本体から切り離しまして外部に委託してしまいました。それで、電力関係の社員約四千人、本社などごく一部を除いてすべてがNTTファシリティーズに出向をしたという形になっていると思うのです。今回の大震災で電力部門にトラブルが集中したというのは、この大合理化のマイナス面が出たのではないか、こういう不安を感じるわけです。  そこで具体的にお聞きしたいのですが、地震発生したとき、午前五時四十六分でございますけれども、この時刻にNTTファシリティーズの電力を担当する社員、これは八カ所の交換設備にトラブルが起きた神戸市ではどのような宿直体制をとっていたのかということ、社員がいた場所と人数あるいは担当の交換設備などについて、簡潔にちょっとお聞きしたいのですが。
  103. 高島秀行

    高島参考人 先生の御質問にお答え申し上げます。  災害当日といいますか当夜の電力保守の宿直体制につきましては、兵庫県で姫路、神戸、二カ所、各一名、計二名の体制となっております。また、日中はおおむね兵庫県下百名で保守を担当しております。  地震発生直後におきましては交通機関の遮断により職場への参集が極めて困難な状況下になりましたが、電力関係に限りましても当日中に約三十名が参集し、その後も兵庫県下の社員及び大阪、中国、四国などからの社員の迅速な復旧応援、また各地からの移動電源車の駆けつけなどによりまして、翌日の一月十八日午前十時ごろまでに交換機の故障につきましてはすべて回復いたしました。
  104. 矢島恒夫

    ○矢島委員 その後の応援体制だとか、懸命に取り組まれたということについてはよくわかります。ただ、地震が起きたときに、神戸市、西宮市、淡路島など、今回の地震被害を受けた地域全体で、お話ですと一人しか宿直者がいなかった、これではもうとても対応できなかっただろうということは十分に察しがつくわけです。  ここにNTTファシリティーズがつくった一月十七日の地震当日、「兵庫南部地震による電力設備への影響」という文書があるわけですけれども、これを見ますと、時間ごとにトラブルの状況がずっと並んでおります。あちこちでトラブルが起き、同時に、本来ならば自動的に動くはずのエンジンが動かない、あるいは非常用バッテリーがずっと放電し続けていて、その結果、結局二つの交換設備がとまってしまったというような様子がよくわかるわけです。  例えば長田ビルについては、九時五十分の報告になっておりますが、ここでエンジン運転不能、バッテリー出力ダウン、こういう記事です。あるいは、姫路、山崎、飾磨、広畑、ここもエンジン油漏れ、あるいは、今バッテリー放電中というのが十三時五十四分になっても葺合や須磨では起こっているとか、そのときの状況がずっと出てきているわけです。夕方の五時二十一分になりますと、東灘ではバッテリーが過放電によってシステムダウン。  全部を申し上げる時間がありませんが、こういういろいろなトラブルがずっと続いてきているわけですけれども、これだけ短時間に発生いたしますと、宿直員一人でこれはどうすることもできなかったろうと思うのです。状況をつかむこともこれは不可能だったんじゃないか。こういう様子がよくわかるのですが、こういう体制で本当にいいのかということですね。きちんと教訓を酌み取る必要があるんだと思うのですけれども、いかがですか。
  105. 高島秀行

    高島参考人 私ども、主要な電気通信設備におきましては、先生指摘のとおりバッテリー、予備エンジンなどのバックアップ電源を設置しております。今回の災害におきまして交換機の電力供給に支障が生じましたのは、地震発生と同時に商用電源が停止しまして、バックアップ電源には切りかわりましたが、一部の交換局所においてバッテリーの損壊あるいは予備エンジンのパイプの損傷などによりましてこの機能を発揮できなかったものであります。  この原因につきましては、我が社の電気通信設備の耐震設計基準は、関東大震災クラス、おおむね震度六程度を想定対策を実施してきておりますが、これを上回る大規模地震により被災したものと考えております。  NTTファシリティーズにつきましては、電力並びにビル部門を担当するということで、現在当初の目的どおり機能している、こういうふうに考えております。しかしながら、今回の事態を教訓にいたしまして、さらに設備の見直しなり業務の体制の見直しなり含めて取り組んでいきたい、かように考えております。
  106. 矢島恒夫

    ○矢島委員 地震想定の問題はともかくとして、実際にそういう事故が多発したわけですよ。一人の宿直で今被災地全域をカバーしなきゃならないというのは、こういう事態でいいのかというのが私の聞きたいところなんですよ。  ですから、今も今後体制も含めて考えていくとおっしゃられましたので、そういう意味では、一人で大丈夫なのか、ぜひこういう点も含めてひとつ考えていただきたいわけですし、同時に、これは、その体制を考えれば、見直しの見直しが出てくるだろうと思いますが、私、「監視体制の見直しイメージ」という書類いただいているわけなんです。電力部門の入減らし、合理化という方向で進んでいるわけですが、この地震発生のときの体制というのは過渡的なもので、宿直はもっと減らしていくのだと。平成九年になりますと、夜間体制をとるのは、この書面によりますと関西全域で大阪で一カ所しか、こういう方向に平成九年にはしてしまおうとなっているわけですね。ですから、和歌山県の新宮あるいは滋賀の彦根あるいは姫路から奈良、こうした非常に広大な地域をやっていこう、こういう方向が出されているわけですね。  もしそんなことになったら、今回よりもっともっとひどい混乱が今度の地震の場合には起きたのじゃないかということが想定されるわけですけれども郵政省にお聞きしたいのですが、郵政省として、NTTの電力を担当しているNTTファシリティーズのこうした計画を承知しておられるのか、また二十四時間通信が途絶えてはならないという国民に対する最も基本的なサービスがこういう形で保障できるのか、その辺の御見解をお聞きしたい。
  107. 五十嵐三津雄

    五十嵐政府委員 今回のことにとられました宿直の体制というのは、先ほどお話のありましたようなことで、通常の体制ということで取り組まれたということですが、復旧に対する各地からの応援あるいは移動電源車が駆けつけたというようなことで、十八日には既に交換機の故障についても回復しているというようなことで、私どもとしては、迅速な対応をとっていただいたというふうに思っておりまして、感謝をしているところでございます。  具体的に先生お尋ねの関係ですが、NTT自身は電気通信設備の耐震設計というようなことで震度六ということを想定した対策をとってきているというふうに私どもは承知をしておりますが、今回はこういう基準を上回る大規模地震でありまして、そういった意味交換機の電力供給に支障が生じたというようなことだというふうに私どもとしては承知をしております。  したがいまして、企業として、事業として合理化を進めながら国民の皆さんに対するサービスを進めていくという幾つかの兼ね合いがあろうかというふうに思っておりますが、今回のこの事態そのものについては、この合理化の推進とは直接的にかかわりがないのではないかというふうに受けとめているところでございます。
  108. 矢島恒夫

    ○矢島委員 非常に重大な発言なんですが、私は、後の体制で、支援体制だとか、それから復旧に対する対応、そのことを言っているのじゃないのですよ。宿直が、まず五時四十六分に起きたときにいろいろな事故がぱっぱっと来るわけです。例えばALICEの問題だってそうですよ。いわゆる広域集中監視装置というのをやりましたよね。これだって、あちこちのトラブルを一人で見ていてそれでわかるようなシステムだといったのが、余りにも数が多くなったから全然バンクしてしまったでしょう、これは。機能しなかったのですよ。  だから、普通の、通常の体制ならばそれでいいかもしれない、あなた言ったように。ですから、通常じゃないのですよ。でも、これはいっ起こるかわからないのですよ。いつでも通常にしていればいいというのじゃないのですよ。ですから、こういう重大な緊急事態でも対応できるようなことを今後考えるべきだ、こういうことを私は言っているわけですよ。今の体制で大丈夫だなんていう状況じゃないと思うのですが、大臣いかがですか。
  109. 大出俊

    大出国務大臣 いずれにしても、この震災に当たってどうするかということをいち早く検討会をつくるということにしたのは、当該の局長の手元でございまして、ここでやろう、いろいろなことがあるから。ですから、今の問題も、非常にこれは重要な問題でございまして、だから専門家もいるわけですから少しじっくり、これは体制を、減らす体制できたわけですから、十万、二十万体制、またこの先、カスタムなんというようなことでまた減らすという体制もあるわけですが、安全管理をどうするかという問題があるわけですから、ここらはひとつ検討していただくことにいたします。
  110. 矢島恒夫

    ○矢島委員 といいますのは、私のところに、NTTファシリティーズに勤めていて、しかも電力関係の講習等を行っている方から手紙をいただいたのですよ。この方は実際に自分が被災したわけで、家屋は崩壊し、その中から奥さんを助け出し、子供たちを連れて避難所へ行って、それからすぐに自分の担当しているエリアではないNTTの御影の営業所にたどり着くわけですよ。それは別にふだんやっている担当地域じゃないけれども、そこで身分を名乗って、電源を確保するための仕事をするわけですよ。それが終わったら東灘にも行くわけなんです。この間、十七日から二十二日までずっと仕事をし続けてきているのです、この方は。もちろん、周りからの応援やそのほかで非常におっしゃったとおりのような状況ですけれども、この方が言うには、広域集約により、すぐできることが手おくれになっている、つまり、交換機システムダウンにつながっている。だから、私は、この御影の、エリア違うけれども、行ったら、もしそこにだれかがいれば、すぐにも対応できたのじゃないか。  それから、もう一つ、これはお願いしておきたいのですが、実は、これは被災している方なんですが、出向しているわけです。もともとNTTに長い間勤めた方なんですが、いわゆる住宅問題なんです。NTT被災した社員の方々に社宅やあるいは独身寮を急速準備されている、これはそのとおりだと思うのです。ただ、ファシリティーズの社員はだめだといって受け付けてもらえなかったという、この方の話なんですが、これが、まだ現地が混乱しておりますから、私の情報というのが果たして全くそうなのか、それとも話が食い違っているのかもしれません。ですから、ひとつ実情をちょっと調べていただきたい、こういうことを申し上げて質問を終わりたいと思います。
  111. 自見庄三郎

    ○自見委員長 次回は、来る十五日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十四分散会