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野中国務大臣 ただいま議題となりました
銃砲刀剣類所持等取締法の一部を
改正する
法律案につきまして、その
提案理由及び内容の概略を御
説明いたします。
最近、けん銃を使用した凶悪な
犯罪が急増し、銃口が市民
生活や言諭・政治活動、企業活動に向けられ、また、けん銃が暴力団員以外の者に拡散し不法所持事件が後を絶たないなど、けん銃使用
犯罪の実情は、急激に悪化しているところであり、政府としては、昨年十一月末以来、全力を挙げてけん銃取り締まりの強化等の各種施策を推進しているところであります。
この
法律案は、その一環として、けん銃等の発射を抑止するため、不
特定もしくは多数の者の用に供される場所等においてけん銃等を発射することを禁止し、及びけん銃実包の所持を
規制するとともに、けん銃等の密輸入を
防止するため、けん銃等の密輸入に関する罰則の強化及びけん銃等として
物品を輸入した者に対する罰則の新設を行うほか、けん銃等に関する
犯罪の捜査に半たり警察官等が行うけん銃等の譲り受け等に関する
規定の新設等所要の
規定の
整備を行うことをその内容としております。
以下、各項目ごとにその概要を御
説明いたします。
まず、第一に、けん銃等の発射に関する
規制の強化等についてであります。
その一は、不
特定もしくは多数の者の用に供される場所もしくは
乗り物に向かってまたはこれらの場所等においてけん銃等を発射することを禁止し、不法に発射した場合には無期または三年以上の懲役を科すこととするものであります。
その二は、けん銃実包の所持、輸入等を禁止し、密輸入した場合には七年以下の懲役または二百万円以下の罰金を、不法に所持等した場合には五年以下の懲役または百万円以下の罰金を科すこととする等所要の罰則を
整備することとするものであります。
その三は、けん銃実包を不法に所持する者が実包を提出して自首した場合に刑を減軽し、または免除することにより、不法に所持されているけん銃実包の提出を促すこととするものであります。
第二に、けん銃等の密輸入等に関する罰則の強化等についてであります。
その一は、けん銃等の営利
目的の輸入罪の法定刑のうち懲役に併科される罰金の上限を五百万円から一千万円に、けん銃部品の輸入罪の法定刑を三年以下の懲役または五十万円以下の罰金から五年以下の懲役または百万円以下の罰金にそれぞれ引き上げるなど罰則の強化を行うこととするものであります。
その二は、密輸入の予備をした者が実行の着手前に自首した場合等に刑を減軽し、または免除するものであります。
その三は、密輸入資金等
提供罪に関する国外犯処罰
規定等を新設することとするものであります。
その四は、通関等の際にけん銃等を抜き取りまたは別のものに差しかえた上でけん銃等の密輸入等に関する人物を
特定し検挙しようという捜査手法の実効を上げるため、けん銃等としての
物品の輸入、所持等を行うことを新たに処罰することとするものであります。
その他、この
法律案では、巧妙化するけん銃
犯罪に対する取り締まりを効果的に行うため、警察官または海上保安官は、けん銃等に関する
犯罪等の捜査に当たり、
都道府県公安委員会の
許可を受けた場合には、何人からもけん銃等を譲り受けることができることとする等所要の
規定の
整備を行うこととしております。
なお、この
法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行することとしております。
以上が、この
法律案の
提案理由及び内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。