○上田(勇)
委員 もちろん、先ほど提案された両案、これから
委員会を設置して分権の
あり方を検討していく、分権の方法を検討していくということでありますので、詳細といいますか、分権の推進方についてはその
委員会の中で議論されていくことであると思いますが、やはりこれは、あわせて国会の場、当
委員会においても、国の役割、あるいは地方の役割、これはやはり
お互いに明確にしていかなければ、
地方分権といっても結局はかけ声だけになって、明確な具体的な
成果が上がらないというような懸念があります。
この点、もちろんその
委員会、これから人選されるということで、それなりの見識、
経験のある方が
委員会に所属されることになるとは思うのですけれ
ども、これは極めて重要な
課題でもありますので、この辺は全部その
委員会任せということではなくて、やはり国会の場においても、また政府の側においても、これはより具体的な御検討をぜひお願いしたいというふうに
考えます。
さらに、あえて申し上げれば、地方制度調査会の答申に書かれているもののほかにも、例えば一月の
阪神・
淡路大震災のような、そういった救援、対応などといった、いわば単独の自治体では対応がままならない、そうした国家的な危機、こういったこともやはり国の役割として加わる部分があるのかとは思いますが、基本的には私も、地方制度調査会答申の
考え方、これに賛同しているところでありますので、どうかこの辺、いろいろな
考え方をまとめたがゆえに多少
表現があいまいになっている面もあると思うのですが、やはりこれはまずそれぞれの役割を明確化していくことが重要だというふうに
考えておりますので、どうかその点、よろしくお願いしたいと思います。
まず、分権を進めていく。先ほどの本
会議の議論の中でも、都道府県の
あり方、それから市町村の
あり方という形が出たのですが、まずは、今中央政府にいわば過度に集中している
行政権限、これを都道府県にいかに移譲していくかということが、まず
一つ重要な
課題になってくると思います。
しかし一方では、今日の私
たちの生活空間あるいは
経済活動の範囲、こうしたものが現在の都道府県の範囲を超えるような広がりを見せている。都道府県単独では対応できないような問題もたくさんあるのも事実であります。
例えば、私の地元の神奈川県のような首都圏の東京隣接県では、毎日東京へ通勤通学する人がたくさんいる。そうした状況の中では、やはり産業
政策であるとか住宅
政策、交通
政策など、県単独では対応できない、もっと広域的な
考え方が必要な事柄というのもたくさんあるわけであります。こうした事情というのは、神奈川だけじゃなくて、東京に隣接するほかの埼玉や千葉でも同じような傾向があるというふうに
考えられます。
したがいまして、こうした首都圏のような、
地域によりましては、現在の都道府県よりも広域な、もっと広域な
行政の範囲が必要であるというようなこともこれまで議論が行われております。
じゃ、現在の都道府県の範囲を超えるとすべて今度は中央政府が担当しなければいけないのかというと、これもまた
地方分権の議論からすれば逆行することであると思いますが、そうなると、これからいろいろな各方面の
方々から、こうした問題に対応するためには例えば道州制の提案とか、そういうことが行われておりますし、これまでの当
委員会の議事の経過を見てもそのことが取り上げられたこともあるかとは思います。
また、例えばこれは大分県の平松
知事などは、国の出先機関を束ねた九州府というような構想もありますし、中には連邦制みたいなことを提唱される方もおられます。
このような、いわば都道府県の範囲を超えるような
行政体の必要性についてはどのように
考えられているのか、御
見解をお伺いしたいと思います。