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武村国務
大臣 それは
余り、当たっているでしょうか。数字を見ればいろいろ解説はできます。確かに、おっしゃるようにことしの
予算全体はマイナスでございました。しかし、私は、全体がマイナスだから緊縮の
予算にしたとは申しません。片方はやはり、去年もそうですが、ことしも、何といっても健全な
財政を組んだかというと、これは細めてないのです、去年もことしも。なぜかというと、
景気対策にやはり非常に重点を置かざるを得なかった。これだけ借金をためて
税収がごんごん落ち込んでいるときに、五・五兆円の減税をやらしてもらっているわけですね。去年もことしも、
公共事業は五%、初めからシーリングでふやします、こういう大胆な姿勢を出しているわけです。これは出さざるを得なかった。それをしてでも、何としても
日本の経済を浮揚させていこう、これが大目標でありましたから、結果的には去年もことしも、そういう意味では借金
財政の上へまた借金をどんと積むような、そういう
予算編成をしているわけであります。それは率直に認めざるを得ません。その中のいろいろな数字の問題で、あれこれ、細川
内閣のときの方がよかったとか今は悪いとか、そんな議論はいかがでございましょうか。
例えば、ことしは一般
歳出は確かに三・一%増です。去年の藤井さんの組まれた
予算は二・三%です。ですから、この一般
歳出で見るとことしの方がふやしている、だから揺り戻しであり、やや放漫だ、大きい政府だということでしょうが、例えば、この三・一から、ことしは参議院選挙とか国勢調査とか政党助成とか、こういうものが、目をつむってぼんぼんぼんと組まなきゃならない、一般
財源を要する項目が
三つ四つございます。これがかなり微妙に率を変えておりまして、もしこれを除けばことしは〇・九%の増であります。
分析すればいろいろな分析ができますから、一概に、そういう点では、大きい政府の方向にまた転換したというとり方は、いかがでしょうか。むしろ、依然として去年もことしも大きい政府のままである。ケインズのいわばフィスカルポリシーというのでしょうか、景気に
財政手段を活用していくというこの基本を踏まえて、金のあるなしにかかわらず
予算編成をさせていただいているというところは、健全な
財政という視点だけで厳しく見詰めるならば、決して
財政を健全化することができなかった年だというふうにも反省しなければいけないと思っております。