○堀田
政府委員 お答えを申し上げます。
幾つかお尋ねがございまして、順次お答えを申し上げますけれども、先生の御
質問の中に今後の
税制改正にかかわる部分がございます。その点は主税局長から御答弁をお願いしたいと思っておりますけれども、それ以外の点についてお答えを申し上げます。
まず、本日私ども、
地域を指定して申告期限等の延長を図ることにしたわけでございますけれども、先生のお尋ねの趣旨は、税理士が、例えばその
地域内に住んでおられて被災された場合に、その関与先の納税者についても申告等の期限の延長を行うべきではないかというような御趣旨かと存じます。
今回、
地域を指定いたしましたけれども、そういう
地域をまとめて指定いたしまして、その中に納税地のある納税者はすべての方、一切合財の税目について期限を延長するということにしたわけでございますけれども、それ以外の、
地域外の方であっても、災害その他やむを得ない事情があって期限を延長せざるを得ないという
状況にあられる方については、その申請をしていただいて、税務署長等が認定をして期限の延長を認めるという
制度がございます。
したがいまして、例えば今のケースで申し上げますと、税理士が被災をされた。その税理士のところに、例えば関与先から預かっておられた帳簿等があってそれが滅失してしまった。あるいは税理士の方がけがをされた。事業ができないというような
状況が考えられますけれども、そういった場合には、それはやむを得ない理由があるというふうに考えられますので、その場合には個別に納税者から申請をしていただくということで申告等の期限の延長を図ることが可能であるということでございます。私ども、この点については実情に応じまして適切に対応していきたい、弾力的に対応していきたいと思っております。
それから二つ目の御
質問は、義援金と寄附金控除等との関係につきましてのお尋ねでございます。
先生がおっしゃいましたとおりでございまして、このたびの
兵庫県等の地方公共団体に対する義援金あるいは募金につきましては、国等に対する寄附金として
税制上の特典を受けることができるということでございます。具体的には、先生おっしゃいましたけれども、個人につきましては一定の範囲内で寄附金控除の対象になる、法人につきましては全額が損金の額に算入できるということでございます。
私ども、この義援金について、今回実は一つ
措置を講じておりますけれども、それは、いろいろな募金団体を通じて地方公共団体に寄附するという場合がありまして盛んに行われているわけでございますけれども、通常、そういう場合にはその募金団体につきまして幾つかの手続を課しておりまして、手続を了した上で認めるということにしておりましたけれども、今回、その事態の緊急性にかんがみまして、そうした募金活動が広く行われるように、広く募金をまた早急に募集することができるようにするために、そういった税務上の確認手続を簡素化をしております。これは一月二十日付で国税庁長官の通達を発遣しております。最後に地方公共団体に対して寄附をしたその領収書をとっていただくというような最低限の要件は必要でございますけれども、そういった最低限の手続さえとっていただければその寄附金控除の対象として認めるということにいたしております。
それから、被災土地を譲渡した場合の
措置、特例
措置につきまして御
質問がございました。
現行の
制度を御説明申し上げますと、被災土地を譲渡する場合には、それが居住財産でございますれば、三千万円の特別控除の特例の適用がございます。また、一定の要件の
もとで、軽減税率の特例や買いかえの特例の適用がございます。また、事業用財産でございますれば、譲渡資産と買いかえ資産の種々の組み合わせの
もとで買いかえの特例の適用があるということでございます。さらに、収用事業や区画整
理事業などのために土地を譲渡する場合には五千万円の特別控除などの特別控除
制度が設けられているということでございます。
私ど
もといたしましては、まずもってこうした現行の各
制度を活用していただくことが重要でございますので、そのPR等に努めるとともに、その個々の納税者の事情を十分に踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。
それから、法人の災害費用の取り扱いにつきましてお尋ねがございました。災害損失の範囲というようなことでお尋ねがございました。
これは、現行の取り扱いは、棚卸資産、固定資産、繰り延べ資産の各資産につきまして生じた損失であるということを前提といたしまして、具体的には、被災したことによる評価損とか取り壊し除去費用、跡地整理費、修締費等々を含むことにしております。また、これらに類する費用というのも施行令、政令で認めることにしておりまして、その辺の具体的な判定に際しましては、これまた個々の実情を踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。
それから、相続税、相続財産が被災を受けて担税力がなくなった場合の
軽減措置についてのお尋ねがございました。
これも現行の
制度を御説明申し上げますけれども、相続財産に災害を受けた方の相続税につきましては、災害減免法の規定によりまして、申告期限後に
被害を受けられました場合には、その
被害を受けた部分の価額で保険金等による補てん額を除いた価額につきまして、それが相続財産の価額の十分の一以上であるときは、申請によりまして、
被害のあった日以後に納付すべき相続税額のうちの
被害を受けた部分に対応する税額を免除するという規定がございます。
また、その申告期限前に
被害を受けた場合におきましては、同じように、その
被害の割合が十分の一以上でありますときには、その財産の価額から、
課税価格から
被害を受けた部分の価額を控除して相続税を計算するという仕組みになっております。これにつきましても、まずもってこうした現行の災免法の手続をとっていただくべく、実情に応じて適切に対処をしてまいりたいと考えておる次第でございます。