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1995-02-07 第132回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年二月六日(月曜日)委員長の指名で、次 のとおり小委員及び小委員長を選任した。  雲仙普賢岳火山災害対策小委員       衛藤征士郎君    久間 章生君       松岡 利勝君    松下 忠洋君       山本 公一君    小坂 憲次君       千葉 国男君    畑 英次郎君       弘友 和夫君    石橋 大吉君       田口 健二君    前原 誠司君       穀田 恵二君  雲仙普賢岳火山災害対策小委員長                 久間 章生君 ————————————————————— 平成七年二月七日(火曜日)     午後零時四十分開議 出席委員   委員長 日野 市朗君    理事 稲葉 大和君 理事 七条  明君    理事 山本 公一君 理事 赤羽 一嘉君    理事 小池百合子君 理事 小坂 憲次君    理事 石橋 大吉君 理事 高見 裕一君       安倍 晋三君    衛藤征士郎君       衛藤 晟一君    小泉 晨一君       佐藤 剛男君    塩崎 恭久君       住  博司君    原 健三郎君       松岡 利勝君    松下 忠洋君      三ツ林弥太郎君    山本 有二君       横内 正明君    石田 祝稔君       長内 順一君    金子徳之介君       古賀 敬章君    白沢 三郎君       千葉 国男君    畑 英次郎君       弘友 和夫君    増田 敏男君       山名 靖英君    今村  修君       佐々木秀典君    佐藤 泰介君       畠山健治郎君    濱田 健一君       穀田 恵二君  出席国務大臣         国 務 大 臣 小里 貞利君  出席政府委員         国土庁防災局長 村瀬 興一君  委員外出席者         総務庁行政監察         局行政相談課長 関根 義雄君         経済企画庁国民         生活局国民生活         政策課長    平野 正宜君         外務省経済協力         局政策課国際緊         急援助室長   和田 章男君         大蔵大臣官房企         画官      藤岡  博君         大蔵省主税局税         制第一課長   福田  進君         大蔵省主税局税         制第三課長   竹内  洋君         大蔵省銀行局特         別金融課長   五味 廣文君         大蔵省銀行局保         険部保険第二課         長       浦西 友義君         文部省初等中等         教育局高等学校         課長      河上 恭雄君         文部省教育助成         局財務課長   矢野 重典君         文部省教育助成         局施設助成課長 玉井日出夫君         文部省高等教育         局学生課長   北村 幸久君         文部省体育局学         校健康教育課長 銭谷 眞美君         厚生省健康政策         局総務課長   真野  章君         厚生省健康政策         局指導課長   磯部 文雄君         厚生省社会・援         護局保護課長  松尾 武昌君         厚生省老人保健         福祉局老人福祉         計画課長    吉冨 宣夫君         農林水産省畜産         局競馬監督課長 須賀田菊仁君         労働省職業安定         局雇用政策課長 青木  功君         労働省職業安定         局業務調整課長 井原 勝介君         建設省都市局都         市計画課長   澤井 英一君         建設省住宅局住         宅建設課長   那珂  正君         自治省行政局公         務員部公務員課         長       朝日 信夫君         自治省財政局地         方債課長    森元 恒雄君         自治省税務局企         画課長     細野 光弘君         消防庁防災課震         災対策指導室長 森村 和男君         特別委員会第三         調査室長    佐藤  仁君     ————————————— 委員員の異動 二月七日  辞任         補欠選任   佐々木秀典君     今村  修君 同日  辞任         補欠選任   今村  修君     畠山健治郎君 同日  辞任         補欠選任   畠山健治郎君     佐々木秀典君     ————————————— 本日の会議に付した案件  災害対策に関する件(平成七年兵庫南部地震  )      ————◇—————
  2. 日野市朗

    日野委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  まず、平成七年兵庫南部地震による被害状況について、政府から説明を聴取いたします。小里国務大臣
  3. 小里貞利

    小里国務大臣 現況を御報告申し上げます。  去る一月十七日午前五時四十六分ごろに発生した兵庫南部地震による被害は、二月六日午後四時現在、死者五千二百五十人、行方不明者六人、負傷者二万六千百八十五人、住家の全半壊等十一万四百六十三棟に及んでいるほか火災が五百三十一件発生、鉄道交通関係では新幹線高架橋落下により一部不通阪神高速道路倒壊により一部不通といった被害が生じ、ガス水道等ライフライン関係では多数の世帯で今も断水等が続いております。また、なお約二十四万人の方々避難生活を余儀なくされています。  政府といたしましては、発災後直ちに非常災害対策本部設置して、当面重点的に実施する事項を決定し、直ちに実施に移したほか被害状況を的確に把握するため、国土庁長官を団長とする政府調査団被災地派遣するなど、応急対策全力を挙げたところであります。  また、一月十九日、政府として一体的かつ総合的な対策を講ずるため、内閣総理大臣本部長とする兵庫南部地震緊急対策本部設置し、全閣僚により当面の対策協議したところであります。さらに、一月二十一日には神戸市に現地対策本部設置いたしました。  また、一月二十日には、私が兵庫南部地震災害担当国務大臣に任命され、早速、非常災害対策本部本部長に就任いたしました。  現在、政府は、応急対策として、関係機関が一丸となって、飲料水、食糧、生活必需品確保ガス水道等各種ライフライン交通施設早期復旧医療確保中小企業経済活動への支援などに全力を挙げております。  このほかの具体的な施策について御説明いたしますと、まず、兵庫南部地震による災害激甚災害として指定するとともに、公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の助成等措置を講じることといたしました。また、家屋等倒壊に伴う瓦れき等処理についても、公費負担を導入したところであります。  次に、住宅対策については、国有地公団所有地等提供等により、応急仮設住宅については約三万戸の建設計画に基づき、三月末までに供給すべく最大の努力を払っているところであります。また、公共住宅の空き家の活用高齢者等健康面に問題のある方を中心に、公的宿泊施設民間宿泊施設等活用を図ることとしております。  また、国の災害対策基本である防災基本計画に関し、今般の兵庫南部地震を初めとする大規模災害教訓等を踏まえ、見直しを行うこととしております。  さらに、災害時における情報伝達のあり方については、災害即応体制検討プロジェクトチームにおいて関係省庁間の協議が行われ、当面の対策について検討が進められているところであります。  最後に、災害からの復興に関する特別立法については、内閣緊急立法プロジェクトチーム設置して鋭意検討を進めているところであります。  以上、兵庫南部地震災害に関し、その被害現況等について御報告申し上げた次第であります。より詳細な現況につきましては、後ほど防災局長より説明いたします。  政府といたしましては、今後とも関係省庁一体となって、兵庫県、神戸市など関係被災自治体と緊密に連携しながら、各種対策を総合的かつ迅速に推進するとともに、事態の推移に応じ、適切な措置を講じてまいる所存でありますので、委員長を初め委員各位の御指導、御協力をお願い申し上げます。
  4. 日野市朗

  5. 村瀬興一

    村瀬政府委員 お手元に「平成七年兵庫南部地震について」という資料をお配りしてあると思いますので、それをごらんいただきながら御説明させていただきます。  一ページ目の3の「被害復旧状況等」のところのライフライン関係でございますが、まず、水道関係でございます。地震直後には百二万戸の断水がございましたが、二月六日の六時現在で三十一万三千戸が断水しております。県の報告によりますと、神戸市は二月二十日ごろ、西宮市、芦屋市については二月の末ごろに仮復旧するという見込みでございます。  次に、電気関係でございますが、地震直後には約百万戸が停電をしておりましたが、一月二十二日十五時には応急送電体制が整いまして、停電が解消いたしております。  それから、ガス関係でございますが、二月六日までに十三万二千戸が供給できておりますけれども、二月六日現在で七十二万六千戸が供給停止中ということでございます。  それから、通信関係につきましては、加入者電話専用回線障害につきましては、家屋倒壊によるものを除き、おおむね復旧をしているという状況でございます。  次に、鉄道関係でございますが、新幹線につきましては、京都−姫路間で高架橋落下等が発生いたしまして、新大阪−姫路間が不通になっております。復旧については連休過ぎの見込みでございます。在来線につきましては、JR関係は、東海道線、山陽本線で被害が発生し、不通となっております芦屋神戸間のうち、芦屋−住吉間は二月八日の開通見込み全線復旧連休過ぎの見込みでございます。それから、民鉄線につきましては、現在不通となっております区間の一部は今月中、その他の区間については、復旧に相当の期間を要する区間もございますけれども、順次復旧見込みということでございます。それから、鉄道不通区間におきましては代替バスの運行を実施しておるところでございます。  次に、道路関係でございますが、現時点では二路線二区間阪神の三号線の神戸線尼崎東月見山間、それから五号湾岸線鳴尾浜六甲アイランド北を除きまして、順次交通確保ができてきておるところでございます。  港湾関係につきましては、神戸港において、ポートアイランド地区六甲アイランド地区中心に甚大な被害を受けておるところでございます。神戸港につきましては、岸壁について一月三十一日までに当面の応急復旧を終了いたしております。公共岸壁約百五十バースのうち、暫定的に六十八バース確保しております。このうち緊急輸送対応に限定して使っておりますのは十七バースで、残りのバースにつきましては一般物資対応も可能でございます。  それから、緊急輸送関係でございますが、緊急輸送車両以外の通行の制限を行いまして、各方面からの緊急輸送ルートの設定、救援・復旧物資等輸送確保しているところでございます。それから、陸上輸送につきましては、トラック業者、JR貨物、鉄道利用運送事業者等緊急輸送を行っております。それから、航空輸送関係につきましては、そこにございますように、自衛隊航空機等合計二百四十五機が被災地での緊急輸送等の任務に当たっているところでございます。海上輸送につきましても、そこにございますように、海上保安庁四十九隻等の多数の船舶が近隣海域活動しているところでございます。 政府対応でございますが、そこは先ほども申し上げましたので省略をさせていただきます。  四ページ目に入らせていただきまして、「当面の緊急問題」というのが9にございます。  その中で、まず医療関係でございますが、避難所救護センター設置及び巡回診療体制整備ということでございます。避難所における被災された住民に対する医療確保するために、医師看護婦の常駐する避難所救護センターを百五十八カ所設置いたしますとともに、避難所救護センター設置されていない避難所につきましては、医師看護婦等による巡回診療体制を設けて対応をしているところでございます。それから、書いてございませんが、精神面のケアも必要であるということで、神戸市につきましては八保健所に精神科救護所設置いたしまして、対応しているところでございます。  医師看護婦等派遣でございますが、日本赤十字社支部が救護班の派遣体制をとりまして、一日二十二個班のローテーションによりまして活動を展開中でございます。それから、国立病院療養所から神戸市内避難所救護センター等へ延べ千三百六十四名を派遣いたしておるところでございます。それから、ほかの都道府県、自衛隊チーム等からも医療チーム派遣されて、活動をしているところでございます。  それから、避難所に現在収容されておる方は、二月六日現在で約二十二万九千人でございます。  約八百カ所の避難所等無料公衆電話約二千四百台を設置いたしております。また、避難所等三百五十カ所には聴覚障害者用無料ファクス等四百台を設置しておるところでございます。それから、仮設住宅等にNTTから電話機三万台の寄贈があるところでございます。  それから、仮設トイレにつきましては、九千二百余基を確保いたしまして、うち三千九百基が設置済みでございます。仮設ぶろにつきましては、二十人用二基、五人用二十基、二人用五十六基、シャワー二百十五基、その他大型ぶろ二十一カ所を設置いたしておるところでございます。これ以外に旅館、サウナ、ゴルフ場等多数の浴場開放や、こういったところに対しますバス輸送も行っておるところでございます。それから、常備薬を各避難所に配付いたしております。  次に、何といっても急務でございます住宅確保でございます。  仮設住宅につきましては、当面、目標三万戸ということで取り組んでおりますが、二月四日現在で約二万二千戸を発注済みでございます。このうち一万一千戸を着工しているということでございます。現在、兵庫県と調整中でございますが、約五百戸を海外から緊急輸入して設置するということを検討いたしております。これにつきましては兵庫県と協議中でございます。  それから、公営公団住宅等受け入れでございますが、二万六千三百戸を確保いたしまして、現在までのところ約四千三百月余りの入居が決定しているところでございます。  近畿圏内公務員宿舎保養所等九百六十世帯分利用が可能な状態確保しておるところでございます。それから、近畿圏内国有地二百四十三カ所、約三百二十ヘクタールを仮設住宅用地として利用可能な状態確保しておるところでございます。それから、旅客船五隻を宿泊施設として約千七百人の方が、これは被災者ばかりではないわけでございますが、稼働しておるところでございます。それから、ホテル旅館等宿泊施設にも被災者受け入れておりまして、そのための相談窓口設置しているところでございます。  それから、次に瓦れき処理対策でございます。何と申しましても復興の第一歩ということになるかと思われます瓦れきでございますが、これにつきましても、損壊した家屋等廃棄物といたしまして市町村が解体、処理する。これにつきましては補助率二分の一で国が補助をする。自衛隊市町が行います瓦れき等処理協力をするということになっております。瓦れきの量が約一千百万トンというふうに推計されておりまして、非常に多量でございますので、この具体的な処分あるいは輸送につきまして、関係省庁市町協力をするということにいたしております。  それから、二次災害防止対策でございますが、余震に対する監視体制確保でございますとか、被災建築物応急危険度判定実施支援、地すべり、土砂崩れ、ため池等危険箇所の点検の実施というようなことをやっております。  それから、海外からの支援受け入れでございますが、これまでに六十八の国・地域国連等からの支援申し入れがあり、地方自治体の意向も確認した上で、三十二の国・地域申し入れ受け入れを決定したところでございます。受け入れしたところは、そこに書いてございます米国等でございます。  以上でございます。     —————————————
  6. 日野市朗

    日野委員長 本日は、特に平成七年兵庫南部地震について質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。濱田健一君。
  7. 濱田健一

    濱田(健)委員 兵庫南部地震から本日で三週間が経過いたしました。政府及び地元はもちろんのこと、全国各地からの援助を含めて、関係者国民一体となって被災者援助現地復旧復興事後対策全力を尽くしておられることに感謝と敬意を表しつつ、現地からの細かい要望等中心に質問をさせていただきたいと思います。  まず、現地状況ですが、生活物資の絶対量は足りてきつつありますが、その配分の仕方がうまくいっておらず、小さな避難所等いまだ困っているところがあるとか、緊張と不安をずっと持続したままの人が多く、精神的な疲れがそろそろ限界に近づきつつあり、避難所で夜に変な叫び声を上げている者、路上で見知らぬ者同士が殴り合いを始めたり、避難所内いざこざ等も多く見られるようになってきているそうでございます。  また、放火や泥棒に対する夜の警備について、自警団を組織しておられますが、それぞれが仕事に帰るようになりまして、その対応限界に来つつあるというような報告も入っております。  また、避難所じゃなくて、壊れていない家に数家族が数十人以上で住んでいまして、プライバシー等が守られないというような生活上の問題もたくさん報告をされております。  小里大臣に、これからそのようなさまざまな状況を、現地では現地自治体サンプル等を抽出しながら状況把握に努めていらっしゃるというふうに思うんですが、やはり落ちつきを取り戻しつつある今の段階で、避難民皆さん被災民皆さん方のトータルした全体的な要求というものを政府としても調べる必要があるんじゃないか。一斉の生活実態調査等実施が必要ではないのかという声も上がっているようでございますので、その辺の展望がございましたらお知らせいただきたいと思います。
  8. 小里貞利

    小里国務大臣 厳しい環境のもとに生活を強いられておりまする避難所避難者皆様方意識調査と申しますか、あるいはまたその厳しい環境のもろもろの調査をする必要があるのではないか、そういうお話でございますが、ごもっともなお話でございます。  もとより、被災者の感情あるいはプライバシーなどに十分留意しながら、現段階におきましても可能な限り私どもは、避難所の運営と申し上げましょうか実態についてとにかく正確に把握をして、そしてまた避難者方々の当面緊急に求めていらっしゃるもの、悩んでいらっしゃるものは何であるかその状況を正確に把握することが何よりも大切でございますので、そのような意味におきましてはとり行っておるところでございますけれども、ただいま先生指摘のように、また今後、ただいまを含めましてあらゆる施策を創意工夫しなければなりませんから、その基本になることでもございますので、先ほど申し上げましたようなことに留意しながらやっていきたい、さように考えております。
  9. 濱田健一

    濱田(健)委員 本当に現場が混乱している中で、今大臣の方から答弁いただきましたとおりに、きめ細かい実態調査といいますかそれらを今後ともよろしくお願いしたいと思います。  では各省庁に質問させていただきたいと思うのですが、仮設住宅三万戸の中で今二万二千戸を発注済み、あと七千戸ですか、七千戸近くを予定しているということでございます。公営公団住宅等を含めて、手厚いといいますか、今可能な限りの手当てがされていると思うのですけれども、まだ自宅に住める、ほかの人のうちに住めるというような状況の中で仮設住宅への応募をしていない人もいっぱいいるというふうに思うのですが、これから先、そういう人たち募集に応じるための二次募集をどのようにされていこうとしているのか、そして最終的にどのくらいの、仮設の家といいますか、仮の宿というものが必要なのかということをお尋ねしたいことが一点。  それから、避難所には、また避難所じゃなくて自分のうちでもそうなんですが、独居老人やこれから家をつくることが不可能なお年寄りがたくさんいらっしゃると思うのですが、これらの皆さん方への手当てとしての老人ホーム等建設についての展望。  それと、生活保護の申請も年々少なくなりつつあるのですけれども被災地ではふえるものというふうに考えられますが、これらについて迅速な処理の方向というものをお聞かせ願えたらと思います。
  10. 松尾武昌

    松尾説明員 お答えいたします。  まず第一点、仮設住宅の件でございますが、各市町村からの要望を踏まえまして三万戸という建設計画を立てました。三月末までに供給すべく最大限の努力を図っておるところでございます。さらに、公共住宅を、公団地方公共団体等協力を得まして受け入れ可能住宅を約二万六千戸確保するということで、これにつきましても鋭意努力をしております。さらに、ホテル旅館等被災者のために避難所あるいは仮設住宅等に借り上げまして、そこにもお入りいただきたい。こちらの方には高齢者障害者等の方に優先して入っていただきたいという道も開いたところでございます。  これらの仮設住宅につきましてはこれから増加要因も考えられますが、被災者ニーズ調査等を行いまして、その結果を踏まえましてその増について適切に対処してまいりたいと考えております。この件につきましては、地元地方公共団体十分話を詰めていきたいと思っております。  それから第二点でございますが、第一次で応募しなかったという方でございますが、応募の方法につきましては、第一次で応募された方についてはそのままさらに応募する必要がないように取り計らいたいという考えでございます。さらに、その間応募しなかった方については、第二次募集ということで応募に応じたいというふうに考えておるところでございます。  それから、私の所管で、ちょっと飛びますが、生活保護関係でございます。生活保護につきましては当然これから生活の安定とともに必要が生じるわけでございますが、その際には、そういう御要望のある方につきまして懇切丁寧に対応いたしまして、迅速かつ適切に措置を講ずるよう指導してまいりたいと思っております。
  11. 吉冨宣夫

    吉冨説明員 ひとり暮らし老人の方につきまして老人ホーム等の増設の計画はないかというお尋ねでございますけれども、今回罹災されましたひとり暮らし老人の方につきましては、まずホームヘルパーの派遣等によりまして在宅生活基盤整備を進めるというのが一番重要な点ではないかこのように考えております。  ただ、先生指摘のように、新たに老人ホームに入所を必要とする方がふえることが予想されます。この場合、私どもとしましては地元兵庫県、神戸市と十分協議をしまして、必要な量の老人ホーム整備に努めてまいりたい、このように考えております。  以上でございます。
  12. 濱田健一

    濱田(健)委員 被災地皆さん方はすべて困っていらっしゃるのはもう当然でございますけれども、やはりその中でも弱者と言われる皆さん方への配慮というものをぜひ御考慮いただきたいなと思います。  次を急ぎます。今お尋ねしました仮設住宅、そして仮の宿というものは、あくまでも仮設でございまして、いつまでもその中で今の近代的な生活をしている日本人が過ごすわけにはいかないということはどなたもお考えだろうと思います。ローン等の関係で再び持ち家等を持ち得ないというような意見も、考えもたくさんあるようですし、大蔵省あたりその辺の手だても一生懸命してもらっているわけでございますが、地元からはやはり新しい都市計画も含めて、公営や市営、県営の大きな災害に強い団地等が大量に必要ではないかということも言われているようでございます。  これは地元のビジョンに基づいてやるべきことではございますが、建設省としてはどのような助言をされていかれようとしているのかお伺いしたいと思いますし、新しい都市づくりにつきましても、これも長期的な政府の、日本全体のこともひっくるめてビジョンとして考えていかなくてはならない。そして、神戸というあのすばらしい町を新しく復興させるという意味でも、地元要望、意見、ビジョン、これを大事にしながらということが基本でございますが、政府としての後押しもどのようにされていこうとしているのか、お聞かせ願えたらというふうに思います。
  13. 澤井英一

    ○澤井説明員 被災地域の都市計画についてでございます。  まず当面、復興のためには土地区画整理事業などの面的施設整備事業、これを実施することが必要であるということで、神戸市等におきましては、去る二月一日から基準法八十四条のいわゆる建築制限を緊急の措置としてかけまして、それを踏まえて今後土地区画整理事業等の施行区域の都市計画決定、それから事業計画の決定、事業の実施という流れになってまいります。現在、こういった事業につきましては、関係公共団体におきまして都市計画決定に向けて準備が進められております。これについて建設省としても万全の支援をしていきたいというのが基本でございます。  なお、こうした地域以外を含みます地元公共団体全体の復興の推進につきましても、基本的に、地方が定める都市計画の実現ということに対しまして国として万全の支援をするという姿勢で今後とも臨んでまいりたいと考えております。
  14. 那珂正

    ○那珂説明員 先生指摘のように、被災地復興を進め、被災者の方の生活再建を進めていくためには、現在行われております応急的な住宅対策に引き続きまして、恒久的な住宅対策について急いで進めていく必要があるわけでございます。その際、御指摘のように、公営住宅あるいは公団住宅等の公的賃貸住宅の大量供給と、ただいま説明のありました都市計画との連携というのを重要な柱として進めてまいりたいと存じます。  ただ、現時点におきましては、兵庫県を初めとする地元公共団体におきましては応急的な住宅対策に追われているのが実情でございまして、今後の恒久的住宅対策基本的な方針を確立するまでに至っていないのが現状でございます。私どもとしては、応急対策状況を踏まえつつ、なるべく早期に恒久的な住宅対策に係る計画が策定されますように、建設省としても万全の支援をしてまいりたいと思います。
  15. 小里貞利

    小里国務大臣 ただいま両担当課長から御説明いただいた筋書きでございますが、政府復興計画等に対する基本姿勢について若干申し上げたいと思うのでございます。  先生お話がございましたように、まず地元の市あるいは町、県などが知恵を出し、そしてまた自主的な計画をお出しになるということが前提であろうと思います。特に今次の場合はこのような厳しい震災を経験いたしましただけに、これを大事な一つの具体的な教訓として、防災性の高い、そしてまた独特の個性もたくさんお持ちの地域でございますから、それらの基本理念をきちんと策定してもらう。そして、先ほどから先生お話しのようにそれぞれ長期的ビジョンのもとに、各級の事業を戦略的に推進するためにいわゆる復興計画というものが立てられる。しかもその復興計画というものは、現段階におきましては緊急応急措置の域をまだ出ませんけれども、しかしながらこれと重なって、今その復興計画の構想、段取りは怠ってはならない。  そういうような合意を見まして、とりあえず三月いっぱいで復興構想の基本方針、そして六月いっぱいで復興構想の基本計画。いわゆる基本方針を三月いっぱい、そして基本計画を六月いっぱい、そういうような一つの段取りでいこう、こういうような状況でございます。もとより、両課長からも御説明申し上げましたように、政府はあらゆる見地から、財政、施策の面を含めまして積極的にこれを支援申し上げていかなければならぬ、さように考えております。  なおまた、先生若干お触れになりましたように、住宅資金の問題、特に既往のローン等に付する借金返済の問題、あるいはまた新しく家を建てなければならないという、二重に家の建設資金の負担が強いられるわけでございますから、それらのことに対しまする負担軽減の問題は、例えば当面の支払いを猶予いたしますよ、あるいは据置期間を設けます、あるいは据置期間の利子を下げました、あるいは償還期間全体を延ばしましたというようなこと等々、細やかなことは省略いたしますが、借りていらっしゃるローンについても、新しく今度借りられる資金のローンについても、そのような特別措置を講じておるところでございます。
  16. 濱田健一

    濱田(健)委員 今大臣の方から新しい家屋の再建のための部分まで触れていただきました。大蔵の方に質問しようとしていた中身まで事前にお話をしてくださいまして、ありがとうございます。  ただ、これまでの委員会の中でも、いろいろな現在ある制度の中で、それを拡大しながら負担の軽減を図っていくという努力については政府も一生懸命やってもらっているのだけれども、やはり最終的に個人の二重のローンといいますか負担というのを、これで本当にこの大規模な災害の中でお一人お一人がみずからの生計を立て直していくことが可能なのか、不可能な方が多過ぎるのじゃないかというような意見というものが現場の中では非常に渦巻いております。ですから、いわゆる政府系の金融機関を含めた制度融資、一生懸命頑張ってもらっているのですが、よりそれをもう一歩進めていく展望というものはないものかというところをちょっとお聞きしたいのですが。
  17. 五味廣文

    ○五味説明員 ただいま大臣からお話がございましたようなさまざまな弾力措置をこれまでとってきておりますが、なお、今、民間金融も含めてというようなお話がございましたけれども、さまざまな住宅の再建につきましての御相談が多数、特に住宅金融公庫の現地の支店なり相談所に寄せられておりまして、私どもといたしましてはこうしたお話をよく伺いまして、被害状況ですとか復興資金の需要の実情、こういうものをできるだけ早く、また的確につかみまして、そして今後の措置といたしましては、政府として今回の災害復旧対策全体をどういうふうに仕組み、その中で金融にどういう役割を求めるのか、あるいはほかの災害で既に特例的な措置を過去に受けられた方との公平というような問題もございますが、これらをいろいろ勘案いたしまして、一生懸命検討して適切な対応を図っていきたいというふうに考えております。
  18. 小里貞利

    小里国務大臣 先生、簡単に申し上げますが、今私は、既にお金を借りておられた分の返済方法、あるいはさらに重ねて新しく借りられる場合の便宜措置、ただいままた担当課長も申し上げたとおりです。今度はそのほかに新しく、土地は別にいたしまして、土地は持っている人々が例えば新しい土地にまた購入をなさった、あるいは補修をなさった等々いろいろ状況が違うわけでございますが、それらもそれぞれの対応措置は決定を既に見ております。言いかえますと新規対応措置、さように御理解いただいていいかと思うのでございますが、時間の関係もございましょうから、詳細は省略をいたします。
  19. 濱田健一

    濱田(健)委員 今の問題等も、最初でお願いしました一斉実態調査というようなことをやる中で、本当に一人一人が震災で受けた生活上の悩み、重み、困難、これらが把握できると思うのですね、それも含めてお願いをしたいと思います。  次は学校のことなんですけれども神戸を含めた兵庫県の先生方、これは教諭というのじゃなくて学校におられるすべての教職員の皆さん方が、避難所での救助の関係、そして子供たちをどのように落ちつかせるか、教育をどう復興させるかということで御努力いただいております。私の友人も、電話すると、夜中の十時ごろ出勤だ、みんなでローテーションを組みながら、自分たちが倒れたら困るから頑張っているというふうに話をして、くれておりますが、現場の校長先生方から私の方に二点要望が出ております。  一点は、今のこの重大な被災の復興の時期、復旧の時期、援助を強力にしていかなくてはいけない時期の中におきまして、学校現場は四月一日の人事異動というものを間近に控えている。今一生懸命頑張っておられる先生方にこれ以上迷惑をかけたくないという気持ちもあるのだけれども、一番学校の中身、子供たちの実態地域実態をわかっている今の先生方に、これからも何とかめどがつくまで頑張っていただきたいという声が多くございます。そのことについて、定期人事異動の弾力化、効率化というものを文部省はどのように指導されようとしているのかが一点。  もう一点は、二万名の子供たちが転校をしているという状況の中で、これも四月からの学級の定員の問題、そして先生方の定数の問題に大きく影響してくると思われます。ぜひ、転出していった兵庫県の内部の事情、そして多数の子供たちを受け入れた各都道府県の状況等を考えていただき、弾力的かつ例外的な適用というものも指導されなくてはならないんじゃないかというふうに思いますので、その点を一点お聞きいたします。  もう一点は、たくさんの子供たちが転入をした地域では、学級増に伴う教室や設備関係の取り組みというものもどのように手当てされるのか、この辺も重要になってくると思います。よろしくお願いします。
  20. 矢野重典

    ○矢野説明員 幾つかお尋ねがございましたので、順番にお答えを申し上げたいと思います。  まず最初は、教職員の人事異動の問題でございました。現在、被災地におきましては御案内のように学校が住民の避難場所となっておりまして、教職員が市関係当局や避難住民との連絡業務等に従事しており、また、学校教育の円滑な実施のために、それぞれの学校で教員が復旧作業に当たっていただいているところでございます。お尋ねの教職員の人事異動でございますけれども、これは任命権者の責任において行われるべきものでございます。兵庫県及び神戸市の教育委員会におきましては、今申し上げました学校及び教職員の勤務の実態も十分踏まえながら、四月一日付の教職員の定期人事異動におきましても適切な取り扱いがなされるものと考えているところでございます。  第二点は、教職員の定数配置の問題でございます。これも御指摘がございましたように、現在子供たちは一時的に県外に多く避難しているわけでございますが、いずれ近い将来には被災地に戻ってくることが予想されますし、また一方、子供たちの状況を見ますれば、精神的に不安定な状態になっている児童生徒も見受けられる事態があるわけでございますので、そういう事態を踏まえまして、御指摘のございましたように、学校運営上の支障や教育指導上の混乱が生じないよう、できる限り教職員定数の弾力的かつ妥当性のある措置について検討をしてまいりたいと思っているところでございます。  第三点の学校施設の問題でございますが、現在、つい先週でございますけれども、被災を受けました学校の安全点検を各県の協力を得ながら一通り終わりました。そういう状況でございますので、今後、まずは必要な仮設校舎の建設、あるいは近隣の学校の復旧作業に、関係の県や市町村対応を見ながら、できる限り早急に復旧できるように対処いたしたいと考えておるところでございます。
  21. 濱田健一

    濱田(健)委員 文部省というところは、現場に一番遠い人からの意見というものはよく伝わるのだけれども、現場に近い人の思いとか意見というのがなかなか伝わらないところだとよく言われております。これはよく言われているということで、私が言っているわけじゃないのですが。やはり、このひどい災害状況の中で、法令に基づいて物事は進んでいかなくてはならないというのは十分承知しておりますけれども、そこの現場の状況といいますか、思いというものは十分に受けとめながら、指導すべきは指導していただくということを上の方にお伝え願いたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  時間がなくなりましたので、あと労働省の方に二点だけ。  中小企業等に関係することなんですが、被災地の事業所には雇用調整助成金や失業給付の特例措置が講じられてきております。新しく雇用調整助成金等について申請がなされるということになると、多分四月の終わりから五月の支給というふうに踏んでいるわけですが、これでは中小零細の企業にとっては解雇、倒産、これらの事態が生じる可能性が強いという話が伝わってきております。  これらを早急に手当てできる方法はないものか、そういう御努力をされるつもりがあるのかお聞かせ願いたいことと、雇用の問題について、マスコミでも民間の企業等の努力をしていこうとする状況が報じられておりますが、阪神道路公団の関連会社では大量の解雇者が出たという報道もなされております。民間の中小零細が解雇者を出さないために一生懸命努力をしている現状の中で、政府系のといいますか、公的機関の解雇はいかがなものかというふうに思います。ぜひ、逆に行政の手によって雇用をふやす、兵庫の、神戸の、いろいろな町の活性化を図るための雇用をふやすという手だてをどのように講じていこうとされているか最後にお聞きしたいと思います。
  22. 井原勝介

    ○井原説明員 お答えします。  まず第一点でございますが、雇用調整助成金の支給につきましては、これまでも数次にわたり手続の簡素化を行ってきております。昨年六月には支給額の算定方法の大幅な簡素化を行いまして、迅速な支給を図ってきたところでございます。また、今回の被災によりまして事業所の賃金台帳等の書類の紛失などが起こっている場合もございまして、そういった場合にも手続の簡略化により迅速な対応を行うとともに、被災によりまして事務処理が停滞しているという事業所もあるわけでございます。そういった場合には、被災地域外にある本店、支店等においても当該事務所に係る申請等が行われるよう措置を講じているところでございます。今後とも、雇用調整助成金が被災地の事業主の雇用維持・支援という役割を十分に果たせるよう努めてまいりたいと考えております。  もう一点、雇用の確保関係でございますが、まず、最近関西地域の企業に、採用内定取り消し等の対象となった新卒者等に対しまして雇用の場を提供しようとしている動きが出ておりまして、大変ありがたいことだというふうに思っております。労働省としましては、兵庫南部地震により影響を受けました事業主について、雇用の維持と確保に向けた努力を勧奨し、いたずらに雇用不安が広がることのないようにしていくことが重要であると考えております。  このため、被災地域内で雇用の維持を図ろうとする事業主への先ほど申し上げました雇用調整助成金の支給、それから被災による事業所の休業や一時的離職により賃金を受けられない者への失業給付の支給等、特例的な措置を講じてきているところでございます。あわせて、関係公共職業安定所に事業主及び求職者に対する特別相談窓口設置いたしまして、これらの特例措置活用しつつ、きめ細かな相談、援助に努めております。また、やむなく離職した者につきましては、全国約六百の公共職業安定所の間のネットワークを活用いたしまして、広域的な職業紹介を実施するなど、その早期かつ円滑な再就職を図ってまいる所存でございます。  さらに、阪神高速道路公団関係につきましては、関係公共職業安定所等も通じまして実態把握しつつ、可能な限り雇用の維持が図られるよう相談、援助に努めてまいりたいと考えているところでございます。またそうした場合も、離職せざるを得ないような場合には、その再就職の援助に最大限の努力をしていきたいと思っております。  以上でございます。
  23. 濱田健一

    濱田(健)委員 これで質問を終わりたいと思いますが、十七日の災害が起きましたときに、おととしの鹿児島の大水害を思い出しました。私たちは、政府初め全国各地からいろいろな援助をもらって今復旧がどんどん進んでおりますけれども小里大臣含め政府皆さん方も、与野党初め私たち力強くバックアップしていきたいと思いますので、復旧復興にこれからも全力を傾けていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
  24. 日野市朗

    日野委員長 次に、高見裕一君。
  25. 高見裕一

    ○高見委員 昨日も私の事務所に、とある神戸市民の方から連絡がありました。どういうことかといいますと、いろいろな相談事があった、そのたびに窓口をあっちへ行け、こっちへ行けというふうに役所から指示をされる。ところが御承知のように、神戸市内交通機関がまだ十分ではござい」ません。二カ所行ったら一日がつぶれてしまう。バスはいつもいっぱいで、とぼとぼと歩いていく。私なんかはまだ六十五だからいいけれども、七十、八十の人は一体どうするのだろう、小さな乳飲み子を抱えたお母さんはどうするのだろう、そんなお話でございました。この緊急時にも、被災者からの問いかけに対して、いわゆるたらい回しがなされているという現実が多々あるということをまず大臣に知っていただきたい。これは現実でございます。  被災者の方にとっては、どこへ連絡をしてよいのか、通常時でも一般市民にとっては難しい役所の窓口業務というものが、こういう事態でございますからますます難しくなっている。とりあえず相談をしてみるとほかの部署へ回され、さらにはまたほかの部署へ回されるということがしょっちゅうあるようでございます。そういった対応がこの事態にあってよいのかな。私はよいと思わないのですね。こういうときこそ行政というものが、本当に国民の立場、視点というものに立って、被災者の困窮を本当に共有し共感し、精いっぱいお支えするというのが国家の行政のあるべき姿ではないのでしょうか。  そういう意味では、ワンストップセンターとでもいうのでしょうか、そこに来れば少なくとも一括して相談ができる、より専門的なことに関しては正確なしかるべき対応窓口をきっちりと御紹介し、おつなぎをするということが必要なのではないか。相談窓口の一本化、そして責任ある対応というものをつくる必要があるのではないか。少なくとも生活や法律や行政相談に関する窓口の一本化はぜひやってはどうかというふうに思います。  また、行政相談を一括で受けるというふうな試みもお考えのようでありますが、期間がわずか二日とか三日とかそんなものでは意味がないのですね。少なくとも半年、一年というふうな期間にわたってそのような行政サービスというものをつくる必要があるのではないか。さらに、寝たきりの老人、障害者の方、そういった方に対しては出張サービスというふうなものも、こちらから出向いていくということが当然必要であると思います。  以上の点につきまして、ぜひ大臣のお考えをお聞かせいただきたい、そのように思います。
  26. 小里貞利

    小里国務大臣 あらかじめ事務方の方で用意いたしました答弁もありますけれども、私は、大変貴重な御指摘であり、またお尋ねであると思いますので、特にまた先生現地の事情につぶさに詳しいお立場でございますから、私ももう直観で今のお話に気持ちを申し上げてみたいと思うのです。  実は、四回目でございましたか、去る三日に西宮、芦屋神戸、それぞれの市役所の窓口に立ってみました。あるいはまた、高度な話はそれぞれ市長さんたちともいたしました。あるいはまた、先ほどもお話がございました避難所も具体的に二カ所、学校に行ってみました。さまざま本当に深刻な課題がたくさんあるな、そういう感じでございましたが、その中でもただいま先生指摘の点でございます。  率直に言いまして、このつなぎどころは非常に肝心な現時点における問題点の一つたな、そう思った次第です。つなぎどころというのは、今お話がございましたように、市は市で一生懸命やっていらっしゃる。県も一生懸命やっている。それぞれの機関の皆さんも一生懸命やっている。あるいは兵庫県庁の庭に行きますと、大阪あるいは岡山、近県の諸君がそれぞれテントを張って不眠不休で、行政のお手助けをいたしますよということで二十四時間態勢でやっている。その現場にも行ってみました。あなた方は今どういう仕事をしていただいておりますか、あるいはその仕事の業務の中身も若干お伺いをしてみました。  一生懸命やっていただいておるのでございますが、何せ突然の一つのニーズであり、そしてそれに具体的に緊急に市、県、国が対応を打っていくわけでございますが、決して私どもやっていることが十分であるとは思いませんけれども、なかなか新しい施策、先ほどもろもろ建設、厚生の皆さん説明しましたが、ああいう一つの施策を打っていきましても、それを先生が御指摘のとおり末端の市民、なかんずく罹災者に、困っていらっしゃる方々にできるだけ迅速にそして細やかにお届けしなければならないのでございますが、その辺がなかなかつなぎが思うようにいっていないなということを痛感いたしました。  きのう実は自治大臣に具体的に相談をいたしました。みんな関係機関やっているんだけれどもなかなか、市役所の職員の皆さんもそれぞれ疲れていないと言えばうそでありますから、それでも頑張っていらっしゃるけれども、やはり手不足であり、事務が煩雑であり、そして新しい施策がどんどん持ち込まれるものだから。同時にまた市民は市民でわんさわんさ押しかけておられました、現実に見てきました、御承知のとおりであります。  ああいう状態だから、例えば消防、あるいは水道、ガス、そういうところに具体的に他の県、市町村皆さんが応援に駆けつけております。例えば罹災証明を大阪の市の職員の方々が来て手伝っておった。私は西尾市長さんに聞いた。あなたのところは罹災証明できょうで何十名派遣しておりますかと聞いたら、きのう会ったんですが、きょうでも二百名罹災証明で行っている、こう言うんですね。  ですから、そのように固定した事務を、他人の、言いかえますと市役所以外の人でも手伝えるその一つの部分を、部分部分を大いに探して、そしてそれに応援隊の外部の皆様方を張りつける。そして計画的に、そしてできるだけ全市にわたるように、そういうことをひとつ計画しようではないかというようなこともきのうの朝自治大臣にも相談いたしまして、自治省からもきのう早速その意味でまた調査に行ってもらいました。私の方は現地対策本部にそれを指示いたしまして、そこをもう一回練り直して、先生のおっしゃるそのつなぎをどういうふうにカバーするかひとつやってみてくれ、こういうことをいたしておるところでございます。  何分にも、平素の行政区分とかあるいは市、県、国の職員の職分とか、そういうものは一切もうこの際かなぐり捨てて、みんな一体となって、同じ市民の公僕だ、罹災者の公僕だ、そういう気持ちで対応してくれぬかそういうふうに督励をし、なおかつ計画を立てておるところでございますが、まだ不十分でございます。御指摘のとおり、今おっしゃるところをきちんとしなければ、幾らこれから医療、教育、福祉、いろいろな問題で幅広く手を打ちましてもその効率がなかなか上がらない、あるいは遅滞をするおそれがありますから、十分注意をしていきたいと思っております。
  27. 関根義雄

    ○関根説明員 委員の御指摘の点が二点ほどあるかと思います。  一つは、被災者からの相談窓口一体化する等の措置をとるべきではないか、こういう御質問でございますが、今般の震災に対しましては、兵庫県とか神戸市を初めといたしまして、各地方公共団体とか各省庁相談窓口を設けております。そして、被災者からのさまざまな問い合わせに応じていると伺っております。  総務庁といたしましても、一月二十二日、これは震災直後でございますが、兵庫の行政監察事務所に特設の行政相談所を開設いたしまして、被災者のさまざまな心配事や相談等についての問い合わせに応じてきております。これは現在までおよそ七百件に及んでおります。また、一月二十五日からは、被災した市町村と共同いたしまして特別の行政相談を実施しているところでございます。  さらに、被災者方々が抱えておりますさまざまな相談や問い合わせに一元的に応じられることができるように、法務局とか財務局、あるいは国民金融公庫等の関係行政機関や特殊法人、さらには兵庫県とか神戸市等、十五のさまざまな機関の協力を得まして特別な総合行政相談所を開設するということにいたしております。  それから、できれば出張サービスを含めまして相談所をいろいろなところに開設すべきではないかという御質問がございましたが、総務庁では、御存じのとおり、国民に身近なところで行政相談に応じられますように全国で行政相談委員を五千人ほど配置しております。兵庫県内におきましても百六十名、神戸等におきましてはおよそ七十名が配属されておりますが、被災直後から、活動が可能な相談委員さんが総務庁の職員等と共同いたしまして、さまざまな問い合わせに対応していると聞いております。  それからもう一つ、こういう問題につきまして、相談窓口の存在を知らしめる必要があるのではないかということがあると思いますが、実は、この特別総合相談所の開設につきましては広く被災者に周知をする必要があるということから、県とか国の職員が被災地域の避難所等に赴きまして、政府の広報誌等を、今十五万部ほどでございますが、配置して広報するような体制もとっております。  以上でございます。
  28. 高見裕一

    ○高見委員 今のお話をお伺いしておると、すべて何か解決しているような印象を受けますが、七百件というのは七万件の間違いじゃないのですかとあえて聞きたくなるような気分でございます。一体被災者は何人いらっしゃると御承知でいらっしゃいますでしょうか。三百万でございます。その方々がどれほどの今お悩みを持っていらっしゃるか。七百件という数字は、これはまことに恐縮でございますが、こういう言い方は本当に私も個人的に好きじゃないですけれども、七百件受けたんだとまるで水戸黄門の御印籠のように言われても、何のリアリティーもないのです。本当なんですよ、これ。  医療の問題、福祉の問題、教育の問題、大臣も先ほどおっしゃっていただきました。大変お心こもる御答弁を賜って感激をしておりますけれども、例えば、あそこの避難所の三分の一は御老人なんですよね、どこの避難所も。行く場所がない方たちなんです、あえてこういう言い方をいたしますけれども。そういう意味で言うと、二十年、三十年後に来る超高齢化社会の縮図といいましょうかそれがまさしくあそこにあるのですね。そして、そういった人たちは、行政に相談するということさえもままならないのですね、足を運ぶということさえも。あるいは、行政相談だけではなくて、広い意味での法律相談全般というふうなことも必要なわけですね。  今回の災害の特徴といたしましては、極めて極地災害だということなのです。六甲山の北側に行くと、既にもう通常の生活がございます。武庫川を渡ると、加古川を渡ると、もう川向こうでは普通の生活があるわけです。ゆえに余計に、災害に遭った自分たちが取り残されたような、完膚なきまでにたたきのめされている、そのことがますます自分にとってクローズアップされてくるわけです。そこにまた大きな悩みがあるわけですね。そういう意味では、行政というものが今本当に問われている、日本の行政のフィロソフィーが問われているというふうに思うのです。そういう意味では、これで十分だという答弁をどうぞなさらないでいただきたい。そんなものじゃないでしょう、十分なわけがないでしょう。そこはどうぞ謙虚にお聞きいただけないだろうかと私は思います。  大臣の御答弁いただきましたお言葉を信じて、もういましばらく、私はこれ以上厳しいことを申し上げるのはお待ちしたいと思います。何とか前向きに、ワンストップセンターというふうに私は表現いたしましたけれども、そこに行けば少なくともあらゆる行政の窓口が明確になる、たらい回しにされない、きちっと住民の、被災者の方のニーズを受けとめることができる、そういう場所づくり、仕組みづくりというものを国家の行政の総力を挙げてっくっていただきたい、そのように強く希望をいたします。
  29. 小里貞利

    小里国務大臣 先ほど申し上げたとおりでございますが、さらに最後の締めくくりで先生が強く強くお求めになっていらっしゃるそのつなぎのところ、より情報をたくさん持った相談窓口、これをより多くっくらなければならぬ、そういう一つの考え方でございます。  先ほど申し上げましたように、自治大臣あるいは総務庁長官ともよく相談をいたしまして、さらに一段とこれが加速するように、徹底するように誠心誠意やってみたい、かように思っております。
  30. 高見裕一

    ○高見委員 小里大臣指導力に心より期待をいたします。  さて続きまして、ボランティアの問題でございます。  先ほども大臣お話の中にもありましたように、まさしくボランティアの人々が今本当に貴重な汗を流してくださっております。そのボランティアの動きがなければ実態としてはさまざまなサービス業務が動かないと言っても全く過言ではございません。何よりも県庁の職員、市役所の職員そのものが被災者でございますから、自分の命、けが、家屋倒壊、身内の方のけがやあるいはお亡くなりになった方も、そういった状況の中でやっている。それを支えて、ボランティアの人たちが本当に献身的にかつ自主的、積極的にやっていらっしゃる。これは事実でございます。そういったボランティアの方々受け入れ体制というものが残念ながらできておりません。これは現地でできていないということもさることながら、法的にもできていないと明確に言い切ってよいのではないかと思います。  一つはっきり要望事項として申し上げたいことは、保険の問題でございます。中には、例えば単車で一生懸命情報を持って走ってくださっているボランティアの方も多うございます。その人たちがそのときに事故を起こしたらどうするのか。例えば瓦れき処理に、これはきつい嫌な仕事ですけれども、積極的に携わっておられるボランティアの方々も大勢いらっしゃいます。その人たちが、その瓦れき処理の最中にちょっと足を踏み外してけがをなさったらどうするのか、そのあたりが全く不明確でございます。行政を支援していただいているボランティアをより広範に支援をするという活動が、行政において少々なおざりにされているような気がいたします。活動中に今申し上げたような状況の中でけがをしたような場合には、自分でボランティア保険に入っていなければ何らの補償も受けられないという問題は、早急に具体的に対策を講じるべきだというふうに思います。その点の大臣のお考えをぜひお聞かせいただければと思います。
  31. 小里貞利

    小里国務大臣 御指摘のとおりでございまして、ボランティア活動の自主性を尊重することはもう当然でございますが、しかしながら、今度の現地におきますボランティア活動のその偉大さ、またお手伝いいただいておりまするその仕事量と申し上げますか、規模の大きいこと、本当に私どもも敬服を申し上げております。  実は、三日の日でございましたか、避難所である中学校に参りました。校長先生に、ここは生徒数は何名おりますかと聞きましたら、三百名おる。避難者は何名おいでになりますかと聞いたら、一千五十名いる。ですから、ざっと生徒数の四倍近い避難者を抱えていらっしゃる。そこで、校長先生大変ですな、本当に頑張ってください、市あるいはその他の公務的立場の人々の応援体制、何かあったらひとつ言ってください、そういう話を申し上げました。まず、このボランティアの皆様方の役割を御紹介いただきました。それから、自衛隊等々の炊き出し等の話をいただきました。具体的に中に入りまして、避難者皆さんを激励いたしておりましたら、実はそこに二人ずつ二組おいでになりまして、一生懸命激励をしていらっしゃる。もう私は直観でボランティアの方々だなと思ったものですからお伺いいたしましたら、そのとおりでございました。  ただいまお話ございましたように、保険を含め、これらの方々が機敏に、そして健やかに働いていただけるように環境整備を急ぐ必要がある、さように思っておるところでございますが、今私ども対策本部でも関係皆さんと鳩首話を詰めておるところでございまして、改善を急がなければならぬと思います。
  32. 高見裕一

    ○高見委員 新聞の報道によりますと、十八省庁の担当課長が集まってその支援施策を考えるというふうな会議が持たれている。ところがそれは、夏までに知恵を出し合う、こういうふうに言っております。そして、対策本部の方では、いやボランティア対策はあちらだ、その十八省庁課長の連絡会議の方では、いやいや対策本部が実はそれをやるんだ、こういうことがつい昨日か一昨日の新聞で報道をされておりました。  それを読んで、正直、実に暗たんたる気持ちになりました。こんなときにそういうことをやっている場合じゃないだろうと。今現実に瓦れきの山を片づけている、そういうボランティアの方もいらっしゃるわけです。その人たちに手を合わせて拝むようにしていらっしゃる被災者の方もいらっしゃるわけですね。何というリーダーシップのなさだろうかということを思わざるを得ないのでありますが、そこだけ一歩踏み込んで、どちらがこの件に関して責任を持った対応をなさるのかだけお教え賜われればと存じます。
  33. 小里貞利

    小里国務大臣 当面の緊急対策につきましては、私、非常災害対策本部で精いっぱいの対応を講じつつありますし、またそうしなければならぬ、さように思っております。
  34. 高見裕一

    ○高見委員 当面のということでございます。それはそのとおりかと思いますが、今後その十八省庁の連絡会議というものとどういうふうな連携をおとりになられていくのか。これは大臣でなくても結構でございますが、その取りまとめ役は経企庁でございましたか、そのあたりをちょっとお答えいただければと思いますが。
  35. 平野正宜

    ○平野説明員 御説明させていただきます。  今御指摘のとおり、それから小里大臣から御答弁いただいたとおりでございまして、今緊急のボランティアに関する御対応については小里大臣のところで一括してお願いをいたしたい。  私ども、先々週の金曜日の夜でございますが、五十嵐官房長官から私ども国民生活局長に御指示をいただきまして、経済企画庁を窓口として関係する十八省庁から成るボランティア問題に関する関係省庁連絡会議というものを設置しなさいということで、二月三日に第一回の会合を持たせていただいたところでございます。  そこで各関係省庁合意した検討項目というのは、実はよく先生御存じのように、今緊急の問題以外に従来からボランティア活動を活性化するための基本的な問題というのは幾つが御指摘をいただいておりまして、その問題について御検討いただく。具体的に官房長官からの御指示は、いわゆるボランティア活動をやっているような市民公益団体の法人格の取得の問題が一つ。それから二番目に、そういった市民公益団体の、具体的には支援策とのセットでございますが、公益、つまり公の利益を担保する法的な枠組みを至急検討してください。それに基づきまして、そういった団体に対する支援方策をあわせて検討してほしい。さらに、その他、それぞれ縦割りで災害対策のボランティア以外にもいろいろなボランティアが現在あるわけでございますが、そういった各分野で活動するボランティアの方々の共通する課題といったようなものを主たる検討項目として至急結論をいただきたい、こういう御指示をいただいたということでございます。  したがいまして、今後の検討におきましては、今の御指摘を踏まえまして、各方面の御意見をいただきながら至急結論をまとめていきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。
  36. 高見裕一

    ○高見委員 お話はごもっともかと思います。ただ、私が一番お尋ねをしたかったことは、きょうこの瞬間も一生懸命働いてくれている何千人のボランティアの人たちが、例えば今この瞬間、けがをしたらどうするんですか。これが一点でございます。もう一点は、今災害対策本部で考慮していらっしゃる緊急対応の部分と、その十八省庁でこれから検討していかれる部分と、ここの連携がしっかりとれるんですか、この連携をとらないといかぬのじゃないですか。この二点がお尋ねをしたかったわけでございます。  今、十八省庁、経企庁さんの音頭で集まっていらっしゃるということでございますが、それは当然、遅まきながら他の欧米諸国とやっと状況として並んでくるようなことも、その第一歩かなというふうにも思いますけれども、今の私の二点の問いかけに関してはいかがでございましょうか。
  37. 小里貞利

    小里国務大臣 申し上げましたように、当面は緊急対策を打っておりますが、同時に、経企庁長官を中心にいたしまして自治大臣、私ども入りまして、今の緊急対策検討中でございますが、できる限り現地に、ボランティアの方々のことに対しても留意しながらやらなければいかぬよ、できるだけ可能な限りやりなさい、そういう意味で指示はいたしておりますけれども、ただいま先生がおっしゃったように中長期的な、中期的な一つの検討課題に今の生きたこの経験をつなげるか、そういう意味だろうと思うのでございますが、これはきちんとつないでいかなければならぬと心得ております。
  38. 高見裕一

    ○高見委員 これは簡潔明瞭にちょっと経企庁の方にお答えいただきたいのですが、なぜ経企庁なんですかね。なぜ経済企画庁がボランティアを担当することになったのかそこら辺をひとつ。一言で結構ですよ。
  39. 平野正宜

    ○平野説明員 私どもが事務局をやっております国民生活審議会では、ボランティアという言葉でございません、社会参加活動の活性化ということで従来から御審議をいただいておりまして、実は、先年でございますが御報告を取りまとめさせていただいて、その中にも、法人格の問題であるとか優遇策の問題を至急検討してほしいと行政に球を投げかけた、こういう次第でございます。したがいまして、それまで事務局でやってきたのでということで御指示があったんだろうというふうに推測をしております。  以上でございます。
  40. 高見裕一

    ○高見委員 時間がないのでちょっと端的にこれもお尋ねをしますが、今回の大震災で肉親を失い、災害遺児になった子供たちが大勢おられます。千人をはるかに超える数だというふうに報道がなされておりましたが、この災害遺児の場合、特に今回の災害遺児の場合でございますが、交通遺児等の場合と異なり、手持ちの財産もすべて失っておる、そして精神的なショックと財産的な損失の二重の苦しみを背負っておるという現実がございます。基金などの創設を含めた対策をぜひとも検討していただきたいと思っておりますが、現状ではどのような施策をお考えになっておられるのか。また、基金の創設等についてはどのようなお考えをお持ちなのかぜひお聞かせをいただきたいというふうに思います。  また、この災害遺児の子供たちの進学援助というふうなものも当然具体的に必要かと思いますけれども、それをどのように考えておられて、いつからどう実施しようとしておられるのか、具体的なタイムテーブルまで含めてお答えを賜れればと思います。厚生と文部に簡潔にお答えいただければと思います。
  41. 北村幸久

    ○北村説明員 お答えいたします。  国におきます育英奨学制度でございますが、日本育英会におきまして、経済的な理由によりまして修学が困難な学生生徒に対します一般的、包括的な奨学事業を現在行っております。その中で、今回の兵庫県の南部地震につきましては、父母を失った子供に対する奨学金についてでございますけれども、育英会におきまして、今回の地震によりまして学費負担者が死亡したり、緊急に奨学金が必要と認められる学生生徒に対しましては、現在、通常の出願時期以外にも臨時に奨学金の申請を受け付ける。それから、採用の基準でございますけれども、それも通常に比べまして弾力的に運用いたしましょうということを決定いたしまして、先月の十九日に、各大学、それから高等学校につきましては育英会の支部を通じまして、今この決定事項の周知徹底を図っているという状況でございます。  私どもといたしましては、この日本育英会の奨学制度によりまして、今委員指摘の遺児等の奨学金の要望対応していきたい、頑張っていきたいと思っております。  以上でございます。
  42. 松尾武昌

    松尾説明員 先生、大変恐縮でございます。私、応急救助の担当をしておりまして、詳細について承知しておりませんので、何かあれば私の方から申し伝えるようにいたします。
  43. 高見裕一

    ○高見委員 時間が終わりましたので、最後に、そういった災害遺児の問題等もぜひ小里大臣の方に情のあふるる細かいお気配り、お目配りをお願いをして、質問をとりあえず終わらせていただきます。ありがとうございました。
  44. 日野市朗

    日野委員長 次に、安倍晋三君。
  45. 安倍晋三

    ○安倍(晋)委員 質問に当たりまして、阪神大震災でお亡くなりになられました皆様に、また被災をされました皆様に心からお悔やみを申し上げ、またお見舞いを申し上げたいと思います。  小里大臣におかれましては、担当大臣に御就任以来、本当に寸暇を惜しまず一生懸命この対策に腐心をしておられまして、その姿勢またリーダーシップに心から敬意を表する次第でございます。  兵庫南部地震担当大臣設置をされまして、直ちに小里大臣はその大臣に就任をされたわけでございますが、緊急の対策はもちろんでございますが、今後恒久的な復旧の作業に入っていくわけでございます。そういう中にありまして、南部地震担当大臣というこの職はいつまで設置をされるべきであるとお考えがお聞かせをいただきたいと思います。私自身といたしましては、やはり阪神大震災に対しまして、リーダーシップを一つに集めまして総合的に対策を立てていくために、少なくともこの復旧が本格的に十分にめどが立つまでは設置をされるべきである、このように考えておりますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
  46. 小里貞利

    小里国務大臣 ざっくばらんに申し上げまして、このような破格の震災が発生いたしまして、政府としてこの異常かつ甚大なる災害に緊急対策を含めまして対応しなけりゃならぬ。そこで、政府としては一丸となって、持てる組織力、エネルギーを総結集してやらなきゃいかぬ、そういう見地から担当大臣制度をおつくりになったと私は聞いております。  現実に私の辞令は、政府が一丸となって対処するために、各省庁間、行政各部門の持つ事項を調整し、そしてこれを統括して当たりなさい、こういうような趣旨でございました。非力でございますが、当面の緊急対策に当たらせていただいておるところでございます。  もとより、先ほどからお話がございますように罹災者を中心にいたしました関係県民の方々の救今、そして救済、そして復旧、同時に生活再建に今各省庁の積極的な御協力をいただきながらその任に当たっておるところでございますが、その任期の期間につきましては、当面の緊急対策あるいは復興計画にかける状況等を総理大臣初め内閣が判断して、そして決められるものであろう、こういうふうに考えております。
  47. 安倍晋三

    ○安倍(晋)委員 新聞によりますと、復興調査会を設置して、この復興調査会の例えは特別顧問等に有力な政治家を任命するということも今政府で御検討ということでございますが、小里大臣復興調査会との関係はどのような形になるのか教えていただきたいと思います。
  48. 小里貞利

    小里国務大臣 先生も御承知のとおり、ただいまそれらのことにつきまして政府及び与党間で協議が進められておる、さように承っております。近々それらの構想が確定されまして、そして、政令なりあるいは新規法律等によって国会にも御相談が相なるもの、さように思料いたしておるところでございます。
  49. 安倍晋三

    ○安倍(晋)委員 我が国の行政につきましては、その優秀さとともに縦割りの弊害というのが日ごろ言われているわけでありますが、この震災対策についてもそういう弊害というのは残念ながら出てきてしまっている中におきまして、村山総理、また小里大臣の強いリーダーシップが期待されるのではないかと私は思いますから、その観点から今後も一生懸命頑張っていただきたい、このように思うわけでございます。  この震災に際しまして、各国の大変な御援助がありました。我が国の国民皆さん、また私も大変感激をし、また感謝をしているわけでございますが、我が国にもJICAの国際緊急援助隊の医療チームというのがございまして、かってイランの大地震のときには出動したわけでございます。今回、JICAの緊急医療チーム派遣をという意見があったようでございますが、法律からして国内にはなかなか適用が無理であるという指摘もあり、実際はJICAの医療チームとしての出動はなかなかできなかった。しかしながら、そのJICAの医療チームに所属をしておられる皆様が自主的に、それぞれの所属をしている団体で現地に赴かれたということでございます。  今後やはり、こうしたときに機敏に動ける医療チームの一つであるJICAの国際緊急援助医療チームを国内の災害にも運用できるように、法改正等がもし必要であればそうしなければいけないわけでございますが、今後、国際緊急援助隊の医療チームを使用するということについて、そういうお考えが政府側にあるかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
  50. 和田章男

    ○和田説明員 私も現地に行ってまいりましたが、大変な大災害で、大変心痛む思いがしたのでございます。  同災害につきましては、今先生の方から御指摘ございましたとおり、国際協力事業団に登録されております国際緊急援助隊の医療チーム医師等四十名が、ボランティア精神に基づきまして、災害発生直後から自発的に現地に赴きまして活躍しておりましたが、さらに医療事情の増大にこたえるため、総理の御指示がございまして、これに基づきまして、国際協力事業団に対しまして医師看護婦をふやして被災者に対する医療活動協力するよう取り計らい方を依頼した次第でございます。この結果、現在八名の医療関係者が現地医療活動に参加しております。  今般のような大規模な災害に、国際援助隊に備蓄された知識や経験を活用するために、外務省としましても現在全力を挙げて幅広く、鋭意検討しているところでございます。
  51. 安倍晋三

    ○安倍(晋)委員 今回のこの震災に対しまして、もちろん多大な政府等の出資が必要になってくるわけでありまして、それに対して国債あるいは復興債、建設国債等々のことが今検討されているということでございますが、当然また、税によって補っていこうという考えもあるわけでございます。そういう中で、いろいろなアイデアも出ているようでございますが、そのアイデアの一つに、特別に震災復興の宝くじをやったらどうかという提案があるようでございますので、お伺いをさせていただきたいと思うわけでございます。  まず、その復興の宝くじを検討しているのかどうかそしてまた年間の宝くじ収入が大体どれぐらいあるのかということと、年末にジャンボ宝くじというのがあるわけでございますが、一回の宝くじを出して、最大では大体どれくらいの売り上げがあるかということを教えていただきたいと思います。
  52. 森元恒雄

    ○森元説明員 宝くじにつきましてお答えを申し上げます。  まず、年間の売り上げでございますけれども平成五年度の実績で七千二百九十七億円、収益ベースで二千九百四十一億円でございます。それから、一回当たりの売り上げが一番大きいのは今お話しの年末ジャンボでございますが、こちらの方は売り上げで二千四百四十二億円、収益で九百七十六億円というようになっております。  この災害が起こりましてから、関係団体等の間で、国民方々にも御協力をいただきまして、宝くじというものを通じて被災地支援をしてはどうかという話が持ち上がっておるというふうに聞いております。関係者の間での協議が進められておるようでございますので、私ども自治省といたしましても協議が調うよう積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。
  53. 安倍晋三

    ○安倍(晋)委員 そのためには新たに立法等々の措置が必要かどうかもお伺いしたいと思います。
  54. 森元恒雄

    ○森元説明員 立法措置は特段必要はないと思いますが、ただ、宝くじの使途につきましては法令で規定しておりまして、今後この収益がどういう形で使われるかというようなことにつきまして関係県が中心となって検討されるかと思いますが、場合によってはあるいはそういう若干の新たな措置というものが必要なケースも考えられないわけではございませんけれども、発行そのものにつきましては立法措置は必要ではないというふうに考えております。
  55. 安倍晋三

    ○安倍(晋)委員 大変前向きな御答弁をいただきまして、法律の改正も必要ないということでございますから、国民の中に一生懸命応援をしていこうという機運が大変高まっているわけでございますから、そういうときにいち早くそういう御決断をいただきまして、復興のための宝くじというものをぜひとも行っていただきたいと思う次第でございます。  また、宝くじとは別に競馬、競輪とかボート、そうした公的なギャンブルに特別なレースを設けて、それを復興に充てたらどうかというような提案もございます。例えば、昨年の広島のユニバーシアードにつきまして、地方の競馬を特別なレースにしてそこから寄附をしたという話を聞いているわけでございます。  そこでお伺いをしたいわけでございますが、例えば中央競馬においてそうした特別なレースを組んで、そのレースの売り上げをこうした災害復興に充てることができるかどうかということについてお伺いをさせていただきたいと思います。また、先ほどと同じように、一番大きなレースというと、売り上げが高いのでは有馬記念ということでございますが、その金額と収益が大体どれぐらいあるかということもあわせてお答えいただきたいと思います。
  56. 須賀田菊仁

    ○須賀田説明員 今回の大震災に関連をいたしまして、競馬の関係では、震災直後に日本中央競馬会から五億三千万円の義援金の拠出をしたのを初めといたしまして、現在までに中央地方を通じまして約六億六千万円分の義援金の拠出を決定しておりまして、関係者一同、被災された方々にお悔やみ、お見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧を念願をしているわけでございます。  ただいま御指摘の競馬の収益の一部を義援金に回すいわゆる義援競馬につきまして、まず中央競馬の方からは、一月に開催が中止された分の代替する競馬についてそういう義援競馬に当てたい、収益の一部を義援金としたいという申し出がございますし、地方競馬の方でも、兵庫県内のいわゆる園田競馬、姫路競馬と言われている組合の方から、やはり一月、二月に開催を中止した分のかわりの競馬、代替競馬を義援競馬に当てたいという申し出がございます。また、地方競馬のほかの多くの主催者から、特別に競馬を開催いたしましてその収益を充てたいという強い申し出がございます。  こういう義援競馬についてでございますけれども、他方におきましては、こういうものを大々的に行うということにつきまして、率直に言いまして人の不幸に乗じて必要以上にギャンブルを奨励することについて御批判も一方ではあるわけでございますので、その辺のところに配慮をしながら、その実現について措置していきたいというふうに考えております。  なお、年末に行われました有馬記念の売り上げは、たしか昨年で七百五十億円ぐらいだったと思います。どういう競馬をこれに当てていくかその他については、これから検討がされるというふうに考えております。なお、特別の立法措置が必要かどうかにつきましては、農林水産省令の改正で済むということになっております。  以上でございます。
  57. 安倍晋三

    ○安倍(晋)委員 もちろん宝くじと同様なんですが、ギャンブルにおいてそういう支援の特別レースを開催するに当たっては今説明員の方からお話があったような論議もあることは事実でありますが、しかし、実際に復興するためには資金が必要という中にあって、税とはまた別の方法で我々は積極的に考えていかなければいけないことでございますし、これはまた政府としても、それを理由に金もうけをするというのとはまた全然角度が違うわけでありますから、それについては前向きにぜひとも検討していただきたい、このように思うわけでございます。  今回の震災に当たりまして、さまざまな医療機関等々も被災をされたわけでございます、医療機関と福祉施設等々ですが。こうした医療機関、病院とかあるいは福祉施設については、今後復興していく上でもいち早く再建を図っていかなければいけないわけであります。あるいは、開業医の皆さんがまた戻ってきてそこで開業していただかなくては、民間の医療を担ってきた開業医の皆さん抜きには地域のきめ細かな医療が考えられないわけでございまして、そうした医療体制が整っていなければ、住民の皆さんがかつて住んでいたところに戻ってまた復興に当たって頑張っていこうという気も起こってこないわけでございます。  この医療施設の復興について、公的な施設については社会福祉・医療事業団から無利息の融資があるということでございます。しかしながら、民間の医療施設については、被害が大変大きなものについては三%ということでございます。  しかし、医療ということにつきましては、例えば救急病院等に指定されている病院は公的な役割を担っているわけでありますし、また、日本は自由診療ということではなくて健康保険制度の中で、医療皆さんがまさにある意味では公的に担っていただいている。民間といえども、公的な使命と責任のもとで医療行為を行っているということでございます。また、今非常に災害に苦しんでいる被災者皆さんを一生懸命診療したり助けたりしようというボランティア的な活動を民間の方もたくさんなさっているわけでありますから、私は、いざ復興の段になって大変大きな差をつけるのはいかがなものかな。そういう中にあっていち早くやはり医療体制を完備するためにも、ここは私は、民間の医療機関についても当然無利子の融資を考えるべきではないかと思うわけでございますが、お答えをいただきたいと思います。
  58. 真野章

    ○真野説明員 お答えいたします。  今回の被災六市内におきます診療所の被害状況でございますが、二千五百三十の調査をいたしました診療所のうち、診療が可能というところが一千五百六十九カ所、六二%、診療が不可能という箇所が九百六十一カ所、三八%というふうに大変大きな被害を受けております。  今回被害を受けました医療機関の再建、復旧のために、社会福祉・医療事業団の融資ということで、激甚災の指定を受けまして、通常の四・七五%または四・九%という貸付利率よりも利率を引き下げまして年四・四五%、さらに先生指摘のとおり、大きな被害を受けました医療機関には年三%にするという特別措置を講じております。  公的医療機関にも私ども実は無利子融資制度は持っておりませんで、無利子は社会福祉施設がと思います。従来、医療施設と社会福祉施設の災害復旧のための施策にこういう違いがあるわけでございますが、今申し上げましたように地域医療機関が大きな被害を受けている、こういう状況にかんがみまして、先生指摘のとおり、いち早く地域医療確保するという観点から、これら医療機関の再建、復旧のための方策につきましてできる限りの方策を講じたいということで、現在関係省庁協議をしているところでございます。
  59. 安倍晋三

    ○安倍(晋)委員 ただいま、被害が大きくない機関については四・四五という御説明がございましたが、この四・四五では、普通の優良な企業であれば市中から十分に調達できる金利でございますから、私としては全く意味がないのではないか、このように思うわけでございます。三%にいたしましても、多大な被害を受けているところが新たにまた神戸の地に病院を建てたり、あるいは医療施設をつくっていこうという意欲を持ち得るためには、やはり国が無利息でバックアップしていくという姿勢を見せることが絶対に必要ではないか、私はこのように思いますので、強く御検討を要請したい、このように思います。  今回のこの震災の復興対策について、中小企業についてはいろいろな方が質問をされまして、中小企業に対してはぎめ細かな対策が必要である、税の面でもまた融資の面でもいろいろな配慮が必要であるという御意見も多々ありました。私は、我が国を支えているのはこのすそ野の広い中小企業であることは事実でありますから、そういう配慮というのは当然である、このように思うわけでございます。  しかし、今回の特徴は、神戸地区には大変大きな企業もございました、その企業がまさに致命的に近い大きな打撃を与えられているということも事実でございます。中小企業を助けるためには当然この大企業そのものもしっかりと応援をしていかないと、大企業が倒れてしまってはその下にある数百の中小企業というのはそもそも成り立っていかないわけでございまして、その下にある中小企業を応援したところで大企業の元栓の方が締まってしまってはどうしようもないわけでありますから、今回のこの震災については中小企業同様大企業に対しても税の面あるいは融資の面で特別な配慮をしていく必要がある、私はこのように思うわけであります。今後のこの地域のいち早い復興のためには、やはり中心的な存在であるこうした大きな企業にもそうした配慮を促しながら、また企業家がそういう意欲を持ってこの地域復興する、そういうことに私はなるのではないかと思うわけでございます。  そこで質問させていただきたいのですが、こうした大企業にとっては今までも固定資産税とともに地価税が大変大きな負担になってきたのでございますが、しかし地価税というのは、その地域にあることによって受ける利便に対して、またあるいは地価を下げなければいけないという政策的な税という側面があったわけでございますが、この震災によって全くそうした価値を失い、また地価についても特別に値下げ等々を考えていく必要がなくなってきた昨今、地価税についてはこの地域については、大企業といえども中小企業も含めて、当然免除すべきである、このように思います。  地価税が第一点と、当然また復興に当たってその復興の資金を得なければいけないわけでございますが、そのために有価証券等を処分したり、あるいは手持ちの土地を売らなければいけない、そういう企業が出てくるわけでございますが、そのときに当たって、土地譲渡益課税の減免あるいは有価証券取引税の減免、そうした措置がとられて当然しかるべきであると私は思うわけでございますが、その三点をまずお伺いしたいと思います。
  60. 小里貞利

    小里国務大臣 地価税等につきましては大蔵当局から答弁いただきますが、後段の方の、いわゆる先生お話しのとおり中小企業の立ち上がり、事業融資、もろもろの手助けの新しい踏み込んだ制度、これは十分ではございませんけれども、もろもろ、今積極的に対応を急いでおります。もう既に激甚災害法適用で決め込んだものもございますし、それでもなおかつ不十分ではないかという御意見などもございましたので、さらに一段と踏み込むように努力をいたしておりますが、お話しの大企業、これはもう確かに先生お話しのとおり、被害額も大きいし、そしてまたよって及ぼす社会的影響も非常に大きいわけでございます。  例えば地元の大丸とかダイエーさん等に聞いてみますと、一次被害額それぞれ五百億円、六百億円、あるいは関西電力等におきましては一次被害だけでも二千三百億だ、あるいは大阪ガスで一千九百億だ、そういうふうに、一次被害でさえも膨大なる数値を出しておるところでございます。今申し上げました例えば大丸さん等は、従業員一千七百名ぐらいおいでになる。そしてまた臨時雇用がそのほかにその相当分、一千八百名ぐらいおいでになる。あるいはまた、その関係の商社、問屋等が二千社ぐらいある。そういうようなお話でございまして、先ほど御指摘のとおり、非常に社会的に影響を及ぼすおそれがあるわけです。そういう見地から、税、あるいはそのほか財投などの分野におきましても、適切な対応を急いでとらなければならぬのじゃないか、そういうことで目下検討中でございます。
  61. 竹内洋

    ○竹内説明員 御指摘の有価証券取引税及び地価税についてまず答弁させていただきたいと思っております。  まず、地価税を含む各税の申告納付等の期限でございますが、これにつきましては大企業、中小企業の別もなく、国税通則法によりまして、災害により申告納付等をその期限までに行えないと認められるときには、災害のやんだ日から二カ月の範囲内でその期限を延長することとしているところでございます。また、その被害の程度に応じまして、一年以内の期限に限り納税も猶予するということでございまして、延滞税がかからない等の救済措置が講じられているところでございます。  まず御指摘の地価税でございますが、地価税は、一定の課税時期、これは一月一日を基準といたしまして土地等の資産価値に課税する税という性格を持っているものでございまして、その後の土地等の利用状況利用期間に応じて負担を求める、いわゆる損益対応するような税でないという税制上の性格があるという点に御留意願いたいというところでございます。  また、有価証券取引税の方でございますが、これは、有価証券の取引があった場合に、いわば利益の有無にかかわらずすべてのものに一律課税される流通税でございまして、その納付は主として証券会社が譲渡があった際に特別徴収をして納めるという方法をとっている税でございます。したがいまして、有価証券取引税は、被害を受けた企業かそうでない企業かを区別することにはとてもなじまない税ということでございまして、被害を受けた企業にだけ免除することは困難であるということを御理解願いたいと思っているところでございます。  ただ、いずれにいたしましても、今回の災害は想像を超える事態であるということ、被災地においては税について当面するさまざまな事情があると考えられますので、引き続き国税当局を通じまして実情の早急な把握に努めていきたいと思っておるところでございます。  譲渡益課税については、企画官からお答えさせていただきます。
  62. 藤岡博

    ○藤岡説明員 御説明申し上げます。  被災企業が土地を譲渡しました場合について、土地譲渡益課税につきまして何らかの特別な措置を講じるべきではないかとの御指摘と存じます。  土地を譲渡いたします場合には、いろいろな事情があろうかと思いますが、被災した企業が災害による損失を補てんするために土地を処分するというのでございますれば、災害による損失と土地の譲渡益が通算されまして、その結果、当該事業年度の法人税の課税上の所得は欠損となる可能性がございます。その場合であれば、当然でございますが、法人税課税は行われないということになるわけでございます。また、法人の土地譲渡益に対する追加課税制度につきましては、国、地方公共団体への譲渡に加え、適正な土地利用につながる譲渡について幅広く適用除外とする措置を講じておりまして、こうした措置を最大限活用していただきたいと考えている次第でございます。  いずれにいたしましても、被災地域の復旧に関します税制上の措置につきましては、他の施策との関係にも留意しながら総合的に検討していくべきものと考えておる次第でございます。
  63. 安倍晋三

    ○安倍(晋)委員 財政当局の御事情等々はよくわかったわけでございますが、これはやはり大きな政治的な判断が必要でございますので、小里大臣には閣内においてそうした見地に立っての指導力を発揮をしていただきたいと思います。  もう時間が参りましたから最後に、復興を果たしていく上で、やはり職がなければ当地にまた戻って生活を続けていこうということにはならないわけでございまして、そうした意味で、職を確保する上でも、経済活動をまたもとに戻していくということも大変私は重要な観点ではないかと思うわけでございます。そういう意味から、今後いろいろな公共事業が発生をしてくるわけでございますが、例えば兵庫県の被災地域についてもいろいろな公共事業が発生をしてくるわけでございます。その公共事業等の参加企業を、例えば被災された企業が復活をしていくために、そうした企業に優先的に指名をしていくというか参加をさせていくということが必要であると思いますし、またそれと同時に、全国でいろいろな国の公共事業があると思いますが、そうした公共事業に被災した企業が何らかの形で関与できて、それによって復興のための資金を得るということが私は可能になってくるのではないか、このように思うわけでございます。そういう意味でも、御答弁は結構ですから、ひとつ大臣にそういう見地からも指導力を発揮をしていただきたいと思います。  これで質問を終わります。ありがとうございました。
  64. 日野市朗

    日野委員長 次に、小坂憲次君。
  65. 小坂憲次

    小坂委員 まずもって、前回に引き続き、犠牲者の皆様、また被災者皆さんに、心から哀悼の意を表し、またお見舞いを申し上げながら、質問を続けさせていただきたいと存じます。  まず最初に小里担当大臣にお願いでございますが、私ども新進党、昨日、新進党政権準備委員会から「阪神大震災対策について」という提案を行っております。この提案につきましては、お手元にまたお届けをいたしますけれども、この私どもの、被災者実態を見、また声を聞く中でまとめましたものでございますので、尊重をし、またできるだけ実現に努力をしていただきたいと心からお願いを申し上げます。  また、担当大臣としてたびたび現地入りをしていただいておりますけれども、私考えますに、現地方々にとって担当大臣というのは、すべてを任せて何とか頼むという、ある意味で頼るところここのほかなしというほどに大変に頼りにしていらっしゃると思います。そういう意味で、できる限り現地に入って、被災者の声をじかに聞いていただいて、くまなく見ていただいて、そして頭の隅々にすべてが入っているというようなことで、担当大臣としての存分のお力を発揮していただきたい。できれば現地に常駐をして、ついに大臣が常駐したぞというぐらいの、常駐は無理であろうとしても両方に席をつくっておいて、そしてどちらにもいるよというような力強い支援体制を見せていただきたいとお願いを申し上げる次第であります。  それから、防災局長に御質問を申し上げますが、世帯数について、たびたび私は、現地を視察しましたときにもまた前回の委員会の質問でも申し上げておりますが、世帯数の把握というのはできておりますか。
  66. 村瀬興一

    村瀬政府委員 私ども世帯数の把握というのを、いろいろな施策を講ずる上でも基礎的な数字でございますので、ぜひ把握をしたいというふうに考えておるところでございます。関係省庁においてそれぞれ努力をされておるところでございまして、まず消防庁でございますが、把握努力をしていただいておりまして、結論から申しますと、兵庫県以外につきましては把握ができております。兵庫県につきましては消防庁の方から照会をいたしておりますが、現在のところ把握できていないというふうな状況でございます。
  67. 小坂憲次

    小坂委員 今おっしゃいましたように、すべての対策の基礎になる数字だと思うわけでありまして、現地自治体に余り過度の負担をかけないような形でこの世帯数を把握していただきたい。電話においては三十万回線が不通になったとか、あるいは水道においては百二万戸が断水をしたということで、これは戸数にかなり比例をしておるわけでありますね。そういう意味で、避難者も三十一万人という当初の数でありますから、想定しますと二十万世帯ないしはそれ以上のものがあるのではないかと思われるんです。PETボトルの配布、カセットこんろの配布等を初めとして、初期対策が大分混乱をいたしましたけれども、それはこういう世帯数の把握をしないで棟数の把握ばかりに終始したためではないかという気もいたします。ぜひともこの点、御留意をいただきたいと思います。  新規提案といたしまして、消防防災飛行隊創設を提案いたしたいと存じます。  今回の災害発生後、新聞に、あるいは防衛庁、あるいは消防庁、政府に対して、世論として、いろいろな方の御意見として、投書も含め、なせ航空消防をしなかったのかこういう意見が相次ぎました。それについて、産経新聞あるいは私ども地元の信濃毎日新聞を初めといたしまして、いろいろな新聞で消防庁の意見というのが取り上げられておりました。  その意見を概略御説明いたしますと、航空消防は都市災害には不向きである。それから、現在消防庁の持っているような一トンから一・二トンの水を運ぶような能力ではなかなか難しい。あるいは、ヘリコプターのホバリングの風圧によって火災を拡大するおそれがあるので難しい。あるいは、当初は、散布する消火薬が酸欠状態を引き起こすのでまずい。その後に、それは肥料と同じものなので災害にはならない、人畜無害である。こういうような意見、いろいろ出ておりました。  この飛行消防というか航空消防といいますか、これについて国土庁あるいは自治省、消防庁の方として御意見ありますか。
  68. 森村和男

    ○森村説明員 ヘリコプターを用いた消火活動の御質問でございますが、現実にどのようにやるかということはいろいろ御議論があるところでございますが、まず、林野火災型と都市密集地での火災という二つに分けて考えますと、都市密集地での火災においては相当上空からの散水にならざるを得ません。というのは、非常に火熱が強く、それから上昇気流が非常に強いということもありまして、相当上の方から水をまくということになります。そうしますと、実際その効果がちょっと疑問ではないかという点と、それから、一棟の家屋を消火するためには、連続的に約二十分間に二十トンの水を注水する必要があります。一般の消防用ヘリコプターが一回に搬送できる水の量は○・五トンでございます。したがいまして、相当多量のヘリコプターを集中しなければなりませんので、その運用については極めて困難を伴うし、また危険ではないかということも考えられます。  それからもう一つは、低空飛行でまけばある程度効果があるのではないかという御意見もありますが、ヘリコプターの場合は、ホバリングといいまして、とまったままでまくといった場合には下に相当強い風が吹きつけることになりまして、火勢を強める可能性もありますし、また、水の塊を落とすわけでございますので、下にいる要救助者等、あるいは消防士もいるわけでございますが、若干危険ではないかというような懸念もあるわけでございます。  以上です。
  69. 小坂憲次

    小坂委員 ただいまの指導室長の御意見が、新聞に消防庁関係のネガティブな意見の代表として載っておりました。この意見をそのままとらえますと、日本には航空消防は導入されないだろうと思うわけであります。航空自衛隊、三自衛隊、それから海上保安庁、それから消防庁、そして各自治体、それぞれに航空機を保有しております。ヘリコプター、あるいは飛行艇、大型ヘリ、いろいろなものを保有しておるわけでありますが、私は、これらを有機的に結合して、そして、その災害の内容に合った、程度に合ったといいますか、規模に合った、性格に合った機材を有機的に運用してこれに当たるならば、十分に災害への対応は可能であろうと思うわけであります。  例えば今おっしゃった、一トンか一・五トンしか水を運ぶ能力がない。これは消防庁の保有している水を運ぶバケットの容量でありますけれども、この容量以上のものは仮に持っておっても運ぶ飛行機がない、ヘリコプターがない、こういうことになるわけです。  昭和五十年、五十一年当時に、防衛庁の退役のPS1を改造いたしまして、飛行艇による消火実験というものを四年間にわたって行ったということでありまして、私も資料を入手してみました。  内容によりますと、改装費が四億四千万かかったそうでありますが、十五秒で八・四トンの水を滑水しながら飛行艇の腹に詰め込むことができまして、それから移動いたしますと、幾つかの例があるのですが、それによりますと、風速三・五秒、火の面から百十メーター以上を確保すれば上昇気流も排除できて、被害にも遭わずに散水ができる。火面から九十メートルの高度で八・四トンの水を散布した場合には、散布密度は平米二リットル、そして散布面積は五百平米、〇・五リットル平米が四千百平米になるわけですね。ですから、五百メーター四万に対して二リットルの水がどんと降るわけであります。  そして、先ほど来消火能力云々という話がありましたが、いろいろこの実験の中でもそういうものも検査をされているわけでありますけれども、瞬時に消しとめることはできなくても、類焼を食いとめることはできる。それから、一分間に一トンの水を二十分間続けなければ消火できない。これは散水の場合でありまして、屋根があるから中の火に対しては効果がない、こういう意見もあります。それから、水を上から落とした場合に、壊れそうな家屋家屋が壊れてしまって逆に被害を増大させるのではないかこういう意見もありました。  しかし、これらはすべてお役所の発言と言ってはなんでございますけれども、面倒くさいことには手を出さぬ方がいい、こういうことに帰結してしまうわけでありまして、ロサンゼルス地震の火災の場合にも、二百カ所で火災が発生して、八時間後には全部消火している。これには、こういったヘリコプターで機材を輸送する。何も水だけではなくて重機を輸送して破壊消防を行う、あるいは重機を輸送して消火に当たる。そういうようなことをやりながら、またモービルホームパークというところがあったわけですが、モービルホームがいっぱいとまっているところですが、ここの火災に対してはヘリコプターで消火をしているわけであります。  こういうように、やれば効果はあるはずであります。それから、今申し上げた都市型火災だけではないですから、山林火災もあるわけでありますから、私は、これらいろいろな形での災害がこれからも予想される日本においては、各省が横に保有機資材の綿密な連携をとって、一朝事あればそこに適した機材を融通しあって配付をして、派遣をする。消防庁で例えば水を運ぶタンクを買ったならば、それを防衛庁のヘリが搬送する。あるいは救援活動のために医師派遣するのであれば、これが自治体のヘリならずどこの機材でも、近くの者がすぐに飛んでいってそれに当たる。こういうような連携がとれる組織というものを私はぜひとも設立をすべきだと思っております。  ちなみに、その飛行艇の問題については、余り時間を食ってもしょうがないのですが、新聞記事がございまして、新明和工業が、大型の飛行艇メーカーですけれども、ここで消防飛行艇をつくっている。これによると、十五トンの貯水タンクを装備できて、そして数十秒でこのタンクを満杯にして、そのまま離陸して飛ぶことができる。火災現場から水域までが二十キロの場合、燃料が満タンだとピストン輸送で約百五十トンの水を運べる、こういうことでありますので、大変な消火能力があるわけですから、こういったものを新規購入する。  別の新聞によりますと、今この新聞記事は参照しませんが、通産省が消防飛行艇を導入することを検討していて、前向きに考えたいというので消防庁、防衛庁とも折衝をしたいというような記事が、きょうの新聞、どの新聞だったか忘れましたが、載っかっておりました。そんな意見がきょうになっていろいろ出てきておりますが、この問題について、今の消防庁の見解ですとなかなか導入されないなと思ってしまいますが、ぜひとも前向きに御検討いただきたい。そうしなければ、次なる災害のときにまた同じような質問をしなければならなくなるということで、ぜひとも御理解を賜りたいと思います。この点について、防災局長として一言。
  70. 村瀬興一

    村瀬政府委員 先生おっしゃいますように、いろいろな可能性を確かめて、効果のあるものであれば検討するということは必要であろうかと思います。  ただ、先ほど消防庁の担当課長の方からかなり否定的な見解が出ておりますので、今先生が御指摘になった飛行艇がどうかというような点も含めて、消防庁の方でも十分検討してみていただきたいと思っております。
  71. 小坂憲次

    小坂委員 ぜひとも前向きに御検討いただきたいと思います。これは国土庁の方で音頭をとっていただかないと、今の組織ではだめなわけでありますので、ぜひとも前向きに御検討をいただきたいと思います。  さて、本日、昨日、一昨日の新聞を見ますと、特別立法に関して二十数項目がもう検討され、二十四日には提出されるのではないか、また同時に、復興実施本部というような仮称のものを設置をし、その本部の活動を意見具申するために、阪神復興委員会といいますか、復興調査会というようなものを設置することが検討されている、こういう記事が載っておるわけであります。  まず最初に、特別立法に関しては、法改正あるいは新規立法、こういういろいろな形がありますし、財政措置について一括して出すというような、いろいろな意見が出ておりますが、この点について政府の方でどのように考えられているか現状を御説明いただきたいと思います。手短で結構ですが、項目だけでも挙げていただければ。
  72. 小里貞利

    小里国務大臣 後段の方を私の方から概要を御説明申し上げます。  なおまた、先ほどお断り申し上げましたように、この復興計画に関する政府の新機構・組織のもとにおける体制整備、これは現段階におきましては政府及び三党で一応の練り合わせをやっている。そして、これがおおむね今固まりがけできた。したがって事務当局に、これは国土庁でございますが、その辺の事務的な体系を整えてみろ、こういうところまで進んでおりまして、まだ最終的確定でございませんので、その点ひとつ御了承いただきたいと思うのでございますが、まず諮問委員会的なものを一つつくる。これは相当高度な、復興にかける一つの基本理念と申し上げましょうか、あるいは地元の県、市等と連携を密にしながらそれらの取り運びをどうするかという高度な、大まかな構想、方向性というものを整理しよう、こういう一つの役割を持つのじゃなかろうか。したがいまして、その委員会的なものは六、七名程度で、しかも時限で、まあ一両年、長くて一年でしょうか、そういう感じを持ちます。  もう一つは、先生お話しのとおり、これを総合的に、政府として、各省庁間の施策をできるだけ連携を持たせながら、そして一元化した行政を、対応策を進めていこう。そういうような見地から復興本部をつくる、これが執行機関。そういうような一つの構想のようでございます。  したがいまして、最初申し上げました諮問委員会的なものは政令によって措置される。しかし、総理府の組織令の一部を改正して行うことも必要であろうかな、そういうところまで今調整が進んでおる。恐らく、来週あたりは国会の方に具体的にその諮問委員会に関する分は相談できるのではなかろうか。復興本部に関する件は一両週間、そういう雰囲気でございます。
  73. 村瀬興一

    村瀬政府委員 現行制度でできることはすべてやるということでやってきておるわけでございますが、そうはいいましても現行の制度だけでは不十分な点もあろうかということで、緊急立法検討プロジェクトチームを設置いたしまして、それぞれ検討しているわけでございます。  その中で、どういう項目を盛り込むのかというところまで今申し上げられるような段階になっておりませんが、例えば新たな町づくりを計画的にかつ住宅建設一体的に進めるとか、あるいは復旧事業を円滑に進めるための被災自治体の負担の軽減等の措置について検討はしております。
  74. 小坂憲次

    小坂委員 朝日新聞、読売新聞には具体的に法案の項目名まで書いてあるのでございますが、時間の関係を見ますと、各省から意見を聞いておりますと一分ずつ話していただいても十五、六分かかってしまいまして、時間がなくなってしまいそうでございますので、私の方からこの新聞に書いてあるものを参考にして、簡単に質問をさせていただきたいと思います。  一つは、これは厚生省にお答えをいただきたいのですが、外務省の国際緊急援助隊、先ほど安倍さんの方から御質問がありましたが、登録医師を国内災害にも派遣できないか、これで法改正を考えている、こうありましたけれども、私が厚生省に対してお願いをしたいのは、むしろ厚生省がボランティア精神旺盛な医師の登録を求めて、そして国内災害に対して、赤十字のみならずそういった民間の病院からの医師派遣についてもネットワークを構築しておく必要があるのではないかと思うわけでありまして、その点で、そういうことを考えることについて前向きに御検討いただけるかどうか、イエス、ノーで結構ですが、御回答いただきたい。
  75. 磯部文雄

    ○磯部説明員 平成六年の一月に、集団災害時における救急医療・救急搬送体制のあり方に関する研究班というのを設けておりまして、これまで、関係省庁の参加も得まして、国内外の事例や災害医療体制の現状について研究をしてきております。今回の災害によりまして現実に甚大な被害が生じたことを厳粛に受けとめまして、さっそくこの研究班を拡充することとしておりますが、今回の教訓を生かし、関係省庁協力を得ながら、またただいまの先生の御指摘も踏まえまして、災害の際も十分機能できる医療体制の確立に向けて取り組んでいきたいと考えております。
  76. 小坂憲次

    小坂委員 結構ですね。よろしくお願いします。  それから、先ほど高見委員の方から御質問がありましたボランティアですけれども、私も国際ボランティア推進議員連盟というものの事務局長をしながら、その参加議員を募って、そして、国際ボランティアの海外活動において被害に遭った場合の保険対策等々を議論して、結果、保険会社にお願いをいたしまして、外務省の御配慮をいただいて、新しい保険制度、ボランティア保険というものを創設いたしたわけでありますけれども、先ほど高見委員の方からもありましたように、現在活動しているボランティアの人が何らかの被害に遭った場合、この救済策というのが非常に問題になります。  緊急的な問題でありますので、これについてもボランティア保険が早期に適用できるように、その拡大をぜひとも御指示をいただきたい、そういうように行政指導を強化していただきたいとお願いを申し上げる次第ですが、これはちょっと、多分答弁者が用意されていないと思いますので、関係者にお伝えをいただくように、防災局長並びに大臣にもお願いをいたしておきたいと思います。大臣、もし何かございましたら。
  77. 小里貞利

    小里国務大臣 保険を中心環境整備、これは、今度の緊急事態下におきまする一連の活動の貢献度、もう申し上げるまでもなく大変顕著なものがあります。したがいまして、当面の緊急対策としての範囲で私は申し上げるわけでございますが、保険を中心に制度上の手続も今後の問題としても考えなければなりませんが、とりあえず今度の貢献度の顕著なことに関しまして、私は対策本部長として、とうといお気持ちに何らかのおこたえをすることを考えなければならぬな、努力をしなければならぬな、こう思っていることだけはひとつ御理解いただきたいと思います。
  78. 小坂憲次

    小坂委員 お考えをいただき、また御努力をいただくことは歩といたしますが、ぜひとも実施をしていただくようにお願いをいたします。  それから、大蔵省来ていると思いますが、大蔵省、自治省に対して、今回の被災者の負担軽減措置、いろいろ考えられているようであります。これについて簡単に、税制及び控除も含めて御説明をいただきたいと思います。
  79. 福田進

    ○福田説明員 今回の兵庫県の南部地震によります被災納税者に対します税関係対応といたしましては、まず喫緊の対応といたしまして、平成六年分所得税の確定申告時期が近づいていることを踏まえまして、国税庁におきまして去る一月二十五日、今回の災害により多大な被害を受けられました神戸市を初め十八市町の納税者の方々につきまして、申告納付等の期限の延長の措置を講じたところでございます。  次なる対応といたしましては、今回の兵庫南部地震によります損害に対しましては、その被害が同時、大量に発生し、また社会インフラの被害も大変人きゅうございます。納税者の生活も困窮していることから、個々の納税者がこうむりました損害に係る所得税上の配慮はできるだけ早い段階で行うことが要請されておりますこと、暦年課税でございます所得税制度におきましては、平成七年に発生した被害平成六年分の所得税に反映させることはできませんが、今回の被害は暦年終了によります平成六年分所得税の確定後申告納付が行われるまでの特殊な時期に発生したこと等々の事情を踏まえまして、緊急を要します臨時異例の措置として、私どもとしては、六年分の所得に対して雑損控除と災害減免法による所得税の減免の選択を前倒しして適用できることとする対応について現在検討しているところでございます。また、災害減免法の所得要件につきましても、引き上げの方向で現在検討しているところでございます。  なお、こうした措置は、これから六年分の所得を申告されます事業所得者等だけではなくて、既に年末調整を行っておられます給与所得者においても確定申告を通じて適用できるようにしたいと考えているところでございます。
  80. 小坂憲次

    小坂委員 ゆっくり十分な、御丁寧な御説明をいただきましたので、どうも時間がなくなりそうであります。自治省も国税と同じような趣旨のもので御対応いただくということだと思いますのでひとつよろしくお願いをいたしまして、特に雑損控除の要件緩和等について前向きに御検討いただきたい。それから、固定資産税の評価等についても、ぜひとも被災者の大変に困窮している現状を把握されて勘案されて、できる限りの要件緩和に努めていただきたいと思います。  それから、新進党の要望にも入れてあるのでございますけれども、通産省の中小企業対策等、それから建設省等も、それからまた大臣にもお願いでございますが、仮設住宅対応はお願いしておりますが、仮設工場並びに仮設店舗につきましても早速に対応していただくようにお願いを申し上げたいと思います。  また、防災局長から最初に現状についての御説明をいただいた中で、住宅確保のところで、五百戸海外より輸入し即時対応を考える、こういう御説明がありました。新進党の要望にも入っておりますが、モービルハウスあるいはトレーラーハウスという形のものがあります。モービルハウスはキャンピングカー、トレーラーハウスというのは住居住宅ですけれども車がついている。応接間もあり、トイレも台所も寝室も全部あるわけでありまして、それから倉庫までくっついている。そして、直ちに住める。水道と電気さえ配管接続をすれば、すべての機能、冷暖房まで完備をしている。こういう設備もあるわけであります。通常の仮設住宅の二・五倍の価格がするということですぐに検討には入られていないようでありますけれども、しかし、ランニングコスト、それから北淡町のように仮設住宅を建てる場所が非常に限られているような場合には後ほど移動ができるというメリットもありますので、こういったものをあわせ検討をいただきたい。柔軟にいろいろな考えられる対応をしていただきたいと思います。  時間が参りましたので、これらについてそれぞれ大臣並びに防災局長から一言ずついただいて、質問を終わりたいと思います。
  81. 小里貞利

    小里国務大臣 トレーラーハウス等の検討はきのうからいたしております。それから、仮設工場、仮設店舗並びに共同店舗、共同工場などのことについては、御承知いただいておると思うのでございますが、高度化資金の適用によりまして九〇%調達いたしました。利子は要りません、二十年間です、そういう大分思い切った措置を既に決定をいたしております。御了承いただきます。
  82. 村瀬興一

    村瀬政府委員 何と申しましても、被災者方々生活の安定といいますか心の安定も含めましたそういった措置全力を挙げなきゃいかぬと思っておりますので、大臣の御指導のもとで全力を挙げたいと思っております。
  83. 小坂憲次

    小坂委員 それでは質問を終わりますが、各省それぞれ、数字を出すと何か対策が進んで一段落したような気になりがちでありますので、ぜひともその実施をフォローして、被災者自身が本当に安堵しているかどうか、そういうことをチェックポイントとして対策をさらに推進していただきたいと心からお願いして、質問を終わります。
  84. 日野市朗

    日野委員長 次に、山名靖英君。
  85. 山名靖英

    ○山名委員 新進党の山名靖英でございます。災害発生以来、本日で二十二日目、初動段階のおくれが指摘をされたわけでございますが、今現地ではつち音も高く復興の兆しが見えておりまして、幾多の課題を抱えておるわけでございますが、まず今日までの関係者皆さんの御努力に心から敬意を表するところでございます。  ところで最初に小里担当大臣にお聞きしたいわけですが、先ほどの冒頭の報告の中に災害対策本部の報告もございました。ペーパーも出ておりますが、私率直に、この緊急対策本部の開催状況を見まして、これでいいのかな、二日に一回あるいは三日に一回、こういう割で開催をされておるわけでありまして、村山総理を本部長とする緊急対策本部が少なくとも連日、日曜祭日返上いたしまして現地対策を講じるのが本来の対策本部のあり方ではないか。単純に事務局のペーパーとして出されて、実質的にはもっといろいろな取り組みがされておるかもわかりませんけれども、率直にそういう感じを受けましたので、そうでなければそうではないと明確にひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  86. 小里貞利

    小里国務大臣 実態を申し上げますが、ただいまお話しの緊急対策本部、村山総理大臣本部長でございまして、私は副本部長で、閣僚が構成メンバーでございます。今まで開催されました回数は七回でございます。中身は、高度な政治判断及び行政方針等を整理する必要があるというような場合に開かれております。しかも、これと一体となりまして私が本部長となる非常災害対策本部設置しであることは御承知のとおりでございまして、この非常災害対策本部が常時機能をいたしております、かように申し上げていいかと思う次第です。  決して十分ではございませんが、非常災害対策本部が具体的執行面を、各省庁から中堅幹部に出向いただいておりまして、そして大臣特命室のもとに御集合いただき、総勢三十名ぐらいで、いわゆる横の連携を周到にとりながら時の課題を機敏に取り上げまして、各省にそれを連絡いたしながら、そしてそれを直ちに吸い上げまして、そして一元化して現地に移す、あるいは県、市と連携をとる、さような形で行われておるわけでございます。緊急対策本部も、今申し上げました後者の非常災害対策本部と常に、組織網と申し上げていいぐらい業務の上では一体となって遂行に当たっておりますので、御理解いただきたいと思います。     〔委員長退席、石橋(大)委員長代理着席〕
  87. 山名靖英

    ○山名委員 少なくとも、今回の災害発生時以来の立ち上がりが極めて明快でなかったという多くの皆さんの批判があるわけでございまして、世論調査を見ましても、やはり政府の初動段階の手の打ち方の遅さに対する批判というものが六割を占めている世論調査もあるわけでございまして、ある面では対応がおくれたためにとうとい人命を失った。これは天災ではなくて人災だ、こう叫んでいる人も数多くいらっしゃる。こういう実情の中で、私は、この体制面のあり方、まだ今なお縦割りがそのまま生きているようなこういった問題はやはり是正をしなければならない。  今大臣がおっしゃったように、いろいろな諸課題について政治的に判断をすべきものを直ちに一元化して、あるいは現地と連絡をとりながら支障のないようにしておるということでありますが、私は、省庁、閣僚、総理を筆頭に皆さんがもう連日のごとく額を集めて、そして現地本部長である小里大臣報告を聞きつつ本当に一致団結してこの対応に当たらない限り、人災という批判は免れないのじゃないか、こういうふうに思っておる次第でございます。  ともかく、今後、この問題についてはこれ以上言及いたしませんけれども、幾多の問題もまだ横たわっておるようでございますので、迅速かつ的確な手を打っていただく、このことを要望させていただきます。  次に、教育問題で先ほども若干お話が出ましたけれども、私の方からも何点かの問題についてお伺いをしたいと思います。  まず、今回の阪神大震災におきまして、阪神間の公私立の小中高校の被害状況、これは先ほどの答弁で調査したというふうにお答えをいただいたわけでございますが、どういう状況になっているのか御報告を賜りたいと思います。
  88. 玉井日出夫

    ○玉井説明員 文部省の施設助成課長でございます。お答えを申し上げます。  二月六日の午後五時現在の状況を申し上げますと、文教施設及び文化財の被害施設数といたしまして、いわば文部省関係のものでございますけれども兵庫、大阪合わせまして、全体で四千四百五十八施設の被害が見受けられます。学校関係で申し上げますと、公立学校だけでも約三千カ所以上の被害を受けております。その中でかなりの学校が甚大な被害を受けているというふうに報告を受けておりまして、現在その具体的な状況について調査をし、復旧に向けての準備及び努力をしているところでございます。  以上でございます。
  89. 山名靖英

    ○山名委員 学校施設三千カ所以上の被害、具体的な規模等については今詰めを検討しているということです。我々、新聞報道でしか知り得ないわけでありますが、実際、二百八十校以上の学校が建てかえもしくは大規模な改修・改築工事が必要ではないか、こういうふうに報道をされております。とともに、倒壊、全壊、半壊等、一部損傷等もあるわけでございますが、被害の比較的少ない学校については、今なお十五万人以上の避難民の方が避難生活を余儀なくされている、こういう実態が出ておるわけでございます。そういったいわゆる避難民皆さん生活のために提供をしておる学校、教室ですね、したがってそういう点で授業が再開できない、こういう要因になっている学校については実態としてはどれぐらいありますか。
  90. 河上恭雄

    ○河上説明員 お答えいたします。  被災地域の多くの学校におきましては地震の発生直後から休校措置がとられまして、公立の小中高等学校で申しますと、一月十八日、地震の発生した翌日でございますけれども、五百五十九校が休校でございましたけれども、その後徐々に登校が開始されまして、一週間後の一月二十二日で休校が半分の二百七十五になりまして、二月六日現在では八十八校となっております。  現在、被災地域の多くの学校は、御案内のとおり被災住民の避難所として提供されております。今後、住民生活の安定ということを基本に置きながら、児童生徒の安全確保あるいは学習場所の確保などを図りまして、自分の学校だけでの再開が難しい場合にはほかの学校あるいはほかの施設の利用、あるいは二部授業といったような工夫も行いながら、授業再開が進められているところでございます。また、休校している学校におきましても、例えば定期的に児童生徒を登校させまして、いろいろな注意を与えたり、学習活動をさせるなど、学校教育活動の再開に向けて取り組みが行われております。  文部省といたしましては、学校施設の安全点検あるいは仮設校舎の建設、それから教科書、学用品の支給といったような形で、学校における教育活動ができるだけ早期に再開できるように万全の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  91. 小里貞利

    小里国務大臣 わかりやすい形で一つだけ御紹介申し上げたいと思いますが、先ほど避難者方々がきょう現在二十四万人、こういうふうに申し上げました。その中の十五万人が小中高等学校にお世話になっております。実例を申し上げますが、三日の日に、ある避難所、中学校に参りました。校長先生にお伺いしましたら、生徒数が三百名だ、しかし避難者は一千五十名いらっしゃる、そういう状況でございまして、一応御紹介申し上げておきます。     〔石橋(大)委員長代理退席、委員長着席〕
  92. 山名靖英

    ○山名委員 実際、十五万人の方が学校施設で避難生活をされているという実態を見るにつけ、早く仮設住宅あるいは公営住宅等確保をして、本来の学校教育の場が回復できる、このようにしっかりと手を打つことは極めて大事だと思います。避難者の方の生活が最優先である、そのために学校の教育が多少おくれてもまず生活を守ることからだ、こういう考えに私も当然同調はいたしますけれども、いつまでもというわけにはこれはいかない。したがって、小里大臣としてこれはもう本当に声を荒げて、一日も早い仮設住宅、この住宅確保生活の場の確保というものにまず全力を挙げていただきたい。  これについて、具体的にいつぐらいまでにほぼめどがつきます、したがってこの二百七十五校の休校の学校については授業が再開できます、このような一つの目途、これを決意も含めてお聞かせいただきたいと思います。
  93. 小里貞利

    小里国務大臣 非常に今の、当面と申し上げますか、きょうのこの時点におきまして重要な問題点を今御指摘いただいておると思うのです。実は、けさ方も総理大臣ともお話し申し上げましたが、官房長官と特に協議を申し上げました。お話の二十四万人というこの避難所避難者方々のこれからの対応、現実にきょう自体の、言葉としてはどうかと思いますが運営、言葉としてはあるいはなじまないかもしれませんが管理というものは、保健、衛生医療等々、そしてこの厳しい塞ぎの中、大変な状況であります。あわせまして、その過半数の十五万人が学校施設においでになるわけでございますから、私どもも責任重かっ大にこれを受けとめております。  では、ただいま先生お話しのとおりこの二十四万人を、微減でもよろしいがとにかく日々この数値を極力減らしていかなければならぬわけでございまして、その対応策として、けさほども話が出ました一つといたしまして、まず水の問題もある。ガスの問題もさることながら、水の問題を特に急ごうじゃないか。断水、御案内のとおり三十万前後でございますが、これらを解決しますとまたそれがこの二十四万を直接的に減らしていくことにもなるだろう。あるいは先生指摘仮設住宅中心にいたしました一般住宅、これも準備をし、かつまた、その方向にできるだけ機敏に移行をしていただくことを督励いたしておるところでございます。  お断り申し上げておきますが、仮設住宅の方が一番簡便でそして入りやすい、なじみやすいということは私どももよくわかっておりますから、その三万を可能な限り、できるだけ早くひとつ完成して早くお移りいただくように、もう全知全能を絞っておるところでございますが、現段階では契約にいたしまして二万二千、そして着手をいたしましたのが一万一千から一万二千、そういう状況でございます。仰せこの現品が、緊急なことでございましたので、国内では、あるいはこれから計画、量産をいたしましても、なかなか間に合わないという側面もございますから、外国住宅等も各方面にもう既に十数日前から手配をいたしておりましたが、やっと、先ほど御報告申し上げましたように五百戸から六百戸程度あった。  そのほかに、今度はいろいろ知恵を出しまして、プレハブに準ずるようなこともやろうといたしておるところでございますが、ここで一つ御理解いただきたいのは、罹災者の方々は、幾ら一般住宅を準備いたしましても、仮設住宅に準ずるようなものを準備いたしましても、やはり自分たちが住んでいたその集落の周辺に非常に注目を、愛着を持っていらっしゃるという潜在的な傾向がございまして、その辺をもう一度検討を加えなければいかぬかな、そう思っております。実はきのうも大阪市の西尾市長あるいは大阪府の中川知事ともじきじき相談をいたしましたが、やはり県外では幾ら準備をいたしましてもそれが消化には非常に乖離があるようでございますので、もう一工夫も三工夫も踏み込んでやらなければならぬと思っております。
  94. 山名靖英

    ○山名委員 答弁は時間がありませんのでできるだけ短くお願いします。  実際、今学校等で授業が再開されているところにおきましても、実質的に授業じゃないんですね。先生が用意したプリントに若干記入をしたりはしておりますけれども、ホームルームを主体にしたり、本当に実質的な授業という意味での再開がいつになるのかこれがやはりこれからの学習カリキュラムのおくれに極めて大きな影響を与えてくる。特に受験生なんかは本当にそういう意味では、三学期の授業が百時間、百五十時間受けられなければ受験そのものに相当影響を与えるわけでございます。したがって、地元的には先般校長会から、出題範囲からこの三年の三学期の授業の学習内容をもう試験から外してくれとかあるいは出願の資料をもっと簡便に、要するに写真を張ったり印鑑張ったりそういった手間も省略してくれとか、いろいろな要望が出されておるわけでございます。  やはり、子供の心が傷ついた今回の震災、子供は明るく今立ち上がろうとしていますけれども、実際友達と一緒に学校へ行って授業ができない、この心の痛みはさらに大きいわけでありまして、そういう意味でも、大臣も真剣に取り組むというふうにおっしゃっていただいておるわけでございますが、特に、この学習カリキュラムのおくれについて今後どう対応するのか、そして受験生に対する配慮をどうされるのか、この辺について明確な御答弁をお願いしたいと思います。
  95. 河上恭雄

    ○河上説明員 授業ができない間の措置としまして、例えば今、神戸市の教育委員会では、特に受験を控えた中学三年生につきまして、一月の下旬から市内すべての中学校、休校している学校すべてでございますけれども、三年生だけ生徒を登校させまして、避難に使われていない教室で教師がついて学習させるような措置を講じております。また、中学校のほかの学年あるいは小学校につきましても、授業が再開できない場合でもできるだけ子供たちに登校させまして、使える場所を使いまして半日程度学習会とかレクリエーションなど何らかの指導を行うようにしております。  休校によります学習のおくれへの対応につきましては、文部省としましても一月の二十七日付で、可能な限り補充のための授業その他必要な措置検討するよう求めております。また、学年の課程の修了あるいは卒業の認定に当たりましても、今回の震災の深刻な状況に留意して弾力的に対処するように指導をしております。  補充のための授業等についての具体の方法につきましては、学校それぞれの状況が異なりますので一概には言えませんが、文部省としては、今後における授業再開の拡大の状況を見ながら、補充指導の必要の程度あるいは可能な補充指導の方法などにつきまして、県、市の教育委員会と相談しながら適切な指導をしてまいりたいというふうに考えております。
  96. 山名靖英

    ○山名委員 ぜひ被災した受験生にとって不利にならないように弾力的な措置を講じていただきたいし、文部省としても積極的に、地元の市教委や県教委に任せるのではなくて積極的なリーダーシップをぜひとつていただきたい。地方分権が叫ばれていますが、こういう災害時は全く別問題でありまして、ひとつ的確な対応を要請しておきます。  時間がありませんので、次に参ります。  今回のこの震災の地域、特に神戸市長田区等は非常に在日外国人の皆さんが多数居住をされておるところでございます。日本に来て日本人と同じく生活をしながら今回こういった大震災に遭って、まさに筆舌に尽くしがたい不自由な生活を合されておるわけでございまして、身内の多い日本人と比べ、親兄弟も少ないこういった外国人の皆さんにとって、やはりこの寒空は厳しいもの、このように思っております。  実際、こういった外国人の居住しておられる地域が今回の震災に遭ったわけでありまして、それなりのやはりきめ細かな対応というものが求められるわけではございますが、この外国人の皆さんのいろいろな悩み、そういった震災における相談の窓口、これが設置されたのは震災発生後一週間なんですね。地元のいわゆる民間ラジオがいろいろな情報を流したり、あるいは民間局が電話サービスをしてみたり、こういった手を打って、何とか外国人の皆さんの不安を解消しようと努力をしていたわけでございます。  ともかく、現在、在日の外国人の皆さんがいろいろな形で相談をする場合、国の機関としてそういった窓口が今存在しているのかどうか、このことについてお伺いしたい。また、その中で特にどういった内容が寄せられているのか、これについて御答弁をお願いいたします。
  97. 小里貞利

    小里国務大臣 先生お話しのとおり、国際化の進展、なかんずくあの兵庫地域というのは非常に外国人の方々が多い地域でございます。日ごろの防災、標識等においても心得られておると承っておるところでございますけれども、今回のそれらの外国の滞在者の皆さんに対する緊急対応措置、ただいま一週間云々のお話もございましたが、確かに率直に申し上げましてそのような反省点がないわけでもないと私は思っております。  一週間、十日ぐらい前の話でございますが、それらの対応も反省されまして、今日現実に必要な措置は可能な限り早くとろう、そういうようなことで、県の方には私どもの方から具体的に御相談を申し上げたところでございます。
  98. 山名靖英

    ○山名委員 そこで、これは確認をしておきたいわけでございますが、やはり外国人の皆さんが日本で生活をし、そして日本人と同じく税金を払い、そして社会保障費も払い、日本で定住されておるわけでございまして、こういった皆さんがやはり日本人と同じような法の適用を受けるということが、こういった場合特段私は重要なことだと考えます。したがって、現行いろいろな形で、融資の問題、あるいは先ほどの減免法の問題だとかいろいろな法が今存在しておるわけでございますが、そういった中に国際条項的な項目が存在しているのかどうか、そういう法が今あるのかどうか、お教えいただきたいと思います。
  99. 小里貞利

    小里国務大臣 先生の今のお話災害情報の話であろうかと思うのでございますが、それであればきちんといたしておる、十分ではございませんがその措置はとったという報告でございます。
  100. 山名靖英

    ○山名委員 この問題についてはまだ別途御質問したいと思いますが、特に問題として残る外国人登録証だとかパスポートとかいろいろなものについて、紛失した場合、やはりきちっとした対応をしてあげなければいけない、特にいわゆる再交付の場合の手続の簡素化なりあるいは延長なり、そういったものもやはり配慮をしていかなければいけない、こういうふうに思っております。  いわゆる災害補償制度といいますか弔慰金制度、これについても在日外国人の皆さんに適用される、このように確認をさせていただいてよろしいでしょうか。
  101. 小里貞利

    小里国務大臣 まず、災害に関する事務の手続、外国の方々に対する機敏な、そして細やかな、親切な措置をとるということはやっておるつもりでございますが、今防災局長にも早速御相談したところでございまして、せっかくのお話でございますので、この委員会終了後、即刻連絡を現地ととりまして再度確認いたしたいと思います。  なお、弔慰金の問題でございますが、これは国内同様に措置されるものと承っておりますが、もう一回確かめまして先生に御連絡申し上げたいと思います。
  102. 山名靖英

    ○山名委員 今後の課題も含めて、今までのあり方から見ましていわゆる民間賃貸住宅への入居が外国人の皆さんには極めて厳しいのですね。家主さんが貸し渋るという傾向が強いわけでございます。イギリスやドイツなどは、立法措置で、いわゆる住宅の賃貸借あるいは譲渡について人種上の差別を禁止いたしまして、外国人が不当な扱い、不利益にならないような、そういう立法措置を講じておるようでございます。  こういった時期にかんがみまして、やはり外国人の皆さんが、先ほど言いましたように我が国で住みやすいような環境と、そういった生活が保障されるような場というものをこれから講じていく、考えていく必要があるのではないか、このように考えるところでございますが、その点についてお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
  103. 小里貞利

    小里国務大臣 法務省当局で今ちょっと事務調整いたしておるようでございますが、時間の関係もございますから。  先ほどから、外国人の方々に対する一連の対応措置、特に今次の緊急災害対応措置については保険の手続からいろいろさまざまお聞かせいただきましたが、それらをもう一回まとめまして再検証し、そして、親切にして機敏にやれという先生お話でございますが、それらに沿うように再点検いたしたいと思っております。
  104. 山名靖英

    ○山名委員 では次に参ります。  今回の被災に当たりまして、近隣の市町村あるいは全国の市町村から職員の皆さん派遣をされまして、救援活動等に全力を挙げておられるところでございまして、本当に御苦労さまでございます。  神戸あるいはその近隣の被災を受けた市町にとりまして、職員の皆さんは実際日常的な業務はもうできない状況。そして、今やられていることは、物資の配付と炊き出し、そういう避難民に対する援助活動、これが大半の業務になっておるわけでございます。やはり、日常的な行政事務が円滑に進むためにも、いま一度そういった派遣体制を点検していただいて、地元の職員の皆さんが本来の業務に携われるような十分な配慮というものをぜひひとつ行っていただきたい、このように思うところでございます。  自治労が八百人の職員を派遣しようというふうにお決めになったようでございますが、組合がやることであって具体的な行政における業務ではありませんので当然これは有給休暇ということになろうかと思いますが、この際、出張公務扱いという形にお考えになれないかどうか。そのことを見解としてお伺いをしたいと思います。
  105. 朝日信夫

    ○朝日説明員 お答えを申し上げます。  私ども自治省といたしましても、各地方公共団体に対しまして、幅広い職種にわたります職員派遣によります支援に特段の協力を行うようお願いしているところでありまして、その際、地方公共団体がそれぞれに設けております支援対策本部の決定あるいは支援対策の決定の方針等に基づきまして、災害応急対策等に係ります人的支援のために職員を派遣する場合につきましては、公務出張扱いとすることについて適当であろうというふうに考えたところでありまして、その点も踏まえながら、各地方公共団体それぞれにおきまして人的支援実施につきまして対応されるようお願いしているところであります。
  106. 山名靖英

    ○山名委員 時間が参りましたので終わりたいと思いますが、最後に一点だけ御要望を含めてお願いしたいと思います。  今回大変ボランティアの皆さんが御活躍をされておりまして、私は日本のそういったボランティアの力というものを本当に如実に見る思いがいたしました。これからのいろいろな災害対策を含めた形の相互扶助という精神をさらに強く培うためにも、今回落ちついてからで結構でございますが、ボランティア団体への顕彰制度、感謝状を含めて、そういったものをぜひお考えいただきたい。  もう一点、アメリカ等で今育っているNPO、非営利団体、こういったいわゆるボランティア団体の育成というものもやはりしっかりこの機会にお取り組みをいただきたい、このように要望をさせていただきます。  その点について、小里大臣から御答弁ありましたらお伺いしたいと思います。
  107. 小里貞利

    小里国務大臣 ボランティアの皆さん活動、実にその貢献度は顕著なものである。先ほども申し上げたところでございますが、当面の緊急対策本部長の私としてもこれは何らかの対応をしなければいかぬ、謝意を表したい、そういうような一つの気持ちで心得ていきたいと思っております。
  108. 山名靖英

    ○山名委員 通告どおり質問できませんで、関係皆さんに御迷惑をおかけいたしました。以上で終わります。ありがとうございました。
  109. 日野市朗

    日野委員長 次に、石田祝稔君。
  110. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 本日は具体の問題についていろいろとお聞かせをいただきたいと思います。きょうのテレビを拝見しておりましたら、見舞金の支給に皆さん列を並んでいらっしゃいまして、その中で、今お金が欲しい、こういうふうなお話もございました。いろいろとこれから御配慮等もいただけるだろうと思いますが、その中できょうは地震保険についてお伺いをしたいと思います。これは支払い等も含めて、だんだんに御答弁をいただきたいと思っておりますから、よろしくお願いをしたいと思います。  地震保険の加入状況、これはいろいろなところで言われておりますけれども、全国レベル、または兵庫県等、わかりましたら簡単にお答えをいただきたいと思います。
  111. 浦西友義

    ○浦西説明員 地震保険の加入状況でございますが、お答え申し上げます。  全国的に見ますと昨年十月現在の時点で普及率は七・二%になっております。そのうち兵庫県はそれよりも低い水準でございまして、三・〇%というふうになっております。ただ、火災保険に対します地震保険の附帯率で見ますと、全国ベースで約一五%、兵庫県で約七%となっております。
  112. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 今御答弁がありましたとおり、全国では地震保険に入っている方が七・二%、これは全世帯の割合で七・二%、それで火災保険に入ってさらに地震保険に入るわけですから、火災保険に入ってなおかつ地震保険に加入する人が一五%。兵庫県ではそれぞれそれが全世帯の三%、また火災保険に入った人で地震保険に入った人が七・二%、こういう非常に少ない数字でございます。  これは私も今思い出しますと、雲仙・普賢岳の災害がありましたときに、あのときもやはり噴火等で被災に遭われた方には保険が出ない、こういうことで地震保険が注目をされましたけれども、その後、災害等が余り大きなものが出なかった、こういうことで、地震保険に加入した人がふえたようには聞いておりません。ですから、今回いろいろな意味で、直下型の地震、非常に大規模な被害が出ているその中で、地震保険にも加入しておればな、こういう方もたくさんいらっしゃったと思います。その意味では、この加入を税制の面からもいろいろな形で応援をして、地震保険、せっかくあるのですから、これは入れるようにしていくべきではないのか、こういうふうに考えております。  それで、ちょっと角度は変わりますけれども、火災保険は、地震に際して起こった火災についてもこれは支払わない、地震保険に入ってなければ支払えない。ですから、通常の火災保険に入っていれば地震の揺れがおさまって火災になった場合は出るのじゃないか、こういうふうに思っていらっしゃった方も、地震保険でなければ出ない、こういうことで、一体地震が発生をしていつの時点以降だったら通常の火災保険で火事になった場合出るのか。テレビ等見ておりますと、地震の発生から数日たって火災になっているところとか、いろいろな意味でどこからどこまでが地震なのか。  結局そこのところで、これは地震ですから免責ですよ、こういうふうにずっと言われれば、せっかく火災保険に入っていても出ない場合がある。ですからそこのところを、どこまでを一つの区切りとして考えていらっしゃるのか。ちょっとそこのところが余りはっきりしていないのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、これは一体どういうふうな立て分けをされているのでしょうか。
  113. 浦西友義

    ○浦西説明員 地震の発生と火災の発生時期、それと火災保険、地震保険の関係についての御質問でございますが、これにつきましては、地震直後の火災だけが免責になっているというわけではございませんでして、地震によります直接または間接の原因によります火災につきましても火災保険の対象外となっておりまして、いついつまでは対象外、いついつまでは対象とするというふうな明確な期限で区切っておるわけではございません。
  114. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ですから、そこが不明確なんですよね。  要するに、地震保険を多分勧誘される、またこれは地震保険が損保会社の全然利益になってない、こういう会社の方の言い分もあるわけですけれども、制度としてある以上、また保険料を徴収している以上は、やはりある一定の明確な基準を出さないと、地震による直接間接の火災は免責です、こう言われれば我々は、被災した場合に通常の火災保険に入っている人は一体どこまで救われるのか。ですから、直接間接という言い方によって全部そこに突っ込んで、免責条項に逃げ込もうとして、言葉は悪いですけれども、そちらの方に入り込んで、保険金を払わない、保険金を支払おうとしない、こういうことになるのではないのか。  ですから、そこのところを、今回の地震に関しても一体どういうふうに立て分けていくのか。裁定する人が、いやこれは地震による間接の被害だ、間接の火災だから、おたくは入っていないから五%ですよ、こういうことでは非常に困るわけですから、そこのところをどういうふうに立て分けて、実際保険に入っていらっしゃる方が、自分のところは火災保険しか入ってなかったのだけれども地震発生からしばらくたって残念ながら燃えちゃったけれども、火災保険で対象になる、こういうふうに安心ができるかどうかということですね。また、保険としてそういう不明確な部分を残している約款が非常に問題ではないか、私はそういうふうに思いますけれども、ここのところはどうこれから整理されるおつもりですか。
  115. 浦西友義

    ○浦西説明員 地震発生後しばらくたちました火災と火災保険の関係でございますが、先ほど申し上げましたように、地震によって直接または間接的な影響を受けて発生した火災については火災保険の対象外となっておるわけでございますが、そうした損害につきましては、地震保険で入っていただいている方については地震保険でカバーするというシステムになっておるわけでございます。
  116. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ちょっと、言っている質問の意味をちゃんととらえて答えてもらいたいのですが、地震保険に入ってない人で通常の火災保険に入っている、地震発生後ある一定の時間がたった後で火災になった、それを、地震による間接の火災だ、地震と関連しているから通常の火災保険では出ないというくくり方をされると、一体その火災保険というのは何だったのか。一体いつまでこれは、ある意味で言えば免責というところに入っていくのか。免責ということで全部処理されて、通常の火災保険では五%、地震の場合五%出るらしいのですけれども、それで終わってしまうのか。結局そこのところがあいまいなんですね。  これをはっきりとしないと、何のために火災保険に入っているのか、こういうことにもなりかねないわけですね。ですから、そこのところをどういうふうに整理されるのですかと聞いているわけです。地震保険と火災保険の整理の話を、保険上の整理の話をしているのじゃなくて、今回の災害で具体的にはどういうふうに、火災保険しか加入してない人がいつぐらいからの火災に対して救われるのかこういうことを聞いているわけです。
  117. 浦西友義

    ○浦西説明員 お答え申し上げます。  地震後の火災と火災保険の関係でございますが、約款上は、先ほどから申し上げておりますように、直接または間接による火災が対象外になっておるわけでございまして、火災保険の保険料がそういった前提に基づいて計算されておるという仕組みになっております。いつまでの火災という日数についての期限というのは約款上書いてございません。個別の話につきましては、それぞれの事実関係の認定の中で判断されるということでございます。
  118. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 やはりちょっとわかりにくいのですよね。わかりにくいという声が今与党の方からも出ましたけれども、そうしたらこういう例はどうですか。電気の復旧をした。そして、地震があって大急ぎで逃げたものだから、結局電気設備がそのままになっている、ブレーカーは上がったままだ。そういうところに通電をして火災になった、こういう場合もあり得ると思うのですね。これは、こういう電気の復旧に伴って、本人がいない、一々確認しないで、電気を早くつければ喜んでくれるだろうと一生懸命やっていただいたと思うのですよ。それが、中で通電をしたために結局そこが極端に言えば火元となって燃えてしまった。こういうのも間接の中に入るのですか。
  119. 浦西友義

    ○浦西説明員 個別の具体的なケースの適用に当たりましては、現地での損害査定のところで具体的事実に即して判断されることになるわけでございますが、一般論として申し上げますと、地震が起きたことによってそういった状況が生まれたということであれば、そういった状況地震による火災というふうに解釈されております。
  120. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 その大蔵省の考えは、要するに「風が吹けばおけ屋がもうかる」という理屈ですよ。風が吹いたら目にごみが入って、それがもとて目が不自由になって、そしてあんまをする人がふえて、そうすると猫の三味線が要って、最後は猫がいなくなってネズミがおけをかじるという、理屈をつければそういう理屈で通るわけですよね、ずっと。だけれども、さっき言ったように被災がおさまって電気設備を復旧した後の通電なんというのは、これは復旧の過程の話であって、地震そのものというふうに全部結びつければ全部そうですよ。これから、例えば阪神経由していろいろなことが起きてきますよ、神戸関係していることが。そうしたら全部地震関係だ、そうならざるを得ないという理屈ですよね。  ですからそういうことではなくて、直接間接というふうな、だれが聞いてもわからない、ある意味では専門家が出てきて私は専門家ですからこうですよと裁定されたら素人は何も言えない、掛金を払ってきた人が何も言えないようなことではやはり私は困ると思うのです。ですから、直接間接とか、その意味はどういう意味なのか。また、日数としてはどういうふうな区切りをつけて地震保険と火災保険の差をつけているのか。とにかく、そこのところをもうちょっとはっきりお答えをいただきたい。  ですから、これは個々の保険に入っている人の具体に合わせてという話ではなくて、特に電気を通電したときにそこでそれが火元になった、こういうふうに私ははっきり言っているわけですから、そこのところをどういうふうに、地震保険のもともとの趣旨に照らしてどうなのか、こういうことを聞いているわけですから、もうちょっとはっきり言ってください。
  121. 浦西友義

    ○浦西説明員 火災保険の約款におきます地震についての取り扱いについて御答弁申し上げます。  約款に即して御説明申し上げますと、地震等によって生じました損害、それは対象外になるわけでございますが、それからさらに延焼または拡大した場合、それについても対象の外。それからさらに、発生原因のいかんを問わずこれらの火災が地震等によって延焼または拡大した損害についても対象外である。  すなわち、火災保険の保険金の対象といたしましてそういったところを約款として取り入れるという考え方もあるわけでございますが、そこは保険料との関係でございまして、現在日本の火災保険につきましては、地震によって生じます大規模なそういった延焼を含みます火災を除外した形で火災保険の商品として設計されておりまして、地震につきましては地震保険がそれらのリスクをカバーする。したがいまして、火災保険契約自体は基本的に原則自動附帯ということになっておりまして、契約者の方がみずからの意思で地震保険に入られないということを意思表示されまして押印されますと、そこは地震保険に加入されないということでございますが、結果といたしまして兵庫県の場合、地震保険の普及率が大変低くなっていたということでございます。
  122. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 大蔵省の答弁、やはり私は非常に不満です。あなたの勉強不足だと言われるかもしれませんけれども、率直に保険二課長の御答弁を聞いておりましても、やはりそこはうまく立て分けができていなくて、何となく直接間接の言葉に全部逃げ込んでいるというような気がするのですね。ある意味でいえば、地震がなければ通常の火事と同じ扱いになる人も、結局地震だ、こういうことで、通常の火災なら火災ということで処理される部分も地震という部分に逃げ込まれているんじゃないかこういう気がするわけですね。ですから、普通、地震が起きて何日もたった後にいろいろなことで火災になった、これは直接間接を問わず地震保険とは切り離して、やはり通常の火災保険の中で救済をしていく。せっかく掛金を掛けているわけですから。そういうことにしていくべきではないだろうか、こう私は思います。  大臣、通告はしてございませんけれども、今のやりとりをお聞きになっていて、いろいろ保険の話ですから被災者の立場に余り立ち過ぎるということができないかもしれませんけれども、率直にどういうふうに思われますか。これは大臣としての、政治家としてのお考えを若干お聞かせをいただければありがたいです。
  123. 小里貞利

    小里国務大臣 率直な感じを話せ、そういうことでございますが、まず、ただいまの大蔵省の説明は所定の事務原則に立ってのお話だ、フェアに私はお伺いしなければならぬ、こう思うのです。そしてまた、それは契約という双当事者間の一つの基本があるわけでございましょうから、ただ、先生が再度私にお伺いなさったそのお気持ちなるものもわかります。ぜひひとつ、ただいま御説明いただきました当事者、所管課は、先生のお気持ち、そういう一つのニュアンスもお聞かせいただいたということを含めて、いろいろ研究いただくと思いますが、原則は原則がな、そういう気持ちでございます。
  124. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 大臣、率直なお考えをお述べいただきましたけれども、この原則の部分が、さっき申し上げましたように約款の直接間接というのが非常にはっきりしない。間接といえばどこまでも間接になるから、ですからさっき私が言った、変な例えですけれども、「風が吹けばおけ屋がもうかる」みたいな理屈でつながっていくんじゃないか、こういうことを申し上げたわけです。これはちょっときょうは結論は出そうもありませんから。  結局私は、この部分も含めて、地震保険、災害があったときにはやはり入らなくてはいけないと大変注目を浴びる。ですけれども、それがまた、だんだんと災害復旧してきて通常の生活に戻ってきたときに、やはりこの保険料の高さとかいろいろな意味で、一年目は入ってもその次の年はやめてしまうとかそういうことではないだろうかと思うのですね。  それで、税の方でちょっとお聞きをしたいのですが、今、損害保険料は所得税控除の対象で、年間一万五千円まで所得税控除の対象になる。税額じゃなくて所得税控除ということですから、ここのところで、一万五千円といいますと通常は火災保険を掛ければそれで終わりなんですね。ですから、さらに地震保険の方までインセンティブが働かないということになっております。  ですから、この所得税控除を二本立てにするなりして、通常の損害保険ともう一本、この地震保険という項目をつくるなりして地震保険加入へのインセンティブを考えるべきではないだろうか。特に兵庫県は全家庭の三%ということですから、それも非常に兵庫自体は危ない地域なんですね、地震マップで見ますと。そういう状況もございますから税の方からの誘導も必要ではないかこういうふうに思いますけれども、主税局、この点はいかがでしょうか。
  125. 福田進

    ○福田説明員 従来からこの損害保険料控除の所得税制上のあり方につきましては、現在の損害保険料控除制度を国民の自助努力支援する見地から検討すべきであるという御意見が一方でございます。他方で、この制度の保険加入のインセンティブ効果には疑問があって、むしろ課税の適正公平の見地からは損害保険料控除等の租税特別措置の整理合理化が必要である等々との議論がございます。  いずれにいたしましても、今、石田先生指摘の点につきましては、既存の損害保険制度等をどうするのかそれよりも前に、今まさに御議論ございましたように地震保険の商品性をどうするのかといった点、それから納税者の加入の動向等も見きわめつつ、私どもとしては慎重に議論させていただくのが重要ではないかと考えております。
  126. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 その件で福田課長にちょっとお伺いをしたいのですが、いろいろと御議論はあるだろうと私は思います。特に、租税特別措置そのものが要るのか要らないのかという議論に最後は行くわけですね。  だけれども、租税特別措置を残している理由というのは、やはり税の方からある一定の政策的誘導をしよう、そして、一〇〇%国民みんなが入れば、租税特別措置、税の誘導というのはある意味でもう必要ない話なんですが、さっき言ったように兵庫県で三%ですか、そうするとこれは、政策的に、今回の災害等もかんがみ、やはり地震保険にある意味で言えば加入していただいた方がいい。そして、自分の常日ごろの掛金でまさかのときに備える。こういう租税特別措置の持っている役割そのものが、まさに今、そういう誘導的な措置ということで求められているんじゃないか。こういうふうに思いますけれども、これはどうでしょうか。
  127. 福田進

    ○福田説明員 今、損害保険料控除のことでお答えさせていただきましたが、他方でもう一つの控除が、生命保険料控除がございます。これは先生御案内のように二本立てになっておりまして、一方についてはかなり高い加入率でございますが、現実問題として整理合理化が議論になっております。たまたま昨年の与党の税調でもそれが議論になりまして、見直そうということでございます。  今先生指摘の点、つまり、新しく政策的なインセンティブを与えて地震保険についての制度を拡大するのがいいのか、そのときに既存の損害保険制度、これも三十年経過しております、それをそのまま存置したままで残すのがいいのか、そういった点。さらには、まさに申し上げましたように、地震保険の商品性自体が本当は魅力あるものであるのが第一であって、その魅力あるものをより一層魅力あるものにする、インセンティブを与えるというのはいわば一種の政策税制であると考えますので、そういった商品性、それから納税者の加入される動向、そういったものも含めて、私ども慎重に検討させていただきたいと考えております。
  128. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 短い時間ではなかなか議論は尽きないところだと思いますけれども、やはりこれは、ある意味で言えばインセンティブを与えて加入率を高めていく、そしていざというときにはそういう部分で対処していただく、それは結局、税の方で対応するわけですね。ですけれども、余りにも、そういうインセンティブというものを考えないで今のままでいい、こういうことでいくと、ある意味では今度は質の方で面倒を見なくちゃならぬ。ですから「税の方で誘導政策としてやって、掛金をしっかり掛けていただいて、再保険等も国がやっておるわけですからそういう部分で、ある意味では危険の分散と申しますか、負担の分散をしていくような考え方をしていかないと、一挙に歳出の方にどっと負担がかかってくるわけですね。  ですから、御自分ができないところ、福田課長はちょっと首をひねっておられますけれども、実際、生活ができないということになってきていろいろなことが出てきたときに、やはり公共の方、支出の方に歳出圧力は強まってくると私は思いますよ。それはあくまでも個人のことだからやらないということであれば別ですけれども、いろいろな意味で、これはずっと突き詰めていけば税と歳出でやるのかという最終的な議論にもなってくると私は思います。  ですから、ここのところは、租税特別措置を残されているという観点から考えると、やはりこの地震保険というものを、ある以上は存続させて、国が一兆八千億のところまでしっかり面倒を見て、地震特会ですか 一兆五千億ぐらい見ているわけですから、そういうものを残している限りは政策的な誘導も考えていくべきだ、こういうふうに私は思います。  これはまた議論をさせていただくとしまして、それでは、時間の関係もあるのですが、この保険金の限度額が非常に低いのではないかということと、それから保険金の支払いですね、これはどういうふうな目途で、いつごろをめどに順次始められるのか、この二点をお聞きしたいと思います。
  129. 浦西友義

    ○浦西説明員 地震保険の限度額についての御質問でございますが、現在、地震保険につきましては、建物につきましては一千万円、家財につきましては五百万円の限度額が設定されております。これは昭和四十一年に地震保険が創設されたわけでございますが、当時は建物九十万円、家財六十万円だったわけですが、それぞれ見直しを行いまして、現在、今申し上げたような水準になったわけでございます。これにつきましては先般、地震保険の商品内容につきまして大蔵大臣から指示がございまして、事務当局といたしましてもその検討を開始させていただいたところでございます。  それから、今回の大震災に関連いたします保険金の支払い事務につきましては、現在、全国各地から三千名近い損害査定員を神戸中心とした地域に各社派遣しておりまして、損害査定を急いでいるところでございます。今月中に何とか保険金が支払われないかということで、目下、各社とも努力しております。それで、来月中には全部支払うということを目標に最大限の努力をするよう指示をしているところでございます。
  130. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 限度額のアップの検討と、保険金の支払いは三月いっぱいをめどに一生懸命やる、こういう御答弁でしたので、それはぜひお願いをしたいと思います。  それで、労働省に来ていただいておりますのでお聞きをします。  私は一月三十一日に就職の内定の問題で、内定取り消しというのが大きな問題になるのではないか、ですから、四月一日に内定者を採用していただいて、その後、休職、休業等を含めて、それはもういたし方ないのでしょうが、そこのところの対応をお願いしたい、こういうふうにお願いをしたのですが、これは雇調金等の制度の改変を含めて方針をできるだけ早く出していただいて、周知徹底、学生さんを含め、雇用主を含めて、方針を早く明確にして発表して通知をしていただきたいと思うのですが、ここの点はどうでしょうか。
  131. 青木功

    ○青木説明員 お答え申し上げます。  去る一月三十一日に、石田先生の御質問に労働大臣からお答えをいたしております。その点でございますが、いわゆる採用内定者の取り消しというものを避けるということで指示を大臣からいただきまして、雇用調整助成金を活用して、採用内定後、休業により雇用維持を図る事業主に対してこれを適用するということで、具体的な法的措置も含めて、現在、関係省庁と御相談をさせていただいております。相談に入っております。(石田(祝)委員「いつごろをめどに」と呼ぶ)めどと申しますか、現在、内閣法制局等とやっておりますので、できるだけ早く結論を出したいと思います。
  132. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ありがとうございました。
  133. 日野市朗

    日野委員長 次に、穀田恵二君。
  134. 穀田恵二

    穀田委員 私は、まず仮設住宅の問題についてお聞きしたいと思います。  私は集中審議の際にも、希望者全員が入れるように、また規模としては十万戸近くが要るのではないだろうかということをお話ししたところです。この間、県も国も、そういう態度といいますか、基本方向については打ち出されておられます。しかし、現実はどうかといいますと、やはり見通しが非常に不明確で、不安を募らせている方がおられるというのが現実ではないだろうか。  数字を見ますと、応急仮設住宅建設は、県全体で今二万一千七百九十戸が計画戸数としてすべて発注済みだと言われています。しかし、先ほど大臣は「全知全能」とこられた。そういう数字で見ますと、本当にこれは全知全能だろうか。といいますのは、神戸でいいますと、その数字は九千九百四十八戸です。ところが、それに対して申し込みは、神戸でいいますと五万九千四百四十九世帯です。これが本当に間尺に合うのだろうか。絶対合わないと思うのですね。したがって、そのネックは一体全体何なんだということを明らかにして取り組む必要があろうかと思います。その点の御答弁をお願いします。
  135. 小里貞利

    小里国務大臣 現実に表へ出しました数値を比較いたしますと、算術計算で先生指摘のとおりだと思うのです。  特に、仮設住宅三万戸、この中で先生お話しのとおり二万二千契約、八千の差があるじゃないか。しかも、その二万二千にしても着工、そして完成が遅くなっている。この辺のところから一つはきておると思うのでございますが、この実情は先生も一応御理解いただいておるかと思うのでございます。  それでも、仮に三万というものが完成して調達ということに至ったにしても、神戸市内において既に差があるじゃないか、こういうお話でございますが、差があるとも言えるわけでございますけれども、御承知いただいておりまするように、二万六千戸、この中の一万六千五百は一応県外でございますが、これは即座に調達可能でございますよ、そしてあと一万足らずというものがまた県内に、兵庫県域におきまして即座に調達可能でございます、こう言っているのでございますが、なかなかこの辺が、家賃も要らないのです、仮設住宅並みですと申し上げるけれども、なかなかこの辺の希望が出てこない。  ちょっと余計なことを申し上げるようでございますが、きのうも大阪の西尾市長さんと直接この話を詰めた、あるいは大阪の中川知事さんともきのう直接詰めましたが、大阪府に一方、あるいは大阪市で一万用意して、そして食事もおふろもあるいは行き帰りのマイクロバスも用意しておるけれども、なかなか来ていただけませんという一つのその意味における悩みを持っておられました。そういうふうに、どうしても住宅を希望せられる罹災者の方々が、もう最も先生御承知のとおり、自分の住んでいたその集落にという傾向が強いのがさようなことになっておるのかな、一面はそういうことがあることも御理解いただきたいと思います。  なおまた、知事が、仮設住宅三万で不足なればこれはいつでも対応をいたします、確保に努めますという宣言をいたしておりますが、これも私どもも承知の上の宣言でございまして、本当に真実に需要というものがどういうふうにふえていくのか、その辺の増減の趨勢をじっと見詰めながら、そして必要とあらば可能な限り精いっぱい対応する、そういう状況でございます。
  136. 穀田恵二

    穀田委員 私は、努力はそのとおりだと思うのですが、現実はどうかということを言っているのですね。  例えば、きょうもテレビで朝やっていたわけですけれども、本当に全知全能というのであれば少々金が高くても、プレハブの業界は今の規格にこだわらないのだったら建ててあげますよという話もきょうしているのですよ、だから、そういうところがネックなのか。  それから、今お話があったように罹災者は自分の住んでいるところに愛着を持っている、これは当然だと思うのですね。そのことはあらかじめわかっていることなんだから、それに見合うような形での建設が必要だということを私は言っているのです。そうすると、土地が足りないのか。  だから、その辺のネックをしっかりつかまえて、今需要がある、例えば今お話ししましたように数値でいうならば五万九千四百四十九人の方々が申し込まれておられる。それに対して九千九百四十八戸で、神戸市でいうならばやはり五分の一、六分の一という実態だ。そうすると、仮に大臣おっしゃるようにいろいろな形で需要について調べるとしても、少なくともそこに近づける努力を一、気にしなくちゃならぬ。とすると、九千九百四十八でいいだろうかという問題があるし、それをどうしたら詰められるかということを言っているのです。  それで、私はあわせて、大臣おっしゃっているのは、例えば弱者の方々高齢者方々も含めて八千用意するという話もありましたね。私は、それはそれで非常に大事な問題だと思うのです。ところが、例えば神戸市で言われている数値で見ますと、「優先順位別内訳」とありまして、これも御承知だと思うのですが、第一順位、高齢者(六十歳以上)だけの世帯障害者(障害者手帳一級、二級)の方々世帯、母子世帯、こういう第一順位だけでも実は神戸市内で二万一千八百九十その申し込みがあるのですよ。とすると、八千という数値もやはり足りない、なおかつ九千九百四十八という数値も足りない。それをどう満足させるかということについて、端的にお願いしたい。
  137. 小里貞利

    小里国務大臣 先生も御承知ですから申し上げませんが、三万戸の仮設住宅のほかに、今お話しのとおり八千戸、そして高齢者皆さん、体力の整わない方々、ここへお入りください。これは、現実に物理的に所在する品物を対象にしてやってくださいよ、こう言っているわけでございますから、私どもは、そこは断固しなさい、きちんと仮設住宅並みの措置をいたします、こう言っているわけでございますから、その後は県や市の皆さんのお仕事ですよという平常のようなそういう気持ちは絶対持っておりません。これは持ってはならぬことでありますから。  だから、その後を、特に申し上げますと市の方で実は八千戸という家を準備いたします、こういうことに国の制度がなりました、だからひとつこれに応募してください、そして抽せんいたします、入ってくださいというこの仕事の取り運びが、率直に申し上げまして、市役所の皆さんも精いっぱい働いていらっしゃるのだけれども、そのほかのさまざまな仕事が一挙に複雑に広範に入り込んできておるものだから、かなり困難しておるかなという感じを持っております。  先ほど申し上げましたように、それ以上に私どもも実は、その八千戸の問題に限らず、今事務量がもう限りなく大きくなっているのだから何でもお手伝いをいたします、そして現場に入り込ませていただきたい、そういうことまで創意工夫いたしまして、入り込めるところは実は中に入っている。例えば先生御承知のとおり罹災証明、これだってもうわんさわんさ押しかけていらっしゃいますから、私も市役所に実際行って見てみた。大変な混乱だから、だから例えばきのうも大阪の西尾市長さんにあなたは約束をしたが幾ら出してくれましたかと聞いてみたら、きのう時点で罹災証明だけでも二百名応援に行っている、こういう話をしておられました。そういうふうにやっておりますが、それでもなおかつなかなか臨機応変に人を派遣し、仕事を配分し、そこを機敏に運ぶというところが取り込んでおるというこの実情だけは御理解いただきたいのでございますが、それだからといって、決して私どもは十分な体制だとは言っておりません。  今先生が御指摘になっておるようなところも、三万足す八千、さらにそれに足す必要があれば知事さんいつでも持ってきなさい、すぐ対応しましょう。こういう努力は、計画は持っておりますことだけは御理解いただきたいと思います。
  138. 穀田恵二

    穀田委員 私は、事務の方々がそういう困難を抱えていることについては、何度も行っていますからよく承知しています。  問題はそうじゃなくて、例えばプレハブ住宅業界だってお助けしますよと言っている。それで、額は明らかに、百三十九万でしたか、今の基準からいえば高くなるでしょう。しかし、それは言っていられないのじゃないか。そのことを含めて、現実は、一つの例を挙げれば、神戸市内でいえばまだ九千九百四十八戸、全県で二万一千七百九十戸しか用意されていないという実態に対して、希望者が九万近くあるわけだから、現実は精査するとしても、需要の動向を見きわめるとしても、まだ足りないのだ。そういうことを一挙に満たすためには、いろいろな業界の手だても得て、やはりまずつくることを優先すべきじゃないか、そのことを言っているのですよ。それで、その手だてをとっていただいて、早急にそれはふやす必要があるということを言っているのですよ。
  139. 小里貞利

    小里国務大臣 これは、もう先生に絶対に言葉を返すわけじゃないのです。もう先生も僕も一体となってやっているから、その気持ちにおいて申し上げるのでありますが、仮設住宅にしても一般住宅にしても、当面は仮設住宅の取り扱いをいたしますよ、だから必要なれば一般住宅ももう少し持ってきなさいと。あるいは特に言っているのは、仮設住宅をもっと持っておいでになっても私ども受け入れる用意がありますということはしばしば言っているのです。  だから、そこでその三万という数値を、先生がおっしゃるように、いやそれでは足りないんだ、プラス一方、プラス一万というところを読み込んで現実にやるべきじゃないかとおっしゃいます。そのお気持ちはよくわかりますが、そのことを実は知事さん宣言しなさい、三万以上必要であれば幾らでも、幾らというか必要なだけ対応するということを宣言しなさいということで、去る二日でございましたか、宣言をさせたわけです。それから入居の手続も、長蛇の列を組んでやるのは大変だ、それも簡易に郵送でやりなさい、こう言ったら、知事がそれを宣言なさったのでございまして、そういう手続を含め、必要な需要戸数も読めるだけ精いっぱい読みなさい、読めるだけ読んで手続をしてくださいと。しかも、手続も平素のような難しいことは要らないのですから。簡単に電話一本で、三万プラス二万と言ってもらえば、私どもはそれに即応する、こう申し上げておるわけです。  なおまた、先生がおっしゃった例えば額の問題にしても、普通はリースを前提にいたしております。しかしながらこの際、いろいろなああいう混乱の中で緊急に対応するんだから傷んでしまうだろう、だから買い取ってくれと言うから、よろしい、買い取りますと、通常やらない大胆な弾力的措置も厚生大臣と御相談いたしまして対応いたしておるような次第でございまして、ちょっとやそっとのことは平素のルールを乗り越えて大胆にやっておりますから、その辺を先生ひとつ、具体的に数値をよく市役所、県とも、私が申し上げるのはどうかと思いますが横の連絡もとっていただいて、私どもの真意のあるところも御啓発をいただきたい、こう思います。
  140. 穀田恵二

    穀田委員 ですから、逆に言いますと、県なんかが本当にこれだけ欲しいということを言っていただけるように、再度そういう督促もしていただきたい。  ついでに私二つほど言っておきたいのですけれども、これは厚生省だろうと思うのですが、応急仮設住宅の附帯設備を今から充実する必要があると思うのです。既に雲仙の場合には、御承知かと思いますが、クーラーや洗濯機、テレビ、冷蔵庫というのは備えつけでしたし、ひさしも新しくつくりました。そういうものを、これは少なくとも長期の避難になるという可能性はあるわけですから、それについては今からきちんとやっていただきたいと思います。それが一つ。  二つ目に、私は、この前もお話ししましたように、応急の診療所、仮設の診療所をつくってはどうかと提案しましたよね。既に芦屋などでは、助け合い診療といいますか被災された先生方も含めて集まってきてやっておられるということが起きている模様です。私はついせんだっても検討させていただくという話はたしかお聞きしましたけれども、もうあれ以来長いのですよね。だから、これは踏み切っていただきたい。  その際に、例えば仮設住宅をつくる、次は医療が足りないからだあっとまたつくるというのじゃなくて、仮設住宅とセットでつくるというやり方が極めて重要じゃないか。といいますのは、ついせんだっても新聞を見ますと、医院の灯がともったことによってほっとしたという方々がたくさんいらっしゃいました。先生の顔を見て、ああ、先生元気だったかということで自分の精神的なストレスも治る、そうすると先生方も逆に、よし、この人たちを助けなくちゃとなる。だから、この前も言いましたように、被災した先生方も数はたくさんおられるわけですから、そういうふうに仮に一定の仮設住宅をつくれば、そのうち二戸は、被災者先生方も呼び集めていただいて、一緒にセットで仮設診療所をつくるというのは、検討じゃなくて実行に入る段階じゃないだろうかと思うわけであります。それが二つ目。  三つ目は、先ほどもお話がありましたけれども、私は、この際に医療施設の復旧に対して特別の援助に踏み切るべき時期に来ていると思っているわけです。ですから、何度もお聞きするわけですが、無利子融資ということについて踏み切るべき時期に来ているというふうに思います。その三点。
  141. 小里貞利

    小里国務大臣 第一点は、事務局の方から。  仮設住宅をつくった団地に診療所をつくりなさい、これは非常に適切、貴重な提言だと思います。ひとつきちんと検討いたします、緊急にいたしてみたいと思います。
  142. 松尾武昌

    松尾説明員 仮設住宅の設備につきましては、先生御案内のとおり、奥尻、雲仙ともいろいろな方法で設備を整えました。義援金を使ったり、あるいは現物などを使ったりということで整備をいたしました。今回、非常に大量な仮設住宅になるわけでございますので、そこら辺を踏まえまして今現地調整をしておりまして、雲仙や奥尻島の住宅と同じような形の設備を整えるよう努力をしているところでございます。
  143. 穀田恵二

    穀田委員 提案は、例えば仮設住宅でも大きい仮設住宅をつくるところがありますよね、当然。三百とか四百とか五百とか。そういうところでいいますと、そのところに突然医院が来るわけじゃありませんから、ぜひそういう誘導をするというのが一番現実的な手だと思います。  そこで、今お話がありました無利子融資についてはもう一度お答えいただくとして、そのこととあわせて避難所生活の改善の問題についても二、三お話を伺いたいと思います。  きのう仮設住宅に入った方々は、テレビで見ますと、これでやっと手足を伸ばして寝れるというふうな感想がございまして、本当だなと思いました。私も何度も避難所を回りまして、皆さん方は、いつまでこんな生活をせんならぬのかと言う方がおられます。教室の場合はまだそれでもましなんですが、体育館になりますと、本当に広い中で、小里大臣も見てこられたように、寒いし、大変なんですね。  そこで私は、医療も大切で、カバーすることも大事なんですけれども、二つ必要なんじゃないかということで提案したいと思うのです。  一つは、暖房が一番だ。そこで、これは余震との関係もありまして当然石油ストーブなんか置けないというのはわかるのですけれども、せめて畳を置く、カーペットを置く、断熱マットを置く、こういうことができないか。そして、その畳は今度仮設住宅をつくるときにそっちへ持っていく。その持ち方ですね、自分のところに持っていけばいいというようなことはあるでしょうけれども、そういうのを含めて御検討いただけないか。  それと、二つ目には備品。仮設住宅は来月三月末までにつくるわけですから、少なくともそれまでおられるという結果になりますね。そうしますと、私は行ってみてわかったのですが、小さいプロパンで、ガスこんろの小さいものがありますね、あれで、風が通ってはならぬというので段ボールで囲ってやっている。それじゃほんのラーメン三杯つくっておしまいなんですよ。それだったら、備品を配備するということを思い切ってやろうじゃないか。例えばプロパンとガス台、大きなガス台ですね、洗濯機、それから更衣室というものをつくる必要があるのじゃないかということが二つ目です。  三つ目は、食事の改善ができないか。行ってみて私もわかりましたが、朝はパン、大体昼もパン、しかも菓子パンです。確かに、地元の方も含めて行政の方もおっしゃるのは、カロリー計算はしている、それはしているでしょう。しかし、夜はお握り二個と空揚げとウインナーという感じですね、それではだめだと私は思うのですね。主食だけの食事提供では健康を維持するにはほど遠い。カロリーが満足していればいいというものじゃないのですね。先生方にお聞きすると、医療のケアも、もちろん先ほどありましたように精神的なケアも必要ですし、医療というものの前提に、暖房と食事を改善することによってどれだけ医療をカバーできるかということが大事だというふうにおっしゃっていました。  そこで提案なんですが、三番目の提案は、実は文部省に聞きますと、被災地域十七市町村で学校給食施設は三百七十五あるのです。そのうち稼働可能な施設は八十カ所あるのですね。しかも、神戸市内の単独校調理場は百五十一カ所ありまして、これはまだ今調査中でわからないと言っているのです。つまり、被災地域の学校給食施設は三百以上ある。それを使ってやれば可能だと私は思うのです。そういうことを具体的に提案したいわけですが、その点はいかがでしょうか。
  144. 小里貞利

    小里国務大臣 これは具体的には今ここにお見えの厚生省の課長さんなどに知恵を絞っていただかなければならぬ話でございますが、私の方からちょっと包括して申し上げますと、先ほどの先生の診療所の設置仮設住宅団地の周囲に、これは非常に結構な御提案だと思うのであります。これを無利子で、こういうお話だろうと思うのでございますが、そうであれば、診療所の施設そのものはもっと公的な立場からつくるべきでありましょうから、検討させていただきたいと思います。  それから、二番目でございますが、私は避難所の学校の校長先生に、三日の日に現場で、今何が一番必要でございますか何か一つお求めになるものを率直にお聞かせください、そこに罹災者の皆さんがもう本当に寝ていらっしゃるその中でお伺いいたしました。暖房だ、こういう話でございました。先生の先ほどのお話のとおりでございました。その夜実は帰りまして、暖房だと、総理大臣公邸に行きまして村山総理にもいろいろ御相談いたしました。総理も、そのとおりだ。  早速、対策本部あるいは厚生省の皆さんにも御相談いたしまして知恵を絞っておるところでございますが、なかなかいろいろな観点から考えまして思うような名案が出てこないところでございます。しかしながら、毛布をふやすとかそのほかできることはひとつ精いっぱいやろう、こういうことで指示をいたしたところでございますが、今先生からお聞かせいただいた、他日、仮設住宅で使えるという含みでの話でございまして、これもひとつ研究して、おもしろい話だな、適切なお話なのではないかな、そういう感じを受けます。  同時にまた食事の改善、これは非常に大事な話でございまして、災害救助法の基本的趣旨からいいましても、私どもはこの点は事欠かしてはいかぬと思っておりますから、よくよく研究してみたいと思います。学校給食及び栄養士の問題等も、きのう先生からもまた貴重な御提案等をいただいておりますから、あわせて関係省庁とできるだけ早急に対応をさらに検討してみたいと思います。
  145. 松尾武昌

    松尾説明員 避難所実態につきましては、正直言いまして、被災後なかなか我々もつかんでおりませんでした。最近でございますが、避難所緊急パトロール隊というのをつくりまして、そこを巡回しまして要望なり実態をきちんとつかんでいくということを現在行っております。厚生省からもこのパトロール隊に派遣させていただきまして、一緒に避難所を回らせていただきました。  こういうことで、被災直後の状態から、現在はいろいろな物資につきましても供給できるような体制になっております。暖房につきましても、毛布を今二十六万枚ほど供給しておりますが、十万枚ほどは確保しておりまして、必要に応じてそれを給付していくというふうにしてございます。先生指摘にございましたマット等につきましても、避難所状況を見まして、そこに敷けるような状況になればぜひ対応していきたいというふうに考えております。  設備につきましては、その避難所状況、これは学校の体育館や文化ホール等を借りておりますので、どの程度できるかを勘案しながら、対応できる分について対応してまいりたいと思っております。  それから最後に診療所の問題でございますが、これはちょっと私担当外でございまして、ここで私が一概に申し上げることはできませんので、先生の御趣旨はよく伝えることにさせていただきたいと思います。
  146. 銭谷眞美

    銭谷説明員 学校給食施設を活用いたしました炊き出しの件でございますけれども、文部省といたしましては、地震発生直後から、被災を受けた地域はなかなか難しいわけでございますが周辺の市町でそういう炊き出しを実施するように求めているところでございまして、これまでの実績では、一月三十一日現在でございますが、六十六市町実施をされまして、約六十万食提供しているところでございます。  それで、被災地の学校給食施設の状況は先ほど先生お話しされたような状況でございますが、現在子供たちあるいは市民の方が避難をしている学校の多くは、ガス水道等の供給の状況どもございまして、学校給食は稼働できない状況にございます。  ただ、神戸市について申し上げますと、当初は共同調理場二カ所のみが稼働可能でございましたのでそこで炊き出しを行ってきたわけでございますが、最近になりまして北区の単独校の調理場四校が稼働できるようになりまして、二月一日から八日までの計画でございますけれども、弁当八千食とかあるいは炊き込み御飯、あるいは汁物といったような温かい食事の炊き出しを行っているところでございます。  今後とも、災害対策本部の要請を踏まえながら、学校給食施設を使用した炊き出し等について十分可能な限り協力をしてまいりたいと思いますし、またその際には、お話にもございましたように、温かい食事が提供できるように配慮をしていきたい、かように考えている次第でございます。
  147. 穀田恵二

    穀田委員 今お話ありましたように、やはり避難所生活の問題についてはつかむのが本当に遅いのですよね。あんなものはさっさと行ってもらえばすぐわかるわけですからね、厚生省。だから、実際は体操用のマットなんかを敷いておられる方もたくさんいらっしゃるのですよね。畳なんというのは非常に現実的でして、しかもそれ、さらにもう一回使えばいいということですからね。何でもかんでもやればいいというのじゃなくて、割と現実的提案をしているわけなんですからね。それをよく考えていただきたい。  食事の問題は極めて大事だと思うのは、今文部省からありましたけれども神戸市内の単独校調理場については正確にはまだつかめていないのですよね。ガス、水道が来ないというのもあるでしょうが、だけれどもこれは早晩解決できるのですよね、今復旧に向かっていますから。だから、こういうものがつかめないというのがやはりちょっとまずいのですね。  私は、きょうは自治大臣、自治省の方の関係でもそうなのですが、先ほど小里担当大臣の方から例えば二百名大阪から送っていると言われました。例えばこういうものも、百五十一カ所ですからすぐ調べるという態勢をとって、現地の人では大変ですから、そんなことはすぐやればできることなんですよ。しかも、このことによって、至急の問題として稼働は可能かどうかということを調べれば、それですぐ汁物はできるというふうなことになっている。  なぜこんなことを言っているかといいますと、今までは割とボランティアの方々がずっとやっておられたのですね。ところが、公費で全部業者に委託をしてやり出すとなると全部変わってきたわけですね。いわゆるパンとお握りにだだだっと変わってしまったわけですよ。それで汁物に対する補助が、独自にボランティアの方々がどこかから見つけてくるのはいいけれども、そうでないところは金が出ないものですからやれないという実態になっているのですよ。  そうなりますと、例えば厚生省なんかがお決めになっている栄養所要量、第五次のを見ましても、例えばそれで見ますと、お年寄りも含めて、緑黄野菜だとかいろいろな野菜を一日四百グラムぐらいはとる必要があると言っているのです。これは、こういうものをとればとるほど免疫力がつくというのがいわば厚生省の考え方ですよ。そうなりますと、一挙両得なんですよね。  医療がなかなか不十分な折に、せめて食事のところでカバーする。学校の施設を今避難所に使っているわけだから、それを稼働させればいいということを私は言っているわけなんです。しかも、安く済むし、私がお聞きしたところでいいますと、八百五十円、それから千百円、千三百円、みんな御努力していろいろな形で今やっていますよ。そのうちのほんの数十円使えばできるのですね、汁物なんというのは。しかも野菜がたくさん入る。しかもこれは、ボランティアの方々もたくさん参加できるということと、先ほど言いましたように栄養士や調理師の方々のお仕事としても生かすことができる。そういう総合的なことでやっていただきたいと思っています。  ですから、このことについては要請をして、ぜひ実現を図るようにお願いしたいと思っています。最後にそれだけ伺います。
  148. 小里貞利

    小里国務大臣 現場で深刻な実態を見ながらいろいろ御苦労いただいておるだけに、大変傾聴に値する大事なお話をお聞かせいただきました。  さまざまな分野にわたっておりますが、お答え申し上げました分も含めまして、できるだけ最大に参考にさせていただきながら対処いたしたいと思います。
  149. 穀田恵二

    穀田委員 終わります。
  150. 日野市朗

    日野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時四十分散会