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土肥委員 私は、
神戸市全市が選挙区の
土肥隆一でございます。
災害特の
質問の
機会を与えられて、何から申し上げていいか、
余りの
災害のひどさに、
現地におりますと
言語障害を起こすぐらいのことでございます。たくさんのことを申し上げたいのでありますが、時間が限られておりますので集中的に
質問をさせていただきたいと思います。
今回の大
地震を経験いたしました
神戸市民の一人として、今も五千人を超える
死亡者、そして今は二十七万人ぐらいに落ちておりますけれ
ども、それ以前は三十万人を超える
長期避難者、そして五万五千戸の
決壊住宅等々をつぶさに見てまいりまして、二週間が
たちまして、きょうが十五日目でございます。
私は、今も
学校の講堂や公民館やその他で、当初はもう、ひつぎが並べられております
死体安置所の中も
避難者が一緒に横になって寝ているというふうな
状況の中で過ごしてこられた
方々が、今も二十七万人いるわけでございます。この
人たちをこのまま、また二週間あるいは二カ月などというふうに滞在をさせますと、これはもう完全に、
日本の国というのは一体どんな国なんだ、政治とは一体何なんだということを、必ず厳しい思いを持つに違いない。私
ども神戸出身の政治家は、これで政治的責任を放棄したと思われても仕方がない。
災害特の皆さんも全国各地から集まっていらっしゃるわけですけれ
ども、これは
日本じゅうの政治家が問われている、政治が問われている、そしてまた行政省庁の皆さんも、国家の責任とは一体何なんだということを厳しく問われるような事実であります。この事実を決して忘れてはならない。私
たち政治家が問われる、
日本の政治が問われていると言って間違いないと思うわけであります。
それにしましても、町を歩きますと、例えば七転び八起きセールといって店を始めた人がいるんですね。看板に書いてあるんです。ガンバレ
神戸などというボランティアグループが生まれています。それを見ますとほっとするわけでありまして、
神戸市民のすべては何とか立ち上がろうとしておりますから、この
神戸市民の立ち上がりを国家をかけて、全政府の力をかけて起こしてほしい、そのように思います。
なぜ二十七万人も
学校から、公民館から、いろんな
避難所から立ち去らないのかということを私なりに考えてみますと、この阪神間に住む者の心理がわかるわけであります。
〔
石橋(大)
委員長代理退席、
委員長着席〕
兵庫県は、この
避難所にいる
人たちにアンケート
調査をしたのです。それは、とにかく今の
避難所を出て第二次の
避難所、つまり
仮設住宅であるとか
公営住宅であるとか、そういうところに移るに当たっての意向
調査をしております。三万八千人に配ったんですけれ
ども、結局五千八件しか集約できなかったというのでありますが、それを見ますと、実に大半の者が、自宅へ早く帰りたい、自宅を早く獲得したい。したがって、一時的な避難を望んでいない。そして、要するに、遠くに行かないでその町で、避難の不便な
生活をしながらでもその町で、自分の
災害を受けたその町で住みたいという意識があるのですね。
したがって、いろんなインセンティブを働かせましても、その二十七万人の人は、いわば
避難所が一番安全なんですね。つまり、三食配給されますし、コンクリートや床の上で寝ているわけでありますけれ
ども、あの大激震を経験して、辛うじて
避難所までたどり着いて、そして一日目、二日目はもう食事がほとんどない中で、今やそこが唯一の安全な場所という、そういう非常に追い詰められた気分がありまして、これを、外へ移りなさい、富山県に行きなさい、山形県に行きなさいと言ったって、幾ら
公営住宅を提供しましてもなかなか移ってくれない。それを強制的にやろうものならまさにパニックであります。
そういうことを考えますときに、私は、一番のプライオリティー、我々がこの
災害対策でやらなければならないことは、まず
仮設住宅だと思うのです。これを徹底してつくって、そして、こういう家ができましたからあなたはもう安心して行ってください、仮設であっても行ってくださいということをちゃんと言って、そして、仮設に送り込んだらそれで済むのじゃないのでございまして、では三食はどうするのか。それから、お年寄りが非常に多いのですね。そうなると、お年寄りの今まで辛うじて自分でやってきたひとり暮らし、あるいは老夫婦だけの
生活がその
仮設住宅で維持できるかどうかというところまで、そして、先ほど御
質問もありましたように精神的な問題も含めてケアをしないと、ただ家ができましたよ、行ってくださいというのでもまた移らないのです。
そういう実情の中で一番今やらなければならないのは、私は、
応急仮設住宅をどれだけっくり得るかということです。どれだけ建設できるか。そのことを考えますときに、政府及び行政当局の今までの
努力を十倍にも二十倍にもしていただいて、全力を挙げてとにかく住む家を何としても
確保しない限り、そこに避難していらっしゃる方の今後の
生活のめ
ども立たなければ、自立する心も浮かんでこない、起こってこない、そういうふうに思うのであります。
質問いたしますが、一体今時点でどれくらいの
仮設住宅を建てたらいいと考えておられるのでしょうか。