○鴨下
委員 きょうはその三大学を責めるという目的で話をしているわけではないわけですけれ
ども、
医師をどういうふうに合理的に削減し、適正な定員といいますか
医師数で国民に良質な
医療を、さらに過重な負担をかけないためにどうするのか、こういう目的で
一つの問題提起的に自治医大、防衛医大、それから産業医大についての運営についていろいろと伺ったわけですけれ
ども、いずれにしましても、
医師過剰
時代を迎えて、いわば今例示しました三大学というのは目的型の大学でございましたので、そういう大学のあり方について私は
自分なりの考え方を述べさせていただきたいと思います。
この三大学は、ある
意味で職能
教育を必要としているというようなことで設立されているわけですけれ
ども、六年間の
医師養成教育が必要であるかというようなことについては疑問を持っています。
具体的に言いますと、医学部に十八歳、十九歳で入学して、そして六年間の医学
教育を受けるというようなことを果たしてこの三大学が担当するべきかどうかということであります。私はむしろ、この三医大は併設
病院、立派な
病院があるわけです、それから、大学院機能をきちんとさせたというようなことで、よりスペシャリストを
養成するような形に変化させていった方が合理的ではないのだろうか。そのために医学部の学生たちは少し減るわけですけれ
ども、その分はほかの大学から出てきた余剰の
医師をうまく三大学の大学院ないしは
研修病院の中に吸収していく、こういうような観点で考えた方が、一律一〇%カットして各私大に経営的な負担をかけたり、さまざまな大学に人事だとか何かの面でのあつれきを及ぼすより、そういうような形の方が全体の
医師の供給体制という
意味では合理的ではないのだろうか、こういうふうに考えているわけです。
例えばその中でも、防衛医大もしくは自治医大なんかのお
医者さんは
一般の
医師よりも待遇がよくないというようなこともあるかもわかりませんけれ
ども、その分は医学部の負担を減らした分だけを上乗せして
研修だとか大学院の
教育に充てるというようなことで、十分にある
意味で待遇
改善もできるのではないか。こういうようなことでいいますと、いろいろな工夫ができて、しかも医学部に入ってくるというようなことでいうと、医学部の学生そのものの制限ということでもかなり合理的な、効果的な問題ではないのか、こういうふうに思うわけです。
結論的に申しますと、
医師の
養成は他の
一般大学に任せ、意識の高い者、きちんとしたモチベーションを持っている人に特別な技能を
養成するもしくは特別な技能を
教育するというような目的でその三大学は大学院大学へ移行した方が、
日本にとっても、もしくはこの三大学にとってもよい方向ではないのだろうか、こういうようなことを提案したいと思います。
とにかく、超高齢化社会に向けて
医療費はますます膨張して、果たして国民がこの
医療費を支え切れるのかどうかということは大変な不安もしくは危惧を我々は持っているわけですし、厚生行政の中でも重要な問題だろうと思います。特に、質を落とさない、良質な
医療サービスを確保した上で国民に過重な負担をかけないということは、
厚生省にとっての最大の使命だろうと思います。
そういう点で
厚生大臣に最後にお伺いしたいと思うのですが、
医師を削減するというのは、さまざま、いろいろな大学が努力をしてきてそれぞれの大学をつくってきたわけですから、どの大学でもやはり
教育をしてきちんとした
医者を育てようというようなことで、
皆さん熱意を持って教員の
方々はやっているわけでございますけれ
ども、その中でどの大学がいかぬ、どの大学がいいとかということはなかなか難しいのだろうと思いますけれ
ども、そういう中でも
先ほど申し上げたように、
医師がふえればやはり
医療費はふえるのです。それで、それは必ずしも有効な
医療サービス、良質な
医療サービスのためではないこともあるわけですから、そうすると適正な
医師数をどう確保するか、それからどう削減するかということで、医学
教育とそれから
医療というのは、非常に縦割り行政の中で文部省それから
厚生省という所管が違うということで難しいこともあると思いますが、
厚生大臣御自身が
医師数をどう削減し、そしてよりよい
医療をどう提供するかということについて、今の三大学の問題を含めて御
意見を例えればと思いますが、よろしくお願いいたします。