○坂口委員 もう
一つ、救護班に関しましては、今回、最初の搬送が非常におくれたわけでございます。救急
病院等の先生の
お話を聞きましても、あれだけの大災害が起こっていながら、最初は非常に救急
病院ががらあきの状態のところがあった。いわゆる搬送されなかったということがあったようでございます。これは少し考えられないようなことのようにも思いますが、あれだけのことが起こり、そして多くの災害者を運んでいただく方がなかった。あるいは道路が大混雑をしたというようなことが輪をかけたのではないかというふうに思います。
ふだん救護班の問題を考えます場合に、救護班といいます場合には、災害を受けた人を運んでもらう、搬送するというようなことを余り考えに入れていないのですね。来てもらった人をどういうふうに診るかということだけでありまして、運び込むという人のことまでは救護班の中には入っていないわけであります。そこで、できる限り、救護班とそれから運んでいただく
方々との間の連係プレーというのがスムーズでなければなりませんし、この
人たちのことも念頭に置いた連係プレーがふだんからできていなければならないのではないかというふうに今回痛切にそう思いましたし、
専門の先生もその点を
指摘をしておみえになるわけでございます。
私も経験がございますが、近鉄がトンネル内で正面衝突をした事件が過去にございまた、私、そのときに赤十字に所属をいたしておりまして、一番先にそこへ駆けつけたわけでございますが、搬送されてくる人というのは、搬送してくれる人が先に行ってくれておったわけですけれ
ども、痛いと叫ぶ人、早く助けてくれと言う人を先に運んでいるわけであります。物を言わない、生死の境にある人が後回しになっておりまして、早く助けてくれと言う人を先に運んでいったというケースがありました。これはいかぬ、叫べる人は後回しにして、物を言えない、何とか生死の境目にある人をより分けて、この
人たちを早く運んでくれということを言った経緯がございますけれ
ども、その辺のところ、そういう災害のときの搬送というのもなかなか難しいものだということを私自身も経験をしたことがございます。ですからこれはふだんから、救護というものと搬送というものとは切っても切れないものでございますし、やはりかなりな訓練が必要ではないかという気もいたします。その辺のところもひとつ御
検討をいただければというふうに思っております。
それで、時間もございませんからそのぐらいにしておきたいと思いますが、災害
関係のことはこの二点にとどめさせていただきまして、もう
一つだけ、きょうは別の問題をお聞きしておきたいと思います。
これは、高齢社会に対応するさまざまな研究等が
厚生省内で行われておりまして、例えば
高齢者ケアプラン策定指針なんというのも
厚生省で出されております。拝見をさせていただきました。それで、いろいろな研究をしておみえになります中で
一つ気になっておりますことを
指摘をしたいわけであります。
これは、何と申しますか、人間の元気でいられるかどうかということは、まず最初に物を食べなければならないわけでございますが、そしゃくができるかどうかというのは大変大事な問題です。それから、物がかめるかどうか、いわゆる歯があるか、あるいは入れ歯があるか、きちっとしているかどうか。歯科あるいは口腔ケアと申しますか口腔内介護と申しますか、そうしたことがかなり重要になってくるというふうに思っております。そしゃくあるいは飲み込む、嚥下というようなことが大変重要でありますし、それができるかどうか、あるいはそれをするかどうかということが、肉体的にも精神的にも非常に大きな影響を与えて、そして自立ができるかどうかに大きな影響を与えるということもだんだん言われるようになってまいりましたし、これは避けて通れない課題の
一つであるというふうに思っております。
先ほど挙げました
高齢者ケアプラン策定指針を決めますのに、これは北海道で、皆さんの方でテスト的におやりいただいているのでしょうか、
高齢者総合ケアシステム研究会というのができ上がったりいたしております。これは北海道の先生方が中心になって入っておみえになりますので北海道でおやりいただいているのだろうと思いますが、このメンバーを見ましても、三十八名おみえになって、その中で
医療従事者が十八名入っておみえになります。その中で、十七名は医師の
関係であり一名が
看護婦さんでありますが、歯科
医療の人は一人もお入りになっていない。
このほか高齢
社会福祉ビジョン懇談会でありますとか、あるいは
高齢者介護・自立支援システム研究会でありますとか、さまざまな研究会や懇談会等がございますけれ
ども、その中に歯科医師あるいは歯科
関係の
人たちは一人もお入りになっていない、こういう
現状でございますので、私は少しこの辺は考え直していただく必要があるのではないか。
また、
厚生省の中に、
審議官あたりのところに歯科
関係の方がおみえになるかなと思って名簿を繰ってみましたけれ
ども、私が見落としておりましたらお許しいただきたいと思いますが、
現状のところでは歯科
医療の
審議官はおみえにならない。そういうことでありますと、政策を立案する段階のところでそういう考え方を持った方がおみえにならないのかなという気もするわけであります。
今後の老人全体の介護の中で口腔介護というのは避けて通れない大変大きな問題でありますだけに、私はこれから
厚生省として一考していただかなければならない問題ではないかというふうに思っておりますので、提案を含めて申し上げたわけでございます。御意見ございましたらお聞かせいただきたい。