○宇佐美
委員 新党さきがけの宇佐美でございます。
本日は、オートバイは危険だという固定観念を変えていくという趣旨に基づきましての
質問と、二輪
免許に関する御
質問をさせていただきたいと思っております。
まず第一に、オートバイというもの、二輪
自動車というものが
事故が多いのではないか、危ないのではないか、そういう
認識が世の中に蔓延しているように私は感じているわけなのですけれども、現実的に、財団法人
交通事故総合分析センター発行によりまして、
平成五年の
交通統計というものがございます。それを拝見しますと、自家用普通乗用車が一万台当たり一〇六・六件の
事故に対しまして、小型二輪、原付を含む二輪車全体で、一万台当たり三十四・四件の
事故しか起きていないという事実があるわけです。
これは、普通自家用車というのが登録台数が四千八百万台くらいで、二輪車の方が登録台数が千六百五十万台くらいですから、この登録台数の割合、つまり三分の一しか登録台数がないということで、三倍してこの自動二輪の
事故を考えたとしましても、大体一万台当たり百三件になるわけですから、自家用普通乗用車よりもオートバイの
事故の方が少ないのだというような分析ができると思います。
ただ、オートバイというものに
事故が多いと思われる理由には、単独
事故の割合が非常に多い。四輪車では全体の五%しかないにもかかわらず、オートバイの場合、二四%余り。つまり、
事故のうちの四台に一台が単独で、勝手にと言ったら表現が悪いのかもしれないですけれども、スピードの出し過ぎであったり、カーブを曲がり切れずに峠などで
事故が多いということで、その場合には、単独
事故の場合、特に死亡
事故や重傷
事故になっているケースが非常に多いわけです。そんな
意味で、
事故そのものの件数は少ないのですけれども、
事故が起きたときに非常に大きなものになるのではないかという、そういう
認識があるのだと思っております。
では、自動二輪の、オートバイの
事故のうち、どういうものがあるのかといいますと、四分の三が四輪
自動車と絡んでいるものでございまして、そのうちの八七%くらいが四輪者が第一当事者、つまり加害者側になっているわけです。
その中でも、ではどういうものが多いかといいますと、左折時の巻き込みであったり、車が右折でオートバイが直進のときの出会い頭の
事故等ということです。右折と直進ですと、当然右折が加害者になるわけですけれども、そのような
関係の中で、オートバイ側ではなくて四輪側の方に過失がある場合が多いわけです。
これはどういうことかと申しますと、
昭和五十九年くらいまで、約十年くらい前までは自動二輪車の
事故も非常に高くて、一万台当たりで自家用乗用車と余り変わらない、百分の一が
事故があった。つまり、登録台数で見れば、自家用乗用車の三倍くらいの
事故があったわけです。しかしながら、この十年間にどんどん
減少していきまして、これは恐らくというか、
警察庁や総務庁の
交通安全対策室の努力によるものだと思いますけれども、どんどん減っていったわけです。
ところが、教育としては、四輪車の方に対して二輪車がどういう動きをするのだというものがわかっていないわけですから、思ったより近かったとか、思ったより速いスピードで来たのだ、そんなことで
事故が四輪車側の過失で起きているということをまずもって御
認識していただきたいと思っております。
そんな中で、それでは今回、二輪
免許のことに関しまして、
内閣の方からも法案が提出される予定になっているわけですけれども、これまでOTO、市場開放問題苦情処理
推進会議の中で、二輪
免許に関しての規制の緩和というものの要求が出ているわけです。その中では、高速
道路の問題についてどうなるか、どうするのだという
質問というか、要請があるわけでございます。
一つが、一般道では自動二輪は二人乗りが許されているわけですけれども、高速
自動車道及び
自動車専用
道路においては、運転者以外の者を乗せて運転ができないというわけです。
これは、考えてみますと何か当たり前のようにこれまでは行われてきたわけですけれども、一般の道の方が交差点も多いわけですし、
歩行者や自転車が通るということで、非常に複雑な
交通システムになっているわけです。それに比べて高速
道路というのは、いわば
信号もないわけですし、とまるということが比較的少ない中で、非常に単純な
交通システムに、比較ですけれどもなっていると言っていいのだと思います。その中で、どうして二人乗りが禁止されているのかという問題が
一つ指摘されております。
もう
一つが、私、オートバイの
免許そのものは持っていないので存じていなかったと言ったら本当はいけないのですけれども、車の
免許を取るときに勉強しているはずなのですが、高速
道路では普通の
自動車や大型四輪は百キロで走っているのですけれども、自動二輪車は時速八十キロで走らなければならないとなっているわけです。
これは、高速
道路を運転なさる方ならばわかると思うのですけれども、車の流れの中に乗ることが非常に大事でありまして、まあ渋滞ぎみのときには時速六十キロになるかもしれない、五十キロになるかもしれませんが、百キロで流れているときには百キロで流れていないとかえって危ないことになるわけです。特にオートバイというものは、トラック等が横を通りますと、その風を非常に受けまして、揺れる可能性が多いわけでございます。そんなことを考えますと、実は同じ時速百キロで走っている方が安全ではないか、そんなことが要求されているわけです。
これは、データとしましては、先ほどの二人乗りの問題では、韓国を除きまして、
日本以外はこのような規制が行われておりません。
日本だけ規制されているわけですけれども、そんな中で、諸外国で二人乗りによる
事故が多いというデータがあるとは少なくとも私は伺っておりません。どういうデータに基づいて今規制が行われておるの
か。また、ぜひともこの規制を緩和していただきたいわけですけれども、その方向性を示していただきたいと思います。
もう
一つが、高速
道路の速度が違うことによっての問題点が
指摘されている中で、諸外国は、これは全部同じスピードで高速
道路を走っているわけですけれども、オートバイの
事故率がそれによって高くなっているということもまた私は聞いておりませんし、これは要求しているのがアメリカですか、アメリカでもそんなようなことはないんだというふうに言われています。
この二点について、局長、お願いいたします。