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1995-02-21 第132回国会 衆議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年二月二十一日(火曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 遠藤 和良君    理事 木村 義雄君 理事 野田  実君    理事 藤井 孝男君 理事 太田 昭宏君    理事 北村 直人君 理事 渡辺浩一郎君    理事 松本  龍君 理事 玄葉光一郎君       安倍 晋三君    遠藤 利明君       古賀  誠君    佐田玄一郎君       斎藤 文昭君    塩谷  立君      田野瀬良太郎君    根本  匠君       山本 有二君    大口 善徳君       長内 順一君    白沢 三郎君       杉山 憲夫君    高市 早苗君       広野ただし君    山本 幸三君       沢藤礼次郎君    堀込 征雄君       吉岡 賢治君    中島 武敏君       大矢 卓史君  出席国務大臣         建 設 大 臣 野坂 浩賢君  出席政府委員         国土庁土地局長 山田 榮司君         国土庁防災局長 村瀬 興一君         建設大臣官房長 伴   襄君         建設省建設経済         局長      小野 邦久君         建設省都市局長 近藤 茂夫君         建設省道路局長 藤川 寛之君         建設省住宅局長 梅野捷一郎君  委員外出席者         厚生省生活衛生         局水道環境部計         画課地域計画室         長       仁井 正夫君         厚生省社会・援         護局監査指導課         長       西沢 英雄君         建設委員会調査         室長      杉本 康人君     ————————————— 本日の会議に付した案件  住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進  法の一部を改正する法律案内閣提出第一五号  )  大都市地域における住宅及び住宅地供給の促  進に関する特別措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出第二一号)  都市開発法等の一部を改正する法律案内閣  提出第二二号)  電線共同溝整備等に関する特別措置法案(内  閣提出第三八号)  被災市街地復興特別措置法案内閣提出第四七  号)      ————◇—————
  2. 遠藤和良

    遠藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案大都市地域における住宅及び住宅地供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案都市開発法等の一部を改正する法律案電線共同溝整備等に関する特別措置法案及び被災市街地復興特別措置法案の各案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本幸三君。
  3. 山本幸三

    山本(幸)委員 新進党の山本幸三でございます。  何度も質問に立たせていただいて大変恐縮に思いますが、前回二回の私の質問で、二つ問題意識を持っておりまして、いろいろ聞かせていただきましたが、何とかその結末をつけるといいますか、そういう意味で再度質問させていただきたいと思います。  私は、前二回の質問で、土地保有税の問題と住宅金融公庫特別損失処理の問題についてお伺いいたしました。  それで、まず最初の土地保有税の問題ですけれども、今回の大都市地域における住宅及び住宅地供給促進に関する法案というのは、大都市において宅地供給を進めたい、職住近接をできるだけ進めたい。そして、そのためには、できるだけ高層住宅大都市につくって効率的に宅地供給を進めたいという観点だろうと思うのですが、そういう観点であれば、従来から私は税制宅地供給について問題意識を持っておったので、その点についてどういう考えを持っておられるかということがなければ、こういう問題を別途でやるのは意味がないという観点からお伺いしたわけです。  それで、その中で、結論的に申し上げれば、土地保有税というのは幾つかの特色があります。一つ特色は、保有税というのがあらゆる地目に対して平等にかかれば、これは資源配分に対して中立的であって決して悪い税ではない。しかし問題は、地目について違った保有税をかけると資源配分をゆがめますという問題点を指摘いたしました。しかし、そういう中立性といういいところもあるのだけれども、同時に、この保有税というのは、上がっていけばいくだけ、宅地供給あるいは高層住宅促進するという観点からいえば抑制効果を持つ、経済的な効果としてはそういう問題であります。  そこで、そういう税金の問題は税当局大蔵省や自治省の話ではないか、なぜこんなところで取り上げるのかということでありますが、財政当局財政当局なりの論理で物を考えていると思うのですね。つまり、簡単に言えば、財政当局というのは財源をいかにして確保するかという観点で物を考えておるわけですから、機会があればいろいろなところから財源を調達したいということが優先する。それは財政当局として私は当然のことだと思うのですけれども、他方、建設省国土庁は、そういう土地有効利用とか宅地供給ということを考えているわけですから、当然財政当局とは違った論理がなければおかしい。財政当局と同じような議論をしているようでは、そんな役所は要らないと私は思うのですね。  その意味で、この保有税の問題について、本当に宅地供給を進めたいと思うならば、保有税の取り扱いで違っているところを直していく。先般、建設省局長さんからお話がありましたけれども、農地に対する課税を適正化していけば宅地供給がふえる。これは当然で、今までは農地に対して低くしているんだから、そこに保有税宅地と同じようにすれば、本来宅地であるべきものが、農地になっていたものがもとに戻るという意味で、それはふえるはずなんですね。しかし、もともと中立的に、平等にかけていなかったというところが悪いので、それをもとに戻そうとする、そういう意味ですね。  私はそれ以上申し上げませんが、その中で、そういう意味性格を持っている保有税最大の問題は地価税にある。この地価税について、何でこういう税金が残っているのか、それに対して建設省なり国土庁は一体どういうふうに思っているのだろうかということでお伺いいたしましたら、国土庁は、これはバブル対策ですとおっしゃるので、ではバブルとは何ですかとお伺いしたら、どうもよくわかっておられない。バブルというものをきちっと定義できないでバブル対策というのを言うこと自体がおかしい。しかもこのバブルというのは、この前もお話ししましたけれども、経済ファンダメンタルズ説明できない現象でありまして、それで説明できるのなら対応は幾らでもできる。  しかし、そういう経済ファンダメンタルズ説明できないからどうしようもない現象で、これをバブルと言うのですね。そうであれば、それに対する対応というのは本来ない。ほっておくしかない。インフレが起こらないようにというオーソドックスな財政金融政策をとっていくということが筋であって、それ以外にいろいろ策を弄すると、確かに効果はあるかもしれないけれども、同時に弊害が起きてくる。つまり、国土庁地価税というのを強引に導入したことによって、それは確かに地価を下げるという効果はあります。  しかしそれは保有税率、つまり割引率を上げるという意味経済ファンダメンタルズを変えたというやり方なのですね。つまり、全くファンダメンタルズ関係ない現象であるバブル対応するに対して、そのやり方経済ファンダメンタルズをさわったということで、そのことによって日本土地資源配分が実にゆがめられた。公平性が損なわれた。  これは、宅地供給自体と直接の関係はありませんけれども、しかし、少なくともそういう地価税の対象になっているいろいろな電力やデパートや、あるいは電機産業や大企業大都市に位置している大企業に対してペナルティーを科している。言われもなきペナルティーである。  そういうことを国土庁考えて、そういう産業はつぶれてもいい、海外に出ていけばいい、まさに空洞化を進める政策を私はやっていると思うのですけれども、そういう意味で、どうもこの保有税経済効果というのをきちんと理解していないんじゃないか。理解していなくて財政当局と同じようなことを言っているくらいなら、私は国土庁なんか要らないというように思いますが、今後の税制改正で、この地価税の廃止について国土庁は一生懸命主張するというように覚悟しておられるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
  4. 山田榮司

    山田(榮)政府委員 さきの委員会お話し申し上げましたとおり、地価税のねらいは、やはり土地神話というものにどう対応していくかということで、土地有利性を縮減していく、そういう中で中長期的に土地有効利用促進していくというねらいがあるわけでございます。そういう意味で、いろいろな土地政策とあわせまして、私ども着実に実施していく必要があるのではないかというふうに考えております。
  5. 山本幸三

    山本(幸)委員 土地有利性をなくしていくということでありますが、もしそういうことを考えてやるなら、あらゆるものに一律にかけるというやり方でやらなければ資源配分をゆがめますよ。どうもいまだに、私は一生懸命御説明したのですけれども、保有税性格というのを理解しておられないように思えます。そういう程度認識行政をやっているなら、私は国土庁なんか要らないと思います。  防災対策初動態勢等で大変問題がある。私はもうこれ以上申し上げませんが、よくわかりました。国土庁というのは、土地問題についてきちっとした理解を全然していない。バブルという現象についてもわかっていない。そして、それに対応するのに正当な政策てやろうという気持ちが全くない。そういう意味で、行政改革の整理第一号になるべき役所だという認識を深めまして、そのことを申し上げて、この問題は将来のそういう行政改革につなげたいというふうに思います。  次に、住宅金融公庫の問題ですが、この住宅金融公庫経理処理の問題というのは、いろいろなことを考えさせられるわけですね。一つは、これまではこういうことが当然だったのかもしれませんが、こういう行政改革時代、いろいろな意味行政のやるべき仕事は何なのかということが問われて、それに対してある程度時代流れに応じた結論を出さなければいけない状況もとで、こういう経理処理を見ると非常にやはり問題を含んでいると私は思います。ということは、まずお伺いしなければいけないのは、この特別損失、将来に繰り越していくわけですが、これは将来どういう財源対応しようというふうに考えているわけですか。
  6. 梅野捷一郎

    梅野政府委員 特別損失を含めまして金融公庫補給金金利下げに基づきます補給金については、従来からも、現実的な問題といたしましては、一般的な住宅対策費の中で処理をしてきたという経緯がございます。今回の処理も、全体の各年の住宅対策予算の編成の中で、枠組みとしてのいわばシーリングの問題その他の枠の中で平準的に処理をしよう、あるいはそうすべきであるという考えの中でやってきたわけでございまして、今回の処理についても、この何年かの特別の事情というものによるでこぼこといいましょうか、そういうものをできるだけマイルドな形で、全体の政策の中で、住宅対策費の中で受けとめていきたいということでお願いをしているということでございます。
  7. 山本幸三

    山本(幸)委員 それは財源としての答弁になっていないのですよね。将来の予算でどういう項目で割り振りするかということで、どこから来ている財源考えているのかということになっていない。私はこの点は、物事を考えていくと、要するに税収をどこで求めるかということに帰着する。つまり、住宅金融公庫で安い金利で借りた人はいいかもしれません。しかし、そういうことをどんどん続けてきた結果、今度の行政改革だってそんなに金目のものは出ない。そうであると、将来消費税税率を五%に上げて、それ以上に上げる要因に必ずなる。これは福祉もありますが、この住宅金融公庫の将来に繰り越していくという特別損失を賄うためには、消費税率を上げる一つの要素になるのです。  これはそんなに小さい金額じゃありませんよ。私が計算しただけで七千六百億以上、そういう大きな金額を賄っていくということは、これは消費税率を上げる非常に大きな要因になる。かつては消費税に反対しておられた社会党の大臣が、安易にそんなことを歯どめなしにやっていくということについて問題意識を持っていなかったら、私はおかしいと思うのですね。その意味で、こういうことを続けるべきではない、むしろきちっとした歯どめを置くべきだというように思いますけれども、大臣いかがでしょうか。
  8. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 山本先生大蔵省の出身ですし、すべて御存じだと思うのですけれども、今行政改革流れ時代だ、こういうお話もありました。しかし、私たちは国民ニーズということも考えていかなければならぬ。住宅建設をする、こう言うと庶民の皆さん方住宅金融公庫を頭に浮かべます。したがって、戦後四千万戸建てた現在の日本住宅事情と、その中で四分の一ないし三分の一まで下がろうとしておるのが国民金融公庫融資です。低利で固定して、それを国民ニーズに合ったように我々は使いこなすということが必要だろうと思います。  御案内のように、本年は九十九万戸という大きな数字を示しました。したがいまして、先生がおっしゃるように、いつ平準化するんだ。しかし、金融公庫で家を九十九万戸建てれば、それだけでも消費税には大きなはね返りがあるだろう。こういう、こちらでは補給金を出すけれどもこちらでは上がっていくという場面もあります。しかし、平準化することが正常であるというふうに考えておりますから、平成十一年をめどに平準化をしながら、そして、この特別損失というものは繰り延べて長い期間で返していく。こういうことになって実質的に大きな、国民皆さんには一時的には御負担をいただくという場合があると思いますけれども、平準化をして特別損失後代負担、こういうふうに回していく。その時期はいつか、平成十一年ごろに平準化をしてまいりたい、このように考えておりますので、御了承を賜りたいと思います。
  9. 山本幸三

    山本(幸)委員 住宅建設してきた、それに住宅金融公庫が大きな役割を果たしたというのは、ある意味でわかりますよ。だけれども、それが将来の消費税値上げにつながるんだということを国民がはっきり知ったら、これは国民がそういう選択をするかどうかわからない。少なくとも私は、それについては大変疑問を持つ。もし、住宅金融公庫でどんどん融資をやって、その結果、その住宅関係ない人までの消費税負担が及ぶということになれば、それは国民選択を聞いてみたら、本当にそれを選択するかどうかわからないと私は思うのですね。  というのは、住宅というのはつくってしまえばその人の私有財になる。それを得られた人はいいですけれども、得られない人の方が多いわけですよ。そういう人の負担においてそういう私有財に特別の便宜を図ろうというのは、よっぽどの理由がなければ説得できないですね。それは戦後の住宅が足りない時期とか、これまで大きな意味があったということは私は否定しませんが、しかし、これから世界でもトップレベル所得水準になり、あるいはかなり住宅水準レベルが向上した。将来にわたってこんなことをいつまでもやっていって、そして、将来の消費税率値上げにつながるようなことを繰り返していくということは到底理解できない。私はどこかできちっとけじめをつけるべきだし、そういう展望を持たなければ、こんなことをずるずる続けていくことについては納得ができないという気がいたします。  その意味で、住宅金融公庫は、大臣がおっしゃった見解は少し違うのかもしれませんが、そういう私有財を提供するようなサービスというものを、将来とも行政が応援してやるべきような話なのかどうかということは、そろそろ考えてもしかるべきだ。それは、今回の震災のようなときとかそういう非常事態は別ですよ。あるいは、特に景気対策で必要になったら住宅税制で思い切ってやるということもできる。しかし、私有財を提供するものを行政がやるということは、基本的にはなくしていくべきだと私は思うのですね。  その意味では、住宅金融公庫行政改革の今回の特殊法人の見直しの眼目になってもおかしくない、むしろ第一号だというくらいの気持ち考えているのですが、その点については大臣は全く葦う見解ですか。
  10. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 私、先ほど住宅金融公庫国民金融公庫と申し上げたようでございますので、あれは住宅金融公庫の間違いでございますので、御了承いただきたいと思っております。  私は、住宅金融公庫というのは、おっしゃるように国民自助努力支援する観点から、長期で固定した低金利住宅資金を広く供給するものである。言うなれば、中堅勤労者皆さん方住宅を建てるに当たって、市中銀行のように途中で上げるというような流動的なものではなしに固定化をしている、生活設計が立ち得る、こういうふうに考えておりますので、国民居住水準の向上や住宅取得能力の引き上げ、こういうことを考えながら、良質な住宅ストックの形成、高齢社会に適応した住宅、こういうことを誘導する意味もあろうと思っております。  全く先生が指摘されておりますように、確かに住宅私有財産であります。それならば民間にお任せしたらどうか。そういう意味では、私は政策金融であろうというふうに思っておりますが、お話もあったわけでありますから、こういう厳しい現状の財政状況でありますから、住宅政策を効率的に行う、こういうことは十分考えております。  住宅金融公庫融資におきまして、これから一般の市中銀行官民協調という立場に立って、住民のいわゆるニーズに合うように、国民皆さん理解協力を得られるような方向というものを考えながら、山本先生お話も重く受けとめて、さらに検討してまいりたい、こういうふうに思います。
  11. 山本幸三

    山本(幸)委員 時間は来ているのですが、北村先生の御理解をいただいて、北村先生のお時間を使ってちょっと続けさせていただきたいと思いますが、その意味でぜひ大臣御検討を願いたいと思います。  今回のような処理は、これはほっておけば消費税値上げにつながるというような話なんだ。そのことを国民によく理解してもらってやらなければ、本当の支持は得られないと思います。その意味で、私はもうこういうことはこれ以上簡単に続けるべきではない、歯どめをかけるべきだと思います。そして、その上で、しかしそれでもなおかつ住宅金融というのはやるべきであるという説得力のある説明ができるのなら検討して、そういう方向もいいでしょう。しかし、とりあえず歯どめをかける必要がある。これは、具体的には政府の方から案が出なければ、私は場合によっては修正案を出してもいいと思っておりますが、今衆議院の法制局と相談しておりますから、いずれまた改めて御相談をさせてもらいたいと思います。  では最後に、今阪神・淡路の震災において、私は瓦れき処理が非常に大きな問題になるだろうと思っていまして、この点について、これはまさにコンクリートとか鉄骨とか、あるいは木材廃材処理になるわけです。私は建設委員会関係があると思っていたのですが、厚生省も所管しているということで、コンクリート鉄骨廃材についてどういうふうに処理されるのか、厚生省の方にお伺いをさせていただければと思います。
  12. 仁井正夫

    仁井説明員 御説明申し上げます。  今、先生お話しになりましたように、瓦れき処理は非常に大きな問題でございます。瓦れき処理に当たって、まずは現場の状況を勘案しながら、できるだけ分別して、分別されたものについて、再生利用可能なものについては再生利用に回していくということが非常に重要であろうと考えております。  また、再生利用できない不燃物につきましては、フェニックスセンターなどの最終処分場最終処分をする。庭木材などにつきましては、仮置き場で一時保管しながら焼却処分を進める、こんな形で進めているところでございます。
  13. 山本幸三

    山本(幸)委員 どうもそういう程度の問題ではないのですよ。コンクリートで大体五百万トン、廃材で五百万トンあると言われている。これは想像を絶するような量なんです。これは置くところなんかありませんよ。どこに置くんですか、仮置き場に置くと言っても。  進んでいるのは、少なくとも私の理解しているところでは、コンクリートについては粉砕をある程度して、フェニックス計画で埋め立てするからそこのところでやるか。これは本当は問題がないわけではないけれども、ある程度やむを得ない面もある。鉄骨については、神戸製鋼所が、持ってきてくれれば処理しましょうと協力申し出ていますから、かなり程度はできるのかなというふうに思います。それでも恐らく十分ではないでしょう。  最大の問題は、廃材なんです。これは仮置き場に置いてと言っていますが、到底置けるような量ではない。今私の理解しているところでは、焼却場が六つぐらいあるのですか、そのうち三つか四つがもう使えない状況だ。したがって、焼却場とかに置いて事実上の野焼きが行われつつある。これはまさに環境破壊の最たるものなんです。これは本当に真剣に考えないと、大問題になる。  実は、この点について、環境問題に詳しい私の友人で、彼はアメリカでそういう仕事をして、たまたまアメリカのそういう人も連れて日本にやってきて、そして神戸のこういう問題の処理についてアドバイスを求められた。そこで彼らは、一人は日本人であと二人はアメリカ人なんですが、大変義侠心を燃やして、義を見てせざるは勇なきなりということで、徹夜でアメリカカナダのそういう企業に電話をしまくって、そして今アメリカカナダで大きなシュレッダーが六機見つかった。日本ではそういうものを処理するシュレッダーはないのです。アメリカカナダ二つを合わせて、彼らが大規模シュレッダーというものをやっと六機見つけた。  そういうものを持っている企業とか、あるいはアメリカ政府協力を依頼して、できるだけコストをかけないで、むしろ援助というような気持ちで出してくれと言ったら、結構快くみんないいよという話ができてきている。それを今一生懸命進めて、できれば米軍輸送機なども提供してもらって、一日も早く持ってきて、そしてその大規模シュレッダーで、例えば委員長席の机と大臣の後ろの机とか合わせてシュレッダーでやるとバケツ一杯ぐらいになる。そういう処理を早くしていかないと、それでも五、六年かかるというのですね。  私の申し上げたいのは、そういう海外からの支援というのが申し込まれつつある。それについて、海外支援が来たら、消極的になって、彼らが一番心配しているのは、せっかくそこまでやって持ってきたときに、日本行政上で地元との関係とかもうまくいかなくて、持ってきたところでもうほったらかしにされるというようなことが起こらないだろうかということを心配しておりまして、そういうことについてぜひ厚生省も、そういう支援依頼が来たら積極的にそれを受け入れて、最大限のバックアップをしていただきたいなというふうに思うのですが、ちょっといかがですか。
  14. 仁井正夫

    仁井説明員 御説明申し上げます。  先生お話しのとおり、庭木材処分、非常に大きな課題だと思っております。現在、関係の各市町におきましては、近隣の市あるいは民間事業者協力を求めながら、焼却施設等の確保に努めているところでございます。  なお、お話のありました庭木材用大型シュレッダーといったようなもの、現時点では私どもどのようなものか承知しておりませんけれども、具体的な申し出がありましたならば、その内容を十分お伺いした上で、例えばその県を通じて関係市町情報提供するなど、適切な対応をしていきたいと思っております。
  15. 山本幸三

    山本(幸)委員 ぜひ実現して、そしてこれはまさに地元にとっても大変大切なことですから、大いにバックアップしていただきたいと思います。建設省も、そういう瓦れき処理というのはこれは厚生省の話だということじゃなくて、やはり建物の問題でもあるし、あるいは場合によっては高速道路の処理の問題でもあるし、ぜひ協力してお願いしたいと思います。  そういうことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  16. 遠藤和良

    遠藤委員長 次に、北村直人君。
  17. 北村直人

    北村委員 それでは私の方からは、被災市街地の復興特別措置法に関しまして、三つ、四つお伺いをしたい、このように思います。  特に、今回の阪神・淡路大震災、この地域の復興に当たっては、私自身はやはり土地の区画整理というものが大変重要な意義を持ってくる、こう思います。それで、今回のこの特別措置法の中にこの事業を促進するそれぞれの措置が講じられているとは思いますけれども、特に土地区画の整理事業、これが円滑に行われるために講じられる、そういったことがどのようにこの法律の中で定められているか、そのことをお聞かせをいただきたいと思います。
  18. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 先生御指摘のとおり、区画整理事業が被災地の復興に当たっては中心的な事業手法になろうかと思うわけでございますが、今回のこの特別措置法におきましては、被災地の実態にかんがみまして、住宅供給とあわせて面的整備をしていこう、そういった観点から特例を設けているところでございまして、具体的には、まず復興共同住宅を設けて住宅については集約換地して共同住宅を建てていこう。あるいは、立体換地を拡充することによって、できるだけ土地に対して住宅で提供していこう。  しかも具体的な特例といたしまして、区域外についても公共団体、同一の施行者が住宅建設する、そして土地にかえて住宅を提供することができる、こういった特例を設けることによって、住宅供給とあわせた面的整備を推進していこう、そういうのがこの特例法の具体的な内容ということでございます。
  19. 北村直人

    北村委員 具体的には、今言ったことがしっかり講じられなければならないわけでございますけれども、これは制度、たけが改善されたというだけでは不公平になるわけであります。  そうしますと、どうしても財政上の支援措置というものが十分に行われるかどうかということが大きな問題になろうと思います。そのことについて、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。
  20. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 今回の特別措置法との関係で、財政上の支援措置につきましても六年度の補正予算の中で組み込まれているわけでございますが、具体的には、例えば通常の土地区画整理事業と申しますと、これは幹線街路を整備するということに関係いたしまして道路特会の方から補助金が出るわけでございますが、今回の区画整理事業予定地の中にはそういった幹線街路の整備を必ずしも伴わない地区もあるわけでございまして、そういった地域についてきちっとした町づくりができるように、一般会計からの補助制度がまず適用されることになっております。  そのほか、今回の区画整理事業に当たっては、用地の先行取得が非常に重要になるということから、都市開発資金の拡充によりまして、財投金利より低い金利での低利融資、こういった措置も講ぜられているところでございます。
  21. 北村直人

    北村委員 特に用地の取得の低利融資、この支援というのは大変重要な措置の一つだと私は思います。ぜひそのことは十二分な検討をお願いをする次第であります。  そこで、今回の大震災を見ておりますと、我々の、何というのでしょうか、今までの常識というのでしょうか、地震に強いという、あるいは日本の国が地震の多い国の上にいろいろなものが建っている、地震についてはいろいろな措置を講じられてきた、こういう自負を持っていたと思います。  しかし、私は、やはり形あるものは壊れる、こういうことが我々の基本の中になければならないだろう。ですから、今まで例えば高速道路は地震に強い、倒れることはない、壊れることはない、こう言われてきたけれども、年代的ないろいろなものがあるとしても、今後も十二分な我々が考えられる措置を講じても、やはり自然の力には到底及ぶことはできないであろう。つまり、形あるものは壊れる、こういった基本的なものに立つならば、災害に強い町づくりを進めるに当たって特に阪神、あの地帯、神戸等々のことを考えたときに、避難地ですとか避難路、そういったところのオープンスペースを十二分にとるということが大変重要なことになるのではないか。  あるいは住宅が、マンションが建つ、それが地震で壊れないマンションあるいは建物を建てたにしても、ひょっとすると今回以上のマグニチュードのものが来るかもわからない。そのときに、倒れても人命に被害を与えないような、そういった町づくりというものをしっかり考えていかなければならぬだろう。つまり、避難をしていくときに上から物が落ちてきても何とか自分の身が防げるような、あるいは建物から離れたときに、その建物が壊れてもきちっとしたそこの避難地があるような、そういったものが私は必要になってくる、こう思います。  しかし、今回の阪神地域を襲った大地震を見る限り、そういった公共施設用地を生み出すということは大変困難ではないのかなという感じがするわけであります。  そういう中で、今回のこの復興の特別措置では、そういった事業をどういうふうに推進をしていくおつもりなのかお聞かせをいただきたい、こう思います。
  22. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 今回の被災地の実態について見てみましても、オープンスペースが非常に大きな効果を発揮している。ここで延焼が食いとめられる、あるいは復興活動の拠点になる。いろいろな面でオープンスペースの重要性が認識されたわけでございますが、そういった観点から、今回の区画整理事業を実施するに当たっても、いろいろな意味でのオープンスペース、面としてのオープンスペースである公園、あるいは線としての幹線的な道路、あるいは適正な密度を保つことによって市街地としての一般的なオープンスペースも確保できるようにする。  こういったことが重要になるわけでございまして、そういった制度的な特例、保留地等でそういったものをとれるようにする、そういう制度も設けているわけでございますが、要は非常に密度が高いということでございますので、そういった施設整備をするに当たっても、公共団体の用地の先行取得が非常に重要になろうかと思います。そういった点でも、低利融資の制度を設けたわけでございまして、この制度を活用することによって用地の先行取得をまず第一に行う、そしてその上で災害に強いオープンスペースの多い町づくりを推進することが必要だろう、このように考えているところでございます。
  23. 北村直人

    北村委員 私がイメージするのとは若干違うなという感じがするのですけれども、法律がこれから施行され、そして災害に強い町づくりをしていく上でいろいろいな知恵が出てくるとは思います。しかし、この再開発を含めた土地の区画整理事業等々は非常に時間が普通ではかかる、今回の大震災は時間をかけるわけにいかない、こう思います。  ですから短時間のうちにこれをやっていかなければなりませんけれども、その中でも特に被災した中小の商業者あるいは工場主の方々というのは、一日も早い事業の再開ということを希望していると思います。そういう現地の点を考えたときに、これらをどういうふうに推進をしていくのかもお聞かせをいただきたい、こう思います。
  24. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 確かに先生御指摘のとおり、仮設店舗あるいは中小工場、特に長田区の場合にはそういった住商工の混在している地域でございますので、住宅供給とあわせて商店街の整備あるいは工場街の整備、こういったことが重要になろうかと思います。  特に、そういった意味におきましても、その区画整理事業の一環としてそういう仮設店舗の供給あるいは仮設工場の供給、こういったことも必要になろうかと思いますので、できるだけ早い時期に計画決定する、そして事業計画に移行する。そうすることによって、区画整理事業の一環としてもそういった仮設店舗の整備とか、あるいは仮設工場の整備ができるように努力してまいりたい、このように思っているわけでございます。
  25. 北村直人

    北村委員 できるだけ早い事業の再開を希望するものであります。  それと同時に、被災地の特に住民の方々、個人で持っている家の方々は別としましても、マンションに住んでいる方々が非常に被害を受けられているわけであります。この法律の中のマンションの建てかえについては、具体的にはどのような対応をとられるおつもりなのか、お聞かせをいただきたい。
  26. 梅野捷一郎

    梅野政府委員 今回の震災でマンションにも大変甚大な被害を受けたわけでございまして、先生も御心配のように、マンションの場合には多数の方々の区分所有という、戸建ての住宅とはまた違った難しい問題を抱えながらの復興ということになるわけでございまして、この被災マンションの建てかえというものをどうやって円滑に進めていくかということは、私どもとしても大変頭の痛い問題でございます。  当然、建てかえを進めるためには資金手当てが十分にできるようにということも一つございますし、また、合意をどうやって進めていくのかということもあるわけでございますし、また、部分的には新しい生活の進め方をされる方もいらっしゃるだろうということもございます。  それぞれいろいろな形での対応をしなければいかぬと思っているところでございまして、資金については金融公庫の方でできるだけ、許される範囲でできるだけの有利な条件のいい資金を御用意するということでございますし、それから三番目に申し上げました、新しい生活を組み立てられる方あるいは具体的な建てかえ計画に至るまでの問題をどうするかということについては、いわば別のところでの生活の安定ということもございまして、できるだけ公的な住宅供給して、そちらで一つの生活を組み立てていただく。  あるいは、そういう生活を前提にしてしっかりした、若干の時間をかけながらでも、きちんとした安全な町づくりにもつながるようなしっかりしたマンションの再建計画をしていただくということもございますし、それから、何といってもいろいろなケースがございますので、御相談に十分こたえられるようなことを考えているところでございます。  また、再開発につながるようなものにつきましては、今ございます優良建築物等整備事業というようなものを活用しながら、できるだけ助成の面でも応援ができるような組み合わせを考えていきたいというふうに考えているところでございます。
  27. 北村直人

    北村委員 ひとつ大臣に、釈迦に説法とは思いますけれども、お聞きをしたいと思いますが、今回の法案、これはまさしく阪神・淡路大震災を契機として立案されたものであることは、我々周知のとおりであります。しかし、これを特別法でなくて全国的に適用される一般法とする、そのことについて大臣はどのようにお考えをお持ちでしょうか。
  28. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 大臣の御答弁の前に、事務的に説明させていただきたいと思いますが、今回の特例法の中身でございますが、いずれも放置すれば不良な市街地に後戻りしかねない状況において、迅速に事業を展開しなければいけないということ、それから、住宅を急いで大量に供給しなければいけないということ、こういった緊急性にかんがみて、例えば一定の行為制限とかあるいは換地の特例、こういったことを設けているわけでございまして、そういった意味合いでは、そういう緊急性に対応するための特例措置ということで、どうしても特別措置法という形をとらなければいけないという形になったわけでございますが、確かに先生御指摘のとおり、その制度の中には非常に使いやすいという面があるわけでございます。  私ども事務方としては、今後こういった法制局の法制度論の議論におきまして、公益性を十分説明できるような努力、工夫をしながら、今後はもう少し努力して一般法の形にできるような、そういう努力はしていかなければいけないという、そういう基本的な認識を持っているわけでございますが、現段階においては、法制度論としてやはり緊急の必要性に対する制度、こういうことでこういう取りまとめになったということで御理解いただきたいと思います。
  29. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 きょう皆さん方に御審議をいただいて採決をしていただくという状況でありますが、この阪神・淡路大震災を眺めてみて、まず救援から復旧へ、復旧から復興へ足並みを早めていかなければならぬというのは国民全体の声であり、被災民の皆さん方の切なる要望であります。  したがいまして、被災都市の復興特別措置法案というようなものについては政令で地域を指定しますけれども、これを急ぐためにあえてやらなければならぬ、こういうふうに考えて、立派な防災都市をつくるために足並みを早くするための法案でございますので、何とぞ御審議の上に、早急に可決をいただぎますように心からお願い申し上げます。
  30. 北村直人

    北村委員 大臣から早急にということで、時間的にも早急な採決の時間が迫ってくるなどいう感じがいたします。  それで、特に市街地の復興特別措置法案の中身について、私自身改めて再認識をさせていただきましたけれども、その上で、きょう防災局長さんお越してございますので、国土庁の防災に対する基本的な役割というのは一体何なんでしょうか、もしお答えがいただければちょっと教えていただきたいと思います。
  31. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 今先生御承知のように、一つは国土審議会におきまして、平成八年度を目途に、来るべき二十一世紀にふさわしい国土づくりの指針を示すという新しい全国総合開発計画の策定作業を進めております。その中でも、国民の生命と財産の安全確保というのは国土づくりの基本であるというふうに考えられますので、新しい全総計画におきましても、安全で質の高い国土の形成ということが非常に重要な課題の一つになるだろうというふうに認識をいたしております。  それから、これは従来からやっておるところでございますけれども、治山事業あるいは治水事業等の国土保全事業につきまして、各省庁それぞれ五カ年計画等をつくりまして、今鋭意推進をして  いるところでございます。  それから、現に起こりました災害について申し上げますと、例えば北海道南西沖地震につきまして、非常に被害が甚大でありました青苗地区につきましては、低地部には防潮堤を建設して一部かさ上げをする、あるいは高台に集団移転ということで移転をしていただくというようなことで、再度災害の防止、範囲は狭い範囲でございますけれども、再び同じような被害を受けないようにということで、安全な町づくりということをやっておるわけでございます。  それから、今もいろいろお話がございましたような、阪神・淡路大震災からの復興に当たりましても、災害に強い町づくりというようなことを基本理念としてやっていかなければいかぬというふうに考えております。  それから、いろいろ御批判もございましたけれども、実際に災害が起きました場合の応急対策ということにつきましても、非常災害対策本部、あるいは場合によりましては緊急災害対策本部というものを設置いたしまして、政府の窓口といたしまして、そういった場を通じて応急対策を進めていくというのも国土庁の重要な役割であるというふうに認識しておるところでございます。
  32. 北村直人

    北村委員 確かに防災局長さんの述べられたとおりだと思います。  ただ、この二年間の中に、今回の大震災を含めれば五回の地震がございましたね。平成五年の一月十五日の釧路沖地震、その年の南西沖地震、昨年の十月四日の東方沖、あるいは十二月の三陸はるか、そして一月十七日の阪神大震災。私は釧路沖、南西、東方、三陸はるか、こういった地震のことを考えていったときに、国土庁の防災局としてどんな教訓をそこから得て、そしてどのような対策をきちっととられていったのかな、実は非常に疑問を感じている一人であります。  特に、平成五年の一月十五日の釧路沖地震、そのときにはちょうど私は北海道開発の政務次官を拝命をしておりました。ちょうど北海道の羅臼という町におりまして、そこで地震を知って、電話が通じなくなった。たまたま自動車電話で釧路の開発建設部と連絡をとって、実はそこから車で三時間半かかって迂回路を通りながら開発建設部に入ったのを今でも覚えておるのですが、そのときに、非常に民間の方々がてきぱきと役所の方々の行政指導よろしくというのでしょうか、この区間はあなたの建設会社が管理しなさいということなんでしょう。  これはその後、北海道開発庁なりあるいは建設省なりいろいろなものがあるのでしょうけれども、羅臼から釧路までの約百五十キロ程度の道のりの中で、橋の決壊も何カ所かありました、あるいは道路の破損箇所で迂回をするのもありました。しかし、夜の八時ちょっと過ぎにあってすぐ飛び出して、二十キロも行かないうちにもう民間の方が出て、右の方へ行ってください、あるいは左の方へ行ってください、この橋は大丈夫です、こういう指示をされている。  しかし、それに対して国土庁のとられた措置、特に、これも別に局長さんをどうこうというわけじゃありませんけれども、昨年の東方沖地震では釧路よりも根室、中標津、別海の方が大変大きな被害があった。しかし、視察に入ったのは釧路だけである。そこから国土庁の方々、政府の視察の方々はすぐ帰られてしまった。今回のように、一目瞭然わかるような地域であれだけの被災があれば、そこを一カ所見て大体、一つを見て百を知るということがあるでしょう。  しかし、例えば北海道やあるいは九州、そういう広い地域で地震があったときに、これは気象庁のマグニチュード、あるいは災害の大きさによってのあれもあるでしょうけれども、そこの地域の住民の皆さんにとっては、やはり政府の視察、あるいは政府からいち早く来ていただいたということが非常に心強いものを感じる。そこまで来て帰られる。たまたま次の日、私たちが行っておりましたから、国土庁にお願いをしてすぐ入っていただいたという経過がありますけれども、今防災局長さんがお話のあった、国土審に乗っかって、安心して質の高い国土を目指すというときに、国土庁の防災に対する認識というものが、ことしの大震災でなくて過去の四回を見たときに、どうも生かされていないのじゃないかな、私はそんな感じがして仕方がないわけであります。  そういった意味で、行政改革等々で国土庁のいろいろな問題も出ておりますので、ぜひ防災についてもっともっと前向きに、そして今までの教訓というものを生かしつつ、対応というものを迅速に敏速にやっていただきたい、このように思います。  そして、特に先ほど申したように、民間の方々の手助けというものがなければ地域での防災に対する緊急な対策というのはできない、そのことを十二分に国土庁皆さん、あるいは政府皆さんはわかっていると思いますけれども、その点について防災局長のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
  33. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 今先生がおっしゃいました具体的な例で挙げられましたような、例えば民間建設業者、実際に道路がふさがったというような場合に、道路を啓開するという場合に、当然民間の方々に実際にはやっていただかなければいかぬわけでございまして、そういった手順につきましても地域防災計画であらかじめ定めておくというようなことが非常に重要なことであろうかと思います。  それから、非常に話題になっておりますボランティアにつきましても、今回も非常に活躍をしているようでございますが、これは北海道の南西沖地震のとき、あるいはその後の鹿児島の豪雨災害等につきましても、従来はそれほどでもなかったのですが非常に目立った活躍が見られているようでございますので、災害面において一層ボランティアを活用するということについても、今後真剣に検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  34. 北村直人

    北村委員 時間が参りましたので、私の方は終わらせていただきますけれども、国土庁の防災局の皆さんには、今までいろいろな経験そして教訓、そういうものが蓄積されていると思います。それを、ただ単に調整機能としてこれをすることなく、それぞれの省庁に的確な判断を仰ぎながら、やはり先ほど防災局長が申しておりましたとおり、安全な質の高い国土の地域づくりのために、ぜひ国土庁に全力を挙げて取り組んでいただきたい。  このことを最後にお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
  35. 遠藤和良

    遠藤委員長 次に、中島武敏君。
  36. 中島武敏

    ○中島(武)委員 私は、議題となっております法案についての審議に入る前に、関係もありますし、また緊急な問題ですので、一つだけお尋ねしたいと思っています。  これは仮設住宅の問題なのですけれども、厚生省来ておられますね。阪神大震災は既に一カ月を経過しました。しかし、今なお避難所に避難している方が二十一万人近くと発表されております。これらの人は、一日八百五十円という大変冷たい握り飯とパンの食事をし、足も伸ばせない、プライバシーも全くない生活を強いられております。住宅の希望は何月になっておりますか。それからまた、現在まで何月に何人が入居できたかということについて、まずお答えいただきたいと思います。
  37. 西沢英雄

    ○西沢説明員 お答えいたします。  応急仮設住宅の計画でございますが、現在四万戸の設置計画を持っておりまして、このうち三万戸につきまして発注いたしておりまして、三月中の完成を目指して努力をしておるところでございます。  入居決定でございますが、十九日現在で二千百七十八戸が完成いたしまして、七百二十八戸が入居をしております。
  38. 中島武敏

    ○中島(武)委員 この応急仮設住宅を希望する人についても伺ったのですけれども、これはお答えなかったのですが、つかんでおられるのでしょうか。  そのことを次に答えていただきたいのと、それから生産が追いつかないという問題とあわせて非常に問題になっておりますのは、用地の問題なのです。もちろん被災者の方々の圧倒的な部分というのは、現在住みなれたところ、あるいはその周辺で生活をしたいと心から願っておるわけです。この被災者の気持ちにこたえた仮設住宅建設が必要だと思うのです。そしてそのためには、国公有地の活用などはもちろんですけれども、本人が希望し、それから県を通じて要望があった場合に、個人の所有地それから借地、それに区分所有の共有地に仮設住宅を貸し出して建設できないのか。いや、そうやらせてほしい、こういう声は物すごいのですよ。もう私どものところに頻々として来るのです。そういう点で、こういう方々の要望にこたえることができないのだろうか、この点を答えてください。
  39. 西沢英雄

    ○西沢説明員 お答えいたします。  申し込みといいますか希望の状況でございますが、これは現地でいろいろ接触する中から進めておりますので、その辺の調整をとりながら進めてまいりたいとも考えております。  それから、お申し越しの御自宅跡地等に被災者のための応急仮設住宅建設したらどうかという御意見でございますが、被災地の瓦れき処理等が行われますと、整地された段階で、仮設住宅ではなくて御自宅を再建されるということになるかと思います。その場合に、御自宅建設の障害にならないかどうかというふうな問題が一つございます。それからもう一つは、仮設住宅は地方公共団体が実施する事業でございますので、結果的に自宅敷地等を所有する特定の被災者への優遇措置ともなり、被災者間の公平を欠くことにならないかといった問題もございます。  仮設住宅建設数の確保につきましては、現地の状況を把握しております兵庫県等に御努力いただいているところでございますので、その成果を期待したいというふうに考えているところでございます。
  40. 中島武敏

    ○中島(武)委員 なかなか答弁が渋いですね。非常に困難、障害をたくさんあなたは挙げて、結局難しいという結論なのですか。県が皆さんの方にそういう要望を上げてきたという場合にはどうなのか、難しいなんということを言っている暇はないと私は思うのです。県の方が要望したらどうするのですか。
  41. 西沢英雄

    ○西沢説明員 お答えいたします。  個別具体の問題としてどうであるかということになりますと、またそれなりの交通事情とか地域の状況とかあるいは敷地の広さとかいろいろな問題が出てくると思いますが、それはまたお話をお伺いした段階でということにさせていただきたいと思います。
  42. 中島武敏

    ○中島(武)委員 なかなかしっくりした話が返ってこないのですね。これは、本当に住民の皆さん要望しているのですよ。おわかりだと思うのです。こういうことにちゃんと政府はこたえる、この姿勢が私は必要だと思うのです。仮設住宅は二年間でしょう、二年間。ちゃんと制限がついているのですよ。それを、後片づけだの、いやこれからの復興計画の邪魔になるだの、そんなことを言っておったら、実際に自分の土地に住めませんよ。一体いつまであんな苦しい思いをしながら避難所で生活しなければならないのか、ここをよく私は考えてもらいたいと思うのです。  では、次の問題に行きます。  被災市街地復興特別措置法については、十七日にも私は質問を行ったのですけれども、なおただしたい疑問点がありますので、改めてまたお聞きしたいと思います。  復興事業を行う上での基本は、町づくりの計画策定から具体的な事業実施に至るまで、徹底的な住民参加と合意が必要であるという点は、前回も私申し上げました。さてそこで、施策を進める上での配慮規定では、地域住民、民間事業者等の理解協力という問題がありますけれども、この地域住民と民間事業者は何に協力するのですか、これを伺いたいと思います。
  43. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 被災市街地の復興を進めるに当たって中心的な事業となりますのは、区画整理事業などの面的な整備事業になろうかと思いますが、こういった面的整備事業と一緒にあわせて住宅供給をしていく、この事業の必要性の理解協力、そしてそのために必要となるそれなりの権利制限、こういったことが具体的な地域住民、民間事業者等の理解協力、その具体的な内容になろうかと思います。
  44. 中島武敏

    ○中島(武)委員 なかなかずばり答えが返ってきましたね。権利制限のところを非常に強調されていらっしゃるのだけれども、これは私、なかなか重大な問題だと思うのですね。  その次に行きます。神戸市議会は、去る十五日、神戸市震災復興緊急整備条例を可決しましたが、ここで定めている促進地域と、本法に言うところの復興推進地域とはどう違うのか、この点を明らかにしていただきたい。  それから、促進地域は約四千ヘクタールという広大な面積のようであります。神戸市当局は、そこを対象に住宅整備、区画整理事業、市街地再開発事業を推進しようとしております。そうすると、この法律はこの条例による促進地域を結果的には後押しするものになるのではないかと思うのですけれども、見解を伺いたいと思います。
  45. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 神戸市の条例につきましては、基本的に行政指導の根拠、届け出に対して一定の行政指導をしていこうということでございます。  それに対して、この推進地域につきましては、本来の目的である都市計画決定がされるまでの間、最小限度の法律に基づく行為規制をしようということになるわけでございます。したがいまして、神戸市の条例では四千ヘクタールということで非常に広い範囲を規定しているわけでございますが、通常の場合にはそれで対応できるという判断もあろうかと思いますが、経済活動が非常に激しい地域につきましては、ビル等の行為制限が出てくる。ビル等の建築活動が出てくるおそれがあるわけでございまして、そういった地域につきましては、この特別措置法による推進地域を指定して、そして必要最小限度の規制をしながら最終的な目的である計画決定、事業の執行に移っていく、こういう組み合わせになっていくかと思います。
  46. 中島武敏

    ○中島(武)委員 この場所は神戸市の条例について云々する場所でないということは、私も心得ているつもりであります。ありますが、この条例を見ますと、震災復興事業に協力する責務を有すると、非常に一方的に住民に対して、市民に対して協力義務を負わせるというものになっております。私は、この前も申し上げたのですけれども、やはり計画の段階から事業の実施に至るまで徹底した住民参加ですね、そしてその合意を得た上で、今度の場合は特に大規模かつ異例な復興事業なんですから、よっぽどの住民参加と住民合意が必要だと思うわけです。  この法律案について伺うのですけれども、住民参加、それから合意、これを担保する明文の規定というのはあるのですか。
  47. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 この特別措置法では、住民の理解協力という配慮規定を置く前に、実は三条の方で、国、公共団体の責務ということで、復興に向けて最善の努力をしなければいけない、そういう規定を置いた上で住民の理解協力というお願いをしているわけでございます。まず、御答弁する前にその点を確認させていただきたいと思います。  それから、具体的な担保でございますが、実はこの特別措置法は、例えば推進地域の指定につきましては都市計画の手続で定めるということになっているわけでございます。したがいまして、最低限二週間の縦覧、そして都市計画地方審議会への付議、そして最終的に決定権者である市町村が判断する、そういう手続をまず置いているわけでございます。  また、個々の事業、区画整理事業、市街地再開発事業、これにつきましてもそれぞれ区画整理法、都市再開発法、この規定の中で、例えば事業計画の決定あるいは換地計画の決定。事業計画の決定につきましては、公共団体施行の場合には、やはりこれも二週間にわたって縦覧をして、そして都市計画地方審議会に意見が提出できる、この意見を採用するか採用しないかということを判断した上で最終的に決めることになる。  さらに、換地計画につきましては、区画整理審議会という特別の、これは地権者が五分の四以上入る審議会でございますが、そういった区画整理審議会に意見を聞きながら物事を進めていくということでございますので、四条の基本理念を担保するのは、特別措置法それ自体には規定されてはおりませんけれども、関係する条文、準用される条文の中で明確に規定される、このように理解しております。
  48. 中島武敏

    ○中島(武)委員 今、局長から説明がありましたけれども、確かに計画の縦覧だとか意見書の提出ができる。だけれども、意見書を採択されるかどうかという保障はもちろんないわけですね。これは酒田の大火の場合ですけれども、住民から二百八十に上るところの意見書が出たのです。だけれども、全部これ不採択です。一つも取り入れられなかったのですね。一つも取り入れなくても、その裁量権は住民の側にないわけですから、そういうことになっても違法と言えないのですね。私は今度の問題でも、今言ったように、局長が言っておりますように、計画の縦覧とか意見書の提出というだけで住民参加が保障できるのか、また住民合意が保障されるのかということになったら、私はこれは無理だと思うのですね。  次の問題もかかわりますので、次の問題に移りたいと思うのですけれども、最初に指摘しましたけれども、多くの被災者は今非常に厳しい避難所生活を送っております。みずからの生活再建のめども今日ついていないという、非常に深刻な状態です。こういう状態、事実上さっきの厚生省の答弁でもなかなか満たせない、そういう事態にあるわけなんですね。  ところが、その上に防災町づくりのための私権制限、これがかかってくる。私どもは、私権制限一般に反対するものではありません。はっきり申し上げておきますが、何が何でも反対だ、そういう態度をとるものではないのですけれども、しかし今回の場合はどうかということを具体的に見ますと、住民参加を事実上否定した上で私権制限が行われようとしている。ですから、結果として上から復興推進地域での二年間にわたる建築行為の制限を行うということは、結局今申し上げたように私権制限の押しつけということにならざるを得ないのではないかと思います。  それで、大震災の復興計画の推進であるとはいっても、個人の財産権を制限するものでありますから、ここは本当は住民の意見を十分に聞いて民主主義を貫かなければならないところなんです。だけれども、この法律では、また関係のこれを使う法律では、この復興事業に使う法律ではこれは保障されてないんですよね。今、局長が答弁されたとおりなんです。だから私は、そうなんだけれども、なおかつこの間も大臣に私は要求したのだけれども、やはり民主的に、そしてよく住民の意見を聞く、住民参加と合意を得て進める、この精神を貫かなければいかぬと思うのですね。この点はどうですかね。
  49. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 まず私権制限の点につきましては、推進地域に指定されますと確かに一定の行為制限が働くわけでございますが、その場合でも必要最小限度ということで、自己居住や自己業務用の木造二階建ての建築物は通常許可される、そういう仕組みにしているわけでございます。  それから、特に被災地域の住宅供給、仮設住宅供給、これも非常に必要だということで、私どもといたしましては、区画整理事業の一環としてでもそういったことを供給していかなければいけない、このように考えているわけでございまして、先ほど言いました住民参加の手続も、あくまでもそれは法律、必要最小限度の手続として規定しているものであって、現に神戸市におきましては明日から相談所を設ける、そしていろいろ相談に応じながら、そしてまたアンケート調査を実施しながら、住民の方々の理解協力を得やすいように、できるだけそういった意向を踏まえた手続を進めるということで段取りを進めているわけでございまして、法四条の住民の理解協力、この精神のもとで区画整理事業等の面的な整備事業を進めていくことになろう、このように思っているところでございます。
  50. 中島武敏

    ○中島(武)委員 今までの質疑を通じて明らかになっておりますことは、事業を実際に進めるに当たっては区画整理の方式でやっていくということがはっきりしておると思うのですけれども、これは私から言うまでもないのですけれども、土地の区画整理事業でやるということになりますと、減歩によって公共用地とそれから事業費を生み出す、こういう制度であることは、もう私が申し上げるまでもありません。  そこで、端的に伺いたいのですけれども、この復興事業の中心的手法である土地区画整理事業で減歩はあると思うのですけれども、どうなんですか。
  51. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 区画整理事業ということでございますので、区画整理法では減歩、公共減歩、保留地減歩という規定があるわけでございます。通常、既成市街地、いわゆる都市改造型区画整理事業ということになりますと、減歩の率というのは一七%から二〇%、これは神戸市の事例でございますが、しかし非常に密度が高いという地域でございますし、また防災性の高い町づくりということでございますので、この程度の減歩卒では非常に難しいということで、できるだけ減歩卒を低くするよう神戸市の方でも考えているというふうに聞いているところでございます。
  52. 中島武敏

    ○中島(武)委員 それならば伺いますけれども、零細な地権者、借家人、これが結果として追い出し、言葉はきついかどうかわかりませんけれども、そこに住めなくなってしまう、追い出されるということはないというふうに約束できますか。
  53. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 そういった非常に密度の高い既成市街地における区画整理事業を中心とする面的整備ということで、特に区画整理事業につきましてはいろいろ特例を設けているわけでございまして、例えば、確かに非常に一人当たりの借地面積、土地所有面積が何十坪、何十平米というオーダーの地域もあるわけでございまして、それに対応するためにできるだけ共同住宅、要するにある程度中高層の住宅区を建設していく。さらには区域外にも住宅を設けて、その土地にかえて住宅を提供できるように、そういう特例を設けることによって可能な限り希望に応じて住宅供給ができるようにしていきたい。それが今回の特例措置だというふうに理解しておりまして、公共団体においてもこういった制度を活用して、できるだけ地域住民の期待にこたえられるように、事業が進められるよう私どもも全面的に応援してまいりたい、このように考えているところでございます。
  54. 中島武敏

    ○中島(武)委員 そういう制度はあるのです。それは私もよく承知しております、この法律でつくっていることをよく承知しておりますけれども。  ですけれども、例えば清算金が少ないといった場合に一体どうしたらいいのか。それから、よその地域に住むのではなくて、ここにやはり住みたいというお気持ちの方が随分いると思うのですよね。結局、そういう人たちは出なければならない。だけれども、住民参加と本当の合意が得られていれば別ですけれども、今ずっと明らかにしてきましたように、それはなかなか難しい、こういう状況なのですね。だから、特にこの借家人、結局こういう人はどうすればいいのか、もうこれは全然何の保障する規定もないのでしょう。そこはどうですか。
  55. 近藤茂夫

    ○近藤(茂)政府委員 今回の特別措置法の中で、公営住宅等のために保留地を設けることができるという制度がございます。そういった公共の賃貸住宅もどんどん建設していく、それによってできるだけそういう借家権者の方々にも入っていただく。  御案内のとおり、今回の特別措置法の中では、収入制限に関係なしに三年間に限って公営住宅にも入ることができるという特例がございます。こういった特例、そして公営住宅建設できる、しかも今回、補正予算におきましては特別の財政措置も講ずるということでございますので、かなりそういった面でのプラスもある。こういったさまざまな特例を用いることによって、十分地域住民の理解協力を得て事業を推進していくことができる、このように考えているところでございます。
  56. 中島武敏

    ○中島(武)委員 そういう特例で、ではすべての人が救われるのかといったら、なかなかこれは難しい問題なのですよ。だから、私はそういう点で、この問題というのは、やはりすべての人が納得ができればいいですよ。だけれども、今実際は被災地にいる、ところがもう法律では決められてしまってこういうものだということになってしまった、ああ、条例もつくられてしまった、え、気がついてみたら、何だおれはここに住めないのか、こういう事態が起きてくるのですよ。  私は、そういう点で——もう時間もないから、五分前というのが来ましたよ。だから、これ以上はちょっと質疑を続けることはできないのですけれども、重ねて大臣に申し上げておきたいのは、前回も言いましたけれども、今回もこういう法律ではあるけれども、やはり一番心がけなければならないのは、くどいようですけれども、住民参加と合意というものを大いに努力しなければならないということ。そして政府も、やはり大きなお金をつぎ込んでもこの問題に当たらなければならないということ。このことを大臣に申し上げておいて、私、残された時間で、私どものこの問題についての態度を明らかにしておきたいと思います。  私は、この法案に対して反対であります。その理由を明らかにしたいと思うのです。  私たちは、阪神大震災の被災地の復興について三つの柱から成る基本点を明らかにしております。  その第一は、復興事業の進め方は国の責任を明確にし、住民の参加と合意、民主主義を貫くことであります。第二は、被災者の生活再建の復興を中心にし、個人財産の補償、中でも住宅補償を最優先すべきであるということであります。そして第三に、防災優先の町づくりを進める、これが私ども日本共産党の復興に当たっての態度であります。  それで、この三点の復興の基本のいずれの点においても、本法案は反していると思うのです。それは、第一に、本法案には何ら住民参加、合意の保障がない。上から一方的に建設制限をかけるばかりか、復興事業の中心をなす土地区画整理法には、関係住民が意見書を上げることはできても、それを聞きおくという制度にすぎません。今までの多くの区画整理事業の実績がそれを証明しております。本法案と一体となって進められようとしている神戸市震災復興緊急整備条例が、「復興事業に協力する責務を有する」と、一方的に責務だけを市民に強要していることは、この復興事業の方向が住民合意の民主主義とは縁もゆかりもない強権的なものであることを示しております。  第二に、被災者の生活再建は保障されるどころか、今なお二十万人を超える住民が不自由な避難所生活を余儀なくされております。崩壊した自宅や中小企業の事業所、そしてまた商店、さらにはマンションを前に、それを建てかえるどころか、残されたローンの支払いをどうするか、途方に暮れております。とりわけ高齢者、低所得者は住居の不安にさいなまれております。本法による復興事業の中心をなす土地区画整理事業は、これら零細権利者を住みなれた地域から追い出すことになることは明らかであります。  第三に、防災優先の町づくりを進める上で決定的に重要なことは、適正な価格で公有地を拡大し、耐震公共住宅、医療・福祉施設、防災拠点、避難広場、公園、緑地の確保、道路の拡幅などを進めることであります。ところが、本法案では、住民参加と合意を前提として、適切な価格での公有地拡大も法案上保障されているわけではありませんし、利子つきの都市開発資金を使った土地の買い取り制度があるだけであります。逆に、零細権利者から土地や権利を取り上げ、それを公共用地に充てようというのでありますから、本末転倒と言わざるを得ません。さらにつけ加えるなら、この法律が今回の阪神大震災にとどまらず、今後の大規模な災害復興にすべて適用されることであります。このような重大な国民の生活を規定する法律が、十分な審議もなく施行されることは、後世に禍根を残すものと言わざるを得ません。  以上の理由により、本案に反対することを表明して、私の質問を終わります。
  57. 遠藤和良

    遠藤委員長 これにて各案中、大都市地域における住宅及び住宅地供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案都市開発法等の一部を改正する法律案及び被災市街地復興特別措置法案の各案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  58. 遠藤和良

    遠藤委員長 これよりただいま質疑を終局いたしました三案に対し討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、大都市地域における住宅及び住宅地供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  59. 遠藤和良

    遠藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、都市開発法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  60. 遠藤和良

    遠藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、被災市街地復興特別措置法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  61. 遠藤和良

    遠藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  62. 遠藤和良

    遠藤委員長 ただいま議決いたしました被災市街地復興特別措置法案に対し、野田実君外三名提出、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけ四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。太田昭宏君。
  63. 太田昭宏

    ○太田(昭)委員 ただいま議題となりました被災市街地復興特別措置法案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけを代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。     被災市街地復興特別措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、今般の阪神・淡路大震災により、地域住民に未曾有の被害が生じたことを厳粛に受けとめ、被災者の早急な生活再建と阪神地域及び淡路地域の市街地の一刻も早い本格的復興を図ることが重要である。   政府は、以上の基本的考えを踏まえ、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。  一 阪神地域及び淡路地域の市街地の復興に当たっては、長期的観点に立って、防災性の高い良好なまちづくりを行うことを最重点の課題とし、再び今回のような大惨事が起こらないよう万全の対応を図ること。  二 阪神地域及び淡路地域の市街地の復興に当たっては、本法による事業手法の特例、特別の支援措置等の最大限の活用が図られるよう、国としても、地方公共団体の創意を基本としつつ、万全の支援に努めること。  三 阪神地域及び淡路地域の被災者の生活再建にとって住宅の確保は最も重要であることにかんがみ、公営住宅の入居の特例等にとどまらず、被災者の住宅確保のための措置を積極的に講じること。  四 今回の被災を教訓とし、各都市における防災性の高いまちづくりに向けて、関係の諸施策を総合的かつ積極的に推進すること。 以上でございます。  委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
  64. 遠藤和良

    遠藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  65. 遠藤和良

    遠藤委員長 起立多数。よって、野田実君外三名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。建設大臣野坂浩賢君。
  66. 野坂浩賢

    野坂国務大臣 大都市地域における住宅及び住宅地供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案都市開発法等の一部を改正する法律案及び被災市街地復興特別措置法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことを深く感謝を申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。     —————————————
  67. 遠藤和良

    遠藤委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 遠藤和良

    遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  69. 遠藤和良

    遠藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時三十八分散会